JP3128687B2 - 高圧ホース - Google Patents

高圧ホース

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JP3128687B2 JP07253952A JP25395295A JP3128687B2 JP 3128687 B2 JP3128687 B2 JP 3128687B2 JP 07253952 A JP07253952 A JP 07253952A JP 25395295 A JP25395295 A JP 25395295A JP 3128687 B2 JP3128687 B2 JP 3128687B2
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fiber
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孝志 佐藤
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は油圧用配管等に用
いられ、スパイラル構造の鋼線補強層を設けた高圧ホー
スに関するもので、内管への鋼線の食い込みを防止し、
金具の装着性を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧用配管等に用いられるスパイ
ラル構造の鋼線補強層を設けた高圧ホ─スとしては、図
2に示すように、ゴム等の可撓性材からなる内管1およ
び外管2の間にスパイラル構造の鋼線補強層3、4、
5、6を構成し、各鋼線補強層の間には中間層7、8、
9を配し、内管1と鋼線補強層3の間に繊維編組または
織布からなる補助層11を設けた高圧ホースAがある。
【0003】また、図3に示すように、高圧ホースAの
補助層11と鋼線補強層3の間に接着層12を設けた高
圧ホースBがある。さらにまた、特開昭61ー1929
88には、図4に示すように、前記従来の高圧ホース
A、Bの補助層11および接着層12に代えて短繊維を
配合した高分子材料からなる層13を設けた高圧ホース
Cが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スパイラル構造の鋼線
補強層を有する高圧ホースは、従来より、製造工程にお
いて未硬化の内管に鋼線をスパイラルに巻くために鋼線
が内管に食い込み易く、また、内管と鋼線補強層の接着
不十分が原因で、金具装着の時のかしめにより内管にバ
ルジが発生し易い問題があった。
【0005】前記従来技術はこれらの問題を解決しよう
とするものであったが、しかしこれらの解決手段は、接
着層の形成、短繊維の混合等の工程が付加されるため、
生産コストが上昇し、接着層や短繊維を配合した高分子
材料からなる層によりホースの肉厚が厚くなるため、ホ
ース柔軟性が低下する等の別の問題をもたらした。ま
た、場合によっては内管の接着が不十分なものもあり、
金具装着のかしめによりバルジが発生し、金具装着性が
好ましくないものもあった。
【0006】この発明は、このような問題を解決するた
めになされたもので、製造工程において内管への鋼線の
食い込みを防止し、金具のかしめによるバルジが発生せ
ず、金具の装着性が良好であり、ホースの柔軟性が良好
であり、且つ、生産性も改善された高圧ホースを提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、この発明の高圧ホースでは、ゴム等の可撓性材から
なる内管および外管の間にスパイラル構造の鋼線補強層
を設け、さらに、内管と鋼線補強層の間に無撚りまたは
甘よりの繊維からなる補助層を設けた。そして、この補
助層の繊維は、スパイラル構造または編組構造のいずれ
でもよい。
【0008】また、この補助層を構成する無撚りまたは
甘よりの繊維の撚り数は、長さ10cm当たりに10回
以下の撚りであると効果が大きい。また、補助層を構成
する無撚りまたは甘よりの繊維の切断伸度は、10%な
いし20%であるとより好ましい。更にまた、この補助
層の繊維密度は、40%ないし90%が好ましい。
【0009】この補助層を構成する繊維は特に特定しな
いが、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、または、
綿等の天然繊維で構成することができる。なお、繊維密
度は、補助層の周長に対し形成された繊維が占める比率
(%)である。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、従来例と同一の構成要素
には、従来例と同一の符号を付す。図1は、この発明の
実施の形態を示し、内管1および外管2の間にスパイラ
ル構造の鋼線補強層3、4、5、6を形成し、各鋼線補
強層の間には中間層7、8、9を配し、内管1と鋼線補
強層3の間に無撚りまたは甘撚りの繊維からなる補助層
10を設けている。
【0011】内管1、外管2、鋼線補強層3、4、5、
6および中間層7、8、9は公知の構成であるが、内管
1は耐油性のゴム等の可撓性材からなり、外管2は耐候
性、耐油性、耐磨性等のゴム等の可撓性材からなってお
り、それぞれの使用条件に適する材料が使用される。鋼
線補強層3、4、5、6を構成する鋼線はブラスメッキ
され、内管1および外管2はブラスとの接着性を有する
材料である。鋼線補強層3、4、5、6は、油圧条件に
よって適当な強度の鋼線および層数を選定し形成する。
【0012】中間層7、8、9は、鋼線補強層が互いに
擦れ合うのを防止し、互いに接着し合うように設けたも
ので、接着性のあるゴム材からなる。上記中間層7、
8、9に使用する中間ゴムは、耐水接着性を有するゴム
組成物を厚さ0.2mm〜0.4mmで、サルファー等の打
粉したものを使用するのが好ましい。即ち、イオン加硫
可能な原料ゴム100重量部に対して、シリカ、レゾル
シン供与体及びメチレン供与体を配合し、更に有機含硫
黄化合物を、0.1〜15重量部配合したゴム組成物を
使用するものである。
【0013】補助層10は新規な構成であり、この発明
の目的を達成するために不可欠な構成であって、次のよ
うな形態で実施される。即ち、補助層10は無撚りまた
は甘よりの繊維からなり、スパイラルまたは編組により
形成される。繊維の撚り数は、10回/10cm以下が
好ましく、補助層を構成する無撚りまたは甘よりの繊維
の切断伸度は、10%ないし20%が好ましく、繊維密
度は、40%ないし90%が好ましい形態である。
【0014】補助層10は、製造工程において、未硬化
の内管1の上に鋼線補強層3を構成する鋼線をスパイラ
ルに巻きつける時に鋼線が内管1に食い込むのを防止
し、同時に、内管1と鋼線補強層3の接着を阻害しない
ものでなければならないが、鋼線の食い込みを防止する
ためには、繊維に特に撚りを掛けなくてもよく、無撚り
の繊維を編組またはスパイラルに巻くことによっても十
分に防止できる。ただしその場合、繊維の切断伸度は1
0%以上で効果が大きく、繊維密度は40%以上の時効
果が大きい。
【0015】また、内管1と鋼線補強層3の接着につい
ては、補助層10の繊維が無撚りまたは甘撚りである
と、スパイラル巻きまたは編組した時に繊維は断面が偏
平の束に形成されるので、その上に鋼線を構成しても内
管1と鋼線補強層3は接近している。すると、加熱の工
程で内管1は軟化し且つ圧力を受けるので、内管1のゴ
ム等の可撓性材は補助層10の繊維の間の隙を通って浸
透し、鋼線補強層に圧接する。したがって内管1と鋼線
補強層3は十分に接着する。この場合繊維密度が90%
以下であれば、内管の材料が浸透するのに好ましい隙が
形成される。
【0016】従来のように撚りの掛かった繊維を使用す
る場合は、繊維断面は円形に形成されるので、内管と鋼
線補強層はほぼ繊維断面の直径だけ離れてしまい、たと
え内管材料が軟化し圧力を受けても、内管と鋼線補強層
は十分接着するほどに圧接することはできない。したが
ってその場合、補助層に薄い布を使用することもある
が、そうすると内管への鋼線の食い込みが起こり易くな
ってくる。
【0017】ただし、この発明においても、撚り数が1
0/10cmを越えてくると、繊維束の偏平度が下が
り、内管1と鋼線補強層3の距離は次第に離れてきて、
両者の接着力も次第に減少し、漸次好ましくない状態に
なってくる。また、繊維密度が40%より小になると次
第に鋼線の内管への食い込みがでてきて、漸次このまし
くない状態になってくる。
【0018】以下にこの発明の実施例と比較例を示し、
この発明の優位性を実証する。実施例1は図1の実施形
態であり、比較例1は図2の実施形態であり、比較例2
は図3の実施形態である。実施例1の補助層は、ナイロ
ン(1890デニール/1)の無撚り、編組1層(24
打1本)構造、繊維密度75%であり、比較例1の補助
層は、ナイロン(210デニール/2)の25回/10
cm撚り、織布テープの1/2重ね巻き構造、繊維密度
65%であり、比較例2の補助層は、綿(20デニール
/8)の22回/10cm撚り、編組1層(24打1
本)構造、繊維密度75%である。
【0019】鋼線補強層は、実施例1、比較例1、2と
もに太さ0.4mm鋼線のスパイラル4層であり、ホー
ス内径は上記3例ともに12.7mmである。表1に性
能試験結果を示す。なお、油老化試験は、JISK63
49、100°C×48時間でおこなった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、無撚りまたは甘撚りで構成された補助層
のはたらきにより、製造工程において内管への鋼線の食
い込みを防止し、内管と鋼線補強層がよく接着するの
で、金具のかしめによるバルジが発生せず、金具の装着
性が良好である。しかも、接着層や短繊維を配合した層
が必要ないので、ホースの柔軟性が良好であり、生産性
も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の高圧ホースの一部切り欠きした正面
図。
【図2】従来の高圧ホースの一例を示す一部切り欠きし
た正面図。
【図3】従来の高圧ホースの他の例を示す一部切り欠き
した正面図。
【図4】従来の高圧ホースの他の例を示す一部切り欠き
した正面図。
【符号の説明】
1 内管 7、8、9 中間
層 2 外管 10 補助層 3、4、5、6 鋼線補強層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム等の可撓性材からなる内管および外管
    の間にスパイラル構造の鋼線補強層を設けた高圧ホース
    において、前記内管と鋼線補強層の間に無撚りまたは甘
    よりの繊維からなる補助層を設けたことを特徴とする高
    圧ホース。
  2. 【請求項2】 補助層が、スパイラル構造または編組構
    造である請求項1記載の高圧ホース。
  3. 【請求項3】 補助層を構成する無撚りまたは甘よりの
    繊維の撚り数が、10回/10cm以下である請求項1
    または2記載の高圧ホース。
  4. 【請求項4】 補助層を構成する無撚りまたは甘よりの
    繊維の切断伸度が、10%ないし20%である請求項1
    ないし3記載の高圧ホース。
  5. 【請求項5】 補助層の繊維密度が、40%ないし90
    %である請求項1ないし4記載の高圧ホース。
JP07253952A 1995-09-29 1995-09-29 高圧ホース Expired - Lifetime JP3128687B2 (ja)

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