JP3128904U

JP3128904U - 乳房形状整形具

Info

Publication number: JP3128904U
Application number: JP2006007350U
Authority: JP
Inventors: 前川　正実
Original assignee: Shimadzu Corp
Current assignee: Shimadzu Corp
Priority date: 2006-09-11
Filing date: 2006-09-11
Publication date: 2007-02-01
Anticipated expiration: 2016-09-11

Abstract

【課題】乳房の診断画像撮影に撮影に際し、乳房を撮影に好適な形状に保形し、且つ撮影部位（疾患部）の特定にも利用可能な乳房形状整形具を提供するものである。
【解決手段】乳房形状整形具は、被検者の乳房を所定形状に保形する可撓性乳房カップ１を備え、任意の乳房診断画像撮像装置にて撮像可能なマーカ２を備えている。
被検者の乳房をカップ１にて被覆することにより保形するように構成しているため、撮影の際の被検者の体位に関わらず、乳房を一定形状にて撮像することが可能であり、また、撮影された画像にはマーカ画像が重畳されているため、乳房における疾患部の特定や、複数の撮像装置による画像間における位置関係も把握することができる。
【選択図】図１

Description

本考案は、乳房の形状を安定化させると同時に、診断のための乳房撮像において撮像装置に対する乳房の位置を相対的に位置決めすることができる乳房形状整形具に関する。

医用診断の分野において、特に転移頻度が高く早期診断が必要とされる乳房組織や乳腺の疾患発見が重要視されている。診断および治療のためには、疾患部の撮像と同時に、画像と被写体との位置関係の特定が必要である。

乳房撮影には透過Ｘ線撮影によるマンモグラフィや、乳房の周囲に配設される近接撮像型ＰＥＴ（PET：Positron Emission Tomography）、ＣＴ、ＭＲＩ等が利用される。例えば、マンモグラフィの場合、乳房を圧迫板にて高さ方向に圧迫、あるいは２枚の圧迫板にて挟みこんで固定し、Ｘ線撮影を行っている（特許文献１）。

特開平８−２３８２３７号公報

しかしながら、乳房を圧迫する手法によれば、乳房は扁平化されて元の形状からは大きく変形しており、撮影によって疾患部の有無は判断できるものの、患部の位置に関する情報はほとんど得られない。乳房形状は患者によって大きく異なっており、これを圧迫する際の挟み込み深さ、挟む際の上下左右方向への偏り、圧迫強さなどによって、患部の撮像位置は大きく移動してしまい、得られた画像から患部位置を特定することは困難である。
あるいは、他の撮影装置によっても、撮影時の被検者の体位は背臥位、腹臥位、横臥位、座位、立位など様々であり、特に乳房は他の身体部位に比べて、体位によって大きく変形する特徴を有する部位であることから、複数の撮影装置における撮影画像を比較検討することが困難である。さらには、乳房と撮影装置との相対位置関係も一定ではなく、位置特定はさらに困難であった。

本考案はこうした課題を鑑みて為されたものであり、乳房撮影に際し、乳房を撮影に好適な形状に整形保持し、且つ撮影部位（疾患部）の特定にも利用可能な乳房形状整形具を提供するものである。

（請求項１）
本考案に係る乳房形状整形具は、被検者の乳房を所定形状に保形する乳房カップを備え、該カップの一部には任意の乳房診断画像撮像装置にて撮像可能な材質からなるマーカを備えていることを特徴とする。
被検者の乳房をカップにて被覆することにより保形するように構成しているため、撮影の際の被検者の体位に関わらず、乳房を一定形状にて撮像することが可能であり、また、撮影された画像にはマーカ画像が重畳されているため、乳房における疾患部の特定や、複数の撮像装置による画像間における位置関係も把握することができる。

（請求項２）
また、これらの構成に加えて、乳房カップを可撓性を備えた材質のもので形成することにより、マンモグラフィ等における圧迫変形にも適用可能なものとすることができる。撮影された画像にはマーカ画像が重畳されているため、乳房における疾患部の特定や、複数の撮像装置による画像間における位置関係の把握に利用することができる。

（請求項３）
また、前記の可撓性を有する乳房カップにおいて、例えば水平方向等の所定方向に溝を設けるなどして所定の方向への可撓性を高めた構成によれば、マンモグラフィ等における圧迫変形の際には乳房を所定方向に変形させることができ、乳房における疾患部の特定や、複数の撮像装置による画像間における位置関係の把握にさらに有用である

（請求項４）
さらに、任意の乳房診断画像撮像装置に備えられた位置決め部と当接させることにより前記撮像装置と相対的に位置決め可能な位置決め部を備えたことにより、乳房撮影の際の乳房位置決めの一助とすることができる。

以下、図を参照して本考案の実施形態について説明する。

本考案に係る乳房形状整形具は、たとえば図１に示すように、乳房撮影に際して乳房を所定形状に保形するための乳房カップ１を備えている。乳房カップ１の形状は、ＰＥＴやＭＲＩ等の撮像装置に適したものであれば特に制限はないが、通常は左右上下対象の略半球形状のものが取り扱い上好ましい。カップは撮像画像にできるだけ写りこまない材質、たとえば樹脂等からなり、半球状あるいは半球網目状等に形成されて乳房を所定の形状に保形する。

また、乳房カップ１には撮像装置にて乳房撮影画像を取得する際に、乳房画像に重畳される材質からなるマーカ２を備えている。例えばＸ線投下撮影画像の場合には鉛等が採用できる。マーカ２は、画像における乳房位置、すなわち乳がん細胞などの疾患部位置を把握するのに利用される。マーカ２の配設位置は、診断画像になるべく邪魔にならず、位置特定に利用しやすい場所であれば特に制限はない。例えば鉛直線状の上下に、水平線状の左右に、カップ１の周囲に円環状に、など任意の箇所に配設される。

こうした乳房カップ１は、人間をはじめとする動物の乳房に装着して使用される。装着に際しては、ブラジャーなどと同様の公知の固定バンドによって固定しても良いし、乳房表面への粘着性を利用したものであっても良い。

図２は乳房のＸ線透過診断画像を撮像するための公知のマンモグラフィ装置の概略図である。撮影台３上にはＸ線フィルムが収納されたカセッテ４が設置される。そして被検者の乳房Ａをカセッテ４上に載置してから、乳房の鉛直方向の厚みが小さくなるように、圧迫板５にて上方より乳房を圧迫する。Ｘ線管６からツーブス（照射筒）７を介して照射されたＸ線は乳房Ａを透過し、カセッテ４内のＸ線フィルムを露光させて、乳房診断画像を得る。

乳房カップ１を樹脂等の可撓性の材質にて形成することにより、マンモグラフィにおいても乳房カップ１を装着したままで乳房を圧迫板で挟みこむことが可能となる。この場合には皮膚の脆弱な乳頭部の保護にも有用である。圧迫板で挟みこむ場合、乳房カップ１に、例えば水平方向等の所定方向に溝を設けるなどして所定の方向への可撓性を高めた構成としておくことにより、乳房の圧迫変形を所定方向への変形に限定することができる。撮影された乳房診断画像には、マーカ２もまた撮影画像に重畳されて写りこんでおり、乳房における疾患部の位置特定に利用することができる。

また、例えば図３に示すように、マーカ２を乳房カップ１から突出した形状とし、撮像装置の圧迫板５に設けられた位置決め部５ａと一定位置関係で当接するものとしておけば、乳房挿入の状態を被検者や撮影者の別に関わらず一定に揃えることができ、検査の簡便化と疾患部の位置特定にさらに有用である。なお、撮像装置との当接部は図３のものに限定されるものではなく、相対的に位置決め可能な形状であればよい。ここではマーカ２を乳房カップ１から突出した形状として位置決めに利用するものとしたが、乳房カップ１のマーカ２以外の場所に別途位置決め用の形状を備えるようにすることもできる。

本考案に係る乳房形状整形具は、マンモグラフィ以外にも、乳房近接撮像型ＰＥＴやＭＲＩ等公知の乳房診断画像撮影装置にも適宜利用することができる。いずれの画像にもマーカ画像が重畳されているので、異なる装置での撮影画像間においても位置的相関関係が把握可能である。

本考案に係る乳房形状整形具の一構成例を示す図である。公知のマンモグラフィ装置の概略図である。本考案に係る乳房形状整形具の位置決め部の一例を示す説明図である。

符号の説明

１・・・乳房カップ
２・・・マーカ
３・・・撮影台
４・・・カセッテ
５・・・圧迫板
５ａ・・・位置決め部
６・・・Ｘ線管
７・・・ツーブス

Claims

被検者の乳房を所定形状に保形する乳房カップを備え、
該カップの一部には任意の乳房診断画像撮像装置にて撮像可能な材質からなるマーカを備えていることを特徴とする乳房形状整形具。
前記乳房カップは可撓性を備えたものであることを特徴とする請求項１記載の乳房形状整形具。
前記乳房カップは所定方向への可撓性を備えたものであることを特徴とする請求項２記載の乳房形状整形具。
任意の乳房診断画像撮像装置に備えられた位置決め部と当接させることにより前記撮像装置と相対的に位置決め可能な位置決め部を備えたことを特徴とする請求項１乃至３記載の乳房形状整形具。