JP3127041U - 縁部分と胴部分に分離でき、再結合・固定が可能な植物育成用の鉢 - Google Patents

縁部分と胴部分に分離でき、再結合・固定が可能な植物育成用の鉢 Download PDF

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Abstract

【課題】 栽培時には安価なプラスチック鉢を使用し、出荷時や展示会前に高級鉢内にプラスチック鉢をはめ込むことにより、「植物の痛みと植え替えの労力」を大幅に軽減することを課題とする。
【解決手段】 上の課題を解決するために、胴部分bの上端にリング状の輪(c)、少し下に結合・固定用の突起(d)を設け、縁部分aの内周には凹み(e)を設けて、縁部分aの内側に胴部分bを上方から挿入し、縁部分aを回転させて胴部分bの突起と縁部分aの凹みの位置をずらせることにより、縁部分aと胴部分bの結合・固定及び再分離が可能となった。
【選択図】図2

Description

この考案は必要に応じて、縁部分と胴部分に分離ができ、また再結合・固定が可能な植物育成用の鉢の形状及び構造に関するものである。
従来から、一般園芸において、栽培時にはプラスチック鉢で育て、出荷時にその鉢を高級鉢内にはめ込む方法は存在したが、東洋蘭専用鉢の場合は上部に大きいリング状の「縁」(二本の水平な棒で挟んで、吊り下げられる形状に作られている)が付けられているため、高級鉢の上部にプラスチック鉢の「縁」がはみ出し、美観を損ねるという大きな欠点があったため、実際には実施されることはなかった。
実用新案登録第3124352号公報
従来の東洋蘭栽培用の鉢は信楽焼(焼き物の一種)等の高級な鉢であったが、最近は安価で通気穴もあり栽培安易なプラスチック製の鉢が多用されるようになっている。しかしプラスチック鉢は高級感や品格の点では劣るため、販売時や展示会直前には高級鉢に植え替える必要があった。そこで、この考案では特殊構造のプラスチック鉢を使用して育成し、販売時や展示会直前に、高級鉢の内側に本考案の鉢の一部分(胴部分)のみをはめ込む方法により、「植物の植え痛み」と「植え替え時の労力」を極度に軽減すると共に、「構造や操作が簡単」で「美的にも美しい」形状にすることを課題とする。
以上の課題を解決するために、第一考案は図1のように縁部分aの内径と胴部分bの上端付近の外径をほぼ同寸法とし、縁部分aの内径より少し直径の大きいリング状の輪cを胴部分bの上端に設け、縁部分aの内側に胴部分bを上方から挿入すると、胴部分bは縁部分aから落下できないため、縁部分aと胴部分bは一時的に結合され、必要時は分離が可能という構造を有する植物育成用の鉢である。
また第二考案は、図2、図7のように縁部分及び胴部分上端付近に膨らみや凹み、突起や穴、ネジ状の凹凸等を設けることにより、縁部分と胴部分を結合状態のままで固定でき、必要時には分離が可能という構造を有する請求項1に記載の鉢である。
本考案の鉢では縁部分と胴部分が分離、再結合・固定が可能であるため、栽培時は縁部分と胴部分を結合させた鉢(プラスチック製)で育て、出荷販売時や展示会直前には縁部分と胴部分を分離して、図6のように胴部分のみを高級鉢内に直接はめ込むことにより、「美的にも優れる」と共に「植え替えによる植物の痛み」と「植え替え時の労力」を極度に軽減することが可能となった。
また実用新案登録第3124352号の場合は縁付き鉢の途中で分離を行うが、本考案では縁付き鉢の上端で分離を行うため、高級鉢内部に胴部分をはめ込む際、培養土をほとんど除去する必要が無くなり、植え替え時間がより短縮できるため、作業時の労力も大幅に軽減することが可能となった。
この考案の一実施形態を、図2、3の斜め下からの斜視図及び図4の斜め上からの斜視図で示す。図5は縁部分と胴部分の断面図である。縁部分a1の内径と胴部分b1の上端付近の外径をほぼ同寸法とし、縁部分a1の内径より少し直径の大きいリング状の輪(図2のc1)を胴部分b1の上端に設け、更にその輪の少し下には2個以上の結合、固定用の突起(図2のd1)を設けて、その突起が結合時に通過できるように縁部分a1の内側に凹み(図2のe1)を設けて、縁部分a1の内側に胴部分b1を上方から挿入し、縁部分a1を回転させて縁部分a1の凹みと胴部分b1の突起の位置をずらせることにより、縁部分a1と胴部分b1の結合・固定及び再分離を可能とした鉢である。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、鉢の胴部分b1に突起と縁部分a1の内側に凹みをつけるだけで分離と再結合・固定が可能となり、美感も損なわず、構造も簡単で細工もしやすいという利点がある。また縁部分b1を回転させると簡単に縁部分a1と胴部分b1を分離できるので、出荷や展示会前の限られた短時間の中で胴部分b1だけを高級鉢内部にはめ込むことができる。
「他の実施形態」
図7の斜め下からの斜視図及び図8の断面図のように、胴部分b2上端のリング状の輪(図7のc2)の少し下に2個以上の突起(図7のd2)を設け、縁部分a2は内側に凹みのない大型リング状とし、結合時に胴部分b2の突起が縁部分a2にぶつからぬよう胴部分b2の上部を手で横から強く押して凹ませながら、縁部分a2の上方から胴部分b2を挿入し、縁部分a2が胴部分b2の突起又は膨らみ部分を通過後に手を離して、縁部分a2を胴部分b2上端の輪と下部の突起又は膨らみとで上下に挟みこむことにより、縁部分a2と胴部分b2の結合・固定を行い、必要時には胴部分b2を手で押して凹ませることによって再分離を可能にした構造である。
請求項1、2の考案において、縁部分と胴部分を結合するために胴部分の上端に少し横にはみ出すリング状の輪(図2のc1、図7のc2)を設けているが、連続したリング状の輪ではなく、輪状に配列した不連続の突起でも同じ働きをさせることができる。
なお胴部分の上端に設けているリング状の輪が縁部分から少し上にはみ出して美観を損ねる恐れがあるため、縁部分を図9のa3のような形状にすると、より美的にも優れ、質量が軽く、強度も強く、原材料費も少なくすることが可能である。
本考案の最良の実施形態(図2〜4)において、更に図10のように縁部分の凹みと凹みの間の下部を緩やかな斜面状にして、厚さの変化を設けると、縁部分を回転させることで、ネジと類似した働きにより、縁部分を胴部分の突起が強く締め付けるため、縁部分と胴部分の完全な固定が可能となり、縁部分が不用意に回転して結合が外れるのを防止することができる。
東洋蘭栽培場等での展示や出荷時の労力軽減に大いに寄与すると思われる。
本考案の原理を示す斜視図 本考案の一実施形態を示す斜視図 本考案の一実施形態を示す斜視図 本考案の一実施形態を示す斜視図 本考案の一実施形態を示す断面図 東洋蘭栽培における実施例の断面図 他の実施形態の例を示す斜視図 他の実施形態の例を示す断面図 他の実施形態の例を示す断面図 他の実施形態の例を示す断面図
符号の説明
a、a1、a2、a3:縁部分
b、b1、b2、b3:胴部分
c、c1、c2、c3:胴部分上端から少し横にはみ出すリング状の輪
d、d1、d2、d3:胴部分上端より少し下の結合、固定用の突起又は膨らみ
e、e1、e2:縁部分の内周に設けた凹み

Claims (2)

  1. 縁部分の内径と胴部分の上端付近の外径をほぼ同寸法とし、縁部分の内径より少し直径の大きいリング状の輪又は輪状に配列した突起を胴部分の上端に設け、縁部分の内側に胴部分を上方から挿入すると、胴部分は縁部分から落下できないため、縁部分と胴部分は一時的に結合され、必要時には分離が可能という構造を有する植物育成用の鉢。
  2. 縁部分及び胴部分上端付近に膨らみや凹み、突起や穴、ネジ状の凹凸等を設けることにより、縁部分と胴部分を結合状態のままで固定でき、必要時には分離が可能という構造を有する請求項1に記載の鉢。
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