【０００１】
【考案の属する技術分野】
本考案は、パークゴルフ用の競技ボールに係り、とくに樹脂成形した競技ボールの見栄えを向上させる技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
パークゴルフは、もともと公園や河川等の芝生でプレーするゴルフ類似の競技として提案されたスポーツである。基本ルールは、クラブによる競技ボールのパッティング（打出し）によって当該ボールをターゲットのホールまで移動させるまでの打数を競うことであるが、通常のゴルフとは異なり、ボールを空中に飛翔させることなく地面上を転がしてプレーする点に競技の特徴がある。
【０００３】
パークゴルフは、力の弱い子どもや高齢者も同一のルールで競技できること、複雑なルールを必要としないこと等の理由から、競技人口が近年増加する傾向にある。使用する競技ボールは、通常のゴルフボールよりも外径の大きなものであって、やや比重の高い硬質プラスチック製のものを用いる。ルール上は、現在のところ９５ｇ以下であれば良いとされている。
【０００４】
従来、パークゴルフの競技ボールは、ポリエチレン等の樹脂材を単純に球形に成型したものを用いていたが、飛距離を延ばす目的や、打感や打音の改善等の目的から、図３に示すように、競技ボール１の内部に一定の容積を持った球形のコア２を材を使用するものも増えている。コア２を中心部に配置することによって、９５ｇ以下というルール制約の範囲で競技ボール１の本体樹脂３をより硬質で反発の力の高い素材に改良することができるという利点がある。
【０００５】
尚、パークゴルフ用の競技ボールとして提案されているものとしては、従来、例えば特開２０００−１２６３３５、特開２００２−０７８８２９がある。特開２０００−１２６３３５は人工芝を用いた練習場で使用するためのボール表面の改善であり、特開２００２−０７８８２９はボールの耐摩耗性を向上させるための素材改良技術であるが、いずれも本考案とは直接の関係はない。
【０００６】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、従来のパークゴルフ用の競技ボールにおけるスペーサの役割は、使用する樹脂の量を減らして重量調整を図ることが目的であり、それ以上の意味を持たない。従って、最終製品である競技ボールをみても内部にスペーサが入っていることは外部からは判らないようになっている。
【０００７】
一方、パークゴルフは、年齢差や性別を問わず同一のルールでプレーできる点に面白みがあり、学齢児童と高齢者が一緒にプレーする等、幅広い年齢層において男女関係なく一緒にプレーできることから、競技ボールそのものをプレーヤーの好みや趣向に適合するよう、外観品質（見栄え）のヴァリエーションを豊富に増やすことが望まれる。
【０００８】
従来の競技ボールは、グランドゴルフと同様に、ボールの表面にあらわれた図形や文字の区別しかなく、いかにも面白みに欠ける。
【０００９】
そこで本考案の目的は、パークゴルフを楽しむ競技人口の幅広さに鑑みて、規定のルール範囲内でより多様な外観品質をもった競技ボールを提供可能とする点にある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本考案に係るパークゴルフ用の競技ボールは、硬質樹脂で成形したボール本体の中心部に所定の容積をもったスペーサを配してなるパークゴルフ用の競技ボールを技術的前提として、ボール本体の材料となる硬質樹脂を透明材とするとともに、当該硬質樹脂に目視可能な空気層を形成する。空気層は、微量空気からなる泡状とすることが望ましい（請求項２）。
【００１１】
【作用】
本考案に係るパークゴルフ用の競技ボールは、ボール本体の材料となる硬質樹脂を透明材とするため、ボールの内部に配するスペーサが外部から視認可能となる。
【００１２】
このため、第一に、バールの内部に配するスペーサの形状、色、模様、材質等を変更することによって、第二に、ボール本体の材料となる硬質樹脂の色を変えることによって、第三に、ボール内部に形成する目視可能な空気層（気泡）の量およびデザイン形状を変えることによって、さまざまなヴァリエーションの競技ボールを提供することが可能となる。
【００１３】
使用するスペーサは、従来使用されている単純な球形物に限らない。例えば、アニメーション等の各種キャラクター、自動車、船舶、飛行機、建築物のミニチュア、数字、文字、図形などを象ったものでも良い。
【００１４】
【考案の実施の形態】
図１、図２は、本考案に係るパークゴルフ用の競技ボールの実施形態を例示するものである。この競技ボール１０は、透明樹脂を用いて成形するボ−ル本体１１の中心部に、数字「２０」を象ったスペーサ１２を配し、当該スペーサ１２の周囲に空気層１４を形成してなる。
【００１５】
スペーサ１２は、ボ−ル本体１１を構成する樹脂の量を減らしてボール重量を軽くすることが本来の目的である。従って、その内部は中空とすることが望ましい。またスペーサ１２は軽量の素材、例えばセルロース系の合成樹脂やアルミ等の軽量金属を用いることが望ましい。ボ−ル本体１１に使用する材料樹脂よりも比重が格段に少なければ良いので、スペーサ１２の内部は必ずしも中空である必要はない。例えば、発泡スチロールのような軽量樹脂の外側を肉薄のコーティング層で被覆した軽量材を使用すれば、その内部を中空としなくても重量軽減の目的を達するからである。
【００１６】
ボ−ル本体１１を構成する樹脂は、スペーサ１２を外部から視認できる程度の透明性をもち、プレー時の打撃によっても破損しにくいものであれば良い。このような樹脂としては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂（例えば商品名サーリン；米国デュポン社、または商品名ハイミラン；三井・デュポンポリケミカル社）がある。このアイオノマー樹脂は、透明性に優れ、様々な色に着色して使用することが可能であり、衝撃に強く、われにくい。
【００１７】
また、アイオノマー樹脂は樹脂に限らず金属接着性にも優れるため、スペーサ１２の素材として金属を用いた場合でも剥離が生じにくく、ボールの回転の正確さを損なうことがない。競技ボール１０は、ボール（１１）の回転にぶれを生じさせないことが求められるため、スペーサ１２がボール本体１１を構成する樹脂から剥離して若干でも動くことは好ましくない。パークゴルフも、一般のグランドゴルフと同じように第一打の飛距離が求められるため、プレー中には何度も強い衝撃打を繰り返して受けるが、スペーサ１２の表面材料との接着性に優れた樹脂をボール本体１１の構成樹脂とすれば、正確なプレーの妨げとなるような問題は生じない。
【００１８】
空気層１４は、スペーサ１２の大きさ（容積）によってカバーしきれないボール本体１１の重量超過の問題を解消すると同時に、外観品質を向上させる役割を果たす。
【００１９】
すでに述べたように競技ボール１０の重量は９５ｇ以下という制約がある。この制約の範囲内で見た目がよく購買意欲を向上させることの出来る競技ボール１０のバリエーションを増やすためには、第一に、スペーサ１２の容積を大きくしてボール本体１１の樹脂量を減らせばよいが、それだけではバリエーションの数には限界が生じる。スペーサ１２の容積調整だけでは、当該スペーサ１２に使用する素材や形状や大小そのものが一定の制約を受けるからである。
【００２０】
一方、空気層１４を設ければ、このような問題は生じない。空気層１４そのものがボール本体１１の樹脂量を減らす役割を果たすからである。また空気層１４は、その形成量を自由に調整することが可能であり、スペ−サ１２の重量に応じてボール本体１１の重量を適宜可変する機能を営む。また空気層１４は、小さな泡状に成形できるため、スペーサ１２の美観を損なわず、見た目も美しく仕上げることが出来る。
【００２１】
空気層１４は、ボール本体１１の中心部近傍、つまりスペーサ１２の付近に配することが望ましい。ボール（１１）の回転の正確さを保証するためである。もちろんボール（１１）の回転時のバランスが良好である限り、ボール本体１１の外周部（表面近傍）にも形成して構わない。但し、ボール本体１１の外周部に近いところに多くの空気層１４があると、スペーサ１２の美的外観を損ねる可能性があり、また強く叩くと破損する虞れもある。従って、空気層１４はボール本体１１の外表面から少なくとも５ｍｍ以上深い箇所に成形することが望ましい。
【００２２】
空気層１４は、スペーサ１２が外部からみえるように形成する。ボール（１１）の転がりの正確を保ち、より多くの空気層１４を形成する必要がある場合は、好ましくは、ボール本体１１の中心部に近い箇所ほど空気層１４を密に成形し、中心部から離れるほど空気層１４の密度を粗く設ける。
【００２３】
従って、かかる構成によれば、一定の重量制限の下で、見た目に楽しい多種多様な競技ボール１０をヴァリエーション豊富に提供することが可能となる。ボール（１１）に使用する樹脂のカラーや濃淡を変更調整でき、スペーサ１２の形状、大きさ、材質をどのように変えても、空気層１４の形成ヴァリエーションを変えることによって重量の問題は柔軟に対応解消できるからである。
【００２４】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係るパークゴルフ用の競技ボールによれば、規定のルール範囲内でより多様な外観品質をもった競技ボールを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本考案に係る競技ボールの実施形態を例示する図である。
【図２】図１のＡ矢視図である。
【図３】従来の競技ボールの構造を例示する図である。
【符号の説明】
１０ 競技ボール
１１ ボ−ル本体
１２ スペーサ
１４ 空気層[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a game ball for park golf, and more particularly to a technique for improving the appearance of a resin-formed game ball.
[0002]
[Prior art]
Park golf is a sport originally proposed as a golf-like game played on grass such as parks and rivers. The basic rule is to compete for the number of hits before the ball is moved to the target hole by putting (launching) the playing ball by the club, but unlike normal golf, the ball does not fly into the air and One of the features of the competition is that you roll up and play.
[0003]
Park golf tends to increase in recent years due to the fact that weak children and the elderly can play according to the same rules and do not require complicated rules. The competition ball to be used has a larger outer diameter than a normal golf ball and is made of a hard plastic having a relatively high specific gravity. According to the rules, it is sufficient that the weight is 95 g or less at present.
[0004]
Conventionally, park golf competition balls have been formed by simply molding a resin material such as polyethylene into a spherical shape. However, for the purpose of extending the flight distance and improving the hit feeling and hitting sound, FIG. As shown in the figure, the number of balls using a spherical core 2 having a certain volume inside a competition ball 1 is increasing. By arranging the core 2 at the center, there is an advantage that the main resin 3 of the game ball 1 can be improved to a harder material having a high repulsion force within a rule constraint of 95 g or less.
[0005]
Conventionally, there have been proposed, for example, JP-A-2000-126335 and JP-A-2002-078829 as competition balls for park golf. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-126335 is an improvement of a ball surface for use in a practice field using artificial turf, and Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-078829 is a material improvement technology for improving abrasion resistance of a ball. There is no direct relationship with the present invention.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the role of the spacer in the conventional park golf ball is to adjust the weight by reducing the amount of resin used, and has no further meaning. Therefore, even if the final game ball is viewed, it is not apparent from the outside that the spacer is contained therein.
[0007]
On the other hand, park golf is interesting in that it can be played with the same rules regardless of age difference and gender, and since school-aged children and elderly people can play together regardless of gender in a wide age group, It is desirable to increase the variety of appearance quality (appearance) abundantly so that the competition ball itself matches the tastes and tastes of the players.
[0008]
Conventional competition balls, like grand golf, have only a distinction between figures and characters appearing on the surface of the ball, and are not very interesting.
[0009]
Therefore, an object of the present invention is to provide a game ball having various appearance qualities within a prescribed rule range in view of the wide range of the game population who enjoys park golf.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a game ball for park golf according to the present invention is a game ball for park golf in which a spacer having a predetermined volume is arranged at the center of a ball body formed of a hard resin. As a basic premise, a hard resin as a material of the ball body is made transparent, and a visible air layer is formed on the hard resin. The air layer is desirably in the form of a foam made of a small amount of air (claim 2).
[0011]
[Action]
In the game ball for park golf according to the present invention, the hard resin, which is the material of the ball body, is made of a transparent material, so that the spacer disposed inside the ball becomes visible from the outside.
[0012]
For this reason, first, by changing the shape, color, pattern, material, etc. of the spacer arranged inside the burl, and second, by changing the color of the hard resin that is the material of the ball body, In addition, by changing the amount and design shape of the visible air layer (bubbles) formed inside the ball, it becomes possible to provide a variety of variations of the game ball.
[0013]
The spacer to be used is not limited to a simple spherical object conventionally used. For example, various characters such as animation, automobiles, ships, airplanes, architectural miniatures, numbers, characters, figures, and the like may be used.
[0014]
[Embodiment of the invention]
1 and 2 illustrate an embodiment of a game ball for park golf according to the present invention. In this game ball 10, a spacer 12 in which a numeral "20" is formed is arranged at the center of a ball body 11 formed of a transparent resin, and an air layer 14 is formed around the spacer 12. Become.
[0015]
The original purpose of the spacer 12 is to reduce the amount of resin constituting the ball body 11 to reduce the weight of the ball. Therefore, it is desirable that the inside is hollow. The spacer 12 is preferably made of a lightweight material, for example, a lightweight metal such as a cellulose-based synthetic resin or aluminum. Since the specific gravity only needs to be much smaller than the material resin used for the ball body 11, the inside of the spacer 12 does not necessarily have to be hollow. For example, if a lightweight material such as styrofoam in which the outside of a lightweight resin is covered with a thin coating layer is used, the purpose of weight reduction can be achieved without making the inside hollow.
[0016]
The resin constituting the ball main body 11 may be any resin having such transparency that the spacer 12 can be visually recognized from the outside, and is hardly damaged by a hit during play. Examples of such a resin include an ionomer resin in which the molecules of an ethylene-methacrylic acid copolymer are cross-linked with metal ions (for example, Surlyn, trade name; DuPont, USA, or Himiran, trade name, Mitsui / Dupont Polychemical Co., Ltd.). is there. This ionomer resin is excellent in transparency, can be used by being colored in various colors, is strong in impact, and is not easily damaged.
[0017]
In addition, since the ionomer resin is not limited to the resin but also has excellent metal adhesion, even when metal is used as the material of the spacer 12, peeling does not easily occur, and the rotation accuracy of the ball is not impaired. Since the game ball 10 is required not to cause the rotation of the ball (11) to shake, it is not preferable that the spacer 12 peels off from the resin constituting the ball body 11 and moves even slightly. Park golf is also required to have a long first hit distance in the same manner as general ground golf. Therefore, it receives a strong impact repeatedly during play, but has excellent adhesion to the surface material of the spacer 12. If the used resin is used as the constituent resin of the ball body 11, there is no problem that hinders accurate play.
[0018]
The air layer 14 serves to solve the problem of excess weight of the ball body 11 that cannot be covered by the size (volume) of the spacer 12 and to improve the appearance quality.
[0019]
As described above, the weight of the competition ball 10 is limited to 95 g or less. In order to increase the variations of the game ball 10 which looks good and can improve the purchase motivation within the range of this restriction, first, the capacity of the spacer 12 may be increased to reduce the resin amount of the ball body 11. However, this alone limits the number of variations. This is because the adjustment of the volume of the spacer 12 alone imposes certain restrictions on the material, shape, and size of the spacer 12.
[0020]
On the other hand, if the air layer 14 is provided, such a problem does not occur. This is because the air layer 14 itself serves to reduce the amount of resin of the ball body 11. Further, the amount of the air layer 14 can be freely adjusted, and has a function of appropriately changing the weight of the ball body 11 according to the weight of the spacer 12. Further, since the air layer 14 can be formed into a small foam, the appearance of the spacer 12 can be beautifully finished without deteriorating the aesthetic appearance of the spacer 12.
[0021]
The air layer 14 is desirably disposed near the center of the ball body 11, that is, near the spacer 12. This is to ensure the accuracy of the rotation of the ball (11). Of course, as long as the balance during rotation of the ball (11) is good, it may be formed on the outer peripheral portion (near the surface) of the ball body 11. However, if there are many air layers 14 near the outer periphery of the ball body 11, the aesthetic appearance of the spacer 12 may be impaired, and if it is hit hard, the spacer 12 may be damaged. Therefore, it is desirable that the air layer 14 is formed at a position at least 5 mm deeper from the outer surface of the ball body 11.
[0022]
The air layer 14 is formed so that the spacer 12 can be seen from the outside. When it is necessary to maintain the accuracy of the rolling of the ball (11) and form more air layers 14, it is preferable to form the air layer 14 closer to the center of the ball body 11 and to form the air layer 14 more densely. The density of the air layer 14 increases as the distance from the air layer increases.
[0023]
Therefore, according to such a configuration, it is possible to provide a variety of visually pleasing game balls 10 with a wide variety of variations under a certain weight limit. The color and shading of the resin used for the ball (11) can be changed and adjusted, and no matter how the shape, size, or material of the spacer 12 is changed, the weight problem can be flexibly changed by changing the formation variation of the air layer 14. This is because the correspondence can be eliminated.
[0024]
[Effect of the invention]
As described above, according to the game ball for park golf according to the present invention, it is possible to provide a game ball having more various appearance qualities within a specified rule range.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating an embodiment of a game ball according to the present invention.
FIG. 2 is a view taken in the direction of arrow A in FIG. 1;
FIG. 3 is a view illustrating the structure of a conventional competition ball.
[Explanation of symbols]
10 Competition ball 11 Ball body 12 Spacer 14 Air layer
