JP3131305B2 - 3次元ボリュームデータの直交変換符号化方法および装置 - Google Patents

3次元ボリュームデータの直交変換符号化方法および装置

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JP3131305B2 JP26174592A JP26174592A JP3131305B2 JP 3131305 B2 JP3131305 B2 JP 3131305B2 JP 26174592 A JP26174592 A JP 26174592A JP 26174592 A JP26174592 A JP 26174592A JP 3131305 B2 JP3131305 B2 JP 3131305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術(図13〜図15) 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段(図1) 作用(図1) 実施例 ・第1実施例の説明(図2〜図5) ・第2実施例の説明(図6〜図12) 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばX線CTやMR
I等の医用3次元画像,流体の解析,物質の密度分布等
といった3次元空間内の各点が物理的な値をもつ3次元
ボリュームデータを立体表示する際に用いられる3次元
ボリュームデータの直交変換符号化方法及び装置に関す
る。
【0003】
【従来の技術】このような3次元ボリュームデータは、
その立体表示を行なう際には、一般に、そのデータの現
れ方に応じて次の(a)〜(c)の3つに分類されてい
る。 (a)被写体の表面のみならず、中身のデータをもつ場
合 CTスキャン等で得られた3次元ボリュームデータは、
被写体の中身まで透視するため、中身の情報を有してい
る。医療向けデータとして扱われることが多い。
【0004】(b)被写体の表面のみのデータをもつ場
合 被写体のデータを、違う角度からカメラ複数台を用いて
取り込み、奥行き推定した場合。このため、被写体の中
身のデータは無い。 (c)被写体のある方向から見た表面のデータだけをも
つ場合 被写体のデータを、ある角度からカメラ1台あるいは複
数台を用いて取り込み、奥行き推定した場合。このた
め、被写体のある方向から見た表面のデータのみ存在す
る。もちろん中身のデータは無い。
【0005】ところで、一般に画像データを伝送する際
にその画像データを高能率符号化する場合、直交変換の
一種であるDCT,WAVELET,アダマール,KL
等を用いる。どの直交変換においても、基本的な性質と
して、画像信号を直交変換した後は、低周波数領域側に
係数の分布が集中することが知られている。このような
性質を利用して、高能率符号化を行なっている。
【0006】このような高能符号化を行なうべく、従来
より、図13に示すような符号化回路が用いられてい
る。この図13において、111は入力画像信号に対し
て直交変換を施す直交変換器、112は直交変換後のデ
ータを量子化する量子化器、113は2次元の場合に量
子化後のデータを図14(a)〜(c)に示す手段によ
り1次元に変換するための1次元並べ変え部、114は
1次元に並べ変えられたデータに対して可変長符号化を
施す可変長符号化器(VLC; Variable word Length C
ording) である。
【0007】このような構成により、まず、カメラ等に
より被写体を撮像することにより入力画像信号を得る。
このとき、過去の符号化結果をローカルデコードして得
られた過去の再生画像あるいは原画像とマッチングをと
って予測を行なってもよい。この原信号あるいは予測誤
差信号について、直交変換器111により1次元直交変
換あるいは2次元直交変換を行なって係数を出力する。
ここで、人間の視覚は低周波数領域ほど符号化歪みに敏
感であるという視覚特性を利用して、直交変換器111
による直交変換後、低周波数領域を細かく量子化するた
めの量子化マトリックス(重み付け)をかける場合もあ
る。
【0008】直交変換後もしくは量子化マトリックスを
乗算した後、量子化器112によって量子化を行ない、
2次元の場合、1次元並べ変え部113によりスキャン
して1次元に変換してから、可変長符号化器114によ
り可変長符号化を行なう(VLCについては、例えば標
準化方式として知られているMPEG1の2次元VCを
用いる。0ラン長と0でない係数の大きさとの組み合わ
せからなる)。
【0009】1次元並べ変え部113によるスキャン手
段としては、画像データの性質に合わせて、図14
(a)に示すようなジグザグスキャンや、図14(b)
に示すような縦スキャンや、図14(c)に示すような
横スキャンなどが知られている。なお、図14(a)〜
(c)には4×4画素のブロックの場合についてのスキ
ャン順序例が示されており、各ブロックに記入された数
字がスキャン順序を示すものである。
【0010】図14(a)に示すジグザグスキャンは、
標準化等にも採用されている一般的な例で、低周波側か
ら高周波側へ斜め方向にスキャンしていく。図14
(b)に示す縦スキャンは、低周波側から高周波側へ縦
方向にスキャンする手段で、直交変換器111への入力
画像信号が、縦方向に相関が強い場合に有効である。図
14(c)に示す横スキャンは、低周波側から高周波側
へ横方向にスキャンする手段で、直交変換器111への
入力画像データ信号が、横方向に相関が強い場合に有効
である。
【0011】一般的な入力画像信号に対する直交変換符
号化は以上のように行なわれるが、3次元ボリュームデ
ータについての直交変換符号化としては、従来、次のよ
うな手段が行なわれる。例えば、図15(a)に示すよ
うに、手前にミカンを配置し、一番奥にワイングラスを
配置し、ミカンとワイングラスとの間にリンゴを配置し
たものを被写体とし、これらの被写体をミカン側から見
ることで、便宜上、この3次元ボリュームデータは、図
15(b)に示すように、奥行き方向に、3つの2次元
平面画像A,B,Cに分かれるものとする。
【0012】そして、各2次元平面画像A,B,Cにつ
いて、図13により前述した符号化回路を用いて前述し
た通りの直交変換符号化を行なう。つまり、これら2次
元平面画像A,B,C間の相関を考えることなく符号化
を行なっている。また、これらの2次元平面画像A,
B,Cは、過去の符号化結果をローカルデコードして得
られた過去の再生画像、あるいは原画像とマッチングを
とって予測を行なう場合もある。そして、原画像あるい
は予測誤差信号について、2次元直交変換の場合、N×
N画素のブロックに区切り直交変換を行なう一方、1次
元直交変換の場合、N×1画素の細長いブロックに区切
り直交変換を行なっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の3次元ボリュームデータの直交変換符号化方
式では、画像データが3次元ボリュームデータであるの
にも係わらず、適当な複数の2次元平面画像に分けて相
互間の相関を考えることなく、各2次元平面画像毎に2
次元平面上の高能率直交変換符号化方式と同様に符号化
を行なっているため、符号化効率の向上はほとんど望め
ないという課題があった。
【0014】また、3次元ボリュームデータの相関を利
用して、3次元データを3次元データのまま立方体に区
切り、3次元直交変換することも行なわれているが、こ
の場合、直交変換に要する計算量が膨大で、ハードウエ
アのかなりな増大およびコスト増を招いていた。本発明
は、このような課題に鑑み創案されたもので、簡易な構
成かつ低コストで、従来よりも高能率で符号化でき、画
質の向上,データのより効率的な伝送および蓄積を可能
にした3次元ボリュームデータの直交変換符号化方法及
び装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は請求項1,2,
5,6に係る発明の原理ブロック図で、この図1におい
て、1は入力された3次元ボリュームデータを所定の立
方体(もしくは直方体)に区切るデータ区切り部、2は
データ区切り部1により区切られた立方体の画像データ
について直交変換を施した結果が低周波数領域に集中し
やすい切り口を選択する切り口選択部、3は切り口選択
部2により選択した切り口について立方体の画像データ
をスキャンするスキャンコンバータ、4は切り口選択部
2により選択した切り口について1次元直交変換と2次
元直交変換とのいずれを実施するかを選択する1次元/
2次元直交変換選択部である。
【0016】また、5は切り口の符号化を行なおうとし
ている平面の前後の画像を用いて予測を行なう予測部、
6は予測後のデータに対して1次元/2次元直交変換選
択部4により選択された1次元直交変換もしくは2次元
直交変換を施す直交変換器、7は直交変換後のデータを
量子化する量子化器、8は量子化後のデータを符号化す
る符号化器である。
【0017】一方、請求項3,4,7〜9に係る発明の
3次元ボリュームデータの直交変換符号化装置は、3次
元ボリュームデータを立方体または直方体に区切るデー
タ区切り部と、この区切られた上記3次元ボリュームデ
ータについて、物体の内面の情報がないか又はある方向
から見た画像についてのデータしかないため物体の裏面
の情報がない場合に、情報がない部分が集中しやすい平
面または線を適応的に選択する切り口選択部と、この選
択された平面または線について、符号化単位の 平面およ
び線の画素全部のデータがない場合を除き、1次元直交
変換または2次元直交変換のいずれを実施するかを選択
する1次元/2次元直交変換選択部と、切り口選択部で
選択された平面または線に関する上記3次元ボリューム
データに対し、1次元/2次元直交変換選択部で選択さ
れた1次元直交変換または2次元直交変換を実施する直
交変換部とをそなえている。 ここで、1次元/2次元直
交変換選択部が、切り口選択部により選択された符号化
単位の平面または線について画素全部のデータがないか
否かを判定し、この判定結果に応じて、是の場合は上記
平面または線についての符号化を行なわないことを選択
するとともに、否の場合は上記平面または線について1
次元直交変換または2次元直交変換のいずれを実施する
かを選択するように構成され、且つ、直交変換部が、1
次元/2次元直交変換選択部において符号化を行なわな
いことが選択された場合には上記平面または線について
の符号化を行なわないとともに、1次元直交変換又は2
次元直交変換のいずれかを実施することが選択された場
合にはこの選択された1次元直交変換または2次元直交
変換を上記平面または線について実施するように構成さ
れている。また、直交変換部の前段に、符号化単位の平
面および線の画素の一部のデータがない場合に、補間を
行なう補間部をそなえている
【0018】
【作用】請求項1,2,5,6に係る発明では、3次元
ボリュームデータは、データ区切り部1により所定の立
方体(もしくは直方体)に区切られ、その立方体の画像
データについて直交変換を行なうのに適した切り口が切
り口選択部2により適応的に選択される。ここで、直交
変換を行なうのに適した切り口とは、画像信号を直交変
換した結果が低周波数領域に集中しやすい切り口のこと
をいう。
【0019】また、切り口選択部2により選択した切り
口について、1次元直交変換と2次元直交変換とのいず
れを実施するかが、1次元/2次元直交変換選択部4に
より適応的に選択される。そして、立方体の画像データ
は、切り口選択部2により選択した切り口についてスキ
ャンコンバータ3によりスキャンされた後、直交変換器
6により、1次元/2次元直交変換選択部4にて選択さ
れた1次元直交変換もしくは2次元直交変換を施される
が、その前に、予測部5において、既に符号化済のデー
タ(同じ立方体内のデータあるいはその立方体と隣合っ
た立方体のデータ)とのマッチングをとって予測を行な
う。直交変換後のデータは、量子化器7により量子化さ
れた後、符号化器8により符号化されて出力される。
方、請求項3,4,7〜9に係る発明で発明では、3次
元ボリュームデータが、データ区切り部によって所定の
立方体(もしくは直方体)に区切られ、物体の内面の情
報がないか又はある方向から見た画像についてのデータ
しかないため該物体の裏面の情報がない場合に、情報が
ない部分が集中しやすい平面または線が切り口選択部に
よって適応的に選択される。 なお、1次元/2次元直交
変換選択部によって、切り口選択部により選択された平
面または線について符号化単位の平面または線の画素全
部のデータがないか否かが判定され、この判定結果に応
じて、是の場合は符号化が行なわれないとともに、否の
場合はこの平面または線について1次元直交変換または
2次元直交変換のいずれを実施するかが選択され、さら
に、直交変換部によって、上記の選択された平面または
線に対して上記の選択された1次元直交変換または2次
元直交変換が適応的に施される。 また、符号化単位の平
面および線の画素の一部のデータがない場合は、補間部
により補間が行なわれた上で、直交変換部により符号化
単位での平面および線の直交変換符号化が施される。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 (a)第1実施例の説明 図2は本発明の第1実施例を示すブロック図で、本実施
例では、被写体の表面のみならず中身のデータをもつ3
次元ボリュームデータに対して本発明の直交変換符号化
を施した場合について説明する。
【0021】図2において、1は入力された3次元ボリ
ュームデータを8×8×8画素の立方体の画像データC
BXYZ (8,8,8)に区切るデータ区切り部、2
Aはデータ区切り部1により区切られた立方体の画像デ
ータCBXYZ について直交変換を行なうのに適した
切り口(XY平面,YZ平面,XZ平面等)を図3によ
り後述する手順にて適応的に選択する切り口選択部で、
この切り口選択部2Aは、スキャンコンバータ10,X
Y平面評価値演算部11A,YZ平面評価値演算部11
B,XZ平面評価値演算部11C,比較部12から構成
されている。
【0022】ここで、スキャンコンバータ10は、デー
タ区切り部1からの立方体の画像データCBXYZ を
XY平面方向,YZ平面方向,XZ平面方向それぞれに
ついてスキャンするものであり、XY平面評価値演算部
11A,YZ平面評価値演算部11B,XZ平面評価値
演算部11Cは、それぞれ、図3のステップA2に示す
XY平面評価値SXY,YZ平面評価値SYZ,XZ平
面評価値SXZを演算するものであり、比較部12は、
各評価値演算部11A〜11Cにより演算された評価値
SXY,SYZ,SXZを比較し最小となる平面を切り
口として選択・出力するものである。
【0023】なお、XY平面評価値演算部11Aは、隣
合った画素の差分CBijk −CBi+1jk を演
算するための遅延回路18および減算器19と、その差
分CBijk −CBi+1jk の絶対値を演算する
絶対値演算回路(ABS)20と、その絶対値の累積を
演算するための加算器21および遅延回路22と、隣合
った画素の差分CBijk −CBij+1k を演算
するための遅延回路23および減算器24と、その差分
CBijk −CBij+1k の絶対値を演算する絶
対値演算回路(ABS)25と、その絶対値の累積を演
算するための加算器26および遅延回路27と、2種類
の絶対値差分の累積値を合計するための加算器28とか
ら構成されている。
【0024】YZ平面評価値演算部11B,XZ平面評
価値演算部11Cも、XY平面評価値演算部11Aと同
様に構成されているが、YZ平面評価値演算部11Bで
は、遅延回路18および減算器19により差分CBij
k −CBij+1k が演算されるとともに、遅延回
路23および減算器24により差分CBijk −CB
ijk+1 が演算される一方、XZ平面評価値演算部
11Cでは、遅延回路18および減算器19により差分
CBijk −CBi+1jk が演算されるととも
に、遅延回路23および減算器24により差分CBij
k −CBijk+1 が演算されるようになってい
る。
【0025】3は切り口選択部2Aにより適応的に選択
した切り口について立方体の画像データをスキャンする
スキャンコンバータ、4Aは切り口選択部2Aにより選
択した切り口について1次元直交変換と2次元直交変換
とのいずれを実施するかを図4により後述する手順にて
適応的に選択する1次元/2次元直交変換選択部で、こ
の1次元/2次元直交変換選択部4Aは、選択部13,
比較部14A,14B,判定部15から構成されてい
る。
【0026】ここで、選択部13は、選択された平面内
の2方向A,Bそれぞれについての絶対値差分の累積値
を評価値HA ,HB (図4のステップB2参照)と
して得るべく、選択された平面についての累積値を各演
算部11A〜11Cから選択・出力するものであり、比
較部14A,14Bは、それぞれ、選択された平面内の
2方向A,Bについての評価値HA ,HB を所定の
しきい値THと比較するものであり、判定部15は、比
較部14A,14Bによる比較結果に応じて1次元直交
変換を行なうか2次元直交変換を行なうかを選択し、さ
らに1次元直交変換については2方向A,Bのうちいず
れの方向について直交変換を行なうかを判定・出力する
ものである。
【0027】5は後述する予測有/無判定部9からの指
示に従い予測有の場合に切り口の符号化を行なおうとし
ている平面の前後の画像を用いて予測を行なう予測部、
6は予測後のデータに対して1次元/2次元直交変換選
択部4Aにより選択された1次元直交変換もしくは2次
元直交変換を施す直交変換器、7は直交変換後のデータ
を量子化する量子化器、8Aは量子化後のデータを可変
長符号化する可変長符号化器(VLC)、9は予測部5
による予測を実施するか否かを図5により後述する手順
にて適応的に選択・判定する予測有/無判定部で、この
予測有/無判定部9は、メモリ16およびROM17か
ら構成されている。
【0028】メモリ16は、1次元/2次元直交変換選
択部4Aの判定部15による判定結果および切り口選択
部2Aによる選択結果を記憶・蓄積するものであり、R
OM17は、メモリ16に蓄積された過去のデータと判
定部15による今回の判定結果とのマッチングをとり予
測を行なうか否かの判定を行なうものである。上述の構
成により、本発明の第1実施例では、まず、3次元ボリ
ュームデータが、データ区切り部1により8×8×8画
素の立方体の画像データCBXYZに区切られ(図3の
ステップA1参照)、その立方体の画像データCBXY
Zについて直交変換を行なうのに適した切り口が、切り
口選択部2Aにより、図3に示す手順に従って適応的に
選択される。即ち、切り口選択部2Aにより、直交変換
を施した結果が低周波数領域に集中しやすい切り口が適
応的に選択される。
【0029】つまり、効率よく符号化を行なうため、X
Y平面,YZ平面,XZ平面についてそれぞれの相関を
調べる。その方法としては、本実施例では、スキャンコ
ンバータ10により、データ区切り部1からの立方体の
画像データCBXYZ をXY平面方向,YZ平面方
向,XZ平面方向それぞれについてスキャンした後、各
平面について、隣合った画素(縦,横とも)の絶対値差
分の累積値を、前述した構成のXY平面評価値演算部1
1A,YZ平面評価値演算部11B,XZ平面評価値演
算部11CによりXY平面評価値SXY,YZ平面評価
値SYZ,XZ平面評価値SXZとしてそれぞれ演算し
(ステップA2)、これらの評価値SXY,SYZ,S
XZのうち最小となるものを比較部12により比較・判
定し、最小となる平面を切り口として選択する(立方体
の画像データCBXYZ には、多くの0データつまり
物体が存在せず、空気のみ存在する場合が多々あるが、
それらの絶対値差分は0となる)。
【0030】即ち、図3に示すように、ステップA3に
より評価値SXYが最小と判定された場合には、XY平
面を切り口として選択し(ステップA4)、ステップA
5により評価値SYZが最小と判定された場合には、Y
Z平面を切り口として選択し(ステップA6)、ステッ
プA3,A5にていずれもN判定(評価値SXYもSY
Zも最小ではないというNo判定)となった場合には、
評価値SXZが最小と判定しXZ平面を切り口として選
択する(ステップA7)。
【0031】ついで、1次元/2次元直交変換選択部4
Aにより、切り口選択部2Aにて選択した平面(切り
口)、例えば8×8画素の平面B(8,8)について
(図4のステップB1参照)、1次元直交変換と2次元
直交変換とのいずれを実施するかを、図4に示す手順に
従って適応的に選択する。1次元/2次元直交変換選択
部4Aにおいては、まず、選択された平面B内の2方向
A,Bそれぞれについての絶対値差分の累積値を評価値
HA ,HB として得るべく、選択された平面Bにつ
いての累積値が、選択部13により各演算部11A〜1
1Cから選択・出力される(ステップB2)。
【0032】そして、比較部14A,14Bにより、そ
れぞれ、選択された平面内の2方向A,Bについての評
価値HA ,HB と所定のしきい値THとを比較し、
HA<THかつHB <TH、もしくは、HA >TH
かつHB >THと判定された場合には(ステップB
3)、2つの方向A,Bのいずれについても相関が強い
もしくは弱いものと判断し、判定部15により2次元直
交変換を実施する旨の判定を行なう(ステップB4)。
【0033】ステップB3の条件を満たさない場合に
は、評価値HA がしきい値THよりも大きいか否かを
判定し(ステップB5)、大きい場合には、方向Bへの
相関が強いものと判断し、判定部15によりB方向に1
次元直交変換を実施する旨の判定を行なう一方(ステッ
プB6)、評価値HA がしきい値TH以下である場合
には、方向Aへの相関が強いものと判断し、判定部15
によりA方向に1次元直交変換を実施する旨の判定を行
なう(ステップB7)。
【0034】ところで、以上の処理は、基本的に平面単
位で行なわれるため、既に符号化済の平面データYBを
用いて、予測有/無判定部9を構成するメモリ16およ
びROM17により、予測部5による予測を実施するか
否かを図5に示す手順に従って適応的に選択・判定す
る。予測有/無判定部9においては、まず、既に符号化
済の平面データYBとこれから符号化する平面データB
とを得て(ステップC1)、これらの平面データYBと
Bとが同じ方向の平面を用いているか否かを判定する
(ステップC2)。同じ方向でない場合には、予測を行
なわない(無)と判定する一方(ステップC6)、同じ
方向である場合には、平面データYBとBとが同じ方向
への1次元直交変換を行なっているか否かを判定する
(ステップC3)。
【0035】同じ方向の1次元直交変換を行なっている
場合には、予測を行なう(有)と判定する一方(ステッ
プC4)、同じ方向の1次元直交変換を行なっていない
場合には、平面データYBとBとが2次元直交変換を行
なっているか否かを判定する(ステップC5)。そし
て、いずれも2次元直交変換を行なっている場合には、
予測を行なう(有)と判定する一方(ステップC4)、
2次元直交変換を行なっていない場合には、予測を行な
わない(無)と判定する(ステップC6)。
【0036】このような処理により、平面データYBと
Bとが共に同一方向への1次元直交変換を行なおうとし
ている場合、もしくは、共に2次元直交変換を行なおう
としている場合だけ、予測部5による予測が実施され、
これ以外の場合には予測は実施されない。そして、立方
体の画像データCBXYZ は、切り口選択部2Aによ
り選択した平面(切り口)についてスキャンコンバータ
3によりスキャンされた後、直交変換器6により、1次
元/2次元直交変換選択部4Aにて選択された所定方向
への1次元直交変換もしくは2次元直交変換を施される
が、その前に、予測部5において、予測有/無判定部9
による判定結果に応じて既に符号化済のデータYBとの
マッチングをとって予測が行なわれる。直交変換後のデ
ータは、量子化器7により量子化された後、可変長符号
化器8Aにより可変長符号化されて出力される。
【0037】このように、本発明の第1実施例の直交変
換符号化方法及び装置によれば、被写体の表面のみなら
ず中身のデータをもつ3次元ボリュームデータに対する
直交変換符号化方式に際して、立方体の画像データCB
XYZ について直交変換を行なうのに適した平面、す
なわち、直交変換を施した結果が低周波数領域に集中し
やすい平面Bが切り口として適応的に選択され、その平
面B内の相関に応じて1次元直交変換,2次元直交変換
のいずれを実施するかが適応的に選択され、さらに、既
に符号化済の平面データYBを用いて予測部5による予
測を実施するか否かをも適応的に選択・判定されるの
で、簡易な構成かつ低コストで、従来よりも高能率での
符号化を実現でき、画質の向上さらにはデータのより効
率的な伝送および蓄積を実現できるのである。
【0038】(b)第2実施例の説明 図6は本発明の第2実施例を示すブロック図で、本実施
例では、被写体の表面のみのデータをもつ3次元ボリュ
ームデータに対して本発明の直交変換符号化を施した場
合について説明する。なお、図中、既述の符号と同一の
符号は同一部分を示しているので、その説明は省略す
る。また、本実施例においては、立方体の中身のない部
分の空間データをNULLとしている。
【0039】図6において、2Bはデータ区切り部1に
より区切られた立方体の画像データKBXYZ (8,
8,8)について、物体の内面の情報がないか又はある
方向から見た画像についてのデータしかないため該物体
の裏面の情報がない場合に、情報がない部分が集中しや
すい平面または線を図10により後述する手順にて適応
的に選択する切り口選択部で、この切り口選択部2B
は、図7に示すように、スキャンコンバータ10,XY
平面NULL個数カウント部30A,YZ平面NULL
個数カウント部30B,XZ平面NULL個数カウント
部30C,比較部31,遅延回路32A〜32C,選択
部33から構成されている。
【0040】ここで、XY平面NULL個数カウント部
30A,YZ平面NULL個数カウント部30B,XZ
平面NULL個数カウント部30Cは、それぞれ、XY
平面,YZ平面,XZ平面について面内のすべてのデー
タがNULLとなる面の個数KXYN,KYZN,KX
ZNを計数するものであり、比較部31は、各NULL
個数カウント部30A〜30Cにより計数された個数K
XYN,KYZN,KXZNを比較し最大となる平面を
切り口として選択・出力するものである。
【0041】なお、各NULL個数カウント部30A〜
30Cは、スキャンコンバータ10からのデータをNU
LLと比較する比較部58と、この比較部58による比
較の結果、NULLであると判定されたデータの1平面
内個数を計数するカウンタ59と、このカウンタ59に
より計数された1平面内のNULLの個数と数値‘6
4’(1平面内のデータが全てNULLである場合の個
数)とを比較する比較部60と、この比較部60による
比較の結果、全てのデータがNULLであると判定され
た平面の個数を計数するカウンタ61とから構成されて
いる。
【0042】また、遅延回路32A〜32Cは、それぞ
れ、各NULL個数カウント部30A〜30Cのカウン
タ59からの計数値(1平面内のNULLデータの個
数)を遅延するものであり、選択部33は、比較部31
による比較結果(切り口として選択された面、例えばB
XY)に応じて遅延回路32A〜32Cからの出力を選
択して後述する1次元/2次元直交変換選択部4Bへ出
力するものである。
【0043】4Bは切り口選択部2Bにより選択した切
り口について、符号化単位の平面および線の画素全部の
データがない場合を除き、1次元直交変換と2次元直交
変換とのいずれを実施するかを図11により後述する手
順にて適応的に選択する1次元/2次元直交変換選択部
で、言い換えれば、切り口選択部により選択された符号
化単位の平面または線について画素全部のデータがない
か否かを判定し、この判定結果に応じて、是の場合は符
号化を行なわないことを選択するとともに、否の場合は
この平面または線について1次元直交変換または2次元
直交変換のいずれを実施するかを選択するものである。
この1次元/2次元直交変換選択部4Bは、図8
(a),(b)に示すように、比較部34,縦方向NU
LL個数判定部35A,横方向NULL個数判定部35
B,判定部36から構成されている。
【0044】ここで、比較部34は、切り口選択部2B
の選択部33からのデータ(例えば平面BXY内のNU
LLデータの個数)と数値‘64’(1平面内のデータ
が全てNULLである場合の個数)とを比較し、‘6
4’である場合にはNULLフラグを立て直交変換処理
を行なわない旨の指令として出力するものである。ま
た、縦方向NULL個数判定部35Aは、比較部34の
比較の結果、選択部33からのデータが‘64’ではな
いと判定された場合に、平面BXY内の縦方向のライン
の半分(4本)以上がNULLであるか否かを判定する
もので、縦方向にスキャンしながら入力される平面BX
Y内のデータをNULLと比較する比較部37と、この
比較部37による比較の結果、NULLであると判定さ
れたデータの1縦ライン内個数を計数するカウンタ38
と、このカウンタ38により計数された1縦ライン内の
NULLの個数と数値‘8’(1縦ライン内のデータが
全てNULLである場合の個数)とを比較する比較部3
9と、この比較部39による比較の結果、全てのデータ
がNULLであると判定された1縦ラインの本数を計数
するカウンタ40と、このカウンタ40による計数値と
数値‘4’(全縦ラインの本数8の半分)とを比較し縦
ラインの半分以上が全てNULLか否かを判定する比較
部41とから構成されている。
【0045】同様に、横方向NULL個数判定部35B
は、比較部34の比較の結果、選択部33からのデータ
が‘64’ではないと判定された場合に、平面BXY内
の横方向のラインの半分以上がNULLであるか否かを
判定するもので、縦方向NULL個数判定部35Aと同
様の比較部37,カウンタ38,比較部39,カウンタ
40,比較部41の前段に、縦方向にスキャンしながら
入力される平面BXY内のデータを横方向にスキャンし
たものに変換するラインコンバータ42を設けて構成さ
れている。従って、このラインコンバータ42により変
換されたデータに対して、縦方向NULL個数判定部3
5Aと同様の処理を施すことにより、横ラインの半分以
上がNULLであるか否かが比較部41により判定され
るようになっている。
【0046】さらに、判定部36は、縦方向NULL個
数判定部35A,横方向NULL個数判定部35Bによ
る判定結果に応じて1次元直交変換を行なうか2次元直
交変換を行なうかを選択し、さらに1次元直交変換につ
いては縦方向,横方向のうちいずれの方向について直交
変換を行なうかを判定・出力するものである。ところ
で、図6において、29は符号化単位の平面および線の
画素の一部のデータがないつまりNULLである場合に
図12により後述する手順にて補間を行なって符号化単
位での平面および線の直交変換符号化を施すようにする
ためのNULL補間演算部である。なお、ここでは、説
明を簡単にするため、1次元の場合について説明する
が、2次元の場合は1次元の場合を単純に拡張するだけ
で容易に実現することができる。
【0047】NULL補間演算部29は、図12により
後述する処理を実現すべく、図9に示すように構成され
ている。即ち、図9において、43は所定のクロックを
計数しその計数値をSTとして出力するカウンタ、44
は1次元の画像データBX(1〜8)とダミー値である
BX (0)およびBX (9)とを記憶するメモリ、
45は後述するROM57からの数値aとカウンタ43
からの計数値STとを切り替えて出力するスイッチ、4
6はスイッチ45からの計数値STもしくは数値aから
1だけ減算し数値aとして出力する減算器、47は減算
器46からの数値aを‘0’と比較する比較部、48は
後述するROM57からの数値bとカウンタ43からの
計数値STとを切り替えて出力するスイッチ、49はス
イッチ48からの計数値STに1を加算し数値bとして
出力する加算器、50は加算器49からの数値bを
‘9’と比較する比較部である。
【0048】また、51は計数値ST,数値a,bを切
り替えてメモリ44へ出力するスイッチ、52はスイッ
チ51からの数値ST,a,bに応じてメモリ44から
読み出された画像データBX (ST),BX
(a),BX (b)を切り替えてそれぞれ後述する比
較部53〜55へ出力するスイッチ、53は画像データ
BX(ST)とNULLとを比較しNULLでない場合
には画像データBX (ST)をそのまま直交変換器6
へ出力する比較部、54は画像データBX (a)(=
A)とNULLとを比較しNULLでない場合には画像
データBX (a)をそのまま後述する重み付け平均演
算部58へ出力する比較部、55は画像データBX
(b)(=B)とNULLとを比較しNULLでない場
合には画像データBX (b)をそのまま後述する重み
付け平均演算部58へ出力する比較部である。
【0049】さらに、56は後述するROM57からの
出力に応じて減算器46からの数値aおよび加算器49
からの数値bをラッチするフリップフロップ、57は比
較部47,50,53〜55による比較結果を入力され
数値a,bを記憶するとともに各比較結果に応じたラッ
チ指令をフリップフロップ56へ出力するためのRO
M、58は画像データBX (a)およびBX (b)
がNULLでない場合に図12のステップF18に示す
式に基づいて得られた数値をNULLであるBX(S
T)の値に置き換えて補間する重み付け平均演算部であ
る。
【0050】上述の構成により、本発明の第2実施例で
は、まず、3次元ボリュームデータが、データ区切り部
1により8×8×8画素の立方体の画像データKBXY
Zに区切られ(図10のステップD1参照)、その立方
体の画像データKBXYZについて直交変換を行なうの
に適した切り口が、切り口選択部2Bにより、図10に
示す手順に従って選択される。すなわち、物体の内面の
情報がない(又はある方向から見た画像についてのデー
タしかないため該物体の裏面の情報がない)場合は、情
報がない部分NULLが集中しやすい平面(または線)
が適応的に選択される。
【0051】つまり、本実施例では、スキャンコンバー
タ10により、第1実施例と同様に、データ区切り部1
からの立方体の画像データKBXYZ をXY平面方
向,YZ平面方向,XZ平面方向それぞれについてスキ
ャンした後、各平面について、XY平面NULL個数カ
ウント部30A,YZ平面NULL個数カウント部30
B,XZ平面NULL個数カウント部30Cの比較器5
8およびカウンタ59により、NULLの個数をXYN
1 〜XYN8 ,YZN1 〜YZN8 ,XZN1
〜XZN8 として計数する(ステップD2)。
【0052】そして、XY平面NULL個数カウント部
30A,YZ平面NULL個数カウント部30B,XZ
平面NULL個数カウント部30Cの比較器60および
カウンタ61により、各平面内におけるNULLの個数
である各計数値XYN1 〜XYN8 ,YZN1 〜
YZN8 ,XZN1 〜XZN8 のうち‘64’と
なる平面の個数を、XY平面方向,YZ平面方向,XZ
平面方向それぞれについてKXYN,KYZN,KXZ
Nとして計数する(ステップD3)。
【0053】各NULL個数カウント部30A〜30C
により計数された個数KXYN,KYZN,KXZNを
比較部31にて比較し、最大となる平面を切り口として
選択する。即ち、図10に示すように、ステップD4に
より個数KXYNが最大と判定された場合には、XY平
面を切り口として選択し(ステップD5)、ステップD
6により個数KYZNが最大と判定された場合には、Y
Z平面を切り口として選択し(ステップD7)、ステッ
プD4,D6にていずれもN判定(個数KXYNもKY
ZNも最大ではないというNo判定)となった場合に
は、個数値KXZNが最大と判定しXZ平面を切り口と
して選択する(ステップD8)。
【0054】ついで、1次元/2次元直交変換選択部4
Bにより、切り口選択部2Bにて選択した平面(切り
口)、例えば平面BXYについて(図11のステップE
1参照)、1次元直交変換と2次元直交変換とのいずれ
を実施するかを、図11に示す手順に従って適応的に選
択する。1次元/2次元直交変換選択部4Bにおいて
は、まず、平面BXYのデータが全てNULLか否かを
比較部34により判定し(ステップE2)、全てNUL
Lである場合[即ち、符号化単位の平面(または線)の
画素全部のデータがないか否かの判定結果が是の場合]
には、NULLフラグを立ててこれを受信側へ送信して
直交変換を処理を行なわない(ステップE3)。
【0055】ステップE2により平面BXYのデータは
全てNULLではないと判定された場合[即ち、符号化
単位の平面(または線)の画素全部のデータがないか否
かの判定結果が否の場合]には、縦方向NULL個数判
定部35Aにより平面BXY内の縦方向のラインの半分
(4本)以上がNULLであるか否かを判定し(ステッ
プE4)、Y判定(縦方向ラインの半分以上がNULL
であるというYes判定)となった場合には、縦方向の
相関が強いものと判断し、判定部36により縦方向に1
次元直交変換を実施する旨の判定を行なう(ステップE
5)。
【0056】また、ステップE4によりN判定(縦方向
ラインの半分未満がNULLであるというNo判定)と
なった場合には、横方向NULL個数判定部35Bによ
り平面BXY内の横方向のラインの半分以上がNULL
であるか否かを判定し(ステップE6)、Y判定(横方
向ラインの半分以上がNULLであるというYes判
定)となった場合には、横方向の相関が強いものと判断
し、判定部36により横方向に1次元直交変換を実施す
る旨の判定を行なう(ステップE7)。そして、ステッ
プE4,E6にていずれもN判定(縦方向ラインも横方
向ラインも半分未満であるというNo判定)となった場
合には、縦方向,横方向のいずれについても相関が弱い
ものと判断し、判定部36により2次元直交変換を実施
する旨の判定を行なう(ステップE8)。上述の処理に
より、選択された平面(または線)について、符号化単
位である平面(または線)の画素全部のデータがないか
否かが判定され、この判定結果に応じて、是の場合は符
号化が行なわないとともに、否の場合は上記選択した平
面(または線)について適応的に1次元または2次元の
直交変換が施されるのである。
【0057】ところで、本実施例では、符号化単位の平
面および線の画素の一部のデータがないつまりNULL
である場合に、NULL補間演算部29により、図12
に示す手順に従いNULLの部分のデータについて置き
換え補間を行なっている。NULLの値の埋め方は、直
交変換を行なうことを考慮して、なるべく相関を残すよ
うにしている(不自然であっても、映像としては目に触
れる部分ではないので問題は生じない)。なお、本実施
例では、前述した通り、データが1次元つまりBX
(1〜8)(ステップF1)の場合について説明する。
【0058】NULL補間演算部29においては、カウ
ンタ43の計数値STを初期値0に設定(リセット)し
ておいてから(ステップF2)、このカウンタ43によ
りクロックを計数し、1次元画像データBX のST番
目の画像データBX (ST)をメモリ44から読み出
し、比較部53によりその画像データBX (ST)が
NULLか否かを比較・判定する(ステップF3)。N
ULLでなければ、画像データBX (ST)をそのま
ま直交変換器6へ出力してステップF3に戻る。
【0059】一方、画像データBX (ST)がNUL
Lである場合には、減算器46により演算されたST−
1を数値aとするとともに(ステップF4)、加算器4
9により演算されたST+1を数値bとし(ステップF
5)、a番目の画像データBX (a)およびb番目の
画像データBX (b)をそれぞれデータA,Bとして
メモリ44から読み出す(ステップF6,F7)。つま
り、ST番目の1つ外側の画像データを読み出す。
【0060】このとき、比較部47,50により、それ
ぞれ、数値a,bが‘0’,‘9’か否か(つまり最も
外側のデータか否か)を判定し(ステップF8,F
9)、a=0もしくはb=9であれば、比較部55,5
4により、それぞれ、データB,AがNULLか否かを
判定する(ステップF10,F11)。各ステップF1
0,F11においてNULLではないと判定された場合
には、このST番目の画像データBX (ST)として
は、それぞれ、データB,Aが出力される(ステップF
12,F13)。
【0061】また、ステップF10,F11においてデ
ータB,AがNULLであると判定された場合には、加
算器49により演算されたb+1をbとするとともに
(ステップF14)、減算器46により演算されたa−
1をaとし(ステップF15)、それぞれステップF
7,F6へ移行する。さらに、ステップF8,F9にお
いて数値a,bが‘0’,‘9’に等しくないと判定さ
れた場合には、データA,BがNULLか否かをそれぞ
れ判定し(ステップF16,F17)、NULLである
場合には、それぞれ、ステップF15,F14へ移行す
る一方、NULLでない場合には、重み付け平均演算部
58による演算を行ない、ステップF18に示す式に基
づいて得られた数値をNULLであるBX (ST)の
値に置き換えて出力する。
【0062】以上のような処理により、1次元画像デー
タBX のST番目の画像データBX (ST)がNU
LLである場合に、両隣の画素についてNULLである
かどうか確認され、NULLであれば、NULLでない
画素になるまで範囲を広げて値の存在する画素とその位
置が探索される。そして、NULLでない画素を得た場
合には、距離の重み付け平均値をとったものをNULL
に代入する値とすることになる。1次元のある一端がN
ULLであれば、一番近いもう一端のNULLでない値
をそのまま代入することになる。
【0063】このように、本発明の第2実施例の直交変
換符号化方法及び装置によれば、被写体の表面のみのデ
ータをもつ3次元ボリュームデータに対する直交変換符
号化方式に際して、データの値が存在しない部分(NU
LLの部分)がある場合には、これら存在しない部分を
まとめてなるべく符号化しないようにすることができ、
第1実施例と同様に、簡易な構成かつ低コストで、従来
よりも高能率での符号化を実現でき、画質の向上さらに
はデータのより効率的な伝送および蓄積を実現できるの
である。
【0064】なお、被写体のある方向から見た表面のデ
ータだけをもつ3次元ボリュームデータに対して本発明
を適用する場合には、その裏側の情報をNULLデータ
として上述した第2実施例と同様に処理することで、上
記第2実施例と同様の作用効果が得られる。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2,
5,6に係る3次元ボリュームデータの直交変換符号化
法及び装置によれば、3次元ボリュームデータを高能
率直交変換符号化する際に、直交変換を施した結果が低
周波数領域に集中しやすい切り口を適応的に選択するこ
とにより、データの性質(相関)に合わせて直交変換を
行なう切り口を適応的に変えることができるので、従来
よりも高能率に符号化を行なうことができ、また、画質
の向上,データのより効率的な伝送および蓄積を行なえ
る効果がある。また、請求項3,4,7〜9に係る3次
元ボリュームデータの直交変換符号化方法及び装置によ
れば、物体の内面の情報がないか又はある方向から見た
画像についてのデータしかないため該物体の裏面の情報
がない場合に、情報がない部分が集中しやすい平面また
は線を適応的に選択することにより、データの値が存在
しない部分をまとめてなるべく符号化しないようにする
ことができるので、同様にして、従来よりも高能率に符
号化を行なうことができ、また、画質の向上,データの
より効率的な伝送および蓄積を行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すブロック図である。
【図3】第1実施例の切り口選択部の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】第1実施例の1次元/2次元直交変換選択部の
動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1実施例の予測有/無判定部の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【図7】第2実施例の切り口選択部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】(a),(b)はいずれも第2実施例の1次元
/2次元直交変換選択部の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】第2実施例のNULL補間演算部の構成を示す
ブロック図である。
【図10】第2実施例の切り口選択部の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図11】第2実施例の1次元/2次元直交変換選択部
の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第2実施例のNULL補間演算部の動作を説
明するためのフローチャートである。
【図13】一般的な画像データの直交変換符号化方式を
説明するためのブロック図である。
【図14】(a)〜(c)はそれぞれ従来の1次元並べ
替え部によるスキャン順序例を示す図である。
【図15】(a)は被写体の例を示す図、(b)は
(a)に示す被写体についての3次元ボリュームデータ
の例を示す図である。
【符号の説明】
1 データ区切り部 2,2A,2B 切り口選択部 3 スキャンコンバータ 4,4A,4B 1次元/2次元直交変換選択部 5 予測部 6 直交変換器 7 量子化器 8 符号化器 8A 可変長符号化器(VLC) 9 予測有/無判定部 10 スキャンコンバータ 11A XY平面評価値演算部 11B YZ平面評価値演算部 11C XZ平面評価値演算部 12 比較部 13 選択部 14A,14B 比較部 15 判定部 16 メモリ 17 ROM 18 遅延回路 19 減算器 20 絶対値演算回路(ABS) 21 加算器 22 遅延回路 23 遅延回路 24 減算器 25 絶対値演算回路(ABS) 26 加算器 27 遅延回路 28 加算器 29 NULL補間演算部 30A XY平面NULL個数カウント部 30B YZ平面NULL個数カウント部 30C XZ平面NULL個数カウント部 31 比較部 32A〜32C 遅延回路 33 選択部 34 比較部 35A 縦方向NULL個数判定部 35B 横方向NULL個数判定部 36 判定部 37 比較部 38 カウンタ 39 比較部 40 カウンタ 41 比較部 42 ラインコンバータ 43 カウンタ 44 メモリ 45 スイッチ 46 減算器 47 比較部 48 スイッチ 49 加算器 50 比較部 51,52 スイッチ 53〜55 比較部 56 フリップフロップ 57 ROM 58 重み付け平均演算部 58 比較部 59 カウンタ 60 比較部 61 カウンタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 喜一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−21389(JP,A) 特開 平2−72720(JP,A) 特開 平3−73671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元ボリュームデータについて直交変
    換符号化を行なうに際して、 該3次元ボリュームデータを立方体または直方体に区切
    って、直交変換を施した結果が低周波数領域に集中しや
    すい切り口を適応的に選択し、 ついで、この選択した切り口について、適応的に1次元
    または2次元の直交変換を施すことを特徴とする、3次
    元ボリュームデータの直交変換符号化方
  2. 【請求項2】 該切り口の符号化を行なおうとしている
    平面の前後の画像を用いて予測を行なうことを特徴とす
    る請求項1記載の3次元ボリュームデータの直交変換符
    号化方
  3. 【請求項3】 3次元ボリュームデータについて直交変
    換符号化を行なうに際して、 該3次元ボリュームデータを立方体または直方体に区切
    り、この区切った3次元ボリュームデータについて、
    体の内面の情報がないか又はある方向から見た画像につ
    いてのデータしかないため該物体の裏面の情報がない場
    合は、情報がない部分が集中しやすい平面または線を適
    応的に選択し、 ついで、この選択した平面または線について、 符号化単
    位の平面および線の画素全部のデータがないか否かを判
    定し、この判定結果に応じて、是の場合は符号化を行な
    わないとともに、否の場合は上記選択した平面または線
    について適応的に1次元または2次元の直交変換を施す
    ことを特徴とする3次元ボリュームデータの直交変換符
    号化方
  4. 【請求項4】 該符号化単位の平面および線の画素の一
    部のデータがない場合は、補間を行なって、符号化単位
    での平面および線の直交変換符号化を施すことを特徴と
    する請求項3記載の3次元ボリュームデータの直交変換
    符号化方
  5. 【請求項5】 3次元ボリュームデータを立方体または
    直方体に区切るデータ区切り部と、 該データ区切り部で区切られた上記3次元ボリュームデ
    ータについて、直交変換を施した結果が低周波数領域に
    集中しやすい切り口を適応的に選択する切り口選択部
    と、 該切り口選択部で選択された切り口について1次元直交
    変換又は2次元直交変換のいずれを実施するかを選択す
    る1次元/2次元直交変換選択部と、 該切り口選択部で選択された切り口に関する上記3次元
    ボリュームデータに対し、該1次元/2次元直交変換選
    択部で選択された1次元直交変換又は2次元直交変換を
    実施する直交変換部とをそなえて構成されたことを特徴
    とする3次元ボリュームデータの直交変換符号化装置。
  6. 【請求項6】 該直交変換部の前段に、上記切り口の符
    号化を行なおうとしている平面の前後の画像を用いて予
    測を行なう予測部をそなえたことを特徴とする請求項5
    記載の3次元ボリュームデータの直交変換符号化装置。
  7. 【請求項7】 3次元ボリュームデータを立方体または
    直方体に区切るデータ区切り部と、 該データ区切り部で区切られた上記3次元ボリュームデ
    ータについて、物体の内面の情報がないか又はある方向
    から見た画像についてのデータしかないため該物体の裏
    面の情報がない場合に、情報がない部分が集中しやすい
    平面または線を適応的に選択する切り口選択部と、 該切り口選択部で選択された平面または線について、符
    号化単位の平面および線の画素全部のデータがない場合
    を除き、1次元直交変換または2次元直交変換のいずれ
    を実施するかを選択する1次元/2次元直交変換選択部
    と、 該切り口選択部で選択された平面または線に関する上記
    3次元ボリュームデータに対し、該1次元/2次元直交
    変換選択部で選択された1次元直交変換または2次元直
    交変換を実施する直交変換部とをそなえて構成されたこ
    とを特徴とする3次元ボリュームデータの直交変換符号
    化装置。
  8. 【請求項8】 該1次元/2次元直交変換選択部が、該
    切り口選択部により選択された平面または線について画
    素全部のデータがないか否かを判定し、この判定結果に
    応じて、是の場合は符号化を行なわないことを選択する
    とともに、否 の場合はこの平面または線について1次元
    直交変換または2次元直交変換のいずれを実施するかを
    選択するように構成され、 且つ、該直交変換部が、該1次元/2次元直交変換選択
    部において符号化を行なわないとの選択がなされた場合
    には、上記平面または線についての符号化を行なわない
    とともに、1次元直交変換又は2次元直交変換のいずれ
    かを実施するとの選択がなされた場合には、この選択さ
    れた1次元直交変換または2次元直交変換を上記平面ま
    たは線について実施するように構成されていることを特
    徴とする請求項7記載の3次元ボリュームデータの直交
    変換符号化装置
  9. 【請求項9】 該直交変換部の前段に、該符号化単位の
    平面および線の画素の一部のデータがない場合に補間を
    行なう補間部をそなえたことを特徴とする請求項7記載
    の3次元ボリュームデータの直交変換符号化装置
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