JP3123600U - 土木建築部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境ファンドに協賛しアクセスに応じて資金を拠出する協賛企業のWebサイトへのURLリンク情報を有する2次元コード又は識別符号が形成された土木建築部材を提供する。
【解決手段】道路、公共交通機関、建築構造物等に使用され、基材表面に酸化チタンを成分とする光触媒がコーティングされた土木又は建築用の部材であって、特定のWebサイトにリンクするURLと関連付けられた二値以上の2次元コード又は識別符号の少なくともいずれかが塗装又は切削により形成される。
【選択図】図1

Description

本考案は、土木又は建築用部材に関するもので、詳しくは、塗布又は切削により形成された2次元コードに埋め込まれたURLリンク先にアクセスすることで、その部材の環境に対する情報を得ることができる土木建築部材に関するものである。
従来から、光触媒の大気浄化、脱臭、浄水、抗菌、防汚の5つの機能を活用し、土木又は建築分野においても、建造物の外壁や屋外の各種構造物に光触媒を塗布することがなされている。
光触媒は、酸化チタンが一般に知られており、その動作原理の詳細は省略するが、太陽や蛍光灯等の光が当たることで、その表面で生まれる酸化力によって、これら5つの機能の効力が発揮され、接触してくる有機化合物や細菌等の有害物質を除去することができるという機能を持つ環境浄化材料である。
酸化チタンは、光が当たった表面の電子を放出し、電子の放出によって生じた正孔(ホール)の持つ強い酸化力によって有機物から電子を奪う特性を持っており、これによって、付着した有機物は、最終的に二酸化炭素や水になり大気中に発散していく、というもので、光としては電子放出のためのエネルギーの高さから紫外線であることが望ましい。
光触媒用酸化チタンの製造としては、紛体触媒、薄膜触媒、及び吸着剤、浸水成分、抗菌性成分等との複合化等があり、紛体触媒を利用した酸化チタン膜の作り方に関しては水等に溶かしスラリーとしたものや有機バインダーや無機バインダーを使用したもの、或いはゾル状、層状、繊維状や多孔質等の高次構造化等が知られており、薄膜触媒の製造には液体コーティング法、真空蒸着やスパッタリング或いはプラズマ溶融等による蒸着法等が知られている。
光触媒の5つの機能について説明すると、大気浄化は、自動車排気ガス等により発生し酸性雨や喘息の原因ともなる空気中のNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)、ホルムアルデヒド等の有害物質を除去する機能であり、脱臭は、アセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素等の悪臭の吸着、分解であり、浄水は、水中に融解したテトラクロロエチレン、トリクロエチレン等の揮発性有機塩素化合物系の汚染物質を分解、除去であり、抗菌は、抗菌、殺菌作用によるクリーンな環境を提供するものであり、防汚は、外壁や床面に適用してその汚れを防ぐ、というものである。
一方、大都市地域におけNOxによる大気汚染は依然として深刻な状況が続いており、工場等に対する規制や自動車排出ガス規制の強化に加え、自動車NOx法に基づいて特別の排出基準を定めて規制しているが、自動車の交通量の増大等により対策の目標とした二酸化窒素に係る大気基準を達成することが困難になっているのが現状である。
光触媒は、その特徴を利用して様々なものに塗布され、面積が広いほどその効果が高く、NOx除去量が多いとされる落葉広葉樹(ポプラ)の除去量は3.11mg/日といわれるが、これに比較し、光触媒を1000平方メートル塗布した場合、ポプラ70本分のNOx除去力に相当するといわれる。
このような背景に基づき、光触媒を建築材に適用したものが特許文献1に開示されている。
特開2003−313971号公報
本考案の目的は、上記のような、光触媒の膜を基材表面に形成した部材を各種構造物等に適用して使用するにあたり、光触媒の使用により環境改善への貢献に寄与する企業へのWebサイトへリンクするURLを埋め込んだ2次元コードをこの部材上に形成し、その情報を読み取ることでその企業の貢献度を知らしめるようにした土木建築部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る本考案の土木建築部材は、基材表面に酸化チタンを成分とする光触媒がコーティングされた土木又は建築用の部材であって、特定のWebサイトにリンクするURLと関連付けられた二値以上の2次元コード又は識別符号の少なくともいずれかが塗装又は切削により形成されることを特徴とする。
また、請求項2に係る考案の前記部材は、車道又は歩道に埋め込まれる敷石として使用されることを特徴とする。
また、請求項3に係る考案の前記部材は、ガードレール又は交通標識に使用されることを特徴とする。
また、請求項4に係る考案の前記部材は、建造物の壁面部材又は窓ガラスとして使用されることを特徴とする。
また、請求項5に係る考案の前記部材は、前記部材は、航空機、船舶、電車、バス、トラック、及び乗用車の交通機関の外装材として使用されることを特徴とする。
また、請求項6に係る考案の前記部材は、金属、プラスチック、紙、又は布の何れかを主成分とするシート状部材であることを特徴とする。
また、請求項7に係る考案の前記部材に形成される2次元コード又は識別符号は、環境ファンドに協賛しアクセスに応じて資金を拠出する協賛企業のWebサイトへのURLリンク情報を有することを特徴とする。
本考案によれば、光触媒をコーティングし、その表面に環境改善に貢献する企業のWebサイトのURLが埋め込まれた2次元コードを形成した部材を土木又は建築用の各種構造物等に使用することで、光触媒を利用した環境改善に賛同した企業からそのWebサイトへのアクセスに応じて環境ファンドに資金を拠出するようにしたので、2次元コードに興味を持った一般の人に対して環境改善に協力或いは貢献した企業の情報を提供でき、その企業イメージも上がるという効果がある。
以下、本考案の土木建築部材の実施形態について図を参照して説明する。
図1は、本実施形態による土木建築部材の一例を示す説明図であり、図2は、図1の土木建築部材を適用した応用例を示したものである
土木建築部材1としては、目的、用途に応じて様々な形状や形態で使用することができる。図1に示す土木建築部材1は、歩道、車道、敷地内等に埋め込まれる敷石、或いはタイル等の建造物の壁材の一部として貼り付け或いは嵌めこみにより使用することを想定したもので、図1(a)のような角型形状のものが一般的に使用されることが予想される。
土木建築部材1は、コンクリート、レンガ他、目的や用途に応じて選択した様々な基材の表面に酸化チタンの光触媒を塗布したもので、その一部にQRコード(登録商標)等の2次元コード2が彫られて形成される。2次元コード2の形成は、認識可能であれば彫刻、篆刻、塗装等何れの方法でも構わない。2次元コード2には、特定のWebサイトにリンクするURLコードが埋め込まれていて、カメラ付携帯電話機等で読み取ることできる。
2次元コード2は、内蔵されたカメラで読み取ることでWebサイトへのアクセスや電子メールの送信等ができる携帯電話機の普及に伴い、この携帯電話機に採用された株式会社デンソーが開発したQRコード(登録商標)がディフェクトスタンダード化され、日本のJIS規格(JIS X 0510)、国際標準のISO規格(ISO/IEC18004)としても採用されており、様々な分野で応用され使用されている。QRコード(登録商標)はマトリックス式2次元コードの一つであり、一般に使用されている13桁分の数字しか入らないJAN(Japanese Article Number)コード等の1次元バーコードに比べ、英字漢字等を含めて1800文字と、非常に多くのデータを記録することができる。
2次元コード2は白黒2値に限らず、カラー構成による2値以上の多値とするコードも最近発表されているので、これを用いても良い、また、2次元コード2はカメラ内蔵型の携帯電話機の殆どで読み取り可能になっているが、対応していない機種や、ハンドヘルドPC(パーソナルコンピュータ)等の携帯型コンピュータからのアクセスのために、WebサイトへのURLそのものを彫刻や塗装等により土木建築部材1に形成し、それを携帯型コンピュータよりキー入力することで目的とするWebサイトにアクセスするようにしてもよい。例えば、コードコム社のCCコードのように、QRコード(登録商標)とCCナンバーをセットにし、URLと対応するユニークな識別符号としてこのCCナンバーを印刷し、対応するアプリケーションを起動して数値又はASCII文字を直接入力することにより、そのWebサイトにアクセスするようにしてもよい。
2次元コード2があることを知らしめるようにするために、土木建築部材1の色や形状を周りのものと変えることで目立たせ、図1(b)〜(d)のような形状にすることもできる。図1(b)は、星型に形成したものであり、図1(c)は六角形に、図1(d)は丸型に形成したものである。このような単純な形状だけでなく、動植物、人、乗物等の任意の形状をキャラクタ化し、目的や用途或いは周りの形態に応じて適宜採用することもできる。
光触媒をコーティングした土木建築部材1の使用は、環境改善に貢献することになるので、広く普及することが好ましいが、部材そのもののコストが上がるので、このような環境改善に協力する企業からの協賛金を環境ファンドとしてプールし、土木建築用部材だけでなく、各種構造物に直接塗布する等の際の資金として利用できるようにするのが本考案の目的でもある。
光触媒をコーティングした土木建築部材1は、図1(a)〜(d)に示したような部材として供給する方法以外にも、建造物の壁面部材としての使用や、窓や玄関等の各種ガラスに適用することもできるし、ガラス等の平滑な面が得られる部分では、金属シート、プラスチックシート、紙、或いは布等のシート状部材を、粘着材を用いてシールとして貼り付け使用することもできる。その場合、色や形状の自由度は格段に向上する。2次元コード2も、どこか目立つところ、或いは目立つようにデザインして、任意の個所に設けるようにする。
このような土木建築部材1を適用した応用例を、図2(a)、(b)に示す。図2(a)は、ガードレール(防護柵)に光触媒を塗布し、その一部に2次元コード2を塗装等により形成した例である。図2(b)は、交通標識(駐車禁止)に光触媒を塗布し、その一部(「駐車余地6m」の補助板)に塗装等により2次元コード2を形成した例である。
図示していないが、このほかにも土木、建築用途に限らず、飛行機、船舶、電車、バス、タクシー等の公共交通機関、商用車両、自家用車両等の外装材に適用する事も考えられ、その場合、光触媒を塗布し2次元コード2を塗装した外装部材としての供給や、電車やバスに貼られる広告シートに適用することも考えられる。
図3は、環境ファンドの融資形態を示す図である。
2次元コードを読み取りアクセスしたユーザは、ポータルサイト11に導かれ、アクセスログがポータルサイト11に記録される。アクセス情報は、環境ファンド融資事務局12に引き渡され、予め登録していた協賛企業にアクセス数に応じた課金がなされる。このようにして協賛企業から集められた融資金は、環境ファンド融資事務局に環境改善を図る企業に対する融資資金としてプールされる。
プールされた融資資金は、図3に示すように、例えばCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任度)の評価を上げるため温室効果ガス削減(NOx光触媒等)を推進したい企業13や、CSRの評価を上げるため屋上緑化や壁面緑化を施行したい企業14、環境貢献でCSRの評価を上げたい企業13、14等を対象に、企業統治(コーポレートガバナンス)、従業員の機会均等、健康と安全対策、公正な調達、社会貢献活動、環境問題への取組みと成果、等を基に審査して、低利の融資を行う。
最後に、図4を参照し、操作の流れに沿って対象となる2次元コード2を用いて土木建築部材1に関する情報を提供するWebサイトにアクセスする構成を説明する。
光触媒を塗布した土木建築部材1に協賛する企業のWebサイト(図示せず)のURLが埋め込まれた2次元コード2を見た携帯電話機8の利用者は、利用者自身が持っているカメラ内蔵型携帯電話機8を用いて2次元コードを読み取ると、携帯電話機8の表示画面に、2次元コード2内に埋め込まれたURLが表示されるので、そのURLのWebサイトにアクセスする。携帯電話機8から携帯電話基地局9とその通信網(図示せず)、及びインターネット10を介して指定したURLのWebサイトにアクセスし、携帯電話機8に表示されたメニュー(図示せず)から、そのWebサイトを選択すると、そのWebサイトから、協賛企業の情報が配信され、利用者の携帯電話機の画面に表示される。環境ファンドサーバ12aは、2次元コードによりアクセスするWebサイトと同一でもよいし、通常最初にアクセスしたポータルサイト11から、対応する協賛企業のWebサイトにリンクしてその動作を引き継がせるようにしてもよい。
本考案による土木建築部材の一例を示す図であり、(a)は角型、(b)は星型、(c)は六角形、(d)は円形の部材に適用した例である。 図1の土木建築部材を適用した応用例を示す図であり、(a)はガードレール、(b)は交通標識に適用した例である。 環境ファンドの融資形態を示す図である。 2次元コードを用いて土木建築部材に関する情報を提供する全体構成図である。
符号の説明
1 土木建築部材
2 2次元コード
8 携帯電話機
9 携帯電話基地局
10 インターネット
11 ポータルサイト
12 環境ファンド融資事務局
12a 環境ファンドサーバ
13、14 企業
15 管理者端末

Claims (7)

  1. 基材表面に酸化チタンを成分とする光触媒がコーティングされた土木又は建築用の部材であって、
    特定のWebサイトにリンクするURLと関連付けられた二値以上の2次元コード又は識別符号の少なくともいずれかが塗装又は切削により形成されることを特徴とする土木建築部材。
  2. 前記部材は、車道又は歩道に埋め込まれる敷石として使用されることを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
  3. 前記部材は、ガードレール又は交通標識に使用されることを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
  4. 前記部材は、建造物の壁面部材又は窓ガラスとして使用されることを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
  5. 前記部材は、航空機、船舶、電車、バス、トラック、及び乗用車の交通機関の外装材として使用されることを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
  6. 前記部材は、金属、プラスチック、紙、又は布の何れかを主成分とするシート状部材であることを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
  7. 前記部材に形成される2次元コード又は識別符号は、環境ファンドに協賛しアクセスに応じて資金を拠出する協賛企業のWebサイトへのURLリンク情報を有することを特徴とする請求項1に記載の土木建築部材。
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