JP3083173B2 - 血液循環装置 - Google Patents

血液循環装置

Info

Publication number
JP3083173B2
JP3083173B2 JP03086364A JP8636491A JP3083173B2 JP 3083173 B2 JP3083173 B2 JP 3083173B2 JP 03086364 A JP03086364 A JP 03086364A JP 8636491 A JP8636491 A JP 8636491A JP 3083173 B2 JP3083173 B2 JP 3083173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
circulation
pump
tube
catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03086364A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04297272A (ja
Inventor
弘道 深沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP03086364A priority Critical patent/JP3083173B2/ja
Publication of JPH04297272A publication Critical patent/JPH04297272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3083173B2 publication Critical patent/JP3083173B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工肺体外血液循環に
用いられる血液循環装置、特に、静脈−静脈バイパス方
式に適用される血液循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、呼吸不全の際の呼吸補助として、
ECMO(Extra-corporeal MembraneOxygenation )シ
ステムが開発されている。このECMOシステムには、
大別して、静脈−静脈バイパス方式(VVB)、静脈−
動脈バイパス方式(VAB)および動脈−静脈バイパス
方式(AVB)がある。このうち、例えばVVBでは、
脱血ラインと、ポンプと、貯血槽と、人工肺と、送血ラ
インとで構成される回路を有し、ポンプの作動により患
者の静脈から脱血ラインのカテーテルを介して脱血され
た血液は、貯血槽に一時貯留され、次いで人工肺にて酸
素加・脱炭酸ガスした後、送血ラインのカテーテルを介
して再び患者の静脈に返血される。
【0003】しかしながら、このような従来のECMO
システムにおいては、脱血ラインおよび送血ラインのそ
れぞれのカテーテルにおいて、患者の血管を確保しなけ
ればならず、すなわち、少なくとも2箇所でカテーテル
の挿入、留置を行なわねばならず、患者の負担が大きい
という欠点がある。
【0004】特に、体外血液循環の最中には、バイパス
回路内に血栓が生じるのを防止するために、ヘパリンの
ような抗血栓剤を投与するので、出血傾向が生じるが、
カテーテル挿入部位が2箇所以上あると、出血傾向が大
きくなり、またその止血に手間がかかる。
【0005】さらに、従来のECMOシステムでは、脱
血−循環−送血が連続的に行なわれるため、循環血液量
の変動により脱血不良が生じやすく、血液の循環量を適
正に調整することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、患者
の負担を軽減し、また、血液の循環量を調整することが
容易な血液循環装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。
【0008】(1) 脱血および送血を兼用して行なう
カテーテルを有する脱・送血ラインと、貯血槽、人工肺
およびポンプを備える血液の循環回路とを有し、前記脱
・送血ラインの基端が前記循環回路に接続されており、
前記脱・送血ラインの途中にポンプまたは当該ラインを
閉塞・開通する手段を設置したことを特徴とする血液循
環装置。
【0009】(2) 前記循環回路は、その循環方向を
正・逆切り替え可能なものである上記(1)に記載の血
液循環装置。
【0010】(3) 前記循環回路の血液流路に、当該
血液流路を閉塞・開通しうる手段を設けた上記(1)に
記載の血液循環装置。
【0011】(4) 前記貯血槽は、可撓性を有する密
閉型の貯血槽である上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の血液循環装置。
【0012】
【作用】このような本発明によれば、脱血および送血
は、1本のカテーテルで兼用して行なう。これにより、
患者の血管へのカテーテルの挿入、留置が1箇所でよ
く、患者の負担が軽減されるとともに、カテーテル挿入
部位からの出血も減少し、止血操作も容易となる。
【0013】また、脱血した血液は、人工肺を有する循
環回路にて循環され、酸素加・脱炭酸ガスがなされる
が、血液に過剰な酸素加および脱炭酸ガスを行なうこと
ができるので、脱血−循環−送血をバッチ式で間欠的に
行なっても、十分な呼吸補助効果が得られる。
【0014】さらに、脱・送血ラインと循環回路とを各
々独立して作動させることができるため、脱血量、送血
量および循環量をそれぞれ適正にかつ別個に設定するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の血液循環装置を添付図面に示
す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1〜図4は、それぞれ、本発明の血液循
環装置を肺補助装置に適用した場合の構成例を模式的に
示す回路構成図である。以下、これらの図に示す血液循
環装置を順次説明する。
【0017】図1に示す血液循環装置1は、脱血および
送血を行なう脱・送血ライン10と、脱血した血液を循
環する循環回路20とを有している。
【0018】脱・送血ライン10は、脱血および送血を
兼用して行なうカテーテル11と、送血用のチューブ1
2とをコネクタ13で接続したものであり、チューブ1
2の途中には、ポンプ14が設置されている。
【0019】カテーテル11の内部には血液の流路であ
るルーメンが形成されており、カテーテル11の先端部
は、患者30の静脈に、好ましくは経皮的に挿入、留置
される。ここで、「経皮的に」とは、切開をせずに、皮
膚を通して行なうという意味であり、例えば、セルジン
ガー法により血管を確保し、カテーテル11を目的部位
に挿入、留置する。このように、カテーテル11が経皮
的に挿入、留置されることにより、患者の負担が軽減さ
れる。
【0020】チューブ12の基端は、後述する貯血槽2
1に接続されている。
【0021】なお、ポンプ14がローラーポンプである
場合には、チューブ12は、ポンプチューブを含んでい
る。
【0022】カテーテル11およびチューブ12の構成
材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリウレタ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、シリ
コーン樹脂、ポリエステルエラストマー、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)、ウレタン−シリコン共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の可撓性材料
が好適に使用される。
【0023】また、カテーテル11およびチューブ12
を、各種抗血栓性材料で構成するか、またはこのような
抗血栓性材料をカテーテル11の内、外面、チューブ1
2の内面に被覆することもできる。この抗血栓性材料と
しては、例えば、セグメント化ポリウレタン、セグメン
ト化ポリアミドに代表されるミクロ相分離構造を有する
抗血栓性ポリマーや、各種抗血栓性薬剤を含有するポリ
マー等が挙げられる。
【0024】カテーテル11の寸法は特に限定されない
が、外径が3〜12mm程度、内径が2〜10mm程度であ
るのが好ましい。
【0025】ポンプ14は、血液の吐出方向を正方向お
よび逆方向に切り換えることができるものであり、例え
ば、ローラーポンプ、遠心ポンプ等が好適に用いられ
る。
【0026】循環回路20は、貯血槽21、人工肺22
およびポンプ23をこの順に図中時計回りに配置し、こ
れらを前記と同様の送血用のチューブ24で接続して環
状の回路を構成したものである。
【0027】貯血槽(リザーバー)21は、可撓性を有
し、内容積が変化しうるものであり、かつ空気の流通が
実質的に生じない密閉型のものが好ましい。このような
貯血槽としては、例えば、樹脂製シート材を重ね、その
周縁部を融着または接着して袋状としたものが挙げられ
る。この場合、シート材の構成材料としては、ポリ塩化
ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、
EVA、ポリウレタン、シリコーン樹脂等が挙げられ
る。
【0028】なお、本発明において、貯血槽21は、硬
質のハウジングで構成されるものであってもよいことは
言うまでもない。
【0029】また、貯血槽21に対し、貯血量を検知す
るセンサー(図示せず)を設けるとともに、ポンプ14
および/または23の作動を制御する制御手段(図示せ
ず)を設け、検知された貯血量等の情報に基いてポンプ
14、23の作動を制御するような構成としてもよい。
また、ポンプ14、23の作動、停止は、タイマー制御
により、またはタイマー制御と前記情報に基く制御の組
合せにより行なってもよい。
【0030】人工肺22は、ガス交換、すなわち、血液
中に酸素を加え、炭酸ガスを除去するものである。この
人工肺22の種類、形式等は特に限定されず、例えば、
膜型、フィルム型、気泡型のものが挙げられるが、本発
明では、中空糸型人工肺または平膜型人工肺が好まし
く、特に、中空糸型人工肺が好ましい。この場合、人工
肺22は、外部灌流型、内部灌流型のいずれでもよい。
【0031】人工肺22の有効膜面積は、0.05〜2
0m2程度であるのが好ましい。
【0032】ポンプ23は、循環回路20において血液
を図中反時計回り(または時計回り)に循環しうるもの
であり、例えば、ローラーポンプ、遠心ポンプ等が好適
に用いられる。
【0033】なお、血液循環装置1においては、脱・送
血ライン10や循環回路20の所定箇所に、ヘパリンの
ような抗凝固剤またはその他の薬剤を注入する混注口
(図示せず)を設置することもできる。また、脱・送血
ライン10や循環回路20の所定箇所に、サンプリング
マニホールド、バブルトラップ、消泡部材、脱気口、検
温部、各種コネクタ等を設置してもよい。
【0034】以下、血液循環装置1の作動について説明
する。
【0035】脱・送血ライン10および循環回路20内
を生理食塩水等でプライミングしておき、この状態で、
患者30の静脈に例えばセルジンガー法によりカテーテ
ル11を挿入、留置する。
【0036】次に、ポンプ14を作動して脱血を行な
う。脱血された血液は、カテーテル11およびチューブ
12を経て貯血槽21内に流入し、貯留される。
【0037】次に、このような脱血の最中または脱血終
了後、ポンプ23を作動して、貯血槽21内の血液を循
環回路20において図中反時計回り(または時計回り)
に循環する。貯血槽21から流出した血液は、人工肺2
2を通過する際に酸素加・脱炭酸ガスがなされるので、
血液中の酸素分圧は上昇し、炭酸ガス分圧は低下し、こ
の血液は、貯血槽21に再び戻される。この際、循環回
路20を循環する血液の酸素分圧が300〜700mmHg
程度になるまで循環を行うことが好ましい。
【0038】次に、このような循環回路20における血
液循環の最中または循環終了後、ポンプ14を前記と逆
回転で作動し、貯血槽21内の血液をチューブ12およ
びカテーテル11を介して患者30の静脈に送血(返
血)する。
【0039】以上のような脱血−循環−送血(1バッ
チ)を患者30の呼吸機能等が回復するまで繰り返し行
なう。
【0040】このような血液循環装置1では、脱血また
は送血中においても循環回路20にて血液循環を行なう
ことができるので、上記1バッチに要する時間が短縮さ
れるという利点がある。また、血液循環装置1では、後
述する閉塞部材5および6を設置する必要がなく、閉塞
部材5および6を操作する手間がないという利点もあ
る。
【0041】また、血液の循環量や循環時間の調整によ
り、返血する血液に過剰な酸素加および脱炭酸ガスを行
なっておけば、このようなバッチ式でも、十分な呼吸補
助効果が得られる。
【0042】図2、図3および図4に示す血液循環装置
2、3および4は、1つのポンプを有し、脱・送血ライ
ン10および循環回路20のそれぞれに、それらの血液
流路を閉塞・開通しうる閉塞部材を設けた構成例であ
る。以下、これらについて順次説明する。なお、前記血
液循環装置1と同様の事項については、その説明を省略
する。
【0043】図2に示す血液循環装置2は、脱・送血ラ
イン10と循環回路20とを有し、脱・送血ライン10
は、チューブ12の途中にポンプ14が設置されていな
い以外は、前記血液循環装置1と同様である。また、循
環回路20は、人工肺22、貯血槽21およびポンプ2
6をこの順に図中時計回りに配置し、これらをチューブ
24で接続して環状の回路を構成したものである。
【0044】ポンプ26は、循環回路20において、血
液の吐出方向を正方向および逆方向に切り換えることが
できるものであり、例えば、ローラーポンプ、遠心ポン
プ等が好適に用いられる。
【0045】人工肺22とポンプ26との間のチューブ
24には、分岐コネクタ25が設置され、チューブ12
の基端は、この分岐コネクタ25を介して、チューブ2
4と接続されている。
【0046】また、チューブ12の途中およびチューブ
24の人工肺22と分岐コネクタ25との間には、それ
ぞれ、チューブ内の流路を閉塞・開通しうる閉塞部材5
および6が設置されている。
【0047】この閉塞部材5および6としては、例え
ば、クレンメ、ローラクランプ、コッヘル、ピンチ弁、
コック等を使用することができる。
【0048】また、閉塞部材5および6と同様の機能を
有するものとして、分岐コネクタ25に代えて三方活栓
(図示せず)を設置し、この三方活栓により流路の切り
換えを行なうような構成としてもよい。
【0049】このような閉塞部材5および6の開閉や三
方活栓の流路切り換えは、手動で行なってもよいが、前
記貯血量検知センサーに検知された貯血槽21の貯血量
の情報等に基いて、またはタイマー制御により閉塞部材
5および6の開閉等を自動的に行なうような構成として
もよい。
【0050】以下、血液循環装置2の作動について説明
する。
【0051】前記と同様プライミングおよびカテーテル
11の挿入、留置を行なった後、脱血を行なう。この脱
血は、閉塞部材5を開状態、閉塞部材6を閉状態とし、
ポンプ26を作動して吸引することにより行なう。
【0052】このようにして脱血された血液は、カテー
テル11、チューブ12、分岐コネクタ25およびチュ
ーブ24を経て貯血槽21内に流入し、貯留される。
【0053】次に、このような脱血の終了後、閉塞部材
5を閉状態、閉塞部材6を開状態とし、ポンプ26を前
記と逆回転で作動して、貯血槽21内の血液を循環回路
20において図中時計回りに循環する。貯血槽21から
流出した血液は、人工肺22を通過する際に酸素加・脱
炭酸ガスがなされるので、血液中の酸素分圧は上昇し、
炭酸ガス分圧は低下し、この血液は、貯血槽21に再び
戻される。
【0054】次に、このような循環回路20における血
液循環の終了後、再び閉塞部材5を開状態、閉塞部材6
を閉状態とし、ポンプ26の作動を継続して、貯血槽2
1内の血液をチューブ24、分岐コネクタ25、チュー
ブ12およびカテーテル11を介して患者30の静脈に
送血(返血)する。
【0055】以上のような脱血−循環−送血(1バッ
チ)を患者30の呼吸機能等が回復するまで繰り返し行
なう。
【0056】このような構成の血液循環装置2では、返
血の際に、貯血槽21内からの血液が人工肺22を経由
しないため、圧力損失が少なく、しかもポンプ26によ
り人工肺22の血液流路内が減圧状態とならないため、
減圧状態の人工肺22を通過することによる溶血が防止
される。
【0057】図3に示す血液循環装置3は、循環回路2
0の構成を、貯血槽21、人工肺22およびポンプ27
をこの順に図中時計回りに配置し、これらをチューブ2
4で接続して環状の回路とした以外は、前記血液循環装
置2と同様である。
【0058】なお、血液循環装置3におけるポンプ27
は、後述する脱血方法により異り、循環回路20におい
て、血液の吐出方向を正方向および逆方向に切り換える
ことができるもの、または血液を図中時計回りに循環し
うるものである。
【0059】以下、血液循環装置3の作動について説明
する。
【0060】前記と同様プライミングおよびカテーテル
11の挿入、留置を行なった後、脱血を行なう。この脱
血は、次のような2通りの方法のいずれかで行なうこと
ができる。
【0061】第1に、閉塞部材5および6の双方を開状
態とし、血液循環装置3を患者30より低所に置き、そ
の落差により血液を貯血槽21内に導入する。この場
合、患者30から脱血された血液は、カテーテル11、
チューブ12、分岐コネクタ25および閉塞部材6のあ
る側のチューブ24を経て貯血槽21内に流入し、貯留
される。
【0062】第2に、閉塞部材5を開状態、閉塞部材6
を閉状態とし、ポンプ27を作動して吸引することによ
り血液を貯血槽21内に導入する。この場合、患者30
から脱血された血液は、カテーテル11、チューブ12
および分岐コネクタ25を経てチューブ24内に流入
し、ポンプ27および人工肺22を経由して貯血槽21
内に流入し、貯留される。
【0063】次に、このような脱血の終了後、閉塞部材
5を閉状態、閉塞部材6を開状態とし、ポンプ27を作
動して、貯血槽21内の血液を循環回路20において図
中時計回り(または反時計回り)に循環する。
【0064】次に、このような循環回路20における血
液循環の終了後、閉塞部材5を開状態、閉塞部材6を閉
状態とし、ポンプ27の作動を継続して、貯血槽21内
の血液をチューブ24、人工肺22、分岐コネクタ2
5、チューブ12およびカテーテル11を介して患者3
0の静脈に送血(返血)する。
【0065】以上のような脱血−循環−送血(1バッ
チ)を患者30の呼吸機能等が回復するまで繰り返し行
なう。
【0066】図4に示す血液循環装置4は、循環回路2
0において、人工肺22とポンプ27との配置を逆にし
た以外は、前記血液循環装置3と同様である。
【0067】以下、血液循環装置4の作動について説明
する。
【0068】前記と同様プライミングおよびカテーテル
11の挿入、留置を行なった後、脱血を行なう。この脱
血は、前記2通りの方法のいずれかで行なうことができ
る。
【0069】次に、脱血終了後、閉塞部材5を閉状態、
閉塞部材6を開状態とし、ポンプ27を作動して、貯血
槽21内の血液を循環回路20において図中時計回り
(または反時計回り)に循環する。
【0070】次に、このような循環回路20における血
液循環の終了後、閉塞部材5を開状態、閉塞部材6を閉
状態とし、ポンプ27の作動を継続して、貯血槽21内
の血液をチューブ24、人工肺22、分岐コネクタ2
5、チューブ12およびカテーテル11を介して患者3
0の静脈に送血(返血)する。
【0071】以上のような脱血−循環−送血(1バッ
チ)を患者30の呼吸機能等が回復するまで繰り返し行
なう。
【0072】このような構成の血液循環装置4では、返
血の際に、貯血槽21内からの血液が人工肺22を経由
するが、人工肺22はポンプ27の下流側(吐出側)に
設置されているため、人工肺22の血液流路内が減圧状
態とならず、よって、人工肺22を通過する際の溶血が
防止されるという利点がある。
【0073】以上、本発明の血液循環装置を種々の構成
例について説明したが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0074】
【実験例】以下、本発明の血液循環装置の具体的実施例
について説明する。
【0075】(実施例1)図1に示す回路構成の血液循
環装置を作製した。各部の条件は、次の通りである。
【0076】<脱・送血ライン> カテーテル材料:ポリエステルエラストマー カテーテル外径:6.0mm カテーテル内径:5.2mm カテーテル全長:500mm チューブ材料:ポリ塩化ビニル チューブ内径:10mm チューブ全長:500mm 付属物:チューブの途中に混注口を設置 ポンプ形式:ローラポンプ ポンプ吐出量:1000〜6000ml/min
【0077】<循環回路> 貯血槽形式:ポリ塩化ビニル製シートよりなる密閉され
た袋状のバッグ 貯血槽容量:700ml 人工肺形式:中空糸型人工肺(外部灌流型) 人工肺有効膜面積:1.6m2 ポンプ形式:ローラポンプ ポンプ吐出量:1000〜6000ml/min チューブ材料:ポリ塩化ビニル チューブ内径:10mm チューブ全長:1000mm 付属物:チューブの途中にサンプリングマニホールドを
設置 総プライミング量:800ml
【0078】このような血液循環装置を用い、体重50
kgの実験動物(羊)に対し、下記の条件で静脈−静脈バ
イパス方式による人工肺体外血液循環を行なった。
【0079】実験動物に麻酔を行ない、人工呼吸器を接
続した。1回の換気量と呼吸回数を徐々に低下させ、呼
吸不全状態とした。
【0080】上記血液循環装置を生理食塩水でプライミ
ングした状態で、カテーテルを頸静脈よりカテーテル先
端が右心房付近に到達するまで挿入し、留置した。
【0081】なお、血液循環を行なう直前の血液(動脈
血)の状態は、下記表1に示す通りであった。
【0082】まず、脱・送血ラインのポンプを吐出量3
000ml/minで10秒間作動して脱血を行ない、貯血槽
に500mlの血液を貯留した。なお、脱血の際に、混注
口から1000単位/mlのヘパリンナトリウム溶液を
1.5ml注入した。
【0083】次に、循環回路のポンプを吐出量3000
ml/minで連続的に作動し、循環回路において、血液を図
1中の反時計回りに循環し、血中酸素分圧が500mmHg
になるまで循環を継続した。
【0084】脱・送血ラインのポンプを停止してから1
0秒経過後、同ポンプを吐出量3000ml/minで10秒
間前記と逆回転で作動し、貯血槽内の血液を実験動物に
返血した。
【0085】以後、循環回路のポンプを作動し続けた状
態で、上記脱血(10秒間)および返血(10秒間)を
10秒間隔で繰り返し行い、このような呼吸機能補助を
20時間継続した。
【0086】なお、呼吸機能補助を開始してから約30
分経過後、サンプリングマニホールドより返血血液を採
取し、その状態を調べたところ、下記表1に示す通りで
あった。
【0087】
【表1】
【0088】(実施例2)図2に示す回路構成の血液循
環装置を作製した。各部の条件は、次の通りである。
【0089】<脱・送血ライン> カテーテル材料:ポリエステルエラストマー カテーテル外径:6.0mm カテーテル内径:5.2mm カテーテル全長:500mm チューブ材料:ポリ塩化ビニル チューブ内径:10mm チューブ全長:500mm 付属物:チューブの途中に混注口を設置 閉塞部材:クレンメ
【0090】<循環回路> 貯血槽形式:ポリ塩化ビニル製シートよりなる密閉され
た袋状のバッグ 貯血槽容量:700ml 人工肺形式:中空糸型人工肺(外部灌流型) 人工肺有効膜面積:1.6m2 ポンプ形式:ローラポンプ ポンプ吐出量:1000〜6000ml/min チューブ材料:ポリ塩化ビニル チューブ内径:10mm チューブ全長:1000mm 閉塞部材:クレンメ 付属物:チューブの途中にサンプリングマニホールドを
設置 総プライミング量:800ml
【0091】このような血液循環装置を用い、体重50
kgの実験動物(羊)に対し、下記の条件で静脈−静脈バ
イパス方式による人工肺体外血液循環を行なった。
【0092】実施例1と同様の方法で呼吸不全状態とし
た実験動物に対し、同様にしてカテーテルを頸静脈に挿
入し、留置した。
【0093】なお、血液循環を行なう直前の血液(動脈
血)の状態は、下記表2に示す通りであった。
【0094】まず、循環回路のチューブをクレンメで閉
塞した状態で、ポンプを吐出量3000ml/minで10秒
間作動して脱血を行ない、貯血槽に500mlの血液を貯
留した。
【0095】次に、ポンプを一旦停止し、循環回路のチ
ューブの閉塞を解除するとともに脱・送血ラインのチュ
ーブをクレンメで閉塞し、この状態で、ポンプを吐出量
3000ml/minで10秒間前記と逆回転で作動し、循環
回路において、血液を図2中の時計回りに循環し、血中
酸素分圧が500mmHgになるまで循環を継続した。
【0096】次に、脱・送血ラインのチューブの閉塞を
解除するとともに循環回路のチューブをクレンメで閉塞
し、この状態で、ポンプを吐出量3000ml/minで10
秒間作動し、貯血槽内の血液を実験動物に返血した。
【0097】以後、上記脱血(10秒間)、循環(10
秒間)および返血(10秒間)を繰り返し行い、このよ
うな呼吸機能補助を24時間継続した。
【0098】なお、呼吸機能補助を開始してから約30
分経過後、サンプリングマニホールドより返血血液を採
取し、その状態を調べたところ、下記表2に示す通りで
あった。
【0099】
【表2】
【0100】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の血液循環装
置によれば、カテーテルの挿入、留置が1箇所でよいた
め、患者の負担が軽減され、また、脱血、循環および送
血がそれぞれ独立しているため、脱血量、送血量および
循環量等の条件をそれぞれ適正かつ別個に設定すること
ができ、よって、優れた呼吸機能の補助効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液循環装置の構成例を模式的に示す
回路構成図である。
【図2】本発明の血液循環装置の構成例を模式的に示す
回路構成図である。
【図3】本発明の血液循環装置の構成例を模式的に示す
回路構成図である。
【図4】本発明の血液循環装置の構成例を模式的に示す
回路構成図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 血液循環装置 5、6 閉塞部材 10 脱・送血ライン 11 カテーテル 12 チューブ 13 コネクタ 14 ポンプ 20 循環回路 21 貯血槽 22 人工肺 23 ポンプ 24 チューブ 25 分岐コネクタ 26、27 ポンプ 30 患者

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱血および送血を兼用して行なうカテー
    テルを有する脱・送血ラインと、貯血槽、人工肺および
    ポンプを備える血液の循環回路とを有し、前記脱・送血
    ラインの基端が前記循環回路に接続されており、前記脱
    ・送血ラインの途中にポンプまたは当該ラインを閉塞・
    開通する手段を設置したことを特徴とする血液循環装
    置。
  2. 【請求項2】 前記循環回路は、その循環方向を正・逆
    切り替え可能なものである請求項1に記載の血液循環装
    置。
  3. 【請求項3】 前記循環回路の血液流路に、当該血液流
    路を閉塞・開通しうる手段を設けた請求項1に記載の血
    液循環装置。
  4. 【請求項4】 前記貯血槽は、可撓性を有する密閉型の
    貯血槽である請求項1ないし3のいずれかに記載の血液
    循環装置。
JP03086364A 1991-03-26 1991-03-26 血液循環装置 Expired - Lifetime JP3083173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03086364A JP3083173B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 血液循環装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03086364A JP3083173B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 血液循環装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04297272A JPH04297272A (ja) 1992-10-21
JP3083173B2 true JP3083173B2 (ja) 2000-09-04

Family

ID=13884833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03086364A Expired - Lifetime JP3083173B2 (ja) 1991-03-26 1991-03-26 血液循環装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3083173B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04297272A (ja) 1992-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8834344B2 (en) Left and right side heart support
ES2247053T5 (es) Procedimiento para vaciar un circuito de sangre de un dispositivo para el tratamiento extracorporal de sangre
JP2831056B2 (ja) 癌の治療のためのカテーテル及び使い捨てキット
US6290665B1 (en) Blood set priming method and apparatus
US6692473B2 (en) Dual lumen adjustable length cannulae for liquid perfusion or lavage
US5776091A (en) Technique for priming and recirculating fluid through a dialysis machine to prepare the machine for use
US4540399A (en) Emergency bypass system
US20030208097A1 (en) Cannulation system and related methods
US6443884B1 (en) Ventricular assist device capable of promoting recovery of cardiac function
US20070106196A1 (en) Blood set priming method and apparatus
US6387069B1 (en) Blood set priming method and apparatus
US8313452B2 (en) Device and machine for regenerating a human liver
JPS62500006A (ja) 完全携帯式、半自動機械式心肺機能代行装置およびその方法
JPH07114808B2 (ja) 末梢心肺バイパス及び冠状動脈再潅流システム
WO1994022519A1 (en) Balloon catheter and device for perfusion with the balloon catheter
MXPA04000801A (es) Anastomosis auricular-arterial de bajo flujo para revascularizacion del miocardio auxiliada por bomba sin derivacion cardiopulmonar.
JP3083173B2 (ja) 血液循環装置
Darling et al. Modified ultrafiltration in pediatric cardiopulmonary bypass
CN115515660A (zh) 组合式血液泵和氧合器系统及相关方法
US20230108191A1 (en) Artificial Kidney to support a concept of digital dialysis (CDD)
CN219398428U (zh) Ecmo环路内血液回输装置
JPH0380028B2 (ja)
Tamari et al. A new bladder allows kinetic venous augmentation with a roller pump
WO2001026713A9 (en) Single needle vascular access for home hemodialysis
JPH02286170A (ja) 体外循環装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080630

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090630

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100630

Year of fee payment: 10