JP3107327B2 - 身体装着品における耐摩耗構造並びにこれを使用した靴 - Google Patents
身体装着品における耐摩耗構造並びにこれを使用した靴Info
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Description
身体装着品に係わり、地面やその他との接触で切損ない
し減耗し易い部位に耐摩耗性を付与する、身体装着品に
おける耐摩耗構造と、この耐摩耗構造を適用した靴に関
するものである。
ニスシューズでは、長年の使用の間に、その爪先の皮革
が傷付き毛羽立つてきたり、擦り減ってくる。また、ス
ケート靴にあっては、左右の靴のインサイド同士が衝接
して擦り減る。ビジネスシューズでは、例えば長時間ド
ライバーの靴の踵部分がアクセルやブレーキングの際の
床との衝接で擦り減る。この他、ライダーウエアー、各
種競技用のエルボパットやニーパット、野球のレガース
等にあっても、地面等との衝接により、一部部位が周囲
と比べて著しく早く減耗する。
る減耗の著しい部分には、比較的耐摩耗性のある天然皮
革や人工皮革、更には樹脂板や金属板等が用いられてき
た。しかし、人工皮革にしても減耗は避けられず、また
減耗の結果、その表面スキン層が剥されてしまうため、
外観が悪くなるばかりか、雨水が吸収され易くなり、ま
た皮革オイルやワックス掛けがし難くなる。そうかと言
って、金属板を設けたのでは、耐摩耗性は格段に向上す
るものの、重くなり勝ちになるのは勿論、金属板の端面
で本体を切損してしまう危険があり、また本体変形に追
従できないと云う決定的な欠点を有していた。また、樹
脂板でも、地面等との衝接の際の摩擦熱で融けてしまう
減耗は避けられなかった。
鑑みなされたものであって、上記のような身体装着品に
おける摩耗をガードしたい部位の耐摩耗性を向上し、そ
れでいて周囲も切損することがなく、場合によっては意
匠性をも高めることのできる、身体装着品における耐摩
耗構造、並びにこれを適用した靴を提供しようとする。
体装着品における耐摩耗構造は、身体装着品における摩
耗ガード部位に硬質材が溶射されて成る溶滴層が被着し
てあることを特徴とするものである。
における摩耗ガート部位に硬質材が溶射されて成る溶滴
層が被着してあることを特徴とするものである。これら
発明によって前記目的を達成しようとするものである。
た溶滴層は、硬質材が溶射により微細な溶滴となって飛
翔し、その溶滴の積層として構成されるので、硬く、多
孔質的である。このため、該部位の耐摩耗性は向上さ
れ、運動による応力にも該部位と一体となって変形追従
でき、周囲も切損しない。
来の機能は何等損なわれることなく、摩耗ガード部位の
耐摩耗性が向上する。また、溶滴層が金属光沢を示すの
ではなく、梨地調で、硬くざらざらした表面感触を示す
ため、特異な外観を呈し、靴に新たな意匠性をも生じさ
せる。
並びに靴を、サッカーシューズ並びに野球のレガースと
して説明する。図1は本発明の身体装着品における耐摩
耗構造を適用した靴の一例としてのサッカーシューズ1
であって、このものは大きくアッパー部2とソール部3
とからなり、アッパー部2には、ベロや紐、各種の補強
等を目的としたストライプ類が縫着されている他、爪先
部分にはトウガード4が、踵部分にはヒールガード5が
設けられている。このトウガード4とヒールガード5
は、天然皮革たる牛革により構成されている。
ー部2におけるトウガード4及びヒールガード5に対し
て硬質材が溶射されて成るので、次に、本発明における
溶射について説明する。溶射とは、ワイヤーやロッド状
の線形材料や粉末材料を高温で融かして被処理物へと溶
滴として吹き付け、被処理物の表面にその溶滴の積層た
る皮膜を形成する技術であり、主に金属の防錆処理手段
として知られている。この溶射には、材料を溶融させる
手段の別で、フレーム式、アーク式、プラズマ式等の各
種形式があり、また、その際の材料形態の別により、ワ
イヤー式、ロッド式、粉末式等に細分される。本発明に
おいてはそれらの何れも施用可能であるが、本実施例で
はサッカーシューズ1のアッパー部2におけるトウガー
ド4及びヒールガード5の材質からして、比較的溶滴温
度の低いフレーム式溶射法により行った。その際には、
燃料ガス、酸素、圧縮空気等の圧力や流量を調整して溶
滴粒径やパス回数等を調節して行う。また、その施行方
式としては、据置式のものと、手動式のものとがあり、
据置式のものによれば大量生産が可能となり、手動式の
ものによれば現場作業が可能となる。
鉛、アルミニウム、及びこれらの合金を始め、炭素鋼、
低合金鋼、ステンレス鋼、ハビット、モリブデン、黄
銅、真鍮、アルミ青銅、マンガン青銅、銅、ニッケルア
ルミナイト、モネル、ニッケル、錫、鉛、ハンダ、ウッ
ド合金等の各種金属類及びセラミックス等が使用でき、
これらは相対的にトウガード4及びヒールガード5のよ
うな身体装着品における摩耗ガード部位の材質より一般
的に硬いため、そのほとんどが本発明における硬質材と
して使用できる。なお、その中でも、溶滴温度、溶滴層
として被着させた後の錆の発生、溶滴層の色沢等外観、
付着強度、コスト等の兼ね合いを検討して選ばれる。な
お、身体装着品における摩耗ガード部位に対して直接こ
れら硬質材を溶射してもよいが、直接では付着ないし密
着強度が不足するときは、事前にプライマー等を塗布し
たり、ブラストしたりして改善するのがよく、また、異
なる材料による溶滴層を重ねるなどの工夫もしてよい。
ード4及びヒールガード5に対して硬質材としての真鍮
が溶射され、そのそれぞれの要部に溶滴層4a、5bが
被着して成る。
材の溶射は、製靴する前の部品段階におけるトウガード
並びにヒールガードの裁断皮革に対して行ってもよい
が、製靴工程ではそれが折り曲げられたり、湾曲された
りするので、実施例では製靴した後に行うようにした。
すなわち、図1の二点鎖線で示すように、サッカーシュ
ーズに溶射装置ヘッドHを対向させ、トウガード4に対
して、その要部以外をマスクMで覆いつつ、多少その溶
射装置ヘッドHを振りながら万遍なく溶射した。この
際、そのマスクMが、トウガード4の要部に密着せず多
少離れてマスキングすると、溶滴が周囲にも漏れ、グラ
デェーションを付けたように溶滴層を被着できる。ま
た、これを密着して行うと、周囲との見切りが付き、明
確な溶滴層として被着できる。なお、マスキングは図示
のごとくマスクMで覆う他、その周囲を直接テーピング
したり、後に除去可能な水溶性塗料等を塗布したりの適
宜な手法が採れるが、必ずしもマスキングする必要もな
い。このとき、硬質材たる真鍮は溶射により微細な溶滴
6となって飛翔し、その溶滴6の積層として溶滴層4a
並びに溶滴層5aが形成される。このため、その溶滴層
4a、5aは多孔質的となり、その表面は金属光沢を示
すのではなく、梨地調で、硬くざらざらした表面感触を
示す。なお、この溶滴層4a、5aが厚過ぎると、着地
時や蹴球ないし蹴地時に、爪先部や踵部の変形に追従で
きず、脆く剥離してしまう等の危険もあるため、トウガ
ード4並びにヒールガード5の材質や弾力性、またその
部位の変形程度等を考慮して適度な厚さの層として被着
するのが望ましい。
1は、重量的には金属板を当着する程ではなく従来と同
様な変形も可能であるため、従来のサッカーシューズと
全く同一の感覚で使用できる。それでいて従来の皮革類
に比べて硬く表面コートされた状態となっているため、
それら部位における耐摩耗性は向上し、長時間の使用に
も、それらガードの牛革までが切損、減耗されるのは極
力避けられ、爪先部や踵部から雨水を吸収してしまい、
靴の中がグジャグジャ、ジメジメすることも回避され
る。また、この溶滴層4a、5aの梨地調の外観とその
周囲のコントラストにより、特異な外観となり、新たな
意匠のサッカーシューズ1としても提供できる。しか
も、このサッカーシューズ1は、従来の工法に何等変更
を要せず、単に従来工程に上記のような簡単な工程を追
加するだけで得られるため、コスト的にも安く得られ
る。
構造の他の実施例として、野球のレガース7に適用した
ものである。このレガース7は、大きく、膝部当て板7
1、臑部当て板72、及び甲部当て板73の三枚の樹脂
板を裏面の織布8にて連結して成り、当て板にその一端
が固定されたゴムバンド9にて締め付けて、足の臑辺り
に装着できるようになっている。これら当て板71、7
2、73は何れも半硬質ないし硬質の合成樹脂板から成
っており、本実施例では地面と接触する機会の最も多い
膝部当て板71の突出部に溶滴層7aが被着してあり、
前記実施例と同様な効果が得られる。
ガース7について説明したが、本発明はこれらに限ら
ず、例えば、靴のソール部、具体的には、ビジネスシュ
ーズにおける踵部接地面に施用して、従来の金属鋲のよ
うなコツコツした金属衝接音を立てることなく、該部位
の減耗を軽減したり、ゴルフシューズ、サッカーシュー
ズ、ラクビーシューズ等におけるスパイクやスタッド面
に対して施用して、その耐摩耗性を向上する。その場
合、スパイクやスタッドがセラミックス製やアウターソ
ールと一体の硬質ないし半硬質の合成樹脂製であるとき
には、全面に或いはマスキングして要部に溶滴層を被着
すれば、被着した部位の耐摩耗性が向上するのは勿論で
あるが、「やはりこれらの突起は金属製でなければ駄目
だ」と云う固定観念を持った購買層にも受け入れ易くな
るという、意匠、外観による心理的作用を通した購買力
喚起という副次的効果も生まれる。勿論、これら靴類に
限らず、地面等と衝接する機会の多い、ウエアー、プロ
テクター、パット、サポーター等に施用できること勿論
である。
質が牛革並びに合成樹脂として説明したが、本発明の摩
耗ガード部位の材質としては何かに格別限定されるもの
でなく、天然皮革をはじめ、人工皮革、不織布、天然ゴ
ム、ブタジエンゴム等の各種ゴム類、ポリエチレン、ポ
リウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビリニデン、ボリアミド6、ボリアミド66、ポリカ
ーボネート、ポリイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エボキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等、各種の熱可塑性、
熱硬化性の樹脂、及びそれらの変性、複合の充実無垢の
ものから発泡状のものなどに対して、硬質材及び溶射条
件等を調節して適用できるものである。
ガードしたい部位の耐摩耗性が向上でき、長時間の使用
にも該部位の減耗が避けられる。また、運動による応力
にも該部位と一体となって変形追従することができ、周
囲を切損することもなく、従来品と同一感覚で使用でき
る。また、場合によっては、溶滴層により外観に変化を
持たせ、その意匠性を高めることも可能であり、しか
も、比較的安く製造することができる。
るサッカーシューズの側面図である。
施例たるレガースを装着した状態を示す斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】身体装着品における摩耗ガード部位に硬質
材が溶射されて成る溶滴層が被着してあることを特徴と
する身体装着品における耐摩耗構造。 - 【請求項2】靴における摩耗ガード部位に硬質材が溶射
されて成る溶滴層が被着してあることを特徴とする靴。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04127878A JP3107327B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 身体装着品における耐摩耗構造並びにこれを使用した靴 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP04127878A JP3107327B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 身体装着品における耐摩耗構造並びにこれを使用した靴 |
Publications (2)
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JPH05285004A JPH05285004A (ja) | 1993-11-02 |
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ID=14970879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04127878A Expired - Fee Related JP3107327B2 (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 身体装着品における耐摩耗構造並びにこれを使用した靴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3107327B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1324452A2 (en) | 2001-12-17 | 2003-07-02 | Yazaki Corporation | Overcurrent protection circuit |
JP7033505B2 (ja) | 2018-06-21 | 2022-03-10 | 株式会社日立産機システム | 誘導電動機の過熱監視方法、誘導電動機監視装置、および誘導電動機の制御システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2004286727A1 (en) * | 2003-11-07 | 2005-05-19 | Skirrow, Felicity Beth | Improvements in and relating to shoes |
US10136695B2 (en) | 2013-02-26 | 2018-11-27 | Nike, Inc. | Footwear upper having selectively located padding |
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1992
- 1992-04-03 JP JP04127878A patent/JP3107327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1324452A2 (en) | 2001-12-17 | 2003-07-02 | Yazaki Corporation | Overcurrent protection circuit |
JP7033505B2 (ja) | 2018-06-21 | 2022-03-10 | 株式会社日立産機システム | 誘導電動機の過熱監視方法、誘導電動機監視装置、および誘導電動機の制御システム |
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JPH05285004A (ja) | 1993-11-02 |
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