JP3087343U - 飲料の無菌充填方式に於ける出荷用腐敗検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】従来の工程を全て自動化し、目視に優る自動検
査機を完成し全数検査を可能にする事により、省力化、
安全性に寄与する飲料の無菌充填方式に於ける出荷用腐
敗検査装置の提供。 【解決手段】手で開梱していたものを自動開梱する。一
例づつ摘まみ上げて、検査コンベア１３に乗せ搬送させ
る。このコンベアーに隙間を作り、下から青と赤の２色
の照明を当て撮像し、良品の色データを品種毎に登録す
る。腐敗した内容液は色データが大きく変わる。青色は
変色の検出に最適であるし、赤色は透過度の検出に有利
である。この２色の特性を駆使し、良品と不良品を判別
させる。色検出の安定化を図る為、ボトルの間隔空き時
間に自己診断をさせる。良品は再箱詰めし、蓋を糊付け
して出荷する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、飲料製品の自動品質検査の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ＰＥＴボトル飲料の製造には常温充填方式と、高温（８５度位）充填方 式、そして今回の無菌充填方式等がある。今、省力化と品質の向上を目指した無 菌充填（アセプテック充填）方式が増加しつつある。これは内容液をフィルター リング及び殺菌装置で除菌し、人間の入らない無菌室での充填を行う方法で、異 物混入の可能性が低く、品質保証の点からも有利であるからである。所が、何か の原因でバクテリアが進入していた場合、そのまま出荷したならば、顧客の手元 に着く頃がカビ発生時期となり大変な事態が予想される。この為、製造した飲料 を常温倉庫でケース毎数週間保管後、再びケースを開き、一列に並べ搬送し、数 人の目視検査員による検査を行っている。全数良品だったら、再び人手で箱詰め し出荷するが、もしカビの発生した製品が出た場合、その時の全ロット廃棄する 結果になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の工程を全て自動化し、目視に優る自動検査機を完成し全数検査を可能 にする事により、省力化、安全性に寄与したい。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

１． 手で開梱していたものを自動開梱する。 ２． 一列づつ摘まみ上げて、検査コンベアに乗せ搬送させる。 ３． このコンベアーに隙間を作り、下から青と赤の２色の照明を当て撮像し、 良品の色データを品種毎に登録する。腐敗した内溶液は色データが大きく 変わる。青色は変色の検出に最適であるし、赤色は透過度の検出に有利で ある。この２色の特性を駆使し、良品と不良品を判別させる。 ４． 色検出の安定化を図る為、ボトルの間隔空き時間に自己診断をさせる。 ５． 良品は再箱詰めし、蓋を糊付けして出荷する。 以上の手段により全自動化が可能となり解決できる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

考案の実施の形態について、図面を基に説明する。 図１に於て、搬入された被検査ボトル入り箱に、加熱器が加熱器上下機構 により下げられ、箱上面の接着部を加熱する。すると接着剤が軟化して箱の蓋部 が開く。次に、アンケーサーの機構で、箱からボトルを引き上げ、検査コンベ アに一列に乗せる動作をし、検査コンベア▲１３▼上に並べる。これが送出し コンベア▲１４▼の乗り継ぎ部の間隔を開けた部分で、下から青色投光器、赤 色投光器でボトルの底面に投光し、それを青赤２色カメラで撮像する。ボト ル内の飲料の種類により差はあるが、図３で説明すると、良品の青色チャンネル Ｂ１のデータ値Ｄ１と、変色した不良品の青色チャンネルＢ２のデータ値Ｄ２と では大きく差が出る。コーラやコーヒー等の青色データは、良品、変色品共、減 衰が大きく、Ｂ１のデータ値Ｄ１、Ｂ２のデータ値Ｄ２共、同じ位の％になる。 所が、良品の赤色チャンネルＲ１のデータ値Ｄ３と、変色した不良品の赤色チャ ンネルＲ２のデータ値Ｄ４のレベルでは差が出る。これは黒色系飲料では、赤外 線に近い赤色が比較的透過し易い特性を持つ為である。勿論、透明飲料でも赤チ ャンネルは楽に透過するが、わずかな変色差は判別できない。故に、この青赤２ 色の特性を夫々生かし、色データ検出、演算、自己診断部▲１７▼で計算させ、 全ての飲料の良否を判別する。実用上いろんな品種があるので、その品種毎に青 赤２色の良品データを、品種毎の色データメモリー部▲１８▼で記憶させておき 、制御部▲１９▼で選択させている。この時のデータは、ディスプレー部▲２０ ▼に表示される。尚、ここでは今のロットの検査数とか不良品数も表示される。 結局、不良品と判別されたものは排出駆動部▲２１▼でタイミングを取り、不良 品排除機▲１１▼を駆動してラインアウトする。良品は検査終了ボトル位置’ ”で止まり、ケーサー▲１５▼と称する機構が、送出しコンベアからボトルを引 き上げ、本数をチエックし箱詰めする動作▲１６▼をし、完了品は再箱詰め完了 箱’”の状態で搬送され出荷となる。この装置で重要な所は、図２に於いて説 明すると、自己診断機能である。ボトル通過は一列毎の単位となる為、列と列の 間に空白ができる。この時間を利用して、自己診断用反射ミラー▲１０▼により 、青色投光器赤色投光器による光を、青赤２色カメラに導き、色データ検 出、演算、自己診断部▲１７▼で検査する。異常となればディスプレー部▲２０ ▼に異常アラームを出す。勿論この自己診断用反射ミラー▲１０▼は、通常、検 査中のボトル”の上方に取り付けるので検査時は障害にならない。

【０００６】

【考案の効果】

無菌充填方式は、人間が介在しない自動ラインである。異物ならばインライン で検査できるのだが、カビは肉眼では確認できない為最も厄介で、充填時にバク テリアが混入しても見る方法がない。数週間置いて、カビが繁殖していれば、目 視でも判別できる為、出荷前の保管期間が原則となっている。しかし現在、対紫 外線性等の理由から、フルラベルと称する上から下までラベルで覆い、中が見え ないものが増えている。この為、目視検査では困難となり自動検査機が望まれて いる。その上、価格破壊の折、製造原価引き下げの為の人件費削減問題。そして 安全な製品供給は業界の最大目標であり、本装置の出現が待たれている状態であ る。未だ実現した企業がない為、効果は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本装置の動作説明図である。

【図２】本装置の自己診断機能用の光路図である。

【図３】良品、変色した不良品の色差と透過度差の比較
データ表である。

【符号の説明】 加熱器上下機構 加熱器（接着軟化） 被検査ボトル入り箱 ’ 開梱箱 ” 空箱 ’” 再箱詰め完了箱 アンケーサー ネックを掴んで引き上げられたボトル ’ 一列化されたボトル ” 検査中のボトル ’” 検査終了ボトル位置 ”” 箱詰めされるボトル 箱からボトルを引き上げ、検査コンベアに一列
に乗せる動作 青色投光器 赤色投光器 青赤２色カメラ ▲１０▼ 自己診断用反射ミラー ▲１１▼ 不良品排除機 ▲１２▼ 空き箱搬送コンベア ▲１３▼ 検査コンベア ▲１４▼ 送出しコンベア ▲１５▼ ケーサー ▲１６▼ 送出しコンベアからボトルを引き上げ、
本数をチエックし箱詰めする動作 ▲１７▼ 色データ検出、演算、自己診断部 ▲１８▼ 品種毎の色データメモリー部 ▲１９▼ 制御部 ▲２０▼ ディスプレー部 ▲２１▼ 排出駆動部 Ｂ１ 良品の青色チャンネル Ｂ２ 不良品の青色チャンネル Ｒ１ 良品の赤色チャンネル Ｒ２ 不良品の赤色チャンネル Ｄ１ Ｂ１のデータ値 Ｄ２ Ｂ２のデータ値 Ｄ３ Ｒ１のデータ値 Ｄ４ Ｒ２のデータ値

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無菌充填飲料製品の出荷検査をする手段
   として、 １． 箱詰めになっている製品を開梱し、中のＰＥＴ
   ボトルを一列に並べる手段を持つ開梱機（アンケーサ
   ー）。 ２． 一列毎のＰＥＴボトルを、スリット上を通す搬
   送部と、下から青と赤の光を当て、その反射光を青と赤
   の狭バンドの２色カラーカメラで撮像したものを、正常
   品の色と比較し、カビ発生等により変色したものを検出
   する手段を持つ検査部。 ３． ボトルの間隔空き時間に自己診断する機能。 ４． 検査後、変色した不良品を排除する排除機。 ５． １．で開梱した箱を、箱詰め位置まで送る搬送
   機。 ６． 検査済ＰＥＴボトルの数を確認し、再び箱詰め
   後、蓋を接着する箱詰機（ケーサー）。 以上の構成から成る無菌充填方式の出荷用検査装置。