JP3085339U - モップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生ＰＥＴを原料として製造されるポリエス
テル糸を基布に対して利用しながらも、クリーニングに
よる染料の溶出に起因する基布の退色やモップ糸の汚染
により、商品的価値の著しい低下をまねくことがなく、
耐久性に優れたモップを提供する。 【解決手段】 基布３にモップ糸４を植設してなる払拭
材２をモップハンドル５に対して着脱自在に装着したモ
ップ１において、モップ糸４が植設された上記基布３
を、再生ＰＥＴを原料とするポリエステル糸を含む生地
によって形成し、上記ポリエステル糸には原液着色を施
す。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、再生ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）を原料とすると共に、 原液着色されたポリエステル糸を利用したモップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

レンタル用モップは、通常、帆布等の厚手生地によって形成された基布にモッ プ糸を植設すると共に、その基布をモップハンドルに対して着脱可能に構成し、 使用後の汚れたモップを回収、クリーニングして再利用に供している。この種の レンタル用モップでは、外観的な清潔感が必要とされるが、モップ糸と基布とを 特に淡色でかつ同色に染色した場合、使用を繰り返すと基布の汚れが目立つよう になり清潔感を損なってしまうため、基布を濃色に染色する傾向にある。また、 製品のデザイン性を高めるために、モップ糸と基布とをそれぞれ異色で染色とす ることも望まれている。

【０００３】 一方、近年の環境問題への配慮から、上記基布に対して、再生ＰＥＴを原料と して製造されるポリエステル糸を含む布生地を利用することが望まれるが、ポリ エステル糸の染色特性により、布生地に対して通常施される後染めでは、クリー ニングを行った際に染料が溶出しやすいため、クリーニングの繰り返しによる基 布の退色によって、また、基布とモップ糸とが異色の場合には、基布から溶出し た染料によるモップ糸の汚染によって、外観的に清潔感が損なわれ商品的価値が 著しく低下するという問題が生じる。更に、ポリエステル糸のクリーニング特性 により、繰り返しのクリーニングを行うと、洗浄液中からの汚れの吸着・蓄積に よって逆汚染（グレーイング）が起きやすい。そこで、上記のように基布の汚れ をできるだけ目立たなくするために、また、ポリエステル糸を含む基布の逆汚染 を目立たなくするために、基布を濃色に染色する場合には、上記後染めではます ます染料の溶出による退色や汚染が顕著になる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案が解決しようとする課題は、再生ＰＥＴを原料として製造され るポリエステル糸を基布に対して利用しながらも、基布をどのような色に染色し ても、クリーニングによる染料の溶出に起因する基布の退色やモップ糸の汚染に より、モップの外観的な清潔感が失われ商品的価値の著しい低下をまねくことが なく、耐久性に優れたモップを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案のモップは、基布にモップ糸を植設してなる 払拭材をモップハンドルに対して着脱自在に装着したモップにおいて、上記基布 が、再生ＰＥＴを原料とするポリエステル糸を含む生地によって形成され、上記 ポリエステル糸には原液着色が施されていることを特徴とするものである。

【０００６】 また、上記モップ糸と上記基布がそれぞれ異色に染色されていると好適であり 、更に、上記モップ糸が、再生綿を含む綿糸によって形成されているとなお望ま しい。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は本考案のモップの一実施例を示すもので、このモップは１、基布３にモ ップ糸４を植設した払拭材２と、該払拭材２を着脱自在に装着するためのモップ ハンドル５とから構成されている。

【０００８】 より具体的に説明すると、上記払拭材２の基布３は、長方形の両端に円弧を接 続した細長形状を有し、その一方の面の長手方向両側には開口部を対向させて左 右ポケット部３ａ，３ｂが形成されており、他方の面には床などを払拭するため のモップ糸４が全面に植設され払拭面を形成している。

【０００９】 また、上記モップハンドル５は、上記左右ポケット部３ａ，３ｂに挿入するた めの左右枠板５ａ，５ｂと、該左右枠板５ａ，５ｂを連結する連結片５ｃと、該 連結片に取り付けられたジョイント部材５ｄによって、一端が前後左右に回動自 在に軸支されていると共に、他端にグリップ５ｆが装着されたポール５ｅとから 構成されている。なお、上記左右枠板５ａ，５ｂの少なくとも一方の枠板は、連 結片５ｃに設けられた図示しない折曲手段により折り曲げ自在となっている。

【００１０】 そして、上述のように、上記払拭材２の基布３に形成された左右ポケット部３ ａ，３ｂに、上記左右枠板５ａ、５ｂをそれぞれ挿入することにより、払拭材２ がモップハンドル５に対して装着されている。ここで、上記左右枠板５ａ，５ｂ の少なくとも一方の枠板が折り曲げ自在となっているため、上記払拭材２がモッ プハンドル５に対して、容易に着脱できるようになっている。

【００１１】 ところで、上記払拭材２を構成する基布３は、再生ＰＥＴを原料として製造さ れたポリエステル糸を利用した布生地から成っており、該ポリエステル糸は、再 生ＰＥＴに対して、非再生ＰＥＴを望ましくは５０％以下の範囲内で混入して製 造されたもので、色素を糸構造中全体に分散させて安定した状態で定着させる周 知の原液着色法により濃色に原液着色されている。 一方、上記基布３に植設されたモップ糸４は、非再生綿に対して再生綿を５０ ％以下の範囲内で混入して製造された綿糸から形成されており、上記基布３とは 異なる色の染料にて染色されている。

【００１２】 このように、上記実施例によれば、基布３に対しては再生ＰＥＴを利用してい るばかりでなく、モップ糸４に対しても再生綿を利用しているので、環境に配慮 したモップを提供することが可能となる。 そして、上記再生ＰＥＴを原料としたポリエステル糸は、原液着色法により染 色されていることから、クリーニングによって染料が溶出することがないため、 基布３が退色したり、モップ糸４が汚染されることにより、モップ１の外観上の 清潔感を損なわせ、その商品的価値を著しく低下させるのを防止することができ 、耐久性に優れたモップを提供することができる。

【００１３】 また、上記基布３は、クリーニングにより染料が溶出することがなく、モップ 糸４が汚染される心配がないため、濃色に染色することが可能となり、濃色に染 色することが可能となったことにより、ポリエステル糸のクリーニング特性によ る逆汚染（グレーイング）を目立たなくすることができ、更に、基布３とモップ 糸４をそれぞれ異なった色に染色してデザイン性を高めることができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上に詳述した本考案のモップによれば、基布に対して再生ＰＥＴを利用する ことにより、環境に配慮したモップを提供することが可能となる。 また、再生ＰＥＴを原料としたポリエステル糸は、原液着色法により染色され ていることから、クリーニングによって染料が溶出することがないため、基布が 退色したり、モップ糸４が汚染されることにより、モップの外観上の清潔感を損 なわせ、その商品的価値を著しく低下させるのを防止することができ、耐久性に 優れたモップを提供することができる。

【００１５】 また、上記基布は、クリーニングにより染料が溶出することがなく、モップ糸 が汚染される心配がないため、濃色に染色することも可能となるばかりでなく、 濃色に染色することが可能となったことにより、ポリエステル糸のクリーニング 特性による逆汚染（グレーイング）を目立たなくすることができ、更に、基布と モップ糸をそれぞれ異なった色に染色してデザイン性を高めることもできる。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ モップ ２ 払拭材 ３ 基布 ４ モップ糸 ５ モップハンドル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基布にモップ糸を植設してなる払拭材をモ
   ップハンドルに対して着脱自在に装着したモップにおい
   て、上記基布が、再生ＰＥＴを原料とするポリエステル
   糸を含む生地によって形成され、上記ポリエステル糸に
   は原液着色が施されていることを特徴とするモップ。
2. 【請求項２】上記モップ糸と上記基布がそれぞれ異色に
   染色されていることを特徴とする請求項１に記載のモッ
   プ。
3. 【請求項３】上記モップ糸は、再生綿を含む綿糸によっ
   て形成されていることを特徴とする請求項１又は請求項
   ２記載のモップ。