JP3080929U - 抗菌・通気性に優れた靴中敷き - Google Patents

抗菌・通気性に優れた靴中敷き

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JP3080929U JP2001001983U JP2001001983U JP3080929U JP 3080929 U JP3080929 U JP 3080929U JP 2001001983 U JP2001001983 U JP 2001001983U JP 2001001983 U JP2001001983 U JP 2001001983U JP 3080929 U JP3080929 U JP 3080929U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衛生、健康上優れた抗菌、防臭性、通気性、ク
ッション性を有し、疲れない良好な履き心地を与える靴
中敷きを提供すること。 【解決手段】上部ハニカム編目層1と、下部ハニカム編
目層2と、両編目層を連結する連結糸層3とから編成さ
れ、水平、垂直両方向に透き間4A,4Bを画成してな
るダブルハニカム三層構造を有する中敷きであって、上
部と下部のハニカム編目層1、2を構成する各多角形ハ
ニカム単位11、21同士は上下間で編目結節部におい
て連結糸31により互いに連結されていること、そして
少なくとも上部ハニカム編目層に抗菌,防臭性能を有し
た繊維が含まれていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は蒸れず、足が疲れない快適な履き心地を与え、健康と衛生上好ましい 靴中敷きに関する。特に、抗菌、防かび、防臭、水虫予防効果、通気性、クッシ ョン性、耐洗濯性等に優れた靴中敷きに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されている“抗菌インソール”と称される靴中敷きは抗菌剤のような 薬品を、例えばメッシュ編み物、ポリウレタンフォーム等の靴中敷き基材に塗布 または含浸させたものが主流である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかるにこれらインソールの抗菌作用は抗菌剤塗布部分が接する足裏表面にの み及ぶだけで、靴の中全体を抗菌性にするものではなかった。そのため靴着用中 に足が蒸れても靴の中全体に効果が及ばないので、蒸れてかびや水虫の原因にな ることが多かった。特にポリウレタンの場合その傾向は顕著であった。
【0004】 ところで足には体重の1.2倍〜2倍もの重量がかかるといわれ、底の薄い靴 、堅い靴の場合、足に大きな負担がかかり疲れやすいが、従来の中敷きの多くは クッション性がよくないため、そのような靴をカバーすることができず、足が疲 れやすいということも問題であった。
【0005】 靴中敷きは製品として作製するとき、使用者の足裏サイズに合わせて裁断され るが、従来のメッシュ状編み物は綻びやすいので通常外縁を布で縁取る必要があ った。さらに、上述のように抗菌作用の及ぶ範囲が局所的ゆえ汚れやすいにも拘 わらず、従来の中敷きは洗濯できないものが多く、使い捨てするしかなかった。
【0006】 上記従来の問題点、欠点に鑑みて、本考案の目的は本来の優れた抗菌・通気性 に加えて、クッション性、耐洗濯性にも優れた靴中敷きを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的に適合する本考案は、上部ハニカム編目層と、下部ハニカム編目層と 、両ハニカム編目層間に介在し両者を上下に連結する連結糸層とから立体的に編 成された編み物により水平、垂直両方向に透き間を画成して構成されてなり、両 ハニカム編目層を構成する各多角形ハニカム単位は上部と下部ハニカム編目層間 で編目結節部において連結糸により互いに連結されたダブルハニカム三層構造を 有し、その少なくとも上部ハニカム編目層は抗菌,防臭性能を有した繊維が含ま れてなる抗菌・通気性に優れた靴中敷きである。 ここで、上記抗菌,防臭性能を有する繊維は、具体的には銀メッキ繊維,光触 媒性能を有した繊維,銅イオン性能を有した繊維が含まれる。
【0008】
【作用】
本考案靴中敷きの特徴である、ハニカム編目層平面2方向にも、連結糸層の上 下方向にも空間ないし透き間が存在して極めて通気性に富む特殊ハニカム構造は 靴着用時の蒸れを緩和するとともに優れたクッション性と足裏への刺激で足を疲 れさせない効能を発揮する。そして、足裏が直接接する上部ハニカム編目層が抗 菌,防臭性能を有した繊維を含んだ構成は、高温多湿となった靴中の環境は従来 、有害菌例えば白せん菌、黄色ブドウ球菌などが汗、老廃物等を栄養源として増 殖する絶好の生息場所となっているが、前記抗菌,防臭性能は、そのような菌の 増殖や足の臭いを抑制することができ、しかも抗菌,防臭繊維層は優れた耐久性 と強度も与える特殊加工によっているので塩素やイオウに曝されない限り繰り返 し洗濯に耐えることができる。しかも両特徴が相俟って本考案の中敷きは靴の中 全体を快適環境にすることができ、かつ洗濯を可能として絶えずその優れた効果 を再生、持続させることができる。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を添付の図面とともにより具体的に説明する。 本考案の靴中敷きの1例は、図1の省略概略図および図2の部分平面図ならび に図3の編成組織に図示されるようにその本体が上部ハニカム編目層1と下部ハ ニカム編目層2と、その中間に介在する連結糸層3から編成された編み物によっ て構成されている。 この編み物は合成繊維糸、例えば100〜150dのナイロン、ポリエステル 繊維モノ又はマルチフィラメント糸を素材としてダブルラッセル編み機などによ って製編することができる。即ち、ダブルラッセル機において、前側のニードル 列と後ろ側のニードル列で夫々鎖編みを行って前後の鎖編み目列により上下のハ ニカム編目層1、2を形成する一方、前後の上記鎖編目列間において適宜ジグザ ク位置の鎖編目を連結糸31により結節連結することによって連結糸層3を形成 して上記の上下ハニカム編目層1、2と連結糸層3からなる経編地が製編される 。 そしてこの場合、本考案においては少なくとも上部ハニカム編目層1の編成糸 に抗菌,防臭性能を有した繊維を少なくとも一部または全部用いることが肝要で ある。なお、上記経編地の編成に当たっては上下の編目層編成糸に比し、連結糸 に太デニール糸を用いることが保形上有効である。 抗菌,防臭性能を有した繊維、例えば銀メッキ繊維からなる銀メッキ繊維糸は ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維、特にナイロン66繊維に銀を無電解メ ッキ法等で付着させることにより容易に製造される。 なお、本考案中敷きは上記編み物によって本体が構成されるが、その1面又は 両面に適宜、布帛を貼着、併用してもよい。 勿論用途に応じて、下部編目層2および/または連結糸層3に上記抗菌,防臭 性能を有した繊維が編み込まれるように設定することができる。特に、大きな抗 菌・通気性を要求される場合、例えば通気性のないゴム長靴やむれやすいロング ブーツのような用途には全部を上記性能を有した繊維よりなる繊維糸を使用して 製編することが好ましい。
【0010】 各ハニカム編目層1,2を構成する多角形のハニカム単位11、21は図2に 示す例のように六角形でもよいし、その他図3に示すように菱形、八角形でもよ い。ハニカム単位11、21の編目結節部11a、21a同士は連結糸31を介 してつながることによって、上部および下部ハニカム編目層1,2を上下に連結 している。連結糸31同士は上部編目層1の結節部11aと下部編目層2の結節 部21aとを通常上下において、図2の如く斜交いに桁状に連結される。これは 強度とクッション性を高めるのに有効である。 また、図1、2の例ではハニカム単位11、21が上部と下部ハニカム編目層 1、2間において互い違いにずれて配列されるように編成されているが、互い違 いにずれることは必らずしも必要ではなく、上部と下部のハニカム編目層が殆ど 重なり合ってもよい。
【0011】 図3は本考案の上記上部と下部のハニカム編目層が殆ど重なる場合の組織の詳 細を示している。 この場合、ハニカム単位11、21は菱形形状であり、上部と下部のハニカム 編目層1、2間において両編目層は上下に重なるように配列、編成されている。 同図から明らかなように、ハニカム単位11、21と連結糸31とによって、各 ハニカム単位の中の垂直方向透き間4(B)と連結糸31の水平方向透き間4( A)とが立体的に形成される。垂直方向透き間4(B)は矢示するように、汗、 体温等の水分発散を促すのに対して、水平方向透き間4(A)は同じく矢示する ように、新鮮空気を取り入れて通過させる役割をするので、全体として高通気性 に寄与する。
【0012】 次に本考案による靴中敷きの抗菌効果、耐洗濯性、防臭効果を具体的に説明す るために、以下に各種試験結果を提示する。 使用した中敷きは銀メッキ繊維(エクスタティック)150dモノフィラメント から編成したダブルハニカム三層構造のものである。
【0013】 抗菌試験(白せん菌ならびに黄色ブドウ球菌に対する) 試料として本考案の銀メッキ加工品から編成した中敷きと銀メッキ非加工品( コントロール)いずれも0.4gの重さのものを使用して、オートクレーブで滅 菌後約105CFU/mlになるように1/20栄養(寒天)培地で調製した菌 液0.2mlを試料に接種し、37℃、18時間保存後菌数を測定した。白せん 菌については初期と18時間後の菌数を、黄色ブドウ球菌については洗濯回数0 と100回後の菌数をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】 本考案のダブルハニカム3層構造の中敷きと市販品とを左右の靴に使用して6 時間着用後、その靴下をテドラーバッグ(500cc)に入れ香りセンサにて臭 気強度を測定した。測定機器はKEYENCE、半導体センサNS−710を使用し、 測定条件は室温20℃、湿度48%であった。臭気基準値は、室内の臭気強度を 100として相対評価した。結果は図4に示すとおり、約3倍もの防臭効果が達 成された。
【0016】
【考案の効果】
本考案の靴中敷きは、ダブルハニカム三層構造の編み物であって、少なくとも 上部ハニカム編目層には必ず抗菌,防臭性能を有した繊維が含まれて編み込まれ ているので、通気性、抗菌性、クッション性、防臭効果、耐洗濯性等に極めて優 れている。特に、上記性能を有した繊維中、銀メッキ繊維は空気中の酸素、水中 溶存酸素などに触れると盛んに銀イオンを放出し、銀イオンは有害菌の増殖を抑 制し、消毒をするとともに、夏涼しく冬暖かい熱反射性と熱伝導性があり1年中 靴の中を快適に保つ効果を発揮する。その上ダブルハニカム三層構造という特殊 通気性構造は前記抗菌効果を一層助長して、靴着用にとり理想的要件である白せ ん菌の増殖防止、防かび性、防臭効果等すべてを満たすことができる。さらにそ の優れたクッション性のゆえに足に負担がかかりにくく、ハニカム編目の生地表 面が足裏に刺激を与えるので、疲れにくい効果を奏する。さらに、本考案の中敷 きは綻びにくくて縁取りをする必要もなくただ編み物を製造するだけでよいので 、製造が簡単である。
【0017】 本考案による中敷きはあらゆる種類の靴に勿論使用できるが、特に長時間立ち 仕事を要するような職種の人の履く靴に適しているといえる。その他、長時間着 用しなければならない場合や、蒸れやすい靴、例えばゴム長、ブーツなどにも最 適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の1例を示す部分概略図である。
【図2】図1の例の部分拡大平面図である。
【図3】本考案の編み組織の態様を示した図である。
【図4】本考案による防臭効果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 上部ハニカム編目層 11 上部ハニカム編目層を構成する多角形ハニカム単
位 2 下部ハニカム編目層 21 下部ハニカム編目層を構成する多角形ハニカム単
位 3 連結糸層 31 連結糸 4 透き間

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部ハニカム編目層と、下部ハニカム編目
    層と、両ハニカム編目層間に介在し両者を上下に連結す
    る連結糸層とから立体的に編成されてなる編み物により
    水平、垂直両方向に透き間を画成して構成されてなり、
    両ハニカム編目層を構成する各多角形ハニカム単位は上
    部と下部のハニカム編目層間で編目結節部において連結
    糸により互いに連結されたダブルハニカム三層構造であ
    り、かつその少なくとも上部ハニカム編目層には抗菌,
    防臭性能を有した繊維が含まれていることを特徴とする
    抗菌・通気性に優れた靴中敷き。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018202076A (ja) * 2017-06-09 2018-12-27 モリト株式会社 靴中敷及びその製造方法

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