JP3127069U - 行灯型電気スタンド - Google Patents

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Abstract

【課題】木曽地方の伝統工芸である「網代編み」、「田立の和紙」、「ろくろ木工」を三者一体として活用すべく、行灯型電気スタンドに着目し、インテリアとしての高級感や自然な素材感を減ずることなく、傘の和紙の破れやすさや剥がれによる欠点を改善し、さらには、これまでにない照明効果をも実現することもできる新しい行灯型電気スタンドを提供する。
【解決手段】木材の薄片によって作製された網代編み面体21の片面もしくは両面に和紙22を貼着した傘2を、木質台座3をもって支持し、前記傘2が光源を覆うようにしたことを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本考案は、行灯型電気スタンドに関するものである。さらに詳しくは、網代編み、田立の和紙、ろくろ木工の技術を使用した行灯型電気スタンドに関するものである。
行灯は、古くは、木製の台座と、木製の枠と和紙で作製した傘とによって形成されており、内部に火を灯して和紙を透かして明かりを得るものとして知られている。また、安全性、光度の問題から、近年では、内部を電灯とした、行灯型電気スタンドが一般的である。この行灯型電気スタンドの傘は、光が和紙を透かして見えるため、明るさを抑え、落ち着いた雰囲気とすることができ、現在でも間接照明等で広く用いられている(例えば、http://www.surugaya.com/sensuji/sakuhin/andon/index.htm、http://www.shinise.ne.jp/options/shinise/pa_categorylist.asp?temp_id=49&c_id=270&shp=86等参照)。
しかしながら、行灯型電気スタンドの傘は、通常、木製の枠に和紙が張られているが、和紙は破れやすい素材であるため、接触等で容易に破れてしまい、また、和紙の木製枠への貼着が剥がれると、内部の光源部が露出したり、和紙の風合いを損なって、間接照明としての落ち着いた雰囲気を損ない、物持ちが悪いという問題があった。そこで、透明アクリル等の透明部材で片側あるいは両面を補強することも行われているが、これら樹脂素材では光沢が生じてしまい、インテリアとして高級感や自然な素材感が失われてしまうという問題があった。
このため、和紙の特徴を生かし、落ち着いた雰囲気の間接照明としての高級感や自然な素材感を物持ち良いものとして実現するための方策が求められていた。
一方、木曽地方では、良質の木材が多く採れることから、その木材を利用した伝統工芸が著名である。このような木曽地方の伝統工芸の一つとして、「網代編み」がよく知られている。「網代編み」とは、桧等の木材の幅5〜6mm、厚さ0.1〜0.2mm、長さ1〜数m程度の薄片を、例えば図3のように交互に組み合わせて編み込む方法あるいは編み込んだ物であり、古くは被り笠等に利用されていた。また、木曽地方の伝統工芸として、「田立の和紙」も著名である。田立(地名)では江戸時代から和紙の生産が行われ、現在までその製法が受け継がれた伝統工芸である。また、「ろくろ木工」も著名であり、「ろくろ木工」とは、木材をろくろに固定して回転させながらのみによって成形加工する方法または成形加工された物であり、木地師と呼ばれる伝統工芸士の高い木工技術が必要な伝統工芸であり、肌理細やかで且つ温かみのあることを特徴としている。
しかしながら、上記のような「網代編み」、「田立の和紙」、「ろくろ木工」は、伝統工芸として著名であるものの、過疎化に伴って伝統工芸の継承者が減少している問題があり、現在、地場産業の活性化、伝統工芸の承継が望まれている。
本考案者らは、このような伝統工芸の承継とその発展を希求して、これらの技術を新しい近代的なインテイリアとして実現すべく検討を進めてきた。
本考案は、以上の通りの背景から、木曽地方の伝統工芸である「網代編み」、「田立の和紙」、「ろくろ木工」を三者一体として活用すべく、行灯型電気スタンドに着目し、インテリアとしての高級感や自然な素材感を減ずることなく、傘の和紙の破れやすさや剥がれによる欠点を改善し、さらには、これまでにない照明効果をも実現することもできる新しい行灯型電気スタンドを提供することを課題としている。
本考案の行灯型電気スタンドは、上記の課題を解決するために、第1に、木材の薄片によって作製された網代編み面体の片面もしくは両面に和紙を貼着した傘を、木質台座をもって支持し、前記傘が光源を覆うようにしたことを特徴としている。
第2には、上記行灯型電気スタンドは、網代編みの木材薄片が、桧薄片であることを特徴としている。
第3には、上記行灯型電気スタンドは、木質台座が、ろくろ木工体であることを特徴としている。
(1)本考案によれば、「網代編み」面体によって傘が弾性を有し、これにより、手や物が接触した時に、和紙とともに「網代編み」面体が変形し、和紙に掛かる張力を減じて、和紙を破れにくくすることができる。
(2)「網代編み」面体においては、格子状に組み立てられた木材薄片に和紙が貼着されることから、風や体の接触、振動等によっても和紙は剥がれにくく、また、その一部が剥がれたり、破れたりしても全体としての照明の雰囲気を損なうことはない。
(3)「網代編み」を用いた傘によれば、光源から発する光が、木材の薄片を透過して、暖かく柔らかい印象を生み新しい照明効果が得られる。
(4)「網代編み」を用いた傘によれば、光源から発する光が、「網代編み」の編み目を透過するため、従来には無い、独特の光の強弱のコントラストを生み新しい照明効果が得られる。
(5)桧の「網代編み」を用いた傘によれば、桧独特の心地よい芳香を発散する。
(6)「田立の和紙」を用いた傘によれば、光源から発する光の透過を大きく害することなく、光が透過して、落ち着いた印象を生み新しい照明効果が得られる。
(7)台座が「ろくろ木工」体であるため、さらにインテリアとしての高級感を増す。
(8)固定具を組み合わせれば、壁面、天井など、場所を選ばず設置できる。
(9)木曽地方の伝統工芸である「網代編み」「田立の和紙」「ろくろ木工」を用いており、伝統工芸と工業製品とを組み合わせた新しい時代の産業商品として地場産業を振興する。
以下、本考案の実施の形態について図面に沿って説明する。ただし、概念として同一の定義を有する用語には、形状が異なる場合においても同一の符号を付してある。
図1は、本考案の行灯型電気スタンド1の1つの実施形態を例示した斜視図である。
図2は、図1の行灯型電気スタンド1のa−a矢視断面図である。
たとえばこの図1、図2に示されるように、本考案の行灯型電気スタンド1は、既存公知の行灯型電気スタンドの如き構造を有し、傘2、木質台座3、ソケット4、光源としての電球5により構成されている。この行灯型電気スタンド1では、木材の薄片によって作製された「網代編み」面体21の裏面にのみ和紙(「田立の和紙」)22を貼着した傘2を、「ろくろ木工」体である木質台座3で支持している。
以下、さらに詳しく説明する。
<1>本考案の傘2の作製
傘2を以下の手順で作製した。
図3は、行灯型電気スタンド1の傘2に用いる網代編み面体21の一部を示した拡大図である。
図4は、行灯型電気スタンド1の傘2の展開図である。
図5は、行灯型電気スタンド1の傘2を示した斜視図である。
ここで図3から図5に示される寸法L1〜L8は適宜設定してよいが、具体例として以下のとおりとした。
・L1=5mm ・L2=5mm
・L3=2mm ・L4=40cm
・L5=30cm ・L6=1cm
・L7=1cm ・L8=約13cm
「網代編み」面体21は、図3に示されるように、桧を幅5mm、厚さは0.1mm、長さ1mの薄片として、これを交互に組み合わせて編んで作製している。
次いで、図4に示されるように、編み込んだ「網代編み」面体21を、向かい合う一組の辺が40cm、もう二辺を30cmの長方形に切断し、続いて、略同形状の和紙(「田立の和紙」)22を「網代編み」面体21の片面に糊付けした。また、「網代編み」面体21がばらけず、切り口から薄片が裂けることがなく、さらには、ささくれ等によるけがを防止するために、そして、和紙(「田立の和紙」)22が剥がれないように、「網代編み」面体21の四辺にバイアステープ23をミシンで縫付けた。さらに、長さ30cm(L5)の向かい合う二辺に、バイアステープ23と平行に、各辺六個ずつのハドメ金具24を均等な幅でパンチングして取り付けた。
最後に、図5に示されるように、ハドメ金具24を取り付けた二辺を近づけるように、和紙(「田立の和紙」)22付きの「網代編み」面体21を、「田立の和紙」が裏面になるように丸めて、ハドメ金具24に紐25を通して縛り、円柱状の傘2を作製した。
ここで、図3に示される編み方は、「透かし網代編み」で、隣り合う縦線、隣り合う横線の間にスペースを作る編み方であり、これによって、光がそのまま透過する部分、一枚の木材の薄片を透過する部分、二枚の木材の薄片を透過する部分が形成され、光の強弱のコントラストが生まれて美しい照明効果が得られる。その他の編み方としての、「枡網代編み」、「花網代編み」等の模様を形成する各種の編み方が考慮されてもよい。いずれの場合も、各々の模様に由来する独特の光の透過によって光のコントラストが美しいものとなる。また、さらには、色の異なる薄片を用いる「交色網代編み」等であってもよく、光のコントラストが美しいものとなる。このように特に編み方に制限されない。
また、上記の例では、「網代編み」面体21に対して和紙(「田立の和紙」)22を傘2の内側に糊付けしたが、両面でもよい。また「網代編み」面体21に直接すいて和紙を貼着してもよい。
「網代編み」面体21の形状を上記の例では円筒状としたが、「網代編み」は曲面体として編むこともできるので、図6に示すような傘2とすることもできる。
これら様々な構成に応じて、上記のバイアステープ23とハドメ金具24、そして紐25に代わる様々な形状の形成と保持のための止着手段が採用されてよい。
<2>本考案の木質台座3の作製
図7は、図1および図2の行灯型電気スタンド1の木質台座3の断面図である。
図7に示される寸法L9〜L15も適宜設定してよいが、具体的な例として以下のようにしている。
・L9=3cm ・L10=1cm
・L11=20cm ・L12=4cm
・L13=5cm ・L14=5mm
・L15=10cm
この図7に示されるような木質台座3を以下のように作製した。
一体成形すると高価になるため、木質台座底部31とガイド部32を別々に、むく材を「ろくろ木工」(ろくろとのみを用いて、ろくろを回しながらのみで木を削る手法)で成形して作製した。その後、木質台座底部31とガイド部32の中心にコード用穴33を形成し、木質台座底部31のみにコード用横穴34を形成した後、接着剤で木質台座底部31とガイド部32を接着した。そして、ソケット4のコード41をコード用穴33、コード用横穴34に通して、ガイド部32の中央にソケット4を配置してネジで固定し、ソケット4に電球5を挿入した。
木質台座固定部31と傘固定部32とは、上記のように接着剤による接合に代えて、嵌め込み、あるいはネジ込みの接合構造としてもよい。
木質台座3は、上記のように別対とせずに木質台座底部31とガイド部32を「ろくろ木工」で一体成形して高級感を演出してもよい。さらには、図8のように、アーム35を用いる形状としてもよい。このアーム形状の場合も、嵌め込み式(a)、あるいはネジ式(b)でアーム35を取り付けて高さを出してもよい。また、ガイド部32についても、木質台座底部31と同一部材で一体成形してもよい。
<3>本考案の行灯型電気スタンド1の組立
図1に示されるように、上記<2>で作製した傘2を、上記<3>で作製した木質台座3に支持して、行灯型電気スタンド1を作製した。
なお、光源としては、電球5だけでなく、蛍光灯やLED、あるいは光ファイバーやその他光導波体等を用いた照明であってよい。
また、木質台座については「ろくろ木工」体でなくとも木質の様々な形状、意匠のものとしてもよい。
本考案の行灯型電気スタンドの実施形態を示した斜視図である。 図1のa−a矢視断面図である。 本考案の行灯型電気スタンドの傘に用いる網代編みの一部を示した拡大図である。 上記実施例での傘の展開図である。 上記実施例での傘を示した斜視図である。 図5とは違う本考案の行灯型電気スタンドの傘を例示した斜視図である。 上記実施例での木質台座の断面図である。 図7とは違う本考案の行灯型電気スタンドの木質台座を例示した断面図である。
符号の説明
1 行灯型電気スタンド
2 傘
21 網代編み面体
22 和紙
23 バイアステープ
24 ハドメ金具
25 紐
3 木質台座
31 木質台座底部
32 ガイド部
33 コード用穴
34 コード用横穴
35 アーム
4 ソケット
41 コード
5 電球

Claims (3)

  1. 木材の薄片によって作製された網代編み面体の片面もしくは両面に和紙を貼着した傘を、木質台座をもって支持し、前記傘が光源を覆うようにしたことを特徴とする行灯型電気スタンド。
  2. 網代編みの木材薄片が、桧薄片であることを特徴とする請求項1に記載の行灯型電気スタンド。
  3. 木質台座が、ろくろ木工体であることを特徴とする請求項1または2に記載の行灯型電気スタンド。
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