JP3088631U - 河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロック - Google Patents

河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロック

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JP3088631U JP2002001389U JP2002001389U JP3088631U JP 3088631 U JP3088631 U JP 3088631U JP 2002001389 U JP2002001389 U JP 2002001389U JP 2002001389 U JP2002001389 U JP 2002001389U JP 3088631 U JP3088631 U JP 3088631U
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功次 岩田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コンクリートや岩石等の敷設によってその保
水力が著しく低下した、水棲生物の生息等、河川の機能
を復活させる河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロック
を提供する。 【解決手段】 河床及び堤がコンクリート又は岩石等に
敷設されたことにより保水力が低下した河川に配設して
貯水域を形成する河川活性化用貯水槽1及び止水ブロッ
クであって、底部2と、この底部の縁から所定の高さで
1体に立設された4面の壁板3a〜3dを有する貯水槽
1状の形態に構成され、前記壁板の少なくとも1つの上
縁に前記貯水槽1に溜まった水の流れ道及び水棲生物の
通り道としての流出口5と、前記貯水槽1を固定する固
定手段と、を有する。さらに、正方形又は長方形の底部
と、この底部の1又は複数の辺の縁から所定の高さで1
体に立設された1又は複数の水止壁板が形成され、前記
水止壁板の内の少なくとも1つの前記水止壁板の上縁に
水の流れ道及び水棲生物の通り道として少なくとも1つ
以上の流出口5が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、河床と両岸の土手がコンクリート又は岩石当で覆われたことにより 本来の河川が有する保水力を著しく喪失した河川の機能を復活させるための河川 活性化再生用貯水槽及び河川活性化再生止水ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
自然の河川の河床は土砂や上流から押し流されてきた石によって形成されてい る。大雨が降って水流が増すと河床の土砂や石を下流に流すが、それ以上に土砂 や岩石が上流から運ばれて河床に堆積する。この繰り返しで次第に河床は高くな り、流れの道筋が変化して、大雨で水量が増した時、洪水となったり土手が崩壊 したりする。
【0003】 このような洪水を防止するために、中小河川においては、河川改修工事を行い 河川の両岸の土手と河床をコンクリートで覆っている。図13に示すように、所 謂、3面張りの河川と呼ばれている工法で、河川の改修が行われている。コンク リートの河床は水の流れを妨げない平面又は階段状の構造であり、川岸は、コン クリートの壁を形成している。
【0004】 また、図14に示すように、河川の一部がコンクリートの河床と段差が形成さ れている。さらに、図15に示すように、土砂の流出を防ぐため砂防ダムや高い 段差の提を構築している。このコンクリート敷設工事により、上流からの水の流 れは、土手を侵食することが無く安全になった。また、河床を削り取ることも無 くなり、川に水が流れ込まなくなると貯水域を作ることもなくなっている。
【0005】 また、図16に示すように、コンクリート面の河床上に岩石を敷設する施工例 も見られるが、河川が本来有していた保水力の回復には何ら貢献していないのが 実情である。
【0006】 しかし、現在では、コンクリート3面張りにより失われた自然環境を取り戻す ことの必要性が求められている。この自然保護の要請に基づき河川を自然状態を 復元すべく改修が行われている。これらの破壊された河川の自然環境を再生する ためには、コンクリート護岸や河床を破壊してコンクリートを取り除き土砂の川 底及び土手の状態に戻して、河川改修用ブロックなどを敷設している。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
上記のような両岸と河床をコンクリート又は岩石等で敷設した河川は、川の生 態系を破壊し、川に生息していた水棲生物の生息を不可能にした。河床は平坦で あり渇水時には土壌も貯水域も生じない。水棲生物が生息するためには、河床に 貯水域及び土壌を作ることが必要である。さらに、河川の一部分の河床がコンク リート又は岩石等で敷設された場所においても、水の流れがなくなると水が溜ま る場所が無く、水棲生物などが生息するための水は無くなる。
【0008】 また、河川には、砂防のために急傾斜角度で河床からの段差の高いコンクリー トの堤が設けられているため、水棲生物の遡上を不可能にしている。又、コンク リートの護岸壁が高いため、又は護岸壁面の傾斜が急角度であるため周辺に生き る動物等が渡河することをも不可能にしている。
【0009】 さらに、両岸と河床がコンクリート又は岩石等で覆われた河川は、浄化作用や 保水機能がないため、生活廃水や雨水が浄化されることなくそのまま直行して海 に流出するので、海を汚染する。
【0010】 現在では、このような自然環境が破壊された河川を元の形に復活させることが 強く求められている。そのため、河川に作ったコンクリート施設を破壊して自然 環境を復活させる工事が行われている。コンクリート又は岩石等で覆われた河川 の改修工事は、構築したコンクリートの壁や河床を破壊し、一旦、土の土手と河 床に戻し、その後、川岸に補強のためにブロックなどを敷設している。この河川 再生のための改修工事には、三面張りコンクリート河川を作った時と同等の多く の時間と費用がかかる。
【0011】 本考案は、既存の両岸と河床がコンクリートで覆われた河川を破壊して再構築 するのではなく、コンクリートで覆われた河川に配設して、河川の機能を復活さ せる河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロックを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本考案は、河床及び堤がコンクリート又は岩石 等により敷設されたことにより保水力を著しく喪失した河川に配設して貯水域を 形成する河川活性化再生用貯水槽であって、底部と、この底部の縁から所定の高 さで1体に立設された壁板と、前記壁板の少なくとも1つの壁板の上縁に、溜ま った水の流れ道及び水棲生物の通り道としての1又は複数の流出口と、前記壁板 に所定の角度以上の傾斜角を有する壁面に前記貯水槽を固定するための固定手段 と、で構成された貯水槽であることを特徴とする河川活性化再生用貯水槽を提供 するものである。
【0013】 前記貯水槽は、鉄筋コンクリートまたは、金属網を芯にしたコンクリートで形 成されている。
【0014】 そして、前記流出口は、少なくとも1つの前記壁板の上縁の1部を円弧状又は コの字状の切欠部が形成され、前記固定手段は、前記壁板に固定部材を挿通する 1又は複数の固定用の穴が形成されている。
【0015】 さらに、本願の第2の考案の止水ブロックは、河床及び堤がコンクリートによ って形成されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成する河川活性化 再生用止水ブロックであって、正方形又は長方形の底部と、この底部の1辺の縁 から所定の高さで1体に立設された水止壁板とを有し、前記水止壁板の上縁には 、水の流れ道及び水棲生物の通り道として少なくとも1つ以上の流出口が設けら れている。
【0016】 本願の第3の考案の止水ブロックは、河床及び堤がコンクリートによって形成 されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成する河川活性化再生用止 水ブロックであって、正方形又は長方形の底部と、この底部の2辺の縁から所定 の高さで1体に立設された2面の水止壁板とを有し、前記水止壁板の内の少なく とも1面の前記水止壁板の上縁に水の流れ道及び水棲生物の通り道として少なく とも1つ以上の流出口が設けられていることを特徴とする河川活性化再生止水ブ ロックである。
【0017】 さらに、本願の第4の考案の止水ブロックは、河床及び堤がコンクリートによ って形成されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成する河川活性化 再生用止水ブロックであって、正方形又は長方形の底部と、前記底部の3辺の縁 から所定の高さで1体に立設された3面の水止壁板とを有し、前記水止壁板の少 なくとも1面の水止壁板の上縁に水の流れ道及び水棲生物の通り道として少なく とも1つ以上の流出口が設けられていることを特徴とする河川活性化再生止水ブ ロックである。
【0018】 前記止水ブロックは、鉄筋コンクリートまたは、金属網を芯にしたコンクリー トで形成されている。
【0019】 本考案の前記貯水槽及び止水ブロックは、河川に敷設したコンクリート等を破 壊することなく、コンクリートの堤壁、河床に配設するだけの簡単な工事で貯水 域と土壌を作り出し保水力を持たせることで河川を再生することが出来る。この 貯水域により自然環境が再生し水棲生物は生息可能となる。
【0020】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。中小河川には洪水などから生命 、財産、生活を守るための治水工事によって、河床及び両岸をコンクリートで覆 い固めた河川がある。これらの河川は、河床がコンクリートであるため渇水時に は貯水域及び土壌の形成が出来ず保水力がなくなるため水棲生物が生存できない 。自然環境が破壊された状態になっている。
【0021】 本考案の河川活性化再生装置は、保水力の無い河川に自然環境を復活させ、水 棲生物を生存させるために貯水域を作る。貯水槽及び止水ブロックは、金属製の 網を芯としてコンクリートで形成される。又は、鉄筋コンクリートで形成されて いる。
【0022】 図1は、第1の実施形態例である貯水槽1の斜視図を示す。 貯水槽1は、上面が開放された立方体又は直方体で形成されている。貯水槽1 は、正方形又は長方形の底部2と、この底部2の底辺から所定の高さで立設され た4面の壁板3とで1体に構成されている。貯水槽1の1つの壁板の上縁には、 壁板の上縁の1部に切欠部(例えば図1に示す半円形状)が形成され、水の流出 路及び水棲生物の通り路として流出口5が設けられている。この流出口5は、川 の水流方向である下流に向けて配設される。また、少なくとも1の壁板3には、 ダム壁に配設する、又は貯水槽1が水流や流れてくる土砂などで移動しないよう に貯水槽1を固定するための固定部材(例えばボルト)を挿通する固定用の1又 は複数の穴4が形成されている。
【0023】 この貯水槽1は、金属製の網を芯としてコンクリートで形成されるか、又は鉄 骨を芯とした鉄筋コンクリートで形成されている。壁板3及び底部2を形成する コンクリートの強度は、水流に耐え、且つ長期間の耐久性が保持できる強度を有 するものであればよい。さらに、固定部材で砂防提25に固定した貯水槽1が満 水の状態で崩壊しない強度があることが必要である。また、少なくとも貯水槽1 の中に入った水は漏れることがない構造が必要である。
【0024】 貯水槽1は、河床に所定の間隔で配設する場合と、傾斜角度が大きく、砂防ダ ム堤25の上縁と河床27又は水面との段差が大きい時、砂防ダム壁28の垂直 方向に所定の数の貯水槽1を階段状に配設する場合とがある。
【0025】 図2は、砂防ダム壁28に沿って垂直方向に河床27からダム堤25の上縁近 傍まで貯水槽1を階段状に配設した例を示す。
【0026】 砂防ダム壁28に沿って貯水槽1を階段状に配設するには、砂防ダム壁28に 沿って階段状に形成した土盛などの基礎の上に貯水槽1を敷設するか、砂防ダム 壁28に貯水槽1の固定用穴4に挿通したボルトなどの固定部材を使用してダム 壁28面に配設する方法などがある。
【0027】 図2に示す実施形態例では、砂防ダム壁28に貯水槽1の固定用穴4に挿通す るボルトなどの固定部材を使用して砂防ダム壁28に固定した例を示している。 この例では貯水槽1を載置するための階段状の基礎を作る必要が無い。貯水槽1 と貯水槽1との段差は、水棲生物が遡上することが出来る所定の高さの段差とす る。段差の高さは、配設する場所、生息する水棲生物によって任意に定める。図 2に示すように、所定数の貯水槽1をダム壁28面に沿って川幅方向に階段状に 配設する。最上段の貯水槽1は、砂防ダム堤25の上縁の流出口近傍に貯水槽1 の上縁が位置するように固定する。水棲生物は下の貯水槽1から上の貯水槽1へ 移動しながら遡上することが可能となる。この実施形態例では砂防ダム壁28と したが、所定角度以上の傾斜を持つ川岸の岸壁にも配設可能である。
【0028】 貯水槽1の高さ及び縦横の幅は、配設する川の状態により複数のサイズの貯水 槽1の中から選択できるように所定サイズのものを用意しておく。さらに、水棲 生物は遡上において、段差を上るためにジャンプするが、ジャンプするためには 所定の深さの水量が必要である。そのため、深さの違う貯水槽1を複数種類用意 しておく。例えば、図1の(b)は、深さの浅い貯水槽1を示している。
【0029】 また、河床27に自然環境を作るために、コンクリートの河床27に所定の間 隔で貯水槽1を連続して配設することも可能である。増水時に貯水槽1は、川の 水の流れの中にあり、流れてきた水が貯水槽1の中に留まり貯水域を作る。
【0030】 また、川が渇水した時は、河床27に配設した貯水槽1は水が満たされ貯水域 を作るので貯水槽1の中で水棲生物は生息することが可能となる。川の地形、構 造などの条件が異なるため、深さ、大きさが異なる複数の種類の貯水槽1を用意 する。
【0031】 図3は、図1に示した第1の実施の形態例における他の形態例を示す。図3の (a)は、堤壁28に沿って垂直方向に貯水槽1が複数配設されている。図に示 す実施例では、上方の貯水槽1に溜まり、溢れて流れ出した水は、下方に配設さ れた貯水槽1に次々に流れる水流を作る。水は、2個の貯水槽1、1bを流れる と下方に流れる流れの方向を変え、次の2個の貯水槽1、1bを流れると下方に 流れる流れの方向を変える。この流れを構成するため貯水槽1は、配設の組み合 わせにおいて堤壁28に向って縦方向の長さがが短い貯水槽1bを組み合わせて 使用する。貯水槽の配設する方向を折り返して配設する時、下段の貯水槽と重な り合い上段の貯水槽が配設の妨げにならないようにする。
【0032】 この時の水の流れる方向は、矢印で示す。この貯水槽1の配設方法では、堤壁 28に垂直方向に配設する配設位置の幅が少なく、横幅が狭い設置場所であって も配設可能となる。図3の(b)は、矢印Y方向から見た配設位置の側面図であ る。側面図は、貯水槽1と流れの方向を変える位置に配設する貯水槽1bの配置 位置と形状を示している。なお、貯水槽1、1bの配置の組合せは、形態例で示 した配置の組合せに限定するものではない。
【0033】 さらにまた、河床27に貯水域及び自然環境を作るためには、コンクリートの 河床27及び土手30に所定の間隔で、又は間隔を取らず連続して貯水槽1を配 設しても良い。
【0034】 図4は、貯水槽1を河床27及び土手30に連続して配設した概略図を示す。 貯水槽1を河床27及び土手30に連続して配設することにより連続した水溜り を形成する。貯水槽1の配設は、コンクリートの河床27及び土手は破壊せずコ ンクリートの河床27及び土手上に直に貯水槽1を配設する。貯水槽が増水時の 流れで移動することを防ぐため貯水槽の底部と河床とをボルト等の配設部材で固 定して配設する。コンクリート等で接着して配設することも可能である。河床及 び土手には貯水域が出来水棲生物の生息が可能となる。
【0035】 また、河床27に敷設する貯水槽1の数、間隔などは河川の状況により水棲生 物が遡上可能で自然環境が再生できる程度の数を任意に定めればよい。増水時に 貯水槽1は、川の水の流れの中にあり、流れてき水は貯水槽1の中に留まる。川 が渇水した時は、河床27に配設した貯水槽1は水が満たされ貯水域を作り土砂 も堆積するので貯水槽1の中で水棲生物は生息することが可能となる。
【0036】 生息する水棲生物、川の地形、構造などの条件が異なるため、深さ、大きさが 異なる複数の種類の貯水槽1を用意する。この方法によればコンクリートの河床 を破壊する工事は不要である。コンクリートの河床27に所定数の貯水槽1を配 設するだけでよい。また、河床27に連続して敷設する貯水槽に替えて止水ブロ ック20を敷設してもよい。
【0037】 さらに、河川において河床の傾斜が所定の傾斜角度以下の緩やかな所において は、水平方向における所定の距離間隔以内に複数の第2の貯水手段である止水ブ ロックを配設する。水棲生物は下流の止水ブロック内でジャンプして上流の止水 ブロックに移動する。このため配設する止水ブロックは、所定の深さを有する止 水ブロックとする。距離間隔は川の状態、生息する水棲生物の種類によって遡上 可能な間隔を設定する。
【0038】 第2の実施形態例の止水ブロック10は、図5に示すように、正方形又は長方 形の底部2と、この底部2の1辺の縁から所定の高さで1体に立設された水止壁 板6が形成された略L字状の止水ブロック10である。図5の(a)は斜視図を 示し、(b)は断面図を示す。止水ブロック10は、水止壁板6を川の流れに直 交する方向に配設し渇水時には川の流れを堰きとめ貯水域を作る。なお、図にお いて、低部2は、水止壁板6の長さよりが長い例で示しているが、この長さは任 意の長さに形成してよい。低部2は、川の流れを止めるための水止壁板6を河床 に安定して載置する機能を有すればよい。
【0039】 この止水ブロック10の幅は、所定の長さのものを複数用意するが、川幅が広 い時は、複数の止水ブロック10を川幅方向に横に並べて水止壁板6を繋ぐよう に配設する。なお、川の流れによる移動を防止するために底部2又は水止壁板6 に固定用のボルトなどを挿通する固定用の穴4を設けてもよい。
【0040】 ここで、図6は、河床の傾斜角が緩やかなコンクリートの河床27に第1の止 水ブロック10を敷設した形態例を示す。図6の(a)は、第1の止水ブロック 10を河床に敷設した例を示す。第1の止水ブロック10の水止壁6は、川の水 を溜め貯水域を作り土砂も堆積する。貯水域を作ることで、水棲生物が生息可能 な環境を作り出すことが可能となる。図6の(b)は、複数の第1の止水ブロッ ク10と貯水槽1を敷設した河川の断面図を示す。河床の傾斜が少ない場合は所 定の間隔で第1の止水ブロック10を敷設する。傾斜角度が急で流水圧が少ない 場所(水の流量が少なく流れが急でない河川)には、貯水槽1を配設している。 止水ブロック10と止水ブロック10の間には貯水域が形成される。川の流れが 無い時は、止水ブロック10の上流側の近傍には水溜りが出来ることにより保水 され水棲生物が生存可能となる。
【0041】 図7は、止水ブロック10をボルト35で河床に固定した状態を示す斜視図で ある。図8は、図7における、矢印X、Zで示す位置において、河床27と止水 ブロック10をボルト35とナット36で螺着した断面図を示す。図7、図8に おいて、河川の幅の長さと同じ長さの止水ブロック10は、河床27に埋設され たボルト35を配設用穴4に挿通してナット36で螺着され、河床27に固定さ れている。止水ブロック10に設けられた配設用穴4は、止水ブロック10の大 きさ、敷設する河川の水量などの条件により、任意の数に設定する。止水ブロッ ク10は、川の流れの水圧により移動しないように敷設されている。
【0042】 第3の実施形態例である止水ブロック15は、図9に示すように、正方形又は 長方形の底部2と、この底部2の2辺の縁から所定の高さで1体に立設された2 つの水止壁板6、7が形成されている。この河川活性化再生用止水ブロック15 は、水止壁板6、7が設けられていない1辺側を川岸のコンクリート壁に沿うよ うにして河床27に配設して貯水域を作ることも出来る。水止壁板6、7により できた貯水域に水棲生物が生息可能となり止水ブロック15を配設した川の自然 環境が再生できる。なお、地形により止水ブロック15の配設方向は適宜決定す ればよい。なお、川の流れによる移動を防止するために底部2又は水止壁6に固 定用のボルトなどを挿通する穴4を設けてもよい。
【0043】 図10は、第2の止水ブロック15を河床27に敷設した例を示す。この第2 の止水ブロック15は、例えば、水止壁板6、7が設けられていない1辺側を川 岸のコンクリート壁26に沿うようにして河床27に配設する。このように配設 すれば、この第2の止水ブロック15の水止壁板6、7は、水を堰き止めて貯水 域を作ることが出来る。水止壁板6、7によりできた貯水域により止水ブロック 15を配設した川岸の自然環境が再生できる。水棲生物類の遡上が可能な間隔で 連続して敷設することで水棲生物類が遡上可能となる。なお、地形により第2の 止水ブロック15の配設方向は適宜決定すればよい。また、川の流れによる移動 を防止するためには、底部2又は水止壁6、7に配設用のボルトなどを挿通する 穴4を設け河床27又は川岸のコンクリート壁26に配設するように構成しても よい。
【0044】 第4の実施形態例である止水ブロック20は、図11に示すように、正方形又 は長方形の底部2と、前記底部2の3辺の縁から所定の高さで1体に立設された 3つの水止壁板6、7、8が形成されている。この止水ブロック20は、水止壁 板6、7、8の無い側を上流に向けて河床27に配設して貯水域を作る。止水ブ ロック20の配設位置は、川の構造により方向や位置を決めればよい。上流から の川の流れによって水が溜まり、自然環境の再生が行われる。なお、川の流れに よる移動を防止するために底部2又は水止壁板6に固定用のボルトなどを挿通す る穴4を設けてもよい。
【0045】 図12は、第4の実施の形態で使用する、第3の止水ブロック20を河床27 に敷設した例を示す。この第3の止水ブロック20は、例えば、水止壁板6、7 、8が設けられていない辺を上流方向に向けて河床27に配設する。上流から流 れてきた水を受け止めて貯水域を作る。
【0046】 図12の実施例では、止水ブロック20を河床27に1個だけ敷設した図を示 しているが、連続して敷設しても良い。連続した貯水域を作り出すことができる 。
【0047】
【考案の効果】
本考案の河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロックによれば、構築されたコン クリート壁や河床を破壊すること無く、河川に本考案の河川活性化再生用貯水槽 及び止水ブロックを配設するだけで河川の渇水時に水棲生物が生息可能な貯水域 及び土壌を作ることができる。さらに河川活性化再生用貯水槽を砂防ダム壁に階 段状に配設する又は河床に連続して配設して連続した貯水域を形成し水棲生物の 遡上を可能にする。また、河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロックのサイズを 各種取り揃えることで河川の状況に合わせた効率的な敷設が出来る。
【0048】 さらに、本考案の河川活性化再生用貯水槽及び止水ブロックの配設によれば、 構築されたコンクリートや岩石等の河川を破壊する必要がなく、敷設作業は比較 的簡単で低コスト且つ短期間の施工を実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の形態例である貯水槽の斜視図を示す。
【図2】 砂防ダム壁に貯水槽1を階段状に配設した例
を示す。
【図3】 砂防ダム壁に貯水槽1を階段状に配設した他
の形態例を示す。
【図4】 貯水槽を河床及び土手に連続して配設した概
略図を示す。
【図5】 第1の止水ブロックの斜視図を示す。
【図6】 傾斜角が緩やかな河床に止水ブロックを敷設
した形態例を示す。
【図7】 止水ブロックをボルトで河床に固定した状態
を示す斜視図である。
【図8】 図7における、矢印X、Zで示す位置におい
て、河床と止水ブロックをボルトとナットで螺着した断
面図を示す。
【図9】 第2の止水ブロックの斜視図を示す。
【図10】 第2の止水ブロックを河床に敷設した例を
示す。
【図11】 第3止水ブロックの斜視図を示す。
【図12】 第3の止水ブロックを河床に敷設した例を
示す。
【図13】 コンクリートで覆われた河川の従来例1を
示す。
【図14】 コンクリートで覆われた河川の従来例2を
示す。
【図15】 コンクリートで覆われた河川の従来例3を
示す。
【図16】 コンクリートで覆われた河川の従来例4を
示す。
【符号の説明】
1 貯水槽 2 底部 3 壁板 4 固定用穴 5 流出口 6、7、8 水止壁板 10 止水ブロック 15 止水ブロック 20 止水ブロック

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河床及び堤がコンクリート又は岩石等の
    敷設により保水力を失い又は低下した河川に配設して貯
    水域を形成する河川活性化再生用貯水槽であって、 底部と、 この底部の縁から所定の高さで1体に立設された壁板
    と、 前記壁板の少なくとも1つの壁板の上縁に、溜まった水
    の流れ道及び水棲生物の通り道としての1又は複数の流
    出口と、 前記壁板に所定の角度以上の傾斜角を有する壁面に前記
    貯水槽を固定するための固定手段と、で構成された貯水
    槽であることを特徴とする河川活性化再生用貯水槽。
  2. 【請求項2】 前記貯水槽は、鉄筋コンクリートまた
    は、金属網を芯にしたコンクリートで形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の河川活性化再生用貯水
  3. 【請求項3】 前記流出口は、少なくとも1つの前記壁
    板の上縁の1部を円弧状又はコの字状の切欠部が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の河川活性化
    再生用貯水槽。
  4. 【請求項4】 前記固定手段は、前記壁板に固定部材を
    挿通する1又は複数の固定用の穴が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の河川活性化再生用貯水
    槽。
  5. 【請求項5】 河床及び堤がコンクリートによって形成
    されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成
    する河川活性化再生用止水ブロックであって、 正方形又は長方形の底部と、この底部の1辺の縁から所
    定の高さで1体に立設された水止壁板とを有し、 前記水止壁板の上縁には、水の流れ道及び水棲生物の通
    り道として少なくとも1つ以上の流出口が設けられてい
    ることを特徴とする河川活性化再止水ブロック。
  6. 【請求項6】 河床及び堤がコンクリートによって形成
    されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成
    する河川活性化再生用止水ブロックであって、 正方形又は長方形の底部と、この底部の2辺の縁から所
    定の高さで1体に立設された2面の水止壁板とを有し、 前記水止壁板の内の少なくとも1面の前記水止壁板の上
    縁に水の流れ道及び水棲生物の通り道として少なくとも
    1つ以上の流出口が設けられていることを特徴とする河
    川活性化再生止水ブロック。
  7. 【請求項7】 河床及び堤がコンクリートによって形成
    されたコンクリート河川の河床に配設して貯水域を形成
    する河川活性化再生用止水ブロックであって、 正方形又は長方形の底部と、前記底部の3辺の縁から所
    定の高さで1体に立設された3面の水止壁板とを有し、 前記水止壁板の少なくとも1面の水止壁板の上縁に水の
    流れ道及び水棲生物の通り道として少なくとも1つ以上
    の流出口が設けられていることを特徴とする河川活性化
    再生止水ブロック。
  8. 【請求項8】 前記河川活性化再生止水ブロックは、鉄
    筋コンクリートまたは、金属網を芯にしたコンクリート
    で形成されていることを特徴とする請求項5乃至7に記
    載の河川活性化再生止水ブロック。
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