JP3101111B2 - 電気泳動カセット - Google Patents

電気泳動カセット

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JP3101111B2 JP04356190A JP35619092A JP3101111B2 JP 3101111 B2 JP3101111 B2 JP 3101111B2 JP 04356190 A JP04356190 A JP 04356190A JP 35619092 A JP35619092 A JP 35619092A JP 3101111 B2 JP3101111 B2 JP 3101111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、それぞれ2つの非導電
性平板がスペーサーによって互いに間隔を隔てられて形
成され また、少なくとも1つの引き紐を含んで構成さ
れ、この引き紐は電気泳動後に2つの平板の分離を容易
にするために平板の左および/または右の垂直な側縁に
沿って平板間に配置されており、これにより2つの平板
間のゲルスラブキャストがそこから取り出されて、その
中で電気泳動された生物分子が分析できるようになされ
ている、新規な電気泳動ゲルスラブカセットに関する。
本発明は更に、新規の電気泳動カセットを使用する方
法、およびそれを作る方法に関する
【0002】
【従来の技術】電気泳動は電界内で帯電分子の分離を行
う。これは、電界が帯電されている分子を別の部分(フ
ァクション)へ移動させるという原理に基づいている。
通常、帯電分子の分離は、電界強度やその分子の真の電
荷、寸法および形状に基づいて分離される。その分離速
度は、等電点、イオン強度、粘度、帯電分子の移動する
媒体の温度のようなその他のパラメータに基づく。プロ
テインやその他の例えばDNA、RNA、酵素、炭水化
物や同様物質のような生物分子は帯電するので、それら
を分析目的や準備目的で分離するのに電気泳動技術が理
想的な方法であるとされている。
【0003】電気泳動は一般にチューブ、スラブまたは
平床(フラット・ベッド)におけるゲルキャスト内で行
われる。チューブゲルユニットは典型的には12cmの
長さで約3〜5mmの範囲の直径のガラスチューブ内に
形成される。ゲルスラブにおいては、ゲルは2つの非導
電性の平板の間に形成される。この平板は縁部に配置さ
れた2つのスペーサーである帯状部材によって間隔を隔
てられ、一緒にクランプされて水密シールを形成するよ
うにされる。ゲルチューブユニットおよびゲルスラブカ
セットは垂直に配向されて取り付けられる。一方、平床
ゲルユニットは水平方向に取り付けられる。何故なら
ば、このユニットはゲルが水平面上に注入されるからで
あり、また、頂部プレートを含んでいないからである。
【0004】ゲル電気泳動装置は、垂直ゲル電気泳動装
置や水平ゲル電気泳動装置と同様に広く分類される。典
型的には垂直ゲル電気泳動装置は底部タンクおよび頂部
タンクを含む。頂部タンクは底部タンクの中に着脱可能
に適当に配置されて、電気泳動のための2つの空間を形
成する、すなわち第1もしくは下部空間を底部タンクお
よび頂部タンクのそれぞれの壁部間に形成し、第2もし
くは上部空間を頂部タンクの内部に形成する。両タンク
は、垂直方向に延在する電気泳動ゲルスラブカセットを
含む。このカセットは帯電した生物分子の混合物を分離
するためのゲルスラブ、および別個の電極を含んでな
る。電気泳動装置における唯一の導電路は上部空間内の
電極から上部空間内の電解質、ゲルおよび下部空間内の
電解質をこの順序に通じて下部空間内の電極へ至る経路
である。緩衝液は一般にタンク内の電解質と同様に機能
するように選択される。ゲル電気泳動装置が短絡を生じ
るのを防止するために、また、ゲルスラブを通じて電流
が流れるように強制するために、上部空間内の緩衝液は
常に下部空間内の緩衝液から離隔保持されることが必須
とされる。換言すれば、2つの電極の間の電気的連絡は
ゲルスラブを通じてだけ行われるのである。
【0005】説明したように、電気泳動カセットは典型
的にはガラスのような2つの誘電性すなわち非導電性の
平板の間にサンドイッチ構造に配置されたゲルキャスト
スラブを含み、ガラス面間にゲルシートが形成されてい
る。ゲル形成溶液がプレート間の空間内に注入される際
にそれをモニターし、同様に電気泳動が行われていると
きに完成したゲルをモニターすることを可能にするため
に、透明ガラスシートが一般に選択される。別の形式の
電気泳動カセットに使用されるゲルは形状を変化される
が、共通のゲル状態は薄く平たいスラブが全体的に均一
な厚さとされることである。電気泳動カセットのガラス
平板は、典型的にはそれらの反対両側の側縁に沿ってガ
ラス平板間に配置された薄く平たい四角形のスペーサー
帯状部材によって離隔される。この電気泳動カセットは
一般に各々の垂直縁部にてクランプされて互いに保持さ
れ、水密シールを形成される。これを達成するためにこ
のクランプは、典型的には電気泳動カセットのガラス平
板の反対両側の側縁の全長に沿って延在されるのである
【0006】帯電された生物分子混合物を電気泳動分離
するにおいて、ゲルスラブの各端部の表面は緩衝液を通
じて別々の電極に接続される。各緩衝液を反対極性の電
圧源に接続することによってゲルスラブを横断する電位
が付与される。分類されるべき帯電生物分子混合物はゲ
ルスラブの負電極端部に、通常は予め形成された空所
(ウェル)の中に配置される。このゲルスラブを横断し
付与された電界が生物分子の負電荷に作用して、ゲルス
ラブを通してその帯電生物分子を正電極へ向けて押し進
める力を与える。小さな帯電生物分子の方が大きな帯電
生物分子よりもゲルスラブを通る移動抵抗が小さいの
で、ゲルスラブを通して移動する際に寸法によって生物
分子の分離および分類が行われる。
【0007】電気泳動過程の後、ゲルは着色されて分析
されたりオートラジオグラフィーによって分析された後
に濃度計によって分析され、あるいは膜に吸収させて核
酸の雑種形成、オートラジオグラフィーまたは免疫検出
の分析を行われることができる。オートラジオグラフィ
ー方法は、ゲルスラブの中での帯電生物分子の電気泳動
分離を、例えば放射線でラベル付けした分子を使用して
見ることに頼る方法である。典型的には電気泳動に使用
されたゲルスラブは電気泳動過程の後にそのカセットか
ら取り出されて写真媒体と並べて置かれ、この媒体が放
射線でラベル付けされた生物分子の放出する放射能に曝
される。この写真媒体におけるこの放射能放出を現像す
ることによって、放射線でラベル付けされた生物分子の
各々の組をなす位置を与える一連のストリップが作られ
る。換言すれば、移動後に得られた多数の列の移動パタ
ーン、すなわちゲルスラブにおける電気泳動で形成され
た一群の領域、がオートラジオグラムとして記録される
のである。帯電生物分子混合物がDNAやRNA分子で
構成されるならば、これらのDNAやRNA分子の基本
構造はそれぞれの列における分離領域の互いの位置を比
較することで決定される。
【0008】ゲルスラブにおける帯電生物分子の電気泳
動分離を見ることに頼る更に一般的な方法では、移動分
子を着色する着色剤を使用する。この方法は一般に、電
気泳動過程の後にカセットから電気泳動のために使用さ
れたゲルスラブを取り出し、それを例えばコマッシー・
ブルー(Commassie Blue)に曝して分離
部分を着色して、着色された生物分子の各セット位置を
表す一連の可視ストリップを作り出すようにする。プロ
テインのような帯電生物分子の分子量は、それぞれの列
における着色されたストリップ位置を互いに比較し、知
られている分子量のマーカーで形成した一連の可視スト
リップと比較することによって決定できる。コマッシー
・ブルー(Commassie Blue)に加えて、
この分離された分子は銀やその他の第1列遷移金属(f
irst row transition meta
l)を使用した写真増幅装置によって着色できる。
【0009】上述した方法の何れにおける比較も、電気
泳動が同じ線から且つまた同じ状態例えばイオン強度、
粘性および温度の下で始まるならば、等しい分子量、等
しい電荷、そして等しい形状を有する帯電生物分子は等
距離を移動するとの電気泳動原理に基づいて、行われ
る。
【0010】垂直方向の電気泳動ゲルスラブカセットは
これまでのところ電気泳動を実施するのに問題なく使用
されてきた。電気泳動は問題なく行われているのであ
る。初期の組立体では、これまで使用されたこれらの垂
直電気泳動ゲルスラブカセットは一般に、カセットを一
体に保持するために2つのガラスの反対両側の垂直側縁
全体に沿ってテープを巻き付けて組み立てられた。この
ことは明らかに大きな労力を必要とする都合の悪いカセ
ット組み立て方法といえる。更に、手に入る或る種のテ
ープは、テープ上の接着剤と電気泳動遂行のために選択
された緩衝液との間の調和がとれていないが故に使用す
るのが適当でない。更に重要なことには、電気泳動過程
の後にゲルスラブをカセットから取り出すときに、この
テープは例えばカミソリ刃や鋭いナイフによって切断し
なければならない。何故ならば切断せずにはぎ取るなら
ばしばしば断裂してしまい、この場合には取り出しがい
っそう困難なものとなるからである。このカセットを開
く方法に関連する他の不利益は、カセットを扱う技術者
が自身で怪我をする危険性があることである。この危険
性が重大なことは、電気泳動された生物様の物質がしば
しば体液を有し、これがエイズ、肝炎およびヘルペスの
ような伝染性の病気に感染されている場合があるという
事実によって強調される。
【0011】この問題を解決する1つの試みにおいて、
米国特許第4,929,329号は頂部および底部にタ
ブを有し且つまた頂部ガラス平板の表面上に配置されて
単繊維(モノフィラメント)のループ形スペーサーと協
働するようになされたストリップを備えたカセットを提
供している。このスペーサーは2つのガラス平板間に配
置されて、再組み立ておよび新しいカセットの装填時に
その単繊維スペーサーの再配置を容易にしている。都合
の悪いことに米国特許第4,929,329号に開示さ
れたカセットは、このようなストリップが頂部ガラス平
板の上に位置されているために、都合良く互いに重ねる
ことはできないのである。更に、選択されたスペーサー
は従来とは異なるループ形の単繊維であり、ストリップ
をスペーサーに連結できないのである。
【0012】この結果、電気泳動工業界において簡単且
つ都合良く組み立てることができ、電気泳動後にカミソ
リ刃やナイフに訴える必要がなくて伝染の危険性のない
状態でゲルスラブが取り出せ、電気泳動された生物分子
の準備および/または分析を行えるような電気泳動ゲル
スラブカセットの要望があったのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】要約すれば本発明は、
新規な電気泳動ゲルスラブカセット、この独特なカセッ
トの開き方法およびこの新規なカセットを作り出す方法
および取り付け具の開発を通じて、電気泳動カセット技
術における現状での上述した問題および欠点の幾つかを
軽減し解決するのである。本発明のこの新規な電気泳動
カセットは、迅速且つ容易に開くことができ且つまたゲ
ルスラブが電気泳動後に迅速且つ容易に取り出されるよ
うに独特に設計されている。全く素晴らしいことに本発
明は、これまで使用された電気泳動カセットに必要とさ
れていたようにカミソリ刃や鋭いナイフを使用したりカ
セットからテープをはぎ取ることをせずに、この新規な
電気泳動カセットを開けるようにする。尚また驚くべき
ことに本発明はこれを平板間に配置された単繊維のルー
プ形スペーサーと協働するようにカセットの前部平板の
外面上にストリップを配置することが必要となったり、
あるいは平板どうしを保持するためにその平板の反対両
側の垂直側縁に沿って配置されるテープの使用を必要と
することなく、達成できるようにしている。
【0014】
【課題を達成する手段】一般的に述べれば、本発明の新
規な電気泳動カセットはガラスのような非導電性材料で
形成された2つの平板と、カセットを開くために両平板
の垂直側縁の間に配置された少なくとも1つの引き紐と
を含む。本発明によれば、これらの2つの平板はそれら
の間に平行な関係で配置されているスペーサーによって
互いに間隔を隔てられて、空間すなわちゲル溝を形成
し、このゲル溝の中にゲルスラブが最終的に形成される
のであり、接着剤のような手段によって互いに保持され
るようになされる。この接着剤のような手段は2つの平
板の左右の垂直側縁に沿って2つの平板間を延在され
る。独特なことに、少なくとも1つの引き紐が左および
/または右の垂直側縁に沿って、もしくは平板の各垂直
側縁にてスペーサーとその垂直側縁の保持手段との間に
配置され、電気泳動の後に保持手段を引き裂く、すなわ
ち破断して、これにより2つの平板を容易に開くことが
可能となされ、その間のゲルスラブキャストが更に他の
分析のために取り出せるようになされる。保持手段は引
き紐(1つもしくは複数)によって有利に破断されるこ
とができるので、本発明の電気泳動カセットは電気泳動
後に鋭い物体を使用したりテープを垂直側縁からはぎ取
ることを必要とせずに開くことができるのである。従っ
て、これまで使用されてきた電気泳動カセットの使用に
係わる技術者が伝染病にかかる危険性は排除されたので
ある。
【0015】本発明によれば、保持手段は軟質硬化接着
剤であるのが好ましく、速い硬化速度を有する軟質硬化
接着剤であるのが更に好ましい。これは平板の垂直側縁
の間にシールを形成する。また、引き紐は、電気泳動カ
セットの前部平板が後部平板よりも垂直方向の高さが短
い場合には、引き紐組立体とされる。本発明の引き紐組
立体は一般に、引き裂き片部分と一体に連結されたタブ
部分を含む。カセットに組み付けられたとき、このタブ
部分は短い頂部平板の上方に、一般にその垂直側縁に隣
接して配置される。引き裂き片部分は保持手段と、それ
と同じ垂直側縁に沿うスペーサーとの間に配置される。
これにも拘らずに、本発明の目的が挫折しない限り、テ
ープのような他の保持手段および他の引き紐を選択する
ことができることは、認識されるべきである。更にま
た、本発明の引き紐は保持手段を引き裂く、すなわち破
断するのに十分な引張り強度を有する材料で形成されね
ばならないことが、認識されねばならない
【0016】本発明の更に他の特徴によれば、電気泳動
カセットは1つまたは2つの引き紐を含むことができ
る。カセットが反対両側の垂直側縁に沿って配置された
2つの引き紐を備えて製造される場合、カセットの反対
両側の垂直側縁に沿った引き裂かれなかった引き紐およ
び保持手段は互いに協働して、平板がその回りに開動さ
れるヒンジとして独特に作用することが認識されるべき
である。これにも拘らずに、保持手段が軟質硬化接着剤
で且つまたカセットが1つの引き紐だけを備えて製造さ
れた場合には、破断されない垂直側縁に沿った軟質硬化
接着剤はそれ自体がその回りに平板が開かれるヒンジと
して適正に機能するものと、確信される。
【0017】本発明の更に他の特徴によれば、本発明の
電気泳動カセットを組み立てるための新規な取り付け具
が開示される。この取り付け具は、本発明の電気泳動カ
セットが正確、迅速且つ容易に組み立てできて、引き紐
および保持手段の有効性が低減されない、特にそれらの
反対両側の垂直側縁に沿って平板を互いに保持するため
に特に軟質硬化接着剤が選択されたときに低減されな
い、ように独特に設計されている。
【0018】従って、この技術に熟知している者には、
本発明がこれまで使用できた電気泳動カセットに関連す
る欠点を解決するために長いこと探求されてきた電気泳
動技術に係わる解決策を提供するのである、ことがここ
で認識できよう。
【0019】本発明の上述した特徴および利点は図面お
よび以下の詳細な説明を参照することによって、更に良
く理解されよう。また、本発明による電気泳動カセッ
ト、取り付け具および方法は単なる例示であり、本発明
を限定するものとみなすべきではない、ということも理
解されよう
【0020】本発明の実施例が添付図面を参照して以下
に更に詳しく説明される。
【0021】
【実施例】より完全な本発明の応用例およびその付随す
る利点を説明し且つ提供するために、この新規な電気泳
動カセット、そのカセットを組み立てるための新規な取
り付け具およびそれを使用する新規な方法に関連して以
下の詳細な説明が提供される。
【0022】図面を参照すれば、同じ参照符号は同じ構
造を示している。また、特に図1〜図4では、本発明の
好ましい垂直電気泳動カセットが全体を符号10で示さ
れて図示されている。この実施例においてこの垂直電気
泳動カセット10は前部ガラス平板12と後部ガラス平
板20とを含む。これらの平板は垂直方向に配向されて
おり、それぞれ上縁が13および21、下縁が14およ
び22、左側縁が15および23、そして右側縁が16
および24とされている。前記ガラス平板12は、例え
ば約70.00mm(2.756インチ)の垂直高さ、
約10.00mm(3.937インチ)の水平方向幅、
および約1.016mm(0.040インチ)の厚さと
される。後部ガラス平板20は、例えば約80.01m
m(3.150インチ)の垂直高さ、約10.00mm
(3.937インチ)の水平方向幅、および約1.01
6mm(0.040インチ)の厚さの寸法を有する。勿
論のことながら平板としての何れかの適当な寸法および
形状が選択できることは理解されねばならない。
【0023】左右の垂直方向の寸法30は2つのガラス
平板12および20の間に配置されているが、図2〜図
4に示されるように各平板のそれぞれの垂直側縁15,
23および16,24より内方に位置されている。スペ
ーサー30は平行関係にあり、例えば約70.00mm
(2.756インチ)の垂直高さ、約6.985mm
(0.275インチ)の水平方向幅、および約1.01
6mm(0.040インチ)の厚さとされる。垂直方向
クランプ(図示せず)がガラス平板12および20の2
つの垂直側縁の回りに配置され、ガラス平板12および
20の間でスペーサー30を押圧して、電気泳動過程の
間に液体シールを形成するようになされることができ
る。このようなクランプの例は、米国特許第4,66
3,015号、同第4,732,657号および同第
4,773,984号に示されている。これらの特許は
そっくりそのまま参照することでここに組み入れられ
る。
【0024】それを横断して電気泳動分離が行われるゲ
ルはガラス平板12および20の間に配置される。図1
〜図4に示されるように、前部ガラス平板12は後部ガ
ラス平板20よりも垂直方向に短く、また、ポリテトラ
フルオロエチレン、ガラスデルリン(delrin)、
或る種の塩化ポリビニル等のような何れかの適当な材料
で作ることができるスペーサー30は、前部ガラス平板
12と同じ垂直高さとされる。図2および図3に最も良
く見られるように、垂直電気泳動カセット10はガラス
平板12および20がそれらの間のスペーサー30と一
緒に平面状に組み付けられたときに、スペーサー30の
厚さの水平方向間隙を形成する。ゲルスラブが配置され
るのはこの間隙内である。また、ガラス平板12および
20の垂直高さが等しくないことにより、2つのガラス
平板12および20の間に形成されるゲルスラブの最上
位置と上部タンクすなわち槽内の緩衝液との密接な接触
が効果的に得られるのである。勿論のことこの技術に熟
知した者には、本発明によればガラス平板が等しくない
垂直高さとされるのが好ましいことは認識されるに違い
ないが、図6および図7における他の垂直電気泳動カセ
ットによって示されるように、このことは本発明にとっ
て重要でないのである。更に、本発明はポリアクリルア
ミドおよびアガロース(agarose)ゲルのような
何れかの適当な電気泳動媒体を使用してガラス平板12
および20の間にゲルスラブを形成することが予期され
るのである。
【0025】本発明の垂直電気泳動カセットは、図2〜
図4に示されるようにガラス平板12および20のそれ
ぞれ左右の垂直側縁15,23および16,24の間に
て内方に位置付けられた垂直方向に延在する接着剤40
の帯状部分によって一緒に保持されるのが好ましい。本
発明によれば、接着剤は軟質硬化接着剤でチキソトロピ
ー性を備えていて、その接着剤がガラス平板12および
20の間に最初に付与されたときに接着剤が流れない、
すなわち自己レベル調整しない、ような接着剤とされる
のが好ましい。更に、本発明で使用されるように選択さ
れる接着剤は、速い硬化時間、すなわち組み立て時間の
短縮を効果的に促進する硬化時間を有していなければな
らない。更に、本発明で使用されるように選択される接
着剤は、透明で安価であることが好ましい。更に重要な
ことは、電気泳動カセットが一般にガラス平板で形成さ
れ、様々な電気泳動化学物質およびゲルに曝されるの
で、接着剤はガラスと良好な結合を形成し且つまたこの
ような化学物質およびゲルに曝されたときにそれらの物
質に耐えることが必要である。換言すれば、本発明の接
着剤は電気泳動ゲルおよび化学物質に曝されたときに且
つまた電気泳動過程の間にそれらの化学的性質を一貫し
て維持できるものでなければならない。
【0026】本発明による好ましい接着剤の実施例はア
セトキシ硬化シリコーン接着剤であり、これは米国コネ
チカット州06111、ニューイントン、ノース・マウ
ンテン・ロード705所在のロックタイト・コーポレー
ションよりヌヴァーシル83なるトレードマークの下に
販売されている。このヌヴァーシル83接着剤は安価
で、軟質硬化の透明なチキソトロピー性の接着剤であっ
て、ガラスと効果的な結合を形成すること、および電気
泳動化学物質およびゲルに曝されたときにそれに耐える
ことが驚異的に見い出されたのである。他の利点とし
て、このヌヴァーシル83接着剤の硬化時間は、紫外線
(UV)波によって効果的に促進できるのである。
【0027】例えば、ヌヴァーシル83接着剤が米国メ
リーランド州20855、ロックビル、スタンディシュ
・プレース7600所在のフュージョン・システムズ・
コーポレーションを通じて入手でき、波長が約380ナ
ルメートル、ランプパワー出力が約118ワット/cm
(300ワット/インチ)、搬送速度が約304.8c
m/分のF450紫外線ランプ装置を使用して硬化され
ると、硬化時間は約2秒である。しかしながらこのよう
な接着剤はランプパワー出力が250mW/cmで硬化
されると、硬くなる時間が約1秒以下で完全な硬化時間
が約10秒以下となることは理解されるべきである。
【0028】本発明に使用するのが適当であると確信さ
れる他の硬化シリコーン接着剤の例には、ヌヴァーシル
91およびヌヴァーシル147なるトレードマークの下
に販売されている他のアセトキシ硬化シリコーン接着
剤、ヌヴァーシル84およびヌヴァーシル88なるトレ
ードマークの下に販売されているメソキシ硬化シリコー
ン接着剤、そしてヌヴァーシル76なるトレードマーク
の下に販売されている硬化シリコーン接着剤が含まれ
る。これらの全ては上述したロックタイト・コーポレー
ションを通じて入手できる。
【0029】本発明に使用できるその他の代替接着は、
米国ミシガン州48686、ミッドランド、デパートメ
ントA−6018、ダウ・コーニング接着剤No.73
2のような室温硫化(RTV)接着剤であり、これは約
50%の相対湿度且つ室温にて初期硬化時間が約20分
で、完全硬化時間は約24時間である。また、米国コネ
チカット州06111、ニューイントン、ノース・マウ
ンテン・ロード705所在のロックタイト・コーポレー
ションの接着剤であるNo.595室温硫化シリコーン
であり、これは約50%相対湿度で室温にて初期硬化時
間が約1時間で、完全硬化時間が約24時間である。こ
れらの接着剤40は使用するのが適当であると確信する
が、室温硫化接着剤は一般的にヌヴァーシル接着剤より
も遅い硬化時間を有する。それにも拘らずに、あらゆる
適当な接着剤が本発明で使用できるが、この技術に熟知
した者には、接着剤が選択されるときにはその応用特
性、硬化前後の特性および硬化時間特性を考慮して、本
発明の目的が挫折しないようにしなければならないこと
が認識されねばならない。
【0030】更に、この技術に熟知した者には、本発明
で使用するのが適当なこれらのおよびその他の接着剤の
硬化時間は、選択された硬化装置や環境のみによるだけ
でなく、硬化される接着剤の量にもよる。従って硬化時
間は接着剤および/または使用される接着剤量の間で変
化されるが、ここで使用される“速い硬化時間”は、2
つの平板12および20の間で硬化される場合、約50
%相対湿度で室温にて硬化されるときの室温硫化接着剤
の硬化時間よりも短い硬化時間を意味する。更に詳しく
は、2つの平板12および20の間で硬化される場合は
約10秒以下の硬化時間を意味する。
【0031】図1〜図4に更に示されるように、引き紐
組立体50がガラス平板12および20の垂直側縁1
5,23および16,24の間に形成された凹溝78の
中に且つまたガラス平板12および20の間の内方に配
置され、電気泳動過程の後に軟質硬化接着剤40を引き
裂いてガラス平板12および20を開くようになされて
いる。この引き紐組立体50は引きタブ51を含み、こ
れは引き裂き片52に一体に連結されている。引き裂き
片52の垂直方向高さは、図1、図2および図4に示さ
れるように前部ガラス平板12の垂直方向高さに等しい
のが好ましい。引き裂き片52の幅および厚さは、図3
に最も良く示されるように、スペーサー30の厚さ、そ
してスペーサー30およびガラス平板12および20に
よって内方に形成された凹溝78の幅よりも薄く、これ
により軟質硬化接着剤40が引き紐組立体50を所定位
置に効果的に保持できるようになされるのが好ましい。
引きタブ51の垂直方向の高さは後部ガラス平板20と
前部ガラス平板12との間の高さの差に等しいのが好ま
しい。一方、引きタブ51の厚さは、スペーサー30と
前部ガラス平板との厚さに等しく、引き紐組立体50が
図2に示されるように組み立てられた状態のときに前部
ガラス平板12と引きタブ51との間に同延面が形成さ
れるようになされるのが好ましい。引きタブ51の幅に
関しては、引き裂き片52とスペーサー30との幅に等
しくされるべきことが好ましい。典型的な引き紐組立体
50に関する寸法は次の通りである。すなわち、引きタ
ブ51は垂直方向長さが約10.00mm(0.394
インチ)、水平方向幅が約8.001mm(0.315
インチ)、そして厚さが約2.032mm(0.080
インチ)であり、引き裂き片52は垂直方向長さが約7
0.00mm(2.756インチ)、水平方向幅が約
0.584mm(0.023インチ)、そして厚さが約
0.584mm(0.023インチ)である。
【0032】引き紐組立体50を形成するために選択さ
れる材料は断裂することなく接着剤40を引き裂いて、
2つのガラス平板12および20がカミソリ刃やナイフ
のような鋭い道具で接着剤を切断するのに頼る必要なく
開けるようにするのに十分な強度を有していなければな
らない。同様に、接着剤40はこれまでに説明したよう
に軟質硬化するものとされねばならず、また、引き紐組
立体50が引き裂くことのできるような引張り強度およ
びせん断強度を有していなければならない。
【0033】本発明の更に他の特徴によれば、このよう
な軟質硬化接着剤が使用され、本発明の引き紐組立体5
0によってカセットが平板12および20の片側の垂直
側縁に沿って開かれるとき、平板12および20の反対
側の垂直側縁に沿ってそっくりそのまま残された接着剤
および引き紐組立体50はヒンジ90として独特に機能
して、その回りに前部および後部平板12および20が
図4に示されるように開かれることかできるのである。
【0034】ナイロン、ウレタンあるいはこの形式の引
き紐組立体50の製造に支障無く使用できる或る種のそ
の他の重合材のような多くの材料がある。使用される材
料の機械的特性は、引き裂き片52が断裂せずに引き裂
き片として機能する、すなわち十分な引張り強度および
せん断強度を有しているとともに、適当程度の可撓性を
保持するように、なされねばならない。電気泳動ゲルで
あることおよび高度の誘電強度であることの調和が材料
に係わる他の考慮事項である。高度の誘電強度は、電気
泳動カセットを作動のために装置内に配置したときに上
部および下部の緩衝液の間の唯一の導電体となるゲルに
とって、重要なのである。
【0035】引き紐組立体50を形成するための好まし
い材料の例は、米国マサチューセッツ州02139、カ
ムブリッジ、テクノロジー・スクゥエア549所在のポ
ラロイド社によって販売されているポリタンSTF#7
3D高性能キャスト・ウレタン(商標)である。このポ
リタンSTE#73Dの物理的特性は、表1の通りであ
る。
【表1】
【0036】引きタブ51および引き裂き片52は引き
紐組立体50を形成するために一体部片としてモールド
成形されるのが好ましい。また、右側および左側の配向
は同時に行われるのが好ましい。引き紐組立体50の最
初の製造は2部分圧縮モールド型を使用して行われる。
下側のモールド型部分はモールドキャビティ全体を収容
し、一度に幾つかの対をなす引き紐組立体をモールド成
形する。しかしながらこの方法は高価であるとともに遅
いので、好ましい製造方法は、唯一の可能な方法という
わけではないが、射出モールド技術に熟知した者に良く
知られている技術によって組立体を射出モールド成形す
ることである。射出モールド成形技術を使用して、モー
ルド成形機による制約で許容される限り多数のモールド
成形が一度に行える。
【0037】本発明の更に他の特徴により、本発明は引
き紐組立体50として図5〜図7および図9に示される
ように引き裂き紐55の代用が予期される。引き裂き紐
55は、図5に示されるように、前部平板12が後部平
板20よりも短いときに前部平板12の垂直高さを超え
る垂直長さを有し、また、図6および図7に示されるよ
うに後部平板20が前部平板12と同じ垂直高さである
ときに後部平板20の垂直高さを超える垂直高さを有
し、これにより引き裂き紐55の部分56がガラス平板
から外方へ延在されて、ガラス平板を開こうとする技術
者が摘めるようになされるのが好ましい。しかしながら
このような構造において、図5および図8に示されるよ
うに前部ガラス平板12が後部ガラス平板20よりも垂
直高さにおいて短いならば、適当寸法の別のタブが後部
ガラス平板に対して且つまた前部平板12の頂縁13に
隣接して固定されてクランプのために同延面を形成する
ようにされ、これにより水密シールが電気泳動過程の間
に保持されることを保証するようになされるべきことが
認識されねばならない。
【0038】前部および後部平板12および20を一緒
に保持するために軟質硬化接着剤を使用することの代わ
りに、図7〜図9に示すようにガラス平板12および2
0の垂直側縁の上に重ねられる垂直方向に延在する接着
テープのストリップ45が使用できる。本発明のこの特
徴によれば、接着テープ45は図8に示されるように引
き紐組立体50あるいは図7および図9に示されるよう
に引き裂き紐55の何れかと共に使用される。軟質硬化
接着剤40と同様に、電気泳動過程の後にガラス平板を
開くことができるようにするために接着テープ45は、
引き紐組立体50または引き裂き紐55がカミソリ刃や
ナイフのような鋭い道具に頼る必要なく容易にその接着
テープを引き裂くことができるようにするのに十分な引
張り強度およびせん断強度を有していなければならな
い。更に、接着テープ45は電気泳動化学物質やゲルに
耐えるものでなければならず、また、非導電性でなけれ
ばならない。使用するのに適当と確信される接着テープ
の例は、米国ニュージャージー州07006、フェアフ
ィールド、スチュアート6所在のデッカー社によって製
造されたNo.6800黄色ポリエステル・フィルム・
テープである。
【0039】本発明の新規な垂直電気泳動から10は様
々な手順で組み立てることができるが、1つの好ましい
方法は新規な取り付け具を使用するものであり、この取
り付け具は図10〜図12に示されるように全体を符号
80で示されている。取り付け具80は左右の垂直肩部
81および82を含み、これらはアーレン形式のねじ8
4によって支持体83の頂部に取り付けられる。左右の
垂直肩部81および82の間に水平基部85が取り付け
られる。水平基部85は左右の垂直肩部81および82
と同様に、アーレン形式のねじ84によって支持体83
に取り付けられる。取り付け具80の左右の垂直肩部8
1および82は垂直溝86および87を備えており、支
持体83と共にそれぞれ凹部88および89を形成す
る。この技術に熟知した者には、凹部88および89の
寸法は、その内部に後部ガラス平板20の一方の垂直側
縁を受け入れてスペーサー30を整合させ、これにより
接着剤40および引き紐組立体50の引き裂き片52ま
たは引き裂き紐55が図3に示されるように2つのガラ
ス平板12および20の間に形成された凹溝78の内方
に、それらの垂直側縁に沿って効果的に位置付けできる
のに十分な寸法とされるべきことが、理解されねばなら
ない。更に詳しくは、凹部88および89の垂直高さ
は、ガラス平板20の厚さよりも少なくとも僅かに大き
くなければならない。凹部88および89の水平方向幅
および深さは引き裂き片52または引き裂き紐55の水
平方向幅よりも僅かに広くなければならない。凹部88
および89の例示寸法は、カセット10が引き紐組立体
50または引き裂き紐55を備えて形成されたとき、次
の通りである。すなわち、垂直高さは約1.27mm
(0.050インチ)、水平方向幅もしくは深さは約
1.016mm(0.040インチ)である。
【0040】本発明によるカセット10を組み立てるた
めに、後部が性平板20の左側の垂直側縁23が図11
に示されるように取り付け具80の凹部88内に位置付
けられる。米国ミネソタ州55144、セントポール所
在の3Mのアドヘッシブス、コーティングスおよびシー
ラース事業部によって販売されている75再接着可能接
着剤のような感圧接着剤がまず最初にスペーサー30の
両側面に塗布される。左側スペーサー30は次に後部平
板20に取り付けられ、取り付け具80を使用して、左
側垂直側縁23から所望距離で後部平板20の底縁22
と同延面を形成するように、左側スペーサー30を位置
付けする。
【0041】左側スペーサー30が後部ガラス平板20
上に位置付けされて左側肩部81および基部85と同延
面を形成されたならば、後部ガラス平板20は次に溝が
肩部82および支持体83の間に形成された凹部89の
中に挿入され、後部ガラス平板20の底縁22が基部8
5に当接される。次に右側スペーサー30は後部ガラス
平板20に取り付けられ、取り付け具80を使用して、
右側の垂直側縁24から所望距離に且つ後部ガラス平板
20の底縁22と同延面を形成するように、右側スペー
サー30を位置付けられるこどができる。換言すれば、
右側スペーサー30は後部ガラス平板20上に位置付け
られ、右側肩部82および基部85に対して同延面を形
成するようになされる。
【0042】次に前部ガラス平板12が取り付け具80
を使用して後部ガラス平板20上に位置付けられている
左右のスペーサー30に取り付けられ、図12に示され
るように前部ガラス平板12の左右の垂直側縁15およ
び16そして底縁14が後部ガラス平板20の左右の垂
直側縁23および24そして底縁22と整合される。
【0043】前部ガラス平板12をスペーサー30の上
に位置付けした後、感圧接着剤が引き紐組立体50のモ
ールド成形された引きタブ51の裏面に塗布される。モ
ールド成形された引きタブ51は次に後部ガラス平板2
0に取り付けられ、各引き紐組立体50の引き裂き片5
2が凹溝78の中に着座されて、各スペーサー30の外
縁と同延面を形成するようになされる。また、各引きタ
ブ51はそれぞれのスペーサ30の頂縁および前部ガラ
ス平板12の上縁13と同延面を形成するように着座さ
れる。
【0044】EFD−1000シリーズの自動流体分配
器のような自動流体分配器を使用して、軟質硬化接着剤
40は各側部凹溝78の中に付与される。この凹溝は、
前部ガラス平板12、後部ガラス平板20およびスペー
サー30によって形成されている溝である。これらの凹
溝78はまた引き裂き片55または引き裂き紐55を収
容し、これらの紐はスペーサー30の外縁と同延面を形
成するように着座される。接着剤40は前部ガラス平板
12の上縁13から底縁14へ付与されねばならない。
【0045】平面形のヘラまたは同様工具を使用して、
そのヘラを接着剤が付与されたカセット10の反対両側
の垂直側縁15,23および16,24に沿って下方へ
走らせて、過剰の接着剤40が除去されねばならない。
過剰接着剤の除去に加えて、これは硬化の前に接着剤4
0を凹溝78に良好に充填させるようになす。ヌヴァー
シル83接着剤のような軟質硬化接着剤を硬化させるた
めに、カセット10の接着剤凹溝78は適当な紫外線U
K源に露出される。この紫外線源は製造業者によって推
奨されるように適当な波長にて適正な硬化度合いを与え
るのである。室温硫化接着剤が選択された場合には、こ
のような軟質硬化接着剤は室温且つまた約50%相対湿
度の空気に露出されて硬化される。
【0046】本発明のカセット10が形成されたなら
ば、選択された電気泳動ゲルが前部ガラス平板12と後
部ガラス平板20との間にスペーサー30によって形成
されている空隙79の中に導入される。カセット10に
選択した濃度勾配(グラジエント)ゲルを注入する前
に、通常は特別な空所形成櫛(図示せず)がセル面積部
分すなわち空隙79の頂部内側に配置される。この櫛は
ほぼ1センチメートルほどセル面積部分すなわち空隙7
9の中に落ち込み、重合の間にゲル内部にレーン空所を
形成するのを容易にする。単一濃度ゲルおよび濃度勾配
ゲルの標準的な注入は、例えばヘフナー・サイエンティ
フィックSE275マイティー・スモール・4−ゲル・
キォスターまたはSE215マイティー・スモール・マ
ルチプル・ゲル・キォスターを使用してカセット10に
実施できる。
【0047】SE215およびSE275キャスターは
単一濃度ゲルおよび濃度勾配ゲルの両方を形成すること
ができる。単一濃度ゲルを形成するために、単量体ゲル
溶液がカセット10の組み立てられたキャスティング室
すなわち間隙79の頂部内に注入される。このゲル溶液
はサンドイッチ構造の全ての箇所に等しく流れ込む。濃
度勾配ゲルを形成するために、勾配形成具からの勾配が
カセット10のキャスティング室すなわち間隙79の底
部の入口内部にポンプ推進される。この濃度勾配はカセ
ット10のサンドイッチ構造内部に注入される前に、V
形キャビティ内で安定化される。勿論この技術に熟知し
た者には、前部ガラス平板12、後部ガラス平板20お
よびスペーサー30によって形成されたセル面積部分す
なわち空隙79を充填するための他の技術が使用できる
ことは、理解されねばならない。
【0048】勿論本発明は、この発明の精神およびその
本質的な特徴から逸脱しないでここに説明した方法以外
の特別な方法で実施できる。それ故に本発明はの実施例
は全ての点で説明のためのもので限定するものではない
と考えられねばねならず、また、特許請求の範囲におけ
る意味および等価範囲に合致する全ての変化がそれを包
含することを意図されていると考えねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気泳動カセットの分解斜視図。
【図2】図1に示された電気泳動カセットの、組み立て
られた状態における電気泳動力カセットの斜視図。
【図3】図2に示された電気泳動カセットの線3−3に
沿う部分的な断面図。
【図4】図2に示された電気泳動カセットの、ヒンジ付
けされて開口状態で示される斜視図。
【図5】本発明の他の電気泳動カセットの上部左側隅の
破断斜視図。
【図6】本発明の更に他の電気泳動カセットの上部左側
隅の破断斜視図。
【図7】本発明の更に他の電気泳動カセットの上部右側
隅の破断斜視図。
【図8】本発明の更に他の電気泳動カセットの上部左側
隅の破断斜視図。
【図9】本発明の更に他の電気泳動カセットの上部左側
隅の破断斜視図。
【図10】本発明の電気泳動カセットを組み立てるため
の取り付け具の斜視図。
【図11】本発明の電気泳動カセットの組み立て段階を
示す図10に示された取り付け具の頂部平面図。
【図12】本発明の電気泳動カセットの更に他の組み立
て段階を示す図10に示されている取り付け具の頂部平
面図。
【符号の説明】
10 電気泳動カセット 12 前部ガラス平板 13,14,15,16,21,22,23,24 縁
部 20 後部ガラス平板 30 垂直スペーサー 40 接着剤 45 接着テープ 50 引き紐組立体 51 引きタブ 52 引き裂き片 55 引き裂き紐 56 タブ 78 凹溝 79 空隙 80 取り付け具 81,82 肩部 83 支持体 84 アーレンねじ 85 当接基部 86,87 垂直溝 88,89 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード ジェイ.ヘイム アメリカ合衆国ニューハンプシャー州エ クセター,リトル パイン レーン 16 (56)参考文献 欧州特許出願公開113700(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447 WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂縁および底縁並びに左右の垂直側縁を
    有する互いに実質的に平行な2つの表面を有する非導電
    性の前部平板と、 頂縁および底縁並びに左右の垂直側縁を有する互いに実
    質的に平行な2つの表面を有する非導電性の後部平板
    と、 前記平板の間隔を隔てるための一対のスペーサーであっ
    て、互いにほぼ平行とされていて、前記平板の間にゲル
    溝を形成している前記一対の非導電性のスペーサーと、 前部平板の両面が後部平板の両面に対して実質的に平行
    とされ、両平板の向かい合う平面が前記スペーサーによ
    って実質的に決められた距離だけ隔てられて前記ゲル溝
    を形成するように、前記前部および後部平板を互いに固
    定的関係に保持するための非導電性の接着手段であっ
    て、前記前部および後部平板の左右の垂直側縁に沿って
    配置され、前記前部および後部平板の間でその左右の垂
    直側縁に沿ってシールを形成している前記非導電性の接
    着手段と、 前記カセットが開かれることのできるようにする引き紐
    組立体であって、非導電性の引き裂き片に一体的に連結
    された摘み部材を含んで構成され、前記引き裂き片は前
    記両平板とは一体とされておらず、関連する接着手段の
    一方の内側且つ前記前部および後部平板を含む平面の間
    に配置されており、前記摘み部材が引っ張られたときに
    前記引き裂き片が前記関連する接着手段を引き裂いて、
    前記カセットの開きを容易にする前記引き紐組立体と、
    を含んで構成されたことを特徴とする電気泳動カセッ
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された電気泳動カセット
    であって、前記カセットがゲル溝内で前記前部および後
    部平板の間に挟まれたゲルスラブを更に含むことを特徴
    とする電気泳動カセット。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された電気泳動カセット
    であって、前記保持手段が軟質硬化接着剤であることを
    特徴とする電気泳動カセット。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された電気泳動カセット
    であって、前記軟質硬化接着剤がアセトキシ硬化シリコ
    ーン接着剤であることを特徴とする電気泳動カセット。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された電気泳動カセット
    であって、前記保持手段が接着テープであることを特徴
    とする電気泳動カセット。
  6. 【請求項6】 スペーサーによって互いに間隔を隔てら
    れた前部および後部平板で構成された電気泳動カセット
    を組み立てる取り付け具であって、 支持体と、 前記支持体の上に取り付けられる左右の垂直な肩部であ
    って、それらの間にカセットの後部平板を挿入できるよ
    うに互いに平行関係にて隔てられており、前記支持体上
    に取り付けられたときに後部平板の一方の垂直側縁を受
    け入れるための凹部をその支持体とともに形成するよう
    な垂直溝を各々有している左右の垂直な前記肩部と、 前記支持体の上に取り付けられる水平基部であって、前
    記垂直肩部の間に且つまた垂直肩部に対して直角の関係
    で位置付けられる前記水平基部と、を含んで構成された
    ことを特徴とする取り付け具。
  7. 【請求項7】 電気泳動カセットを組み立てる方法であ
    って、 後部平板を置き、 平行な平面を有する一対の細長いスペーサーを後部平板
    の垂直側縁から偏奇させるようにして前記平板における
    反対両側の垂直な側縁部分に置き、 前部平板を前記スペーサーの上に置き、これによりサン
    ドイッチ構造となされてゲル溝が形成されるとともにこ
    のゲル溝の頂部および底部が開かれたままとされてゲル
    溝内のゲルに対する電気泳動分離のための電圧印加が可
    能にされ、平板が前記側縁とスペーサーとの間に凹溝を
    形成するのであり、 引きタブ組立体の引き裂き片をカセットの凹溝内に挿入
    し、そしてこの凹溝を保持手段でシールして前部および
    後部平板を互いに固定的な関係に保持する、諸段階を包
    含することを特徴とする電気泳動カセットを組み立てる
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載された方法であって、前
    記サンドイッチ構造における前記ゲル溝の中にゲルを導
    入する段階を更に含むことを特徴とする電気泳動カセッ
    トを組み立てる方法。
  9. 【請求項9】 一対の対向する平板で形成され、それら
    の平板のそれぞれの向き合う表面がスペーサーによって
    互いに隔てられるとともに平板の垂直側縁に沿って配置
    された接着手段によって互いに保持されシールされてい
    る電気泳動カセットを開く方法であって、 引き紐組立体の引き裂き片と一体の引きタブを摘み、こ
    の組立体において引き裂き片は一方のスペーサーと関連
    する接着手段との間および平板を含む平面の間に位置付
    けられており、そしてカセットを開けることができるよ
    うになるまで平板の一方の側部の関連する垂直側縁に沿
    って引き裂き片が接着手段を引き裂くように引きタブを
    引っ張る、諸段階を包含することを特徴とする電気泳動
    カセットを開く方法。
  10. 【請求項10】 互いに実質的に平行で頂縁、底縁およ
    び左右の垂直側縁を有する2つの面を有している非導電
    性の前部平板と、 互いに実質的に平行で頂縁、底縁および左右の垂直側縁
    を有する2つの面を有している非導電性の後部平板と、 前記平板の間隔を隔てるためのスペーサーであって、互
    いにほぼ平行とされ、両平板の間にゲル溝を形成する一
    対の非導電性の前記スペーサーと、 前記前部および後部平板を互いに固定的関係に保持する
    ための非導電性の接着剤であって、この関係において前
    部および後部平板は実質的に平行とされ、平板の向き合
    う面はスペーサーによって実質的に決まる距離だけ隔て
    られてゲル溝を形成するのであり、また、前記接着剤は
    軟質硬化接着剤で速い硬化速度を有するとともに電気泳
    動過程に際して電気泳動する化学物質に露出される間に
    その化学的性質を一貫して維持できるものとされ、更に
    また前記接着剤は前記前部および後部平板の左右の垂直
    側縁に沿って配置されて前部および後部平板の間をシー
    ルするような前記非導電性の接着剤と、 平板と一体でない非導電性の引き裂き手段であって、引
    っ張られたときに前記カセットが開かれるようにするた
    めに少なくとも1つの前記垂直側縁に沿って前記接着剤
    を外方へ向けて引き裂くように配置された前記非導電性
    の引き裂き手段と、を含んで構成されたことを特徴とす
    る電気泳動カセット。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記接着剤がアセトキシ硬化シリコーン
    接着剤であることを特徴とする電気泳動カセット。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記カセットゲル溝内で前記前部および
    後部平板の間に挟まれたゲルスラブを更に含んでいるこ
    とを特徴とする電気泳動カセット。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記引き裂き手段が引き紐組立体であ
    り、該引き紐組立体は非導電性の引き裂き片に一体的に
    連結された引きタブを含んでおり、前記引き裂き片が少
    なくとも一方の前記垂直側縁に沿って前記前部および後
    部平板を含む平面の間および前記接着剤と少なくとも一
    方の前記スペーサーとの間に配置されていることを特徴
    とする電気泳動カセット。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記引き裂き手段が非導電性の引き裂き
    片組立体であり、該引き紐が少なくとも一方の前記垂直
    側縁に沿って前記前部および後部平板を含む平面の間お
    よび前記接着剤と前記スペーサーの1つとの間に配置さ
    れていることを特徴とする電気泳動カセット。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記接着剤が約10秒間以内の硬化時間
    を有していることを特徴とする電気泳動カセット。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記接着剤がメトキシ硬化シリコーン接
    着剤であることを特徴とする電気泳動カセット。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載された電気泳動カセ
    ットであって、前記接着剤が硬化シリコーン接着剤であ
    ることを特徴とする電気泳動カセット。
  18. 【請求項18】 請求項1、請求項3、請求項5または
    請求項10に記載された装置であって、前部平板の高さ
    が後部平板の高さ以下で、前部および後部平板の頂縁が
    垂直方向に特定の距離だけ隔てられており、また、引き
    タブが後部平板の内面に対して内面を接触させて一方の
    スペーサーの上方に配置されており、また、引きタブは
    平板の面に対して直角に測定した厚さがスペーサーおよ
    び前部平板の集合的な厚さに実質的に等しく、これによ
    り前部平板の外面が引きタブの外面と実質的に同延面を
    形成するようにされたことを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載された装置であっ
    て、垂直方向に測定した引きタブの高さが前記前部およ
    び後部平板の頂縁の間の前記特定の距離に実質的に等し
    く、これにより前記引きタブおよび後部平板の頂縁が実
    質的に同延面を形成するようになされたことを特徴とす
    る装置。
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