JP3081341B2 - 知能型リアルタイムコントロ−ラ、機能分散階層型リアルタイムコントローラ、均質階層型リアルタイムコントローラ、複合型リアルタイムコントローラ - Google Patents

知能型リアルタイムコントロ−ラ、機能分散階層型リアルタイムコントローラ、均質階層型リアルタイムコントローラ、複合型リアルタイムコントローラ

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JP3081341B2 JP04032735A JP3273592A JP3081341B2 JP 3081341 B2 JP3081341 B2 JP 3081341B2 JP 04032735 A JP04032735 A JP 04032735A JP 3273592 A JP3273592 A JP 3273592A JP 3081341 B2 JP3081341 B2 JP 3081341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は知能型リアルタイムコン
トローラに係わり、特に高度自動機械の制御に好適な知
能型リアルタイムコントロ−ラに関する。
【0002】
【従来の技術】知能ロボットなどの高度な自動機械のコ
ントローラは、動作環境の把握や大局的な動作の判断な
どのグローバルな知的処理と、機械の個々の動作の設定
やそれに基づく制御などの制御処理とを必要とする。後
者は通常数値演算処理であり、従来のコントロ−ラでは
これが基本となっていた。しかし、従来のコントローラ
のソフトウェアアルゴリズム及びそのインプリメンテー
ション方式では、数値演算による制御(Numerical Co
ntrol)がメインである。アクセラレータ的な補助処理
装置を用いてニューロ演算機能やFuzzy演算機能を付加
し、メインの数値制御の機能を補う形が一般的である。
尚、関連するハードウェア技術として、特開昭61-25640
6号、US Patent No・4803613号、特開昭63-101957
号、特開平01-146605号、US Patent No・4953074号
等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】外部環境との干渉や構
造系のダイナミックな変化等、複雑な環境下でより高度
な知能型制御を実現する場合、知能処理系と制御処理系
が密に連絡をとりながら、リアルタイムで協調動作する
必要がある。しかし、従来のシステムでは、それらが同
時にかつリアルタイム環境で動作できないばかりか、両
系間での局時的な高速通信の送受信も十分ではない等、
処理能力に限界がある。また、複雑なシステムでは、複
数のタスクが同時に動作するマルチタスキング環境を効
率よく管理する必要が生ずるが、従来のトップダウン制
御を用いるとすべての処理をOSが統合管理することに
なり、そのオ−バ−ヘッドがメインシ−ケンサに集中す
ることになる。その結果、たとえ複雑な処理を他の複数
のサブシ−ケンサ(プロセッサ)で分散処理したとして
も、メインシ−ケンサの処理能力がネックとなって、思
うようにト−タル性能の向上を図ることができない。逆
に、複雑な処理機能を自律化した場合、管理が膨大にな
りその管理を少ないオ−バ−ヘッドで実現するのも困難
である。さらに従来のシステムでは、複雑かつクリティ
カルな条件下で制御を行う場合、何らかの故障が生じた
時の対策及び信頼性の確保が完全ではない、という問題
があった。
【0004】本発明の目的は、上記の問題を解決し、複
雑な制御対象の高度な知能型制御やダイナミックに変化
する環境下での制御を実現できる知能型リアルタイムコ
ントローラを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、各々がメ
モリを有した第1及び第2の処理装置と該2つの処理装
置間を結合するユニット内共有メモリと上記2つの処理
装置と外部資源とのデータ授受を行う共有情報伝達手段
とから構成されたところの基本ユニットの複数個と、該
基本ユニット各々の上記第1の処理装置を結合して知能
処理系を構成するための上記第1の処理装置の起動機構
及び相互の通信機構を含む第1の共有資源と、上記基本
ユニット各々の上記第2の処理装置を結合して制御系を
構成するための通信機構を含む第2の共有資源とを設
け、上記知能処理系は上記第1の共有資源内に格納され
た情報及び該共有資源を介して取り込まれた制御対象及
びそれを取り巻く環境に関する情報から制御対象の現在
及び未来の制御対象の状態や実現すべき制御目標の推定
を行い、上記制御系は上記知能処理系の推定結果を用い
て制御対象に与える制御信号を算出する処理を行うよう
に構成することにより達成され、またそのようにして構
成したコントローラを複数個階層的に接続することによ
り達成される。
【0006】
【作用】上記の手段による作用は以下の通りである。 (1)知能系と制御系を別の処理系で構成することによ
り、知能系では外部環境との干渉や構造系のダイナミッ
クな変化等で等価的に自由度が増減する環境において
も、運動の記述が可能な汎用性の高いアルゴリズムが得
られ、制御系では、知能系による状態パラメ−タの管理
下でごく自然に動作し、ほぼ完全な自律運動系が形成可
能である。 (2)知能系と制御系とをア−キテクチャ上最初から2
つの独立したプロセスとして捉えながらも、あたかも一
つの一体化された処理系として運転することにより最高
レベルのリアルタイム性能を実現し、さらに、制御系の
リソ−スを介してス−パ−バイザ時における両系間の高
速デ−タ通信またはデ−タの共有を実現することができ
る。 (3)ジョブのボトムアップシステムが可能となり、必
要以上の情報が上位システムに渡らず、また、下位レベ
ルで処理可能なタスクはすべて下位レベルで処理できる
ため、上位レベルの処理負担や管理オ−バ−ヘッドを大
幅に軽減する事ができる。 (4)階層構造下の各システムの自律化を図ったボトム
アップシステム構成を可能とし、さらにどの階層レベル
の切り口で見ても、マスタ−シ−ケンサがシ−ケンシャ
ルな1つのシ−ケンスを処理し、マスタ−シ−ケンサか
ら下位システムへのトップダウン制御により集中管理を
行った場合と同等の特性が得られる。 (5)共有メモリシステムとして前記基本ユニットの台
数分のコピ−を用意するア−キテクチャを採れば、一つ
の基本ユニットにエラ−が生じても、他の正常な基本ユ
ニットがその箇所をリ−ド&ライトするだけの操作で、
完全なデ−タに復帰させる事ができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。まず、ロボットに代表される高度自動機械にさらに
高度な作業を行わせようとした場合の問題点とその対処
方法を概略的に述べる。高度な自動機械においては、一
般にアルゴリズムの複雑化・大規模化やメカニズムの複
雑化に起因する数値制御処理の複雑化・大規模化が問題
となる。すなわち、それらの複雑化に伴ってコントロ−
ラに要求される処理能力は、その複雑化の度合いの2乗
〜3乗に比例して増大し、場合によっては指数関数的に
増大することもある。これに対処するために並列処理を
導入したとしてもプロセッサ台数に比例した性能しか得
られないため、並列化だけでは問題は解決できない。ま
た処理速度の向上率は、LSIの高集積化や実装の高密
度化によって対処しても、電気信号の伝達速度の問題か
らせいぜいプロセスサイズの一次元的な縮小化比率の逆
数程度しか見込めず、縮小化にもおのずと限界がある。
【0008】以上の問題から、要求される必要性能を将
来にわたって得るために、自動機械制御用の高速コント
ロ−ラがいかなるア−キテクチャを有するべきかを十分
に検討しておく必要がある。このためには一般に2つの
アプロ−チがある。第1のアプロ−チは、目標性能・機
能を決め、その目標を実現するためにはいかなる特徴や
技術が必要であるかを、経験、ケ−ススタディ、直感と
いったものから総合的に予想する方法である。これはT
op Down方式と呼ばれ、遠い将来にわたる理想的なア−
キテクチャを総合的かつ大まかに決定するのに好適であ
る。もう一つのアプロ−チは、現状のコントロ−ラを将
来の目標とする高度なアプリケ−ションに適用した場
合、問題となる事項又はすでに現実に問題となっている
事項を細部にわたって摘出し、それらの各問題を解決で
きる技術、特徴、機能を検討してア−キテクチャを決定
する方法である。これはBottom Up方式と呼ばれ、具
体的に細部にわたるア−キテクチャを決定して、ア−キ
テクチャに欠陥が生じるのを事前に防止すると共に、具
体的な技術の開発項目及び方針を決定するのに好適であ
る。
【0009】Top Down的考察による各要素ア−キテク
チャのキ−ワ−ドは以下の通りである。 (1)知能処理の導入(超高効率な処理系を構成しよう
とした場合、人間の脳をモデルとする) (2)機能分散階層化ア−キテクチャ(人間社会や会社
組織構造及びその運営の高効率さや秩序をモデルとす
る) (3)自律分散ア−キテクチャ(人間社会や会社組織に
おける各グル−プ、各人の役割分担や責任分担及び自律
的な行動原理をモデルとする) (4)並列処理ア−キテクチャ(人間社会の生産システ
ムの運転における高効率さをモデルとする)
【0010】また、Bottom Up的考察による各要素ア
−キテクチャのキ−ワ−ドは以下の通りである。ただ
し、上記(1)〜(4)に挙げたものは除く。 (5)高いリアルタイム処理能力 (6)高効率並列処理方式 (7)非常に高い数値処理性能をコンスタントに提供す
る(サンプリングタイムを厳格に規定でき、その間に大
量の複雑な数値演算を実行できること) (8)高い動的処理能力(イベント、割込み処理能力) (9)高いリアルタイム外部入出力機能(多数のセンサ
入出力、大量のデジタルデ−タ入出力) (10)低オ−バ−ヘッド自律分散化プロトコル(ハ−
ド、ソフト)とマルチタスキングプロトコル (11)ア−キテクチャの統一性・普遍性 (12)高い処理能力及び機能の拡張性 (13)あらゆるアプリケ−ションに対応可能な処理能力
の汎用性 (14)大規模なリアルタイム主メモリシステムの実現 (15)極限環境(高温、宇宙、振動)でも安定に動作で
きる高い信頼性 (16)高効率なソフトウェア開発環境とハ−ドウェア性
能を十分引き出せるプログラミング言語 このBottom Up的考察は、本文で後述するように、実
現すべきコントロ−ラア−キテクチャとそのア−キテク
チャを構成する具体的な要素技術に関する検討と検証を
行う際により詳しく述べる。
【0011】以上(1)〜(16)の機能、性能を満足す
るリアルタイムコントロ−ラア−キテクチャの総称を以
下ではKAMECON(Kinematics and Artificial
Intelligence processing contoroller for Mechanica
l Engineering COmputatioN)と 呼ぶことにし、そ
の一実施例を図1に示す。これは32bitのMMPM(Mu
ltiple-Micro-Processing Module)で、前述した
(1)〜(16)の必要性能・機能をすべて実現すること
を目標として設計されている汎用並列処理エンジンであ
る。
【0012】図1において、MMPMはコア処理装置12
1と、それに接続される周辺サブシステム105、107〜112
及び制御対象106から成る汎用的な基本システムで、そ
の基本構成及び機能分担は、以下の通りである。 (21)MMPMはBP(図ではBPE:Base Process
or Element)101と呼ぶ基本プロセッサエレメントを複
数(最大16ユニット、図では14ユニット)スタ−状
に密結合することにより、最も汎用性の高い並列処理ア
−キテクチャをとる。 (22)各BP101内は2つのメインCPU(CPU0,
CPU1)から構成され、各CPUはそれぞれ大規模な
リアルタイム主メモリシステムを備える。一方のCPU
が知能系(知能処理CPU)を、もう一方が制御系(制
御処理CPU)をそれぞれ担当する。図中の知能系プロ
セッサ部とサブシステム21(以下単に知能系21と呼
ぶ)は、各BPの上記知能処理CPUの集合とそれらの
動作に関わる部分の総称であり、また運動系プロセッサ
部とサブシステム22(以下単に制御系22と呼ぶ)
は、上記制御処理CPUの集合とそれらの動作に関わる
部分の総称である。両系間はBP101内のホットライン
である相互タスク起動機構付DPR(双方向アクセス可
能RAM)と、マルチプレクスバスバッファによる制御
系の資源の共有とにより、自在に情報交換又は情報の共
有を行うことができる。BP内のア−キテクチャについ
ては後述する。 (23)各BP101内の各CPUは、さらにいくつかのサ
ブ処理装置とメインの処理シ−ケンスを実行するメイン
CPU部とからなる。これらの処理装置が自動的に並列
動作(ス−パ−スカラ動作)することにより、マクロ命
令化された高級言語の1ステ−トメントに相当する複雑
な処理単位を1マシン命令で高速処理することが可能な
独自のSCISC(Super Complex Instruction Se
t Computing)シ−ケンスオペレ−ションア−キテクチ
ャを実現している。 (24)上記の(21)で述べたスタ−結合も、知能系21
と制御系22とでそれぞれ独立に実現されており、両系
間に必要以上の通信干渉(通信競合)が発生し、そのオ
−バ−ヘッドによりシステム全体の性能が低下しないよ
うに設計されている。BP間の結合及びデ−タ通信はす
べて最も高速なリアルタイムデ−タ通信手法である共有
資源の共有という概念で実現しており、共有資源とそれ
らへのアクセス制御手段を含めて共有システムと呼ぶ。
共有システム内の共有資源は、すべてのBPからロ−カ
ルメモリの場合と同様に直接アクセスすることができ
る。知能系の共有システム102は、システムバス(SY
SBUS)、ステ−タス共有メモリ(SCM)、知能系
BP間タスク起動機構等から成り、制御系の共有システ
ム103、104は、共有I/Oバス(CI/OBUS)、ス
テ−タス共有メモリ(SCM)、大規模デ−タ共有メモ
リ(DCM)、制御系BP間タスク起動機構、BP間並
列処理制御用同期処理機構等から成る。 (25)上記(22)、(24)で述べた知能系21と制御系
22は、人間の脳のそれぞれ大脳と小脳・脊髄に相当す
る。すなわち、前者はモデルやアルゴリズムが動的に変
化するダイナミックな問題を扱い、後者は予めアルゴリ
ズムが明解なスタティックな問題を扱う。両系はもとも
と機能を分散して独立に動作できることを前提としてお
り、総合的には知能系が制御系をリアルタイムでバック
アップしつつ連携して動作する。 (26)外部との入出力はすべてLMI/O(メモリライ
クI/O)という独自の概念で扱うことができる。すな
わち、時刻と共に値の変化するパラメ−タとして、通常
のメモリ上のパラメ−タと同様の扱いができるため、直
接プログラムから操作することができる。したがって、
超高速I/O処理が可能である(旧来のI/Oドライバ
という概念は存在しない)。具体的な外部入力手段とし
ては、知能系21の共有システムの1つとしてSYSB
USを、制御系の共有システムの1つとしてCI/OB
USを用意しており、高いランダムアクセススル−プッ
トを得ている。また、各BPと外部サブシステム間で直
接デ−タを入出力する手段として、各BPの制御系、知
能系にそれぞれ1つずつのDMAチャネルを用意してお
り、MMPM全体で32チャネルの巨大なランダム外部入
出力スル−プットを提供している。 (27)外部サブシステムとしては、制御対象(AIロボ
ット、リアルタイムハードウェアシュミレ−タ等)106
内のアクチュエ−タ等を駆動するサ−ボ処理装置105
(サ−ボユニット、サ−ボセンサ、サ−ボドライバ等か
ら成る)、制御系の汎用アナログ多点入出処理装置109、
知能系の共有デ−タベ−ス110、フロントエンドプロセ
ッサ112用のホストインタ−フェ−スユニット111、両系
からアクセス可能な大規模リアルタイム二次記憶装置10
7等がある。原則として、制御対象の運動制御に直接関
与する情報を入出力するサブシステムを制御系22の外
部入出力機構に接続し、制御対象全体の状態やそれらが
置かれている環境等に関係する情報を入出力するサブシ
ステムを知能系21の外部入出力機構に接続する。
【0013】以上が、MMPMの基本ア−キテクチャの
概略とMMPMを用いた代表的な制御システム構成であ
る。制御対象としては、ロボット等の高度自動機械が最
も適合性が良いと考えられる。このMMPMは、将来に
わたってその時代が必要とする十分な性能を得るため
に、以下に示す2つの特徴的なア−キテクチャを採って
いる。 (31)知能系という人間の思考・判断方式に近いアルゴ
リズムをリアルタイムで実現する処理系概念をハ−ドウ
ェア及びソフトウェアの両面でそのア−キテクチャに組
み込んでいる。 (32)関連した複数の処理を並列に実行することにより
1つの処理モジュ−ルを形成し、さらに関連する複数の
処理モジュ−ルを並列に実行してより大きな処理モジュ
−ルを形成する方式の階層型並列処理方式をハ−ドウェ
ア及びソフトウェアの両面で実現している。 上記(31)の特徴は、アルゴリズム的に将来の計算機能
力の破綻を防ぐ有効手段である。(32)の特徴は、無理
なくハ−ドウェア及びソフトウェアの両面で大規模な並
列処理システムの実現を可能にすると共に、クリティカ
ルパスに近い高効率な並列処理をごく自然に実現するの
に有効な手段である。
【0014】図2は、MMPMをさらにハ−ドウェア的
に拡張し、より大きな処理能力を得る方法を示してい
る。接続手段としては図1で述べた外部入出力機構を用
いる。同図(a)は人間社会と同様の階層化構造を導入
した例である。さらに、後述する方法により各MMPM
1211〜1216を自律化させれば、自律分散階層化ア−キテ
クチャとなり、人間社会や会社組織に近いシステム運転
効率を得ることができる。図2(b)は、3本継ぎ手機
構による密結合階層化構造を導入した例で、グル−ププ
ロセッサ1301〜130n内の3つのサブグル−ププロセッ
サ130m1〜130m3(m=1,2,・・・n)の間では
直接相互通信可能である。自律化については各グル−プ
単位で行うことになる。この図2(a)及び(b)の例
は、双方とも統一した通信プロトコルとシステム制御プ
ロトコルの基で統一的に運転することができ、少ないハ
−ドウェア通信資源で大規模でかつ高効率な処理システ
ムを、要求される処理能力に応じて構築できる可能性を
示している。
【0015】次に、以上で説明したアーキテクチャのM
MPMを用いて高度な運動制御(例えば多自由度の構造
体のダイナミックスコントロ−ル)を実現したり、複雑
な機構系(例えば宇宙ロボット)をダイナミックに変化
する環境下で制御しようとした場合の、考慮すべき諸点
を述べる。 (41)外部環境との干渉や構造系のダイナミックな変化
等により、等価的に自由度が増減する環境においても運
動の記述が可能な汎用性の高いアルゴリズム(例えばす
べてを状態運動方程式で表現する)と、計算機能力を破
綻させないためのかしこさ(知能系)の導入。 (42)高負荷演算処理部分の知能系による簡単化。 (43)機能の自律化と状態パラメ−タ(時刻の変化に応
じてその時刻での物体の状態を表現するパラメ−タ。例
えば速度、加速度)を用いた機能間のリンケ−ジ(自然
界における運動の規定と同じ方式を採る)。 (44)高精度高速演算処理系(高サンプリングレ−ト処
理系)と粗精度高負荷処理系(低サンプリングレ−ト処
理系)の分離(前者は制御系へ、後者は知能系へ)。 (45)多数のセンサによる外界環境状態の計測及び認識
とそれによって得られた状態パラメ−タのアルゴリズム
への導入(センサリベ−スドコントロ−ルの実現)。 (46)知能系による運動制御計画及び指令(Top Down)
と、制御系による高精度運動制御と運動状態パラメ−タ
の知能系へのフィ−ドバック(Bottom Up)。 (47)知能系による経験則(知識ベ−ス)、学習、推論
を用いた予見・予測パラメ−タ生成と、制御系における
フィ−ドフォワ−ドパラメ−タとしての利用(予見運動
制御)。
【0016】上述した高度運動制御に必要な考慮事項
は、複雑な作業を行う知能ロボットや宇宙ロボット及び
そのコントロ−ラを設計する際には、すでに現実の問題
として考慮の必要が生じて来ている。例えば、複数のロ
ボットア−ムを設置した自律型宇宙船が極限作業環境で
作業対象に対しア−ムを用いて必要な作業を行う場合、
産業用ロボットでは問題にならない以下の複雑な条件が
無視できなくなる。 (a)常に慣性が問題となる。その結果、動力学・運動
方程式を常時計算し、加速度のレベルで自身の状態を表
現しておかなければならない。 (b)慣性自由度を介して、従来別々に規定できていた
複数のア−ムの自由度が一体化され、全体として非常に
大きな自由度を有する。また、作業対象から受ける外力
も加速度として関与するため、外力の方向の自由度がさ
らに加わる場合がある(対象をア−ム先端のハンドで把
握した場合等)。 (c)(a)における動力学処理は、逆慣性マトリック
スを生成する部分で自由度の3乗に比例し、状態運動方
程式を計算する部分で自由度の2乗に比例する。(b)
の条件から結果的に全体として非常に高い処理能力を必
要とする。 (d)人間からのラフな指令で、高度な作業を実現する
ための高度自律化が必要となる。それに伴い、高度なセ
ンサリベ−スコントロ−ル、予見・予測制御が必要とな
る。
【0017】以上の考察から、知能処理系の導入と高い
数値処理能力ポテンシャルを有する制御処理系の実現、
及び、全体系を効率良く動作させるための両系の一体化
技術(ハ−ド、ソフト両面)が重要であることがわか
る。KAMECONア−キテクチャは、ハ−ド・ソフト
両面から前記の要求に応えることを目的の1つとして設
計されており、この要求を満たすようにした知能系と制
御系への問題のインプリメンテ−ションの指針を、代表
的な2つの例で次に説明する。
【0018】第1のインプリメンテーションの例は、知
能系によるリアルタイムAI(Artificial Intelligen
ce)処理と制御系による制御演算処理との一体化とその
運転方法を実現するもので、次の諸点からなる。 (51)運動制御計画、環境認識とそれに基づく運動計画
変更情報のリアルタイム生成、経験則・知識・センサ情
報及び制御系からの運動状態パラメ−タに基づく予見・
予測情報のリアルタイム生成、等の各機能を知能系にイ
ンプリメント(図3及び図4の知能系21参照)。これら
機能の実現方法としては、従来からの論理的処理の他
に、ニューラルネットワークやファジイ処理を適用でき
る。 (52)動力学を含む運動制御に直接影響を及ぼす状態パ
ラメ−タの生成処理とフィ−ドフォワ−ド及び知能系2
1から指令される運動制御計画に基づく基準位置・速度
制御、運動制御に直結した多数のセンサ(例えば力セン
サ)からの外部情報の取り込みと状態パラメ−タ生成処
理への反映(フィ−ドバック)、知能系21からの予見
・予測情報及び動力学処理等による運動状態予測に基づ
いたフィ−ドフォワ−ドル−プ214の形成、知能系21
への運動状態パラメ−タのフィ−ドバック、制御対象23
への具体的な動作指令の生成、等の各機能を制御系22に
インプリメント(図3制御系22参照)。 (53)強制的な運動の規定(Top Down制御)は最小限
に抑え、対象の運動はすべて様々な状態パラメ−タによ
って規定されたその時刻における対象の状態であると考
える。制御系22から観測して知能系21はいくつかの状態
パラメ−タを提供するセンサシステムの一つと考え、運
動の状態を変化させ運動制御計画に添わせる処理は、知
能系からの仮想外力(制御系内の外力パラメ−タの変
更)とみなす。すなわち、知能系を力センサの一種とみ
なし、それが外力を感じてその情報が制御系内の状態パ
ラメ−タの一つとして取り込まれたものと考えれば良
い。 (54)制御系22内の状態パラメ−タのうち必要なものは
常時知能系21によって監視されており、知能系21が次の
あるべき状態パラメ−タを設計するのに利用される。ま
た、非常・異状状態が制御系内に生じている場合は、強
制的トップダウンモ−ドであるス−パ−バイザ状態に遷
移し、知能系がすべての系の状態を直接管理して、最も
安全な動作状態を強制的に生成(ス−パ−バイザル−プ
213)する。(55)通常、知能系21は制御系22に対して
1ケタ大きなサンプリングタイムで制御系をバックアッ
プしつつ相互に作用しながら動作し、ス−パ−バイザ状
態でのみ完全なトップダウン制御を実行する。 (56)制御系22は、知能系21による状態パラメ−タ(仮
想外力パラメ−タ等)の管理下でごく自然に動作し、ほ
ぼ完全な自律運動系(小脳、脊髄と同じ。ル−プ214、2
15)を形成する。サンプリングタイムは知能系に対して
十分短く、与えられた状態パラメ−タに基づいてできる
だけ高精度な運動状態を生成する。ス−パ−バイザ状態
でのみ強制的に動作が規制される。各処理系間の相互干
渉は図4に示すとおりである。
【0019】第2のインプリメンテーションの例は、運
動制御処理(例えば動力学処理)の知能系を利用した簡
単化を、リアルタイムパラメ−タ推定により行うもの
で、次の諸点からなる。 (61)機能系の構造が動的に変化する制御対象(例え
ば、多関節ロボット、低剛性構造体、自由度の合体)の
逆慣性モデルパラメ−タ{M}-1の生成処理ル−プ223
を知能系に、逆慣性モデルパラメ−タに基づく逆慣性マ
トリックスの構成処理222と状態運動方程式の求解処理
〔M〕-1{F}={a}({a}は各自由度の加速度ベ
クトル、[M]-1は逆慣性マトリックス、{F}は各自
由度に加わる等価力ベクトル)を制御系にインプリメン
トする。 (62)自由度の三乗に比例する処理能力を必要とする逆
慣性モデルパラメ−タ{M}-1の生成処理には、慣性モ
デル生成テ−ブル221Aを用いた基本慣性モデルの生成
処理や、ニュ−ロ、ファジィ演算器、補間テ−ブル221B
によるパラメ−タ補間処理等を用い、将来さらに複雑な
自由度を有する機構系を扱った場合にも、計算能力が破
綻しない様にする。 (63)知能系11での逆慣性モデルパラメ−タの生成処理
ル−プ233は、機構系が連続動作している場合、すなわ
ち機構系の形状が徐々にしか変化しない場合、パラメ−
タ変化量(例えば位置・速度パラメ−タp,v)が微小
なのでそのル−プサンプリングタイムを長く設定できる
(固有振動数の2倍〜5倍)。 (64)制御系22での状態運動方程式の求解処理ル−プ22
4、225、226は、運動の精度と直接かかわり合うので、高
サンプリングタイム(固有振動数の10〜20倍)で実
行する必要がある。 (65)図5に示した様に、知能系21と制御系22はそれぞ
れのサンプリングタイム(知能系4〜20ms、制御系
0.5〜2ms)で独立に演算ル−プを構成し、知能系21
からの逆慣性モデルパラメ−タp,vと制御系22からの
位置・速度パラメ−タを状態パラメ−タとして両系で共
有し、互いに非同期的に使用する。自然界での運動表現
と同様に、これらの状態パラメ−タがその時制点の制御
対象の運動状態を表現している。内外力による運動の変
化や内外環境の変化はすべてそれらの状態パラメ−タの
変化として表し、方程式内に取り込んで扱う。 (66)例えば、最もポピュラ−な外部からの状態パラメ
−タとしては、各自由度位置変化を計測するエンコ−ダ
からの位置情報θがある。θを差分することにより近似
値に各自由度の速度、加速度を求める。ここで、速度と
加速度は次式に従う。
【数1】 (図5では時間微分は上付きの・で、時間に関する2階
微分は上付きの2つの・で表している)ボトムアップ的
に得られたそれらの状態パラメ−タを制御系22で運動方
程式の求解によってトップダウン的に得られた理論的予
測速度及び加速度と比較することによって状態パラメ−
タ自体の正確な補正や次のル−プでの補正制御量の算出
が可能となる。ここで理論的予測速度及び加速度は(数
2)に従う。
【数2】 (67)サ−ボ制御233では、直接制御対象23との間で直
接位置・速度レベルのマイナ−サ−ボル−プ227、228を
構成し、知能系21と制御系22と独立に動作することがで
きる。マイナ−サ−ボル−プ227、228は、制御系での演
算ル−プ223、225、226より一般に高速なサンプリングタ
イムを設定し、制御対象23の動作をより安定させる効果
を有する。動作を安定させる目標値は、制御系での演算
ル−プと同等レベルのサンプリングタイムで制御系22か
ら指令される。サ−ボル−プ227、228と制御系22との間
では位置{θ}、及び(数1)に従った速度、加速度を
パラメ−タを共有し、制御全体におけるメジャ−サ−ボ
ル−プ224、225、228(図4中のループ215と等価)を構成
する。
【0020】以上で述べたインプリメンテーションの指
針に従い、その制御処理系をさらに並列に動作させ、将
来の処理能力要求に応え得る高い総合性能が得られるよ
うにするためのコントロ−ラア−キテクチャには、次の
能力が要求される。 (71)知能系と制御系が同時にかつリアルタイム環境で
動作できること。また、2つの処理系は独立並行に動作
でき、互いの処理を妨害し合うハ−ドウェア上のインタ
−ロック又はハザ−ドが必要最小限に抑えられるア−キ
テクチャであること。 (72)知能系と制御系での局時的な高速通信(サンプリ
ングタイム単位での共有状態パラメ−タのやり取り、イ
ベント発生時のデ−タ転送、ス−パ−バイザ時の高速デ
−タ管理等)に対応可能な両系間の高速デ−タ送受信機
構を有すること。 (73)非常時、異状時に全体システムを統轄的かつトッ
プダウン的に管理可能なス−パ−バイザモ−ドをハ−ド
ウェア的にサポ−トしていること。 (74)ボトムアップ機能、動的ト−クンル−プ構成機
能、動的イベント生成(外部割込みなど)機能、動的タ
スク生成・起動(内部プロセッサ間割込みなど)機能
等、非常に多くのプロセス(タスク)の自律化を少ない
オ−バ−ヘッドで実現するのに必要な高効率の動的タス
クスイッチ機能をサポ−トしていること。 (75)必要な処理能力に応じて、ア−キテクチャをくず
さずに統一的かつ柔軟に処理能力の拡張が可能なこと。
またその際、知能系と制御系の処理能力バランスを常に
良好に保てること。 (76)信頼性の確保(宇宙線障害、高温に対する冷却、
振動等)が容易で、かつフォ−ルトトレラントに対応可
能なア−キテクチャであること。 (77)多数のセンサシステムや外部入出力デバイスとの
リアルタイムランダム通信能力が非常に高いこと。ま
た、コントロ−ラ内部で並列に動作する複数のプロセ
ス、タスク間で十分なリアルタイム性を確保できるレベ
ルのデ−タ通信能力やデ−タの共有能力を有すること。 以上の必要な特性のうち、(76)は宇宙用コントロ−ラ
としてアプライする場合には必須の特性であり、(77)
は従来からリアルタイムコントロ−ラに対し常に要求さ
れて来た特性である。(71)〜(75)が高度な知能化制
御を導入した際、新たに必要となった性能と言える。以
下に(71)〜(77)の特性を実現するための対応するK
AMECONア−キテクチャにおける要求技術を挙げ、
検討を加えておく。
【0021】図6はこれらの要求条件を満足する様に設
計されたBP(32ヒ゛ットマシンサイクル10.4ns)101の実施例を示
すものである。 (81)明らかなる機能分散処理系である知能系21と制御
系22とを、ア−キテクチャ上最初から2つの独立したプ
ロセスとして捉え、それぞれ独立した処理装置(知能系
CPU10101、制御系CPU10102)に割り付けた。2つ
の処理系はそれぞれ大規模な主メモリシステム10103、10
104を有し、通常の大半の処理を独立平行に実行でき
る。2つの処理系間は、両系からいつでも自由にアクセ
ス可能な共有メモリシステム(相互タスク起動機構付D
PR)10105で結合しており、マシンサイクルレベルの
通信ハザ−ド制御によって、両系間のハ−ドウェア通信
オ−バ−ヘッドをほとんど零に抑え、2つの処理系間の
高い独立性を確保している。前記主メモリシステム1010
3、10104は、分散マシンステ−トコントロ−ルとペ−ジ
ングインタ−リ−ブアクセス制御とにより、高速マシン
サイクルを保ちつつキャシュメモリを排除して、最高レ
ベルのリアルタイム性能を実現している。全体として一
体化された処理系のごとく動作する。以上により前記
(71)の特性を満足している。 (82)知能系CPU10101と制御系CPU10102との間の
通信は、(81)で述べたDPR通信機構10105と、ス−
パ−バイザ時に使用するマルチプレクスバススイッチ機
構(MLPXBF)10106を介して共有されるBPバス10112上
の共有リソ−スとを介して行うことができる。DPR通
信機構10105は、前記両系間のBP内における局所的な
高速デ−タ通信またはデ−タの共有を実現するホットラ
インであり、ロ−カルメモリと同等レベルの通信(アク
セス)効率を有する。マルチプレクスバススイッチ機構
10106は、制御系22にアサインされているリソ−スを知
能系21からもダイレクトにアクセスすることを可能にす
るシステムであり、アクセス権を得ている処理系はロ−
カルメモリと同等レベルのアクセス効率を有する。本機
構を用いた場合、制御系の共有システム104内のリソ−
スを介してス−パ−バイザ時における両系間の高速デ−
タ通信またはデ−タの共有を実現することができる。以
上により、前記(72)の特性を満足している。 (83)上記のマルチプレクスバススイッチ機構10106
は、知能系がアクセス権を獲得した時点で、制御系CP
U10102の動作を強制的にロックして直ちにス−パ−バ
イザモ−ドに移行できるス−パ−バイザスイッチ10109
機能を有する。ス−パ−バイザモ−ドでは、知能系CP
U10101によりトップダウンでシステムの統轄制御が可
能となる様に、制御系のすべての状態をステ−タスレジ
スタで管理することができる設計になっている。その結
果、システムのエラ−状態の確認及びエラ−コレクショ
ン、必要最小限の制御系タスクの選択と実行、最低限の
制御系サンプリングタイムの設定と確保、クリティカル
デ−タの退避、システムの復帰、マンマシン協調制御
(人為的操作の介入)等、従来不可能だった高度な異常
処理、非常処理が可能になる。以上により、前記(73)
の特性を満足している。 (84)知能系21と制御系22間のDPRシステム10105
は、各処理から任意時刻に任意のタスクを起動できる動
的相互タスク起動機構を内蔵している。また、BPを複
数並列動作させるMMPMア−キテクチャ(次の(85)
で述べる)においては、知能系、制御系独立に設けられ
たステ−タス共有メモリ(SCM)10107、10108上に、
任意BP間で任意の時刻に任意のタスクを起動できる動
的タスク起動機構(図1のCC内)を組み込んでいる。
これにより、コ−ルバックト−クンによる動的要求(デ
マンド)を用いたト−クンル−プや動的イベント処理タ
スクの生成が任意のBP間で自在に実現できる。本ハ−
ドウェア機能を利用して自律分散プロトコルをソフトウ
ェアで構成または定義することにより、複数のプロセス
間スイッチやイベントタスクスイッチが自動的に管理さ
れ、従来のOSを用いたマルチタスキングに比べて極小
のオ−バ−ヘッドにて、動的システム管理や自律分散シ
ステム制御を実現できる。以上により、前記(74)の特
性を満足している。(85)KAMECONア−キテクチ
ャにおいては、BPを必要な処理能力の分だけ並列に複
数用意していくだけでMMPMア−キテクチャに拡張し
ていくことができる。MMPM121(図1)では、リア
ルタイム共有システム102、103及び104(以上図1) 、
同期バス10302(図6)によりBP間の並列処理を自動
的にコントロ−ルするBP 間同期機構(図1のCC
内)、BP間タスク起動機構(図1のCC内)により知
能系21、制御系22それぞれ独立にBP間のリンケ−ジが
実現されており、両系の処理能力のバランスとア−キテ
クチャを保ったまま、統一的に処理能力の拡張を図るこ
とができる。図1に示すコミュニケ−ションコントロ−
ラCC104は、図6に示したBPのブロック図における
共有システム104に示したように、CCの部分ハ−ドウ
ェアを各BPに分散して配置し、MMPMア−キテクチ
ャに於いては全体で1つのBP間の共有システムとして
動作するように設計している。MMPM121は、リアル
タイム共有システム102、103、104によって各処理系内の
すべてのプロセスをスタ−状に結合できる(図1)た
め、プロセス間でのデ−タ通信またはデ−タの共有をロ
−カルメモリへのアクセスと同レベルの効率で直接実現
することができる。従って、MMPM121は、BP間同
期機構やBP間タスク起動機構の自動並列処理機能と組
み合わせることによって、前述したように各種の密結合
型並列処理が可能であり、外部から見るとあたかも一つ
のプロセッサのごとく動作する最も汎用性の高いリアル
タイム並列処理エンジンである。図7はMMPMで実行
可能な並列処理の各種の形態を示したものである。同図
(a)の完全並列処理では、ジョブを最小単位のタスク
(丸で囲んだ数字がタスクの番号をあらわしている)に
分割し、タスク相互の関係を満足しながら、全体の処理
時間が最小になるようにスケジュールし、各BPで並列
処理を行う。同図(b)の機能分散型完全並列処理で
は、機能単位でジョブを担当するプロセッサグループを
決め、そのグループ内でジョブを最小単位のタスクに分
割してスケジュールを行い、各機能グループ単位で独立
して並列処理を行う。同図(c)の機能分散型並列処理
では、ジョブ毎に担当するプロセッサを1つ割り当て、
ジョブ間で通信を行う。図7(d)のパイプライン並列
処理では、一連のジョブをステージと呼ばれる処理ステ
ップに分解し、パイプライン的に結合された各プロセッ
サに割り付け、それらの各プロセッサで処理された結果
を順次、次のプロセッサへ送ることにより並列処理を行
う。以上により、前記(75)の特性を満足している。 (86)MMPM121を用いて制御系21または全体系の高
信頼化又はフォ−ルトトレラントシステムを実現する場
合、大きく分けて3つの方式が考えられる。第1は、前
述したように、ス−パ−バイザモ−ドによって知能系が
制御系を一時的に停止させてトップダウン的に管理を行
い、制御系の必要最低限の処理を代行すると共に、同時
に制御系の復帰処理も試みる方式である。第2は、複数
のBPで同一の処理を実行させ多数決処理を行う方式で
ある。第3は、予備のBPを設けるか又は処理能力に余
裕のあるBPを予め用意し、そこに処理の実行を停止で
きないクリティカルタスクをインプリメントしておい
て、故障が生じたBPの処理を代行させておいて、その
間に知能系21が故障箇所の復帰を試みる方式である。扱
うアプリケ−ションに応じて以上3つの方式を組み合わ
せて用いればより効果的と考えられる。フォ−ルトトレ
ラントシステムを構成する場合、処理の代行に必要とな
るクリティカルデ−タはすべて知能系21及び制御系22の
共有メモリシステム10107、10108、10111(図6)に高信
頼性を確保しつつ保持しておく必要がある。そのため、
共有メモリシステムはBPの台数分のコピ−を用意する
ア−キテクチャを採っており、もし、あるBPの共有メ
モリデ−タにエラ−が生じても、正常なBPがその箇所
をリ−ドandライト(リライトオペレ−ション)するだ
けの操作で、完全なデ−タに復帰させることができる。
このハ−ドウェアフォ−ルトトレラント共有デ−タ保持
方式により、共有メモリシステムはほぼ100%に近い絶
対的な信頼性を確保できる。熱に対する対策は、基板内
層銅板を用いた拡散熱伝導方式を用いており、基板剛性
の確保も同時に実現できる。本電子基板プロセスによっ
て冷却・振動に対する信頼性は著しく高くなる。以上に
より、前記特性(76)を満足している。 (87)BP101及びMMPM121(図1)の外部システム
又はサブシステムとの通信システムとして、SYSBU
S10201(知能系)及びCIOBUS10301(制御系)
(図6)の独立した2つの共有バスと、知能系、制御系
それぞれに最大16チャネルずつのDMAチャネル10204、
10304計32チャネルとを用意している。すべての通信
システムはロ−カルメモリと同等のランダムアクセスが
可能であり、リアルタイム処理に好適である。それらの
通信システムに接続されるI/Oデバイスは、すべてM
LI/O(Memory Like Input/Output)という新しい概
念でインタ−フェ−スを構成する。各I/Oデバイスに
マシンサイクルレベルで動作する超高速シ−ケンサを内
蔵して、それが自律的に常に最新の情報を入出力レジス
タへセットする。処理系は、常にリアルタイムデ−タだ
と思って、メモリをアクセスするがごとくその入出力レ
ジスタをアクセスするだけで必要な情報の入出力が可能
となる方式である。また、MMPM内部の各BPに割当
てられた各種プロセス間での共有デ−タの同時性につい
ては、共有システムを介するかぎり処理系のマシン命令
レベルで保持されており、並列処理時にも高レベルのリ
アルタイム性能を確保できる。以上により、前記特性
(77)を満足している。
【0022】以上のように、KAMECONア−キテク
チャは近い将来必要となるであろう高度な知能化を伴っ
たコントロ−ルシステムに対して要求される基本的な能
力を満足していることが分かる。図8は以上に説明した
BP101又はMMPM121への処理のインプリメンテ−シ
ョン手法をまとめたものである。
【0023】次に、本発明のKAMECONアーキテク
チャの自立分散化システムへの適用とその運転手法を説
明する。制御対象も含めたシステム全体の運転シ−ケン
スを制御する(単にシステム制御とよぶ)方式には、大
きく分けてトップダウン制御とボトムアップ制御とがあ
り、計算機によって行われる現状のほとんどのシステム
制御は何らかのトップダウン制御によって運転されてい
る。このトップダウン制御とは、基本的に1つのシ−ケ
ンサ(又はプロセッサ)がすべてのタスク又はジョブを
統合的に管理するから、プログラマにとって解り易く、
必要な制御シ−ケンスを容易に実現できる特徴がある。
しかし、扱うシステムの巨大化・複雑化に伴い、トップ
ダウン制御の以下に示す欠点が大きなオ−バ−ヘッドと
なり、システムの制御効率を著しく低下させることにな
る。 (91)メインシ−ケンサがすべての処理の管理(例えば
すべての命令の指示)を行わなければならず、複雑な処
理を他の複数のサブシ−ケンサ(プロセッサ)で分散処
理したとしても、メインシ−ケンサの処理能力がネック
となって、思うようにト−タル性能の向上を図ることが
できなくなる。複雑・大規模な会社組織(例えば日立)
で、1人の社長が会社運営に関するすべての指示を、下
々の従業員に対して一から十まで行うのと同じ様なもの
である。 (92)複雑なシステムでは、複数のタスクが同時に動作
するマルチタスキング環境を効率よく管理する必要が生
ずる。トップダウン制御では、タスクスイッチ、優先順
位処理、タスク状態管理等のマルチタスキングに必須の
処理をメインシ−ケンサ中のOSが統合管理することに
なり、そのオ−バ−ヘッドがメインシ−ケンサに集中す
ることになる。その結果、タスク数に比較して性能が低
下したり、複数のプロセッサで分担処理しても必要な性
能が得られない。 (93)マルチタスク環境を制御分野に導入した場合、以
下に示す新たな性能特性が要求される。 (93a)それぞれのタスクはある目標に向かって何らか
の関連した処理を実行しているため、タスク間の通信
(リレ−ション)が密に発生する。 (93b)タスク間で互いに共有しているデ−タの同時性
が保証されている(時間軸の同時とみなせる範囲内に存
在する)必要がある。すなわち、可制御性を十分保証す
るだけのリアルタイム性能が要求される。これを、リア
ルタイムマルチタスキングと呼ぶ。 (93c)クリティカルなイベントタスクの発生(例えば
外部割込みやサ−ボ要求等、他のデバイスからの処理要
求)に依存して、そのタスクを優先する様なマルチタス
キング方式が要求される。 トップダウン制御では、管理オ−バ−ヘッド増大や、デ
−タやタスクのトップダウン管理等の点から、(93a)
〜(93c)の特性を満足させることが本質的に困難であ
る。
【0024】以上(91)〜(93)に挙げたトップダウン
制御の問題点は、とくにタイムクリティカルなリアルタ
イム制御の分野に大規模な分散処理を導入する際、重要
問題として顕著化する。すなわち、同時刻性の問題か
ら、トップダウン制御の限界が自ずと決まり、システム
の大規模化・複雑化に伴って、将来にわたって破綻しな
い統一的なシステム制御のア−キテクチャを提供するこ
とができない。そこで必要となるのが自律分散化であ
る。すなわち、トップダウン制御における破綻の原因で
あるメインシ−ケンサ(プロセッサ)への処理集中とメ
インシ−ケンサ上の管理オ−バ−ヘッドの増大を、各プ
ロセスやタスクを複数のシ−ケンサやプロセッサに分散
して割り付けると共に自己管理を行わせることにより、
増大する処理やオ−バ−ヘッドをも分散しようとするも
のである。この自律分散には、大きく分けて均質自律分
散と、階層型自律分散とがある。均質自律分散は、分散
された各タスクを受け持つ各プロセッサをハ−ドウェア
的にも均質平等に配置する方式である。もし、それらの
各プロセッサがハ−ドウェア的にもスタ−状に結合され
ていれば(どのプロセッサともダイレクトに通信可能で
あれば)理想的な結合であると言える。しかし、プロセ
ッサ台数が増加していった場合、スタ−結合をハ−ドウ
ェア的に実現することは困難であり、結合状態は均質で
も物理的な結合自体は専用的にならざるを得ない(例え
ばハイパ−キュ−ブ結合、隣接結合等)。したがって、
スタ−結合以外の特殊な結合形成を有する均質自律分散
を用いて汎用的なシステムを構築しようとした場合、実
質上次の問題点が生じる。 (101)結果的にハ−ドウェア構成に起因したタスクス
ケジュ−リングが必要となる。すなわち、関連したタス
クを物理的に近い位置に存在するプロセッサに分散して
おき、通信オ−バ−ヘッドをなるべく少なくして、効率
的なシステム運転を行う必要が生ずる。 (102)制御用途に用いる場合、リアルタイム性や同時
性の保証を明確化するのが困難である。これについて
も、スケジュ−リングが必要となると考えられる。 (103)動的タスク起動機構による自律分散通信プロト
コルの定義が単純化できない可能性がある。すなわち、
必要な通信網は、分散化されたタスクの配置に大きく依
存するため、単純な通信プロトコルを用意したのでは、
一定時間内に必要な通信が終了するという保証が得られ
ない。このことは、リアルタイム制御に適用する場合特
に大きな問題となる。 これらの点から、結局アプリケ−ションに対応して適切
な結合形態を模索するはめに陥ってしまう。
【0025】本発明のKAMECONア−キテクチャに
おいては、均質自律分散を実現し得るのは、図1で説明
した完全なスタ−結合を有するMMPMア−キテクチャ
までと定義している。それにより上位の大規模並列処理
システムを構築する場合は、MMPMをさらに複数セッ
ト階層構造に結合し(図2(a)参照)、階層型自律分
散に基づくシステム制御を行うシステムコントロ−ラの
ア−キテクチャへと発展させていく。この方式は、人間
社会、とりわけ高度に自律化と階層化の進んだ大企業
(例えば日立製作所)の組織運営と同様である。そし
て、その有効性及び必然性は、長い歴史を有する人間社
会において証明済みであると言えよう。ここで重要とな
るのがボトムアップ制御やイベントドリブンの考え方で
あり、KAMECONア−キテクチャにおいては、それ
らを実現する重要なハ−ドウェア手段が動的タスク起動
機構と高速通信機構(例えばDPR)である。それらの
手法及び機構を導入することにより、トップダウン制御
では得られなかった以下の特性が得られる。 (111)必要な情報のみを下位レベルから上位レベルへ
渡すと共に、必要な処理要求のみを上位レベルに要請す
る(デマンド)。また、下位レベルで実行可能なタスク
は大まかな処理指令(マクロ命令)として上位から下位
へ処理を移管する方式を採る。これにより、必要以上の
情報が上位システム(マスタシ−ケンサ側)に渡らず、
また、下位レベルで処理可能なタスクはすべて下位レベ
ルで処理することになるため、上位レベルの処理負担や
管理オ−バ−ヘッドを大幅に軽減することができる。 (112)自律化を可能とし、(111)を実現するための具
体的手段として、動的タスク起動機構が必要である。す
なわち、ボトムアップによって上位に伝えるべき情報や
処理要求の大半を動的イベントとして扱うことにより、
上位レベルにおける情報管理やタスク管理オ−バ−ヘッ
ドを極小化することができる(上位レベルは、下位レベ
ルからの要求があった時のみ必要な動作を行えばよ
い)。 (113)上位レベルでいくつかのメインシ−ケンスを実
行するマスタ−シ−ケンサ(プロセッサ)と、そのシ−
ケンスに記述されているタスクを分担して実行する下位
レベルのスレ−ブシ−ケンサ(プロセッサ)という階層
型機能分散の概念を導入する。そしてステ−タスや命令
及びデ−タを有した動的ト−クンル−プ制御を用いてシ
ステム制御を行うことにより、前述したトップダウン制
御の有利性(シ−ケンスの記述の容易性、管理性の良
さ)を保ちつつ、自律化を図ることができる。この結
果、前記メインシ−ケンス間でのリアルタイムマルチタ
スキングが自然に実現できる。ここで動的ト−クンル−
プ制御とは、簡単な一般例で説明すると以下の様にして
実現する(図9参照)。 (121)コマンド345とそれに必要なデ−タ(DATA35
3)及び終了ステ−タス(ENDST342)が、ト−クン
としてホストプロセッサ360(マスタシ−ケンサに相
当)上のジョブコントロ−ラi(JobCi347)から
目的とするスレ−ブモジュ−ル361に対してトップダウ
ン的に生成される。一方、スレ−ブモジュ−ル361(ス
レ−ブシ−ケンサに相当)は前記コマンドが指令された
事を知るとその内容に対応する処理(Macro Command Pro
cessing362)に移行し、一方、ホストプロセッサ360はバ
ックグラウンドジョブに移行して、いつでもイベント処
理(サ−ビス割込み処理やサブシステムからの要求割込
み処理)を受け付け可能な状態となる。 (122)スレ−ブモジュ−ル361は、指示されたコマンド
の処理が終了するとホストプロセッサ360に対して必要
な結果デ−タ(RESULT DATA 352)と要求割込みである
デマンド(DMND337)をボトムアップ的に生成す
る。デマンドの内容は、終了ステ−タス(ENDST34
2)からアレンジする。最も単純な場合、終了ステ−タ
スにジョブの属性を示すジョブ番号iをセットし、デマ
ンド返送時にそのジョブ番号そのものをデマンドとして
生成してホストプロセッサ360に対して割り込みをかけ
る。この場合、ホストプロセッサ360は要求割り込み処
理の中でそのジョブ番号iをインデックス355としてジ
ョブテ−ブルを引き、ト−クンの発生元であるジョブコ
ントロ−ラi(JobCi347)に強制的に処理を戻
す。これにより、ジョブ番号iがト−クンとしてル−プ
したことになる。 (123)ジョブコントロ−ラiは、自身の管理するジョ
ブのシ−ケンスの中で次に実行すべきマクロ処理(タス
ク)を、コマンド(CMND)として適当なスレ−ブモ
ジュ−ル361に対して生成する。以上により、(121)の
状態に戻ったことになり、以後このル−プを繰り返すこ
とによってそのジョブのシ−ケンス(プログラムステッ
プ)を次々に処理していく。 (114)どのレベルの切り口で見ても、シ−ケンスの記
述上及び実行上マスタ−シ−ケンサはシ−ケンシャルな
1つのシ−ケンスを処理しているものとみなすことがで
きる。このことは、トップダウン制御により集中管理を
行った場合と同等の特性が得られることを意味し、シス
テム制御のインプリメンテ−ションの容易性を証明して
いる。
【0026】以上のように、KAMECONア−キテク
チャへのソフトウェアインプリメンテ−ションに際して
用いる本実施例のシステムシ−ケンス制御は、動的ト−
クンル−プによるトップダウン−ボトムアップ連動形の
階層型自律分散システム制御である。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果がある。 (1)外部環境との干渉や構造系のダイナミックな変化
等により、等価的に自由度が増減する環境においても、
運動の記述が可能な汎用性の高いアルゴリズムと、計算
機能力を破綻させない知能系が可能となり、制御系は、
知能系による状態パラメ−タの管理下でごく自然に動作
し、ほぼ完全な自律運動系が形成可能である。 (2)知能系と制御系とをア−キテクチャ上最初から2
つの独立したプロセスとして捉えながらも、あたかも一
つの一体化された処理系として運転することにより、最
高レベルのリアルタイム性能を実現し、さらに、制御系
のリソ−スを介してス−パ−バイザ時における両系間の
高速デ−タ通信またはデ−タの共有を実現することがで
きる。 (3)ジョブのボトムアップシステムが可能となり、必
要以上の情報が上位システムに渡らず、また、下位レベ
ルで処理可能なタスクはすべて下位レベルで処理できる
ため、上位レベルの処理負担や管理オ−バ−ヘッドを大
幅に軽減する事ができる。 (4)階層構造下の各システムの自律化を図りながらボ
トムアップシステムを可能とし、さらにどの階層レベル
の切り口で見ても、マスタ−シ−ケンサがシ−ケンシャ
ルな1つのシ−ケンスを処理し、マスタ−シ−ケンサか
ら下位システムへのトップダウン制御により集中管理を
行った場合と同等の特性が得られる。 (5)共有メモリシステムは前記BPの台数分のコピ−
を用意するア−キテクチャを採っているため、一方のB
Pにエラ−が生じても、他方の正常なBPがその箇所を
リ−ド&ライトするだけの操作で、完全なデ−タに復帰
させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MMPMの基本システム構成例を示す図であ
る。
【図2】MMPMア−キテクチャの拡張方法を示す図で
ある。
【図3】知能ロボットの制御に関する課題を示す図であ
る。
【図4】知能系・制御系間の相互干渉の説明図である。
【図5】動力学のインプリメント例を示す図である。
【図6】基本プロセッサエレメント(BP)の一実施例
を示す図である。
【図7】MMPMで実行可能な並列処理形態の説明図で
ある。
【図8】MMPMへの処理のインプリメンテ−ション手
法の説明図である。
【図9】動的トークンループ制御の説明図である。
【符号の説明】
21 知能系 22 制御系 101 BP(ベ−スプロセッサ) 102 知能系共有システム 103 制御系共有システム 104 制御系共有システム 106 制御対象 121 コア処理装置(MMPM)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−101957(JP,A) 第3回インテリジェントFAシンポジ ウム講演論文集 10−12.7 1991 p 1−4 亀谷雅嗣、梅北和弘「スーパー リアルタイムパラレルコントローラの開 発」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 15/16 640 G05B 13/02 G05B 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々がメモリを有した第1及び第2の処
    理装置と該2つの処理装置間を結合するユニット内共有
    情報伝達手段と上記2つの処理装置と外部資源とのデー
    タ授受を行う情報伝達手段とから構成されたところの基
    本ユニットの複数個と、該基本ユニット各々の上記第1
    の処理装置を結合して知能処理系を構成するための上記
    第1の処理装置の起動機構及び相互の通信機関を含む第
    1の共有資源と、上記基本ユニット各々の上記第2の処
    理装置を結合して制御処理系を構成するための通信機構
    を含む第2の共有資源とを設け、上記知能処理系は上記
    第1の共有資源内に格納された情報及び該共有資源を介
    して取り込まれた制御対象及びそれを取り巻く環境に関
    する情報から制御対象の現在及び未来の制御対象の状態
    や実現すべき制御目標の推定を行い、上記制御系は上記
    知能処理系の推定結果を用いて制御対象に与える制御信
    号を算出処理を行うように構成したことを特徴とする知
    能型リアルタイムコントローラ。
  2. 【請求項2】 自動機械を制御するコントローラにおい
    て、知能処理を行う知能処理系と数値演算処理による制
    御処理を行う制御処理系とを独立並行に処理する手段
    と、前記2つの処理系間で必要な情報を共有又は通信
    (やり取り)する共有情報伝達手段と、前記制御対象で
    ある自動機械の運動状態又はそれ(制御対象)が置かれ
    ている周辺環境の状態を外部状態数値データとして前記
    両処理系のいずれかに取り込む手段とを設け、前記外部
    状態数値データ又は前記共有情報を用いて自動機械の現
    在又は未来の運動状態や実現すべき機能を推測又は推定
    し、推定状態パラメータに数値化する機能を前記知能処
    理系に持たせ、前記推定状態パラメータを利用して制御
    対象に対しフイードフォワード制御を行う機能と実際の
    運動状態をフィードバックしてそれに基づき制御対象を
    制御する機能とを前記制御処理系に持たせることを特徴
    とする知能型リアルタイムコントローラ。
  3. 【請求項3】 制御対象の制御する情報を処理する制御
    処理系を担当する第1の処理装置と、前記制御処理系に
    関連する情報の処理を実行して制御処理系の状態の管理
    又は監視又は制御処理系の実行すべき処理機能やアルゴ
    リズムやパラメータやモデルの変更又は制御処理系に指
    令を与える知能系を担当する第2の処理装置と、前記2
    つの処理装置間の情報を伝達する共有情報伝達手段とを
    備えた基本ユニットと、前記制御情報を第1の処理装置
    に入出力する制御情報入出力手段と、前記知能処理系で
    処理する情報を第2の処理装置に入出力する知的情報入
    出力手段と、基本ユニットを1つ又は複数接続する接続
    通信手段とを備えたことを特徴とする知能型リアルタイ
    ムコントローラ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2又は3の知能型リアルタ
    イムコントローラにおいて、知能処理系に並列に動作で
    きる複数の処理装置から成ることを特徴とする知能型リ
    アルタイムコントローラ。
  5. 【請求項5】 前記知能処理系に動的にその機構が変化
    する制御対象のモデルを決定するための情報を制御処理
    系に与える処理機能を持たせ、前記制御処理系にそのモ
    デルに基づき制御対象の運動状態を決定する処理機能を
    持たせたことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4
    の内の1つに記載の知能型リアルタイムコントローラ。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2又は3の知能型リアルタ
    イムコントローラにおいて、制御処理系は並列に動作で
    きる複数の処理装置から成ることを特徴とする知能型リ
    アルタイムコントローラ。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2又は3記載の知能型リア
    ルタイムコントローラを複数台階層構造に接続し、各知
    能型リアルタイムコントローラの前記知能処理系が機能
    を分担して処理を行う機能分散階層型リアルタイムコン
    トローラ。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2又は3の自動機械を制御
    する知能型リアルタイムコントローラを複数台階層構造
    に接続して、各知能型制御装置が機能を分担する機能分
    散階層構造を特徴とする機能分散階層型リアルタイムコ
    ントローラ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の機能分散階層型リアルタ
    イムコントローラを複数接続してさらに大規模なコント
    ローラとした均質階層型リアルタイムコントローラ。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2又は3の知能型リアル
    タイムコントローラを複数台階層構造にして、1つの大
    規模コントローラを構成し、その大規模コントローラを
    複数接続して更に大規模なコントローラを構成していく
    均質階層構造を特徴とする均質階層型リアルタイムコン
    トローラ。
  11. 【請求項11】 上位階層と下位階層の知能型リアルタ
    イムコントローラの間の情報授受をト−クンル−プ制御
    によって行うように構成したことを特徴とする請求項9
    記載の均質階層型リアルタイムコントローラ。
  12. 【請求項12】 請求項8の機能分散階層型リアルタイ
    ムコントローラにおいて、トークンループ制御によるト
    ップダウン−ボトムアップ型の自律分散システム制御に
    て全体システムを運転することを特徴とする機能分散階
    層型リアルタイムコントローラ。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2又は3記載の知能型リ
    アルタイムコントローラを複数台接続する手段を設け、
    該接続手段は接続される双方のコントローラ間で互いに
    動的にイベントを発生し合う機能を有したことを特徴と
    する複合型リアルタイムコントローラ。
  14. 【請求項14】 請求項3記載の知能型リアルタイムコ
    ントローラにおいて、前記基本ユニットを複数接続する
    通信手段は、前記制御処理系の第1の処理装置間を接続
    する制御情報通信手段と、前記知能処理系の第2の処理
    装置間を接続する知的情報通信手段とから成ることを特
    徴とする知能型リアルタイムコントローラ。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3又は14のいずれか
    1つに記載の知能型リアルタイムコントローラにおい
    て、知能処理系を担当する各処理装置は、お互いに必要
    とする知能処理系の処理装置に対して、イベントを発生
    し必要な情報を伝達する手段を有し、制御処理系を担当
    する各処理装置はお互いに必要とする制御処理系の処理
    装置に対して、イベントを発生し必要な情報を伝達する
    手段を有することを特徴とする知能型リアルタイムコン
    トローラ。
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