JP3078540U - 内燃機関の燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒 - Google Patents
内燃機関の燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】内燃機関の経済性および低公害性を改善し得る
燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒を提供す
る。 【解決手段】セラミック紙10は、遠赤外線放射性粒子
がパルプ繊維組織内に分散されたものであるため、エン
ジンの吸気管34および燃料供給管に巻回固定して用い
ることによりその燃焼特性が改善され、燃焼効率が高め
られると共に排出ガス中の黒煙が減少する。そのため、
そのエンジンを搭載した車両の経済性と低公害性を容易
に改善することができる。このとき、エンジンの燃焼改
善は、その吸気系、燃料供給系、および排気系の流路上
に何ら障害物を配置すること無く実現されることから、
パティキュレート等の捕集装置を流路上に設ける場合の
ような低公害性を高めることに伴う燃焼効率の悪化は生
じ得ないため、燃焼効率の悪化によって燃料消費量が増
大し延いては排出ガスの総排出量が増大する弊害は生じ
ない。
燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒を提供す
る。 【解決手段】セラミック紙10は、遠赤外線放射性粒子
がパルプ繊維組織内に分散されたものであるため、エン
ジンの吸気管34および燃料供給管に巻回固定して用い
ることによりその燃焼特性が改善され、燃焼効率が高め
られると共に排出ガス中の黒煙が減少する。そのため、
そのエンジンを搭載した車両の経済性と低公害性を容易
に改善することができる。このとき、エンジンの燃焼改
善は、その吸気系、燃料供給系、および排気系の流路上
に何ら障害物を配置すること無く実現されることから、
パティキュレート等の捕集装置を流路上に設ける場合の
ような低公害性を高めることに伴う燃焼効率の悪化は生
じ得ないため、燃焼効率の悪化によって燃料消費量が増
大し延いては排出ガスの総排出量が増大する弊害は生じ
ない。
Description
【0001】
本考案は、内燃機関の燃焼を改善するためのセラミック紙に関する。
【0002】
例えば、ディーゼル・エンジン等の内燃機関には、経済性(省資源・省エネ) 、低公害性、安全・快適性等を実現すべく多岐に亘る特性が要求される。これら の中でも、特に経済性(特に省資源)や低公害性等のために燃焼効率を高めると 共に排出ガスを浄化することは、内燃機関の開発において常に優先的な課題にな っている。
【0003】
しかしながら、内燃機関をそのまま或いは機械装置に搭載して提供する製造業 者、例えば自動車メーカ等における上記開発は、今後提供される内燃機関の特性 を改善するに留まり、既存の内燃機関の経済性や低公害性についての改良の努力 は特に払われていないのが実情である。そのため、例えば車両においては、その 寿命が10年以上であることから、毎年提供される数量の数倍は存在する既存の 車両に対して、経済性や低公害性を高めることが環境面から望まれている。
【0004】 特に、ディーゼル・エンジンは、低価格・高カロリーの軽油が燃料に用いられ ると共に燃焼効率が高いことから経済性の面でガソリン・エンジンに優る特徴を 有している反面で、その排出ガス中にNOX やパティキュレート(黒煙、未燃の 燃料、潤滑油のミスト、サルフェート等から成る粒子状物質)等の有害物質が多 量に含まれるため、それらの低減すなわち排出ガスの浄化が特に重要である。
【0005】 本考案は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、内燃 機関の経済性および低公害性を改善し得る燃焼改善用セラミック紙およびセラミ ック筒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】 斯かる目的を達成するため、第1考案の内燃機関の燃焼改善用セラミック紙の 要旨とするところは、遠赤外線放射性粒子が繊維組織内に分散させられて成り、 内燃機関の吸気管または燃料供給管に巻回固定して用いられることにある。
【0007】
【第1考案の効果】 このようにすれば、セラミック紙は、遠赤外線放射性粒子が繊維組織内に分散 されて構成されるため、内燃機関の吸気管または燃料供給管に巻回固定して用い ることによりその燃焼特性が改善され、燃焼効率が高められると共に排出ガス中 の黒煙が減少する。しかも、燃焼効率を高めることにより同量の燃料で出力の増 大による省燃料効果が発生し、同一走行区間であれば消費燃料が減るために排出 される黒煙の総量が一層少なくなる。そのため、内燃機関の経済性と低公害性と について容易に改善することができる。このとき、内燃機関の燃焼改善は、その 吸気系、燃料供給系、および排気系の流路上に何ら障害物を配置すること無く実 現されることから、パティキュレート等の捕集装置を流路上に設ける場合のよう な低公害性を高めることに伴う燃焼効率の悪化は生じ得ないため、燃焼効率の悪 化によって燃料消費量が増大し延いては排出ガスの総排出量が増大する弊害は生 じない。なお、このような効果が得られるのは、吸気管においては遠赤外線によ って空気中に含まれる水分が水素イオンと酸素イオンとにイオン化させられて燃 焼室内におけるその水分の影響が排除され、燃料供給管においては遠赤外線によ って燃料のクラスタが細分化され、霧状燃料の表面積を増大させることにより着 火速度が速まり、完全燃焼に近い燃焼時間が得られるものと考えられる。これに より、排出黒煙の減少、オイルミストの減少、および騒音の低減等の効果が現れ 、その他にアイドリングの回転数の5(%)程度の上昇が見られる。また、何れに おいても遠赤外線による加熱効果も好適に作用しているものと考えられる。
【0008】
【第1考案の他の態様】 ここで、好適には、前記遠赤外線放射性粒子は、酸化アルミニウム、二酸化珪 素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化珪素、およびコーディエライト の少なくとも一種から成るものである。このようにすれば、これらのセラミック 粒子は何れも遠赤外線放射効率が比較的高いことから、内燃機関の燃焼特性を一 層改善し得る。
【0009】 また、好適には、前記遠赤外線放射性粒子は、セラミック紙の全質量に対して 50乃至80(%)の範囲内の割合で含まれるものである。このようにすれば、セラミ ック紙にはその強度が十分に高い範囲で遠赤外線放射性粒子が十分に多く含まれ ていることから、燃焼特性の改善効果が一層確実に得られる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】 また、前記目的を達成するための第2考案の内燃機関の燃焼改善用セラミック 筒の要旨とするところは、遠赤外線放射性材料が焼結させられて筒状を成し、内 燃機関の吸気管または燃料供給管の外周面にその内周面が向かう向きで固定して 用いられることにある。
【0011】
このようにすれば、セラミック筒は、遠赤外線放射性材料が筒状に焼結させら れて構成されるため、内燃機関の吸気管または燃料供給管の外周面に固定して用 いることにより、前記第1考案のセラミック紙の場合と同様に、その燃焼特性が 改善され、燃焼効率が高められると共に排出ガス中の黒煙が減少し、燃焼効率向 上に伴う排出黒煙総量の低減効果が得られる。そのため、内燃機関の経済性と低 公害性とについて容易に改善することができる。
【0012】
ここで、好適には、前記内周面は、前記吸気管または燃料供給管の外周面との 相互間隔が周期的に変化させられる凹凸面である。このようにすれば、内周面が 円筒状を成す場合に比較して、それら吸気管および燃料供給管に向かって遠赤外 線を放射する内周面の面積が大きくなるため、一層高い燃焼効率改善効果が得ら れる。
【0013】 また、好適には、前記セラミック筒は、周方向において分割された複数個の部 品から成るものである。このようにすれば、エンジン室内に設置された吸気管や 燃料供給管に容易にセラミック筒を装着することができる。一層好適には、周方 向における分割数は3である。このようにすれば、内周面が凹凸面に構成される 場合にも鋳込み成形等における成形型からの取り外しが容易になり、且つ、分割 数が著しく多くなることによる装着の手間の増大が無い。
【0014】 また、好適には、前記遠赤外線放射性材料は、酸化アルミニウム、二酸化珪素 、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化珪素、およびコーディエライトの 少なくとも一種から成るものである。これらのセラミック粒子は何れも遠赤外線 放射効率が比較的高いことから、内燃機関の燃焼特性を一層改善し得る。
【0015】 また、好適には、前記セラミック筒は、前記内周面にガラス膜が設けられてい るものである。このようにすれば、エンジン室内における振動や衝撃等に起因す るセラミック筒の損傷やその表面からのセラミック材料の剥離、或いは、特に燃 料供給管に用いられる場合においては、セラミック筒と擦れ合うことによるその 損傷が好適に抑制される。
【0016】
以下、本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。 図1は、本考案の一実施例のセラミック紙10の全体を示す平面図である。セ ラミック紙10は、例えば長さ寸法が140〜1000(mm)程度、幅寸法が100〜300(mm )程度の長方形状を成し、厚さ寸法が0.5(mm)程度の帯状物である。セラミック紙 10の表面性状は、抄紙プロセスの関係で、一面が平滑面、他面が目視で確認で きる程度に粗い凹凸面になっている。
【0017】 上記のセラミック紙10は、例えば、通常の抄紙工程において、脱水工程の前 にパルプ泥漿等の原料にセラミック粉末を混合して抄紙することにより製造した ものであり、パルプ繊維の組織中にそのセラミック粉末が略一様に分散して存在 する。セラミック粉末は、例えば、粒度分布が0.2〜11(μm)程度の範囲にあって 平均中心粒径が1(μm)程度で、66.6(%)程度(紙繊維とセラミック粉末との比が1 :2程度)の割合でセラミック紙10内に含まれている。このセラミック粉末は 、例えば、主成分としてアルミナ(Al2O3)を45(%)程度、シリカ(SiO2)を30(%)程 度、ジルコニア(ZrO2)を20(%)程度含み、1(%)程度以下の微量成分としてTiO2、K 2 O、HfO2、MgO、Fe2O3、CaO、Y2O3、P2O5、Cr2O3、SrO、BaO、NiO、CuO、ZnO、R b2O等を含む。
【0018】 図2は、上記のセラミック紙10が用いられる内燃機関の一例である自動車用 のディーゼル・エンジン12の要部構成を模式的に示す図である。エンジン12 には、燃料タンク14に蓄えられた燃料(例えば軽油)16を燃焼させるための 燃焼室18が備えられており、そのシリンダ・ヘッド20には、燃料供給管22 を経由して供給されるその燃料16を燃焼室18内に噴射するための燃料噴射ノ ズル24が取り付けられている。また、ヘッド20のノズル24の両側には、そ れぞれバルブ26,28を備えた吸気ポート30および排気ポート32が設けら れている。これらバルブ26,28は、その開閉作動により吸気管34および排 気管36を燃焼室18に択一的に接続させるものである。
【0019】 前記のセラミック紙10は、上記燃料供給管22および吸気管34の外周面に それらの流れ方向に幅方向が一致する向きで巻き付けられている。その巻付位置 は、燃料供給管22においては、例えば燃料タンク14と噴射ノズル24に燃料 16を高圧で供給するための噴射ポンプ38との間の2箇所(例えば、図示しな い燃料エレメントの入口および出口、或いは、燃料タンク14から燃料エレメン トまでの間)であり、吸気管34においては、エア・フィルタ40の前後3箇所 であって相互に100〜300(mm)程度離隔した位置である。なお、これらに巻き付け られたセラミック紙10の幅寸法および厚さ寸法は何れの位置のものも同様であ るが、長さ寸法は巻き付け対象物の太さに応じた長さとなっており、相対的に太 い吸気管34に長いものが巻き付けられている。例えば、排気量が4000(cc)未満 の車両においては、例えば幅寸法が100(mm)程度で吸気管34における長さ寸法 が300(mm)程度、燃料供給管22における長さ寸法が150(mm)程度である。また、 排気量が4000(cc)以上の車両においては、例えば幅寸法が150(mm)程度で吸気管 34における長さ寸法が500(mm)程度、燃料供給管22における長さ寸法が150(m m)程度である。
【0020】 なお、燃料供給管22および吸気管34におけるセラミック紙10の巻き付け 箇所数は、それら燃料供給管22および吸気管34の長さ寸法やエンジン12の 大きさ(排気量)等に応じて適宜変更できる。例えば、エンジン12の排気量が40 00(cc)程度以上の大型車の場合には、上述したように燃料供給管22の2箇所に セラミック紙10を巻き付けるが、4000(cc)程度未満の中、小型車の場合には上 記2箇所のうちの1箇所で十分であり、2箇所につけても効果は変わらない。燃 料供給管22の太さは気筒容量に拘わらず一定であることから、その中を流れる 燃料の流速は気筒容量に応じて変わるため、その流速に応じて巻付け箇所数が決 定される。また、吸気管34においては、空気が遠赤外線により活性化される機 会を可及的に多くするために、少なくとも3枚以上、例えば上述したように3枚 を100(mm)程度以上の間隔を以て巻き付けることが望ましいが、2枚或いは1枚 であっても差し支えない。吸気管34に2枚以上を巻き付ける場合において、そ の巻き付け位置は、エア・フィルタ40の前後の如何なる位置でも良いが、エン ジンのシリンダに近い位置に多くの枚数を巻き付けるほど高い効果を得ることが できる。
【0021】 図3は、上記のセラミック紙10の取付状態を説明するための吸気管34の一 部を拡大して示す図であり、図4は、吸気管34の流れ方向に垂直な断面を示し た図である。セラミック紙10は、例えば図4に示されるようにその長さ方向に おける両端部が重なり、或いは、2〜3重程度に全体が重なった状態で巻き付け られている。そして、このように巻き付けられた状態でその全体がアルミ箔等の 金属箔42等で覆われ、更に、ロックバンド44で締めつけられることによって 固定されている。金属箔42は、セラミック紙10から放射される遠赤外線を内 側すなわち吸気管34に向かって反射してその利用効率を高めると共に、セラミ ック紙10の防水および防火の目的等で設けられたものである。そのため、セラ ミック紙10よりも幅寸法および長さ寸法とも僅かに大きい寸法のものが、光沢 のある光反射率の高い面が内側に向かう向きで巻き付けられている。また、ロッ クバンド44は、セラミック紙10を確実に固定すると共に、その吸気管34と の密着性を高めるためのものであり、締めつけ箇所数は3箇所程度である。
【0022】 次に、以上のようにセラミック紙10が取り付けられたエンジン12の評価結 果を説明する。下記の表1は、2000(cc)程度の排気量の車両、例えばマツダ ボ ンゴ2000ディーゼルターボにセラミック紙10を取り付けて走行試験を行った結 果を示したものであり、表2は、2500(cc)程度の排気量の車両、例えば三菱 パ ジェロ2500ディーゼルターボにセラミック紙10を取り付けて走行試験を行った 結果を示したものである。両表において、「年/月」は、評価を行った年(平成 年号による)および月を表し、「走行距離」は各月の総走行距離であり、「給油 量」は各月に消費した燃料(軽油)量に相当し、「平均燃費」は、走行距離を給 油量で除した値である。また、「装着」とは、セラミック紙10を前記図2乃至 4に示されるように取り付けたことを意味する。なお、表1の評価には、評価開 始時における積算走行距離が20(km)の新車を用いた。また、表2においては、装 着前の燃費は平均値で5.5〜6.0(km/l)程度であった。
【0023】 [表1]年/月 走行距離 給油量 平均燃費 特記事項 11/01 1444(km) 157.3(l) 9.17(km/l) 初期積算距離20(km) /02 2770 274.4 9.92 /03 2777 279.1 9.95 3/26 燃料供給管に装着 /04 3486 313.8 11.10 /05 2761 249.5 11.07 /06 2905 233.5 10.54 6/15 エアコン使用開始 /07 2905 298.9 9.71 /08 2853 287.9 9.91 8/9,23 はエアコン不使用 /09 2329 231.0 10.08 9/22 エアコン使用中止 /10 2973 276.9 10.74 10/2 吸気管に装着 /11 3418 315.6 10.80 11/5 タイヤ4本交換 /12 3345 314.1 10.65 12/01 2917 274.0 10.64 1/7 アルミ箔を銅箔に変更 /02 2739 256.7 10.67 /03 2603 264.0 9.86 3/1 燃料、吸気系共に外す /04 3314 337.0 9.83 /05 2326 217.0 10.72 5/3 再装着 /06 2930 253.5 10.77
【0024】 [表2]年/月 走行距離 給油量 平均燃費 特記事項 11/09 910(km) 133.36(l) 6.82(km/l) 9/16 燃料供給管に装着 /10 2805 385.94 7.27 10/22 吸気管に装着 /11 2021 268.20 7.55 /12 2299 284.29 8.09 12/01 1394 168.86 8.26 /02 2016 239.75 8.41 2/15 タイヤ4 本交換 /03 2581 324.28 7.96 /04 2415 332.08 7.27 /05 1594 238.83 6.67 5/1 車検、エアコン使用開始 /06 1915 287.18 6.67 6/5 オイル交換
【0025】 また、下記の表3,4は、運送用の4tonトラック車両に、上記の車両と同様 にセラミック紙10を用いた場合の結果を示したものである。これらの表に示す 評価では、1日毎の走行距離と給油量、平均燃費を測定した。セラミック紙10 の装着前の燃費は、表3の車両が5.6(km/l)程度であり、表4に示す車両が5.5(k m/l)程度である。
【0026】 [表3]年/月/日 走行距離 給油量 平均燃費 12/08/03 363(km) 58(l) 6.2(km/l) /04 170 28 6.1 /08 2429 386 6.3 /10 1052 148 7.1 /14 494 81 6.1 /17 1152 175 6.6 /20 1195 190 6.3 /22 763 117 6.5 /25 2935 451 6.5 /28 1088 173 6.3
【0027】 [表4]年/月/日 走行距離 給油量 平均燃費 12/08/07 2216(km) 358(l) 6.2(km/l) /11 499 82 6.1 /18 1010 157 6.4 /23 1121 172 6.5 /25 441 75 5.9 /28 1611 256 6.3
【0028】 上記の表1乃至4に示される評価結果から、本実施例のセラミック紙10を燃 料供給管22および吸気管34の何れかに取り付けることにより、顕著な燃費改 善効果が得られることが判る。例えば、表1に示す車両においては、燃料系への 装着によって1.0(km/l)程度、すなわち10(%)程度は燃焼効率が向上した。なお、 これに加えて吸気系にも装着したときには、燃焼効率の更なる改善は認められな かったが、加速能力等の走行性能が高められた。燃焼効率(燃費)は走行状態や経 時的変化を含む車両の状態等によってばらつくものであるが、平成11年3月の装 着直後および平成12年3月取り外し直後の燃費の変化を見れば、セラミック紙1 0を取り付ける効果は明らかである。また、表3に示す車両においては、燃費が 5.6(km/l)程度から6.4(km/l)程度に15(%)程度向上し、表4に示す車両において は、燃費が5.5(km/l)程度から6.3(km/l)程度に13(%)程度向上した。また、セラ ミック紙10を覆うアルミ箔を銅箔に変更しても燃費改善効果は同様に得られた 。また、表2に示す車両においても、燃料系への装着によって燃費が10(%)以上 改善し、吸気系に装着することで燃費が更に5(%)以上改善した。
【0029】 また、図5は、セラミック紙10の装着による排出ガス中の黒煙低減効果を確 かめるために行った評価を説明するための図である。この評価は、例えば(株)イ ヤサカ製ディーゼルスモークメータを用いて行った。ディーゼルスモークメータ は、マフラーから一定量の排気ガスをポンプで吸引して濾紙に付着させ、その濾 紙に光を照射して反射光量によって黒煙付着量延いては排気ガス中の黒煙量を測 定するものであり、測定値は、0〜100(%)の範囲の「汚染度」として得られる。 各図に付した数値は、この汚染度である。評価には、例えば、三菱ふそう製路線 バスを用いた。(a)にはセラミック紙10の装着前の、(b)にはセラミック紙10 の装着直後の黒煙の付着状況および汚染度をそれぞれ示している。評価日は何れ も平成11年12月22日である。装着前には汚染度が平均で34(%)程度であったもの が、装着直後に26(%)程度と、装着前に対して76.47(%)程度の値に減少している ことが判る。また、(c)は装着から3箇月後の平成12年3月20日に同様に測定した 結果を示しており、装着直後の(b)と同程度、平均値で見れば僅かながらも更に 減少するとの結果が得られた。なお、図示はしないが、セラミック紙10を装着 後3000(km)程度走行した後には、黒煙が装着前の60(%)程度まで減少した。これ は、燃焼室内に存在した燃え残りが徐々に少なくなったためと考えられる。
【0030】 要するに、本実施例によれば、セラミック紙10は、遠赤外線放射性粒子がパ ルプ繊維組織内に分散されたものであるため、エンジン12の吸気管34および 燃料供給管22に巻回固定して用いることによりその燃焼特性が改善され、燃焼 効率が高められると共に排出ガス中の黒煙が減少する。そのため、エンジン12 を搭載した車両の経済性と低公害性とについて容易に改善することができるので ある。このとき、そのエンジン12の燃焼改善は、その吸気系、燃料供給系、お よび排気系の流路上に何ら障害物を配置すること無く実現されることから、パテ ィキュレート等の捕集装置を流路上に設ける場合のような低公害性を高めること に伴う燃焼効率の悪化は生じ得ないため、燃焼効率の悪化によって燃料消費量が 増大し延いては排出ガスの総排出量が増大する弊害は生じない。
【0031】 次に、本考案の他の実施例を説明する。図6は、前記のセラミック紙10に代 えて燃料供給管22および吸気管34の外周面に固定されるセラミック筒46を 示す図である。図において、セラミック筒46は、例えば外径が35〜50(mm)程度 、例えば40(mm)程度、内径が13〜20(mm)程度、例えば18(mm)程度で、長さ寸法が 100〜150(mm)程度、例えば120(mm)程度の大きさを備えている。なお、燃料供給 管22等への装着状態においては、セラミック筒46はその外周面が金属箔42 で覆われ、セラミック紙10と同様にロックバンド44で3〜4箇所が固定される 。また、取付位置は、振動防止のためにステーの近傍が望ましい。
【0032】 上記のセラミック筒46は、その周方向において分割された図7に示されるよ うな断面円弧状の複数(実施例では3個)の部品48で構成されている。部品48 は、その周方向の一対の端面50が他の部品48の端面50と相互に当接させら れるように燃料供給管22等の外周面に接触状態で配置され、外周面に金属箔4 2が巻き付けられることにより、全体として円筒状を成した図6に示される状態 で装着される。
【0033】 上記の部品48は、例えば前記のセラミック紙10に含まれるセラミック粉末 と同様な材料を用いて鋳込み成形等によって所定の形状に成形した後、その材料 固有の焼成温度で加熱処理を施し、更に表面全体にガラス膜(釉)を設けることに より製造されたものである。そのため、セラミック筒46からも高効率で遠赤外 線が放射されることから、このようなセラミック筒46を用いることによっても 、前記のセラミック紙10を用いた場合と同様にエンジン12の燃焼効率が向上 させられる。
【0034】 なお、図7において、セラミック筒46の部品48の内周面52には、その軸 心方向に沿って複数本(例えば12本)の周溝54が略等間隔で設けられると共に、 その軸心方向に沿って複数本(例えば2本)の縦溝56が設けられている。周溝5 4の中心間隔(ピッチ)は例えば9(mm)程度であり、その幅寸法は5(mm)程度、深さ 寸法は2〜3(mm)程度である。また、縦溝56は、その周溝54が設けられること により軸心方向において周期的に形成された凸部58を略3分割する位置におい て、周溝54と略同様な幅寸法および深さ寸法で設けられている。このため、部 品48の内周面52延いてはセラミック筒46の内周面は、周期的な凹凸形状と なっており、図6に示されるような装着状態において、燃料供給管22等の外周 面と内周面52との相互間隔は周期的に変化する。この内周面52上の凹凸は、 燃料供給管22に向かう遠赤外線の放射面を増大させるためのものである。
【0035】 なお、セラミック筒46には、その外周面も内周面52と同様な凹凸面になっ ている。また、表面に施されたガラス膜は、エンジン室内における振動や衝撃等 に起因するセラミック筒46の損傷やその表面からのセラミック材料の剥離、或 いは、特に燃料供給管22に用いられる場合においては、セラミック筒46と擦 れあうことによるその損傷を抑制するためのものである。
【0036】 以上、本考案の一実施例を詳細に説明したが、本考案は、更に別の態様でも実 施される。
【0037】 例えば、実施例においては、セラミック紙10に平均中心粒径1(μm)程度の遠 赤外線放射性粒子が66(%)程度の割合で含まれていたが、その粒径や含有率は、 その遠赤外線放射性粒子の種類や必要特性等に応じて適宜変更することができる 。
【0038】 また、実施例においては、セラミック紙10に含まれ或いはセラミック筒46 を構成する遠赤外線放射性粒子がアルミナ、シリカ、およびジルコニアを主成分 とするものであったが、これらに代えて、或いはこれらに加えて、遠赤外線放射 効率の高い他のセラミック粒子、例えば酸化マグネシウム、炭化珪素、コーディ エライト等が用いられてもよい。
【0039】 また、実施例においては、セラミック紙10が140〜1000(mm)程度×100〜300( mm)程度×0.5(mm)程度の大きさに、セラミック筒46が40×18×120(mm)程度の 大きさにそれぞれ構成されていたが、それらの大きさは取付対象となる燃料供給 管22や吸気管34の直径および長さ寸法、或いは必要な遠赤外線の放射量等に 応じて適宜変更される。また、セラミック筒46の内周面52および外周面の凹 凸は必ずしも設けられていなくともよい。また、その分割数は、実施例に示した 3個に限られず、用途や製造上の都合に応じて適宜変更でき、分割されていない 形状に構成することもできる。
【0040】 また、実施例においては、車両用のディーゼル・エンジン12に用いられるセ ラミック紙10およびセラミック筒46に本考案が適用された場合について説明 したが、対象物に応じた大きさに構成することにより、船舶用その他の用途のデ ィーゼル・エンジンにも同様に用いることができる。また、ディーゼル・エンジ ン12の他、ガソリン・エンジン等の他の内燃機関に適用した場合にも、ディー ゼル・エンジン12の場合と同様な作用によって燃費改善および黒煙減少等の同 様な効果を得ることができる。
【0041】 また、セラミック紙10およびセラミック筒46の取付位置は、燃料供給管2 2および吸気管34上に限定されるものではない。セラミック紙10においては 、例えば燃料供給管22に取付が困難な場合には、燃料タンク14等に両面テー プ等を用いて貼り着け、更にその上に金属箔42を同様にして貼り付けて用いて もよい。セラミック紙10の装着効果は、燃料供給経路および空気供給経路上に 固定すれば得ることができる。
【0042】 また、実施例においては、セラミック紙10を燃料供給管22の噴射ポンプ3 8と燃料タンク14との間の位置に巻き付けていたが、噴射ポンプ38よりもシ リンダ側の位置において、個々のシリンダ毎に取り付けても差し支えない。
【0043】 その他、一々例示はしないが、本考案は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変 更を加えた態様で実施することができる。
【図1】本考案のセラミック紙の全体を示す平面図であ
る。
る。
【図2】図1のセラミック紙が装着されたディーゼル・
エンジンの構成を説明するための模式図である。
エンジンの構成を説明するための模式図である。
【図3】図2のディーゼル・エンジンの吸気管における
セラミック紙の取付状態を詳細に説明する図である。
セラミック紙の取付状態を詳細に説明する図である。
【図4】図3における吸気管の流れ方向に垂直な断面に
対応する図である。
対応する図である。
【図5】(a)〜(c)は、本考案のセラミック紙を用いるこ
とによる黒煙低減効果を説明する図である。
とによる黒煙低減効果を説明する図である。
【図6】本考案の他の実施例のセラミック筒を示す図で
ある。
ある。
【図7】図6のセラミック筒を構成する部品の一つを示
す図である。
す図である。
10:セラミック紙 34:吸気管
Claims (9)
- 【請求項1】 遠赤外線放射性粒子が繊維組織内に分散
させられて成り、内燃機関の吸気管または燃料供給管に
巻回固定して用いられることを特徴とする内燃機関の燃
焼改善用セラミック紙。 - 【請求項2】 前記遠赤外線放射性粒子は、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニ
ウム、炭化珪素、およびコーディエライトの少なくとも
一種から成るものである請求項1の内燃機関の燃焼改善
用セラミック紙。 - 【請求項3】 前記遠赤外線放射性粒子は、セラミック
紙の全質量に対して50乃至80(%)の範囲内の割合で含ま
れるものである請求項1の内燃機関の燃焼改善用セラミ
ック紙。 - 【請求項4】 前記遠赤外線放射性粒子は、セラミック
紙の全質量に対して50乃至80(%)の範囲内の割合で含ま
れるものである請求項2の内燃機関の燃焼改善用セラミ
ック紙。 - 【請求項5】 遠赤外線放射性材料が焼結させられて筒
状を成し、内燃機関の吸気管または燃料供給管の外周面
にその内周面が向かう向きで固定して用いられることを
特徴とする内燃機関の燃焼改善用セラミック筒。 - 【請求項6】 前記内周面は、前記吸気管または燃料供
給管の外周面との相互間隔が周期的に変化させられる凹
凸面である請求項5の内燃機関の燃焼改善用セラミック
筒。 - 【請求項7】 周方向において分割された複数個の部品
から成るものである請求項5の内燃機関の燃焼改善用セ
ラミック筒。 - 【請求項8】 前記遠赤外線放射性材料は、酸化アルミ
ニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニ
ウム、炭化珪素、およびコーディエライトの少なくとも
一種から成るものである請求項5の内燃機関の燃焼改善
用セラミック筒。 - 【請求項9】 前記内周面にガラス膜が設けられている
ものである請求項5の内燃機関の燃焼改善用セラミック
筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000009074U JP3078540U (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 内燃機関の燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000009074U JP3078540U (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 内燃機関の燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3078540U true JP3078540U (ja) | 2001-07-10 |
Family
ID=43211465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000009074U Expired - Lifetime JP3078540U (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 内燃機関の燃焼改善用セラミック紙およびセラミック筒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3078540U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015169087A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 株式会社ヨシハラ | 車両性能向上シート |
KR20190091031A (ko) * | 2018-01-26 | 2019-08-05 | 최용동 | 매연저감장치 |
-
2000
- 2000-12-22 JP JP2000009074U patent/JP3078540U/ja not_active Expired - Lifetime
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KR20190091031A (ko) * | 2018-01-26 | 2019-08-05 | 최용동 | 매연저감장치 |
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