JP3090314B2 - 対象物体の内部へ局所化されたx線放射を印加する装置およびその製造方法 - Google Patents

対象物体の内部へ局所化されたx線放射を印加する装置およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカテーテル装置およ
びその製造方法に指向されるものであり、より特定的に
はカテーテル装置および局所化された放射を、身体の脈
管、ルーメン、または空胴、例えば心臓血管組織、再発
狭窄およびその他の状態を治療するために、局所化され
た放射を、身体の脈管、ルーメン、または空胴、例えば
心臓血管組織への印加用の装置の製造方法に指向される
ものである。
【0002】
【従来の技術】医療の世界では医師および科学者は、患
者を治療するための、侵襲性のより少ない方法を発見す
ることにつとめている。身体に対し侵襲性のより少ない
療法を用いることにより、医師は、患者のシステムに対
するストレスと、感染への曝露を、大いに低減させるこ
とができる。例えば、腹腔鏡の技術は、医師が皮膚の小
さい開口を通して身体の内部を探査し外科手術を実行す
ることを可能にする。侵襲性のより少ない技術は、心臓
脈管の疾患に適用される場合に極めて有益である。
【0003】心臓脈管の疾患は何百万もの人々を罹患さ
せ、しばしば心臓発作そして死亡の原因になる。多くの
心臓脈管の疾患の1つの共通の観点は、狭窄、すなわち
動脈または静脈の肥厚であり、その場合に脈管を通る血
液流は減少する。バイパス手術に頼ることなく閉塞した
動脈を再開路させるために血管形成術治療法が開発され
た。しかし、事例の大なるパーセンテイジにおいて、血
管形成術治療法の後に、動脈は再び閉塞されることが生
ずる。脈管のこの再発の肥厚は再発狭窄(resten
osis)と称される。再発狭窄はしばしば、第2の血
管形成術および結局のバイパス手術を必要とする。バイ
パス手術は患者へ与えるストレスが非常に大きいもので
あり、胸部を切開することが必要であり、感染、麻酔、
および心臓機能不全の危険をともなう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】再発狭窄を予防し治療
する有効な方法があれば、幾百万の人々に有益であろ
う。1つの対応策は、再発狭窄を予防し最小限にするた
めの薬物療法である。例えばヘパリン(Hepari
n)が抗凝固剤および動脈の平滑筋増殖の抑制因子とし
て使用されてきた。デクサメタゾン(Dexameth
asone)が、平滑筋増殖を抑制することが可能な他
の1つの薬剤である。そのような抗凝固剤および増殖抑
制剤は、血管形成術処置の後の再発狭窄の防止に有効で
ありそれにより該処置を反復する必要性を消滅させる可
能性がある、と提言されてきた。
【0005】最も有効なものを得、付随する危険を低減
させるためには、そのような薬剤を処置されるべき領域
へ直接に印加することが望ましいことである。処置の侵
襲性を最小にするためには、人間の心臓脈管または循環
系を横断するに適合した薬剤印加装置が使用されねばな
らぬ。そのような装置は約2mmないし4mmの直径をもつ
小さい血管に進入することができるものでなければなら
ぬ。そのような装置はまた、蛇行性の通路に従うようヘ
アピン状の屈曲ができるものでなければならぬ。
【0006】したがって、再発狭窄の区域へこのような
およびその他の効果的な薬剤を印加するために多くの形
式のカテーテルが開発されて来た。これらのカテーテル
はしばしば組織または局面へ薬剤を注入するのに圧力を
使用し、その場合に管腔の壁体に損傷を生じさせる可能
性を潜在的に有する。圧力を使用しない印加の技術は、
区域を血液流から隔離し薬剤の充分な吸収を可能にする
よう、閉鎖用気球を使用する。しかし、動脈における血
液流は、薬剤が印加されている間、限定された期間に、
閉塞され得るだけである。これらのおよびその他の問題
点のために、薬剤の局所的な印加は、再発狭窄を防止す
るための適切な処置を提供するものではなかった。
【0007】これまでに試みられた再発狭窄に対するそ
の他の処理は、再発狭窄の区域における脈管内に放射性
アイソトープを設置することによる脈管のベータ放射で
ある。しかし、この方法では、放射の貫通の深さは、制
御することが不可能である。放射の深さは、使用される
放射性アイソトープの形式により決定される。放射源
は、処置されるべき区域へ印加されているとき、身体の
他の健康な部分をも照射する。他の1つの不利益点は、
放射性材料を取扱っているとき、医療職員が広範囲の用
心を拂わねばならぬことである。
【0008】そこで、身体の内部を、最小の侵入で、処
置する有効な方法および方法に対する需要がある。脈管
の壁体における狭窄および再発狭窄を防止する、有効
な、侵襲性のより小なる技術が、特に要望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、局所
化されたX線放射を印加する装置であって、該装置は、
近接の部分および遠隔の部分を包含する軸、該軸の遠隔
の部分に結合される真空容器体であって外表面を有する
もの、該真空容器体内に設置される陽極、該真空容器体
内に配置される陰極構造であって、薄いダイヤモンドの
被膜を包含し、該薄いダイヤモンドの被膜は、陽極とと
もに、局所化されたX線放射を発生するよう作動するも
の、および、該真空容器体の外表面上の導電層であって
陰極に電気的に接続されるもの、を具備することを特徴
とする装置、が提供される。本発明においてはまた、局
所化されたX線放射を印加する装置であって、該装置
は、陽極、該陽極とともに作動し局所化されたX線放射
を発生させる陰極構造であって薄いダイヤモンドの被膜
を包含し該薄いダイヤモンドの被膜は陽極とともに局所
化されたX線放射を発生するよう作動するもの、およ
び、該陽極と該陰極構造を収容する真空容器体であって
外表面上に導電層を有し該導電層は陰極に電気的に接続
され、該真空容器体の外径は約1.25mmより小または
それに等しいもの、を具備することを特徴とする装置、
が提供される。
【0010】本発明においてはまた、局所化されたX線
放射を発生させる装置を製造する方法であって、該方法
は、陰極構造に対応する先端部分を有するゲッタを設け
る段階であって、該ゲッタは活性化の温度を有するも
の、該活性化温度より低い温度においてゲッタの先端部
分に薄いダイヤモンドの被膜を形成させ、薄いダイヤモ
ンド被膜陰極を実現させる段階、該陰極を真空容器体内
に配置する段階、および、温度を活性化温度へ上昇させ
ゲッタを活性化する段階、を具備することを特徴とする
方法、が提供される。
【0011】本発明は、添付の図面に関連しての種々の
実施例の詳細な説明を考慮することにより、より完全に
理解することが可能である。本発明は、種々の変形およ
び代替の形式へ変化可能ではあるが、添付図面には例示
として、本発明の特定の実施例が示され、それについて
説明がなされる。しかし、本発明は特定の実施例に限定
されないことが理解されるべきである。本発明は、添付
の請求項により規定される発明の精神および範囲内のす
べての変形、等価物および代替物を包含する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、管腔、脈管または身体
の内部区域をX線で照射するシステムおよび配置の装
置、それの製造方法、および使用方法に適用可能であ
る。本発明は、心臓脈管システムにおける再発狭窄を防
止するのに特に有利である。本発明はそれには限定され
ないけれども、そのような環境において作動する応用例
の説明により、本発明の種々の観点の評価が最も良く得
られる。
【0013】図1は第1の実施例を示し、そこにおいて
は、X線装置20は薄いダイヤモンドの被膜28を具備
し、該被膜は例えば再発狭窄を処置するために局所化さ
れたX線放射を印加するために使用されることが可能な
薄いダイヤモンドの被膜28を具備する。冠状動脈への
応用においては、X線放射が血管の外膜の2mmの深さへ
貫通することが望ましい。心臓筋肉組織への貫通は最小
にされるべきである。冠状動脈への応用においてX線放
射を約8KeV ないし10KeV のピークエネルギで印加す
ることが、さらに望ましいことである。
【0014】身体内に約8KeV ないし10KeV のX線放
射を発生させることを試みる場合、陰極の表面の電界の
大きさをできるだけ低く維持することが重要である。陰
極26の表面に電界が存在し、一方、真空容器体のちょ
うど外側で導電性の編組体(ブレイド)または鑞は接地
電位に維持される。陰極の表面から接地への放電、すな
わち電気的フラッシュオーバは防止されねばならぬ。本
発明によれば、X線源により、より弱い電界が要求され
るほど、電気的フラッシュオーバの危険は低減され、発
生する熱は少なくなり、より広い導体の配列が使用され
ることができる。
【0015】さらに、陰極において要求される電界を低
減させる能力は、製造の技術をより費用の少ないものに
する結果を生じさせる。陰極の表面の小さな不規則性
は、印加される電圧に対し電界の大きさが増大する結果
を生じさせ、それにより電気的フラッシュオーバの機会
を増大させる。陰極における要求される電界が弱いほ
ど、フラッシュオーバの危険のない陰極表面についての
不完全性の許容度は大になる。
【0016】本発明の一実施例によれば、X線放射は、
陰極としてダイヤモンドの被膜を用いることにより、要
求される電界を小に維持しつつ、発生させられる。ダイ
ヤモンドの被膜は、電界が印加されるにともない電子を
容易に解放するということで、電界放出装置として魅力
的な性質を示す。陰極としてダイヤモンドの使用される
場合、約8KeV ないし10KeV の放射を発生させるに必
要な電界は約20KeV/μmである。これに対し、金属
の放出装置から同様の水準の放射を発生させるに必要な
電界は優に1,000KeV /μmを超えるものである。
本発明においては、陰極において発生する電界を相当に
弱いものとしつつ、X線放射を達成させるために、ダイ
ヤモンドで被覆された陰極が用いられる。
【0017】図1に示される実施例において、X線装置
20は、血管、管腔、またはその他の身体の空胴への挿
入に適合した可撓性のカテーテル軸22を具備する。こ
の特定の実施例にはカテーテル軸が示されているが、一
般に、処置の区域へ本発明によるX線装置を案内するの
に種々の相異なる要素が使用されることが可能である。
軸22は近接部分と遠隔部分を有するが、図1には遠隔
部分が示されている。冠状動脈への応用に際し、本装置
は大腱動脈において身体に挿入され、血管回路網のなか
を通され、心臓に到達することが可能である。この事情
下において、軸は極めて可撓性のものであり約3mmより
小またはそれに等しい最大直径を有するものでなければ
ならぬ。他の応用においては、軸の性質は仕事の要求に
答えるものでなければならぬ。
【0018】可撓性軸22の遠隔部分において、X線源
要素を収容する真空容器体23が設けられる。X線源要
素は、陽極24、陰極基体26、陰極基体26上の薄い
ダイヤモンドの被膜28、およびゲッタ30を包含す
る。図1に示される集積されたX線装置の外径は、約
2.5mmより小であるかまたはそれに等しい。
【0019】陽極と陰極の間に電界を適用するために、
軸22内に同軸状ケーブル38が配置される。この実施
例においては、同軸状ケーブル38は、軸22の近接の
終端において、図示されない高電圧発生装置に結合され
る。同軸状ケーブル38の内部導体40は、適切な電圧
において、陽極24に結合される。同軸状ケーブル38
の外部導電層42は接地電位に維持され、導電性の鑞4
4を介して陰極基体26に結合される。陽極、陰極間に
電界を適用するために、他の知られている方法が用いら
れることが可能である。
【0020】血管形成術による拡張の後の冠状動脈は、
代表的には、わづかに約3.0mmの直径を有する。した
がって、本装置に用いられる同軸状のケーブルおよび任
意の被膜は3.0mmより小であるかまたはそれに等しい
直径を有しなければならぬ。ケーブルはまた要求される
電圧を担持することができなければならず、動脈通路に
したがい多数の転向を行うに充分な可撓性を有しなけれ
ばならぬ。標準の高電圧の同軸状のケーブルは、一般
に、充分な可撓性をもつものではない。しかし、発明者
は、約1.0mmないし3.0mmの外径をもつミニチュア
の高周波数の同軸状のケーブルが利用可能であり、この
ものは充分な可撓性を有することを見出した。この形式
のケーブルは、代表的に、数kVより小なる電圧において
高周波数が適用される場合に用いられる。
【0021】本発明に関連して発明者は、そのようなケ
ーブルは75kVないし100kVの直流電圧に絶縁破壊な
しに耐えることができることを見出している。したがっ
て、これらのケーブルは本発明のX線装置に良く適して
いる。1つの実施例においては、3.0mmより小である
かまたはそれに等しい外径をもつケーブルが使用され
る。他の1つの実施例においては、1mmないし2mmの外
径をもつケーブルが使用される。このようなケーブル
は、例えばNew Hampshire のLisborn のNew England El
ectric Wire Corporation で製造されるものである。
【0022】陽極に射突する電子を最も効果的に減速さ
せるために、陽極24に重い金属の材料、例えばタング
ステンまたは金、を使用することができる。陰極基体2
6に使用される材料は、ダイヤモンドの被膜を形成させ
る方法によって決まる。薄いダイヤモンドの被膜28
は、従来技術として知られている化学的蒸着法により得
ることができる。化学的蒸着法によるダイヤモンド被膜
合成用に、種々の材料、例えばタングステン、モリブデ
ン、およびタンタルが有効な基材として役立つことが可
能である。以下により充分に記述されるが、ダイヤモン
ドの被膜が、他の方法、例えばレーザイオン被着法によ
っても製造されることが可能であり、その場合には陰極
の基体として広い範囲の材料が利用可能である。
【0023】本明細書において使用されるようなダイヤ
モンドの被膜という称呼は、陰イオンの親和力を証明す
るダイヤモンド状の結合を有する炭素の被膜を考慮する
ものである。陰極の表面への電子の恒常的な供給を生成
させるために充分な導電性を有することもまた望ましい
ことである。ダイヤモンドの被膜における或る黒鉛結合
の存在は、導電性に貢献する。したがって、陰極として
機能するためのsp3の炭素結合と導電性を容易化する
sp2の炭素結合の両者の組合せは、そのようなシステ
ムでの使用には特に適している。被膜には他の元素もま
た、小量存在することが可能である。本発明によれば、
ダイヤモンドの被膜は、約20kV/μmより大であるか
またはそれに等しい電界において電子を放出することが
できるという性質を有する。この要求される電界は、1
000kV/μmより大なる値を要求するモリブデンまた
はシリコンのような金属の放出装置に要求される電界と
比較すると、相当に低いものである。
【0024】高品質の真空条件を創出し維持することを
援助するために、真空容器体23内にゲッタ30が配置
される。ゲッタ30は、活性化温度を有し、該活性化温
度においてゲッタは真空内の漂遊ガス分子と反応する。
ゲッタが真空容器体内に配置され真空容器体が排気され
た後、本装置は活性化温度へまで加熱される。使用され
るゲッタが、活性化温度へまで加熱されたときX線装置
が損傷される程には高くない活性化温度を有することが
望ましい。SAES ST 101合金のゲッタを使用
することが可能であり、該合金のゲッタは、750℃か
ら900℃までの範囲の活性化温度を有し、約64%の
ジルコニウムと16%のアルミニウムからなる。ST7
07合金のゲッタもまた使用することができ、該合金の
ゲッタは、400℃から500℃までの範囲の活性化温
度を有し、約70%のジルコニウム、24.6%のヴァ
ナジウム、および5.4%の鉄からなる。
【0025】全部の線量が管腔の壁体へ到達することを
許容するために、真空室の壁体36はX線に対し透明で
あるべきである。壁体36は窒化硼素または他の金属ま
たはセラミックの材料を含むことができるが、この材料
はX線に対し透明である。他の可能性のなかには、熱分
解窒化硼素、等方性窒化硼素、異方性窒化硼素、ベリリ
ウム、酸化ベリリウム、アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、または黒鉛が包含される。
【0026】X線装置において、陰極26の表面に電界
が存在し、陰極26から陽極24へ電流が流れるが、そ
の場合真空容器体のちょうど外側で導電性鑞または半田
44が接地電位に維持されている。本発明によれば、こ
れらの2つの電位は相互に絶縁されねばならぬのであ
り、さもないと電気的フラッシュオーバが発生する。パ
イロライティック窒化硼素の真空壁体は幾らかの絶縁を
提供することができる。真空室の壁体36として金属が
用いられる場合は、絶縁層が必要である。電気的フラッ
シュオーバに対する追加の防護として、真空室の壁体の
接合部に電気絶縁材料50を設置することができる。真
空室は、生物的適合性をもつ被膜46、例えばポリエチ
レン、ポリウレタン、またはテフロン(登録商標)材
料、をさらに包含する。真空室壁体36と陽極24の間
の接合部34は、真空炉鑞接されるものであることがで
きる。
【0027】本発明の一実施例により管腔の壁体を照射
するために用いられる場合は、X線装置はカテーテル内
に設置される。カテーテルは、皮膚を通して、処置され
るべき管腔へ導入される。次いでX線装置は、従来技術
で知られている技術を用いて管腔へと案内される。
【0028】高電圧発生装置が活性化され、陰極28と
陽極24の間に電界が形成される。薄いダイヤモンドの
被膜28は電子を解放し、この解放された電子は陽極2
4へと加速される。陽極24により電子が減速される
と、陽極24の材料により電磁放射が放出される。この
ような態様で、制動放射効果によりX線放射が発生す
る。X線放射は、管腔の壁体に射突すると、平滑筋増殖
を抑止する。したがって、X線カテーテル装置は再発狭
窄を効果的に阻止するために使用されることができる。
希望された線量が印加されると、電圧源は遮断されカテ
ーテルは身体から脱去される。
【0029】身体の内部に印加されるべきX線放射の線
量は、一般的には、臨床の医師の判断の範囲内にあり、
個々の条件、例えば処置されるべき部位の状態の困難
性、および特定の患者にもとづくものになる。
【0030】例えば、Barrettの食道(バレット
食道)の初期を処置するためには、食道の最初の層のみ
が照射される必要がある可能性がある。Barrett
の食道が癌状態まで進行している場合には、印加される
放射の量は増大する。
【0031】本発明によれば、Barrettの食道を
処置するかまたは食道の再発狭窄を阻止するために、1
0Gyないし50Gyの範囲の照射が食道の内部の区域へ印
加される可能性がある。好適には、15Gyないし30Gy
の範囲のX線放射が食道へ印加される可能性がある。
【0032】本発明によるX線装置が脈管への適用に使
用される場合、拡張の後の再発狭窄を阻止するために、
約10Gyないし50Gyの照射を使用することが可能であ
ると信ぜられている。再発狭窄を制限するには、約20
Gyの照射が効果的であると信ぜられている。
【0033】処置は、約2分ないし10分またはそれよ
り多く、好適には3分ないし5分、継続されるよう構成
される。処置を必要とする区域の長さに依存して、放射
の処置の期間において、X線放射装置は再位置ぎめされ
ることが可能である。
【0034】一般的に、X線装置の陽極において或る量
の熱が発生する。したがって、構造を冷却する或る機構
が要求される可能性がある。動脈で使用されるとき、動
脈への代表的な血液流は約50cm3 /min.ないし60cm
3 /min.であり、このことは真空容器体を伝導する熱の
消散を援助する。X線装置が他の身体システムに使用さ
れる場合は、追加の冷却方法が必要である可能性があ
る。
【0035】図2を参照すると、本発明によるX線装置
の他の実施例が示されている。図2の実施例において
は、薄いダイヤモンドの被膜がゲッタに直接配置されて
いる。本発明によれば、ゲッタを陰極構造に統合するこ
とにより、寸法上の相当の利点が得られる。
【0036】心臓血管疾患の処置は患者の身体に対しよ
り侵襲性の少ないものになり、したがって患者のシステ
ムへのストレスのより少ないものになる傾向が継続して
いる。X線装置の寸法における改良は、要求される切開
の寸法を減少させ、手技能力を改良し、管腔のストレス
を低減し、および装置が患者の身体のより遠隔の場所へ
到達することができるようにすることが可能である。X
線装置において陰極とゲッタを組合せることにより、部
品を削除し、寸法の相当の減少を許容できるようにする
ことが可能である。
【0037】ダイヤモンドの被膜をゲッタ上に直接に配
置するためにレーザイオン源被着を使用することが可能
である。伝統的な化学的蒸着法は約900℃で行われ
る。したがって、そのような方法において基板として使
用されるゲッタは、活性化され、蒸着の過程において使
用し盡くされる可能性がある。しかし、レーザイオン被
着法は、室温で実行されることができるものであり、ゲ
ッタを活性化することなしにダイヤモンドの被膜をゲッ
タ上に形成させることを許容する。レーザイオン被着法
は例えば米国特許明細書第4987007号、Waga
l et al米国特許第4987007に記載されて
いる。
【0038】真空容器体内に黒鉛の標的と被覆されるべ
き基板が配置される。両者の間に、高い負電位に維持さ
れる加速グリッドが設けられる。黒鉛の標的は、パル状
レーザからの集束されるレーザビームで照射される。レ
ーザビームは、黒鉛の標的から炭素の蒸気の上昇流を放
出させる。該上昇流の原子の一部は集束されるレーザビ
ームでイオン化され、正の炭素イオンは、加速グリッド
により基板へと加速される。図2に示される実施例によ
る集積されたX線装置の外径は約1.25mmより小であ
るかまたはそれに等しい。
【0039】図1の外方の真空容器体の特徴は、図2に
示される実施例においても使用されることが可能である
が、この特徴は図2には示されていない。例えば、外側
の生物的適合性をもつ層、真空炉により鑞接される接合
部および絶縁材料は図2の実施例に使用されることが可
能である。図2において、導電性の鑞接材料52は同軸
状ケーブルの外側導電層42と陰極基体48の間の電気
接続を提供する。
【0040】ゲッタ56は、ダイヤモンドの被膜28と
導電性鑞52の間の電気接続を提供するために充分に導
電性を有する。ST707合金のゲッタもまた使用する
ことが可能であり、これは400℃ないし500℃の範
囲の活性化温度を有し、約70%のジルコニウム、2
4.6%のヴァナジウム、および5.4%の鉄からな
る。
【0041】図3は、第2の実施例による、X線装置を
製造する方法を示す。最初に、ステップ70において、
ゲッタは陰極用の希望される形状に加工される。陰極の
形状として、例えば、円錐形または丸くされた円錐形
が、使用されることが可能である。次に、ステップ72
において、薄いダイヤモンドの被膜がゲッタの先端部分
に形成される。ゲッタの先端部分は陰極構造に対応す
る。ダイヤモンド被膜の形成は、例えばレーザイオン源
被着技術を用いてゲッタの活性化温度より低い温度で実
行される。2つのサブアセンブリが構成される。ステッ
プ74において、1つのサブアセンブリは陰極構造と終
端キャップ59を具備する。ステップ76の他方のサブ
アセンブリは、陽極24と真空室壁体36を具備する。
【0042】これらの2つのサブアセンブリは高真空炉
内に封入され、ステップ78において約2時間の間、約
400℃ないし500℃にまで加熱され、材料からの気
体の分子を焼き盡くす。ステップ80において、引続き
高真空炉の条件下において、サブアセンブリをともに封
止する。ステップ82において、温度を約500℃ない
し700℃へ上昇させ、X線装置の接合部の真空炉鑞接
を行う。ステップ84において、数時間の間、装置は高
温度に維持され、ゲッタを完全に活性化する。ステップ
86において、装置は冷却され、試験され、そしてテー
ブル取付けされる。
【0043】この方法による装置において、ゲッタは真
空容器体内に配置されるミニァチュアの真空ポンプであ
る。この方法は、約1.25mmより小であるかまたはそ
れに等しい外径を有するX線装置を製造することを許容
する。
【0044】以上に記述された具体例は説明のためにの
み提供されるものであり、発明を限定するものと解釈さ
れるべきではない。技術の熟練者は、本発明に対し施さ
れる種々の修飾および変形を、本明細書に説明される例
示的な実施例および応用に厳格に追従することなく、添
付の請求項に規定される本発明の真の精神および範囲を
逸脱することなく、行うことができることを、容易に認
識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのX線装置の分解断面
図。
【図2】本発明の他の一実施例としてのX線装置の分解
断面図。
【図3】本発明によるX線装置を製造する方法が必然的
に伴なう段階を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−273566(JP,A) 特公 平7−60757(JP,B2) 特表 平6−500661(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 5/10

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 局所化されたX線放射を印加する装置で
    あって、該装置は、近接の部分および遠隔の部分を包含
    する軸、該軸の遠隔の部分に結合される真空容器体であ
    って外表面を有するもの、該真空容器体内に配置される
    陽極、該真空容器体内に配置される陰極構造であって、
    薄いダイヤモンドの被膜を包含し、該薄いダイヤモンド
    の被膜は、陽極とともに、局所化されたX線放射を発生
    するよう作動するもの、および、該真空容器体の外表面
    上の導電層であって陰極に電気的に接続されるもの、
    具備することを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 該軸の近接の部分に結合され、陽極およ
    び陰極構造とともに作動し局所化されたX線放射を発生
    させる、電圧源装置をさらに具備する、請求項1記載の
    装置。
  3. 【請求項3】 該真空容器体内に配置されるゲッタをさ
    らに具備する、請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】 該陰極構造は薄いダイヤモンドの被膜が
    配置されたゲッタをさらに具備する、請求項1記載の装
    置。
  5. 【請求項5】 該ゲッタは、薄いダイヤモンドの被膜へ
    電位を印加することを容易にするよう充分に導電性のも
    のである、請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 該ゲッタは、おおよそ、70%のジルコ
    ニウム、24.6%のヴァナジウム、および5.4%の
    鉄からなる、請求項4記載の装置。
  7. 【請求項7】 該真空容器体は絶縁体をさらに具備す
    る、請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】 該陽極はタングステンからなる、請求項
    1記載の装置。
  9. 【請求項9】 該陰極構造は薄いダイヤモンドの被膜が
    配置されたモリブデンの基体からなる、請求項1記載の
    装置。
  10. 【請求項10】 該陰極構造は薄いダイヤモンドの被膜
    が配置されたシリコンの基体からなる、請求項1記載の
    装置。
  11. 【請求項11】 該陰極構造は薄いダイヤモンドの被膜
    が配置されたタンタルの基体からなる、請求項1記載の
    装置。
  12. 【請求項12】 集積された装置の外径は約2.5mmよ
    り小またはそれに等しい、請求項1記載の装置。
  13. 【請求項13】 集積された装置の外径は1.25mmよ
    り小またはそれに等しい、請求項12記載の装置。
  14. 【請求項14】 近接部分および遠隔部分を有する同軸
    状の導体であって、陽極および陰極に結合され、軸内に
    配置され、電圧源に結合されるもの、をさらに具備す
    る、請求項1記載の装置。
  15. 【請求項15】 該軸はカテーテルであり、該真空容器
    体は該カテーテル内に配置される、請求項1記載の装
    置。
  16. 【請求項16】 局所化されたX線放射を印加する装置
    であって、該装置は、 陽極、 該陽極とともに作動し局所化されたX線放射を発生させ
    る陰極構造であって薄いダイヤモンドの被膜を包含し該
    薄いダイヤモンドの被膜は陽極とともに局所化されたX
    線放射を発生するよう作動するもの、および、 該陽極と該陰極構造を収容する真空容器体であって外表
    面上に導電層を有し該導電層は陰極に電気的に接続さ
    れ、 該真空容器体の外径は約1.25mmより小またはそ
    れに等しいもの、 を具備することを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 局所化されたX線放射を発生させる装
    置を製造する方法であって、該方法は、 陰極構造に対応する先端部分を有するゲッタを設ける段
    階であって、該ゲッタは活性化の温度を有するもの、 該活性化温度より低い温度においてゲッタの先端部分に
    薄いダイヤモンドの被膜を形成させ、薄いダイヤモンド
    被膜陰極を実現させる段階、 該陰極を真空容器体内に配置する段階、および、 温度を活性化温度へ上昇させゲッタを活性化する段階、 を具備することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 電圧源を設ける段階をさらに具備し、
    該電圧源は陰極構造とともに作動し局所化されたX線放
    射を発生させる、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 該ゲッタは円錐形に成形される、請求
    項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 該ゲッタは丸みをもつ頂点をもつ円錐
    に成形される、請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】 薄いダイヤモンド被膜はレーザイオン
    源を用いて形成される、請求項17記載の方法。
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