JP3084515B2 - 垂直軸型風車 - Google Patents

垂直軸型風車

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JP3084515B2 JP18569197A JP18569197A JP3084515B2 JP 3084515 B2 JP3084515 B2 JP 3084515B2 JP 18569197 A JP18569197 A JP 18569197A JP 18569197 A JP18569197 A JP 18569197A JP 3084515 B2 JP3084515 B2 JP 3084515B2
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株式会社阪神技術研究所
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/74Wind turbines with rotation axis perpendicular to the wind direction

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型の垂直軸型風
車の改善に関するもので、従来から知られているサボニ
ウス形風車やクロスフロー形風車等の垂直軸型風車より
高出力が得られ、且つ強風時には受風する風圧を減殺し
て回転数を減じ、風車を破損から守るための技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】垂直軸型風車として実用的なものにダリ
ウス形垂直軸型風車があるが、風速の大きい場所に限定
され、大型で高価格である。サボニウス形風車は抗力利
用の風車で、低回転ながらトルクが高く、揚水用やダリ
ウス形風車に組合わせてその初期起動用に利用されてい
る。クロスフロー形風車は揚力利用の風車であるが、実
験段階で実用には供せられていない。
【0003】これらの風車では効率を上げるためにコン
セントレータやディフューザなどの増強装置の併用が有
効であることが知られている(第14回風力エネルギー
利用シンポジウム柿田耕宏「垂直軸抗力型風車の出力増
強法に関する研究」平成4年12月11日)。しかし、
このような付加的な装置による出力向上は構造的に複雑
となり、コスト的に好ましくない。
【0004】小型風車については、すでに多種多様の形
式が提案され、性能向上のための技術が開示されてい
る。例えば、実開平4−137270は垂直軸型風車の
回転羽根に関するもので、垂直軸に取付けられた横軸に
回転可能の状態で平板状の受風羽根体を吊下げた回転羽
根とすることによって、回転を阻害する風の抵抗を軽減
する技術が提案されている。しかし、平板状回転羽根を
用いる風車は必ずしも効率が良いとはいえず、実用上問
題がある。
【0005】風車の実用化に当たり、予測し得ない強風
や局地的な突風から風車を保護したり、回転数が上がり
すぎたときに発生する過電流を抑制するための対策を付
加することが重要である。とりわけ軽量な小型風車では
強風対策が必修である。ダリウス形風車、サボニウス形
風車、クロスフロー形風車など大型縦軸型風車の場合は
強風に耐える頑丈な構造とするために重量も大きくな
り、取扱いにくくコストも高い。大型プロペラ形横軸型
風車ではピッチを変える複雑な機構が採用され、小型プ
ロペラ形風車の場合は軸を傾けて強風を避ける対策が取
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は低風速で起動し、効率的に出力が得られること。構
造を簡単で軽量にし、加工と修理が容易で、価格を低廉
にすること。簡単な機構で強風から保護出来ること。こ
れらにより設置方法として地上に固定するだけでなく、
水上に浮かべることも、空中につり下げることも可能に
した垂直軸型風車を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る垂直軸型
風車が採用した手段の特徴は、回転羽根を多段式のカー
テン状受風羽根体で構成し、回転を発生する方向の風を
受ける側では風の作用で揚力翼を形成して効率的に回転
力が発生し、反対方向の風を受ける側ではカーテン状受
風羽根体の裾が翻って風が回転羽根面を素通りして逆回
転力が発生しない構造にし、かつ回転羽根の取付位置を
最も効率的な角度に設定したことである。
【0008】請求項2に係る垂直軸型風車が採用した手
段の特徴は、回転羽根の弧の合計長さと風車外周の比率
を最も効率的な値に設定したことである。
【0009】請求項3に係る垂直軸型風車が採用した手
段の特徴は、回転羽根の半径と風車外周の半径を最も効
率的な値に設定したことである。
【0010】請求項4に係る垂直軸型風車が採用した手
段の特徴は、回転羽根を構成する多段式のカーテン状受
風羽根体の裾を紐で上下に連結し、紐の上端を引上げる
ことで受風羽根体の裾が吊上げられ、風の一部が素通り
して回転力を減殺するととも に強風圧による風車の破損
を防止する構造において、カーテン状受風羽根体の裾に
連結した紐を、回転軸の遠心力によって作動する可動部
材に滑車を介して連結し、受風羽根体を吊上げる構造に
したことである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る垂
直軸型風車を、その斜視図の図1(a)、その平面断面
図の図1(b)、その回転羽根を構成する受風羽根体の
挙動説明図の図2と従来のサボニウス形風車およびクロ
スフロー形風車との性能比較説明図の図3を順次参照し
ながら説明する。なお、図1、図2には説明を簡単にす
るために後述の強風保護機構が省略されている。
【0012】図1(a)、(b)に示す垂直軸型風車1
は、垂直な回転軸2に取付けられた円板状の上部ハブ3
と下部ハブ4との間に、ハブの端部側から矢印で示す時
計方向に廻るにつれて回転軸2の方向に湾曲する外側凸
状の複数の回転羽根5が垂直に設けられている(湾曲線
は上部ハブの上面に破線Lcで例示されている)。
【0013】これら回転羽根5のそれぞれは前記湾曲線
Lcに沿って所定の間隔で配設されてなる複数の垂直な
縦部材5aと、これら縦部材5aの回転軸2側に水平か
つ上下方向に所定の間隔をもってそれぞれに固着されて
なる湾曲形成された保持棒5bと、これら縦部材5aの
回転軸2側において、水平方向の長さが湾曲する回転羽
根5の両端、すなわち最外側と最内側の二本の縦部材5
a〜5a間よりも若干広く、かつ上下方向の幅が保持棒
5b同志の間隔よりも長い短冊状であって、その上辺が
前記保持棒5bのそれぞれに固定され、他の三辺がフリ
ーであって、風圧を受けて曲げ変形し、背部の縦部材5
aと接触して湾曲状になる多段のカーテン状受風羽根体
5cとからなっている。
【0014】更に回転羽根5の最外側にある縦部材5a
の中心点Bopが形成する回転軌跡円に対する点Bop
における接線Lhtと、前記回転羽根5の最内側にある
縦部材5aの中心点Bipと前記点Bopを結ぶ弦の延
長線Lbtとがなす接線角度θは、図1(b)に示すよ
うに45度に設定されている。また、この実施形態では
曲率半径が450mmの回転羽根が4枚配設されてい
る。なお、上・下ハブ3、4の半径はいずれも900m
mに設定されている。
【0015】このような受風羽根体5cは、図2に示す
ように受風羽根体5c側の黒矢印方向から風を受けるこ
とにより縦部材5aに接触して湾曲状になると、水平方
向の両端縁のそれぞれが最外側の縦部材5a、5aに接
触するとともに下端縁が下段の保持棒5bに接触して風
圧を受ける一方、縦部材5a側の白抜き矢印方向からの
風を受ける場合には、鎖線で示すように風下側にたなび
いて風を通過させるように構成されている。
【0016】前記の実施の形態は図1に示すように、回
転羽根5のそれぞれには4段の受風羽根体5cが取付け
られているが、これはしかるべき出力を得るためのもの
であって、出力の大きさによって受風羽根体5cの段数
を3以下にも5以上にもでき、これら受風羽根体5cの
段数に限定されるものでない。
【0017】また、受風羽根体5cとしては、例えば帆
布のような織物や柔軟なフイルムが使用される。これら
は風により翻り、変形するとともに湾曲状に復帰する曲
げ耐久性に優れたものであればよいので、特に受風羽根
体5cの材質に限定されるものではない。
【0018】なお、上部ハブ3と下部ハブ4は必ずしも
円板状でなければならないという訳でなく、例えば回転
羽根5を支持する環体と回転中心から外方に放射状に延
びて環体に連なる形状、つまり円板部の回転中心と回転
羽根5との間に複数の円状あるいは略扇状の抜き孔が設
けられてなる構成であってもよい。
【0019】
【実施例1】以下に、風速3m/秒の条件下において、
前記本発明の実施形態に係る構成の垂直軸型風車と、従
来例に係るサボニウス形風車(回転羽根2枚、回転羽根
の曲率半径500mm,ハブの半径900mm)および
クロスフロー形風車(回転羽根24枚、回転羽根の曲率
半径250mm,ハブの半径900mm)について出力
比較試験を行った。この出力比較試験は、負荷抵抗(ト
ルク表示)を変化させた時のそれぞれの風車の回転数を
求めたものであって、その結果は図3に示す通りであ
る。
【0020】すなわち、出力比較試験に際して設定した
いかなる制動条件下にあっても、本実施の形態に係る垂
直軸型風車1は従来例に係るサボニウス形風車やクロス
フロー形風車よりも高速回転しており、しかも負荷抵抗
が大きくなっても回転数の低下程度が小さい。つまり、
従来例に係るサボニウス形風車やクロスフロー形風車よ
りも遥かに高出力であって、かつ起動性が優れているこ
とがわかる。
【0021】
【実施例2】次に本発明の実施の形態に係るカーテン式
受風羽根体5cの効果を示すために、前記垂直軸型風車
1において4段の受風羽根体5cに代えて、同一素材か
らなる受風羽根体4段相当の一枚のシートを回転羽根に
固定した場合との比較試験を、回転羽根5の取付け接線
角度θを30度、45度、90度にした場合のそれぞれ
について行った。その結果は図4に示すとおりで、設定
したいかなる接線角度においても、カーテン式に裾を自
由にした受風羽根体5cからなる本発明の垂直軸型風車
が起動性や高速回転の点で優れていることがわかる。
【0022】以上のことから、従来例に係るサボニウス
形風車やクロスフロー形風車はともに剛体の回転羽根で
あるために、風車が回転して回転羽根が風向きに対して
凸となる側では逆風となって回転力を抑制する力が加わ
ったり、あるいはクロスフロー形風車では回転羽根が密
集しているために風の渦流が発生して回転を阻害するこ
とがあるのに対して、本発明の場合は逆風側では受風羽
根体5cが翻って風を逃がすことによって逆回転力を軽
減し、かつ回転羽根数が少ないために回転を阻害する渦
流の発生が少ないためと理解することができる。
【0023】
【実施例3】本発明の実施の形態に係る湾曲形成された
横断面形状の回転羽根5の効果について、前記垂直軸型
風車1において湾曲形成された回転羽根5に代えて、平
面状の4段のカーテン式受風羽根体からなる横断面が直
線状の回転羽根にした場合について接線角度を変えて比
較試験を行った。その結果は図5に示すとおりで、設定
したいかなる接線角度θにおいても、湾曲形成した受風
羽根5からなる本発明の垂直軸型風車1が起動性や高速
回転の点で優れていることがわかる。
【0024】
【実施例4】次に、本発明の実施の形態に係る前記垂直
軸型風車1において、接線角度θと回転数の関係につい
て、トルク表示で21kgf・cmの負荷抵抗を作用さ
せた場合の試験結果を図6に示した。この図から、接線
角度θは30度〜70度の範囲であることが好ましく、
より好ましくは35度〜60度の範囲であり、最も好ま
しいのは40度〜45度であることが分かる。
【0025】
【実施例5】次に、本発明の実施の形態に係る前記垂直
軸型風車1において、接線角度θが40度の場合につい
て、回転羽根5の大きさと回転数の関係について、トル
ク表示で21kgf・cmの負荷抵抗を作用させた場合
の試験結果を図7に示した。この図7では、回転羽根5
の大きさは複数設けられた回転羽根5の弧(図1におけ
る湾曲線Lc)の長さの合計値で現され、風車外周(図
1におけるBopの回転軌跡円)に対する割合%で表示
されている。
【0026】この図7は、回転羽根5が小さ過ぎると当
然高い出力が得られないのみならず、回転羽根5が大き
過ぎても出力が低下することを示しており、大き過ぎる
と風の渦流が発生しやすくなり、効率が低下するものと
理解される。回転羽根5の弧の合計長さは風車外周の4
0〜70%、特に50〜60%が好ましいといえる。
【0027】以下に、本発明の実施の形態に係る垂直軸
型風車の強風保護機構について説明する。図8は受風羽
根体5cの裾を紐6で連結する方式とそれを引上げた時
の効果を示す比較図である。図9は受風羽根体5cの裾
を連結した紐6を風車の回転によって発生する遠心力を
利用して引上げる機構の説明図であり、図9(a)は通
常の状態を、図9(b)は風車の回転数が上がり、紐6
に連結されたストッパー8aが外れて、回転羽根体5c
の裾が引上げられた状態を示している。
【0028】図8から、受風羽根体5cの連結の仕方に
よって差があるものの、受風羽根体5cの裾を連結した
紐6で引上げることが風車の回転数を落すのに効果的な
手段であり、引上げる位置は風車に内側よりも外側の方
がより有効であることが判る。このような軽量で簡単な
機構で強風から風車を保護出来ることも本発明のカーテ
ン式受風羽根体5cからなる垂直軸型風車の優れた特徴
といえる。
【0029】なお、紐6の具体例は、麻縄、合成繊維製
ロープや金属製の鎖などであり、特に限定されるもので
はない。
【0030】図9に示す垂直軸型風車1は、回転軸2に
固定された垂直な貫通孔を有する上固定板8と下固定板
9に、部分的に径が太くなったストッパー7aを設けた
上下自在の丸棒7が貫通保持され、丸棒7の上端には受
風羽根体5cの裾を連結した紐6が上部ハブ3の下面に
取付けられた滑車10、11を介して連結されている。
上端が外向きに自在に開くヒンジ部8aで上固定板8に
保定され、下端には内向きのU字状開口部を有するL字
状のストッパー受け12が前記丸棒7のストッパー7a
にはめ込まれている。L字状のストッパー受け12には
重量調節可能の重り13が取付けられている。
【0031】強風により風車1の回転が速くなれば重り
13に作用する遠心力が大きくなり、図9(b)に示す
ように、L字状ストパー受け12が外側に外れて丸棒7
が落下し、それによって紐6で連結されている受付羽根
体5cの裾が引上げられて風を逃がし、風車1の損壊に
結び付く高速回転を回避することができる。
【0032】以上に述べてきたように、本発明の垂直軸
型風車は従来例に係るサボニウス形風車やクロスフロー
形風車のようにコンセントレータやディフューザを装着
するまでもなく、低コストで高出力が得られる。そし
て、このような付加的手段の併用によってさらなる出力
向上も可能になる。
【0033】また、例えばクロスフロー形風車との比較
において、図3から理解出来るように出力向上の割合は
10%(負荷抵抗0kgf・cmの場合)〜20%(負
荷抵抗21kgf・cmの場合)になっているが、風車
の出力は風速の3乗に比例するので、出力向上がこの程
度であっても十分に実用に供し得ることが示唆されてい
る。更に、風車の実用化のためには一般に7m/秒以上
の風速が必要であるといわれているが、7m/秒未満の
風速でも十分に実用に供し得ることも示唆するものであ
り、従来例に係るサボニウス形風車やクロスフロー形風
車に比較して設置可能領域が大幅に拡大するという効果
がある。
【0034】更に、上記のとおり回転羽根5は縦部材5
aと保持棒5bと受風羽根体5cとからなる構成である
から、この垂直軸型風車を極めて軽量にすることがで
き、台風などの非常時における移動・格納が容易で、ま
た分解・修理組立もまた容易に行なうことができる。ま
た、回転羽根5を構成する縦部材5aや保持棒5bを例
えば竹材や木材とすることも可能であるから、さらに軽
量化が図られ、運搬が容易になって、例えば災害地の緊
急電源としても活用し得るという効果も生じる。
【0035】ちなみに、本発明に係る垂直型風車の用途
を述べると、発電、電気分解による水素の製造、揚水、
摩擦発熱による温水の製造、水中への空気吹込みによる
湖水や河川の浄化、小型船舶推進用動力源、製粉、融雪
あるいは風防(この垂直軸型風車を所定間隔で並設す
る)等に活用することができる。
【0036】また、この垂直軸型風車の支持形式として
は支柱による支持、支柱枠、気球、橋桁からの吊下げ支
持等が考えられ、さらにその設置場所としては山野、谷
間、屋上、船上海面や湖面等が考えられる。個々の設置
場所に固有の局地的な突風から風車を保護する必要があ
る場合にも、簡単な機構を付加することによって対応す
ることが出来る。
【0037】なお、以上では、図1(a)、(b)に示
すように上・下部ハブ3、4の端部側から左側になるほ
ど回転軸2の方向に湾曲する横断断面形状の回転羽根5
を有する垂直軸型風車を例として説明したが、逆に上・
下部ハブ3、4の端部側から右側になるほど回転軸2の
方向に湾曲する横断断面形状の回転羽根5を設ける(逆
方向に回転する)ことができるので、上記例によって本
発明に係る技術的思想の範囲が限定されるものではな
く、また本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内におけ
る設計変更等は自由自在である。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の請求項1
乃至4に係る垂直軸型風車によれば、風車が回転して回
転羽根が風向きに対して凹となる順風側では、風を受け
るとともに揚力が発生して回転が推進され、かつ凸とな
る逆風側では受風羽根体が翻って風を逃がすことによっ
て逆回転力を軽減し、さらに多数の回転羽根を必要とし
ないために風の渦流発生に伴うロスを避けることがで
き、よって風力を効率よく出力に変換できるので、剛体
の回転羽根であるために風を受ける位置によっては回転
を阻害する力が発生しやすく、あるは多数の回転羽根が
必要なために渦の発生しやすい従来例に係るサボニウス
形風車やクロスフロー形風車のように出力増強装置を用
いるまでもなく、この垂直軸型風車だけによって高出力
と優れた起動性が得ることができ、そしてこのような高
出力であるが故に設置可能領域の拡大が可能になり、ま
た、予測困難な突風などから風車の破損を保護する場合
も、風の一部を素通りさせる簡単な機構を付加するだけ
でよいために、低コストで製造しうるという極めて優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)は垂直
軸型風車の斜視図、図1(b)は垂直軸型風車の平面断
面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る垂直軸型風車の回転
羽根を構成する受風羽根体の挙動説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係り、従来のサボニウス
形風車およびクロスフロー形風車との性能比較グラフで
ある。
【図4】本発明の実施の形態に係り、受風羽根体の裾を
固定した場合との性能比較グラフである。
【図5】本発明の実施の形態に係り、回転羽根の横断面
形状を直線とした場合との性能比較グラフである。
【図6】本発明の実施の形態に係り、受風羽根の接線角
度θと回転数との関係を示す説明グラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係り、受風羽根の大きさ
と回転数との関係を示す説明グラフである。
【図8】本発明の実施の形態に係り、受風羽根体の裾を
紐で連結して吊り上げた場合の連結方式の相違による性
能と吊り上げなかった場合の性能比較グラフである。
【図9】本発明の実施の形態に係り、受風羽根体の裾を
連結した紐を、風車の遠心力を利用して吊り上げる機構
の説明図である。
【符号の説明】
1‥‥垂直軸型風車、2‥‥回転軸、 3‥‥上部ハ
ブ、 4‥…下部ハブ 5‥‥回転羽根、 5a‥縦部材、 5b‥保持
棒、 5c‥受風羽根体 6‥‥紐、 7‥‥丸棒、 7a‥ストッ
パー 8‥…上固定板 8a‥ヒンジ部、 9‥‥下固定板、 10‥滑車、
11…滑車 12‥ストッパー受け、 13‥重り Bip…回転羽根5の最内側外部材5aの水平方向の中
心点 Bop…回転羽根5の最外側外部材5aの水平方向の中
心点 Lc…湾曲線 Lht…Bopの回転軌跡円のBopにおける接線 Lbt…湾曲する回転羽根5の弦の延長線 θ …接線Lhtと弦の延長線Lbtとのなす接線角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F03D 3/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直回転軸を回転させる上下のハブに保
    持された垂直で外側に凸の湾曲弧状の複数の回転羽根か
    らなる垂直軸型風車であって、各回転羽根の一端が回転
    する風車の外周上に、他端がそれよりも内側に配置さ
    れ、各回転羽根は、縦格子とこれに直交する湾曲弧状の
    保持棒に吊下げられた多段のカーテン状の受風羽根体で
    構成され、上段の受風羽根体の下端が下段の受風羽根体
    の上端に重なるよう保持されて弧の内側にのみ自由には
    ためき、弧の内側よりの風には受風羽根体が縦格子と受
    風羽根体の保持棒によって弧状に湾曲した揚力翼断面を
    形成する垂直軸型風車において、回転羽根の両端を結ぶ
    弦と、回転羽根の外側が形成する風車の回転軌跡円と前
    記弦の交点における接線とがなす角度が30度乃至70
    度、好ましくは35度乃至60度の範囲からなる4枚の
    湾曲弧状回転羽根を有することを特徴とする垂直軸型風
    車。
  2. 【請求項2】 回転羽根の弧の合計長さが風車外周の4
    0〜70%、好ましくは50〜60%であることを特徴
    とする請求項1に記載する垂直軸型風車。
  3. 【請求項3】 回転羽根の弧の半径が450mm、風車
    外周の半径が900mmであることを特徴とする請求項
    1もしくは請求項2に記載する垂直軸型風車。
  4. 【請求項4】 前記保持棒で吊下げられたカーテン状受
    風羽根体の裾を吊上げられるように、多段の受風羽根体
    の裾を紐で上下に連結し、紐の多他端を回転時の遠心力
    によって外側に外れるストッパー受けに保定された自由
    落下の出来るストッパー付き部材に、上部ハブの下面に
    取付けられた滑車を介して連結し、回転数が速くなると
    遠心力によってストッパーが外れて落下し、受風羽根体
    の裾を吊上げる構造を有することを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載する垂直軸型風車。
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