JP3078678U - 宅配便用配達物収納袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙を使用せずに廃物を有効利用した宅配便用
宅配物収納袋を提供すること。 【解決手段】 畳むと長方形平板状で、拡げると上部開
放の直方体状の袋となるように袋の両側面及び底部が形
成された、ポリエチレン製ガス管廃材をインフレーショ
ン成形してなる筒状フィルムからなる宅配便用配達物収
納袋であり、上記収納袋のいずれか一方の面の上部横方
向には紙製の封緘帯びが貼着され、その貼着面側の他端
部には粘接着剤が塗布されていることを特徴とする宅配
便用配達物収納袋。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ポリエチレン製ガス管の埋設工事において廃材となるポリエチレン 製ガス管の端部の有効利用に関し、詳細にはポリエチレン製ガス管の廃材を使用 した宅配便用配達物収納袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

宅配便はその便利さ故に広く利用されている。宅配物は、その大きさや形状に よってダンボール製の箱や宅配便会社の専用宅配物収納袋等に入れて集配されて いる。 この専用宅配物収納袋は、通常、ポリエチレン薄膜をラミネートする等の方法 で防水加工された紙製であり、宅配物の集配中に破袋しない強度を有するもので ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

専用宅配物収納袋は、上記のようなプラスチックラミネート紙製がほとんどで あり、再成紙とすることが困難であることから使用後は有効活用されることなく 廃棄されているのが現状である。

【０００４】 一方、近年、ガス管は、耐震性やその他の理由で鉄製等の金属管からポリエチ レン製管へと変換されるようになってきた。 ところが、ガス管の埋設工事においては、各工事現場の地形等に合わせて必要 寸法となるようにポリエチレン製ガス管の端部を切断するために、これらの端部 が廃材として多量に発生するようになった。通常これらの廃材は、集められて焼 却処分されるか、破砕されて埋め立て処分され、ほとんど再利用されておらず、 資源が有効利用されずに無駄に処分されているのが実情である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 本考案者は、天然資源が次第に減少している実情に鑑み、紙を使用せずに廃物 を有効利用することで専用宅配物収納袋ができないかと種々検討し、上記のポリ エチレン製ガス管廃材が再利用できることを見いだした。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる本考案によれば、畳むと長方形平板状で、拡げると上部開放の直方体状 となるように袋の両側面及び底部が形成された、ポリエチレン製ガス管廃材をイ ンフレーション成形してなる筒状フィルムからなる宅配便用配達物収納袋であり 、上記収納袋の表裏いずれか一方の面の上部横方向には紙製の封緘帯びが貼着さ れ、その貼着面側の他端部には粘接着剤が塗布されていることを特徴とする宅配 便用配達物収納袋が提供される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に本考案を更に詳細に説明する。 本考案で使用するポリエチレン製ガス管（以下ではＰＥガス管と称することが ある）の廃材としては、ＰＥガス管の埋設工事において、長さ調節等のために切 断された管端部が使用される。本考案においては、ＰＥガス管廃材に対して５０ 重量％以下のバージンＰＥ及び／又はＰＥガス管の廃材以外のＰＥ廃材を混合し て使用することができる。

【０００８】 ＰＥガス管は、例えば、中密度ポリエチレン（例えば、密度が０．９３５g/cm ³ 等）、あるいはこれを主に、高密度乃至低密度ポリエチレン等を適当量混合し てなるポリエチレン混合物が用いられているが、ガス管形成材料としてのポリエ チレンの種類は特に制限されるものではない。又、ＰＥガス管は、通常、淡緑色 や黄色等に着色されている。通常、集められたＰＥガス管の廃材は、洗浄後、適 当な手段で粉砕され、次いで、例えば、１７０〜２００℃等の温度で押出機やペ レタイザー等でペレット化されて使用される。

【０００９】 本考案の宅配便用配達物収納袋は、上記のペレット化されたＰＥガス管廃材を 、通常のＰＥフィルムの製造と同様のインフレーション法で筒状フィルムとし、 これを従来の紙製の宅配便用配達物収納袋と同様に加工して形成したものである 。フィルムを製造するに際しては、必要により、任意の色の顔料、酸化防止剤や 帯電防止剤等のＰＥで従来から使用されている各種添加剤を適宜有効量添加する ことができ、添加剤の種類や使用量は特に制限されない。得られたＰＥガス管廃 材からなる筒状フィルムは、その表面をコロナ処理等の公知の表面処理を施さな くとも文字や模様等の印刷が可能である。

【００１０】 従来の紙製の宅配便用配達物収納袋は、使用前の折り畳まれた状態の外観を図 １（ａ）、（ｂ）に示すように、長方形平板状となるように袋の両側面が内側へ 折り込まれている（図１（ａ）の点線１が折り込まれた先端部を示している。） 。又、底部は上記袋を広げたときに直方体（図２）の底（図１（ｂ）の２）が形 成されるよう袋の端部の両側面及び両表面が折り畳まれて形成されている。必要 箇所の張り合せにはホットメルト接着剤やその他の接着剤が使用されている。こ のような成形加工は公知の自動製袋機で製造される。封緘はサイズの小さい上記 収納袋では、裏面の上端部に上記収納袋本体部と一体に形成されている通常の郵 便用封筒と同様の粘接着剤が塗布された封緘部で封ずることによって行われる。 又、サイズが大きいものの場合は、上記の収納袋とは別個の一方の面に粘接着剤 が塗布された紙製の封緘帯びで、上記の収納袋の表裏面の合わせ部を封ずること で行われる。

【００１１】 次に本考案の宅配便用配達物収納の一例を図面を参照して説明する。 本考案の宅配便用配達物収納袋も、従来の紙製の宅配便用配達物収納袋と同様 に従来公知の自動製袋機で筒状ＰＥフィルムを用いて製造される。 例えば、筒状ＰＥフィルムを製造する段階で、図３に示すような両側面が一定 の幅で内側に押し込まれた中空シートが形成される。この中空シートを公知の製 袋機を用いて底部を形成する。自動製袋機中で上記の中空シートは所定の長さで 切断され、紙の場合と同にして底部が形成される。底部の長方形を保持するため に中空シートの両側面及び表裏面を折り畳んで形成した底部の必要箇所を融着あ るいはホットメルト接着剤等の接着剤で固定する。このようにして前記の図１（ ａ）、（ｂ）のように外観が長方形平板状のＰＥガス管廃材使用の宅配便用配達 物収納袋が形成される。拡げた状態は前記の図２と同じであり、上部開放の直方 体となる。本考案においては、筒状ＰＥフィルムを用いた上記収納袋の底部の形 成方法は、特に制限されず、畳むと長方形平板状となり、拡げると上部開放の直 方体となる成形法はいずれも用いることができる。

【００１２】 本考案の宅配便用配達物収納袋のサイズは特に制限されず、例えば、直方体の 寸法で縦（幅）８．５〜１１ｃｍ、横２６〜３２ｃｍ、高さ３２〜４１ｃｍ、程 度である。宅配物収納後の袋の封緘（密閉）は、上記収納袋の表面又は裏面のい ずれか一方の面の上端部に貼着した紙製の封緘帯びを、他面に折り返し、封緘帯 びの上端部に塗布された粘接着剤で密閉する（図４（ａ）、（ｂ））。封緘帯び は、少なくとも一方の表面がＰＥ等の薄膜による被覆等で防水処理されている。

【００１３】

【実施例】

次に実施例を挙げて本考案を更に具体的に説明する。 実施例１ 淡緑色のポリエチレン製ガス管の廃材をペレット状に加工したもの１００重量 と酸化チタン（白色顔料）１．５重量部とを溶融混合し、常法に従いインフレー ション法により厚さ０．１５ｍｍ、両側面を約５ｃｍ折り込んだ幅が約３２ｃｍ の中空シートを作製した。この中空シートを用い自動製袋機にて畳んだ状態が図 １（（ａ）、（ｂ））に示す形状で、拡げた状態が図２の宅配便用配達物収納袋 を形成した。底部の長方形の固定にはホットメルト接着剤を使用した。 一方、表面をＰＥ薄膜でラミネートした厚さ約０．１ｍｍで、長さ１５ｃｍ、 幅３２ｃｍの紙製封緘帯びを約４ｃｍの幅で上記収納袋の裏面上端部にホットメ ルト接着剤で貼着した。尚、上記封緘帯の上端から約８ｃｍの長さの部分にはア クリル系粘着剤を塗布し、表面を剥離紙で被覆した。得られた本考案の拡げた状 態の斜視図を図４に示す。 本考案のＰＥガス管廃材のみからなる宅配便用宅配物収納袋は、適度な可撓性 を有し、紙製の従来の上記収納袋に比べて強度、耐水性は格段に優れたものであ った。

【００１４】

【考案の効果】

以上の本考案により、適度な可撓性のある、充分な強度と耐水性を有し、カラ フルな絵柄の印刷もシート表面の粗面化処理を施すことなく可能で、経済的で資 源の有効利用にも貢献する宅配便用宅配物収納袋が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来の紙製の宅配便用宅配物収納袋の使用前
の畳まれた状態の平面図である。（ａ）は表面、（ｂ）
は裏面である。

【図２】 従来の紙製の宅配便用宅配物収納袋の拡げた
状態の斜視図である。

【図３】 両側面が折り込まれたＰＥ中空シートの斜視
図である。

【図４】 本考案の宅配便用宅配物収納袋の一例の斜視
図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 畳むと長方形平板状で、拡げると上部開
   放の直方体状の袋となるように袋の両側面及び底部が形
   成された、ポリエチレン製ガス管廃材をインフレーショ
   ン成形してなる筒状フィルムからなる宅配便用配達物収
   納袋であり、上記収納袋の表裏いずれか一方の面の上部
   横方向には紙製の封緘帯びが貼着され、その貼着面側の
   他端部には粘接着剤が塗布されていることを特徴とする
   宅配便用配達物収納袋。