JP3079551U - 装飾具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾性と環境（雰囲気）改善性とを両立さ
せ、環境改善性においては空清浄効果を向上させるこ
と。 【解決手段】 内枠体１０の開口部１０ａには絵画、写
真、書等の平面型美術品が裏側から着脱可能に嵌め込ま
れるようにして収容または装着されるようになってい
る。外枠体１２は、内枠体１０と同じ形状で、一回りな
いし二回り大きなサイズを有している。内枠体１０と外
枠体１２との間には多数の竹炭片１６が凸面を正面に向
けて規則的に並べられており、視覚的には三者（１０，
１６，１２）が一体化した１つの枠体を形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、絵画、写真、書のような平面型の美術品を室内に掲げるための装飾 具に係り、特に空気清浄機能を有する装飾具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、脱臭機能や除湿機能を備える額縁が知られている。この種の額縁の 典型的な構成は、活性炭やシリカゲル等の粉状または粒状吸着剤を収容する通気 孔付きの容器類を額縁の内部または後背部に取り付ける形式である（たとえば特 開平３−１１４４１３号公報）。この形式においては、正面から見て一般の額縁 と同じ外形デザインを保ったまま、周囲の空気を該容器内に流通させて、空気中 の臭気や湿気を吸着剤に吸着させて除去するようにしている。

【０００３】 また、本来の額縁体（主額縁体）の左右両側に一対の側額縁体を取り付けて、 それらの側額縁体の前面に活性炭繊維からなるフィルター面を設ける形式もある （たとえば実用新案登録第３０２８１８３号）。この形式においては、両側額縁 体を回動自在とし、額縁を室内に掲げる時は主額縁体の左右両側に広げ、運搬、 携帯時には主額縁体の前面に重ねて畳める構成になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような脱臭・除湿機能を備える従来一般の額縁においては、活性炭やシ リカゲル等の吸着剤を収容する容器類が額縁の内部または後背部に配置されて相 当のスペースを占めるため、額縁全体が妙に厚ぼったくて、重々しい壁掛けにな ってしまうという不都合がある。また、吸着剤付近の空気の流通性がよくないた め、脱臭・除湿効果が制限されるという欠点もある。

【０００５】 また、上記のように主額縁体の左右両側に活性炭繊維からなるフィルター面（ 側額縁体）を取り付ける構造では、フィルター面がステレオのスピーカのように 左右両側に大きく場所を占めるため、デザイン的に美術品の収まりが悪くなると いう不都合がある。また、この種のフィルター面は、活性炭繊維を植毛してなる ものであり、製造コストが高くつくだけでなく、それ自体の見栄えもよくないも のである。

【０００６】 本考案は、装飾性と環境（雰囲気）改善性とを両立できる実用性の高い装飾具 を提供することを目的とする。

【０００７】 本考案の別の目的は、脱臭・除湿・カビ防止機能を有するだけでなく、人体や 環境に好ましいマイナスイオンを放出する機能を有する装飾具を提供することに ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の第１の装飾具は、絵画、写真、書等の 平面型美術品を装着するための美術品装着部の周囲に竹炭片を多数並べて配置し てなる構成とした。

【０００９】 上記の構成においては、竹炭片が装飾具正面に露出して多数本配置されている ため、周囲の空気に触れやすく、竹炭片自体のもつ脱臭・除湿・カビ防止機能さ らにはマイナスイオン放出機能が効果的に発揮される。また、竹炭片で構成され る空気清浄部が装飾具の内部や後背部ではなく、美術品とほぼ同じ面の周囲に配 置されるため、装飾具全体が厚ぼったくならない。

【００１０】 本考案の第２の装飾具は、絵画、写真、書等の平面型美術品を収容するための 開口部を有する内枠体と、前記内枠体と所定の間隔を隔てて前記内枠体の周囲を 取り囲む外枠体と、前記内枠体と前記外枠体との間に多数並べて配置された竹炭 片とを有する構成である。かかる構成によれば、上記第１の装飾具と同様の作用 を奏することに加えて、視覚的には内枠体と竹炭片と外枠体とが一体化した１つ の枠体を形成することにより、新感覚のデザインを提供することができる。

【００１１】 本考案の装飾具において、好ましくは、竹炭片が半円状または円弧状の横断面 を有し、凸面を正面に向けて配置される構成としてよい。かかる構成により、自 然の竹の原形を前面に押出してデザイン性を高められるとともに、竹炭片の背後 に半筒状の隙間を形成し、空気の流通性を高めることができる。

【００１２】 また、好ましくは、竹炭片を裏側で支持する背板を有する構成としてよい。さ らに好ましくは、この背板に内枠体と外枠体とを接続または結合する構成として よい。竹炭片回りの空気の流通性を一層高めるために、この背板に竹炭片の内壁 面に通じる多数の通気孔を設ける構成としてよい。

【００１３】

【考案の実施形態】

以下、添付図を参照して本考案の好適な実施形態を説明する。

【００１４】 図１〜図３に本考案の一実施形態による額縁の構成を示す。

【００１５】 この実施形態の額縁は、図示のように、内枠体１０と外枠体１２とからなる二 重枠構造を有している。内枠体１０はたとえば矩形の開口部（窓）１０ａを有し 、この開口部１０ａの内側に絵画、写真、書等の平面型美術品１４（図３に仮想 線で示す）が裏側から着脱可能に嵌め込まれるようにして収容または装着される ようになっている。外枠体１２は、内枠体１０と同じ形状で、一回りないし二回 り大きなサイズを有している。内枠体１０および外枠体１２の材質は、異なって いてもよいが、通常は同じものが好ましく、たとえば木材でよい。

【００１６】 内枠体１０と外枠体１２との間には多数の竹炭片１６が殆ど隙間無く密に並べ て配置されている。各竹炭片１６は、竹材料を自燃させずに蒸し焼き状態で加熱 炭化させて作られるもので、自然の竹の原形を殆どそのまま止めており、半円ま たは円弧状の横断面を有する湾曲板片に形成され、凹面を正面に向けて適当な配 置パターンで並べられる。図示の例では、内枠体１０および外枠体１２の互いに 対向する辺に対して直交する向きに、つまり水平方向に延在する枠辺に対しては 垂直方向の向きに、垂直方向に延在する枠辺に対しては水平方向の向きに各部の 竹炭片１６が並べられている。

【００１７】 このように、内枠体１０と外枠体１２との間の隙間を塞ぐように多数本の竹炭 片１６が凸面を正面に向けて規則的に並べられているため、視覚的には三者（１ ０，１６，１２）が一体化した１つの枠体を形成しており、新感覚のデザインを 提供している。特に、両枠体１０、１２に木材を用いた場合は、図示省略するが 、それらの木目と竹の原形をそっくり止める漆黒の竹炭片１６とがツートンカラ ーで鮮やかに調和して、枠の中心部に装着される美術品１４の審美性を周りから 引き立たせ、高級感を醸し出すことができる。また、全体の形状・サイズも厚ぼ ったくないため、重々しい壁掛けにはならない。

【００１８】 竹炭片１６の背後には、内枠体１０、外枠体１２および竹炭片１６の三者を一 体的に支持または結合するための背板１８が設けられている。この背板１８は、 内枠体１０の開口部（窓）１０ａと同じ形状および大きさの開口部１８ａを有す る矩形の板体からなる。背板１８の外周面に外枠体１２がたとえば接着剤で接合 され、背板１８の開口部１８周囲の周縁部に内枠体１０がたとえば接着剤で接合 され、背板１８の前面部に竹炭片１６の縦方向切断面がたとえば接着剤で接合さ れている。

【００１９】 図３に示すように、美術品１４は後背部から背板１８の開口部１８ａを介して 背板１８および内枠体１０の両開口部１８ａ，１０ａ内に保持される。背板１８ の開口部１８ａには、美術品１４の後背部を保持するためのストッパ手段たとえ ば水平板部材２０が着脱可能に取り付けられる。

【００２０】 この額縁においては、内枠体１０の周囲を取り囲むようにして竹炭片１６が正 面に露出して多数本びっしりと配置されているため、周囲の空気に触れやすく、 竹炭片自体の有する作用として、空気中の湿気や臭気成分を効果的に吸着して除 去し、カビ等を効果的に防止するうえ、人体や環境に好ましい影響を与えるマイ ナスイオンを周囲に発散することにより、従来の額縁には無いすぐれた空気清浄 効果を奏することができる。

【００２１】 さらに、図３に明示するように、竹炭片１６の内側が半筒状の空洞１６ａにな っているため、空気が竹炭片１６を透過しやすい構成であり、上記のような空気 清浄効果を高めている。

【００２２】 また、図４および図５に示すように、背板１８に多数の通気孔１８ｂを形成す ることにより、竹炭片１６の内側空洞部１６ａを背板通気孔１８ｂを介して後背 部と連通させることができる。かかる構成によれば、竹炭片１６と周囲空気との 接触性が増し、上記空気清浄効果を一層向上させることができる。

【００２３】 以上好適な実施形態を説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるもので はなく、その技術思想の範囲内で種々の変形・変更が可能である。たとえば、竹 炭片１６を任意の形状に変形することが可能であり、プレート（板）状や筒状の 形体としてもよい。竹炭片１６の長さ、サイズ、配列パターン等も種々変形可能 である。内枠体１０および外枠体１２は矩形以外の形状たとえば円形の形状でも よい。内枠体１０にガラス窓を取り付ける構成も可能である。

【００２４】 また、上記実施形態は額縁に係わるものであったが、本考案は平面型美術品を 装着する他のタイプの枠型装飾具たとえば屏障具類（屏風や衝立障子等）にも適 用可能である。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の装飾具は、装飾性と環境改善性を両立させるこ とが可能であり、特に環境改善性においては脱臭・除湿・カビ防止機能だけでな くマイナスイオン放出機能も奏することが可能であり、装飾具の実用的価値およ び商品的価値を著しく高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施形態による額縁の外観構成を示
す斜視図である。

【図２】実施形態の額縁の外観構成を示す背面図であ
る。

【図３】実施形態の額縁の内部構造を示す縦断面図であ
る。

【図４】実施形態の一変形例による額縁の要部を示す部
分背面図である。

【図５】実施形態の一変形例による額縁の要部を示す部
分縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 内枠体 １２ 外枠体 １４ 美術品 １６ 竹炭片 １８ 背板 ２０ 水平板部材（ストッパ部材）

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絵画、写真、書等の平面型美術品を装着
   するための美術品装着部の周囲に竹炭片を多数並べて配
   置してなる装飾具。
2. 【請求項２】 絵画、写真、書等の平面型美術品を収容
   するための開口部を有する内枠体と、 前記内枠体と所定の間隔を隔てて前記内枠体の周囲を取
   り囲む外枠体と、 前記内枠体と前記外枠体との間に多数並べて配置された
   竹炭片とを有する装飾具。
3. 【請求項３】 前記竹炭片が、前記内枠体と前記外枠体
   との間の隙間を埋め尽くすように密に並べて配置される
   ことを特徴とする請求項２に記載の装飾具。
4. 【請求項４】 前記竹炭片が、半円状または円弧状の横
   断面を有し、凸面部を正面に向けて配置されることを特
   徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の装飾具。
5. 【請求項５】 前記竹炭片を裏側で支持する背板を有す
   ることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の装
   飾具。
6. 【請求項６】 前記背板に前記内枠体と前記外枠体とが
   接続されていることを特徴とする請求項２〜５のいずれ
   かに記載の装飾具。
7. 【請求項７】 前記背板が、前記美術品を着脱可能に装
   着するための開口部を有することを特徴とする請求項５
   または６に記載の装飾具。
8. 【請求項８】 前記背板が、前記竹炭片の内壁面に通じ
   る多数の通気孔を有することを特徴とする請求項５〜７
   のいずれかに記載の装飾具。