JP3111933B2 - 生体内ダイポール推定精度評価装置 - Google Patents
生体内ダイポール推定精度評価装置Info
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Description
に、脳内の活動部位をダイポールとして推定した際に、
その推定精度を定量的に評価する装置に関する。
電磁場分布から脳内の活動部位を推定する場合、得られ
た推定結果の精度を評価する方法として、以下のような
方法が知られていた。頭皮上電磁場分布の計測値と理論
値の差の二乗をすべての観測点について総和を取り、そ
の総和を計測値の二乗和で除すことによって得られる正
規化二乗誤差を使って推定精度を評価していた。
た生体内ダイポール推定精度評価装置では、モデルの適
合度を与えるだけで、その信頼性までは評価できない。
例えば、深部に推定されたダイポールに対しては、特
に、信頼性が問題になるが、正規化二乗誤差ではその信
頼性を定量的に評価することができない。更に、複数の
ダイポールを推定する場合には、ダイポール間の距離が
いくら短くても、それらを1つのダイポールと見倣すべ
きかどうかの判断材料を定量的に与えることができなか
った。
めのものであり、順問題の解を与える式を利用して、推
定されたダイポールの統計的な信頼領域を計算する。利
用する順問題の解が特殊な形をしているので、信頼領域
の計算が非常に簡単であり、ダイポールが推定されると
即座にその信頼領域の算出を可能とする生体内ダイポー
ル推定精度評価装置を提供することである。
ル推定精度評価装置は、生体内組織、特に、脳内の活動
部位をダイポールとして推定した際に、活動部位の推定
精度を評価する生体内ダイポール推定精度評価装置にお
いて、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直
交座標系(x、y、z)のx−z平面上にダイポールが
位置し、始点がz軸上にある場合の電位値として計算す
るx−z平面ダイポール順問題解析手段と、x−z平面
ダイポール順問題解析手段により求められた電位分布の
理論値と頭皮上で実際に観測された計測値の差の二乗和
が最小となる、ダイポールの位置とモーメントを推定す
るx−z平面ダイポール逆問題解析手段と、x−z平面
ダイポール順問題解析手段で利用された計算式を使っ
て、電位値の、ダイポールの位置パラメータの動径成分
に関する1階偏微分を求め、微分された式にx−z平面
ダイポール逆問題解析手段で得られたダイポールパラメ
ータの最適値を代入し、微分した式の値を各電極位置に
ついて求めるx−z平面ダイポールJacobian行
列算出手段と、x−z平面ダイポールJacobian
行列算出手段により得られた行列成分を電極位置に関し
て総和を取り、推定されたダイポールの数を次元とする
正方行列を算出し、正方行列に固有値分解を施すx−z
平面ダイポールJacobian行列積固有値分解解析
手段と、x−z平面ダイポールJacobian行列積
固有値分解解析手段で得られた固有値と固有ベクトル、
及びχ 2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、
推定されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕
円体を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構
成手段と、x−z平面ダイポールJacobian行列
積固有値分解解析手段で得られた固有値と固有ベクト
ル、及びχ 2 分布の95%あるいは99%点の値を使っ
て、推定されたダイポールパラメータの信頼限界を算出
するダイポールパラメータ信頼限界算出手段と、を有す
ることを特徴とする。
式のダイポールパラメータに関する1階偏微分に基づい
て、推定されたダイポールの統計的な信頼領域を計算す
ることにある。順問題の解法にはx−z平面に位置する
ダイポールを利用するので、各ダイポールについて信頼
領域を計算する場合、その推定精度が最も重要となる動
径成分のみに関する1階偏微分だけを計算すれば良いの
で、計算が非常に簡単であり、複数及び深部に推定され
たダイポールの信頼性を定量的にしかも即座に評価する
ことができる。
度評価装置の一実施例を図1に示す。同図に示すよう
に、本発明の生体内ダイポール推定精度評価装置は、脳
電位データを得るために、頭皮上に装着される複数個の
脳波センサ(電極)10と、ダイポールが作る頭皮上の
電位分布を、3次元直交座標系(x、y、z)のx−z
平面上にそのダイポールが位置し、始点がz軸上にある
ような場合の電位値として計算するx−z平面ダイポー
ル順問題解析部11と、x−z平面ダイポール順問題解
析部11で求まった電位分布の理論値と頭皮上で実際に
観測された計測値の差の二乗和が最小となるように、ダ
イポールの位置とモーメントを推定するx−z平面ダイ
ポール逆問題解析部12と、x−z平面ダイポール順問
題解析部11で利用された計算式を使って、電位値の、
ダイポールの位置パラメータ、特に動径成分に関する1
階偏微分を求め、微分された式にx−z平面ダイポール
逆問題解析部12で得られたダイポールパラメータの最
適値を代入し、微分した式の値を各電極位置について求
めるx−z平面ダイポールJacobian行列算出部13と、
x−z平面ダイポールJacobian行列算出部13で得られ
た行列成分を電極位置に関して総和を取り、推定された
ダイポールの数を次元とする正方行列を算出し、その正
方行列に固有値分解を施すx−z平面ダイポールJacobi
an行列積固有値分解解析部14と、x−z平面ダイポー
ルJacobian行列積固有値分解解析部14で得られた固有
値と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99
%点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの
信頼領域を与える楕円体を構成するダイポールパラメー
タ信頼領域楕円体構成部15と、x−z平面ダイポール
Jacobian行列積固有値分解解析部14で得られた固有値
と固有ベクトル、及びχ2 分布の95%あるいは99%
点の値を使って、推定されたダイポールパラメータの信
頼限界を算出するダイポールパラメータ信頼限界算出部
16を有している。
する。
ば、Ag/AgCl皿電極を複数個頭皮上に装着したり、ある
いは、Electro-Cap (ECI社(米国)製)を被験者の
頭部にかぶせたりして、頭皮上の複数点で同時計測され
た脳電位を増幅する生体信号アンプ、例えば、NECメ
デイカルシステムズ(株)製 Biotop 6R-12、の構成に
より、脳波波形のアナログ信号が得られる。このアナロ
グ信号はA/D変換器、例えば、カノープス電子(株)
製A/Dコンバータボード ADXM-98A 、によってデジタ
ル信号に変換され、記憶媒体、例えば、日本電気(株)
製パーソナルコンピュータ PC-9821Xt内のハードディス
クに格納される。また、ダイポール推定に必要な電極位
置データは、生体の外表面に固定された磁場発生器とそ
の磁場を検知する磁気センサにより、簡単に計測するこ
とができる。
析部11及びx−z平面ダイポール逆問題解析部12へ
入力されるデータとして、多チヤネル脳波データ10
1、電極位置データ102を仮定する。
ダイポールを推定する生体内ダイポール推定装置とし
て、例えば、 NECメディカルシステムズ(株)製ダ
イポールソフト「Syna Point」(登録商標)を利用する
ことができる。
頭皮上の電位分布の理論値を計算する「順問題」と、計
測値と理論値の差が最小になるようにダイポールパラメ
ータを最適化する「逆問題」を解かなければならない。
そこで、以下では、「順問題」の解法と「逆問題」の解
法に分けて説明する。
例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-
9821Xtは、電極位置データ102を利用して、以下のよ
うに順問題を解く。
球が仮定され、l 番目のダイポールの位置とモーメント
が、それぞれ、
系(x、y、z)のx−z平面内に位置し、その始点が
z軸上にある場合、極座標表現された電極位置(R、
θ、ψ)に作る電位φ
は、それぞれ、Legendre関数とLegendreの随伴関数であ
り、
脳、頭蓋骨の外側に相当する同心球の半径、σ1 は脳と
頭皮の導電率、σ2 は頭蓋骨の導電率とし、 f1 ≡R1 /R、f2 ≡R2 /R、ξ≡σ2 /σ1 (4) とした、尚、(x、y、z)と(R、θ、ψ)の関係及
びダイポールモデルは図2と、3層同心球の頭部モデル
(R、R1 、R2 、σ1 、σ2 の意味)は図3、をそれ
ぞれ参照することにより理解される。
例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュータ PC-
9821Xtは、前記x−z平面ダイポール順問題解析部11
で得られた脳電位の理論値と多チヤネル脳波データ10
1を利用して、以下の手順に従って逆問題を解く。
る。最適化には繰り返し演算が伴うが、演算を開始する
ためには初期値が必要である。この初期値とは、正し
く、ダイポールの位置とモーメントであり、例えば、乱
数発生により、Nasion座標系(3次元直交座標
系)の中にダイポールを配置させる。
り、x−z平面上に移動させる(ダイポールの始点はz
軸上)。
せる(電極位置データ102を変換させる)。移動した
電極位置における電位値を、前記x−z平面ダイポール
順問題解析部11を使って、計算する。
1、・・・・、I)(Iは電極数)と計測値
上記の手順2〜4を行ない、正規化二乗誤差が最小とな
るまで、こうした手順を繰り返す。尚、パラメータ値を
ずらす方法として、例えば、Gauss-Newton法と最急降下
法を混合したPowellのhibrid法を利用することができ
る。
の値(動径成分のみ)121をr0 *k(k=1、・・・、
L)とする。
算出部13、例えば、日本電気(株)製パーソナルコン
ピュータ PC-9821Xtは、x−z平面ダイポールに関する
Jacobian行列の成分を以下のようにして算出する。
ール順問題解析部11のように与えられ、評価すべき推
定精度をダイポールの位置に限定すると、(2)式から
明らかなように、変数と見倣せるダイポールパラメータ
はr0 のみであるから、得られる推定精度はダイポール
の動径方向のみに限ることができる、この時、(2)式
のダイポールパラメータに関する1階偏微分はr0 に関
する1階偏微分
非常に類似している。即ち、上式と(2)式の右辺の無
限級数の各項は(n−1)/r0 だけが異なるのみであ
る。
タにおけるx−z平面ダイポールに関するJacobian行列
の各成分の値131は、各軍極位置(Ri 、θi 、ψ
i )(i=1、・・・・、I)に対して、
ことになる。
積固有値分解解析部14、例えば、日本電気(株)製パ
ーソナルコンピュータ PC-9821Xtは、
(k、l=1、2、・・、L)を算出し、その行列積に固
有値分解を施す。但し、Ailは前記x−z平面ダイポー
ルJacobian行列算出部13で得られた行列の成分、Lは
所定の時刻で同時推定されたダイポールの数である。ま
た、Bklは定義から明らかなようにL次の対称正方行列
となる。例えば、推定されたダイポールの数が4の場
合、行列積Bは
クトルを、それぞれ、 βk 、υk (k=1、・・・、L) とおく。但し、υk ≡(υk1 ,・・・,υkL)T とする。
体構成部15、例えば、日本電気(株)製パーソナルコ
ンピュータ PC-9821Xtは、以下のようにして、推定され
たダイポールパラメータの信頼領域を算出する。
頼領域は楕円体
Bkl、p2 は自由度Lのχ2分布の99(あるいは9
5)%点である。更に、前記x−z平面ダイポールJaco
bian行列積固有値分解解析部14で得られた行列Bの固
有値βk と対応する固有ベクトルυk 141を利用すれ
ば、
体であり、その軸の半分はpβk -1υk (k=1、・・・、
L)となる。
部16、例えば、日本電気(株)製パーソナルコンピュ
ータ PC-9821Xtは、前記x−z平面ダイポールJacobian
行列積固有値分解解析部14で得られた行列Bの固有値
βk と対応する固有ベクトルυk 142を利用して、真
のダイポールパラメータに対する信頼限界を以下のよう
にして算出する。
16で得られた信頼限界を利用すると、図4のように得
られたダイポールの推定精度を視覚的に捉えることがで
きる。
の推定精度及び推定結果の信頼性を定量的に表現でき、
しかも視覚的に把握することができる。本発明の特長
は、順問題の解法にx−z平面内に位置するダイポール
を利用することにある。これにより、推定精度が最も問
題となるダイポール位置の動径成分に対する信頼領域及
び信頼限界の算出に演算を留めることができるので、デ
ータ解析が簡単でそれに要する時間も短縮できる。例え
ば、4つのダイポールの推定精度を調べる場合、本発明
では4次の正方行列の固有値分解だけで済むが、従来の
装置ではダイポールパラメータすべて(ダイポールの位
置に関して3つ、ダイポールのモーメントに関して3
つ)の信頼領域を計算するためには24(=4×6)次
の正方行列の固有値分解を行なわなければならず、本発
明ではデータ解析に要する時間が大幅に短縮できる。本
発明により、複数及び深部に推定されたダイポールの信
頼性を、定量的にしかも即座に評価することができる効
果がある。
座標系(R、θ、ψ)の関係とダイポールモデルを例示
した図。
た図。
分解解析部 15 ダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成部 16 ダイポールパラメータ信頼限界算出部 101 多チヤネル脳波データ 102 電極位置データ 111 順問題の解を与える式に関するデータ 121 ダイポールパラメータの推定結果に関する
データ 131 Jacobian行列の成分に関するデータ 141 固有値と対応する固有ベクトルに関するデ
ータ 142 固有値と対応する固有ベクトルに関するデ
ータ
Claims (1)
- 【請求項1】 生体内組織、特に、脳内の活動部位をダ
イポールとして推定した際に、活動部位の推定精度を評
価する生体内ダイポール推定精度評価装置において、ダイポールが作る頭皮上の電位分布を、3次元直交座標
系(x、y、z)のx−z平面上にダイポールが位置
し、始点がz軸上にある場合の電位値として計算するx
−z平面ダイポール順問題解析手段と、 前記x−z平面ダイポール順問題解析手段により求めら
れた電位分布の理論値と頭皮上で実際に観測された計測
値の差の二乗和が最小となる、ダイポールの位置とモー
メントを推定するx−z平面ダイポール逆問題解析手段
と、 前記x−z平面ダイポール順問題解析手段で利用された
計算式を使って、電位値の、ダイポールの位置パラメー
タの動径成分に関する1階偏微分を求め、微分された式
に前記x−z平面ダイポール逆問題解析手段で得られた
ダイポールパラメータの最適値を代入し、微分した式の
値を各電極位置について求めるx−z平面ダイポールJ
acobian行列算出手段と、 前記x−z平面ダイポールJacobian行列算出手
段により得られた行列成分を電極位置に関して総和を取
り、推定されたダイポールの数を次元とする正方行列を
算出し、前記正方行列に固有値分解を施すx−z平面ダ
イポールJacobian行列積固有値分解解析手段
と、 前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有
値分解解析手段で得られた固有値と固有ベクトル、及び
χ 2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定
されたダイポールパラメータの信頼領域を与える楕円体
を構成するダイポールパラメータ信頼領域楕円体構成手
段と、 前記x−z平面ダイポールJacobian行列積固有
値分解解析手段で得られた固有値と固有ベクトル、及び
χ 2 分布の95%あるいは99%点の値を使って、推定
されたダイポールパラメータの信頼限界を算出するダイ
ポールパラメータ信頼限界算出手段と、 を有することを特徴とする生体内ダイポール推定精度評
価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09197126A JP3111933B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 生体内ダイポール推定精度評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09197126A JP3111933B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 生体内ダイポール推定精度評価装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1133008A JPH1133008A (ja) | 1999-02-09 |
JP3111933B2 true JP3111933B2 (ja) | 2000-11-27 |
Family
ID=16369182
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09197126A Expired - Fee Related JP3111933B2 (ja) | 1997-07-23 | 1997-07-23 | 生体内ダイポール推定精度評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3111933B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11712189B2 (en) | 2019-10-30 | 2023-08-01 | Ricoh Company, Ltd. | Dipole group quantification method and dipole group display system |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4876988B2 (ja) * | 2007-03-13 | 2012-02-15 | 日本電気株式会社 | ブレイン・コンピュータ・インタフェース装置 |
-
1997
- 1997-07-23 JP JP09197126A patent/JP3111933B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11712189B2 (en) | 2019-10-30 | 2023-08-01 | Ricoh Company, Ltd. | Dipole group quantification method and dipole group display system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1133008A (ja) | 1999-02-09 |
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