JP3113528U - インキ皿用インキ排出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキ皿に満たされた大量のインキを回収する際に、インキ皿を直接手で持って運ぶことなく、その大部分を簡易にかつ周囲を汚すことなくインキ皿内から排出することができるインキ皿用インキ排出装置を提供する。
【解決手段】インキ排出装置12は、インキ皿の側面に設けた開口の周縁に一体で取り付けられた環状の係止部材13と、一端の係合部にて係止部材13に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられる筒状のインキ排出筒部材18と、係合部に被せられる締付け部材28と、インキ排出筒部材18の他端に着脱可能に嵌めあわされる蓋部材33とを設けている。係止部材13に取り付けられたインキ排出筒部材18を回動させて筒部を上向きに傾斜させることにより、インキがインキ皿内に収容され、使用後のインキを回収するときは、インキ排出筒部材18を回動させて筒部を下向きに傾斜させる。
【選択図】図1

Description

本考案は、グラビア印刷機等の印刷機の下部に配置されて印刷用インキを収容する矩形状の平坦なインキ皿に用いるインキ排出装置に関する。
従来、インキ皿に満たされたインキを回収する際には、インキ皿を手で持って行われていた。しかし、小さいインキ皿でも、収容されるインキの重量が重いために全体として50kg程度と非常に重くなっており、インキ皿を手で持ってインキを容器に回収する作業は非常に重労働になっていた。また、インキ皿は非常に重いことに加えて、平坦な容器であるため持ち難く、インキをこぼすことも多く、そのために周囲を汚したりするという問題もあった。これに対して、特許文献1に示すように、耐溶剤性を有する熱可塑性合成樹脂製のフィルムにより底板の外縁に周壁を形成したインキ皿が知られている。このインキ皿は、印刷時には金網や金属製パイプを曲げた軽量な枠内に収めて使用され、インキ替えの際には枠から外して丸める等により捨てることができるというものである。しかし、このインキ皿の場合、合成樹脂製のフィルムで形成されたものを使い捨てにするものであり、インキ皿が高価になる。
特開平11−268244号公報
本考案は、このような問題を解決しようとするもので、インキ皿に満たされた大量のインキを回収する際に、インキ皿を直接手で持って運ぶことなく、大部分のインキを簡易にかつ周囲を汚すことなくインキ皿内から回収することができるインキ皿用インキ排出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本考案の構成上の特徴は、印刷機の下部に配置された印刷用インキを収容する矩形状の平坦な上面開放のインキ皿に用いられるインキ排出装置であって、インキ皿の側面に設けた開口の周縁に一体で取り付けられた環状の係止部材と、一端が軸方向に対して傾斜した開口部となっている筒部の開口部に沿って環状の係合部となっており、係合部にて係止部材に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられて、インキ皿の側面に対して傾斜状態にされるインキ排出筒部材とにより構成されたことにある。
上記のように構成した考案においては、インキ排出筒部材が係合部にて係止部材に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられて、インキ皿の側面に対して傾斜状態にされている。インキ皿内にインキを注入するときは、係止部材に取り付けられたインキ排出筒部材を回動させて筒部の他端の開口を上方に向けるようにさせることにより、インキがインキ排出筒部材から流出することなくインキ皿内に収容されて満たされる。また、使用した後のインキを回収するときは、インキ皿を印刷機から取り出すことなくセットしたままの状態で、係止部材に取り付けられたインキ排出筒部材を回動させて筒部の他端の開口を下方に向けるようにさせることにより、大部分のインキがインキ排出装置を通してスムーズに外部に排出される。インキの排出後にインキ皿内に残されたわずかのインキについては、軽くなって持ち運びの負担の無くなったインキ皿を手で持って簡単に回収することができる。そのため、本考案によれば、インキで満たされた非常に重いインキ皿を手で持って運搬する必要がないので、作業者にとって非常に便利であると共に、運搬の際のインキのこぼれによる周囲の汚れを防止することができる。また、インキ排出装置は、インキ排出筒部材が係合部にて係止部材に取り付けられた簡易な構造であり、安価に提供される。
また、本考案において、インキ排出筒部材が、係合部にて係止部材にワンタッチで取り付け及び取り外し可能にされていてもよい。これにより、係合部の係止部材への取り付け及び取り外しがワンタッチで簡単に行われるため、作業者の負担が軽減される。
また、本考案において、係合部の外側に被せられて、係止部材に取り付けられた係合部を外側から締め付ける環状の締付け部材を設けることができる。これにより、係止部材に取り付けられた係合部が、環状の締付け部材によって外側から締め付けられるため、係止部材と係合部間の密着状態がさらに適正に確保され、係止部材と係合部との間からのインキの漏れを一層確実に防止できる。
また、本考案において、筒部の他端開口に着脱可能に取り付けられて他端開口を液密状態で閉鎖する蓋部材を設けることができる。これにより、筒部の他端開口が容器内のインキの液面より下になっても、蓋部材によってインキの流出を防止できる。そのため、筒部の長さを不必要に長くする必要がない。
本考案においては、使用後のインキを回収するときは、インキ皿を印刷機から取り出すことなくセットしたままの状態で、係止部材に取り付けられたインキ排出筒部材を回動させて筒部の他の開口を下になるようにさせることにより、大部分のインキがインキ排出筒部材を通してスムーズに外部に排出される。その結果、本考案においては、インキで満たされた非常に重いインキ皿を手で持って運搬する必要がないので、作業者にとって非常に便利であると共に、重いインキ皿の運搬中にインキ皿からのインキのこぼれを防止でき、周囲のインキによる汚れを防止できる。
以下、本考案の一実施例について図面を用いて説明する。図1は、実施例であるグラビア印刷機下部に配置されて印刷用インキを収容する矩形状の平坦な上面開放のインキ皿に用いられるインキ排出装置を一部破断正面図により示し、図2はインキ皿を斜視図により示し、図3はグラビア印刷機の要部を一部破断正面図により示し、図4はインキ排出装置を分解正面図により示したものである。インキ排出装置12は、印刷機用インキ皿10の側面に設けた開口10aの周縁に一体で取り付けられた環状の係止部材13と、一端の係合部23にて係止部材13に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられる筒状のインキ排出筒部材18と、インキ排出筒部材18の係合部に被せられる締付け部材28と、インキ排出筒部材18の他端に着脱可能に嵌め合わされる蓋部材33とを設けている。
係止部材13は、図4に示すように、軸方向長さの非常に短い円環状の金属薄板製の金具であり、軸方向中間部分を境として軸方向一端側(図示右端側)が円錐状に傾斜して縮径した挿入部14になっており、軸方向他端側(図示左端側)が略円筒形の基部15になっており、軸方向中間が挿入部14及び基部15に対して環状にかつ同軸状に凹んだ係止凹部16になっている。基部15の外端には径方向外方にわずかに延びた円環状のフランジ部17が一体で設けられている。挿入部14及び基部15の係止凹部16との境界は凸曲面状にされている。係止部材13は、金属薄板にプレス加工を施すことにより形成される。係止部材13は、インキ皿10側面11の開口11aに基部15にて溶接等により固定される。
インキ排出筒部材18は、樹脂製の薄肉部材であり、円筒形の筒部19を設けており、筒部19の軸方向一端が軸方向に対して直角な開口21となっており、軸方向他端が軸方向に対して傾斜した傾斜開口22となっている。傾斜開口22に沿って環状の係合部23が形成されている。係合部23は、円筒状で軸方向他端に近接して環状にかつ同軸状に軸心方向に凹んだ係合凸部24を設けており、係合凸部24を挟んだ他端側が軸方向外方に拡径方向に傾斜した傾斜端部25となっている。係合凸部24を挟んだ軸方向一端側が径方向外方に断面半円形に膨出した膨出部26となっている。膨出部26から筒部19の間は、緩やかな曲面形状で滑らかにつながれている。
インキ排出筒部材18は、樹脂製の薄肉部材であり柔軟性を有するので、図5に示すように、傾斜開口22から係止部材13に押し付けることにより、金属製の係止部材13の挿入部14によって軸心方向に凹んだ係合凸部24が径方向外方に押し広げられて、挿入部14の膨らみ部分を越えて係止部材13の係止凹部16にワンタッチで嵌め合わされて、係止部材13に取り付けられる。インキ排出筒部材18の係止部材13への取り付け状態で、インキ排出筒部材18に手で力を加えて回すことにより、係止部材13の周りを回動させることができる。
締付け部材28は、薄肉の樹脂製で偏平な円筒状であり、その内径がインキ排出筒部材18の膨出部26の外径よりわずかに大きく、一端側の開口の内周面には径方向内方に向けてわずかに突出したリング状の係止突部29を設けており、他端側の開口には一体で径方向内方に折り曲げられて延びた環状のフランジ部31を設けている。係止突部29は、内径がインキ排出筒部材18の膨出部26の外径よりわずかに小さくなっている。フランジ部31は、内径がインキ排出筒部材18の膨出部26の外径より小さくなっている。図5に示すインキ排出筒部材18が係止部材13に取り付けられた状態で、締付け部材28をインキ排出筒部材18の筒部19に挿入し、インキ排出筒部材18の膨出部26に被せることにより、係止突部29が膨出部26を乗り越えて係止めされる。
また、蓋部材33は、薄肉の樹脂製で偏平な有底の円筒形であり、その内径がインキ排出筒部材18の筒部19の外径よりわずかに小さくなっている。蓋部材33は、図6に示すように、インキ排出筒部材18を上向けにした状態で筒部19一端に着脱可能に密着状態で取り付けられて、開口21を液密状態で閉塞するものである。
インキ排出装置12が取り付けられたインキ皿10は、図3に示すように、グラビア印刷機の下に配置され、内部に溶剤タイプの速乾性のインキ5が収容される。グラビア印刷機は、周知のように、製版の形成された版胴1をインキ皿10内のインキ5に浸して回転させ、版胴1表面にインキをかけ流して、金属ブレードであるドクター2で絵柄以外の部分のインキをかきおとす。版胴1に紙又はフィルム4を押し付けることにより、連続してグラビア印刷が行われるのである。
上記実施例においては、インキ排出筒部材18が係合部23にて係止部材13に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられてなることにより、インキ皿10内にインキIを注入するときは、図6に示すように、係止部材13に取り付けられ蓋部材33が他端に固定されたたインキ排出筒部材18を回動させて他の開口を上になるようにして筒部19を上向きに傾斜させることにより、インキIがインキ皿10内に収容されて満たされる。また、使用後のインキを回収するときは、図7に示すように、インキ皿10を印刷機から取り出すことなくセットしたままの状態で、係止部材13に取り付けられたインキ排出筒部材18を回動させて筒部の他の開口を下になるようにして筒部19を下向きに傾斜させることにより、インキ皿10から大部分のインキがインキ排出筒部材18を通してスムーズに外部に排出される。
インキの排出後のインキ皿10内に残されたわずかのインキについては、軽くなって持ち運びの負担の無くなったインキ皿10を手で持って簡単に回収することができる。その結果、本実施例においては、インキで満たされた非常に重いインキ皿10を手で持って運搬する必要がないので、作業者にとって非常に便利であると共に、運搬の際のインキのこぼれによる周囲の汚れを防止することができる。また、インキ排出装置12は、インキ排出筒部材18が係合部23にて係止部材13に取り付けられ、さらに締付け部材28および蓋部材33を加えた簡易な構成であるため、安価に提供される。
また、インキ排出筒部材18の係合部23が係止部材13にワンタッチで取り付け及び取り外し可能にされていることにより、係合部23の係止部材13への取り付け及び取り外しが簡易にされるため、作業者の負担が軽減される。さらに、係止部材13に取り付けられた係合部23を、係合部23の外側に被せられた環状の締付け部材28で締め付けることにより、係合部23が外側から締め付けられるため、係止部材13と係合部23間の液密状態が確保され、インキの漏れを確実に防止できる。また、筒部19の一端開口21に着脱可能に取り付けられて開口を閉鎖する蓋部材33を設けたことにより、筒部19の一端開口21がインキ皿10内のインキの液面より下になっても、蓋部材33によってインキの流出を防止できる。そのため、筒部19の長さを不必要に長くする必要がない。
なお、上記実施例においては、インキ排出装置12は係止部材13、インキ排出筒部材18、締付け部材28、蓋部材33を備えているが、必要に応じて締付け部材28あるいは蓋部材33を省くことも可能である。また、上記実施例においては、インキ排出筒部材18、締付け部材28、蓋部材33は樹脂製であるが、これに限らず弾性を有する薄肉の金属製とすることも可能であり、係止部材13についても、金属製の代わりに樹脂製とすることも可能である。
なお、上記実施例においては、グラビア印刷機のインキ皿に用いるインキ排出装置について説明されているが、このインキ排出装置はオフセット輪転印刷機のインキ皿にも使用可能である。また、印刷機のインキ皿に限らず、水や油等のような重い液体を収容する大きな面積の平坦な液収容皿を使用するような装置において、その液収容皿に対しても本考案を適用することができる。例えば、印刷用のラミネートに用いる接着剤を収容する皿、印刷用ボンドを収容する皿等に対しても本考案の排出装置を適用することができる。その他、上記各実施例に示したインキ皿用インキ排出装置については、一例であり、本考案の主旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
本考案は、インキ皿内にインキを保持するときは、係止部材に取り付けられたインキ排出筒部材を回動させて筒部の他の開口を上になるようにさせることにより、インキがインキ皿内に収容されて満たされ、使用後のインキを回収するときは、インキ皿を印刷機から取り出すことなくセットしたままの状態で、係止部材に取り付けられたインキ排出筒部材を回動させて筒部の他の開口を下になるようにさせることにより、大部分のインキがインキ排出筒部材を通してスムーズに外部に排出されるため、作業者が重いインキ皿を手で持って運搬する必要がないので、有用である。
本考案の実施例である印刷機用インキ皿に用いられるインキ排出装置を示す一部破断正面図である。 印刷機用インキ皿を示す斜視図である。 グラビア印刷機の要部を示す一部破断正面図である。 インキ排出装置を示す分解正面図である。 インキ排出筒部材が係止部材に取り付けられた状態を示す一部破断正面図である。 同印刷機用インキ皿のインキ収容状態を示す一部破断面図である。 同印刷機用インキ皿のインキ排出状態を示す一部破断面図である。
符号の説明
10…印刷機用インキ皿、12…インキ排出装置、12…第1布部、13…係止部材、16…係止凹部、16,17,18…インキ排出筒部材、19…筒部、21…袋本体、22…傾斜開口、23…係合部、24…係合凸部、26…膨出部、28…締付け部材、29…係止突部、33…蓋部材。

Claims (4)

  1. 印刷機の下部に配置された印刷用インキを収容する矩形状の平坦な上面開放のインキ皿に用いられるインキ排出装置であって、
    該インキ皿の側面に設けた開口の周縁に一体で取り付けられた環状の係止部材と、
    一端が軸方向に対して傾斜した開口部となっている筒部の該開口部に沿って環状の係合部となっており、該係合部にて前記係止部材に密着して着脱可能にかつ回動可能に取り付けられて、前記インキ皿の側面に対して傾斜状態にされるインキ排出筒部材と
    により構成されたことを特徴とするインキ皿用インキ排出装置。
  2. 前記インキ排出筒部材が、前記係合部にて前記係止部材にワンタッチで取り付け及び取り外し可能にされていることを特徴とする前記請求項1に記載のインキ皿用インキ排出装置。
  3. 前記係合部の外側に被せられて、前記係止部材に取り付けられた該係合部を外側から締め付ける環状の締付け部材を設けたことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のインキ皿用インキ排出装置。
  4. 前記筒部の他端開口に着脱可能に取り付けられて該他端開口を液密状態で閉鎖する蓋部材を設けたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のインキ皿用インキ排出装置。
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