JP3104831B2 - 集積型光デバイス及びそれを用いた光通信ネットワーク - Google Patents

集積型光デバイス及びそれを用いた光通信ネットワーク

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JP3104831B2
JP3104831B2 JP05352709A JP35270993A JP3104831B2 JP 3104831 B2 JP3104831 B2 JP 3104831B2 JP 05352709 A JP05352709 A JP 05352709A JP 35270993 A JP35270993 A JP 35270993A JP 3104831 B2 JP3104831 B2 JP 3104831B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光通信などに用いられる
集積型光デバイス、特に集積型光分岐合流器に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信、特に光ローカルネットワーク
(光LAN)に用いられるデバイスのうち、光分岐合流
器或は分波合波器はシステム仕様を決定するキーデバイ
スの一つである。
【0003】光分岐合流デバイスの例として、Ermanら
の"Mach-Zehnder Modulators and Optical Switches on
III-V Semiconductors"(Journal of Lightwave Techno
logy,vol.6,No.6, pp.837-846,1988)がある。図15は
それを説明する平面図、図16は入出力ポートを形成す
る光導波路の断面図である。図15において、61は入
力ポートであり、62及び63は出力ポートである。入
力ポート61に入力された光は、ビームスプリッタ64
によって2つの出力ポート62、63に分岐される。図
16において、73はコア層であり、n+−Ga As基
板71上に積層されたクラッド層72に形成された溝7
7によって横方向の有効屈折率を作り付け、横モードを
安定化している。74、75、76は夫々コア層73上
に形成されたn型Al0.5Ga0.5As層、n型Al0.1
Ga0.9As層及びp型GaAs層である。ビームスプ
リッタ部64の構造は、この光導波路に光の進行方向に
対して45°の角度で深さがコア73の途中で止まる様
な垂直な溝と、全反射ミラーとなる側面からなってい
る。その結果、ポート61から入射した光のうち、ポー
ト62への分岐はその全反射ミラーによって、またポー
ト63の方向への分岐は深さ方向の波面分割によって行
われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の構成にはいくつかの大きな欠点がある。第1に、フェ
イルセイフが考慮されていない。第2に、挿入損補償が
なされていない。第3に、コストパフォーマンス及び拡
張性が低い。第4に、所望の分岐比を得るには極めて高
い製作精度が必要とされる。
【0005】ネットワーク上に配置されるデバイスに対
しては、そのデバイスそのもの、それにつながる端局或
は端末装置に何等かの障害が起きた場合、ネットワーク
に影響を与えないようトラブルを自動的に回避する機
能、いわゆるフェイルセイフが図れることが望ましい。
しかし、これは上記のデバイス構成では不可能である。
このフェイルセイフ機能や分岐比可変機能を実現するた
めに、他のデバイス、例えば通常の光スイッチを設ける
ことが考えられるが、これは外付けにせざるを得ないた
め、集積化の長所が失われ、拡張性がなくなるだけでな
く、大型化、コスト高を招く。また、光分岐による損失
補償のためにも別のデバイス例えば光アンプが必要にな
るため、更にデバイス構成は複雑とならざるを得ない。
【0006】更に、ネットワークの柔軟性や発展性を上
げるには、光ネットワーク上に配置される光分岐合流器
の分岐比が可変であることが有利である。
【0007】
【発明の目的】本発明は以上の欠点を鑑みて考案された
もので、フェイルセイフ機能と分岐比可変機能を持ち、
安価で信頼性の高い光分岐合流器などの集積型光デバイ
ス及びそれを用いた光通信ネットワークを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、第1導
電型の半導体基板上に、少なくとも、第1導電型の第1
クラッド層、第1コア層、第2導電型の第2クラッド
層、第2コア層及び第1導電型の第3クラッド層を積層
した二重光導波路構造を有する導波型光デバイスであっ
て、導波方向に複数領域に分割されているとともに、該
分割領域のうち少なくとも1つの領域では、前記二重光
導波路構造中に、導波方向に対し周期的に屈折率を変調
する機構と、均一に屈折率を変調する機構とを同時に有
し、両者の組み合わせにより、前記二重光導波路を伝播
する光の電界分布を制御することを特徴とする集積型光
デバイスである。
【0009】また、前記周期的に屈折率を変調する機構
を有しない領域のうち少なくとも1つの領域には、前記
二重光導波路の一方の導波光の全てを外部に出力する機
構(光スプリッタ)や、前記二重光導波路の一方の導波
光を光増幅する機構(光アンプ)を有することを特徴と
する集積型光デバイスである。
【0010】また、屈折率を変調する機構が、pn接合
に対しキャリアを選択的に注入することであったり、逆
バイアスを印加することであることを特徴とする。光ネ
ットワークへの具体的な応用例としては、上記集積型光
デバイスが複数の端局を有するバス型の光伝送路上に配
置され、キャリア非注入時には、入射光がそのまま出力
されるフェイルセイフ機能により、ネットワークに支障
をきたさないことを特徴とする光通信ネットワークがあ
る。また、上記集積型光デバイスが複数の端局を有する
リング型の伝送路上に配置され、キャリア非注入時に
は、入射光がそのまま出力されるフェイルセイフ機能に
より、ネットワークに支障をきたさないことを特徴とす
る光通信ネットワークがある。
【0011】
【作用】2本の導波路を近接させた構造の光デバイス
は、方向性結合器として一般的によく知られている。こ
のとき、各々の導波路の伝搬定数をβ1及びβ2とすると
伝搬定数差Δβ=β2−β1及び導波路間隔dや結合長L
によってパワー分岐比が決まり、カプラやスイッチの機
能をもたせることができる。更に、2導波路間に伝搬定
数を変調する層すなわち屈折率変調層を導入すること
で、設計の自由度や製作上の許容度を上げたり、新たな
機能、例えば光フィルタリング機能を付加することがで
きる。
【0012】一方、半導体光導波路のコア層にキャリア
を注入することで、コアの材料で決まる波長域の利得媒
質として、すなわち光アンプ或は半導体レーザとして使
用することができるだけでなく、コア層の屈折率が変化
することを利用して光の強度分布を変化させることがで
きる。
【0013】例えば、第1のコア層及び第2のコア層で
方向性結合器を形成し、一方のコア層にのみ周期的にキ
ャリアを注入する場合を考える。図11において(a)
及び(a)′はキャリア注入前の層構成及び屈折率分布
を示している。109は導電型の互いに異なる領域が周
期的に繰り返す周期的電流狭窄層であり、この場合電子
をブロックするが、屈折率は周りと等価である。1018
cm-3程度キャリア注入すると屈折率は10-3オーダで
低下する(Casey and Panish;HeterostructureLasers(A
cademic Press,1978))。従って、キャリア密度を10
18cm-3程度にできればキャリア分布は(b)の様に周
期的に分布する。この時、屈折率は(b)′の様にな
る。すなわち、周期的にキャリアを注入することは、屈
折率可変グレーティング113を形成することと等価で
ある。
【0014】更に、近接する他の導波路にも屈折率変調
層を有し、かつ前記周期的電流狭窄層109とは独立に
制御できるときには、分岐比可変の光カプラとして用い
ることができる。例えば、図12において、第1コア層
102が通常のバルク半導体のとき、均一に逆バイアス
層をかけたとき、フランツ・ケルデッシュ効果により屈
折率が増加する。
【0015】従って、周期的電流狭窄層109にキャリ
アを注入すると同時に、第1コア層102に電圧を印加
することで、第2導波路205に対しては周期的な屈折
率変化を、第1導波路204に対しては均一な屈折率変
化を独立に誘起できるため、完全結合長を維持したま
ま、結合定数κを変化させる、すなわち第1導波路20
4と第2導波路205の分岐比を可変できる。
【0016】上記の原理をより詳細に説明する。屈折率
変調層のキャリア注入前の第1導波路204及び第2導
波路205の伝搬定数を夫々β及びβとし、キャリ
ア注入後に周期的電流狭窄層109によってできたグレ
ーティングベクトルをKとするとBragg条件(位相
整合条件)は、 β2=β1+K ・・・・・(1) となる。ここで Δ=β2−(β1+K) ・・・・・(2) とすると、パワー移行率ηは η=1/(1+(Δ/κ)2)・(sinβcz)2 ・・・・・(3) となる。ここでκは2導波路間の結合効率、zは進行方
向の座標であり、 βc=(κ2+Δ21/2 ・・・・・(4) である。
【0017】これより最大パワー移行率ηmaxは ηmax=1/(1+(Δ/κ)) ・・・・・(5) であり、最大完全結合長Lは L=π/2β ・・・・・(6) で表わせる。
【0018】ここで、キャリア非注入時のΔをΔとす
れば、K=0なので Δ=β−β となる。
【0019】また、キャリア注入時のΔをΔとすれ
ば、キャリア注入による伝搬定数差への影響は小さいの
で Δ=β2,i−(β1,i+K) =Δ−K となる。
【0020】キャリア非注入時のκをκ≪1と選ぶこと
により ≫1・・・・・キャリア非注入時 Δ/κ ・・・・・(7) ≪1・・・・・キャリア注入時 となるように層構成の設定が可能である。こうして、キ
ャリア注入時にηが大きくなってパワーの移行が起こ
り、非注入時にはパワー移行が起こらない様にできる。
【0021】また、周期的電流狭窄層がないときには、
常時(キャリア注入があってもなくても) Δ/κ ≫1・・・・・常時 ・・・・・(8) となるように層構成の設定が可能である。
【0022】次に、分岐比可変の原理について説明す
る。パワー移行率ηは(3)式の様にΔ、κ及びデバイ
ス長zの関数である。従って、Kの大きさを変化させる
ことでκ及びΔが変化する。100%或は一定比の分岐
(パワー移行)を行う場合は、上述の様に比較的容易に
パラメータを最適化することができる。分岐比を可変す
るには、原理的にはκを変えることで可能となる。しか
し、分岐比を変えることで波長依存性を生じさせないこ
と、安定に分岐比を制御することを考慮すると制御パラ
メータが1つでは困難である。デバイス長を最大完全結
合長に設定し、最大分岐比を他のパラメータで制御でき
れば上記の問題点は解決する。これは最大結合長では屈
折率の変動が分岐比に及ぼす影響が小さいからである。
新たな制御パラメータとして、第1導波路例えば第1コ
ア層の屈折率変化を考える。屈折率変化の具体的方法と
しては上述のキャリア注入による方法(屈折率の減少)
の他に、屈折率を逆の方向(上昇)に変化させるときに
はフランツ・ケルデッシュ効果、ポッケルス効果或は量
子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)等の電界印加の
方法もある。
【0023】上記の原理をより詳しく説明する。第1コ
ア層の屈折率が変化することは、β及びκが変化する
ことである。この時のΔをΔ′とすると(2)式より、 Δ′=Δ′−K となる。
【0024】分岐比を変化させ且つ安定に動作させるた
めには、最大結合長Lが一定であることが望ましい(最
大結合長近傍では分岐比の変化は小さい)。 (6)式L=π/2・(κ2+Δ21/2 において周期的電流狭窄層109にキャリアを注入する
と同時に、第1コア層全体に屈折率変調をかけたときの
κ及びΔをκe及びΔeとし、その変化量をそれぞれδκ
及びδΔとすると κe=κ+Δκ、Δe=Δ+δΔ L=π/2・(κ2+Δ2+2δκ・κ+2δΔ・Δ)1/2 となる。
【0025】ここで、 δκ・κ+δΔ・Δ〜0 となる様に層構成を設定することで、常にデバイス長を
最大結合長とすることができる。
【0026】この時、パワー移行率は、最大移行率η
maxに等しくなり、 ηmax=1/(1+(Δe/κe) となる。
【0027】従って、Δe/κeの値を制御することで分
岐比を可変できる。以上を整理すると以下の様になる。 第1導波路一様 第2導波路周期的 Δ/κ 機能 屈折率変調 屈折率変調 ON/OFF OFF ≫1 第1導波路を そのまま通過 ON ON 〜1 第2導波路へ 分岐 OFF ON ≪1 第1導波路へ 100%移行 次に損失補償機能について説明する。上記二層導波路の
うち一方或は双方とも、導波光に対して半導体アンプ型
利得媒質にすることで、光分岐によって失われた光を補
償することができる。
【0028】さきに述べた様に、半導体光導波路のコア
層の上下にPN接合が形成されているとき、キャリアを
注入することで、コアの材料できまる波長域の利得媒質
としてすなわち光アンプとして使用することができる。
従って、前記周期的屈折率変調層においてコアにキャリ
アを注入することにより、上記2つの作用(光強度分布
変化及び光増幅)を同時に満足させることができる。
【0029】
【第1実施例】図1は本発明の第1実施例の模式図であ
る。光の進行方向に対して、3個の領域が直列につなが
れた構成になっている。領域1及び3は光カプラ/光増
幅部、領域2は光スプリッタ部である。領域1及び3で
は、上記(7)式が、領域2では(8)式が成り立つ様
に層構成を設計した。
【0030】図1において、例えば、100はn型Ga
As基板、101はn型第1クラッド層(Al0.5Ga
0.5As、厚さ1.5μm)、102はアンドープ第1
コア層(Al0.08Ga0.92As、厚さ0.1μm)、1
03はp型第2クラッド層(Al0.5Ga0.5As、厚さ
0.5μm)、104はアンドープ第2コア層(Al
0.08Ga0.92As、厚さ0.05μm)、105はn型
第3クラッド層(Al0.5Ga0.5As、厚さ1.5μ
m)、106はn型コンタクト層(GaAs)である。
107及び108は電極であり、109は第3クラッド
層105中に設けられた屈折率を変調するための周期的
電流狭窄層である。本実施例の場合、導波光の波長を8
60nmとして、この電流狭窄層109のグレーティン
グピッチ8.5μm、デューティ50%の矩形状に設定
した。
【0031】領域1及び3のデバイス長は上記(4)式
で決まる完全結合長(本実施例では500μm)とし、
領域2(光スプリッタ部)のデバイス長は200μmと
した。また、入出力端面には、無反射(AR)コート1
11を施している。領域2の光スプリッタ部112は、
導波光を100%上方へ光路変更する様に断面が直角二
等辺三角形の溝を、その深さが第2クラッド層103に
十分達する様に、第2導波路(第2コア層104を中心
とする)に対して垂直に形成してある。
【0032】次に作製方法について簡単に説明する。例
えば、通常の有機金属気相成長法(MOCVD法)や分
子線エピタキシャル成長法(MBE法)を用いて、ま
ず、(100)n型GaAs基板100上に、n型第1
クラッド層(Al0.5Ga0.5As)101、アンドープ
第1コア層(Al0.08Ga0.92)102、p型第2クラ
ッド層(Al0.5Ga0.5As)103、アンドープ第2
コア層(Al0.08Ga0.92As)104を成長したあ
と、第3クラッド層の内の屈折率を変調する層より下の
部分になるn型Al0.5Ga0.5As層(厚さ0.3μ
m、n〜3x1017cm-3)、及び電流狭窄層の一部に
なるp型Al0.5Ga0.5As層(厚さ0.5μm、キャ
リア濃度p〜3x1017cm-3)を形成する。この上に
ピッチ8.5μmのグレーティングパターンを形成し、
その深さがn型Al0.5Ga0.5Asに達する様にエッチ
ングする。この結果、周期的電流狭窄層109が作製さ
れる。引続き、MOCVDで電流狭窄層と第3クラッド
層の夫々一部となるn型第3クラッド層(Al0.5Ga
0.5As、厚さ0.7μm、キャリア濃度p〜3x10
17cm-3)105及びn型コンタクト層(GaAs)1
06を成長する。
【0033】周期的電流狭窄層109のp型及びn型A
0.5Ga0.5As層のキャリア濃度を〜3x1017cm
-3に設定したのは、キャリア非注入時にこの領域で屈折
率差が生じない様にするためである。次に、領域2に断
面がV字型の上記溝をドライエッチング等で形成する。
本実施例の場合45°ミラーとした。
【0034】また、横モードの制御のために埋め込み構
造等をつくり付けた。図8は図1の断面の模式図であ
り、図8中、801はp型Al0.5Ga0.5As埋め込み
層、802はn型埋め込み層、803は正電極107a
と負電極107b間の電流の経路である。最後に、正電
極107a、108及び負電極107bを形成すること
で本実施例は完成する。
【0035】次に動作原理について図を用いて説明す
る。例えば波長860μmの光を左方向から第1コア層
102のみに導波させる場合を考える。ここでは第1コ
ア層は導波光に対して透明媒質になっている。
【0036】1)全ての領域の第2コア層104にキャ
リアを注入しなく、かつ第1コア層102に電界がかか
っていないとき(図2) 図2において、前述の様に周期的電流狭窄層109付近
では屈折率の変化はないので、第1光導波路204に入
力された光201は第2導波路205の導波モードとは
全くカップルしない。従って、導波光は領域2及び領域
3をそのまま202、203で通過し、外部へ出力され
る。もしも、このデバイスが光通信ネットワークの伝送
路上に配置されているときには全くパッシブデバイスと
して働く(フェイルセイフ機能)。
【0037】2)領域1及び領域3の第2コア層104
にキャリアを注入し、かつ第1コア層102に電界が印
加されていないとき(図3) 正電極107aから注入されたキャリアは、周期的電流
狭窄層109によってキャリア分布が変調され、第2コ
ア層104中にキャリア分布ができ、これに対応した等
価的屈折率分布が形成される。従って、第1導波路20
4に導波された光301は、前述した原理により周期的
電流狭窄層109によって第2導波路205とカップリ
ングする。ここでは、注入されたキャリア密度に対して
移行率100%となる様に設定されているので、完全結
合長だけ導波すると光は全て第2導波路205へ移る
(電界分布を302で示した)。
【0038】一方、領域2ではV溝によって導波光は導
波路外部に取り出されるとともに、45°ミラー面11
2によって上方に出射される。本実施例では、V溝が第
2クラッド層104に達するまで深く形成してあるの
で、導波光は100%外部に取り出される。従って、先
球ファイバ110c或は適当なレンズを含む光学系と結
合させることで、導波光は外部に出力させられると同時
に領域3には導波光は進行しないことになる。ここで、
V溝の深さを制御することで導波光の一部を上方へ、他
を領域3へ出力できるので、分岐器として設定すること
もできる。
【0039】図3では一方向のみについて述べたが、本
実施例の場合左右対称に設計されているので、逆方向か
ら光を入射した場合も全く同様の機能を持つ。
【0040】逆に、先球ファイバ110cからV溝に光
が入射するとき、光スプリッタ112で双方向に光が導
波し(電界分布を401、402で示した)、領域1及
び3がONのとき(キャリア注入時)第2導波路205
から第1導波路204に移行する(図4で電界分布を4
03、404で示した)。領域1或は3がOFFの時
(キャリア非注入時)は、第1導波路205に移行する
ことなく外部へ発散するため、光ファイバ110a、1
10bには結合しない。すなわち、目的に応じて、ファ
イバに出力するか否かを選ぶことができる。導波した光
は領域1或は領域3に達すると、該領域がONのときに
は前述した様に利得媒質となっているので光が増幅され
るとともに、光強度分布が第2導波路205から第1導
波路204にシフトする。従って、V溝入射時の結合損
失及び分岐損失を補うことができる(損失補償)。
【0041】3)領域1の第2コア層104にキャリア
を注入し、かつ領域1の第1コア層102に電界が印加
されているとき(図5)。 第1コア層102への電界による屈折率変化(本実施例
の場合、フランツ・ケルデッシュ効果による)により、
結合定数κが変化するため分岐比が変化する。第1導波
路204に入力し領域1でパワー分岐した光のうち、一
方(図5で電界分布を501で示した)は第1導波路2
04を通って領域3へ向かい、領域3の第2コア層10
4にキャリア注入が行われていない場合、そのまま外部
へ出力される。他方、第2導波路205に分岐した光
(図5で電界分布を502で示した)は領域2の光スプ
リッタ112により外部へ出力される。
【0042】
【第2実施例】第1実施例では、光ファイバ110cと
の結合のしやすさを考えてデバイス面に対して垂直に入
出力できるような光スプリッタ112を選んだが、もし
他の半導体デバイスと導波路で結合し、集積型の光ノー
ドに用いる場合には、上方ではなく、水平方向に分岐す
るスプリッタ151を用いても良い。図6はその平面図
であり、図7は図6のA−A′で切った断面を示してい
る。この構造ではスリット型光スプリッタ151のスリ
ット幅や深さを制御することで分岐比を変化させること
ができる。その他の点については第1実施例と同じであ
る。
【0043】
【第3実施例】キャリア注入による屈折率の変化は、バ
ンドフィリング、バンドシュリンケージ、プラズマ分散
等の重ね合わせとして生じているとされている。第1実
施例において第2コア層104に量子井戸層を用いるこ
とで、主にバンドフィリング効果によって、屈折率変化
量はバルクの場合に比べ、より大きくなる。また、第1
コア層102に量子井戸層を用いることで、電界印加に
よる屈折率変化も、バルク半導体の場合のフランツ・ケ
ルデッシュ効果に比べ、量子閉じ込めシュタクル効果で
より大きな変化を得ることができる。
【0044】従って、第1コア層或は第2コア層或はそ
の両方に量子井戸構造を適用することで、微小電流或は
微小電圧で上記デバイスを動作させることができる。こ
の第2コア層のみに量子井戸構造を適用した具体例のA
l混晶比変化を図9に示した。横幅は層厚、縦軸はAl
混晶比を表している。104aは多重量子井戸である。
更に、ここに歪量子井戸を用いることでバンドフィリン
グ、バンドシュリンケージ及びプラズマ分散全てに大き
な影響を及ぼすので、設計次第では微小電流で大きな屈
折率変化をもたらすことができる。
【0045】
【第4実施例】第1実施例において領域1及び3の損失
補償効果が不十分な場合、あらたに周期的電流狭窄層1
09を有しない領域を設けて利得のみを与えることで、
損失補償と光り分布のシフトを独立に行うことができ
る。図10はその模式図である。図10において領域4
及び5は光増幅領域を示し、1007はキャリア注入用
電極を示している。この例では第1実施例の周期的電流
狭窄層109を用いた。
【0046】
【第5実施例】次に、本発明の装置を光通信ネットワー
クへ適用した実施例について説明する。伝送路形態がバ
ス型、スター型或はループ型の光通信ネットワークにお
いて光を分岐して情報を取り出したり、端末装置からネ
ットワークへ情報を送信する場合、ネットワーク上に光
ノードを配置する。本発明のデバイスをこのノードの一
要素として構成することに様々なネットワーク或はプロ
トコルに対応することができる。
【0047】図13は本発明の装置をバス型光ネットワ
ークの光ノードに適用した例である。図13において、
1400はバスライン、1401〜1405は本発明の
光デバイスを含む光ノードである。また1411〜14
15は光ノードにつながる端局の入出力装置を行う端末
装置である。
【0048】例えば、イーサネット等のCSMA−CD
を用いているネットワークの場合、第1の実施例のデバ
イスの前後にバスラインを配置し、スプリッタ部で一部
の光を分岐する様に配置する。このとき、常にネットワ
ーク上の信号をモニタできるので、ノードに入った光を
一部取り込み、自局あての信号の場合は受信回路に取り
込む。自局宛てでない場合はそれ以降の信号を通過させ
る。また、端末装置或はノードそのものに故障が生じた
場合はノードの電源が切れる様にしておけば、このノー
ドは完全に通過するので自動的にフェイルセーフが図ら
れる。前述した様に、本発明は入出力を逆にしても動作
する双方向デバイスであるため双方向バスに使うことが
できる。
【0049】
【第6実施例】図14は本発明の装置をリング型ネット
ワークでトークンリング方式で使う場合の構成図であ
る。図14において、1401〜1406は光ノード、
1411〜1416はそれにつながる端末装置である。
トークンリングでは各光ノードで再生中継をおこなうた
め、光ノードには100%分岐(光路変更)する第1実
施例のデバイスを用いた。更に端末装置からの信号を一
方向にのみ放出するために、放出する側のカプラ/増幅
部のみONにする。
【0050】もちろん、両方をOFFとすることでフェ
イルセーフが図られることは第5実施例と同じである。
【0051】
【他の実施例】上述の実施例では屈折率を変調する層と
して、電流狭窄層を用いたが、普通のグレーティングを
使うこともできる。但し、普通のグレーティングを使う
とキャリア注入がなくても導波モードの結合が起こるの
で(設計によりこの結合をなるべく小さくしても、限界
があって、結合が若干起きる)、その結合の程度がその
デバイスに対する使用に対して無視できる時に使用可能
となる。
【0052】また、前述の実施例においては第2コア層
の導電型はアンドープとしたが、p、nの何れかでも実
施可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明の効果は以下の通りである。 1)分岐比可変の光カプラ、光アンプ、光スプリッタが
モノリシックに集積化されているため、小型かつ高機能
である。 2)端末装置や光ノードを構成する他のデバイスが故障
した場合のフェイルセーフが自動的に行われる。 3)ネットワークの構成によって単方向デバイスと双方
向デバイスの機能を使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の模式図。
【図2】第1実施例の動作原理を説明する模式図。
【図3】第1実施例の動作原理を説明する模式図。
【図4】第1実施例の動作原理を説明する模式図。
【図5】第1実施例の動作原理を説明する模式図。
【図6】本発明の第2実施例の上面図。
【図7】図6のA−A´断面図。
【図8】第1実施例の横断面図
【図9】本発明の第3実施例を説明する図。
【図10】本発明の第4実施例の模式図。
【図11】本発明におけるキャリア注入と屈折率分布の
変化の関係を示す図。
【図12】本発明における電界印加と屈折率分布の変化
の関係を示す図。
【図13】本発明の第5実施例である光ネットワークの
構成を示す図。
【図14】本発明の第6実施例である光ネットワークの
構成を示す図。
【図15】従来例の構成を示す図。
【図16】従来例の構成を示す図。
【符号の説明】
100 基板 101 第1クラッド層 102 第1コア層 103 第2クラッド層 104 第2コア層 104a 多重量子井戸層 105 第3クラッド層 106 電極コンタクト層( 108,107b n形電極 107a,1007 p形電極 109 周期的電流狭窄層 110a,110b,110c 先球光ファイバ 111 無反射コート 112 光スプリッタ 113 実効的グレーティング 151 スリット型光スプリッタ 204 第1光導波路 205 第2光導波路 801 p型埋め込み層 802 n型埋め込み層 1400 伝送用光ファイバ 1401〜1406 光ノード 1411〜1416 端末装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−265958(JP,A) 特開 昭63−147139(JP,A) 特開 平2−269324(JP,A) 特開 平7−181528(JP,A) 特開 平1−272176(JP,A) 特開 昭60−32029(JP,A) 特開 平2−248097(JP,A) 特開 昭59−113424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 G02F 1/025 H04B 10/00 JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に、少なくと
    も、第1導電型の第1クラッド層、第1コア層、第2導
    電型の第2クラッド層、第2コア層及び第1導電型の第
    3クラッド層を積層した二重光導波路構造を有する導波
    型光デバイスであって、導波方向に複数領域に分割され
    ているとともに、該分割領域のうち少なくとも1つの領
    域では、前記二重光導波路構造中に、導波方向に対し周
    期的に屈折率を変調する手段と、均一に屈折率を変調す
    る手段とを共に有し、両者の組み合わせにより、前記二
    重光導波路構造を伝播する光の電界分布を制御すること
    を特徴とする集積型光デバイス。
  2. 【請求項2】 前記周期的に屈折率を変調する手段を有
    さない領域のうち少なくとも1つの領域には、前記二重
    光導波路の一方の導波路を導波する導波光の全てを外部
    に出力する光分岐手段を有することを特徴とする請求項
    1記載の集積型光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記周期的に屈折率を変調する手段を有
    さない領域のうち少なくとも1つの領域には、前記二重
    光導波路の一方の導波路を導波する導波光の一部或は全
    部を外部に導く、若しくは該導波路に外部からの入射光
    を導く光合流手段を有することを特徴とする請求項1記
    載の集積型光デバイス。
  4. 【請求項4】 前記周期的に屈折率を変調する手段を有
    さない領域のうち少なくとも1つの領域には、前記二重
    光導波路の一方の導波路を導波する導波光を光増幅する
    手段を有することを特徴とする請求項1記載の集積型光
    デバイス。
  5. 【請求項5】 前記周期的に屈折率を変調する手段が、
    屈折率が互いに等しく導電型が互いに異なる周期的電流
    狭窄層に対し、キャリアを選択的に注入するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の集積型光デバイス。
  6. 【請求項6】 前記均一に屈折率を変調する手段が、導
    波方向に均一に形成されたpn接合に対し、キャリア注
    入或は逆バイアスを印加するものであることを特徴とす
    る請求項1記載の集積型光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記第1コア層或は第2コア層或はその
    両方が単一或は複数の量子井戸構造からなることを特徴
    とする請求項1記載の集積型光デバイス。
  8. 【請求項8】 入射光に対し前記第1コア層が透明媒質
    であることを特徴とする請求項1記載の集積型光デバイ
    ス。
  9. 【請求項9】 入射光に対し前記第2コア層が利得媒質
    であることを特徴とする請求項1記載の集積型光デバイ
    ス。
  10. 【請求項10】 前記光分岐手段が前記第2コア層にま
    で達し側面がミラーになっている溝であることを特徴と
    する請求項2記載の集積型光デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れかに記載の集
    積光デバイスが複数の端局を有するバス型の光伝送路上
    に配置され、障害時には、集積光デバイスがキャリア非
    注入状態になって入射光がそのまま自動的に出力され、
    これによってフェイルセイフ機能によりネットワークに
    支障をきたさないことを特徴とする光通信ネットワー
    ク。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10の何れかに記載の集
    積光デバイスが複数の端局を有するリング型の伝送路上
    に配置され、障害時には、集積光デバイスがキャリア非
    注入状態になって入射光がそのまま自動的に出力され、
    これによってフェイルセイフ機能によりネットワークに
    支障をきたさないことを特徴とする光通信ネットワー
    ク。
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