JP3098593B2 - 音声認識装置 - Google Patents

音声認識装置

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JP3098593B2
JP3098593B2 JP03329063A JP32906391A JP3098593B2 JP 3098593 B2 JP3098593 B2 JP 3098593B2 JP 03329063 A JP03329063 A JP 03329063A JP 32906391 A JP32906391 A JP 32906391A JP 3098593 B2 JP3098593 B2 JP 3098593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音声認識装置に係り、特
に騒音下で認識を可能にするための耐雑音性の高い音声
認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音声認識装置を実用化するためには、騒
音下で発声した音声でも正しく認識するような耐雑音化
のための技術が不可欠である。そこで従来では、専ら接
話型マイクロフォンを用いてなるべく音声以外の周囲雑
音を拾わないようにしてきた。しかし、接話型マイクロ
フォンは音声入力環境を非常に限定したものとしてお
り、もっと使用用途の広いハンズフリー型マイクロフォ
ンを用いた音声認識装置のニーズが高まっている。その
ニーズの一つとして、例えば、車載用の音声認識装置が
ある。ハンズフリーマイクロフォンを用いた音声認識装
置を実現するためには、前処理によって雑音が重畳した
音声から雑音を除去する手法、或は雑音が混入されてい
ても正しく認識が行なえる手法が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、雑音を除去する
手段としては、適応フィルタを用いて雑音を除去するも
の、音声に混入した雑音を推定した雑音スペクトルを入
力音声スペクトルから差し引くスペクトルサブトラクシ
ョン法などがある。しかしながら、実際の環境下では、
音声に様々な音源からなる定常、非定常の雑音が混入し
ており、入力信号の中からこれらの雑音成分をすべて除
去することは非常に困難である。
【0004】また、パタンマッチング認識手法の耐雑音
性を向上させる手法には、雑音の影響を受けにくいパラ
メータを用いて照合を行う手法、距離尺度を用いる手
法、および雑音を予め標準パタンに重畳しておく雑音重
畳法などがある。雑音重畳法は雑音を重畳した標準パタ
ンを予め用意しておかなければならず、また標準パタン
に重畳しておく雑音の性質やS/N等の条件が入力時の
ものと異なっていると、耐雑音性の効果が少ないという
問題があるため、騒音環境に応じて標準パタンを複数用
意する必要がある。しかし、標準パタンの種類を増やす
ことにより、必要となるメモリ量が非常に大きくなって
しまうという問題が或る。
【0005】また、音声認識装置を実用化するためのも
う一つの問題は処理量の問題である。一般に音声認識に
は非常に大きな処理量を必要とするため、限られたリソ
ースの中で雑音対策のための処理量を充分確保するため
には、音声認識全体の処理用を削減する必要がある。音
声認識全体の中で特に入力音声の特徴系列と標準パタン
との照合処理が特に大きな比重を有する。従って、音声
認識装置の実用化のためには照合処理部の処理量の削減
も大きな課題の一つである。
【0006】本発明の目的は、耐雑音性をさらに向上さ
せ騒音下でも高い認識率が得られる音声認識装置を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、雑音重畳法で標準パ
タンを複数種類用意しておく場合に必要となるメモリ量
の削減と、照合処理で必要となる処理量を削減すること
により、より実用的な音声認識装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による音声認識装置は、認識対象となる音声
を入力する音声入力部と、該音声入力部により得られた
入力音声信号を周波数分析し、該周波数分析された音声
スペクトルに対し推定雑音スペクトルを引き算すること
により、雑音を除去する雑音処理部と、該雑音処理部に
より得られた音声信号に基づき当該入力音声の特徴ベク
トルを求める分析部と、予め想定される騒音環境に応じ
た雑音重畳音声データを用いて作成した複数個の標準パ
タンを格納しておき、前記雑音処理部から得られた音声
信号から雑音処理により除去しきれなかった残差雑音に
関する雑音情報を求め、該雑音情報に基づいて前記複数
個の標準パタンの中から最適な標準パタンを選択する標
準パタン選択部と、該標準パタン選択部により選択され
た標準パタンと前記特徴ベクトルとを照合して前記入力
音声を認識する照合部とを備えたものである。
【0009】本発明による他の音声認識装置は、認識対
象となる音声を入力する音声入力部と、前記音声入力部
により得られた入力音声信号を周波数分析し、該周波数
分析された音声スペクトルに対し推定雑音スペクトルを
引き算することにより、雑音を除去する雑音処理部と、
該雑音処理部により得られた音声信号に基づき当該入力
音声の特徴ベクトルを求める分析部と、予め想定される
騒音環境に応じて作成された複数種類のコードブック
と、該コードブックを用いたベクトル量子化により得ら
れたコード系列としての複数種類の標準パタンとを格納
しておき、前記雑音処理部から得られた音声信号から雑
音処理により除去しきれなかった残差雑音に関する情報
を分析し、その結果を用いることにより前記コードブッ
クの種類および前記標準パタンの種類を選択する選択部
と、前記分析部により得られた特徴ベクトルに対して、
前記選択された種類のコードブックを用いてベクトル量
子化を行なうことにより、音声特徴パタンを得るベクト
ル量子化部と、該音声特徴パタンと前記選択された種類
の標準パタンとを照合して前記入力音声を認識する照合
部とを備えたものである。
【0010】
【作用】本発明には数々の変形が考えられるが、その中
で代表的な構成についてその作用を説明する。
【0011】音声入力部により得られた入力音声信号
は、まず、雑音処理部により周波数分析され、周波数分
析された音声スペクトルから推定雑音スペクトルを引き
算することで雑音が除去され、信号のS/Nが改善され
る。次に、標準パタン選択部で、雑音処理部で除去しき
れなかった残差雑音に関する雑音情報を求め、該雑音情
報に基づいて予め想定される騒音環境に応じた雑音重畳
音声データを用いて作成しておいた複数個の標準パタン
の中から最適な標準パタンを選択する。雑音処理部でS
/Nを改善された音声信号に対しては、分析部において
その特徴ベクトルが算出される。照合部では、この特徴
ベクトルと標準パタン選択部で選択された標準パタンと
を照合することにより音声の認識が行なわれる。
【0012】従って本発明によれば、雑音処理部におけ
る前処理によって入力音声信号のS/Nが改善され、ま
た予め標準パタンに重畳しておくことが難しい非定常な
雑音成分もある程度除去しておくことが可能である。さ
らに照合部においては、S/Nが改善された入力音声信
号の雑音の状況に応じて標準パタンの選択を行うことが
出来るので、雑音環境下でも高い認識率を得ることが出
来る。
【0013】本発明の他の構成によれば、上記と同様
に、まず入力音声信号に対して周波数分析された音声ス
ペクトルに対し推定雑音スペクトルを引き算すること
で、信号のS/Nが改善される。一方、選択部におい
て、予め想定される騒音環境に応じて作成した複数種類
のコードベクトル及び標準パタンを予め用意しておく。
ここで、標準パタンの特徴ベクトルは予めベクトル量子
化しておくことにより、コード系列のみを格納しておけ
ば良く、その格納に少ないメモリ量しか必要としない。
選択部では、雑音処理部で除去しきれなかった残差雑音
に関する雑音情報を求め、該雑音情報に基づいて予め格
納しておいた標準パタン及びコードブックの中から最適
なものを選択する。他方、分析部においては雑音処理部
でS/Nを改善された音声信号に対してその特徴ベクト
ルが抽出され、この特徴ベクトルがベクトル量子化部で
ベクトル量子化される。照合部では、この量子化された
特徴ベクトルと選択部で選択された標準パタンとを照合
することで音声の認識を行なう。照合部での照合のため
の距離計算は、コードベクトル同士の組合せに限定され
るため、予め計算テーブルを用意しておく等の手法を用
いることにより処理量を削減することが出来る。
【0014】従って本発明によれば、雑音環境下でも高
い認識率を得ることが出来るのみならず、予め用意して
ある標準パタンがベクトル量子化されているため、記憶
メモリが少なくて済み、また、照合部の距離計算も少な
い処理量で済ますことが出来る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。
【0016】図1は、本発明による音声認識装置の一実
施例のブロック図である。同図において、音声101は
音声入力部102に取り込まれ、アナログ音声信号10
3としてA/D変換部104へ入力される。A/D変換
部104は、音声信号103をディジタル信号105に
変換し、これを雑音処理部106へ入力する。雑音処理
部106は、ディジタル化された入力音声105をスペ
クトル分析し、その音声スペクトルから推定雑音スペク
トルを引き算することによって、入力音声に混入されて
いる雑音成分を除去する。雑音処理部106によって雑
音を除去された音声信号107は、標準パタン選択部1
10および分析部108にそれぞれ入力される。分析部
108は、音声信号107に基づいて、認識の判定に用
いる音声の特徴パラメータ109を算出する。標準パタ
ン選択部110では、雑音処理部106で除去しきれな
かった残差雑音成分に関する情報を音声信号107から
抽出し、予め格納してあった複数種類の標準パタンの中
からその雑音条件に最適な標準パタン111を選択す
る。照合部112は、入力音声から求めた特徴パラメー
タ109と標準パタン選択部110で選択された標準パ
タン111との照合を行なうことにより音声認識を行な
い、認識結果113を出力する。
【0017】以下、各部分を詳細に説明する。
【0018】図2に雑音処理部106の一構成例を示
す。雑音処理部106ではスペクトルサブトラクション
法と呼ばれる手法を用いて雑音の除去を行なっている。
スペクトルサブトラクションについては、Boll,“Suppr
ession of AcousticNoise inSpeech Using Spectral Su
btraction",IEEE Trsns. on Acoustics, Speech, andSi
gnal processing, Vol.ASSP-27,No.2,April 1979, pp.1
13-120に詳しい。図2において、202は波形切り出し
部、204はフーリエ変換部、206は無音区間検出
部、208は雑音スペクトル推定部、210はサブトラ
クション部、212はフーリエ逆変換部、214は波形
合成部である。
【0019】図2の雑音処理部において、A/D変換部
104でデジタイズされた入力信号105は波形切り出
し部202に入力される。波形切り出し部202は、入
力信号からスペクトル情報を分析するための波形区間を
切り出すものであり、数十ms程度の区間を一定間隔で切
り出す。切り出された区間信号波形203は、フーリエ
変換部204においてスペクトルデータに変換される。
ここで、切り出された波形にハミング窓等、従来用いら
れている窓関数を掛けた後、前後に零データを埋め込
み、2の階乗点数のデータとすることで高速フーリエ変
換をすることが出来、高速なデータ処理が実現される。
フーリエ変換されたスペクトル信号205は無音区間検
出部206に入力される。無音区間検出部206は、区
間スペクトル信号のパワーを計算し、そのパワーの値が
一定時間以上閾値の下回る区間を無音区間とみなし、そ
の区間のスペクトル信号207を雑音スペクトル推定部
208に出力する。無音区間(音声区間)の検出法には
この他にも幾つもの手法が提案されており、それらの手
法を用いて無音区間を検出することも可能である。雑音
スペクトル推定部208では入力された無音声区間のス
ペクトル207から雑音スペクトルを推定し、記憶して
おく。雑音スペクトルの推定法についても幾つか考えら
れるが、例えば数フレーム分のスペクトルの平均スペク
トルを計算するなどして推定する。サブトラクション部
210ではスペクトル信号205に対して雑音スペクト
ル推定部208で推定された雑音スペクトル209を用
いてスペクトルの引き算を行なう。いま、入力音声のス
ペクトルをX(f)、推定雑音スペクトルをN(f)とするとサ
ブトラクションは次式で表される。
【0020】
【数1】
【0021】数1ではスペクトルの振幅に対して引き算
を行なっているが、パワースペクトラムを用いて引き算
を行なったり、位相成分も入れて引き算を行なうといっ
たことも可能である。サブトラクション部210で雑音
成分を除去したスペクトル211は、フーリエ逆変換部
212で再び時間領域の信号213に変換される。この
信号213は、波形合成部214で分析フレーム周期で
切り出された波形を音声波形107として合成し、出力
する。
【0022】図3は、雑音処理部106の他の例を示す
ものであり、参照入力を用いて雑音スペクトルを推定す
るものである。同図において、302,308は波形切
り出し部、303,309はフーリエ変換部、306は
参照入力部、307はA/D変換部、311はサブトラ
クション部、312はフーリエ逆変換部、313は波形
合成部である。
【0023】図3の雑音処理部において、入力音声10
5は、図2で説明したように波形切り出し部302、フ
ーリエ変換部303により、音声スペクトル304に変
換され、サブトラクション部311に入力される。一
方、参照入力部306には雑音成分305が入力され
る。この際、参照入力部306には音声がなるべく入ら
ず、雑音成分のみを選択的に入力できるようにしておく
ことが望ましい。参照入力部306から入力した雑音成
分は入力音声信号と同様、A/D変換部307でデジタ
イズされ、波形切り出し部308、フーリエ変換部30
9により雑音スペクトル信号310に変換された後、サ
ブトラクション部311に入力される。なお、入力した
雑音成分を直接利用するのではなく、図2のように雑音
スペクトル推定部を設けて、例えば、数フレーム分のス
ペクトルを用いて雑音スペクトルを推定し、用いること
も可能である。サブトラクション部311では、図2の
場合と同様に、音声スペクトル304から雑音スペクト
ル310を引き算することにより、雑音成分を除去し、
フーリエ逆変換部312および波形合成部313を介し
て音声波形107を得る。
【0024】なお、図3の様に2チャネルの信号に対し
てフーリエ変換を行なうような場合、フーリエ変換の持
つ冗長性を利用して、2信号のフーリエ係数を同時に求
める手法を用いることにより処理量を低減することが出
来る。この2信号同時FFT法に関しては、中野等、
“高速フーリエ変換による船舶走行音の分析”、日本音
響学会講演論文集(昭43−11)に詳細に述べられて
いる。ここではその概要を述べる。
【0025】FFTは通常複素演算を行なっているが、
実際の信号は実数であるため冗長性が生じる。いま2種
類の入力データをXi,Yi(i=0〜N-1)とし、それぞれの
フーリエ変換をAk,Bk(k=0〜N-1)とする時、2入力の
データXi,Yiについて、
【0026】
【数2】
【0027】とおき、Ziのフーリエ変換Ckを求める
と、フーリエ変換の定義より明らかなように、
【0028】
【数3】
【0029】である。一方、*は共役複素を表すとする
と、
【0030】
【数4】
【0031】という関係があるので、
【0032】
【数5】
【0033】したがって、
【0034】
【数6】
【0035】
【数7】
【0036】が得られる。但し、Reは実部、Imは虚
部を示す。即ち、Ckが得られれば、これから簡単にA
k、Bkが得られる。Ckを得るのに要する演算量はAk、
或はBkを得るための演算量と全く同一であり、またCk
からAk、Bkを得るための演算量はCkを得るための演
算量に比べ無視できる程度のものであるため、従来とほ
とんど変わらない演算量で2種類の信号を同時にフーリ
エ変換を行なうことが出来る。
【0037】図4は、図1に示した分析部108を説明
するための図である。本実施例では分析パラメータとし
てLPCケプストラムを採用しているが、もちろん他の
分析パラメータを用いても良い。
【0038】図4において、402は音声区間検出部、
404はLPC分析部、406はLPCケプストラム作
成部である。音声区間検出部402は、雑音処理部10
6より出力された雑音除去信号107から音声区間を検
出し、音声区間の信号波形403を出力する。音声区間
の検出の手法としては、田和,小畑,“雑音中の音声区
間の高精度検出法”日本音響学会講演論文集(昭62.
3)等種々の手法が提案されているが、簡単な例として
例えば、信号の短時間パワーを計算し、一定の閾値以上
のパワーが、一定時間以上継続したか否かによって判定
する。音声信号403は、一定の区間毎に切り出され、
LPC分析部404に送られる。LPC分析部404
は、入力したフレーム毎の区間信号403を用いてLP
C係数405を算出する。LPC分析については、音声
認識の分野で非常に一般的に用いられる技術であり多く
の文献で解説されている。例えば、古井,“ディジタル
音声処理”東海大学出版会などに詳細に解説されてい
る。ここでは、LPC係数の求め方について簡単に述べ
る。P次のLPC係数αjは、区間信号系列xt(t=0
〜N)の自己相関関数
【0039】
【数8】
【0040】を用いて、
【0041】
【数9】
【0042】を解くことによって求めることが出来る。
数9の方程式はDurbinの再帰的解法により効率的に解く
ことが可能である。LPCケプストラム作成部406
は、LPC分析部404で計算されたLPC係数405
を用いてLPCケプストラム109を計算し、出力す
る。LPCケプストラム109はLPC係数αn(n=0,n)
を用いて、次の再帰式より得ることが出来る。
【0043】
【数10】
【0044】図5に、図1に示した標準パタン選択部1
10の構成例を示す。同図において、502は音声区間
検出部、505は雑音情報分析部、506は標準パタン
格納部、507は雑音情報照合部である。標準パタン作
成に用いる音声データは音声認識装置の使用環境に合わ
せて音声に雑音を重畳したものを用いる。また、作成し
た音声データを雑音処理部106と同様な手法を用いて
雑音除去したものを用いてもよい。雑音処理部106よ
り出力された雑音除去信号107は、音声区間検出部5
02において音声区間信号503と雑音区間信号504
とに分離される。雑音情報分析部505では音声区間信
号503の平均パワーと雑音区間信号504との平均パ
ワーの比をとるなどの手段によりS/Nを計算する。標
準パタン格納部506には、S/Nの異なる音声データ
より作成した数種類の標準パタンと作成に用いた音声デ
ータのS/Nを格納してある。雑音情報照合部507
は、雑音情報分析部505で計算した雑音処理信号のS
/Nの値を用いて標準パタン格納部506にある標準パ
タンの中から雑音処理信号のS/Nに最も近いS/Nの
音声データを用いて作成した標準パタン111を出力す
る。
【0045】また、標準パタン選択部110としては次
の様な構成も可能である。図5の雑音情報分析部505
では、入力した雑音成分504を分析し、その分析パラ
メータを出力する。ここで用いる分析手法は図4で用い
たLPC分析を用いたものでも良いし、雑音成分の特徴
を良く表すような他の分析手法を用いても良い。標準パ
タン格納部506には、種類の異なった雑音をそれぞれ
重畳した音声データより作成した数種類の標準パタンと
作成に用いた音声データに重畳した雑音成分の特徴量と
を格納しておく。雑音成分の特徴量は、雑音情報分析部
505で用いたものと同じ分析手法を用いて分析したも
のである。雑音情報照合部507は、雑音処理信号の雑
音成分の特徴量と標準パタン格納部506に格納されて
いる重畳雑音の特徴量とを照合し、その照合結果から標
準パタン格納部506にある標準パタンの中から雑音処
理信号の雑音成分と最も近い雑音を重畳した音声を用い
て作成した標準パタン111を選択し、出力する。
【0046】また、標準パタン選択部110は、上述し
た2つの構成を組み合わせて用いることも可能である。
つまり、雑音情報分析部505で雑音除去信号のS/N
と残差雑音の特徴量を抽出し、雑音情報照合部507で
はS/Nと雑音の特徴量を用いて照合を行なうことによ
って標準パタン格納部506の中から最適な標準パタン
111を出力する。
【0047】図1の照合部112は、分析部108で分
析した分析パラメータ109と標準パタン選択部110
で選択された標準パタン111との間でDPマッチング
等の手法を用いて標準パタンとの類似度を求め、一番類
似度の大きいものを認識結果113として出力する。D
Pマッチングは、音声認識の分野では不可欠な技術とな
っており多数の文献が発表されているが、例えば追江,
千葉,“動的計画法を利用した音声の時間正規化に基づ
く連続単語認識”,音響学会誌27,9,第483頁〜第500頁
(昭46)や前述した古井,“ディジタル音声処理”東
海大学出版会などが詳しい。
【0048】このように、本実施例によれば、まず雑音
処理部106におけるスペクトルサブトラクションによ
り、雑音レベルが低減され、また、予め標準パタンに重
畳しておくことが困難な衝撃音等の非定常雑音もある程
度除去しておくことが出来るので、後続の標準パタン選
択部110での重畳雑音法の処理において、非定常雑音
に対してあまり考慮する必要はない。換言すれば、スペ
クトルサブトラクションによる前処理を行うことによ
り、標準パタンに予め重畳しておくべき雑音の性質やS
/N等の条件が限定される。したがって、予め用意して
おくべき標準パタンの個数が低減されるとともに、照合
精度が高まり、雑音下での認識率が改善される。
【0049】次に、図6に、本発明の他の実施例の構成
を示す。同図において、図1に示した要素と同一の要素
には同一の参照番号を付してある。
【0050】図1の構成と異なるのは、標準パタン選択
部110に代えて選択部605を設け、ベクトル量子化
部606を新たに設けている点である。選択部605で
は、雑音処理部106で除去し切れなかった残差雑音成
分の情報を分析し、予め格納してある複数種類のコード
ブックおよび複数種類の標準パタンの中から、最適なコ
ードブックと最適な標準パタンを選択する。ベクトル量
子化部606は、分析部108で分析した音声信号の特
徴ベクトルに対し、選択部605で選択したコードブッ
クを用いてベクトル量子化を行う。照合部112はベク
トル量子化部606でベクトル量子化された入力音声の
特徴ベクトルと選択部605で選択された標準パタンと
の照合を行い、認識結果を出力する。以下、本実施例の
主要部の構成および動作を詳細に説明する。
【0051】まず、図7を用いて選択部605を説明す
る。図7において701は区間検出部、702は雑音情
報分析部、703は雑音情報照合部、704は雑音情
報、705はコードブック選択部、706はコードブッ
ク、707は標準パタン選択部、708は標準パタンで
ある。選択部605では、予め使用される環境を想定し
て、想定雑音を任意のS/Nで重畳した音声に対して雑
音処理部106と同等な手法を用いて雑音除去の前処理
を行ったものを音声データとしてn種類作成し、それら
の音声データを用いてベクトル量子化に用いるコードブ
ック706−1〜706−nを各々作成する。ベクトル
量子化は複数のパラメータの組(ベクトル)をまとめて
1つの符合で表現する量子化手法である。図9に示すよ
うに、コードブック706−1〜706−nの各々は、
予めクラスタリングの手法を用いて種々のベクトル(コ
ードベクトル)902を蓄え、各々に符合(コードワー
ド)901を対応付けたものである。すなわち、コード
ブックNo.900ごとに、コードワード901とコー
ドベクトル902との対応を示すものがコードブックで
ある。
【0052】図10に、ベクトル量子化部606の動作
の概要を示す。ベクトル量子化部606は、分析部10
8の1フレーム分の出力である分析パラメータに対して
選択されたコードブックの複数のコードベクトルとの間
でベクトル間距離をそれぞれ算出し、その距離が最小の
コードベクトルを選択し、そのコードワードを出力す
る。図示の例では、入力した分析パラメータに対してコ
ードワードiのコードベクトルとの間のベクトル間距離
が最小なので、コードワードiを出力している。ベクト
ル量子化部606では、この処理をフレームごとに繰り
返して行う。
【0053】なお、ベクトル量子化に関する文献として
は、Y.Linde,A.Buzo et al, “An Algorithm for Vecto
r Quantizer Design”IEEE Trans. on Communications,
vol.COM-28, No.1 Jan.1980,pp.84-95等がある。
【0054】同様に、図11に示すように、n種類の音
声データを用いて、照合に用いる標準パタンをn種類
(708−1〜708−n)作成する。n種類の音声デ
ータの各々について、予め定めたN個の単語の番号N
o.にコード列を対応付けている。各コード列は、対応
するコードブックでベクトル量子化して得たものであ
る。このように、標準パタンとして、同じ音声データを
用いて作成したコードブック706−1〜706−nを
用いてベクトル量子化したコード列を採用することによ
り、標準パタン格納に必要なメモリ量を削減することが
できる。また、特徴ベクトルの比較対象標準パタンを限
定することにより、照合における距離計算を効率的に行
うことが出来る。この特徴は、装置の小型化、処理の高
速化に寄与し、特に車載用及び形態用音声認識装置等に
好適である。
【0055】他方、後述する音声区間検出部701及び
雑音情報分析部702と同様な手法を用いて残差雑音情
報を求めておく。図12に残差雑音情報704−1〜7
04−nの例を示す。同図(a)は雑音情報としてS/
Nを採用したものであり、同図(b)は雑音情報として
雑音成分のパワースペクトラムを採用したものである。
【0056】以上のようにして、n種類の音声データに
対しそれぞれ、雑音情報704−1〜704−n、コー
ドブック706−1〜706−n及び、ベクトル量子化
された標準パタン708−1〜708−nを作成し、格
納しておく。ここで、雑音情報704−kはk番目に作
成した音声データに対するものであり、同様にコードブ
ック706−kはk番目に作成した音声データを用いて
作成したもの、標準パタン708−kはk番目に作成し
た音声データを用いて作成したものである。この時のk
を騒音環境番号と呼ぶことにする。
【0057】雑音処理部106より出力された雑音除去
信号は、音声区間検出部701において音声区間信号と
無音声区間(雑音区間)とに分離される。音声区間の検
出法については雑音スペクトル推定部208で説明した
区間検出手法と同様の手法を用いれば良い。雑音情報分
析部702は、音声区間検出部701の出力から雑音処
理部106で除去し切れなかった残差雑音成分に関する
情報を分析し、出力する。この出力する情報としては、
例えば、入力した音声区間信号と雑音区間信号とを用い
て入力音声のS/N比を求め、これを用いることも、ま
た、LPC分析等の分析手法を用いて雑音区間信号から
雑音成分に関する特徴パラメータ(図12(b)の例で
はパワースペクトル)を求め、これを用いることも可能
である。
【0058】雑音情報照合部703では、雑音情報分析
部702で求めた入力音声の残差雑音情報と、格納して
ある雑音情報704−1〜704−nとを照合すること
により、予め想定したn種類の騒音環境の中から現在の
環境に一番適合しているものを見つけ、その騒音環境番
号kを出力する。コードブック選択部705では雑音照
合部703から得られた情報kをもとに、予め格納して
おいたn種類のコードブック706−1〜706−nの
中から現在の騒音環境に最も適合している音声データを
用いて作成したコードブック706−kを選択し、ベク
トル量子化部606に出力する。同様に、標準パタン選
択部707も雑音照合部703から得られた情報kをも
とに、予め格納しておいたn種類の標準パタン708−
1〜708−nの中から現在の騒音環境に最も適合して
いる音声データを用いて作成した標準パタン708−k
を選択し、照合部112に出力する。なお、選択部60
5におけるコードブック及び標準パタンの選択は、分析
フレーム毎に行っても、単位時間毎に行っても、音声の
入力単位毎に行っても良い。
【0059】次にベクトル量子化部606は、選択部6
05で選択されたコードブック706−kを用いて、分
析部104で分析された入力音声の特徴ベクトルに対し
てベクトル量子化を行い、量子化されたコード列を出力
する。
【0060】照合部112はベクトル量子化した入力音
声の特徴ベクトルと選択部605で選択された標準パタ
ンとの間で前述したDPマッチング等の手法を用いて各
認識対象との類似度を求め、一番類似度の高いものを認
識結果として出力する。ここで、入力音声の特徴ベクト
ルと標準パタンの特徴ベクトルの両者は既にベクトル量
子化されているため、特徴ベクトル間の距離計算は、ベ
クトル量子化に用いたコードベクトル同士の組合せしか
ない。そこで、コードブックごとに、コードベクトル同
士の距離を各組合せで予め計算し、それを図13に示す
ようなテーブルに持っておく。照合時に、対応するテー
ブルを参照することにより、特徴ベクトル間の距離を求
め、照合の処理量を大幅に削減することが出来る。図1
3の例では、例えばコードワード2とコードワード3の
距離が“3.2”であると直ちに分かる。
【0061】なお、入力音声のベクトル量子化に用いた
コードブックと、選択された標準パタンのベクトル量子
化に用いたコードブックとが異なり得る場合には、異な
るコードブック間の距離テーブルを用意することもでき
る。また、各コードブック毎にテーブルを予め用意して
おく代わりに、使用するコードブックを切替える毎にテ
ーブル内容を更新するようにしても良い。さらに、予め
テーブルを用意せずに距離計算を行ない、計算した値と
ベクトルの組合せを順次記憶していき、再び同じベクト
ルの組合せの距離計算が必要な時には記憶しておいた値
を用いるようにすることも可能である。
【0062】本実施例において、コードブック及び、標
準パタンの選択は次のような構成を用いて行なっても良
い。
【0063】図8はコードブック及び、標準パタンの選
択のためのシステム構成を説明するための図である。図
8において、606はベクトル量子化部、803は量子
化評価部、804は標準パタン選択部である。本構成に
おいて、ベクトル量子化部606は予め用意しておいた
n個のコードブック802−1〜802−nの各々を用
いて、分析部108で得られた入力音声の特徴ベクトル
に対してベクトル量子化を行い、ベクトル量子化したコ
ード列及び、量子化誤差を出力する。量子化評価部80
3はベクトル量子化部606から出力された個々のコー
ドブックを用いた時の量子化誤差の中で最小のものを検
出し、その時に用いたコードベクトル802−kを現在
の騒音環境に最適なコードブックであるとみなし、その
騒音環境番号kとベクトル量子化した特徴ベクトルのコ
ード列を出力する。標準パタン選択部804では、予め
用意しておいたn個の標準パタン805−1〜805−
nの中から、量子化評価部803で得られた騒音環境番
号kを用いて、現在の騒音環境に最適な標準パタン80
5−kを選択する。
【0064】これまでは、予め想定した騒音環境と、コ
ードブックおよび標準パタンとが1対1に対応している
として説明してきたが、想定騒音環境に対してどのコー
ドブックを用いるか、或はどの標準パタンを用いるかと
いった対応関係が明確に対応づけられていれば、各々が
1対1に対応している必要は無く、従って、予め記憶し
ておくコードブック及び標準パタンの種類は、想定した
騒音環境の種類よりも少なくて構わない。
【0065】例えば、各々のコードブックにおいて、同
一のコードワードをもつコードベクトルが持っている音
声成分の特徴が等しくなるように、各々のコードブック
を作成しておけば、雑音のない音声データを用いて作成
した標準パタンを用いて1種類のコード列データを作成
しておき、各々の騒音環境に対応したコードブックと組
み合わせて用いることで各々の騒音環境に対応させるこ
とが出来る。このようなコードブックの作成は、次のよ
うな手法を用いれば良い。音声データから特徴ベクトル
を作成する時に、分析フレームに番号を付け、クラスタ
リング終了時にその番号を参照することで、各々のクラ
スタ内の特徴ベクトルが音声データのどのフレームから
得られたものかの情報が得られる。そこで、雑音重畳音
声に対して分析して得られた特徴ベクトルをこのフレー
ムの情報を用いてクラスタリングを行い、コードブック
を作成すれば、どの雑音重畳音声を用いて作成したコー
ドブックであっても同一のコードワードのコードベクト
ルが持っている音声成分の特徴は等しくなるはずであ
る。また、雑音の重畳していない音声データから得られ
た特徴ベクトルを用いてコードブックを作成しておき、
次に各々のコードベクトルに想定騒音環境に応じた雑音
の特徴ベクトルを重畳することでも同様のコードブック
を作成することが可能である。このように、全ての騒音
環境に対して共通の標準パタンを使用すれば、本実施例
で標準パタン選択部を省略することが出来る。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば入力
音声にスペクトルサブトラクションによる前処理を施す
ことにより入力音声のS/Nが改善し、また、前処理で
除去しきれなかった雑音に対しても、雑音除去信号の雑
音環境に近い性質の音声データから作成した標準パタン
を用いて照合を行なうことにより、認識装置の認識率を
向上させることが出来る。
【0067】また、予め用意しておく標準パタンをベク
トル量子化しておくことにより、記憶メモリが少なくて
済み、また、照合部の距離計算もコードベクトル同士の
組合せに限定されるため、予め計算テーブルを用意して
おく等の手法を用いることにより、少ない処理量で済ま
すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成を説明する図
である。
【図2】図1の雑音処理部の一構成例のブロック図であ
る。
【図3】図1の雑音処理部の他の構成例のブロック図で
ある。
【図4】図1の分析部の一構成例のブロック図である。
【図5】図1の標準パタン選択部の一構成例のブロック
図である。
【図6】本発明の第2の実施例のシステム構成を示すブ
ロック図である。
【図7】図6の選択部の一構成例のブロック図である。
【図8】コードブック及び標準パタン選択のためのシス
テム構成例を示すブロック図である。
【図9】図7のコードブックの内容の説明図である。
【図10】図6のベクトル量子化部の動作の説明図であ
る。
【図11】図7の標準パタンの内容の説明図である。
【図12】図7の雑音情報の内容の説明図である。
【図13】図6の照合部での照合に用いうるテーブルの
内容の説明図である。
【符号の説明】 101…入力音声、102…音声入力部、104…A/
D変換部、106…雑音処理部、108…分析部、11
0…標準パタン選択部、112…照合部、113…認識
結果、605…選択部、606…ベクトル量子化部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−168497(JP,A) 特開 平3−276196(JP,A) 特開 平1−260495(JP,A) 特開 平2−93697(JP,A) 特開 昭61−262798(JP,A) 特開 平1−274198(JP,A) 特開 昭64−997(JP,A) 特開 平3−110599(JP,A) 特開 昭63−261399(JP,A) 特開 昭63−226695(JP,A) 特開 平5−66790(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 15/00 - 17/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】認識対象となる音声を入力する音声入力部
    と、 該音声入力部により得られた入力音声信号を周波数分析
    し、該周波数分析された音声スペクトルに対し推定雑音
    スペクトルを引き算することにより、雑音を除去する雑
    音処理部と、 該雑音処理部により得られた音声信号に基づき当該入力
    音声の特徴ベクトルを求める分析部と、 予め想定される騒音環境に応じた雑音重畳音声データを
    用いて作成した複数個の標準パタンを格納しておき、前
    記雑音処理部から得られた音声信号から雑音処理により
    除去しきれなかった残差雑音に関する雑音情報を求め、
    該雑音情報に基づいて前記複数個の標準パタンの中から
    一つの標準パタンを選択する標準パタン選択部と、 該標準パタン選択部により選択された標準パタンと前記
    特徴ベクトルとを照合して前記入力音声を認識する照合
    部とを備えたことを特徴とする音声認識装置。
  2. 【請求項2】前記雑音処理部におけるスペクトルの引き
    算はスペクトルの振幅情報用いて行うことを特徴とす
    る請求項1記載の音声認識装置。
  3. 【請求項3】前記雑音処理部において、前記音声入力部
    の出力信号から無音声区間を検出し、この無音声区間の
    情報を用いて雑音スペクトルを推定することを特徴とす
    る請求項1記載の音声認識装置。
  4. 【請求項4】前記標準パタン選択部は、S/Nの異なっ
    た音声データから作成した複数個の標準パタンを持って
    おり、前記雑音処理部より得られた音声信号からS/N
    を計算し、そのS/Nの値に基づいて前記複数個の標準
    パタンの中から一つの標準パタンを選択することを特徴
    とする請求項1記載の音声認識装置。
  5. 【請求項5】前記標準パタン選択部は、前記S/Nの値
    に最も近い音声データから作成した標準パタンを前記照
    合部で用いる標準パタンとして選択することを特徴とす
    る請求項4記載の音声認識装置。
  6. 【請求項6】前記標準パタン選択部は、それぞれ性質の
    異なった雑音を重畳した音声データから作成した複数の
    標準パタンを持っており、前記雑音処理部より得られた
    音声信号から残差雑音成分の特徴量を抽出し、その残差
    雑音成分に基づいて前記複数個の標準パタンの中から一
    つの標準パタンを選択することを特徴とする請求項1記
    載の音声認識装置。
  7. 【請求項7】前記標準パタン選択部は、前記残差雑音成
    分の性質と最も近い性質の雑音を重畳した音声データか
    ら作成した標準パタンを前記照合部で用いる標準パタン
    として選択することを特徴とする請求項6記載の音声認
    識装置。
  8. 【請求項8】前記標準パタン選択部は、それぞれ性質の
    異なった雑音をS/Nを変えて重畳した音声データから
    作成した複数の標準パタンを持っており、前記雑音処理
    部より得られた音声信号からS/Nと残差雑音成分の特
    徴量を計算し、その特徴量に基づいて前記複数個の標準
    パタンの中から一つの標準パタンを選択することを特徴
    とする請求項1記載の音声認識装置。
  9. 【請求項9】前記標準パタン選択部は、前記計算した特
    徴量の値に一番近い音声データから作成した標準パタン
    を前記照合部で用いる標準パタンとして選択することを
    特徴とする請求項8記載の音声認識装置。
  10. 【請求項10】認識対象となる音声を入力する音声入力
    部と、 前記音声入力部により得られた入力音声信号を周波数分
    析し、該周波数分析された音声スペクトルに対し推定雑
    音スペクトルを引き算することにより、雑音を除去する
    雑音処理部と、 該雑音処理部により得られた音声信号に基づき当該入力
    音声の特徴ベクトルを求める分析部と、 予め想定される騒音環境に応じて作成された複数種類の
    コードブックと、該コードブックを用いたベクトル量子
    化により得られたコード系列としての複数種類の標準パ
    タンとを格納しておき、前記雑音処理部から得られた音
    声信号から雑音処理により除去しきれなかった残差雑音
    に関する雑音情報を求め、該雑音情報に基づいて前記コ
    ードブックの種類および前記標準パタンの種類を選択す
    る選択部と、 前記分析部により得られた特徴ベクトルに対して、前記
    選択された種類のコードブックを用いてベクトル量子化
    を行うことにより、音声特徴パタンを得るベクトル量子
    化部と、 該音声特徴パタンと前記選択された種類の標準パタンと
    を照合して前記入力音声を認識する照合部と を備えたこ
    とを特徴とする音声認識装置。
  11. 【請求項11】前記選択部を用いる代わりに、予め複数
    種類用意してある前記コードブックの各々を用い前記ベ
    クトル量子化部においてベクトル量子化を行い、その中
    でベクトル量子化の量子化誤差が最小であるものをベク
    トル量子化の結果として採用し、該採用した量子化に用
    いたコードブックがどれかという情報を用いて前記標準
    パタンを選択することを特徴とする請求項10記載の音
    声認識装置。
  12. 【請求項12】予め複数種類用意しておく前記コードブ
    ックおよび前記標準パタンの作成は、それぞれS/Nが
    異なっている複数の音声データを用いて行うことを特徴
    とする請求項10または11記載の音声認識装置。
  13. 【請求項13】予め複数種類用意しておく前記コードブ
    ックおよび前記標準パタンの作成は、それぞれ性質の異
    なった雑音を重畳した複数の音声データを用いて行うこ
    とを特徴とする請求項10または11記載の音声認識装
    置。
  14. 【請求項14】予め複数種類用意しておく前記コードブ
    ックおよび前記標準パタンの作成は、それぞれ性質の異
    なった雑音を種々のS/Nで重畳した複数の音声データ
    を用いて行うことを特徴とする請求項10または11記
    載の音声認識装置。
  15. 【請求項15】予め複数種類用意してある前記コードブ
    ックは、雑音を重畳していない音声データを用いて作成
    したコードブックに対し、後から雑音成分を重畳するこ
    とにより作成することを特徴とする請求項10または1
    1記載の音声認識装置。
  16. 【請求項16】予め複数種類用意してある前記コードブ
    ックの各々において、同じ音声の特徴を示すコードベク
    トルが同じコードワードに対応していることを特徴とす
    る請求項10または11記載の音声認識装置。
  17. 【請求項17】一つの標準パタンのコード系列に対して
    各々別個のコードブックを対応させることによって、各
    種の騒音環境に対応させることを特徴とする請求項10
    または11記載の音声認識装置。
  18. 【請求項18】前記照合部において、入力音声のベクト
    ル量子化に用いたコードブックを標準パタンのベクトル
    量子化に用いたコードブックとの間で、コードベクトル
    間の距離をあらゆる組合せで計算したテーブルを予め用
    意しておき、入力音声の特徴パタンと標準パタンとの照
    合のための距離計算は、前記テーブルを参照することに
    よって行うことを特徴とする請求項10記載の音声認識
    装置。
  19. 【請求項19】前記照合部は、前記音声特徴パタンと前
    記標準パタンとの照合のための距離計算において、一度
    計算したコードベクトルの組合せとその時の距離を記憶
    しておき、再び同じ組合せの距離計算を行う際は記憶し
    た値を用いることを特徴とする請求項10記載の音声認
    識装置。
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