JP3100505B2 - バックアップボンベ付きピストン型アキュムレータにおける漏出油量検出装置 - Google Patents

バックアップボンベ付きピストン型アキュムレータにおける漏出油量検出装置

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JP3100505B2
JP3100505B2 JP06085755A JP8575594A JP3100505B2 JP 3100505 B2 JP3100505 B2 JP 3100505B2 JP 06085755 A JP06085755 A JP 06085755A JP 8575594 A JP8575594 A JP 8575594A JP 3100505 B2 JP3100505 B2 JP 3100505B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バックアップボンベ付
きピストン型アキュムレータにおける漏出油量検出装置
に係り、詳しくは、シリンダ内をピストンによって画成
した油室からガス室を越えてシリンダ外のバックアップ
ボンベに向かう漏出油を、ガス室とバックアップボンベ
との間に設けたドレンパイプに導びくようにすると共
に、そのドレンパイプに貯留されたドレン油の量を検出
できるようにした漏出油量検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アキュムレータは、油圧回路を流れる油
圧油の一部を貯留しまた導出させ、配管系圧力の緩衝を
図るために採用される。例えば、作動子が外力を受けて
ロックされ、その作動子を駆動する油圧アクチュエータ
が動作できなくなると、そのアクチュエータへ送られる
油圧油の圧力が過剰に上昇する。この場合に、油圧油の
一部が一時的にアキュムレータに導入され、過大な圧力
上昇を回避して油圧回路の安全が図られる。一方、作動
子のロックが解除されたときは、油圧ポンプからの油圧
油がアクチュエータへ供給される以前に、アキュムレー
タに蓄圧されていた油圧油を直ちに導出して、アクチュ
エータが迅速に動作するよう作動圧をアシストすること
ができるようになっている。
【0003】アキュムレータには、ガスの封入されたラ
バーブラダをシェルに内蔵するブラダ型アキュムレータ
と、シリンダ内がピストンにより画成された二つの室の
一方にガスを封入させたピストン型アキュムレータとが
ある。上記のブラダやガス室に封入される不活性ガスの
圧力は、例えば60kgf/cm2 ないし70kgf/
cm2 である。そのガスは、アキュムレータ内に油圧油
が進入することによって縮むブラダや変位するピストン
により圧縮され、最大約210kgf/cm2 にまでな
る。油圧油の圧力が低下するとガスは膨張し、アキュム
レータ内の油圧油が油圧回路へ戻される。このような作
動において、ブラダ型アキュムレータはピストン型アキ
ュムレータに比較して応答速度がやや速い。しかし、ブ
ラダの拡縮動作に伴う疲労や損傷による突発的な破裂事
故を誘発する欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、油圧アクチュエ
ータの大型化や大能力化に伴い、アキュムレータの蓄圧
容量の増大を余儀なくされることがある。この場合、ア
キュムレータの設置台数を増やしたり、大容量のアキュ
ムレータが導入されたりする。前者の場合には既成のア
キュムレータを複数本配列することによって対応させる
ことになるが、油圧システムのコスト高を招きやすい。
後者は複数のバックアップボンベをアキュムレータに付
設することにより実現しているので、設備費の低減を図
ることができる。すなわち、複数本の直圧式アキュムレ
ータをピストン型アキュムレータのガス室と連通させる
ことによって、ガス室の実質的な容積拡大を図ってい
る。
【0005】ところで、ブラダ型アキュムレータの場合
には、ガスを封入したラバーブラダ内に油圧油が進入す
るということは通常あり得ない。一方、ピストン型アキ
ュムレータにおいては油室とガス室とがピストンによっ
て画成されているので、たとえ僅かといえども、油圧油
がピストンとシリンダとの間を通ってガス室に進入す
る。アキュムレータが大型化するとピストンの直径も大
きくなり、ピストンシールによるシール性能の低下を招
きやすく、漏出はより一層避け難い状態にある。ピスト
ンを越えて漏出した油圧油は、ガス室に溜まったりシリ
ンダ内面に付着したりする。しかし、油圧油の漏出が僅
かな間はアキュムレータの機能を急激に低下させること
がないこと、漏出油量を検出する手立てがないことか
ら、アキュムレータを油圧回路から外すなどの定期的な
保守作業時まで放置されることが多い。ましてや、バッ
クアップボンベ付きピストン型アキュムレータの場合に
は、バックアップボンベがガス室の容量を拡大させるよ
うに機能しているので漏出油の影響は小さいからであ
る。これでは、漏出の有無や漏出量の多少を日頃から監
視しておくことができず、蓄圧機能の低下を早期に発見
することは容易でない。そこで、保守作業の時間間隔を
短くせざるを得ず、その結果、油圧設備の頻繁な休止が
余儀なくされることになる問題がある。ちなみに、長期
にわたって使用している間にピストンシールが劣化する
と、油圧油がガス室やバックアップボンベに漏出するだ
けでなく、ガス室のガスが油室へ漏れて油圧油を白濁化
させ、アキュムレータの機能を損なうと共にアクチュエ
ータの駆動にも悪影響を与えることになる。
【0006】本発明は上記の問題を鑑みなされたもの
で、その目的は、連結管を介してガス室をバックアップ
ボンベに連通させているピストン型アキュムレータを稼
働状態に置いたままガス室側へ漏出したドレン油量を検
出できるようにすること、その漏出したドレン油の液面
を直接的に連続して正確に把握でき、それによってピス
トンのシール機能を判断し、アキュムレータの保守作業
を軽減できるようにしたバックアップボンベ付きピスト
ン型アキュムレータにおける漏出油量検出装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヘッドカバー
とボトムカバーとにより密閉空間を形成したシリンダが
ピストンによって画成され、ヘッドカバー側のガス室に
は、油圧回路に連なるボトムカバー側の油室の容積変化
で変位した前記ピストンの位置を復元させるためのガス
が封入され、ガス室がバックアップボンベに連結管を介
して連通されているピストン型アキュムレータ装置に適
用される。その特徴とするところは、図1および図2を
参照して、油室9からピストン8を越えてガス室10へ
漏出し、さらにバックアップボンベ2に進入しようとす
る油圧油をそのバックアップボンベに至る前に捕集して
貯留するため、下端を閉止した非磁性体のドレンパイプ
4が連結管3から分岐して垂下される。そのドレンパイ
プ4には、永久磁石25を伴って油面に浮かぶフロート
24が内蔵され、永久磁石25に感応する磁気感応体2
6がドレンパイプ4に配置されていることである。
【0008】上記の磁気感応体は、ドレンパイプ4の外
側面に取り付けられ、永久磁石25によって動作する近
接スイッチとしておくとよい。
【0009】図5を参照して、磁気感応体は、フロート
24の中央を上下に貫通し、永久磁石25の接近によっ
てねじり歪を磁歪線に発生させるようになっている磁歪
式リニア変位センサ31のプローブロッド32としてお
いてもよい。
【0010】また、図8を参照して、磁気感応体は、フ
ロート24の中央を上下に貫通する非磁性体のガイドパ
イプ46の中を永久磁石25に引きつけられて変位する
感磁鉄片45としておくこともできる。その場合、繰り
出された長さを電気抵抗値に変換してドレン油面の高さ
を検出するポテンショメータ44のケーブル43に、感
磁鉄片45を吊り下げておけばよい。
【0011】
【作用】油圧回路の圧力が上昇するとアキュムレータ1
の油室9に油圧油が進入し、ピストン8の上昇で、ガス
室10ならびに連結管3を介したバックアップボンベ2
内の封入ガスが圧縮される。油圧回路の圧力が下がれば
油室9の油圧油は膨張するガスによって排出される。こ
のような作動においてピストン8のシール機能が低下し
ていると、油室9の油圧油がガス室10へ漏出する。漏
出油を伴ったガスが連結管3を通過するとき、霧滴化し
た油圧油はバックアップボンベ2に到達する前にドレン
パイプ4に流落して貯留される。滞留する油量が増加す
るとフロート24が浮上し、それに伴われた永久磁石2
5が磁気感応体を感応させる。その感応の有無によって
フロート24の位置が検出され、それによって、ピスト
ン8とシリンダ7との間でのシール機能の良否を知るこ
とができる。
【0012】磁気感応体が近接スイッチ26であれば、
装着されている部位ごとに永久磁石25の位置が検出さ
れ、油高が把握される。複数の近接スイッチを装着して
おけば、その位置ごとに検出がなされる。取付位置を変
えれば、随意の位置での検出も可能となる。
【0013】磁歪式リニア変位センサ31を採用する場
合には、永久磁石25の磁力によってプローブロッド3
2の磁歪線にねじり歪を与えることができ、貯留されて
いる油面の高さが連続的に検出される。
【0014】ポテンショメータ44を使用する場合に
は、それからケーブル43に吊り下げられた感磁鉄片4
5がフロート24と共に移動する永久磁石25によって
昇降する。ケーブル43の繰り出し長さに対応する電気
抵抗値から、フロート24の位置を知ることができ、そ
れに相当するドレン油量が把握される。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ドレンパイプ中の油の
上昇量をリアルタイムに、すなわち、アキュムレータを
油圧回路から外すことなく検出することができる。それ
をもとにしてピストンシールの機能の良否が判定され、
アキュムレータの保守作業の軽減が図られる。
【0016】近接スイッチをドレンパイプに取り付けて
おくと、その装着位置に油面が到達したことを検出する
ことができる。近接スイッチを複数配置すれば、所望す
る各位置での検出が可能となる。また、近接スイッチの
装着部位を変更することによって、随意の位置でも検出
することができる。磁歪式リニア変位センサやポテンシ
ョメータを採用すると、油高を連続的に検出することが
でき、長期的な保守管理の見通しが立てやすく信頼性の
高いピストン型アキュムレータ装置とすることができ
る。
【0017】
【実施例】以下に、本発明に係るバックアップボンベ付
きピストン型アキュムレータにおける漏出油量検出装置
を、実施例に基づいて詳細に説明する。図2は、多数の
バックアップボンベを連通させることにより、ピストン
によって画成されたガス室の容積拡大を図ったピストン
型アキュムレータの全体構成図である。これは、ピスト
ン型アキュムレータ1と直圧式アキュムレータであるガ
スボンベ2とからなり、それらを連通する連結管3の途
中にドレンパイプ4が取り付けられ、油室9からピスト
ン8を越えてガス室10に漏出した油圧油がバックアッ
プボンベ2に至る前に捕集されるようになっている。
【0018】ピストン型アキュムレータ1は、図3に示
すように、ヘッドカバー5とボトムカバー6とにより密
閉空間を形成したシリンダ7を、ピストン8により油室
9とガス室10に画成することによって構成される。ボ
トムカバー側の油室9は図示しない油圧回路に接続さ
れ、ヘッドカバー側のガス室10には油室9の容積変化
で変位したピストン8の位置を復元させるためのガスが
封入されている。そのガスは爆発の危険性のない不活性
ガスであって、窒素ガスやアルゴンガスが使用される。
上記のガス室10は、その封入ガス量の拡大を図って蓄
圧容量の増大を可能にするため、トップカバー11で閉
止された圧力カバー12と、それに接続した連結管3と
を介して直圧式アキュムレータに連通されている。
【0019】その連結管3は、図2に示すように、バッ
クアップボンベ2に連なる連通管13と、その連通管1
3をガス室10に連通させる水平な接続管14とよりな
っている。連通管13は、図4に示すように、例えば4
段に積み上げられてバンド15で枠材16に固定した8
本の直圧式アキュムレータ2,2を接続するため、垂直
に配置されている。そして、ストップバルブ17の下方
に取り付けた四か所の各継手18を介して水平に左右へ
延びる枝管19,19と、それぞれのバックアップボン
ベ2とが連通されている。接続管14は図2のように圧
力カバー12に接続されて水平に延び、その先端部のコ
ネクタ20を介して連通管13と連通されている。その
接続管14の途中には、分岐金具21(図1参照)を介
してドレンパイプ4が垂下され、油室9からピストン8
を越えてガス室10へ漏出した油圧油を、バックアップ
ボンベ2に進入する以前に捕捉して貯留することができ
るようになっている。そのドレンパイプ4は、滞留した
ドレン油を排出することができるようになっているが、
常時は下端が閉止されてキャップ22で蓋されている。
【0020】図1に示すように、ドレン油23の液面に
は耐油性のあるフロート24が浮かべられている。これ
は、ガラス微小中空球体と高強度エポキシ樹脂を組み合
わせたプラスチックフォームなどである。そして、フロ
ート24の外周側に嵌め込まれたりモールドされるなど
して永久磁石25が取り付けられ、ドレンパイプ4の外
側面に取り付けた磁気感応体としての近接スイッチ2
6,26を動作させるようになっている。すなわち、永
久磁石25により接点26aの閉じた近接スイッチ26
Aから、フロート24の浮かぶドレン油23の液高Hを
検出することができる。なお、ドレンパイプ4はステン
レススチール材やプラスチック材などの非磁性体で製作
され、永久磁石25による磁化を防止して、近接スイッ
チ26の感応動作が妨げられないように配慮されてい
る。
【0021】このような構成によれば、次のようにして
ドレン油量を検出し、ピストン型アキュムレータ1にお
ける油圧油のガス室側への漏出量を知り、ピストン8の
シール機能の適否を判断することができる。油圧回路の
圧力が上昇すると、その油圧油が図3に示したシリンダ
ベース27の油通路27aからボトムカバー6の油通路
6aを経て油室9に進入し、ピストン8を押し上げてガ
ス室10の封入ガスが圧縮される。ガス室10は複数の
バックアップボンベ2,2に連なって実質的に容積の拡
大が図られていることから、油圧回路中の油圧油の圧力
上昇が大きくない場合でも、多量の油圧油をアキュムレ
ータ1に蓄圧することができる。
【0022】油圧油の圧力が下がればガスが膨張してピ
ストン8が下がり、油圧油が回路へ戻される。このよう
な動作の繰り返えしを長期にわたって行っている間に、
ピストン8の周囲に取り付けたピストンシール8aやウ
ェアリング8bが摩耗するなどしてシール機能が低下す
ると、油室9の油圧油がピストン8を越えてガス室10
へ漏出する。ピストン8の動きで生じるガスの流動に伴
って移動する漏出油は、霧滴化するなどしてガス室10
からヘッドカバー5のガス通路5aや圧力カバー12の
ガス通路12aを経てバックアップボンベ2に向かう。
しかし、図2に示した水平な接続管14を移動する際
に、分岐金具21のところで油圧油が垂直なドレンパイ
プ4に滴下する。ドレンパイプ4に油圧油が溜まると、
フロート24がその油面に浮かぶ。ドレン油23の量が
多くなるとフロート24が浮上し、近接スイッチ26A
は接近した永久磁石25の磁力によってその接点26a
を閉じる。その近接スイッチ26Aの感応動作をスイッ
チ盤などで見れば、ドレン油23の液面がドレンパイプ
4のどの位置にあるかを知ることができる。
【0023】図示のように近接スイッチ26が複数上下
に取り付けられていると、感応した近接スイッチから、
滞留油量が逐一検出される。また、最初の近接スイッチ
から次の近接スイッチが動作するまでの時間と、同じ間
隔にあるさらに次の近接スイッチが動作するまでの時間
とを比べることによって、すなわち、液面の上昇速度を
対比すれば、漏出の進行程度も把握される。近接スイッ
チ26はドレンパイプ4の外に設けられるので、近接ス
イッチを適宜上下に移動させることも可能であり、随意
の位置で油面の上昇してきたことを検出できる。ドレン
油23の液面が高くなったということは、ピストン8と
シリンダ7との間のシール性が低下して、ピストンシー
ル8aやウェアリング8bの摩耗が進んでいることを意
味する。また、たとえ油面が低くても漏出速度が高いと
判断される場合も同様である。このようにしてピストン
8でのシール機能の低下が確認されるので、アキュムレ
ータ1としての機能が低下する前にピストンシール8a
などを交換して、機能回復させておくことができる。な
お、ドレンパイプ4に貯留された油は、キャップ22
(図1参照)を外してドレンポート金具28を開放する
ことにより排出される。
【0024】図5は、近接スイッチに代えて磁歪式リニ
ア変位センサ31を採用した例である。すなわち、永久
磁石25に感応する磁気感応体としては、フロート24
の中央を貫通し、ドレンパイプ4のほぼ全長に等しく延
びるプローブロッド32が使用されている。この磁歪式
リニア変位センサ31は、プローブロッド32に与えら
れた磁歪線に、フロート24に伴われて変位する永久磁
石25の接近によってねじり歪を発生させ、フロート2
4の位置を得ることができるようにしたものである。そ
れゆえに、永久磁石25がいずれの位置にあってもねじ
り歪を発生させることができ、リード線33を介してド
レン油23の液面が連続的に検出される。なお、永久磁
石25は、プローブロッド32と対面させるために、フ
ロート24の内周側に取り付けられている。ちなみに、
プローブロッド32を装着するために、その上端は分岐
金具21に固定されている。そして、それに沿って昇降
するフロート24の動きが阻害されないように、すなわ
ち、プローブロッド32が傾かないように、下端はドレ
ンパイプ4の内面に固定した孔あきスペーサ34で支持
されている。
【0025】このようにして装着された磁歪式リニア変
位センサ31においては、以下のようにして油面の位置
が検出される。ドレンパイプ4内のプローブロッド32
とリード線33で接続されている磁歪式リニア変位セン
サ31の本体31Aからは、磁歪線32Aを形成するプ
ローブロッド32に一定時間間隔で図6の矢印35の方
向の電流パルスが印加される。この電流パルスの印加に
よって、磁歪線32Aの軸方向全域に円周方向磁場36
が瞬間的に発生する。永久磁石25が図の位置にあって
磁力を及ぼすと、その近傍に破線で示す軸方向磁場37
が与えられる。この軸方向磁場37と円周方向磁場36
との合成によって太線のような傾斜磁場38が発生し、
磁歪線32Aをその傾斜方向に歪ませる。このねじり歪
は電流パルスを印加した瞬間のみ生じ、これが機械弾性
波となって磁歪線32A上をその両端に向かって伝播す
る。
【0026】図7の(a)のごとくある時間間隔で電流
パルス39を発生させると、(b)に示すように、その
電流パルス39による誘導信号40が出現し、そのt秒
後に機械弾性波である超音波の到着を示す歪発生信号4
1が、本体31Aに設けた歪検出器31B(図5参照)
で検出される。歪検出器31Bから永久磁石25の位置
までの距離をSとし、超音波の伝播速度をvとすると、
S=v・tと表される。一方、機械弾性波はねじり歪の
伝播によるものであって、横波である。その伝播速度v
は、磁歪線の密度ρと磁歪線の剛性率Gを用いて、v=
√(G/ρ)と表すことができる。したがって、上記し
た距離Sはt・√(G/ρ)となり、伝播に要した時間
tを本体31A内で計測すれば直ちに距離Sが得られ
る。
【0027】このようにして永久磁石25の位置が歪検
出器31Bからどの程度離れた位置にあるかが計測さ
れ、その距離をCRTなどに表示させることができる。
電流パルスが印加されるごとに永久磁石25の位置を連
続して検出し、フロート24の変位を常時監視すること
ができる。すなわち、油室9の油圧油がピストン8を越
えてガス室10に進入し、それがドレンパイプ4に多量
に溜まると、ピストンシール8aなどに摩耗の進んでい
ることが分かる。
【0028】図8は、ケーブル43の繰り出し長さを電
気抵抗値に変換してドレン油面の高さを検出するポテン
ショメータ44を採用した例であり、磁気感応体として
永久磁石25に引きつけられて昇降変位する感磁鉄片4
5が採用される。そのため、ドレンパイプ4にはフロー
ト24の中央を貫通して上下に延びる非磁性体のガイド
パイプ46が配置され、感磁鉄片45を変位させる空間
が確保されている。なお、このガイドパイプ46にドレ
ン油が入らないように下端は閉止されているが、上端は
分岐金具21を上下に貫通して大気に開放され、感磁鉄
片45を吊り下げているケーブル43をポテンショメー
タ本体44Aに導くことができるようになっている。ポ
テンショメータの本体44A内には、図に表されていな
いが、蔓巻きばねなどの弾性力を利用してケーブル43
を巻き取ることができるプーリが配置されている。した
がって、永久磁石25によって感磁鉄片45が降下する
とプーリからケーブル43が繰り出され、上昇するとケ
ーブル43が巻き取られる。そのケーブル43を巻き取
るプーリの回転が遊星歯車機構によって一回転以下に変
換され、その回転角度で得られる電気抵抗値に対応した
出力電圧を得ることができる。したがって、感磁鉄片4
5の位置が把握され、ドレン油23の滞留量を知ること
ができる。なお、フロート24の動きを円滑かつ正確な
ものとするため、ガイドパイプ46は垂直な姿勢に保持
されなければならない。図には表されていないが、前述
した孔あきスペーサ34(図5参照)のようなもので、
ガイドパイプ46はドレンパイプ4の下部において支持
される。
【0029】以上のいずれの例の説明からも分かるよう
に、配管を介してバックアップボンベをガス室に連通さ
せているピストン型アキュムレータを油圧配管系から外
すことなく、稼働中にガス室側へ漏出した油量を検出す
ることができる。その油量の多少や増加率の高低によっ
てピストンのシール機能の良否が把握され、アキュムレ
ータの保守作業の軽減が図られる。すなわち、ピストン
シールなどの交換の要否を簡単に知ることができるよう
になる。とりわけ、磁歪式リニア変位センサやポテンシ
ョメータを用いると、油高を連続的に検出することがで
き、長期的な保守管理の見通しが立てやすくなる。それ
によって、信頼性の高いピストン型アキュムレータとす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バックアップボンベ付きピストン型アキュム
レータに適用された本発明に係る漏出油量検出装置の要
部を示し、磁気感応体の一例である近接スイッチを装着
したドレンパイプの拡大断面図。
【図2】 バックアップボンベを設けたピストン型アキ
ュムレータにドレンパイプを装備させた全体構成図。
【図3】 ピストン型アキュムレータの内部構造図。
【図4】 図2のIV−IV線矢視図。
【図5】 磁歪式リニア変位センサを装着した一部拡大
部分を含むドレンパイプの断面図。
【図6】 プローブロッドの磁歪線におけるねじり歪の
発生原理図。
【図7】 (a)は時間を横軸にとって磁歪線に印加さ
れた電流パルスの発生を示したタイムチャート、(b)
は電流パルスによる誘導信号とその後に検出される機械
弾性波の到着信号との時間的ずれを示すタイムチャー
ト。
【図8】 ポテンショメータを装着した部分拡大を含む
ドレンパイプの断面図。
【符号の説明】
1…ピストン型アキュムレータ、2…バックアップボン
ベ、3…連結管、4…ドレンパイプ、5…ヘッドカバ
ー、6…ボトムカバー、7…シリンダ、8…ピストン、
9…油室、10…ガス室、21…分岐金具、23…ドレ
ン油、24…フロート、25…永久磁石、26…近接ス
イッチ(磁気感応体)、31…磁歪式リニア変位セン
サ、32…プローブロッド(磁気感応体)、43…ケー
ブル、44…ポテンショメータ、45…感磁鉄片(磁気
感応体)、46…ガイドパイプ、H…油高。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−32219(JP,A) 特開 平4−16722(JP,A) 特開 平4−198723(JP,A) 特開 昭55−20993(JP,A) 特開 昭49−93914(JP,A) 特開 昭56−56989(JP,A) 実開 平5−30502(JP,U) 実開 平2−148767(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 1/24 G01F 23/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドカバーとボトムカバーとにより密
    閉空間を形成したシリンダがピストンによって画成さ
    れ、ヘッドカバー側のガス室には、油圧回路に連なるボ
    トムカバー側の油室の容積変化で変位した前記ピストン
    の位置を復元させるためのガスが封入され、前記ガス室
    がバックアップボンベに連結管を介して連通されている
    ピストン型アキュムレータ装置において、 前記油室からピストンを越えてガス室へ漏出し、さらに
    前記バックアップボンベに進入しようとする油圧油を
    バックアップボンベに至る前に捕集して貯留するため、
    下端を閉止した非磁性体のドレンパイプが上記連結管か
    ら分岐して垂下され、 該ドレンパイプには、永久磁石を伴って油面に浮かぶフ
    ロートが内蔵され、 上記永久磁石に感応する磁気感応体が、前記ドレンパイ
    プに配置されていることを特徴とするバックアップボン
    ベ付きピストン型アキュムレータにおける漏出油量検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気感応体は、前記ドレンパイプの
    外側面に取り付けられ、前記永久磁石によって動作する
    近接スイッチであることを特徴とする請求項1に記載さ
    れたバックアップボンベ付きピストン型アキュムレータ
    における漏出油量検出装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気感応体は、前記フロートの中央
    を上下に貫通し、前記永久磁石の接近によってねじり歪
    を磁歪線に発生させるようになっている磁歪式リニア変
    位センサのプローブロッドであることを特徴とする請求
    項1に記載されたバックアップボンベ付きピストン型ア
    キュムレータにおける漏出油量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気感応体は、前記フロートの中央
    を上下に貫通する非磁性体のガイドパイプ中を前記永久
    磁石に引きつけられて変位する感磁鉄片であり、該感磁
    鉄片は、繰り出された長さを電気抵抗値に変換してドレ
    ン油面の高さを検出するポテンショメータのケーブルに
    吊り下げられていることを特徴とする請求項1に記載さ
    れたバックアップボンベ付きピストン型アキュムレータ
    における漏出油量検出装置。
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