JP3112647B2 - 立木材質腐朽病害防除剤 - Google Patents
立木材質腐朽病害防除剤Info
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- JP3112647B2 JP3112647B2 JP08054695A JP5469596A JP3112647B2 JP 3112647 B2 JP3112647 B2 JP 3112647B2 JP 08054695 A JP08054695 A JP 08054695A JP 5469596 A JP5469596 A JP 5469596A JP 3112647 B2 JP3112647 B2 JP 3112647B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mushrooms
- control agent
- disease control
- rot disease
- trichoderma
- Prior art date
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、カイメンタケ及び
/又はベッコウタケの感染による立木腐朽病害の防除剤
及びその防除方法に関する。
/又はベッコウタケの感染による立木腐朽病害の防除剤
及びその防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナラタケ菌などの腐朽菌が樹木に感染す
ると、根系が侵されるにつれて葉の小形化、黄緑化が起
こり、ついには全体が萎ちょうして枯れる。病樹の地際
部又は太根の樹皮を剥ぐと、形成層と内樹皮にキノコ臭
のする白色の菌糸膜が認められる。秋には病樹の根元か
ら多数のキノコの子実体が群生する。ヒノキ、マツ、カ
ラマツなどの林木を侵すほか、サクラ、ウメ、カエデ、
クワ、チヤなども侵す。従来このような腐朽菌による立
木病害の防除には、貴重木では薬剤を併用する外科的治
療が行われてきたが、完全な防除は困難であった。
ると、根系が侵されるにつれて葉の小形化、黄緑化が起
こり、ついには全体が萎ちょうして枯れる。病樹の地際
部又は太根の樹皮を剥ぐと、形成層と内樹皮にキノコ臭
のする白色の菌糸膜が認められる。秋には病樹の根元か
ら多数のキノコの子実体が群生する。ヒノキ、マツ、カ
ラマツなどの林木を侵すほか、サクラ、ウメ、カエデ、
クワ、チヤなども侵す。従来このような腐朽菌による立
木病害の防除には、貴重木では薬剤を併用する外科的治
療が行われてきたが、完全な防除は困難であった。
【0003】
【解決手段】本発明者は、従来タバコ白絹病(Corticiu
m rolfsii)や腰折病(Pellicularia filameutosa)の
病害菌に寄生し、該病害の防除剤として農薬登録され、
市販されているトリコデルマ属菌(Trichoderma lignor
um)が、カイメンタケ及び/又はベッコウタケに寄生し
て拮抗することを見い出し、従来の防除剤とは全く異な
ったこの生物学的農薬をカイメンタケ及び/又はベッコ
ウタケの防除に利用するものである。
m rolfsii)や腰折病(Pellicularia filameutosa)の
病害菌に寄生し、該病害の防除剤として農薬登録され、
市販されているトリコデルマ属菌(Trichoderma lignor
um)が、カイメンタケ及び/又はベッコウタケに寄生し
て拮抗することを見い出し、従来の防除剤とは全く異な
ったこの生物学的農薬をカイメンタケ及び/又はベッコ
ウタケの防除に利用するものである。
【0004】本発明は、トリコデルマ属菌の胞子を含有
する立木材質腐朽病害防除剤に関する。市販のトリコデ
ルマ生胞子を1g中に5億個以上含む市販製剤を、施用
方法に応じて500〜5,000倍の水懸濁液として、
以下のようにして使用する。
する立木材質腐朽病害防除剤に関する。市販のトリコデ
ルマ生胞子を1g中に5億個以上含む市販製剤を、施用
方法に応じて500〜5,000倍の水懸濁液として、
以下のようにして使用する。
【0005】地上部樹幹などの内部が腐朽して空洞とな
っている場合には、噴霧機の噴孔部が入る孔を樹幹にあ
け、空洞腐朽部に生胞子懸濁液を噴霧する。あるいは切
開により空洞を開口して噴霧又は塗布する。開口部が露
出している場合には、ここより生胞子懸濁液を噴霧又は
塗布する。
っている場合には、噴霧機の噴孔部が入る孔を樹幹にあ
け、空洞腐朽部に生胞子懸濁液を噴霧する。あるいは切
開により空洞を開口して噴霧又は塗布する。開口部が露
出している場合には、ここより生胞子懸濁液を噴霧又は
塗布する。
【0006】樹木の衰弱にともない、樹木根部付近の地
面にキノコの子実体が群生することにより、根部にカイ
メンタケやナラタケが寄生していることがわかるので、
その場合は、根部地面に約30cm間隔で深さ30cmほど
の穴をあけて、各穴に生胞子懸濁液を灌注する。あるい
は根部付近の土を耕起して、如露などで生胞子懸濁液を
施用する。これにより立木腐朽病害の原因である担子菌
類の繁殖を阻止し、腐朽の進展を抑えることができる。
面にキノコの子実体が群生することにより、根部にカイ
メンタケやナラタケが寄生していることがわかるので、
その場合は、根部地面に約30cm間隔で深さ30cmほど
の穴をあけて、各穴に生胞子懸濁液を灌注する。あるい
は根部付近の土を耕起して、如露などで生胞子懸濁液を
施用する。これにより立木腐朽病害の原因である担子菌
類の繁殖を阻止し、腐朽の進展を抑えることができる。
【0007】
実施例1 幹の打診によって確認できた幹内部に空洞腐朽部のある
マツの大樹が、秋になると根元や幹や枝の一部からカイ
メンタケの子実体が発生することから、腐朽の原因が判
明したので、幹表面より内部空洞に通じる小孔をあけ、
ここより1g中に5億個以上のトリコデルマ生胞子を含
む市販製剤を、水で1,000倍に希釈した生胞子懸濁
液を空洞内に噴霧処理したところ、その年の秋から子実
体の発生が止まり、腐朽の蔓延が阻止できた。マツは活
力を回復し、生育に異常は認められなかった。
マツの大樹が、秋になると根元や幹や枝の一部からカイ
メンタケの子実体が発生することから、腐朽の原因が判
明したので、幹表面より内部空洞に通じる小孔をあけ、
ここより1g中に5億個以上のトリコデルマ生胞子を含
む市販製剤を、水で1,000倍に希釈した生胞子懸濁
液を空洞内に噴霧処理したところ、その年の秋から子実
体の発生が止まり、腐朽の蔓延が阻止できた。マツは活
力を回復し、生育に異常は認められなかった。
【0008】実施例2 秋になると、マツの根の分布部の地面に毎年カイメンタ
ケの子実体が発生し、葉色が黄緑化していることから、
根部にカイメンタケ菌が寄生していることが判明した。
子実体が発生する地面に30cm間隔で千鳥足型に直径3
cmの鉄棒を刺して、深さ30cmの穴を設け、各穴へトリ
コデルマ生菌剤の1,500倍水懸濁液を満たした。こ
の処置により、秋に子実体の発生がなかったことから腐
朽の進行が防止されたことが確認できた。マツは活き活
きとして異常は認められなかった。
ケの子実体が発生し、葉色が黄緑化していることから、
根部にカイメンタケ菌が寄生していることが判明した。
子実体が発生する地面に30cm間隔で千鳥足型に直径3
cmの鉄棒を刺して、深さ30cmの穴を設け、各穴へトリ
コデルマ生菌剤の1,500倍水懸濁液を満たした。こ
の処置により、秋に子実体の発生がなかったことから腐
朽の進行が防止されたことが確認できた。マツは活き活
きとして異常は認められなかった。
【0009】実施例3 ウメの地際部から地上150cmにわたって、主幹に縦溝
が生じてベッコウタケ菌により腐朽した樹木について、
腐朽部の渣を取り除いて、ここにトリコデルマ生菌剤の
500倍水懸濁液を塗布することにより、腐朽の進行が
阻止され、子実体の発生が認められなくなった。ウメに
は異常は認められなかった。
が生じてベッコウタケ菌により腐朽した樹木について、
腐朽部の渣を取り除いて、ここにトリコデルマ生菌剤の
500倍水懸濁液を塗布することにより、腐朽の進行が
阻止され、子実体の発生が認められなくなった。ウメに
は異常は認められなかった。
【0010】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 63/04
Claims (3)
- 【請求項1】 トリコデルマ属菌の胞子を含有するカイ
メンタケ及び/又はベッコウタケの防除剤。 - 【請求項2】 トリコデルマ属菌の生胞子懸濁液を、カ
イメンタケ及び/又はベッコウタケが寄生して腐朽した
立木内部空洞に施用する防除方法。 - 【請求項3】 トリコデルマ属菌の生胞子懸濁液を、立
木根部地中に施用するカイメンタケ及び/又はベッコウ
タケの防除方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08054695A JP3112647B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 立木材質腐朽病害防除剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08054695A JP3112647B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 立木材質腐朽病害防除剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09249513A JPH09249513A (ja) | 1997-09-22 |
JP3112647B2 true JP3112647B2 (ja) | 2000-11-27 |
Family
ID=12977946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08054695A Expired - Fee Related JP3112647B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 立木材質腐朽病害防除剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3112647B2 (ja) |
-
1996
- 1996-03-12 JP JP08054695A patent/JP3112647B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09249513A (ja) | 1997-09-22 |
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Date | Code | Title | Description |
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