JP3146164B2 - 多室型スラグ生成装置 - Google Patents

多室型スラグ生成装置

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JP3146164B2
JP3146164B2 JP25038696A JP25038696A JP3146164B2 JP 3146164 B2 JP3146164 B2 JP 3146164B2 JP 25038696 A JP25038696 A JP 25038696A JP 25038696 A JP25038696 A JP 25038696A JP 3146164 B2 JP3146164 B2 JP 3146164B2
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一夫 山岸
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kabusikigaisyagiken
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多室型スラグ生
成装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、家庭や産業界等で排出された廃棄物またはその処理
物を、建築材料における骨材等として二次利用するため
に、低コストで安全にかつ効率よくこれら処理物を無害
スラグ化することのできる、多室型スラグ生成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、家庭や工場等から
排出されるゴミを焼却したときに生じる灰を熔融させ、
これらを水中等に投入し冷却することにより砂利状にし
て回収する灰処理方法が実用化されている。この灰処理
を行う装置として、燃焼室に灰を投入し、バーナを直接
吹き付けて灰を熔融させて、燃焼室からこれらを取り出
して冷却するものが知られている。
【0003】しかしながら、この従来の装置では、熔融
にはバーナの熱だけに頼っており、バーナの熱が直接あ
たる部分では灰は早く熔融するが、それ以外の部分では
熔融は遅くなるため、全体を熔融させるには多くの時間
を必要とし作業効率は非常に悪かった。そこで、このよ
うな従来の装置の欠点を解消するものとして、円筒状の
燃焼室において燃焼用空気を旋回させることで投入する
灰を強制的に旋回させ、旋回しているバーナの熱によっ
て滞留する灰を容易に熔融させ、その後、熔融した灰を
燃焼室から冷却部に落下させて冷却する装置が提案され
た。しかしながら、この装置では、比重の軽い灰は、旋
回する燃焼用空気と共に燃焼室内を旋回することにより
滞留時間が長くなり、その間に十分に熱を受けるために
灰は完全に熔融するが、比重の重い灰は、旋回する燃焼
用空気にほとんど影響されず、大部分は燃焼室内での滞
留時間が確保されないために十分な熱を受けることがで
きない。このため、灰は完全に熔融せずに冷却部で冷や
され、骨材等として利用するには不適正な状態のまま回
収されることになり、回収率の低下を招くという問題が
あった。
【0004】また、前記の処理物の比重差による熔融の
ばらつきを解消するものとして、灰を投入装置から燃焼
室へ落下させる筒状部に複数の孔部を設け、側壁外側に
設置した二つのバーナによって加熱し、灰を十分に熔融
させようとする装置が開発された。しかしながら、この
装置は、処理物に可燃物が含まれている場合には、これ
らを燃焼するために新鮮な空気を送り込むことができ
ず、炉内温度を高温に維持することができないため、可
燃物を十分に熔融できない等の問題があった。
【0005】このような問題に対してこの発明の発明者
は、処理物に可燃性のもが含まれている場合でも、燃焼
に必要な新鮮な空気を炉内の温度を低下させることなく
供給し、炉内温度を高温に維持し、処理物を十分に熔融
させ、建築材料における骨材等として二次利用すること
のできる無害化スラグを安全に低コストで生成させる、
新しいスラグ生成装置をすでに提供している。
【0006】すなわち、その新しいスラグ生成装置は、
被処理物を投入するホッパーと、投入された被処理物を
熔融する熔融炉と、この熔融炉で生成したスラグを冷却
するスラグ水冷槽を備えたスラグ生成装置であって、熔
融炉には、生成したスラグをスラグ水冷槽へと落下させ
る傾斜面を持つ傾斜熔融炉床が配設されている。添付し
た図面の図5および図6は、そのスラグ生成装置を示し
た正断面図および側断面図である。
【0007】たとえばこの図5および図6に例示したこ
のスラグ生成装置では、炉内壁は、耐火材を貼って耐火
壁(101)とし、外側を水冷壁(102)とした二重
構造壁になっている。耐火材は十分な性能を保持できる
ようにしており、被処理物の種類によっては耐酸性、あ
るいは耐塩基性の材質の使用する。炉内の天井はアーチ
状にしており、傾斜熔融炉床(103)上の被処理物
(150)に輻射熱が与えられるようにしている。
【0008】被処理物(150)は投入ホッパー(10
6)に適時投入される。投入ホッパー(106)には電
動機(107)で駆動する攪拌翼または攪拌棒(10
8)が備えられ、かつロータリーバルブ(109)で定
量投入と炉圧のシールを計り、被処理物を投入ホッパー
(106)に滞留させることなく下部の投入ガイド(1
10)に送り込むことができる。投入ガイド(110)
は、近赤外線輻射塔(112)に接続されているため熱
が伝わりやすいので、その外側を水冷構造とし、被処理
物に含まれる未燃分等が処理前に投入ガイド(110)
内で固着することを防止する。投入ホッパー(106)
に設置されたセンサー(111)は被処理物が投入落下
したことを検知し、挿入押圧シリンダー(114)に動
作命令が指示されて、被処理物を投入ガイド(110)
に沿って押し出し、近赤外線輻射塔(112)に送り込
む。
【0009】近赤外線輻射塔(112)は、内壁と外壁
の二重構造になっており、内壁上部は締め切られてい
る。内壁と外壁を貫く開口が相互にフランジによって投
入ガイド(110)に接続され、近赤外線輻射塔(11
2)と投入ガイド(110)はL字状に一体としてい
る。近赤外線輻射塔(112)の内壁と外壁の間には空
気管(113)が複数備えられ、空気調整バルブ(11
4)によって送り込む空気量を調整できるようにしてい
る。
【0010】近赤外線輻射塔(112)から一次燃焼室
(115)に落下した被処理物(150)は、傾斜熔融
炉床(103)の上に蓄積され、一次燃焼機(116)
によって加熱熔融される。一次燃焼機(116)は廃油
または燃料油等で燃焼させる。傾斜熔融炉床(103)
はその下面を燃焼ガスが通過できるようにしており、ガ
スのもつ高温の輻射熱を傾斜熔融炉床(103)に伝熱
し、蓄熱して、処理物にその熱を伝えることで熔融を促
進させるとともに、スラグ生成装置の運転開始時に、傾
斜熔融炉床(103)に残された前回作業時の処理物ま
たはスラグ等を容易に熔融温度に高めることができる。
熔融が十分に促進されると処理物はスラグ化され、傾斜
熔融炉床(103)の上をゆっくりと流動しはじめる。
流動の開始は炉内温度が高いことが条件となっており、
処理物の成分にも左右される。さらに、傾斜熔融炉床
(103)の傾斜角度は数多くの実験により得られた傾
斜角の中から、処理物に最適である最も効率の良い流動
傾斜角が設定される。
【0011】また、運転休止等の後にスラグ生成装置を
再運転する場合に滴下するスラグの一部分が傾斜熔融炉
床(103)の端に固着していることがあるが、そのま
ま熔融を継続すると炉の休止時に新たな固着を生じ、処
理物の成分によってはその部分が成長する。これを再熔
融させるために二次燃焼機(118)を設置した二次燃
焼室(117)を設ける。二次燃焼機(118)は廃油
または燃料油等で燃焼させる。運転休止前および休止後
に若干の間、二次燃焼することにより、傾斜熔融炉床
(103)の先端部で熔融点温度を維持することで固着
を防止し、炉の寿命を長くすることができる。さらに、
保守、点検の際に傾斜熔融炉床(103)に残留したス
ラグを押し出し、スラグ水冷槽(119)に落下させる
油圧・空気圧または電動で動作するスラグ押出シリンダ
ー(120)が設置されている。
【0012】熔融処理を終えた燃焼ガスは、傾斜熔融炉
床(103)の下の二次燃焼室(117)に設けた熱交
換器(121)によって再利用が計られる。この高温ガ
スは高温空気入り口(122)から一次燃焼機(11
6)と二次燃焼機(118)に送り込まれ、これらの燃
焼温度を高めることができる。熱交換器(121)の材
質については、高温ガスが通過するため必ずしも耐熱性
の金属でなくても良く、耐火煉瓦または不定形耐火材な
どで構築されることもある。また、この熱交換器(12
1)は必ずしも炉内に設置する必要はなく、他の必要機
器と同様にシステムの一部として炉外に設置して利用す
ることもできる。
【0013】スラグが傾斜熔融炉床(103)の端から
次々と滴下して、炉の下部に設けられたスラグ水冷槽
(119)に落ちる。このスラグ水冷槽(119)の水
温が低い場合には、滴下したスラグの表面のガラス質が
急冷されるため、亀裂を生じて細かく砕ける。スラグが
急激に冷却されるに伴い、水温が上昇する。スラグ形状
や粒度を一定に保つためには水温を適切な温度に管理す
る必要があり、そのために温水と冷水を注入できるよう
にそれぞれ電動調節弁(123)を設け、温度センサ
(124)によって温度管理を行えるようになってい
る。スラグ水冷槽(119)の底には水砕スラグ搬送コ
ンベア(125)を傾けて設置し、その一部が水面から
出る構造とし、水封を保持しつつスラグは炉外に搬送さ
れる。
【0014】以上のとおりのこの発明の発明者がすでに
提案しているスラグ生成装置はこれまでにない優れた性
能を実現するものであるが、この発明者のその後の検討
によって、このようなスラグ生成装置においては、さら
に改良して発展させることが望ましいことが認識されて
きた。すなわち、スラグ生成装置においては、より省エ
ネルギーの熱効率に優れた構成とし、設置スペースの低
減を図ることや、熱膨張、強度の低下を抑え、より生産
性を向上させることが望まれていることである。これら
のことは、実施上の設計、製造、取付け施工において大
変に重要な課題である。
【0015】そしてまた、上記のような高性能のスラグ
生成装置の場合でも、熔融温度や比重の異なる数種類の
熔融物を同時に処理したい場合には、その数の分だけ熔
融炉を用いるか、または、一つの熔融炉をもちいて、被
熔融物をひとつずつ処理していくことが必要で、処理効
率の点で、改善すべき余地が残されてもいた。この点に
ついては、例えば石炭灰と木材灰とを同時に処理したい
場合、石炭灰の熔融温度は1500℃前後で、その比重
は1程度であり、また、木材灰の熔融温度は1280℃
前後で、その比重は0.5程度であるので、これらの2
つの物質を同時に処理することはできない。このため、
一つの従来の装置を用いる場合には、熔融温度の低い木
材灰を先に熔融し、その処理が終わった後に石炭灰を処
理することになる。
【0016】また、アスベストを処理したい場合、一般
的に、アスベストは、1300℃前後で熔融可能なもの
が2種類あり、1520℃熔融可能なものが1種類存在
し、それらの比重は0.5〜0.7であるので、これら
の場合にも、一基の熔融炉で、同時に処理することは難
しい。そこで、この発明は、以上通りの事情を鑑みてな
されたものであり、より熱効率、省スペース性に優れ、
熱膨張や、強度の低下を抑えて生産性を向上させること
ができるとともに、熔融温度および比重の異なる数種類
の熔融物を同時に処理することをも可能とする、新しい
スラグ生成装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、被処理物を投入する投入口と、
投入された被処理物を熔融する熔融室と、この熔融室で
生成したスラグを冷却するスラグ水冷槽を備え、熔融室
には、生成したスラグをスラグ水冷槽へと落下させる傾
斜面を持つ傾斜熔融炉床が配設されているスラグ生成装
置において、複数の熔融室と、その熔融室の各々に対応
する投入口とスラグ水冷槽とが備えられ、略中心部に上
下方向に設けた燃焼ガス排出用の煙道に対して、複数の
熔融室が隣接して配置されていることを特徴とする多室
型スラグ生成装置を提供する。
【0018】さらに、この発明においては、上記の各々
の傾斜炉床の下面には燃焼ガスの排出路が配置されてお
り、各々の排出路は、一つの煙道へと連通されて燃焼ガ
スの排出が行われるとともに、燃焼ガスの高温輻射熱が
傾斜熔融炉床に伝熱される多室型スラグ生成装置や、傾
斜炉床上の被処理物を熔融する燃焼機が各々の熔融室に
備えられている多室型スラグ生成装置、傾斜熔融炉床
は、円周方向に傾斜面を有しているスラグ生成装置、さ
らには、熱交換器が配設されている多室型スラグ生成装
置、スラグ水冷槽には、スラグ搬出装置が備えられてい
る多室型スラグ生成装置、全体が円筒丸形である多室型
スラグ生成装置等もその態様として提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明においては、以上のとお
りの複数の熔融室と、その熔融室の各々に対応して投入
口とスラグ水冷槽を備えたことに大きな特徴がある。こ
のように複数の熔融室を隣接して設けたことにより、熱
効率の向上による熔融速度の増大、熔融室スペースの縮
小化、炉強度の向上等が図られる。
【0020】すなわち、一般的に熱を発生させるとき、
炉内の大きさと発生熱量温度は密接な関係があり、小さ
な炉内を利用した方が熱効率は高くなるが、この発明に
おいては、熔融室を小型で多室型としているので、炉内
の熱効果を向上させることができる。そして、熔融室は
相互に隣接配置されているため、熱の全体としての利用
効率も向上し、燃焼ガスによる熱利用も効果的となる。
【0021】さらに、この発明においては、同じ能力の
炉を想定したとき、円形多室型とすることで、設置スペ
ースが少なくてすみ、全体に丸型とすることで、高温炉
の最大の問題点である熱膨張や強度の低下といった難点
を容易に解決することができる。もちろんこの発明にお
いては、炉の形状に適切な補強をすることにより円形に
限らず、方形その他の形状にて多室化することも可能で
ある。
【0022】さらに、この発明においては、熔融室の天
井、側壁に適切なアーチをつくることができ、輻射熱を
炉床上の被熔融炉物に有効に作用させることができ、よ
り高温の状態で熔融を行うことが可能である。以下、実
施例を示してさらに詳しくこの発明のスラグ生成装置に
ついて説明する。
【0023】
【実施例】図1ないし図4はこの発明の多室型スラグ生
成装置を例示したものである。この例の装置において
は、3つの熔融室を備えており、図1は、その縦断面図
であり、図2はこの図1のa−a断面図であり、図3
は、b−b断面図であり、図4は、図2のc−c断面図
である。
【0024】このスラグ生成装置では、図1および図2
から明らかなように、全体の形状を円筒形とし、被処理
物を投入する投入口(7)と、スラグ水冷槽(15)と
が、隣接した3つの熔融室(1)の各々に対応して配設
されている。3つの熔融室(1)を構成する炉内壁は、
耐火材(4)からなる耐火壁と、その外側を水冷壁
(5)とした二重構造壁としている。耐火材(4)は十
分な性能を保持できるようにしており、被処理物の種類
によっては耐酸性、あるいは耐塩基性の材質を使用す
る。耐火材(4)には、図2および図3に示したよう
に、適宜に水冷管(6)が配設される。
【0025】炉内の天井はアーチ状にしており、熔融炉
床(2)上の被処理物(16)に輻射熱の焦点が合うよ
うにしている。熔融炉床(2)は、図1、図2、並びに
図2のc−c断面を示した図4から明らかなように、投
入口(7)への対向面から、スラグ落下口(8)に向っ
て傾斜しており、また、図1に示されているように、ス
ラグ水冷槽(15)の上部のガス室(3)は、装置の略
中心部に設けた煙道(9)に導通している。
【0026】さらに、図1、図2および図3に示したよ
うに、炉壁の一部には防爆扉兼点検口(10)(11)
を設け、不慮の炉内の圧力上昇に対処できるように安全
が確保されている。なお、保守、点検が容易にできるよ
うに、炉体を上下に分割できる構造としてもよい。
【0027】そして、図1に例示したように、投入装置
を用いて、被処理物(16)が、投入ガイド(13)を
経由して、投入口(7)の各々より、3つの熔融室
(1)の各々に投入されるようになっている。図4に例
示したように、各々の熔融室(1)に落下した被処理物
(16)は、傾斜熔融炉床(2)の上に蓄積され、一次
燃焼機(12)によって加熱熔融される。
【0028】傾斜熔融炉床(2)はその下面を燃焼ガス
が通過できるようにしており、ガスのもつ高温の輻射熱
を傾斜熔融炉床(2)に伝熱し、蓄熱して、処理物にそ
の熱を伝えることで熔融を促進させるとともに、スラグ
生成装置の運転開始時に、傾斜熔融炉床(2)に残され
た前回作業時の処理物またはスラグ等を容易に熔融温度
に高めることができる。熔融が十分に促進されると処理
物はスラグ化され、傾斜熔融炉床の上をゆっくりと流動
しはじめる。流動の開始は炉内温度が高いことが条件と
なっており、処理物の成分にも左右される。さらに、傾
斜熔融炉床(2)の傾斜角度については処理物に最適で
ある最も効率の良い流動傾斜角が設定される。
【0029】燃焼ガスは熔融炉床(2)の開口部である
スラグ落下口(8)から炉床の天井を加熱しつつガス室
(3)を通過し煙道(9)に至る。各熔融室(1)のス
ラグは、傾斜熔融炉床(2)の端のスラグ落下口(8)
から次々とスラグ水冷槽(15)に落ちる。このスラグ
水冷槽(15)の水温が低い場合には、滴下したスラグ
の表面のガラス質が急冷されるため、亀裂を生じて細か
く砕ける。スラグが急激に冷却されるに伴い、水温は上
昇する。スラグ形状や粒度を一定に保つためには水温を
適切な温度に管理する。そのために温水と冷水を注入で
きるようにそれぞれ電動調節弁を設け、温度センサによ
って温度管理を行えるようになっている。スラグ冷却槽
(15)の底には図1のように、水砕スラグ搬送コンベ
ア(14)を傾けて設置し、その一部が水面から出る構
造とし、水封を保持しつつスラグは炉外に搬送される。
【0030】たとえば以上のように例示される多室壁の
スラグ生成装置では、多室型とすることで、炉内の熱効
率を高めることができ、設置スペースが少なくてすむこ
とになる。また、全体を、円形丸型とすることで、高温
炉の場合が問題点である熱膨張、劣化等による強度低下
という難点を解消する。さらには、天井、側壁に適切な
アーチを作ることができるため、輻射熱を炉床上の被熔
融物に有効に作用させることができ、より高温での熔融
が可能となる。
【0031】そして、ガス室(3)から煙道(9)への
燃焼ガスの流れによって、炉床を加熱でき、燃焼ガスの
スムーズな流れが確保されることになる。多室型とする
場合、全体が円形内筒丸型とすることは必ずしも必要で
はない。炉としての適切な強度等を考慮して方形等であ
ってもよい。ただ、全体としての強度バランス、熱効率
等の点からは、円形丸型のものが好ましい。
【0032】この発明においては、運転休止等の後にス
ラグ生成装置を再運転する場合に傾斜熔融炉床の端に固
着したスラグの一部分を再熔融させるために、従来の図
5のように、二次燃焼機(118)を設置してもよい。
この二次燃焼機は廃油または燃料油等で燃焼させる。運
転休止前および休止後に若干の間、二次燃焼することに
より、傾斜熔融炉床の先端部で熔融点温度を維持するこ
とで固着を防止し、炉の寿命を長くすることができる。
【0033】さらに、保守、点検の際に傾斜熔融炉床に
残留したスラグを押し出し、スラグ水冷槽(15)に落
下させるために、従来の図5のように、油圧・空気圧ま
たは電動で動作するスラグ押出シリンダー(120)を
設置してもよい。熔融処理を終えた燃焼ガスは、傾斜熔
融炉床の下熱交換器を設けることで再利用を行っても良
い。
【0034】この高温ガスは高温空気入り口から一次燃
焼機(12)、さらには上記の二次燃焼機に送り込ま
れ、これらの燃焼温度を高めることができる。熱交換器
の材質については、高温ガスが通過するため必ずしも耐
熱性の金属でなくても良く、耐火煉瓦または不定形耐火
材などで構築されることもできる。また、この熱交換器
は必ずしも炉内に設置する必要はなく、他の必要機器と
同様にシステムの一部として炉外に設置して利用するこ
ともできる。
【0035】この発明の多室型スラグ生成装置は、その
全体システムとしては、たとえば破砕機で破砕された処
理物はコンベアによってスラグ生成装置の投入ホッパー
に適時投入される。熔融炉(1)において熔融処理を終
えた燃焼ガスは、熔融炉(1)の内部に設置した煙道
(9)より排出される。その時に、一次燃焼機(1
2)、さらには、二次燃焼機に送られ再利用されるよう
にしてもよい。また、廃油タンクに蓄積された廃油がオ
イルヒーターを経てオイルポンプによって一次燃焼機
(12)等に供給されてもよい。スラグ水冷槽(15)
に落下し水冷されたスラグは、水砕スラグ搬送コンベア
(14)によって熔融スラグ受に搬送される。貯水槽か
らは、炉体冷却給水ポンプによって水冷壁(5)、水冷
管(6)、スラグ水冷槽(15)へと冷水が供給され
る。水冷壁内に発生した蒸気は、汽水分離器によって除
去されるようにすることができる。
【0036】いずれの場合でも、前記のとおりの作用だ
けでなく、この発明のスラグ生成装置によって、温度条
件を各々の熔融炉について設定し、複数種の被熔融物を
同時に処理することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】たとえば以上のように、この発明によ
り、複数個の熔融室を設けることにより、また、熔融室
を円形多室型とすることで、熱効率を高めることがで
き、設置スペースが少なくてすみ、高温炉の最大の問題
点である熱膨張や強度の低下といった難点を容易に解決
し、さらに、輻射熱を炉床上の被熔融炉物に有効に作用
させることができ、無害化スラグを安全に低コストで効
率よく生成することが可能となる。そして、一基の熔融
炉で、熔融温度および比重の異なる数種類の被熔融物を
同時に処理することが可能となり、効率よくスラグを生
成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスラグ生成装置を例示した縦断面図
である。
【図2】図1のa−a断面図である。
【図3】図1のb−b断面図である。
【図4】図2のc−c断面図である。
【図5】従来のスラグ生成装置を例示した正断面図であ
る。
【図6】従来のスラグ生成装置を例示した側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 熔融室 2 傾斜熔融炉床 3 ガス室 4 耐火材 5 水冷壁 6 水冷管 7 投入口 8 スラグ落下口 9 煙道 10 炉内点検口 11 ガス室点検口 12 一次燃焼機 13 投入ガイド 14 スラグ搬送コンベア 15 スラグ水冷槽 16 被処理物 101 耐火壁 102 水冷壁 103 傾斜熔融炉床 105 連通管 150 被処理物 106 投入ホッパー 107 電動機 108 攪拌翼 109 ロータリーバルブ 110 投入ガイド 111 センサー 112 近赤外線輻射塔 113 空気管 114 空気量調整バルブ 115 一次燃焼室 116 一次燃焼機 117 二次燃焼室 118 二次燃焼機 119 スラグ水冷槽 120 スラグ押圧シリンダー 121 燃焼ガス排出路 122 高温空気入口 123 水温調整弁 124 温度センサー 125 水砕スラグ搬送コンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−109049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 5/00 - 5/06 B09B 3/00 F23G 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を投入する投入口と、投入され
    た被処理物を熔融する熔融室と、この熔融室で生成した
    スラグを冷却するスラグ水冷槽を備え、熔融室には、生
    成したスラグをスラグ水冷槽へと落下させる傾斜面を持
    つ傾斜熔融炉床が配設されているスラグ生成装置におい
    て、複数の熔融室と、その熔融室の各々に対応する投入
    口とスラグ水冷槽とが備えられ、略中心部に上下方向に
    設けた燃焼ガス排出用の煙道に対して、複数の熔融室
    隣接して配置されていることを特徴とする多室型スラグ
    生成装置。
  2. 【請求項2】 各々の傾斜炉床の下面には燃焼ガスの排
    出路が配置されており、各々の排出路は、一つの煙道へ
    と連通されて燃焼ガスの排出が行われるとともに、燃焼
    ガスの高温輻射熱が傾斜熔融炉床に伝熱される請求項1
    の多室型スラグ生成装置。
  3. 【請求項3】 傾斜炉床上の被処理物を熔融する燃焼機
    が各々の熔融室に備えられている請求項1または2の多
    室型スラグ生成装置。
  4. 【請求項4】 傾斜熔融炉床は、円周方向に傾斜面を有
    している請求項1ないし3のいずれかの多室型スラグ生
    成装置。
  5. 【請求項5】 熱交換器が配設されている請求項1ない
    のいずれかの多室型スラグ生成装置。
  6. 【請求項6】 スラグ水冷槽には、スラグ搬出装置が備
    えられている請求項1ないしのいずれかの多室型スラ
    グ生成装置。
  7. 【請求項7】 全体が円筒丸形である請求項1ないし
    のいずれかの多室型スラグ生成装置。
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