JP3117188B2 - Mri装置 - Google Patents

Mri装置

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JP3117188B2
JP3117188B2 JP08136240A JP13624096A JP3117188B2 JP 3117188 B2 JP3117188 B2 JP 3117188B2 JP 08136240 A JP08136240 A JP 08136240A JP 13624096 A JP13624096 A JP 13624096A JP 3117188 B2 JP3117188 B2 JP 3117188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴物質
や、電子スピン共鳴物質の共鳴現象を利用して被測定物
を測定するMRI装置、およびこのMRI装置に用いて
好適なMRI用造影剤に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、測定対象である被測定物
に磁場を与え、被測定物内の特定の共鳴物質に磁気共鳴
を起こし、共鳴物質の共鳴状態を観察して、共鳴物質の
共振状態から特定の共鳴物質の画像データを得るもの
で、一回の計測(共鳴物質に磁気共鳴を起させ、共鳴物
質の共鳴状態を観察)で、1つの画像データ(例えば、
線状データなど)を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
MRI装置では、一回の計測で1つの画像データを得る
ため、被測定物の3次元画像データ(例えば、3次元形
状データ)を得ようとすると、大変多くの計測回数が必
要となり、結果的に従来のMRI装置で被測定物の3次
元画像データを得るのに、長い時間がかかってしまう。
【0004】
【発明の目的】本発明の第1目的は、従来に比較して短
時間で被測定物の3次元画像データを得ることのできる
MRI装置の提供にあり、本発明の第2目的は、被測定
物の3次元画像データを短時間で正確に得る際に使用す
るMRI用造影剤の提供にある。
【0005】[請求項1の手段] MRI装置は、被測定物としての生体に磁場を与える励磁
手段と、この励磁手段によって磁場の与えられた前記被
測定物内の共鳴周波数の異なる複数の共鳴物質に、それ
ぞれが磁気共鳴を起こす励起周波数を与える送信手段と
前記複数の共鳴物質の共鳴状態を受信する受信手段とこ
の受信手段が受信したそれぞれの共鳴物質の共振状態か
ら、それぞれ特定の共鳴物質毎における画像データを得
る演算回路とを具備するMRI装置において、前記複数
の共鳴物質の少なくとも2つは、前記被測定物に付与さ
れるMRI用造影剤に配合される共鳴物質であることを備
える。
【0006】[第二の態様] 被測定物に磁場を与える励磁手段と、この励磁手段によ
って磁場の与えられた前記被測定物内の共鳴周波数の異
なる複数の共鳴物質に、それぞれが磁気共鳴を起こす励
起周波数を与える送信手段と、前記複数の共鳴物質の共
鳴状態を受信する受信手段と、この受信手段が受信した
それぞれの共鳴物質の共振状態から、それぞれ特定の共
鳴物質毎における画像データを得る演算回路と、この演
算回路で得られた画像データを視覚表示するモニター手
段とを具備する。
【0007】[第三の態様前記第一 または第二の態様のMRI装置において、前記
被測定物は、前記送信手段によって複数の共鳴周波数を
発生する前記複数の共鳴物質が配合されたMRI用造影
剤であり、前記演算回路は、前記MRI用造影剤の形状
を読み取ることを特徴とする。
【0008】[第四の態様前記第三の態様 のMRI装置において、前記MRI用造
影剤は、歯牙や、義歯、口腔内に露出する顎骨、インプ
ラント構造体など、核磁気共鳴や電子スピン共鳴を起こ
しにくい、あるいは起こさない口腔内測定物を覆うもの
であり、前記演算回路は、前記MRI用造影剤の形状か
ら、前記口腔内測定物と接する前記MRI用造影剤の形
状を読み取ることを特徴とする。
【0009】[第五の態様] MRI用造影剤は、所定の磁場環境下において共鳴周波
数の異なる複数の共鳴物質が配合されてなる。
【0010】[第六の態様] MRI用造影剤は、所定の磁場環境下において共鳴周波
数の異なる複数の共鳴物質が配合され、流動性を有した
半固形状よりなる。
【0011】[第七の態様] MRI用造影剤は、所定の磁場環境下において共鳴周波
数の異なる複数の共鳴物質が配合され、流動性を有した
液状よりなる。
【0012】[第八の態様] MRI用造影剤は、所定の磁場環境下において共鳴周波
数の異なる複数の共鳴物質が配合された気体状よりな
る。
【0013】[第九の態様前記第五 ないし第八の態様のいずれかのMRI用造影剤
は、歯牙や、義歯、口腔内に露出する顎骨、インプラン
ト構造体など、核磁気共鳴や電子スピン共鳴を起こしに
くい、あるいは起こさない口腔内測定物を覆うもので、
所定の磁場環境下において共鳴周波数の異なる複数の共
鳴物質が配合されたことを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】励磁手段によって磁場の与え
られた被測定物(例えば、MRI用造影剤)に、送信手
段が励起周波数を与え、被測定物の有する複数の共鳴物
質に、それぞれ異なる磁気共鳴を起こさせる。複数の共
鳴物質の共鳴状態を受信手段で受信し、演算回路がそれ
ぞれの共鳴物質の共鳴状態から、それぞれの共鳴物質毎
における画像データを算出する。
【0015】このように、1回の計測(共鳴物質を共鳴
させ、その共鳴状態からデータを得る計測)で、複数の
共鳴物質毎のそれぞれの共鳴状態を観察できるため、複
数の画像データを得ることができる。つまり、従来であ
れば、1回の計測で1つの画像データしか得られなかっ
たものが、この発明によって、1回の計測で複数の画像
データを得ることができる。
【0016】この発明によれば、1回の計測で複数の画
像データを得ることができるので、被測定物の3次元画
像データ(例えば、3次元形状データ)を得ようとする
と、従来に比較して少ない回数で3次元画像データを得
ることができ、結果的に従来に比較して短い時間で被測
定物の3次元画像データを得ることができる。
【0017】また、被測定物として、予め複数の共鳴物
質が配合されたMRI用造影剤を用いることにより、被
測定物の3次元画像データを短時間で正確に得ることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかるMRI装置および
MRI用造影剤を、1つの実施例と、複数の変形例とを
用いて説明する。 〔実施例の構成〕この実施例は、MRI装置およびMR
I用造影剤を用いて歯牙形状を計測し、さらに歯牙修復
物を作成する修復物作成装置を示すもので、図1はMR
I装置の要部説明図、図2はMRI装置の概略ブロック
図、図3はMRI装置の計測する被測定物の共鳴周波数
を示すグラフ、図4は歯牙修復物を作成する修復物作成
装置の概略ブロック図である。
【0019】修復物作成装置1は、図4に示すもので、
MRI装置2と、このMRI装置2で測定した歯牙形状
の情報を基に、歯牙修復物3(図7参照)の形状を決定
する電気回路4と、この電気回路4を操作する外部操作
装置5と、修復物作成装置1の操作状態、歯牙形状デー
タ、歯牙修復物データ等を視覚表示するモニター装置6
と、電気回路4に制御されて、歯牙修復物3を形成する
3次元切削機7とからなる。
【0020】MRI装置2は、口腔内に入れられたMR
I用造影剤8(被測定物に相当、図5および図6参照)
の3次元形状を計測するもので、この実施例のMRI用
造影剤8は、所定磁場が与えられた状態において、図3
に示すように、共鳴周波数f1 で磁気共鳴する水素原子
(以下、H)と、共鳴周波数f2 で磁気共鳴するフッ素
(以下、F)とが配合されている。なお、この実施例の
MRI用造影剤8は、所定磁場として例えば1Tの磁場
が与えられた状態において、Hが42.577MHz、
Fが40.055MHzと離れた周波数で共鳴する。な
お、MRI用造影剤8の詳細は後述する。
【0021】MRI装置2は、図1および図2に示すも
ので、MRI用造影剤8に磁場を与える励磁手段11
と、この励磁手段11によって磁場の与えられたMRI
用造影剤8内のHとF(共鳴周波数の異なる2つの共鳴
物質)のそれぞれが磁気共鳴を起こす励起周波数を与え
る送信手段12と、MRI用造影剤8内のHとFのそれ
ぞれの共鳴周波数(f1 とf2 )をそれぞれ受信する受
信手段13と、この受信手段13がそれぞれ受信したH
とFの共振による共鳴周波数f1 とf2 から、Hの存在
する部分の線状データ、Fの存在する部分の線状データ
とを独立して算出し、多数の計測で得られた多数のHに
よる線状データ、Fによる線状データからMRI用造影
剤8の3次元形状を算出する演算回路14とを備える。
【0022】具体的には、本実施例のMRI装置2は、
励磁手段11として、MRI用造影剤8に磁場を与える
磁石コイル11aと傾斜コイル11bとを備える。送信
手段12は、磁石コイル11aおよび傾斜コイル11b
によって磁場の与えられたMRI用造影剤8内のHとF
のそれぞれが磁気共鳴を起こす励起周波数(例えばf1
’とf2 ’)を、独立して与えるように独立して2つ
設けられている。
【0023】受信手段13も、MRI用造影剤8内のH
とFのそれぞれの共鳴周波数(f1とf2 )をそれぞれ
独立して受信するように独立して2つ設けられている。
演算回路14は、2つの受信手段13のそれぞれが受信
したHとFの共鳴周波数f1 とf2 から、Hの存在する
部分の線状データと、Fの存在する部分の線状データと
を、それぞれ独立して算出する2つの線状データ算出手
段14aを備える。
【0024】この演算回路14は、MRI装置2自身を
制御する制御回路15内に組み込まれたもので、この制
御回路15は、磁石コイル11a、傾斜コイル11b、
2つの送信手段12等の作動を制御する。MRI装置2
は、MRI用造影剤8の3次元形状を得るために、多数
回の計測を行う。具体的には、1回毎の計測時、2つの
送信手段12でHとFとをそれぞれ共振させ、2つの受
信手段13で受信したHとFの共鳴周波数f1 とf2 と
に基づき、2つの線状データ算出手段14aが、Hの存
在する部分の線状データと、Fの存在する部分の線状デ
ータとを独立して算出する。
【0025】そして、MRI装置2は、上記の計測を多
数回行って、演算回路14は、Hの存在する部分の多数
の線状データと、Fの存在する部分の多数の線状データ
とを合成して、MRI用造影剤8の3次元形状を算出す
るものである。なお、MRI装置2は、演算回路14の
算出したMRI用造影剤8の3次元形状のデータを、修
復物作成装置1の電気回路4に出力可能に設けられてい
る。
【0026】MRI装置2が3次元形状を測定するMR
I用造影剤8は、この実施例では測定対象である被測定
歯牙A1 (この被測定歯牙A1 は、水素原子の含有量の
少ない口腔内測定物の一例に相当する)の形状を読み取
るために用いられるものである。
【0027】MRI用造影剤8は、図5ないし図7に示
すように、被測定歯牙A1 の周囲に装着される測定用カ
バー20内に充填される。この測定用カバー20は、被
測定歯牙A1 の形状を測定するためにMRI用造影剤8
を被測定歯牙A1 の両側で保持するように設けられる
他、この被測定歯牙A1 に固着される歯牙修復物3と咬
合する対合歯A2 との咬合位(中心咬合位、偏心咬合
位)を測定するために、各歯牙の噛み合わせに影響を与
えないように設けられている。
【0028】なお、MRI装置2で被測定歯牙A1 の形
状およびその咬合位を測定する際は、まず、被測定歯牙
A1 に測定用カバー20を装着する。ついで、被測定歯
牙A1 を完全に覆うように、測定用カバー20内に、M
RI用造影剤8を充填するものである。
【0029】MRI用造影剤8は、磁気共鳴可能なHを
多量に含む、寒天、アルジネート、シリコンラバーな
ど、少なくとも口腔内に入れられて被測定歯牙A1 を覆
う際は流動性を有した半固形状の基剤に、磁気共鳴可能
なFを多量に添加したもので、例えば、HはH2 Oの状
態で配合され、Fはフッ素イオン(F- )や、NaF等
の状態で配合されている。
【0030】なお、MRI用造影剤8は、特に連続した
咬合位を測定する際には、口腔内で測定中に固まらない
ものが望ましい。これは、種々の咬合位を測定する際
に、被測定者によって歯の噛み合わせを変化させた場合
に、MRI用造影剤8が固まっていると、MRI用造影
剤8がくずれるためで、被測定歯牙A1 の外形のみを測
定するのであれば、MRI用造影剤8が口腔内で固まっ
ても良いが、種々の測定を連続して行う場合は、固まら
ない方が望ましい。
【0031】また、咬合位を変化させるなど、連続して
測定する際は、MRI用造影剤8が被測定歯牙A1 の周
囲において隙間ができないように、シリンジ等を用い
て、常に測定用カバー20内にMRI用造影剤8を充填
するように設けても良い。逆に、測定中に患者の顎の動
きなどによる測定誤差を防ぐ場合には、口腔内に入れら
れて被測定歯牙A1 を覆う際は流動性を有し、その後、
口腔内で固まる方が望ましい。
【0032】そして、被測定歯牙A1 がMRI用造影剤
8で覆われれば、MRI装置2で被測定歯牙A1 を覆う
MRI用造影剤8を測定する。なお、この実施例では、
被測定歯牙A1 を覆うMRI用造影剤8をMRI装置2
で測定する例を示すが、口腔内で硬化したMRI用造影
剤8を口腔外に取り出し、取り出したMRI用造影剤8
をMRI装置2で測定しても良い。さらに、取り出した
MRI用造影剤8に、成分の異なる別のMRI用造影剤
を注入したり、表面に供給したりして、別のMRI用造
影剤をMRI装置2で測定して、計測精度を高めたり、
計測速度を速めても良い。
【0033】修復物作成装置1の電気回路4は、MRI
装置2で測定されたMRI用造影剤8の3次元形状か
ら、被測定歯牙A1 と接する形状、つまり被測定歯牙A
1 の表面形状を読み取る歯牙形状読取機能21(形状読
取手段に相当)を備える。また、電気回路4は、読み取
った被測定歯牙A1 の形状をモニター装置6に出力する
歯牙形状表示機能22(形状表示手段)を備える。
【0034】そして、使用者は、モニター装置6に表示
された歯牙形状を観察して外部操作装置5を操作し、被
測定歯牙A1 に接合される内面形状の指定を行う(内面
形状決定機能23、接合形状決定手段)。つぎに、使用
者は、被測定歯牙A1 に対する対合歯A2 との関係によ
る各種咬合位と、隣在歯A3 に対する接触部や空間形状
等を考慮して、歯牙修復物3の表面の形状を、外部操作
装置5の操作によってシュミレートする(外面形状決定
機能24、外形形状決定手段)。これによって、内面形
状決定機能23で決定された内面形状と、外面形状決定
機能24で決定された外面形状とから、歯牙修復物3の
形状が決定される(修復物形状決定機能25、修復物形
状決定手段)。
【0035】また、電気回路4は、修復物形状決定機能
25で決定された歯牙修復物3の形状を作成するため
に、3次元切削機7を制御する切削機制御機能26(切
削機制御手段)を有し、この切削機制御機能26および
3次元切削機7によって、金属やセラミック等の硬質材
料から歯牙修復物3を形成する。
【0036】〔実施例の効果〕この実施例で示すMRI
装置2は、1回の計測(共鳴物質を共鳴させ、その共鳴
状態からデータを得る計測)で、MRI用造影剤8に含
まれる2つの共鳴物質であるHとFのそれぞれの共鳴状
態を観察できるため、1回の計測で2つの線状データ
(画像データの一例)を得ることができる。
【0037】このように、この実施例のMRI装置2で
は、1回の計測で2つの線状データを得ることができる
ので、MRI用造影剤8の3次元形状データを得る場
合、従来に比較して半分の回数で3次元形状データを得
ることができる。つまり、調節されたHとFを含むMR
I用造影剤8と、本実施例のMRI装置2を用いること
によって、従来に比較して、短時間でMRI用造影剤8
の3次元形状のデータを得ることができる。
【0038】また、被測定歯牙A1 は、MRI装置2に
よって共鳴する共鳴物質の保有量が少ないために、MR
I装置2で測定することは困難であるが、被測定歯牙A
1 をMRI用造影剤8で覆って、MRI装置2で被測定
歯牙A1 を測定することにより、被測定歯牙A1 を覆う
MRI用造影剤8の形状が、短時間でかつ正確に測定で
きる。そして、被測定歯牙A1 に接するMRI用造影剤
8の形状から、被測定歯牙A1 の表面形状およびその被
測定歯牙A1 と噛み合わされる対合歯A2 との各種咬合
位を正確に測定することができる。また、被測定歯牙A
1 と隣在歯A3との位置関係も明確に測定できる。
【0039】そして、被測定歯牙A1 の切削形状、各種
咬合位の情報、および隣在歯A3 までの空間情報から歯
牙修復物3の形状を決定し、CAM技術を用いて歯牙修
復物3を作成することができる。このように、この実施
例で示す修復物作成装置1は、患者の被測定歯牙A1 か
ら印象型を取り出すことなく、正確に歯牙形状を測定す
ることができ、その正確に測定された歯牙形状を基に歯
牙修復物3を作成するため、患者の被測定歯牙A1 から
印象型を取り出して作成した歯牙修復物3に比較して精
度が高く、かつ迅速に作成することができる。
【0040】〔変形例〕上記の実施例のMRI装置2
は、1回の計測で2つの共鳴物質(HとF)の画像デー
タを得るように設けた例を示したが、1回の計測で3つ
以上の共鳴物質の画像データを得るように設けても良
い。また、1回の計測で3つ以上の共鳴物質の画像デー
タを得るMRI装置2に対応するように、MRI用造影
剤8も所定の磁場環境下において共鳴周波数の異なる3
つ以上の共鳴物質を配合しても良い。
【0041】上記の実施例では、複数の共鳴物質のそれ
ぞれに励起周波数を与えるべく送信手段12をそれぞれ
共鳴物質毎に独立して設けた例を示したが、共通化して
1つの送信手段12で、複数の共鳴物質を共鳴させても
良い。上記の実施例では、複数の共鳴物質の共鳴状態を
受信するべく、受信手段13を複数の共鳴周波数毎に独
立して設けた例を示したが、共通化して1つの受信手段
13で、複数の異なる共鳴周波数を受信するように設
け、演算回路14等で各共鳴周波数を分割してそれぞれ
の共鳴状態を読み取っても良い。
【0042】上記の実施例のMRI装置2およびMRI
用造影剤8では、複数の共鳴物質の一例としてHとFを
用いたが、所定の磁場環境下において共鳴周波数の異な
る共鳴物質であれば、他の物質を用いても良い。言い換
えると、上記の実施例では、複数の共鳴物質の一例とし
て複数の核磁気共鳴物質を組み合わせた例を示したが、
核磁気共鳴物質と電子スピン共鳴物質を組み合わせた
り、複数の電子スピン共鳴物質を組み合わせても良い。
【0043】さらに言い換えると、上記の実施例では、
核磁気共鳴物質中のHとFを用いた例を示したが、他
に、Na、N、Cl、K、B、Mn、Co、I、Ga、
Mg、Sc、Al、C、Si、P、Fe、Se、Y、R
h、Ag、Cd、Sn、Te、W、Os、Pt、Hg、
Tl、Pb、Po、Tm、Yb、Puなど、他の核磁気
共鳴可能な元素を用いても良い。また、共鳴周波数が異
なり、それぞれの共鳴状態を識別して演算回路14等で
読込可能であれば同位元素を用いても良い。
【0044】さらに、各元素を組み合わせた複数の共鳴
物質を例に示した。つまり、原子核内で共鳴するプロト
ンの違い(言い換えると、原子核内のプロトン数の違
い)により違った周波数で共鳴する元素を組み合わせた
複数の共鳴物質を例に示したが、化学シフトによって共
鳴周波数を異ならせても良い。
【0045】化学シフトにより共鳴周波数を異ならせる
手段の一例としては、電子などによる平衡状態−励起状
態間の遷移エネルギーによる遮蔽定数σに影響を与える
因子(σ自身)、誘起効果、反磁性遮蔽効果(原子のま
わりの電子密度、C−H結合の分極の度合)、混成、ヴ
ァンデルワールス効果、反磁性異方性(単結合、2重結
合、3重結合、芳香環、シクロプロパン)、溶媒効果、
濃度と温度、水素結合、有機金属化合物、コンタクトシ
フト、ランタノイドシフト、荷電体などがある。
【0046】また、化学シフトにより共鳴周波数を異な
らせる手段に代わって、スピン−スピン結合により共鳴
周波数を異ならせても良い。スピン−スピン結合により
共鳴周波数を異ならせる手段の一例としては、2スピン
系の核、3スピン系の核、4スピン系の核、5スピン系
の核、ロングレンジ・スピン−スピン結合、不飽和化合
物によるホモアルカリカップリング、その他の不飽和系
カップリング、空間を通したカップリング、飽和系での
カップリング、双電子−双電子総合作用などがある。
【0047】さらに、化学シフトや、スピン−スピン結
合により共鳴周波数を異ならせる手段に代わって、シフ
トした共鳴を分離(可能と)する因子であるスピン−ス
ピン結合に影響を与える因子により共鳴周波数を異なら
せても良い。その一例としては、2面角依存性、置換基
の電気陰性度、H−C−C−H結合角、C−C結合距
離、π結合次数などがある。
【0048】上記の実施例では、MRI装置2やMRI
用造影剤8を用いて歯牙形状を測定する例を示したが、
口腔内を切開した際など、口腔内に露出した顎骨など骨
の形状を測定したり、あるいはインプラントを用いた治
療に際して、各インプラントの位置関係や形状、インプ
ラントと他の歯牙との関係、インプラントと顎骨との関
係を測定しても良い。
【0049】上記の実施例では、MRI用造影剤8の一
例として、流動性を有した半固形状よりなるMRI用造
影剤を例を示したが、所定の磁場環境下において共鳴周
波数の異なる複数の共鳴物質が配合された流動性を有し
た液状のMRI用造影剤を用いたり、所定の磁場環境下
において共鳴周波数の異なる複数の共鳴物質が配合され
た気体状のMRI用造影剤を用いても良い。また、気体
による共鳴物質、液体による共鳴物質、半固体による共
鳴物質のうち、少なくとも2種以上を混在させる等によ
って組み合わせたMRI用造影剤を作成しても良い。
【0050】MRI用造影剤8として、気体、半固形
物、液体等を上記に示したが、MRI用造影剤8として
固体を用いても良い。つまり、例えば、根管の歯髄を切
削するリーマ、ファイル、歯牙や骨を切削する回転切削
子、切開用のメス、歯周ポケットそうは用のキュレット
やスケーラー等の器具類に固体のMRI用造影剤8を適
用し、これら器具類(固体のMRI用造影剤8)をMR
I装置2で測定するように設けても良い。
【0051】上記の実施例では、MRI装置2やMRI
用造影剤8を用いて口腔内を測定する例を示したが、
胃、腸、血管等の人体のパーツや、血流等にMRI用造
影剤8を供給して、人体各部を測定するように設けても
良い。
【0052】MRI用造影剤8に共鳴周波数の異なる多
数の共鳴物質を配合し、これら多数の共鳴物質のうち、
複数の共鳴物質を同時に励起して計測し、次に他の複数
の共鳴物質を同時に励起して計測するなど、多数の共鳴
物質中の複数の共鳴物質を順次計測するようにMRI装
置2を設けても良い。
【0053】上記の実施例では共鳴周波数の異なる共鳴
物質が均一的に配合されたMRI用造影剤8を例に示し
たが、共鳴周波数を段階的あるいは連続的に変化させた
MRI用造影剤8を設けたり、共鳴周波数の異なる共鳴
物質の配合割合を段階的あるいは連続的に変化させたM
RI用造影剤8を設け、勾配磁場をかけずにMRI用造
影剤8の3次元形状をMRI装置2で計測するように設
けても良い。
【0054】生体など、共鳴物質を予め豊富に備える被
測定物をMRI装置2で測定する際、生体の有さない共
鳴物質を含むMRI用造影剤(このMRI用造影剤の含
む共鳴物質は1種類でも複数種類でも良い)を付与し、
生体が予め有する共鳴物質と、MRI用造影剤で付与し
た共鳴物質とで、被測定物をMRI装置2で測定しても
良い。具体的な一例を示すと、生体を計測する際、生体
の有する共鳴可能なHと、MRI用造影剤に含まれるF
とによる複数の共鳴物質をMRI装置2で測定しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】MRI装置の要部説明図である。
【図2】MRI装置の概略ブロック図である。
【図3】複数の共鳴周波数を示すグラフである。
【図4】歯牙修復物を作成する修復物作成装置の概略ブ
ロック図である。
【図5】測定用カバーに保持されるMRI用造影剤を示
す正面図である。
【図6】測定用カバーに保持されるMRI用造影剤を示
す上面図である。
【図7】被測定歯牙の側面図である。
【符号の説明】
1 修復物作成装置 2 MRI装置 8 MRI用造影剤(被測定物) 11 励磁手段 11a 磁石コイル 11b 傾斜コイル 12 送信手段 13 受信手段 14 演算回路 A1 被測定歯牙(口腔内測定物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物としての生体に磁場を与える励磁
    手段と、 この励磁手段によって磁場の与えられた前記被測定物内
    の共鳴周波数の異なる複数の共鳴物質に、それぞれが磁
    気共鳴を起こす励起周波数を与える送信手段と前記複数
    の共鳴物質の共鳴状態を受信する受信手段とこの受信手
    段が受信したそれぞれの共鳴物質の共振状態から、 それぞれ特定の共鳴物質毎における画像データを得る演
    算回路とを具備するMRI装置において、 前記複数の共鳴物質の少なくとも2つは、 前記被測定物に付与されるMRI用造影剤に配合される共
    鳴物質である ことを特徴とするMRI装置。
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