JP3116690U - 衣服用ハンガー - Google Patents

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Abstract

【課題】衣服の滑りを防止できると共に感触を良好とし、かつ、意匠的効果を向上して品格をグレードアップできる衣服用ハンガーを提供する。
【解決手段】ハンガー本体1と、このハンガー本体1の中央上端部に設けたフック2とを備えた衣服用ハンガーにおいて、ハンガー本体1の少なくとも表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層11を形成する。ハンガー本体の表面は前記塗膜層の形成により摩擦抵抗が大きくなり、衣服が滑り難くなる。また、手ざわり感が良好になると共に外観上においても高級感を呈する。
【選択図】図1

Description

本考案は衣服用ハンガー関するものである。
従来、衣服用ハンガーはプラスチック,木材或いは金属材で造られ、各種の形状のものが開発されている。例えば、プラスチック製のハンガーは、プラスチックの平滑面がそのまま露呈しているので滑り易くなっている。また、木材製及び金属製についてもハンガーの表面が平滑面になっているので、滑り易い。そのため、ハンガーに掛けて置いた衣服が不用意に滑り落ちるおそれがあると共に、衣服が傾いた状態のまま掛けられて、形くずれを生じる問題を有している。
従来のハンガーは上記したように滑り易い。そのため、例えば、デパートの衣服売場、或いは衣服販売店等においては、閉店後、店員が見廻って点検し、傾いて掛っている衣服やすべり落ちている衣服を修正している。しかし、この作業は毎日行なうので時間と手間が掛る。
そこで、ハンガーの滑りを防止するため、例えばプラスチック製のハンガー本体の表面にエンボス加工を施したものが知られている。しかし、ハンガー本体の表面にエンボス加工を施しても、衣服の滑りを充分に防ぐことはできなかった。また、ハンガー本体の両端間に水平に横架されたズボン等の吊掛用のバーについても滑り易いため、バランスよく掛けないとズボン等が滑り落ちる恐れがあった。
さらにまた、上記従来のハンガーは、素材の地肌が露呈しているので、外観上(美感的覚上)においても改良を加えるべき問題を有していると共に感触的にも問題を有している。
上記問題を解消するため、ハンガー本体の表面に短繊維で植毛を施したハンガーが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの植毛ハンガーによれば、上述した問題点は解消することができる。しかるに、植毛以外の手段により上述した問題を解決し得る技術は未だ提案されていない。
実開昭62−177377号公報 実開平2−111371号公報 登録実用新案第3022182号公報
本考案は上記のような実情に鑑みてなされたもので、植毛とは全く別の手段により、衣服の滑りを防止できると共に感触を良好とし、かつ、意匠的効果を向上させ、もって、製品の品格をグレードアップさせ得る衣服用ハンガーを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本考案者は長年に亘り研究、実験を行なった結果、ウレタン塗料で塗膜層を形成することにより、摩擦抵抗(係数)が大きくなることを見出し、その目的を達成したので、ここにその考案を提供する。
即ち、本考案のうち1つの考案(第1の考案)は、ハンガー本体と、このハンガー本体の中央上端部に設けたフックとを備えた衣服用ハンガーにおいて、前記ハンガー本体の少なくとも表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層が形成されていることを特徴とする。
第1の考案において、ハンガー本体は、その構成素材は特に限定するものではないが、例えばプラスチック材,木材、或いは金属材で構成したものを採用することができる。
上記のようにハンガー本体の表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層を形成すると、塗膜層によりハンガー本体の表面の摩擦抵抗が大きくなり、衣服が滑り難くなる。また、手ざわり感が良好になると共に外観上においても高級感を呈する。
第1の考案において、前記塗料の色は特に限定するものではなく、所望に応じて任意の色を選択して採用することができる。また、前記塗料は一液型及び二液型ポリエステルウレタン系塗料を採用することができる。なお、二液型ポリエステルウレタン系塗料を採用することが特に好ましい。この点においては後述する各考案においても同様である。
本考案のうち他の1つの考案(第2の考案)は第1の考案の衣服用ハンガーにおいて、前記ハンガー本体の両端部間に横架されたバーをさらに備え、前記バーの表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層が形成されていることを特徴とする。
上記のように構成すると、バーの表面が塗膜層により摩擦抵抗が大きくなるので、第1の考案の効果に加え、例えば、バーに掛けたズボンが滑り落ちるのを防止できる。また、例えばバーにズボンの裾部分だけを掛けても滑り落ちるのを防止できるので、ズボンを掛けておくことにより、ズボンに付いている皺を修正する効果も発揮する。
本考案のうち他の1つの考案(第3の考案)は第1又は第2の考案の衣服用ハンガーにおいて、フックは金属棒で構成され、ハンガー本体の中央上端から突出する鉛直部と、この鉛直部の上端から略U字状に弯曲させて延設した弯曲部と、前記鉛直部の上部側に位置させて、前記弯曲部の先端から斜め下方に向けて傾斜させて延設した傾斜部とを有し、前記傾斜部の先端にプラスチック又はゴム製の被覆管が嵌合装着されていることを特徴とする。
第3の考案によれば、前記効果に加え、壁の上部側に横設されている鴨居等の横木等にフックを掛けてもフックが滑って横木等から外れることなく、ハンガーを安定して整然とかつ確実に定着させることができる。この場合、従来のハンガーと同様に、洋服ダンス,衣服ラック,ワードローブ,クローゼット等に横架されている掛けパイプにフックを吊り掛けて使用可能なことは勿論である。
本考案によれば次の用な効果を奏する。(1)ハンガー本体の表面は塗膜層によって摩擦抵抗(係数)が大きくなり、衣服を滑り難くできるので、ハンガー本体に掛けた衣服の形くずれを防止できる。(2)ハンガー本体の感触が良好になると共に外観上における意匠的効果を向上させて高級感を呈し、ハンガーの品格をグレードアップする。(3)塗膜層の作用によりハンガーに静電気が滞留するのを防止することもできる。
以下、図面を参照して本考案の衣服用ハンガーの実施の形態の一例を説明する。
図1は本考案の衣服用ハンガーの一実施の形態を示すもので、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のA−A線拡大断面図、図2は図1のB−B線拡大断面図(a)及び被覆管の部分を示す縦断面図(b)、図3は図1のC−C線拡大断面図、図4ないし図6は使用状態を示す説明図である。
上記図1ないし図6において、この実施の形態の衣服用ハンガーは、ハンガー本体1と、このハンガー本体の中央上端部に設けたフック2と、ハンガー本体1の両端間に横架されるバー3とを備えている。
前記ハンガー本体1は、ABS樹脂,PS樹脂,ノリル,PC樹脂,塩ビ(ポリ塩化ビニル),PP樹脂,PMMA樹脂,FRP樹脂その他のプラスチック材、木材、或いはアルミ合金,銅板,ステンレス等の金属材等で構成したものを採用することができる。この実施の形態のハンガー本体1はプラスチック材で中空殻状(断面略逆U字状)に形成したものを採用している。但し、ハンガー本体1の形状等は任意に変更可能である。
ハンガー本体1は、少なくとも表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層11が形成されている。実施の形態ではハンガー本体1の表面及び内側面の全面に前記塗膜層11が形成されている。
前記コーティング材は市販の一液型又は二液型ポリエステルウレタン系コーティング材(塗料)を任意に選択して採用することができる。実施の形態では二液型ポリエステルウレタン系コーティング材を採用している。この二液型ポリエステルウレタン系コーティング材(二液型ポリエステルウレタン系塗料)には、1コート系と2コート系とがあり、所望に応じて任意に選択して採用する。また、前記塗料のカラー(色)も任意に選択する。なお、前記塗料は希釈材(シンナー等)で適当に希釈して使用される。
前記塗膜層11の形成手段は特に限定するものではないが、例えば静電塗装,吹き付け塗装,ハケ塗り、或いは浸漬(ドブ漬)等により行なえる。具体的には、前記例示した方法により前記塗料をハンガー本体1に塗付した後、適当な温度(例えば約70℃〜約150℃)で適当な時間(例えば約10分〜約30分)乾燥する。これにより、ハンガー本体1の所定部(この実施の形態では本体1の表面及び内側側の全面)に塗膜層11が形成される。塗膜層11の膜厚は約10μm〜約25μm程度になる。前記膜厚は前記塗料の上述した希釈度合等により多少の差異が生じる。なお、前記塗膜形成は一度塗り或いは数回重ね塗りにより行なえる。
前記ポリエステルウレタン系コーティング材で塗膜層11を形成することにより、ハンガー本体1の表面(内側面も同様)は摩擦抵抗(係数)が大きくなり、ハンガーに掛けた衣服の滑りを防止する。また、ハンガー本体の手ざわり感が良好になると共に外観上においても高級感を呈する。この場合、手ざわり感や外観等は使用する前記塗料のカラーによって特性に相違があり、例えば、黒色系の塗料を採用したときは、ベルベットのような感触及び外観を呈する。また、例えば、青色系の塗料を採用したときは、シルクのような高級感のある色調を呈する。さらにまた、塗膜層11を形成することによって、ハンガー本体1に静電気が滞留するのを防止する。これらの点については後述するバー3においても同様である。
前記バー3はハンガー本体1の両端部間に横架して設けてある。バー3はハンガー本体1と同様のプラスチック材,木材、或いは金属材等で構成したものを採用することができる。この実施の形態ではプラスチック材で構成したものを採用している。
この実施の形態のバー3は、両面(図1において前後面)に長手方向に沿わせて凹溝31,32が形成されている。但し、バー3の構成等は任意に変更可能なものである。
前記バー3には、表面の全体にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層33が形成されている。バー3に使用する前記塗料及び塗膜形成手段等についてはハンガー本体1と同様である。
前記ポリエステルウレタン系コーティング材で塗膜層33を形成することにより、バー3の表面は摩擦抵抗が大きくなるので、例えばバー3に掛けたズボン4(図6参照)が滑り落ちるのを防止する。また、図6に示すように、例えばバー3にズボン4の裾4aの部分だけを掛けてもズボン4を保持して滑り落ちるのを防止できるので、ズボンの皺を修正する効果も奏する。
前記フック2は、ハンガー本体1の中央上端部に設けてある。この実施の形態のフック2は金属棒で構成され、ハンガー本体1の中央上端から突出する鉛直部21と、この鉛直部21の上端から略U字状に湾曲させて延設した湾曲部22と、鉛直部21の上端側に位置させて、湾曲部22の先端から斜め下方に向けて適当な角度で傾斜させて延設した傾斜部23とを有してなっている。前記フック2は鉛直部21の下半部をハンガー1の所定部に鉛直に形成したパイプ12に回動可能、かつ、脱拔を規制して嵌挿して設けてある。
また、フック2の傾斜部23の先端には、ポリ塩化ビニルその他のプラスチック材やゴム材で形成され、管51の先端部52を閉塞した適当な内径及び長さの被覆管5が嵌合装着されている。
フック2を実施の形態のように構成すると、図4に示すように、洋服ダンス,ワードローブ,クローゼット或いは衣服ラック等に水平に横架されている掛けパイプ6にフック2を掛けて使用できる。また、壁7等の上方部側に横設されている鴨居等の横木8等にフック2を掛けてもフック2が滑って横木8等から滑って外れることなく、ハンガーを安定して整然かつ確実に定着させることができる。
なお、実施の形態ではハンガー本体1及びバー3をプラスチック材で構成したれを開示したが、両者1,3を木材或いは金属材等で構成してもよい。
木材或いは金属材を採用するときは、必要に応じてポリエステルウレタン系塗料で塗装を行なう前にハンガー本体及びバーの被塗装面を下地処理する。この場合において、木材で構成したものにおいては、前記塗料を複数回重ね塗りする手法を採用するのが好ましい。これにより、初回の塗装が下地処理材(剤)になる。
上記のようにハンガー本体1及びバー3を木材或いは金属材で構成した場合においてもプラスチック材で構成したものと同様の作用効果を奏する。
また、上記した実施の形態は一例として開示したもので、本考案は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲内において任意に変更可能なものである。
本考案の衣服用ハンガーの一実施の形態を示すものであって、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のA−A線拡大断面図である。 図1のB−B線拡大断面図(a)及び被覆管の部分を示す縦断面図(b)である。 図1のC−C線拡大断面図である。 同上ハンガーの使用状態の一例を示す説明図である。 同上ハンガーの他の使用状態を示す説明図である。 同上ハンガーのさらに他の使用状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ハンガー本体
2 フック
3 バー
11 塗膜層

Claims (7)

  1. ハンガー本体と、このハンガー本体の中央上端部に設けたフックとを備えた衣服用ハンガーにおいて、
    前記ハンガー本体の少なくとも表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層が形成されていることを特徴とする、
    衣服用ハンガー。
  2. 請求項1に記載の衣服用ハンガーにおいて、前記ハンガー本体の両端部間に横架されたバーをさらに備え、前記バーの表面にポリエステルウレタン系塗料よりなるコーティング材で塗膜層が形成されていることを特徴とする、衣服用ハンガー。
  3. ハンガー本体はプラスチック材で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の衣服用ハンガー。
  4. ハンガー本体は木材で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の衣服用ハンガー。
  5. ハンガー本体は金属材で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の衣服用ハンガー。
  6. ポリエステルウレタン系塗料が二液型ポリエステルウレタン系塗料であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の衣服用ハンガー。
  7. フックは金属棒で構成され、ハンガー本体の中央上端から突出する鉛直部と、この鉛直部の上端から略U字状に弯曲させて延設した弯曲部と、前記鉛直部の上部側に位置させて、前記弯曲部の先端から斜め下方に向けて傾斜させて延設した傾斜部とを有し、前記傾斜部の先端にプラスチック又はゴム製の被覆管が嵌合装着されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の衣服用ハンガー。
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