JP3139243U - 塗香容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉性に優れ、かつ携帯に便利で、軽量な塗香容器を提供可能にする。
【解決手段】内側筒状体1を外側部材2の開口部からその上部を残して上下動摺動可能に収納し、内側筒状体1の上部を押圧したとき内側振出細孔4と外側振出細孔8とが連通して塗香通路10を形成し、この塗香通路10内の塗香を振出し可能な構成とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、粉体または粒体などからなる塗香を少量ずつ振出すことができる携帯可能な塗香容器に関する。
粉体または粒体などの顆粒状物を収容し、必要に応じて振出すことのできる容器としては、食塩、胡麻、唐辛子等調味料を収納した食品容器や、粉体(パウダー)を収納した化粧容器などが知られている。いずれの容器の特徴も一度に多量の内容物が出ないように形成されている。これは穿設されている小孔から少量づつ数回に分けて、前記粉体または粒体などの前記内容物を振出すことができる構造となっている。
食塩、胡麻や唐辛子等の食品容器は、粒子が粗く、通常食卓に常備される性質の容器で、携帯性に欠ける。また、調味料等は振り出し量がある程度十分でないと調味効果が薄い場合がある。従って、調味料の容器には、振り出し口が複数個形成され、かつ振り出し口径がある程度大きく形成されている。
また、粉体を収納した化粧容器では、前記同様振り出し口が複数形成され、かつ振り出し口径が大きく形成されている。
しかしながら、これらの容器は、塗香のような粒体のきめが細かく、かつ高価で貴重な粉体または粒体は、必要なときに少量を振出すことができない。また、香りのあるものを収納する容器では、その香りを失わない構造である必要がある。さらに、塗香は儀式に使用されかつ貴重品であることから、常時携帯が可能であることも要求される。
そこで、本件出願人は、塗香容器に関して、先に実用新案登録第3090271号の実用新案登録を受けている。
この塗香容器は、木製で製造されたもので、筒状の塗香収納部と、この塗香収納部に装着される蓋と、前記塗香収納部を摺動自在に収納する筒状の外側部材からなり、この塗香収納部と、外側部材に連通する振出細口がそりぞれ穿設されている。
実用思案登録第3090271号公報
しかしながら、塗香のような粒体のきめが細かく、かつ高価で貴重な粉体または粒体は、必要なときに少量を振出すことができるが、いずれも多くが円筒状の容器であることから、容器を倒したり、倒れ時に、自然に転がり、容器を紛失させたり、損傷するおそれがあった。
本考案は、上記従来の課題を解決するものであり、携帯容器として、従来容器に比べ密閉性、外観性に優れ、転がらない塗香容器を提供するものである。
本考案の請求項1にかかる塗香容器は、外周が楕円状で上部開口部に着脱自在の蓋体を螺着して、粉体または粒体などからなる塗香を収納する収納部とし、かつ内側筒状体側部下方部に前記塗香を振出す内側振出細孔を穿設すると共に、該内側振出細孔の対向部に上下摺動幅を規制する摺動溝を形設した楕円状の内側筒状体と、該内側筒状体を摺動可能に挿着できかつ前記内側筒状体の頭部が突出するように形成した楕円状の底部に、前記内側筒状体を上下摺動させる発条体を装着し、かつ前記内側振出細孔に対応する位置に外側振出細孔を穿設すると共に、前記摺動溝に係合する突起を突出させた楕円筒状の外側部材とから構成され、前記内側筒状体を前記外側部材の開口部からその頭部を残して上下動摺動可能に装着し、前記内側筒状体の前記頭部を押圧したとき前記内側振出細孔と前記外側振出細孔が連通して塗香通路を形成し、前記塗香通路内の前記塗香を振出すことを可能にしたことを特徴とする。
請求項1によれば、外周が楕円形に形成されているので、横においても転がることが無い。また、塗香容器に収納されている粒体または粉体からなる塗香を、連通する振出細孔で受け、この振出細孔に滞留している量のみが外側振出細孔から外部に振出される。更に、容器の構造が、内側筒状体と前記外側部材の2重構造になっているので、収納されている塗香の機密保存が可能であり、かつ不用意に外部へ漏れ出すおそれがない。
さらに、請求項2の考案は、前記塗香容器が、木材あるいは木材片を混合した合成樹脂で形成されていることを特徴とする。
請求項2によれば、容器全体が、木材あるいは木材片を混合した合成樹脂で製造されることにより、塗香への吸湿性があり、容器としての感触および外観(見栄え)がよく、軽量感が得られる。また、衝撃にも強く、経時安定性、耐久性に優れ、しかも小型で携帯に便利である。
以下、本考案の実施の形態を、添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本考案の実施の形態による塗香容器を模式的に示す斜視図、図2は本考案の実施の形態による塗香容器を模式的に示す縦断面図、図3は図1に示す塗香容器の正面図、図5は図1に示す塗香容器の側面図、図5は図1に示す塗香容器の平面図である。
これらの図に示すように、本考案に係わる塗香容器は、外周が楕円状の内側筒状体1と、上部が開口され内側筒状体1を上下摺動可能に収納する外側部材2とから構成される。内側筒状体1は、上部開口部が開閉(螺合および螺合解除)自在な蓋体3で覆われ、全体として楕円形の有底筒状体をなす。内側筒状体1の側部下方部には粉体または粒体からなる塗香を排出するための内側振出細孔4が水平に穿設されている。また、この内側振出細孔4の略対向部に上下摺動を規制する所定長の摺動溝5が形設されている。
また、外側部材2は、全体として楕円状の有底筒状体をなし、上部が開口し、楕円状の底部6に前記内側筒状体1を上方へ付勢する発条体、図2ではコイルスプリング7が装着されている。この外側部材2には、下方位置にある前記内側筒状体1の内側振出細孔4に連通する外側振出細孔8が水平に連通する形で穿設されている。そして、外側部材2には、前記摺動溝5と係合することによって内側筒状体1の昇降量を規制する突起9が突設されている。
本考案の塗香容器は、各図に示すように、内側筒状体1をその頭部が突出するように、外側部材2の開口部から収納すると、コイルスプリング7によって、内側筒状体1は外側部材2の内で上下方向に摺動可能に弾性支持された状態になる。この場合、外側部材2の突起9が、摺動溝5の上下幅の範囲内で内側筒状体1の上下摺動量を規制する。内側筒状体1の頭部を指で押し下げると、押圧時点で内側振出細孔4と外側振出外孔8とが連通し、粉体または粒体からなる塗香11の塗香通路10が形成される。この状態で、内側筒状体1に収納されている粉体または粒体からなる塗香11が塗香通路10に入り込み、その分(定量)だけが振出操作によって振出可能になる。
粉体または粒体からなる塗香11は、内側筒状体1の頭部にある蓋体3を外してその内側筒状体1内に充填することができる。このため、内側筒状体1内が蓋体3で密閉されると共に、外側部材2への収納(嵌合)によって外気と遮断されている。なお、蓋体3の装着は螺子式でも,嵌め込み式などのあらゆる方法採用可能である。
内側筒状体1と外側部材2は、同一素材で形成してもよく、別々の素材で形成してもよいが、木材或いは木材片を混合した合成樹脂で形成されるのが好適である。木材としては、例えば欅を用いることができ、この場合には木目の美しさと表面の滑らかさを同時に表出することができる。いずれの素材も吸湿性があり、湿気に犯され難いものが用いられる。また、これらの形状は、全体として楕円形状をなすため、柔らか味を出すことができるほか、見栄えが良くなり、感触のよい製品とすることができる。外側部材2の表面に化粧板を施すと、見栄えが一段とよくなる。
また、塗香は、仏時や修行者が身体等に香を塗って、または/および口に含むなどして、汚れを除き(身体を清め)、邪気を払うために用いられるところから、内側筒状体1および外側部材2を含む塗香容器自体を、白檀、伽羅,沈香、羅国などの香木を用いて作ることができる。
内側筒状体1および外側部材2を含む塗香容器全体の外形を、前述のように、共に楕円形の有底筒状体としたことにより、塗香容器が経机などの水平面上で転がって転落することを防止でき、この塗香容器の破損や汚れを未然に回避することができる。
なお、この転がり防止のために、外側部材2を楕円形の有底円筒状にし、この外側部材2に円形の有底筒状体をなす内側筒状体1を密にかつ摺動可能に収納する構成とすることもできる。
本考案の塗香容器の作用を説明する。図2(a)に示すように、通常は内側筒状体1がコイルスプリング7の反発力により摺動溝5の上側停止点aに押し上げられており、蓋体3をゆっくり押圧することによって、内側筒状体1を摺動溝5が下側停止点bに至るまで、図2(b)のように押し下げる。これにより、内側筒状体1の内側振出細孔4と外側部材2の外側振出細孔8が近づき、内側筒状体1が下側停止点bに達したとき、内側筒状体1の内側振出細孔4の位置と外側部材2の外側振出細孔8の軸が一体となり連通して、塗香通路10が形成される。内側振出細孔4と外側振出細孔8とが連通することにより塗香通路10に塗香11が流入し、塗香容器を軽く振ることにより、塗香通路10に滞留している塗香11を外部に振出する。
従って、本実施の形態では、外周が楕円形に形成されているので、横においても転がらす、かつ振出細孔10が曲面側で無く角部に穿設されている。このため、床面に接触しないので衛生的である。また、内側筒状体1に収納されている粒体あるいは粉体からなる塗香11を、連通(4,8)する振出細孔10から必要に応じて少量づつ振出すことができる。このため、貴重な塗香11を無駄にしない。
また、塗香容器の構造が、内側筒状体1と外側部材2との2重構造になっており、通常はコイルスプリング7の付勢で、内側振出細孔4と外側振出細孔8は交差し、通路遮断の状態で塗香通路10が閉鎖されている。このため収容した粉体または粒体からなる塗香11が外に漏れ出すおそれはない。
さらに、塗香容器の全体が木材または木材片を混合した合成樹脂で製造されているため、湿気を一定に保ち、感触が良く、軽量感が得られる。また、衝撃にも強く、経時安定性および耐久性があり、小型で携帯に便利となる。
また、塗香容器に収納されている粒体あるいは粉体の塗香11を軽く振ることによって、連通する振出細孔4、8、つまり塗香通路10内の容量分だけを振出すことができる。
また、塗香容器全体が楕円筒状をなし、かつ小型に形成されていることから、携帯に適し、見栄えも良好となる。また、素材が木製であるところから、木目が露出して外観が美しく、かつ湿気を遮断する。さらに、経机上面などの上においても、転げ落ちることはない。また、衝撃にも強く、経時安定性、耐久性にも優れるという効果が得られる。
前述のように、本実施の形態による塗香容器は、外周が楕円状で上部開口部に着脱自在の蓋体3を螺着して、粉体または粒体などからなる塗香11を収納する収納部とし、かつ収納部側部下方部に塗香11を振出す内側振出細孔4を穿設すると共に、該内側振出細孔4の対向部に上下摺動幅を規制する摺動溝5を形設した楕円状の内側筒状体1と、該内側筒状体1を摺動可能に挿着できかつ前記内側筒状体1の頭部が突出するように形成した楕円状の底部に、前記内側筒状体1を上下摺動させる発条体7を装着し、かつ前記内側振出細孔4に対応する位置に外側振出細孔8を穿設すると共に、前記摺動溝5に係合する突起9を突出させた楕円筒状の外側部材2とから構成され、前記内側筒状体1を前記外側部材2の開口部からその上部を残して上下動摺動可能に装着し、前記内側筒状体1の上部を押圧したとき前記内側振出細孔4と外側振出細孔8が連通して塗香通路10を形成し、前記塗香通路10内の前記塗香11を振出すことを可能にした構成である。
これによって、内側筒状体1に収納されている粒体または粉体からなる塗香11を、連通する振出細孔4、8で受け、これらの振出細孔4、8に滞留している量のみを外側振出細孔8(10)から外部に振出すことができる。また、塗香容器の構造が、内側筒状体1と外側部材2との2重構造になっているので、塗香11の密封保存が可能になり、不用意に外へ漏れ出すことを回避できる。また、外側部材1が全体として楕円筒状体をなすため、これを経机上に設置した場合に、倒れて転げ落ちることを未然に回避することができる。
本考案の実施の形態による塗香容器を模式的に示す斜視図である。 本考案の実施の形態による塗香容器を模式的に示す縦断面図である。 本考案の実施の形態による塗香容器の正面図である。 本考案の実施の形態による塗香容器の側面図である。 本考案の実施の形態による塗香容器の平面図である。
符号の説明
1…内側筒状体、2…外即部材、3…蓋、4…内側振出細孔、5…摺動溝、6…底部、7…発条体、8…外側振出細孔、9…突起、10…塗香通路、11…塗香

Claims (2)

  1. 外周が楕円状で上部開口部に着脱自在の蓋体を螺着して、粉体または粒体などからなる塗香を収納する収納部とし、かつ収納部側部下方部に前記塗香を振出す内側振出細孔を穿設すると共に、該内側振出細孔の対向部に上下摺動幅を規制する摺動溝を形設した楕円状の内側筒状体と、
    該内側筒状体を摺動可能に挿着できかつ前記内側筒状体の頭部が突出するように形成した楕円状の底部に、前記内側筒状体を上下摺動させる発条体を装着し、かつ前記内側振出細孔に対応する位置に外側振出細孔を穿設すると共に、前記摺動溝に係合する突起を突出させた楕円筒状の外側部材とから構成され、
    前記内側筒状体を前記外側部材の開口部からその頭部を残して上下動摺動可能に装着し、前記内側筒状体の前記頭部を押圧したとき前記内側振出細孔と前記外側振出細孔が連通して塗香通路を形成し、前記塗香通路内の前記塗香を振出すことを可能にしたことを特徴とする塗香容器。
  2. 前記塗香容器が、木材あるいは木材片を混合した合成樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の塗香容器。
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