JP3098381U - 釣針 - Google Patents

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中川 明紀
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株式会社カツイチ
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Abstract

【課題】餌の取付けと魚の掛かりの良い、根掛り防止機能付き釣針の提供。
【解決手段】フック状釣針1の軸部1aと針先部1cの間に閉ループ状線材2を配置する。閉ループ状線材2の一部である被取付部2aが軸部1aにチューブ3などで固定され、被取付部2aと反対側2bが針先部1cと交差、或いは、針先部1cの延長線と交差して、反対側2bが針先1dと接触、或いは、微小間隙で接近する。反対側2bが針先1dをガードして根掛りを阻止し、線材2を変位させて餌を取付け、魚を掛ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、根掛り防止手段を備えた釣針に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
フック状の釣針(鉤針)は魚の掛かりがよいが、根掛りしやすく、藻や岩などの異物に根掛りすると外れ難い。釣人にとって根掛りは是非回避したいことであり、この根掛りを低減させる根掛り防止手段付き釣針が市販されている。
【0003】
例えば、ピアノ線などの直線状や円弧状の根掛り防止用弾性線材の後端部をフック状釣針の軸部に固定し、弾性線材の先端部を釣針の針先部に向けて延在させて、針先部の内側に弾圧的に係止させた釣針がある。この弾性線材の先端部は、釣針の針先部外側を外部の異物からガードして、水中の異物が針先に引っ掛かるのを阻止することで根掛りを少なくする。しかし、弾性線材の先端部が釣針の針先を外側から被る状態にあるため、生餌や擬似餌などの餌の取付け作業の邪魔をし、さらには、魚が釣針の餌に食い付くときに邪魔をすることがある。
【0004】
また、フック状釣針の異なる種類の根掛り防止手段として、釣針の軸部に固定して、軸部の両側方に湾曲した弾性線材を張り出したプロテクターと呼ばれるものがある(例えば、特許文献1参照)。このプロテクターは、底釣りの際に釣針が餌と共に水中の底に達すると、湾曲した弾性線材の先端が底面に当接して、釣針の軸部と針先を底面から浮かせた状態にする。そのため、釣針を底面に沿ってリーリングしても、針先が底面の異物に引っ掛かりにくく、根掛りがしにくくなる。また、プロテクターである弾性線材が針先から十分に離れたところにあるので、餌の取付けや魚の掛かりの邪魔をしない。
【0005】
しかし、この種プロテクターは、水中の底において根掛りを低減させることにある程度の効果があるが、ルアーのリーリング時のように水中の底面から釣針が離れるような場合は、プロテクターが底面と接触せずに根掛り防止の機能が十分に発揮できない。
【0006】
【特許文献1】
実開平07−036660号公報(図1、図2、図7)
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決するため、軸部1aとふところ部1bと針先部1cを有するフック状釣針1における軸部1aと針先部1cの間に、閉ループ状の線材2を、その一部を軸部1aに平行に取付け、この被取付部2aの反対側2bを針先部1cの位置で変位可能にして配設したことを特徴とする(請求項1)。
【0008】
ここで、フック状釣針1は、軸部(シャンク)1aからふところ部(ベント)1bと針先(ポイント)部1cを一連に湾曲させたもので、軸部1aに閉ループ状線材2の一部である被取付部2aが接着剤やナイロンテグスなどの釣糸による糸巻締め、ナイロンチューブ止め、熱収縮樹脂製チューブ止めなどの手段で固定される。閉ループ状線材2は、適度な柔軟性と弾力性を有する線材(請求項4)、例えばナイロンテグスの釣糸が安価で釣針への取付製作が容易であることから望ましいが、金属の硬線や軟線も使用可能である。
【0009】
柔軟性と弾力性を有する閉ループ状線材2の場合、その被取付部2aを含めて全体が略楕円状に湾曲して閉ループを描き、被取付部2aの反対側2bが前後左右斜めの全方向に弾性変位容易に保持される。この反対側2aを、以下必要に応じてループ先端部2bと称すると、ループ先端部2bの外周が針先部1cの針先1dに接触し(請求項2)、又は、接触すれすれまで接近する(請求項3)。針先1dから餌を取付ける際にループ先端部2bに餌を押し当てると、弾性線材2が左右上下に変形して餌の取り付けの邪魔をしない。釣針1が餌と共に水中や水中の底を浮遊する際に、ループ先端部2bが針先1dをカバーするように存在して、藻などの異物に根掛りするのを阻止する。
【0010】
閉ループ状線材2は、輪ゴムのように略円形に製造されたリング品を適用することができる(請求項5)。このリング品は、量産された安価な既存品が適用できる有利さがある。また、線材2は、一本の釣糸を閉ループ状に曲げて両端部を平行に重ねることや、突き合せることで閉ループにしたものを使用することができる(請求項6、7)。釣糸の両端部を重ねることで、釣針への取付強度が高く安定する。このような釣糸からなる線材2は、全長とループ径が自由に選択できる。この全長とループ径の選択は、釣針の各種の形状とサイズに応じて行うことができて、より多品種の釣針に適用できる。
【0011】
また、閉ループ状線材2の被取付部2aを釣針1の軸部1aに取付ける手段は、接着剤(請求項8)、樹脂製チューブ(請求項9)、熱収縮チューブ(請求項10)、巻締め糸(請求項11)のいずれかの手段、又は、これら複数の手段のいずれかを組み合わせた手段にすることが望ましい。これら取付手段も、釣針1の種類に応じて選択される。
【0012】
【考案の実施の形態】
以下、実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
【0013】
図1(A)〜(E)に示されるフック状釣針1は、軸部1aとふところ部1bと針先部1cを有し、軸部1aと針先部1cの間に閉ループ状線材2を取付けている。針先部1cは先端に針先1dと、内側にカエリ1eを有する。軸部1aの先端の釣糸繋留部1fは、軸部先端部を曲げ成形したアイ構造を図示しているが、アイ構造に限らない。
【0014】
閉ループ状線材2は、適度な柔軟性と弾力性を有するナイロンテグスなどの1本の釣糸であり(図4参照)、所定長さの釣糸を円形に曲げ加工して両端部を例えば図2(A)、(B)に示すように平行に重ね、この重ねた両端部の被取付部2aを軸部1aの軸線に対して平行に固定する。閉ループ状の弾性線材2は、釣針1が略C字状に湾曲する平面で閉ループを構成し、被取付部2aと反対側をループ先端部2bとすると、このループ先端部2bの外周が針先1dと軽く接触するように弾性線材2の閉ループの大きさ(径)を設定する。閉ループ状弾性線材2は、釣針1の針先1dから少し外方に張り出して軸部1aへと湾曲する上部半円部と、針先1dからふところ部1bの奥方向に湾曲して軸部1aに達する下部半円部を有する。
【0015】
釣針1の軸部1aに閉ループ状弾性線材2の被取付部2aを取付ける手段は、樹脂製のチューブ3である。例えば図2(A)、(B)に示すように、軸部1aに挿通した所定長さのチューブ3と軸部1aの間に、一本の釣糸の両端部を反対方向から圧入して、この両端部をチューブ3の締付力で軸部1aに平行に固定する。また、チューブ3に熱収縮チューブを使用し、これに釣糸の両端部を挿通して熱収縮させることで固定するようにしてもよい。熱収縮チューブの場合、熱収縮させる熱で釣糸が変形しないようにすることは当然である。
【0016】
図3(A)、(B)に示すように、釣針1の釣糸繋留部1fに釣糸(ハリス、道糸)を繋留して仕掛けを作成してから、釣針1に餌11が取付けられる。餌11は生餌、ルアー釣りの擬似餌などである。この餌11は釣針1の針先1dから差し込む要領で取付けられるが、このときに図3(A)の鎖線矢印方向から閉ループ状線材2のループ先端部2bに餌11による外力が作用し、この外力で弾性線材2が横方向や、軸部1a側の奥方向に変形する。線材2が適度な柔軟性と弾力性を有するため、餌11による外力で線材2は抵抗少なく変形して、餌の取付け作業の邪魔をしない。また、釣針1に餌11を取付けるとき、釣針1を持つ片手の指で閉ループ状線材2を変形させることも簡単にできて、このときも餌の取付けが容易になる。餌取付けが完了して手を離すと、線材2は自己の弾性力で元の形に復元して、ループ先端部2bが針先1dに接触、又は、接近する。
【0017】
図3の状態で釣針1が水中にあるとき、針先1dから軸部1aの間にある閉ループ状弾性線材2の上部半円部が藻などの異物のふところ部1b内への侵入を阻止し、針先1dが異物に接触するのを阻止して、根掛りを防止する。この根掛り防止は、餌11で線材2が図3の場合より大きく変形していても効果的に行われる。
【0018】
また、図3の状態で餌11に魚が食い付くと、閉ループ状線材2の上部半円部に魚の上顎などから外力が加わって線材2が奥へと簡単に変形し、ループ先端部2bが針先1dから離れて釣針1に魚が掛かる。閉ループ状となった弾性の線材2は、藻などの水中の異物に軽く当たる程度ではあまり変形せず、魚が掛かるときに大きく変形するだけの弾性、柔軟性を有する。特に、閉ループ状線材2は釣針1とほぼ同一平面にあって、この平面と直交する横方向両側方に変形しやすいため、魚が掛かるときの外力の作用で簡単に横方向に変形して、魚が掛かりやすくなる。
【0019】
図5(A)、(B)は他の実施の形態を説明するためのもので、同図の釣針1は軸部1aに、略円形に製造された既存のリング品である閉ループ状線材2を巻締め糸4と接着剤5で固定している。リング品の線材2は、円筒形の樹脂チューブを輪切りしたもの、市販されている樹脂や金属のオーリングで、釣針1に合うサイズのものが適用される。巻締め糸4はナイロンテグスで、これで線材2を軸部1aに固定してから、上塗り的に接着剤5を塗布する。
【0020】
【考案の効果】
本考案によれば、釣針が水中のいかなる場所にあっても、釣針の軸部に取付けた閉ループ状線材が針先の周辺を外部の異物からガードして、根掛りしにくくする効果がある。また、閉ループ状線材を釣針に対して変形・変位しやすい材質、取付構造にすることで、釣針への餌の取付け時に容易に変形・変位して餌の取付けの邪魔をせず、かつ、魚が掛かるときにも変形・変位して魚の掛かりを良くする効果がある。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る釣針の実施の形態を示すもので、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は平面図、(E)は底面図である。
【図2】(A)は図1の釣針の一部断面を含む部分拡大側面図、(B)はT−T線に沿う断面図である。
【図3】(A)は餌を取付けたときの正面図、(B)は側面図である。
【図4】図1の釣針と閉ループ状線材の取付前の正面図である。
【図5】(A)は他の実施の形態を示す釣針の閉ループ状線材を取付けるときの正面図、(B)は線材を取付けた釣針の部分断面を含む部分拡大側面図である。
【符号の説明】
1  フック状釣針
1a  軸部
1b  ふところ部
1c  針先部
1d  針先
1f  釣糸繋留部
2   閉ループ状線材
2a  被取付部
2b  反対側(ループ先端部)
3   チューブ
4   巻締め糸
5   接着剤

Claims (11)

  1. フック状釣針の軸部と針先部の間に閉ループ状の線材を、その一部を軸部に平行に取付け、この被取付部の反対側を前記針先部の位置で変位可能にして配設したことを特徴とする釣針。
  2. 前記閉ループ状線材における被取付部の反対側を、前記針先部の針先に接触させたことを特徴とする請求項1記載の釣針。
  3. 前記閉ループ状線材における被取付部の反対側を、前記針先部の針先に微少間隙で接近させたことを特徴とする請求項1記載の釣針。
  4. 前記閉ループ状線材が、柔軟性を有する弾性線材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の釣針。
  5. 前記閉ループ状線材が、略円形に製造されたリング品であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の釣針。
  6. 前記閉ループ状線材が一本の釣糸で、この釣糸を閉ループ状に曲げて両端部を前記軸部に固定したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の釣針。
  7. 前記釣糸の両端部を重ねて軸部に固定したことを特徴とする請求項6記載の釣針。
  8. 前記閉ループ状線材の被取付部を前記軸部に接着剤を介して固定したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の釣針。
  9. 前記閉ループ状線材の被取付部を前記軸部に樹脂製チューブを介して固定したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の釣針。
  10. 前記樹脂製チューブが熱収縮チューブであることを特徴とする請求項9記載の釣針。
  11. 前記閉ループ状線材の被取付部を前記軸部に巻締め糸を介して固定したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の釣針。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022167103A (ja) * 2021-04-22 2022-11-04 孝 木村 根掛かり防止釣り針

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