JP3083921U - 寒冷地用伸縮メーターボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水道メーター並びに止水栓の凍結防止と、凍
上防止による長期に安定した埋設状態を保持し、且昇降
操作を良好にならしめて交換作業等を簡便且能率的にな
しえる寒冷地用伸縮メーターボックスを提供する。 【構成】 所要の口径及び長さの収納ボックスの上端に
は装着リングを介して上部閉塞蓋が、更に下端に取付け
られる下部閉塞蓋には所要の幅で外側水平方向に係止縁
が周回形成され、且収納ボックスの下部からは所要の長
さで給水管並びに給出給出管が延出され、而も収納ボッ
クス内には該給水管並びに給出管相互が螺回されて螺回
コイルを形成し、且この給水管並びに給出管端縁と水道
メーター並びに止水栓の端縁とが、給水管並びに給出管
の端縁延長線と水道メーター並びに止水栓端縁延長線と
の交叉角が５０乃至８５度の範囲で適宜に曲折された連
結管具で連結され、且これらが収納ボックス内に保持さ
れる水平支持体で昇降可能に支持された寒冷地用伸縮メ
ーターボックス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は寒冷地における水道メーターや止水栓の凍結を防止するための、寒冷 地用伸縮メーターボックスに係るものである。

【０００２】

【従来技術】

寒冷地においては冬期間における著しい低温化により、水道管はもとより水道 メーターや止水栓等も凍結や破裂並びに破損若しくは故障が頻発するため、水道 管においては各種の凍結防止手段が講じられ、更に水道メーターや止水栓等は地 温による凍結が回避される深さに埋設がなされていた。 しかしながら水道メーターや止水栓は、計量法に基づき定期の交換が義務づけ られており、これがため該水道メーターや止水栓の交換や点検時はもとより水道 支管の破損や漏水事故等の発生に際しては、地中深く埋設された水道メーターや 止水栓を掘削して交換や点検若しくは止水措置を講ぜねばならず、多大な経費と ともに作業にも長時間を要し、更に他の凍結防止手段として水道メーターや止水 栓をコンクリート製ボックスで保護させて埋設すること、或いは作業者の作業ス ペースを加味して大型ボックスを埋設し、この大型ボックス内に水道メーターや 止水栓を配置させることもなされていたが、コンクリート製ボックスでは交換時 や止水措置に際しては同様に掘削作業が強いられ、更に大型ボックスでは設置コ ストが高く且設置スペースの面から設置も著しく制約され、而も交換や点検或い は止水措置等作業時には換気等の安全性とともに、平時における転落等の事故防 止にも特段の配慮が要請される等多くの問題を抱えていた。

【０００３】 かかる問題に鑑み考案者は、収納設置に際して凍結を確実に防止し且水道メー ターや止水栓等の交換や点検或いは水道支管の破損や漏水時における止水措置を 地表において簡便効率的になすための手段として実公平３−３３８０５号公報で 開示されてなる如く、地中に埋設される所要の口径及び長さの収納ボックスと、 この収納ボックス内で保持される水平維持器と一体的にメーター並びに止水栓を 支持させ、且該支持させたメーター並びに止水栓を収納ボックス底部に設けた水 道水入口及び水道水出口とを伸縮可能なコイル状配管で連結せしめ、更に水平維 持器に収納ボックス内壁に密着する保温中蓋を設けた構成、及びメーター並びに 止水栓と水道水入口並びに水道水出口とを伸縮する鳥居型配管で連結させた構成 、或いはメーター並びに止水栓と水道水入口並びに水道水出口とを伸縮する蛇腹 型配管で連結させた構成の寒冷地向け伸縮式メーターボックスを開発上市し、以 来今日まで極めて広範囲に且多量に実用使用されるに至っている。

【０００４】 而しながらかかる考案所謂寒冷地向け伸縮式メーターボックスも、広範囲且多 量に実用使用されることに伴い新たな問題が顕在化されてきた。即ち広範囲に使 用されることで埋設土壌や土質も著しく異り、且土壌土質の相違で保水率も大き く異り、低温凍結時の凍結膨張度合も異るうえこれが土圧として収納ボックスに 付加されるため、収納ボックスが地表面に揚向移動せしめられる所謂凍上現象が 招来され、この結果収納ボックス上端が地表面に突出し歩行や交通の障害となる ばかりか、景観も著しく損なわれる結果となる。加えてかかる考案においては収 納ボックスの上蓋が単に載置されたものであるから、該上蓋の隆出部分とも相俟 って凍上による突出が激しく、特に近年の如く寒冷地においても都市化や市街地 化が進んだ状況下では交通への影響が憂慮されるところである。

【０００５】 加えて先願考案は地表面においてメーター並びに止水栓の交換や点検或いは止 水措置をなすうえで、埋設された収納ボックス内に保持される水平維持器と一体 的にメーター並びに止水栓を引き上げるものであるが、メーター並びに止水栓に は収納ボックス底部に設けた水道水入口並びに水道水出口とが伸縮するコイル状 配管で連結されてなるもので、当然コイル配管の曲率半径は大きなものほど伸縮 性に優れ収納ボックス内の昇降に好都合となるが、反面メーター並びに止水栓は 直線状に一体連結され且強剛なものであるから、コイル状配管の実質的曲率半径 は該メーター並びに止水栓及びコイル配管端縁と連結する連結管具との長さに対 応するよう形成され、且収納ボックスの内径もこれらが挿通され昇降しえる口径 で形成され、且メーター並びに止水栓は一体的で強剛なものであるから、コイル 配管との連結部分も強剛な連結管具を用い略直角に連結がなされている。

【０００６】 然るに収納ボックスの口径はもとよりメーター並びに止水栓並びに連結管具の 実質的長さは温度及び熱膨張率により微妙に変化し、更には埋設された収納ボッ クスは土壌凍結に伴う土圧の付加により変形したり、若しくは長期に亘る埋設に 伴い収納ボックス内壁面への塵埃や細菌黴等の付着重積或いは作業者の引き上げ に際して水平維持器の不均等な引き上げ等に伴って、直線状で且強剛なメーター 並びに止水栓及びその端縁に連結される適宜の連結管具等と収納ボックス内壁と の接触や摩擦が著しく増大して、引き上げ作業が著しく困難となる問題も提起さ れている。更にメーターや止水栓の端縁に適宜の連結管具を介して略直角に配管 コイルとを連結する手段では引き上げ時に配管コイルの伸長応力や荷重が付加さ れ連結管具の変形や破損を招来する危険も指摘されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は先願考案の抱える問題を解決するため鋭意研究の結果なされたもので あって、本考案は水道メーター並びに止水栓の凍結防止と凍上防止による長期に 安定した埋設状態を保持せしめ、且昇降操作を良好ならしめて交換や点検作業若 しくは止水措置等を簡便且能率的になしえる寒冷地用伸縮メーターボックスを提 供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するために本考案が採用した技術的手段は、所要の口径及び 長さで且上部閉塞蓋及び下部閉塞蓋を有する収納ボックスと、該収納ボックス内 に保持される水平支持体に水道メーター及び止水栓が支持され、且収納ボックス 下端より給水管及び給出管が所要の長さで延出され而も該給水管及び給出管相互 が収納ボックス内で伸縮可能に螺回されて螺回コイルを形成し、且この螺回され た給水管及び給出管の端縁には適宜の連結管具を介して水道メーター及び止水栓 に連結されてなる寒冷地用伸縮メーターボックスにおいて、収納ボックス上端に は中空リング状でその下側には収納ボックスを包着嵌合しえる包着縁及びその上 側には上部閉塞蓋全体を嵌入しえる嵌入縁を有し、且包着嵌合される収納ボック ス上端及び嵌入される上部閉塞蓋保持縁を止着させる止着縁が内側に向って延出 され、且その中空部が収納ボックス内径と等しく形成された装着リングを介して 上部閉塞蓋が取付けられ、且下部閉塞蓋には所要の幅を以って水平方向に係止縁 が周回形成されてなり而も螺回コイルを形成する給水管並びに給出管の端縁延長 線と水道メーター並びに止水栓の端縁延長線との交叉角が５０乃至８５度の範囲 で適宜に曲折された連結管具により給水管並びに給出管と、水道メーター並びに 止水栓とが連結されてなる構成の寒冷地用伸縮メーターボックスに存するもので あり、更には確実な凍上防止を図るうえから、収納ボックスの適宜位置に該収納 ボックスを挟んで圧着固定できる圧着固定部と、該圧着固定部の外側に所要の幅 で且水平方向に係止縁が延出形成された一対組の係止固定具が螺着固定された構 成に存する。 加えて凍上防止の手段として凍結に伴う土圧付加を地表に向って放出させるた め収納ボックスの上端口径に対して下端口径を大きく形成させた構成、及び埋設 された収納ボックス内の水道メーターや止水栓の凍結防止を確実に図るため、収 納ボックス内に密着し且摺動昇降しえるように弾性を有する断熱蓋が水道メータ ー及び止水栓の近傍並びに上部閉塞蓋近傍に配設させた構成に存する。

【０００９】

【作用】

本考案は上述の如き構成からなるため以下のような作用を有する。即ち収納ボ ックスの上端には装着リングが装着されたうえ、該装着リングの嵌入縁内に上部 閉塞蓋が嵌入されたうえ埋設がなされるため、埋設状態においては上端閉塞蓋が 地表面と同じレベルに埋設保持され、更に収納ボックス下端に取付けられる下部 閉塞蓋には所要の幅を以って外側水平方向に係止縁が周回形成されてなるととも に、収納ボックスの適宜位置には該収納ボックスを挟んで相互から圧着固定され 、且該圧着固定部の外側には所要の幅で水平方向に係止縁が形成された係止固定 具が螺着固定されるため、冬期の土壌凍結に伴う土圧により収納ボックスに地表 に向って揚向力が働いてもこれら係止縁により係止され、収納ボックスの凍上防 止はもとより特に係止固定具が圧着固定された場合には収納ボックスに付加され る土圧に対抗しての十分な補強力が付与される。加えて収納ボックスを上端口径 に対して下端口径を大きく形成させたものを使用した場合には、土壌凍結に伴う 土圧の付加に際して収納ボックスと該収納ボックスに接触している土壌とに滑り が生じ、土壌が揚向され収納ボックス自体の凍上が防止されることとなる。

【００１０】 そして螺回コイルを形成する給水管並びに給出管端縁と水道メーター並びに止 水栓との連結に際しては、給水管並びに給出管の端縁延長線と、水道メーター並 びに止水栓の端縁延長線との交叉角が５０乃至８５度の範囲で適宜に曲折された 連結管具で連結されるため、強剛な水道メーター並びに止水栓及び連結された連 結管具と収納ボックス内壁面との接触や摩擦抵抗がなくなり、従って収納ボック スに温度差による膨張や縮少が生じたり若しくは土圧による多少の変形が発生し 、或いは収納ボックス内壁への塵埃や細菌黴等の付着重積がなされた場合や、更 には引上げ作業時における均等な引上げがなされぬ場合でも容易に昇降操作がな しえる。 加えて本考案では、収納ボックス内に密着し摺動昇降できる弾性を有した断熱 蓋が水道メーター並びに止水栓近傍に配され、且上部閉塞蓋近傍にも配された構 成であるから、最も低温化する外気温度が仮令上部閉塞蓋より伝導若しくは輻射 により収納ボックス内に伝播されても、上部閉塞蓋近傍の断熱蓋で遮断され、且 水道メーターや止水栓は比較的温暖な地温が伝導、輻射で伝播され而もかかる温 度が近傍の断熱蓋で遮断保持されるため凍結も防止される。

【００１１】

【実施例】

以下に本考案実施例を図に基づき説明すれば、図１は埋設された本考案の一部 切欠説明図であって収納ボックス１は水道メーターを初め止水栓或いは螺回コイ ル等がその内部に収納されるもので、当然に寒冷地における地中に埋設されるも のであるから、形成素材としては耐寒性を初め耐水性並びに強靭性に優れるもの が好適で、具体的素材としてはポリエチレンやポリエステル若しくはポリカーボ ネート等の合成樹脂や、アルミ板材並びに鉄板材等が挙げられる。更に該収納ボ ックス１は、その内部に収納される水道メーターや止水栓等を定期に交換若しく は点検し、或いは緊急時における止水措置作業等を行うために地表面まで引き上 げ若しくは作業終了後に収納させる所謂昇降操作に好都合なことや、長期に亘る 埋設使用に際しての構造強度等を保持させる面から円筒形状に形成されてなるも ので、且その口径や長さは具体的埋設場所や気候条件等より決定されるが、一般 的にはその口径では略３０乃至４０ｃｍ、長さにおいては略６０乃至２００ｃｍ 程度のものが使用される。

【００１２】 かくしてなる収納ボックス１の上端には、上部閉塞蓋２が装着リング３を介し て取付けられている。この装着リング３は図２に示すように、その下側には収納 ボックス１の上端１Ａを包着嵌合しえるような内径と且適宜長さの嵌合縁３Ａが 形成され、更に上側には上部閉塞蓋２全体を嵌入しえる内径と且適宜長さの嵌入 縁３Ｂが形成され、而もその略中間位置より内側に向って包着嵌合される収納ボ ックス１の上端１Ａ並びに嵌入される上部閉塞蓋２の保持縁２Ａを止着しえる止 着縁３Ｃが延出されるとともに、その中央には収納ボックス１の内径と等しい中 空部３Ｄが形成されてなる構成のものである。この装着リング３を介在させる理 由は、本考案の重要な課題の一つに、実用使用において発生する凍上即ち埋設さ れた土壌の凍結に伴う土圧の付加で本考案に地表に向う揚向力が働き、収納ボッ クス１が地表上に突出若しくは隆出する凍上現象を防止させることにあり、上部 閉塞蓋を収納ボックス１の上端１Ａに載置させたものでは凍上に伴う歩行や交通 障害、路面舗装時の仕上り不良或いは景観の阻害が増長されることによる。

【００１３】 収納ボックス１の下端１Ｂには、図３に示すような凍上防止の機能を保持する 下部閉塞蓋４が取付けられている。この下部閉塞蓋４は収納ボックス１の下端１ Ｂ内に嵌合しえる口径で、且収納ボックス１とを適宜の螺着具例えばビス及びナ ット等で螺着できる長さの螺着縁４Ａが形成されてなるとともに、その外側には 所要の幅で且水平方向に係止縁４Ｂが延出形成されている。かかる場合に係止縁 ４Ｂの幅は凍上発生の危険度合や本考案の口径並びに長さ等を考慮して決定され るが、一般的な大きさとされる口径３０ｃｍ高さ１２０ｃｍの場合では略３乃至 ６ｃｍ程度が目安とされる。

【００１４】 かかる如く上端閉塞蓋２が装着リング３を介して取付けられ、且所要の幅の係 止縁４Ｂが形成された下部閉塞蓋４が取付けられてなる収納ボックス１内には、 該収納ボックス１内で保持される水平支持体５と、該水平支持体５に水道メータ ー６及び止水栓７が支持されてなり、且該収納ボックス１の下部からは給水管８ Ａ及び給出管８Ｂが所要の長さで延出されてなるとともに、該給水管８Ａ及び給 水管８Ｂ相互が伸縮可能に螺回されて螺回コイル８を形成し、且この螺回された 給水管８Ａ及び給出管８Ｂの端縁には、適宜の連結管具９を用いて水道メーター ６及び止水栓７とが連結されたうえ収納されている。

【００１５】 而してかかる場合に重要なことは水道メーター６や止水栓７は金属素材からな る強剛なものであり、且この水道メーター６や止水栓７に連結管具９を用いて螺 回コイル８の給水管８Ａ及び給出管８Ｂの端縁とを略直角に連結させる手段では 該連結管具９も強剛な性質を有するものであるから、且水道メーター６並びに止 水栓７及び連結管具９の全長が収納ボックス１の内径に略近い長さを有する結果 、昇降操作に際して収納ボックス１の内壁との間に大きな接触抵抗若しくは摩擦 抵抗が生じ、昇降操作が著しくが阻害される原因となる。 そこで本考案においては図４に示す如く、螺回コイル８を形成する給水管８Ａ 並びに給出管８Ｂの端縁延長線Ａ−Ａ線と、水道メーター６並びに止水栓７の端 縁延長線Ｂ−Ｂ線との交叉角が５０乃至８５度の範囲となる適宜に曲折された通 水プラグや通水ジョイント或いはベンド等の連結管具９により、給水管８Ａ並び に給出管８Ｂと水道メーター６並びに止水栓７とを連結させることにある。

【００１６】 加えて本考案には凍上防止のために、更に優れた手段が講じられている。即ち 凍上防止に際しては収納ボックス１の下端１Ｂに取付けられる下部閉塞蓋４に形 成された係止縁４Ｂによって凍上防止効果が発揮されるものの、より確実な凍上 防止を図るうえからは収納ボックス１の適宜位置に係止固定具１０を螺着固定さ せるもので、該係止固定具１０は図５に示すように収納ボックス１を挟んで相互 に圧着固定できるように、その内側圧着面の曲率が収納ボックス１の曲率と略等 しく且その圧着面の長さが収納ボックス１の外周長の略１／２以下に形成された 圧着固定部１０Ａ及びその両端にはビスやナット等の適宜螺着材１０Ｄを用いて 相互を圧着するための圧着縁１０Ｂが形成されてなるとともに、該圧着固定部１ ０Ａの外側には所要の幅で且水平方向に係止縁１０Ｃが形成された構成よりなる もので、該係止縁１０Ｃの幅は下部閉塞蓋の係止縁４Ｂと同等に形成されれば良 い。 この係止固定具の素材としては、収納ボックス１の形成素材と同様なものが使 用できるが、長期に亘り安定した凍上防止を実現するうえからはアルミ板や鋼板 等の金属素材で形成することが望まれる。

【００１７】 更に本考案においては凍上防止をはかる他の手段も考慮されてなるもので、本 考案における収納ボックス１を図６に示すように該収納ボックス１の上端１Ａの 口径に対してその下端１Ｂの口径を大きく形成させる構成であって、かかる構成 により埋設中における土壌凍結に伴う膨張土圧が付加された場合には、該収納ボ ックス１に接触埋設された土壌が滑りを生じ、土壌が揚向されて収納ボックス１ 自体の凍上が防止されることとなる。かかる場合に該収納ボックス１の上端１Ａ に対する下端１Ｂの口径の大きさ割合所謂勾配には特段の制約はないが、あまり 勾配を大きく形成すると収納ボックス１全体の構造強度に歪みが生ずるため、望 ましくはその勾配において３０度以下の勾配で形成されるように上端１Ａ及び下 端１Ｂの口径を決定すべきである。

【００１８】 加えて本考案は冬期低温時においても収納された水道メーター６や止水栓７は もとより、螺回コイル８を流通する水道水の凍結を防止させることが不可欠であ る。これがためには収納ボックス１内に密着し摺動昇降しえる弾性を有した断熱 蓋１０を水道メーター６や止水栓７の近傍及び上端閉塞蓋２の近傍とに二層に配 して極度の外気温度の低下時にも確実な凍結防止を図る手段が講じられている。 即ち冬期における外気温の極度の低下は地表面において発生するものであり、 この極度の低温度は上部閉塞蓋２より伝導若しくは輻射作用で収納ボックス１内 に伝播される。他方埋設される本考案の収納ボックス１は、埋設条件によって６ ０ｃｍ程度から２００ｃｍ程度の長さが用いられるもので、当然に水道メーター ６、止水栓７、及び螺回コイル８は該収納ボックス１内の下部位に収納され且そ の近傍には断熱蓋１１が配されてなるから、通常時においては比較的温暖な地温 が下部閉塞蓋４若しくは収納ボックス１より伝播されて凍結が回避されるものの 、極度の低温度時に上部閉塞蓋２より収納ボックス１内に低温度が伝播された場 合には、該断熱蓋４のみでは十分に対処できない恐れが生ずる。これがため上部 閉塞蓋２近傍の収納ボックス１内に、該上部閉塞蓋２からの伝導、輻射に伴う低 温度化を遮断しえる断熱蓋１１を配設せしめて凍結防止を確実ならしむるもので 、この上部閉塞蓋近傍に配設させる断熱蓋１１は弾性を有する素材からなるため 交換や点検等に際しての引き上げ時には水平支持体５を把持させる適宜の把持棒 等を用いて容易に変形させて操作でき、且交換点検或いは止水措置終了後の収納 時に適宜に配設させてやれば良い。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上述べたように所要の口径と長さで且上部閉塞蓋及び下部閉塞蓋を 有する収納ボックスと、該収納ボックス内に保持される水平支持体に水道メータ ー及び止水栓が支持され、更に収納ボックス下部からは給水管及び給出管が所要 の長さで延出され、且該給水管並びに給出管相互が伸縮可能に螺回されて螺回コ イルが形成され、而も該給水管端並びに給出管端と水道メーター及び止水栓とが 適宜の連結管具で連結された寒冷地用伸縮メーターボックスにおいて、上部閉塞 蓋全体がその嵌入縁内に嵌入され且収納ボックスと包着嵌合しえる装着リングを 介して収納ボックスに取付けられるため、埋設状態においては該上部閉塞蓋が地 表面に隆出せず、而も下部閉塞蓋には所要の幅を以って外側水平方向に係止縁が 周回形成されたうえ収納ボックス下端と螺着取付けされてなるから、低温による 土壌凍結がなされても凍上が該係止縁で阻止されることとも相俟って、地表面の 歩行や交通への支障がなくなり且景観が阻害されることもなくなる。而も収納ボ ックスの適宜位置に係止固定具が圧着固定されると凍上が確実に防止され長期に 亘って安定した埋設状態が保持されるとともに、収納ボックスに補強力が付加さ れて凍結による土圧付加によっても変形が防止され且該係止固定具は一対組を圧 着させ且適宜の螺着材で相互を螺着させることで簡便に圧着固定がなしえる。

【００２０】 加えて本考案は水道メーターや止水栓と、螺回コイルを形成する給水管端や給 出管端との連結に際して、給水管並びに給出管の端縁延長線と直線状で強剛な水 道メーター並びに止水栓の端縁延長線との交叉角が５０乃至８５度の範囲の適宜 に曲折された連結管具で連結させるため、該連結管具と収納ボックス内壁との接 触抵抗や摩擦抵抗が無くなり、収納ボックスの膨張や土圧による変形或いは収納 ボックス内壁への付着物或いは昇降方法等に係りなく容易に昇降操作がなしえる ため、交換や点検或いは止水措置等が簡便且能率的になしえ、更には上部閉塞蓋 近傍と且水道メーター並びに止水栓の近傍に断熱蓋が配設されるため、仮令上端 閉塞蓋からの低温度の浸透がなされても二層に亘る断熱蓋で遮断され水道メータ ーや止水栓の凍結防止が確実になされること等、本考案は新規技術を駆使して実 用上多くの特長を発揮しうる極めて優れた寒冷地用伸縮メーターボックスと言え る。

【図面の簡単な説明】

【図１】埋設状態における本考案の一部切欠説明図であ
る。

【図２】装着リングの説明図である。

【図３】下部閉塞蓋の説明図である。

【図４】水道メーター並びに止水栓と給水管並びに給出
管の連結説明図である。

【図５】係止固定具の平面説明図である。

【図６】勾配を有する収納ボックスの見取図である。

【符号の説明】

１ 収納ボックス １Ａ 収納ボックス上端 １Ｂ 収納ボックス下端 ２ 上部閉塞蓋 ２Ａ 上部閉塞蓋保持縁 ３ 装着リング ３Ａ 嵌合縁 ３Ｂ 嵌入縁 ３Ｃ 止着縁 ３Ｄ 中空部 ４ 下部閉塞蓋 ４Ａ 螺着縁 ４Ｂ 係止縁 ５ 水平支持体 ６ 水道メーター ７ 止水栓 ８ 螺回コイル ８Ａ 給水管 ８Ｂ 給出管 ９ 連結管具 １０ 係止固定具 １０Ａ 圧着固定部 １０Ｂ 圧着縁 １０Ｃ 係止縁 １１ 断熱蓋

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要の口径と長さで且上部閉塞蓋及び下
   部閉塞蓋を有する収納ボックスと、該収納ボックス内に
   保持される水平支持体に水道メーター及び止水栓が支持
   され、更に収納ボックス下部からは給水管並びに給出管
   が所要の長さで延出され、而も該給水管並びに給出管相
   互が伸縮可能に螺回されて螺回コイルが形成され、且該
   給水管端並びに給出管端と水道メーター及び止水栓とが
   適宜の連結管具により連結されてなる寒冷地用伸縮メー
   ターボックスにおいて、その下側には収納ボックス上端
   を包着嵌合しえる嵌合縁及びその上側には上部閉塞蓋全
   体が嵌入しえる嵌入縁を有し、且包着嵌合される収納ボ
   ックスの上端並びに嵌入される上部閉塞蓋保持縁を止着
   させる止着縁が内側に向って延出され且中空部が収納ボ
   ックス内径と等しく形成された装着リングを介して上部
   閉塞蓋が取付けられ、更に下部閉塞蓋には所要の幅を以
   って外側水平方向に係止縁が周回形成されてなり、而も
   螺回コイルを形成する給水管並びに給出管の端縁延長線
   と水道メーター並びに水栓の端縁延長線との交叉角が５
   ０乃至８５度となる範囲で適宜に曲折された連結管具に
   より給水管並びに給出管と水道メーター並びに止水栓と
   が連結されてなる構成の寒冷地用伸縮メーターボック
   ス。
2. 【請求項２】 収納ボックスの適宜位置に収納ボックス
   を挟んで圧着固定できるような圧着固定部と、該圧着固
   定部の外側に所要の幅で且水平方向に係止縁が延出形成
   された一対相の係止固定具が螺着固定されてなる請求項
   １記載の寒冷地用伸縮メーターボックス。
3. 【請求項３】 収納ボックスが上端の口径に対して、下
   端の口径が大きく形成されてなる請求項１若しくは請求
   項２記載の寒冷地用伸縮メーターボックス。
4. 【請求項４】 収納ボックス内に密着し且摺動昇降しえ
   る弾性を有する断熱蓋が、水道メーター及び止水栓近傍
   並びに上部閉塞蓋近傍に配設されてなる請求項１乃至請
   求項３記載の、寒冷地用伸縮メーターボックス。