JP3112462B2 - 音声符号化装置 - Google Patents

音声符号化装置

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JP3112462B2
JP3112462B2 JP01268050A JP26805089A JP3112462B2 JP 3112462 B2 JP3112462 B2 JP 3112462B2 JP 01268050 A JP01268050 A JP 01268050A JP 26805089 A JP26805089 A JP 26805089A JP 3112462 B2 JP3112462 B2 JP 3112462B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、音声信号等のディジタル信号系列の情報圧
縮・伝送に用いられるベクトル量子化に関し、ピッチパ
ラメータ探索を適用した音声符号化装置である。
(従来の技術) ベクトル量子化は音声信号や画像信号の符号化を効率
的に行う手法として、現在、最も注目されている技術の
一つである。特に、音声の符号化の分野においては、CE
LP(Code Excited Linear Prediction)方式またはVXC
(Vector‥Excited Coding)方式が、ベクトル量子化を
適用した優れた方式として知られている。CELP方式の詳
細な点については、M.R.Schroeder氏とB.S.Atal氏の‥
‥“Code−Excited Linear Prediction(CELP):High−
Quality Speech At Very Low‥Bit Rates"in Proc.ICAS
SP,1985.pp.937−939に述べられているが、以下この図
面を参照して簡単にCELP方式について説明する。第7図
はCELP方式の原理的構成を示すブロック図である。同図
において音声信号の信号系列が入力端子1から入力さ
れ、ブロック切出し部2においてL個のサンプル値を1
フレームとし、長さLの入力音声信号ベクトルとして3
より出力され、LPC分析部4に入力される。LPC分析部4
は、自己相関法等を用いて音声信号のLPC分析を行い、L
PC予測パラメータ{α}(i=1…P)を抽出する。
ここでPは予測次数である。また、18によって、LPC予
測残差信号ベクトルが出力され、ピッチ分析部21に入力
されるピッチ分析部21はLPC予測残差信号ベクトルを用
いて音声の長期的予測であるピッチ分析を行い、ピッチ
周期(TP)とゲイン・パラメータ(b)を抽出する。
この抽出された、LPC測パラメータとピッチ周期,ゲイ
ン・パラメータは、それぞれLPC合成フィルタ14とピッ
チ合成フィルタ23で合成音声を生成する際に利用され
る。
次に合成音声生成の過程について説明する。コード・
ブック17には、次元数k(ベクトルの要素数)のn個の
白色雑音ベクトルが入っている。ここでkは一般にL/K
が整数になるように選ばれる。このコード・ブック17の
中のj番目の白色雑音ベクトルにゲイン・パラメータ22
を掛けて、ピッチ合成フィルタ23とLPC合成フィルタ14
に通すことにより、24より、合成音声ベクトルが生成さ
れる。この時のピッチ合成フィルタ23の伝達関数P
(Z)とLPC合成フィルタ14の伝達関数A(Z)は次の
通りである。
P(Z)=1/(1+bZ-Tp) (2) この生成された合成音声ベクトルは、目標ベクトルで
ある入力音声ベクトルと共に2乗誤差計算部19に入力さ
れ、そこで合成音声ベクトルと入力音声ベクトルとのユ
ークリッド距離Ejが求められる。最小歪探索部19はEjの
最小値をサーチする。この過程をn個の白色雑音ベクト
ルすべてについて行ない、その最小値を与える白色雑音
ベクトルの番号jが選ばれる。つまりCELP方式は音声合
成の過程における合成フィルタの駆動信号にコード・ブ
ックを用いることによってベクトル量子化を行なってい
るところに特徴がある。なお、入力音声ベクトルは長さ
Lであるため、この過程はL/K回繰り返されることにな
る。また図中の重み付けフィルタ5は誤差信号のスペク
トルを成形して、人間の耳によって知覚されるであろう
歪を低減するために用いられており、その伝達関数は次
式で与えられる。
H(Z)=A(Z)・P(Z) (4) 実際にCELP方式を符号器として用いる時にはLPC予測
パラメータ,ピッチ周期,ピッチのゲイン・パラメー
タ,コード・ブック番号,コード・ブック・ゲインが符
号化されて、複号器に伝送されることになる。
第8図は機能的には、第7図と全く同一の処理を行う
CELP方式のブロック図である。第8図においては、重み
付けフィルタ5は、従来のコード・ブック探索のループ
の中の位置より、外に移動させられている。これはピッ
チ合成フィルタ23のP(Z)をP(Z/γ),LPC合成フィ
ルタ14のA(Z)をA(Z/γ)とすることにより同じ機
能をもたせたまま、計算量を少なくすることを可能をす
る。
またピッチ合成フィルタ23とLPC合成フィルタ14のフ
ィルタ演算における初期メモリが合成音声の生成による
コード・ブックの探索に影響を与えないようにしてい
る。すなわち初期メモリを持ったピッチ合成フィルタ25
とLPC合成フィルタ7を設けて、8により出力される零
入力ベクトルをあらかじめ6により出力される重み付き
入力音声ベクトルから差し引き、それを目標ベクトルと
することにより、ピッチ合成フィルタ23とLPC合成フィ
ルタ14の初期メモリを零にすることを可能とする。ま
た、同時にこれは従来、合成音声の生成か、コード・ベ
クトルを入力とする合成フィルタのフィルタ演算で行な
われていたものを、コード・ベクトルと次のk×kの下
方の三角行列との積で表わすことを可能にする。
ここにおいてkはコード・ブックの17のコード・ベク
トルの次元数(要素数)であり、h(i),i=1…kは
H(Z/γ)の初期メモリが零の時の長さkのインパルス
応答である。
以上より第8図における11により出力されるベクトル
を目標ベクトルとし、2乗誤差計算部19により次のEjを
求め、最小歪探索部20により最小値を求める。
Ej=‖Xt−γjHCj‖(j=1,2,…n) (6) ここで、Xtは目標とする入力ベクトル,Cjはj番目の
コード・ベクトル,γjはj番目のコード・ベクトルに
対する最適なゲイン・パラメータである。
このEjを求め、その最小値を与えるベクトル番号jを
求めるフローチャートを第9図に示す。この処理におい
ては、まず、個々のjに対してHCjを求める必要があ
り、k(k+1)/2・n回の乗算を必要とし、一般的に
用いられるk=40,‥n=1024の場合には、839680回の
乗算を必要とする。
また、フロー全体においてはL/K=4とすると1フレ
ーム当り1048736回の乗算を必要とする。すると1フレ
ームのサンプル数L=160で、入力音声のサンプリング
周波数が8KHzの時には52MIPS程度の乗算を必要とし、20
MIPSの乗算能力をもつDSPでも3回必要となる。
また、CELP方式の音質の改善方法としてピッチ予測の
閉ループ化あるいは適応コード・ブックと呼ばれる方法
が知られている。この方式の詳細な点についてはW.B.Kl
eijin,D.J.Krasinski and RH.Ketchum,“Improved Spee
ch Quality and Efficient Vector Quantization in CE
LP"in Proc ICASSP,(1988.pp155−‥158)に述べられ
ている。
以下図面を参照して、簡単にピッチ予測の閉ループ化
あるいは適応コード・ブックと呼ばれる方法によるCELP
について説明する。第10図はその原理的構成を示すブロ
ック図である。ピッチ予測の閉ループあるいは適用コー
ド・ブックと呼ばれる方法によるCELPと第7図のCELPと
の違いはピッチ分析の違いにある。第7図においてはピ
ッチの分析はLPC分析部よりの出力であるLPC予測残差信
号ベクトルによりピッチ分析されている。一方第10図の
CELPはピッチ分析がコード・ブックの探索同様に閉ルー
プ化されているところに特徴がある。このCELPにおいて
は18より出力されたLPC合成フィルタ駆動信号はピッチ
探索範囲a〜bに渡って可変する遅延器13を通り、ピッ
チ周期jに対する駆動信号ベクトルを作る。これにより
出力される前のフレームの影響を除いた重み付き入力ベ
クトルを目標ベクトルとするピッチ探索が行なわれる。
この時2乗距離歪による評価部より、次のEjが求ま
る。
Ej=‖Xt−γjHBj‖(a≦j≦b) (7) ここでXtは目標ベクトル、Bjはピッチ周期jの時の駆
動信号ベクトル、γはピッチ周期jに対する最適な利
得因数,Hは(5)式で与えられ、h(i)(i=1…
k)はA(Z/γ)の初期メモリが零の時の長さkのイン
パルス応答である。
このEjを求めその最小値を与えるピッチ周期を求める
フローチャートを第11図に示す。この処理においては、
まず個々のtとjに対してHBjを求める必要があり、k
(k+1)/2・(b−a+1)・L/K回の乗算を必要と
し、一般に用いられるk=40,L=160,a=20,b=147の場
合に419840回の乗算を必要とする。また、フロー全体に
おいては1フレーム当り461312回の乗算を必要とする。
すると、入力音声サンプリング周波数8KHzの時には23MI
PS程度の乗算を必要とし、20MIPSの乗算能力をもつDSP
でも2個必要となる。
(発明が解決しようとする課題) 上述の如くCELP方式におけるコード・ブックの探索お
よび閉ループあるいは適応コード・ブックと呼ばれるピ
ッチ周期の探索においては、多大な計算量を必要とし、
DSP(Digital Signal Processer)等で実時間処理する
際に問題となっていた そこで、本発明はこの問題点を除去し、DSP等で実時
間処理できるまでに計算量を削減できる音声符号化装置
を提供することを目的としている。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、LPC分析部、駆動信号コードブック、探索
部、LPC合成フィルタを備える音声符号化装置であっ
て、 LPC分析部は、入力音声ベクトルからLPCパラメータを
抽出し、そのインパルス応答h(i)(ただしi=1〜
K)を生成し、 駆動信号コードブックは、過去に探索部が決定した駆
動信号ベクトルE E=(e(−b),e(−b+1),…e(−1)) を記憶し、 探索部は、駆動信号ベクトルEの部分系列を要素とす
る駆動信号ベクトルBj Bj=(e(−j),e(−j+1),…e(−j+K−
1))(ただしjはピッチ周期) を読み出すと共に、LPC合成フィルタの求める合成信号H
Bjと、入力音声ベクトルに基づく目標ベクトルとの誤差
を最小とする駆動信号ベクトルBjを決定し、 LPC合成フィルタは、インパルス応答h(i)を要素
とし、対角要素が同じ行列 と駆動信号ベクトルBjとの積である合成信号HBj HBj=(Vj(1),Vj(2),…Vj(K)) の要素Vjを Vj(1)=h(1)e(−j) Vj(m)=Vj-1(m−1)+h(m)e(−j)(但
しm=2,3,…K) なる再帰的演算により求めることを特徴とする。
また本発明は、LPC分析部、駆動信号コードブック、
探索部、LPC合成フィルタを備える音声符号化装置であ
って、 LPC分析部は、入力音声ベクトルからLPCパラメータを
抽出し、そのインパルス応答h(i)(ただしi=1〜
K)を生成し、 駆動信号コードブックは、過去に探索部が決定した駆
動信号ベクトルE E=(e(−b),e(−b+1),…e(−1)) を記憶し、 探索部は、駆動信号ベクトルEの部分系列を要素とす
る駆動信号ベクトル Bj=(bj(1),bj(2),…bj(K−1),b
j(K)) (ただしjはピッチ周期。また、 Bj-1=(bj-1(1),bj-1(2),…bj-1(K−1),
bj-1(K)) より、Bj-1の要素を用いてBjを表現すると Bj=(bj(1),bj-1(1),…bj-1(K−2),bj-1
(K−1))) なるBjを読み出すと共に、LPC合成フィルタの求める合
成信号HBjと、入力音声ベクトルに基づく目標ベクトル
との誤差を最小とする駆動信号ベクトルBjを決定し、 LPC合成フィルタは、インパルス応答h(i)を要素
とし、対角要素が同じ行列 と駆動信号ベクトルBjとの積である合成信号HBj HBj=(Vj(1),Vj(2),…Vj(K)) の要素Vj(m)(但しm=2、3、…K)を、要素Vj-1
(m−1)の演算結果を用いて再帰的に求めることを特
徴とする。
(作用) 本発明では、閉ループあるいは適応コードブックと呼
ばれるピッチ予測において駆動ベクトルにフィルタ演算
を行なったベクトルと入力ベクトルとの歪みが最も小さ
くなるピッチ周期を探索する際に、駆動信号行列がテプ
リッツ行列となるようにした後、フィルタ演算を再帰的
に求める音声符号化装置である。
具体的には、本発明は、閉ループあるいは適応コード
ブックと呼ばれるピッチ予測において駆動信号をテプリ
ッツ行列にし、テプリッツ特性を利用することによりフ
ィルタ演算を再帰的に求めるものであり、これにより乗
算回数を削減することが可能となる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係るピッチパラメータ
探索方式を適用した音声符号方式の原理的構成を示すブ
ロック図である。同図において、音声信号の信号系列が
入力端子101から入力され、ブロック切出し部102におい
てL個のサンプル値を1つのフレームとして長さLの入
力信号音声ベクトルとして出力されて、LPC分析部104及
び重み付けフィルタ105に各々入力される。LPC分析部10
4は、自己相関法等を用いて音声信号のLPC分析を行い、
LPC予測パラメータ‥‥{ai}(i=1‥‥P)を抽出
する。ここでPは予測次数である。この抽出されたLPC
予測パラメータはLPC合成フィルタ107,109,114で利用さ
れる。重み付けフィルタ105は、LPC分析部104により抽
出されたLPC予測パラメータ{ai}により、入力信号ベ
クトルに重み付けを行うことを目的とし本来のコード・
ブック探索およびピッチ周期探索のループの内の位置よ
り、外に移動させられている。これはLPC合成フィルタ1
07,109,114においてA(Z)をA(Z/γ)とすることに
より誤差信号のスペクトルを成形して、人間の耳によっ
て知覚されるであろう歪を低減する機能をもたせたま
ま、計算量を少なくすることを可能とする。その重み付
けフィルタの伝達関数W(Z)は次の式で与えられる。
W(Z)=A(Z/γ)/A(Z)(0≦γ≦1)(8) 尚、 また、LPC合成フィルタ109,114のフィルタ演算におけ
る初期メモリが合成音声の生成におけるピッチ周期の探
索あるいはコード・ブックの検索に影響を与えるように
している。すなわち零の値の初期メモリ108を持ったLPC
合成フィルタ107を設けて、その合成フィルタから出力
される零入力応答ベクトルを作り、あらかじめ加算器10
6から出力される重み付き入力音声ベクトルから差し引
くことにより、LPC合成フィルタの初期メモリを零にす
ることを可能とする。また、同時にこれは、ピッチ周期
探索における駆動信号ベクトルを入力とするLPC合成フ
ィルタのフィルタ演算あるいは、コード・ブック探索に
おけるコードベクトルを入力とするLPC合成フィルタの
フィルタ演算が、それぞれ駆動信号ベクトルあるいはコ
ード・ベクトルと次のk×kの下方の三角行列との積で
表わすことを可能とする。
ここで、kは、駆動信号ベクトル及びコード・ベクト
ルの次元数(要素数)であり、kは一般にL/Kが整数に
なるように選ばれる。また、h(i),i=1,……,kは、
A(Z/γ)の初期メモリが零の時の長さkのインパルス
応答である。
ピッチ周期探索においては、加算器118から出力され
たLPC合成フィルタ駆動信号eが、まず、スイッチ115に
入力され、そこで探索するピッチ周期jがコードベクト
ルの次元数K以上であるときは遅延器116へ、K未満で
あるときは波形結合器へ入力され、ピッチの探索範囲a
〜bに渡って、ピッチ周期jに対する駆動信号ベクトル
が作成される。この処理の様子を図を使いながら詳しく
説明する。カウンタ111でピッチ周期の探索範囲a〜b
に渡って、ピッチ周期jをインクリメントしその値を駆
動信号部112,スイッチ115,遅延器116に出力する。ピッ
チ周期jがK以上である時は第2図の(1)に示すよう
に遅延器によって作成される過去の駆動信号ベクトルe
から駆動信号ベクトルBjを作る。すなわち e=(e(−b),e(−b+1)‥‥e(−1))
(11) Bj=(bj(1),bj(2),‥bj(k)) =(e(−j),e(−j+1),‥e(−j+ k−1))t, (j=K,K+1,‥‥,b)(12) ここで、Bjは周期jの時の駆動信号ベクトルである。ま
た、tは転置を表わす。次に、ピッチ周期jがK未満で
ある時は、レジスタ110に格納されている前サブフレー
ムのピッチ周期Pの分の過去の駆動信号(e(−P),e
(−P+1)‥‥e(−1))を過去の駆動信号ベクト
ルeに結合し、e′としそのe′から駆動信号ベクトル
を作成する。即ち、 Bj=(e(−j),e(−j+1)…e(−1)e(−
P)e(−P+1) …e(−P+K−j−1)) (13) (j=a,a+1,…K+1) この様にすることにより、駆動ベクトルBjの各要素を
(bj(1),bj(2),……bj(k))Tとした時、bj
(m)=bj-1(m−1)(a+1≦j≦b,2≦m≦k)
の関係を持たせることが出来、駆動信号ベクトルBjを列
ベクトルとする駆動信号行列Bを次に示すように完全な
テプリッツ行列にすることができる。
ピッチ周期の探索は、加算器106より出力される前の
フレーム影響を除いた重み付き入力ベクトル目標ベクト
ルとして、誤差を最小にするピッチ周期を求める。この
時の誤差の2乗距離による歪,Ejは次の計算式により求
まる。
Ej=‖Xt−γjHBj‖(a≦j≦b) (15) ここで、Xtは目標ベクトル,Bjはピッチ周期jの時の
駆動信号ベクトル,γjはピッチ周期jに対する最適な
利得因数,Hは(10)式で与えられるものである。
式(15)の計算に当り、駆動信号行列がテプリッツ行
列であり、また、重み付き、LPC合成フィルタも下方の
三角行列でかつ、テプリッツ行列である性質を利用する
とHBjの演算、即ちフィルタリングの演算を次式のよう
に再帰的に行うことができる。
Vj(1)=h(1)e(−j) (16) Vj(m)=Vj-1(m−1)+h(m)e(−j) (2≦m≦K)(17) (a+1≦j≦b) 但し、(Vj(1),Vj(2),…Vj(K))はHBjの
要素である。
このことにより、第3図のフローチャートに従えばHB
aのみを通常の行列−ベクトル積演算で求め、HBj(a+
1≦j≦b)はHBj-1より再帰的に求めることが可能で
あるので、必要な乗算回数は、{K(K+1)/2+K
(b−a)}・L/Kに削減される。一般的に用いられる
k=40,L=160,a=20,b=147の場合には、23600回の乗
算となる。またフロー全体においては65072回の乗算と
なり、第9図の従来の方法の14%程度の計算量で済み、
入力音声サンプリング周波数が8KHzの時には3.3MIPS程
度の乗算で済む。
第1図において、こうしたピッチ・周波探索により最
適なピッチ周期jが求まると、加算器106から出力され
る前のフレームの影響を除いた重み付き入力音声ベクト
ルから、LPC合成フィルタ109の出力である最適なピッチ
周期jによるピッチによる合成音声ベクトルが差し引か
れ、前のフレームの影響とピッチによる影響を除いた重
み付き入力音声ベクトルが出力される。
次に、コード・ブック探索においては、加算器131の
出力である前のフレームの影響とピッチによる影響を除
いた重み付き入力音声ベクトルを目標ベクトルとして、
コード・ブック117のコード・ベクトルにより、合成音
声が生成される。そしてその誤差の2乗距離による歪Ej
が最も小さくなるコード・ベクトル番号jが選ばれる。
この過程は次式で表わされる。
Ej=‖Xt−γjHCj‖(1≦j≦n) (14) ここでXは前のフレームの影響とピッチによる影響を
除いた重み付き入力ベクトル,Cjはj番目のコード・ベ
クトル,γjはj番目のコード・ベクトルに対する最適
な利得因数,nはコード・ベクトルの個数である。
そしてCjが独立な白色雑音で構成されている時にこの
Ejを求め、その最小値を与えるコード・ブック番号を求
めるには式(14)のHCjを求めるのに多くの計算量を必
要とする。
そこで、本発明においては計算量を削減するためにCj
を第4図のように長さ・n+k−1の1ケの白色雑音系
列Uの後方により1サンプルだけシフトして長さkのサ
ンプルを切り出したものとする。この時には第4図から
わかるようにCj(m)=‥Cj-1(m−1)(Z≦j≦n,
2≦m≦k)の関係があり、コード・ベクトルCjを各列
ベクトルとしたコード・ブック行列Cは、テンプリッツ
行列であるという特徴を有する。この時には、HCjの各
要素を(Wj(1),Wj(2),……Wj(k))とした
時には次の関係式が成り立ち再帰的に求まる。
Wj(1)=h(1)U(n+1−j)(2≦m≦k) Wj(m)=Wj-1(m−1) (2≦j≦n) +h(m)U(n+1−j) このことにより、第5図のフロー・チャートに従えば
HC1のみを通常の行列−ベクトル積演算で求め、HCj(Z
≦j≦n)はHCj-1より再帰的に求めることが可能であ
るので必要な演算回数は、{K・(K+1)/2+K・
(n+1)}に削減される。一般的に用いられるk=4
0,n=1024の場合には、41740回の乗算となる。また、フ
ロー全体においては250796回となり、第8図のフローチ
ャートによるものの24%程度の計算量となり、入力音声
のサンプリング周波数が8KHzの時には12.5MIPS程度の乗
算で済む。
また逆にコード・ベクトルを長さn+K−1の1ケの
白色雑音系列の前方から1サンプルだけシフトして長さ
kのサンプルを切り出したものとすることが可能である
が、その際には個々のjに対してHCjを再帰的に求める
にはK(K+1)/2+(2K−1)(n−1)回の乗算を
必要とし、上述のものより(K−1)(n−1)回の乗
算が余分に必要となる。また、本方式によるコード・ブ
ック探索は第1回のピッチ予測の閉ループ化あるいは適
応コード・ブックと呼ばれるCELPのみでなく第7図の構
成のCELPにおいても(10)式のHのh(i)を(4)式
によるH(Z/γ)に置き換えることにより可能である。
また、第1図に於て、レジスタ110から与えられるピ
ッチ周期を自己相関法などの公知の方法によりフレーム
単位で求め波形結合器130に与えることもできる。この
場合の実施例に係る音声符号化方式の原理的構成を示す
ブロック図を第6図に示す。更に、ピッチ周期jがK未
満である時に波形結合器130の処理として、零ベクトル
を過去の駆動信号ベクトルeに結合し、それから駆動信
号ベクトルを作成することもできる。この場合は、更に
計算量を減らすことができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、閉ループある
いは適応コード・ブックと呼ばれるピッチ予測におい
て、駆動信号行列をテプリッツ行列とし、その特性を利
用することにより、フィルタ演算を再帰的に求めること
ができ、またコード・ブックの探索においてコード・ブ
ック行列をテプリッツ行列とすることにより、フィルタ
演算を再帰的に求めることができるので計算量が削減さ
れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図,第2図は
本発明の実施例を説明するための図,第3図は本発明の
一実施例の計算手段を説明するためのフローチャート,
第4図は本発明の一実施例を説明するための図,第5図
は本発明の一実施例の計算手段を説明するためのフロー
チャート,第6図は本発明の他の実施例を示すブロック
図,第7図は従来の技術を説明するためのブロック図,
第8図は従来の技術を説明するためのブロック図,第9
図は従来の計算手段を説明するためのフローチャート,
第10図及び第11図は従来の計算手段を説明するためのフ
ローチャートである。 1,101……入力端子,2,102……ブロック切出し部, 3……出力端子,4,104……LPC分析部, 5,105……重み付けフィルタ,6……出力端子, 7,107,109,114……LPC合成フィルタ, 8……出力端子,9……LPC合成フィルタ, 10……出力端子,11……出力端子, 12,112……駆動信号部,13,116……遅延器, 14……LPC合成フィルタ,15……出力端子, 16……出力端子,17,117……コード・ブック, 18……出力端子,19,119……2乗誤差計算部, 20,120……最小歪探索部,103……ピッチ分析部, 106,131,132……加算器,21……ピッチ分析部, 22……ゲイン・パラメータ, 23……ピッチ合成フィルタ部,24……出力端子, 25……ピッチ合成・フィルタ部, 26……2乗距離歪による評価部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00 - 19/14 H03M 7/30 H04B 14/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LPC分析部、駆動信号コードブック、探索
    部、LPC合成フィルタを備える音声符号化装置であっ
    て、 LPC分析部は、入力音声ベクトルからLPCパラメータを抽
    出し、そのインパルス応答h(i)(ただしi=1〜
    K)を生成し、 駆動信号コードブックは、過去に探索部が決定した駆動
    信号ベクトルE E=(e(−b),e(−b+1),…e(−1)) を記憶し、 探索部は、駆動信号ベクトルEの部分系列を要素とする
    駆動信号ベクトルBj Bj=(e(−j),e(−j+1),…e(−j+K−
    1))(ただしjはピッチ周期) を読み出すと共に、LPC合成フィルタの求める合成信号H
    Bjと、入力音声ベクトルに基づく目標ベクトルとの誤差
    を最小とする駆動信号ベクトルBjを決定し、 LPC合成フィルタは、インパルス応答h(i)を要素と
    し、対角要素が同じ行列 と駆動信号ベクトルBjとの積である合成信号HBj HBj=(Vj(1),Vj(2),…Vj(K)) の要素Vjを Vj(1)=h(1)e(−j) Vj(m)=Vj-1(m−1)+h(m)e(−j)(但し
    m=2,3,…K) なる再帰的演算により求めることを特徴とする音声符号
    化装置。
  2. 【請求項2】LPC分析部、駆動信号コードブック、探索
    部、LPC合成フィルタを備える音声符号化装置であっ
    て、 LPC分析部は、入力音声ベクトルからLPCパラメータを抽
    出し、そのインパルス応答h(i)(ただしi=1〜
    K)を生成し、 駆動信号コードブックは、過去に探索部が決定した駆動
    信号ベクトルE E=(e(−b),e(−b+1),…e(−1)) を記憶し、 探索部は、駆動信号ベクトルEの部分系列を要素とする
    駆動信号ベクトル Bj=(bj(1),bj(2),…bj(K−1),bj(K))
    (ただしjはピッチ周期。また、 Bj-1=(bj-1(1),bj-1(2),…bj-1(K−1),b
    j-1(K)) より、Bj-1の要素を用いてBjを表現すると Bj=(bj(1),bj-1(1),…bj-1(K−2),b
    j-1(K−1))) なるBjを読み出すと共に、LPC合成フィルタの求める合
    成信号HBjと、入力音声ベクトルに基づく目標ベクトル
    との誤差を最小とする駆動信号ベクトルBjを決定し、 LPC合成フィルタは、インパルス応答h(i)を要素と
    し、対角要素が同じ行列 と駆動信号ベクトルBjとの積である合成信号HBj HBj=(Vj(1),Vj(2),…Vj(K)) の要素Vj(m)(但しm=2、3、…K)を、要素Vj-1
    (m−1)の演算結果を用いて再帰的に求めることを特
    徴とする音声符号化装置。
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