JP3078077B2 - 放射性核種の吸着材及び放射性廃液の処理方法 - Google Patents
放射性核種の吸着材及び放射性廃液の処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性核種を吸着する
のに有用な吸着材及び放射性廃液の処理方法に関するも
のである。
のに有用な吸着材及び放射性廃液の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所で発生する使用済み核燃料
を再処理する施設の各種廃液の中には、セシウム等の長
寿命β、γ核種、ウラン、プルトニウム等の放射性核種
(以下、TRU核種という。)が含まれている。これら
の放射性廃液の処理においては、被曝を低減するために
廃液中の放射性核種を分離除去し、放射線レベルを低減
することが必要である。
を再処理する施設の各種廃液の中には、セシウム等の長
寿命β、γ核種、ウラン、プルトニウム等の放射性核種
(以下、TRU核種という。)が含まれている。これら
の放射性廃液の処理においては、被曝を低減するために
廃液中の放射性核種を分離除去し、放射線レベルを低減
することが必要である。
【0003】従来、一般廃液中の金属の除去には、イオ
ン交換樹脂やキレート樹脂が使用されている。しかし、
放射性廃液の場合、有機高分子からなるイオン交換樹脂
やキレート樹脂は放射線による化学的作用により劣化し
やすく使用できないという問題がある。また、たとえ使
用できてもその選択性に問題があり、例えば多量のウラ
ン廃液中に含まれる、微量のプルトニウム等のTRU核
種を選択的に確実に分離除去できる吸着材あるいは処理
方法がないのが現状である。
ン交換樹脂やキレート樹脂が使用されている。しかし、
放射性廃液の場合、有機高分子からなるイオン交換樹脂
やキレート樹脂は放射線による化学的作用により劣化し
やすく使用できないという問題がある。また、たとえ使
用できてもその選択性に問題があり、例えば多量のウラ
ン廃液中に含まれる、微量のプルトニウム等のTRU核
種を選択的に確実に分離除去できる吸着材あるいは処理
方法がないのが現状である。
【0004】放射線に対する耐久性のある吸着材として
は無機系の吸着材が考えられるが、吸着性の優れたもの
は得られていないのが現状である。一方、有機物の母体
に無機系官能基を担持させた吸着材として、特開昭61−
4530号公報には、アクリル繊維にフェロシアン酸塩を担
持させた吸着剤が提案されている。しかし、この官能基
はTRU核種の選択的吸着性がなく、さらに母体が有機
物のため耐久性に問題があった。
は無機系の吸着材が考えられるが、吸着性の優れたもの
は得られていないのが現状である。一方、有機物の母体
に無機系官能基を担持させた吸着材として、特開昭61−
4530号公報には、アクリル繊維にフェロシアン酸塩を担
持させた吸着剤が提案されている。しかし、この官能基
はTRU核種の選択的吸着性がなく、さらに母体が有機
物のため耐久性に問題があった。
【0005】また、特公昭60-51491号公報には、アミノ
メチルホスホン酸系の官能基を有するフェノール系キレ
ート樹脂が提案され、ウランの吸着に優れることが記載
されているが、この樹脂は多量のウラン中のプルトニウ
ムを選択的に吸着する能力がなかった。
メチルホスホン酸系の官能基を有するフェノール系キレ
ート樹脂が提案され、ウランの吸着に優れることが記載
されているが、この樹脂は多量のウラン中のプルトニウ
ムを選択的に吸着する能力がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
吸着材は、いずれも放射線に対して耐久性に問題があ
り、放射性廃液中のTRU核種を選択的に吸着できない
という問題があった。本発明は、放射線に対して耐久性
があり、しかもTRU核種を選択的に吸着可能な放射性
核種の吸着材と放射性廃液の処理方法を提供することを
技術的な課題とするものである。
吸着材は、いずれも放射線に対して耐久性に問題があ
り、放射性廃液中のTRU核種を選択的に吸着できない
という問題があった。本発明は、放射線に対して耐久性
があり、しかもTRU核種を選択的に吸着可能な放射性
核種の吸着材と放射性廃液の処理方法を提供することを
技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、無機系の骨格
を持つ粉粒状活性炭あるいは繊維状活性炭にアミノメチ
ルホスホン酸系官能基を添着した吸着材は放射線に対す
る耐久性に優れ、しかもウラン廃液中に含まれる微量の
プルトニウム等のTRU核種を選択的に、かつ確実に分
離除去できることを見い出して本発明に到達した。
な課題を解決するために鋭意検討の結果、無機系の骨格
を持つ粉粒状活性炭あるいは繊維状活性炭にアミノメチ
ルホスホン酸系官能基を添着した吸着材は放射線に対す
る耐久性に優れ、しかもウラン廃液中に含まれる微量の
プルトニウム等のTRU核種を選択的に、かつ確実に分
離除去できることを見い出して本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、次の構成を有するも
のである。 (1) 比表面積が 600m2/g以上の活性炭にアミノメチル
ホスホン酸系官能基を添着してなることを特徴とする放
射性核種の吸着材。
のである。 (1) 比表面積が 600m2/g以上の活性炭にアミノメチル
ホスホン酸系官能基を添着してなることを特徴とする放
射性核種の吸着材。
【0009】(2) 放射性廃液中に含まれるTRU核種を
分離除去するに際し、上記(1) の吸着材で処理すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
分離除去するに際し、上記(1) の吸着材で処理すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
【0010】(3) 放射性廃液を比表面積が 600m2/g以
上の繊維状活性炭と上記(1) のの吸着材で処理すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
上の繊維状活性炭と上記(1) のの吸着材で処理すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明の吸着材は、比表面積が 600m2/g
以上の活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基を添着
したものであるが、吸着材を構成する活性炭は、粉末
状、粒状、繊維状のいずれでもよく、また活性炭の原料
は、木材、椰子殻、石炭、タールピッチ、レーヨンやア
クリル繊維等の有機繊維のいずれでもよい。中でも繊維
状活性炭は比表面積が大きいものが製造可能で、しかも
シート、カートリッジ、成形物等に容易に成形すること
ができるので好ましく用いられる。
以上の活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基を添着
したものであるが、吸着材を構成する活性炭は、粉末
状、粒状、繊維状のいずれでもよく、また活性炭の原料
は、木材、椰子殻、石炭、タールピッチ、レーヨンやア
クリル繊維等の有機繊維のいずれでもよい。中でも繊維
状活性炭は比表面積が大きいものが製造可能で、しかも
シート、カートリッジ、成形物等に容易に成形すること
ができるので好ましく用いられる。
【0013】また、添着に供する活性炭の比表面積は 6
00m2/g以上が必要であり、比表面積は大きい方が吸着
量が増大し好ましく、実用的には1500〜2500m2/gのも
のが特に好ましい。添着に供する活性炭の比表面積が 6
00m2/g未満では吸着量が低く、使用できない。なお,
活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基を添着した吸
着材の比表面積は添着前より小さくなるが、添着後にお
いても比表面積は 300m2/g以上あることが好ましい。
00m2/g以上が必要であり、比表面積は大きい方が吸着
量が増大し好ましく、実用的には1500〜2500m2/gのも
のが特に好ましい。添着に供する活性炭の比表面積が 6
00m2/g未満では吸着量が低く、使用できない。なお,
活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基を添着した吸
着材の比表面積は添着前より小さくなるが、添着後にお
いても比表面積は 300m2/g以上あることが好ましい。
【0014】本発明の吸着材において、活性炭に添着さ
れたアミノメチルホスホン酸系官能基は、一級及び/又
は二級のアルキルアミノ基のチッ素原子に直結した水素
原子の一部又は全部をメチレンホスホン酸基で置換した
ものである。製造方法としては、エチレンジアミンある
いはポリエチレンイミンとホルマリン、亜燐酸との反
応、化1で示されるサリチルアミンやp−ヒドロキシベ
ンジルアミン等とホルマリン、亜燐酸との反応、メチロ
ール化フェノールにポリエチレンイミンを反応させたも
のとホルマリン、亜燐酸との反応等を採用することがで
きる。
れたアミノメチルホスホン酸系官能基は、一級及び/又
は二級のアルキルアミノ基のチッ素原子に直結した水素
原子の一部又は全部をメチレンホスホン酸基で置換した
ものである。製造方法としては、エチレンジアミンある
いはポリエチレンイミンとホルマリン、亜燐酸との反
応、化1で示されるサリチルアミンやp−ヒドロキシベ
ンジルアミン等とホルマリン、亜燐酸との反応、メチロ
ール化フェノールにポリエチレンイミンを反応させたも
のとホルマリン、亜燐酸との反応等を採用することがで
きる。
【0015】
【化1】
【0016】この官能基の活性炭への添着は、原料段階
で活性炭も添加して反応させる方法、一部反応後活性炭
を添加して反応を進める方法、反応生成物を活性炭に吸
着させる方法等を採用することができる。また,アミノ
メチルホスホン酸系官能基を添着する際の活性炭の形態
は特に限定されるものではなく、シート状やカートリッ
ジ状に成形されたものでもよい。
で活性炭も添加して反応させる方法、一部反応後活性炭
を添加して反応を進める方法、反応生成物を活性炭に吸
着させる方法等を採用することができる。また,アミノ
メチルホスホン酸系官能基を添着する際の活性炭の形態
は特に限定されるものではなく、シート状やカートリッ
ジ状に成形されたものでもよい。
【0017】活性炭へのアミノメチルホスホン酸系官能
基の添着量は、活性炭1kg当りホスホン酸のリン量で10
mg以上が好ましい。添着量が多いほど核種のイオン的吸
着量は増大するが、活性炭の細孔が塞がれ、物理的吸着
量は減少するため、廃液中に存在する核種の種類、廃液
の状態等に応じて添着量を調整する。
基の添着量は、活性炭1kg当りホスホン酸のリン量で10
mg以上が好ましい。添着量が多いほど核種のイオン的吸
着量は増大するが、活性炭の細孔が塞がれ、物理的吸着
量は減少するため、廃液中に存在する核種の種類、廃液
の状態等に応じて添着量を調整する。
【0018】次に、本発明の放射性廃液の処理方法につ
いて説明する。本発明の第1の方法は、アミノメチルホ
スホン酸系官能基を添着した活性炭で放射性廃液を処理
することである。アミノメチルホスホン酸系官能基を添
着することにより、通常の活性炭でも優れた選択性を有
するようになる。繊維状活性炭に上記の官能基を添着し
た吸着材は、活性はさらに選択吸着性が増大するので好
ましい。
いて説明する。本発明の第1の方法は、アミノメチルホ
スホン酸系官能基を添着した活性炭で放射性廃液を処理
することである。アミノメチルホスホン酸系官能基を添
着することにより、通常の活性炭でも優れた選択性を有
するようになる。繊維状活性炭に上記の官能基を添着し
た吸着材は、活性はさらに選択吸着性が増大するので好
ましい。
【0019】本発明の第2の方法は、繊維状活性炭と、
アミノメチルホスホン酸系官能基を添着した活性炭で放
射性廃液を処理することである。繊維状活性炭で吸着さ
れるものと、官能基を添着した活性炭により吸着される
ものは若干異なるので、両者で処理すると、その相乗効
果により、吸着率と選択吸着性の向上を図ることができ
る。この理由は、例えば、第1段は繊維状活性炭、第2
段のアミノメチルホスホン酸系官能基を含有した活性炭
で処理する場合、第1段の繊維状活性炭は、廃液の中に
含まれる微量の有機物とプルトニウム等のTRU核種と
の錯体形成物を吸着し、第2段のアミノメチルホスホン
酸系官能基を含有した活性炭は、官能基の効果によりウ
ランに比べてプルトニウム等のTRU核種を選択的に吸
着するためと思われる。
アミノメチルホスホン酸系官能基を添着した活性炭で放
射性廃液を処理することである。繊維状活性炭で吸着さ
れるものと、官能基を添着した活性炭により吸着される
ものは若干異なるので、両者で処理すると、その相乗効
果により、吸着率と選択吸着性の向上を図ることができ
る。この理由は、例えば、第1段は繊維状活性炭、第2
段のアミノメチルホスホン酸系官能基を含有した活性炭
で処理する場合、第1段の繊維状活性炭は、廃液の中に
含まれる微量の有機物とプルトニウム等のTRU核種と
の錯体形成物を吸着し、第2段のアミノメチルホスホン
酸系官能基を含有した活性炭は、官能基の効果によりウ
ランに比べてプルトニウム等のTRU核種を選択的に吸
着するためと思われる。
【0020】第2の方法で使用する繊維状活性炭は、本
発明の吸着材を得るために添着に供する繊維状活性炭と
同様に比表面積は 600m2/g以上が必要であり、特に15
00〜2500m2/gのものが好ましい。
発明の吸着材を得るために添着に供する繊維状活性炭と
同様に比表面積は 600m2/g以上が必要であり、特に15
00〜2500m2/gのものが好ましい。
【0021】本発明において、放射性廃液を処理する際
の具体的手段は、従来のいずれの手段を採用してもよ
い。例えば、吸着槽によるバッチ法、吸着塔によるカラ
ム通液法あるいはそれらを併用したもの等を利用するこ
とができる。また、吸着材をシートやカートリッジ等に
成形し、それを利用した通液方法を採用してもよい。一
般にはカラム通液法やカートリッジ通液法が好ましい
が、粉末状の活性炭に添着した吸着材を使用する場合
は、バッチ法が好ましく用いられる。
の具体的手段は、従来のいずれの手段を採用してもよ
い。例えば、吸着槽によるバッチ法、吸着塔によるカラ
ム通液法あるいはそれらを併用したもの等を利用するこ
とができる。また、吸着材をシートやカートリッジ等に
成形し、それを利用した通液方法を採用してもよい。一
般にはカラム通液法やカートリッジ通液法が好ましい
が、粉末状の活性炭に添着した吸着材を使用する場合
は、バッチ法が好ましく用いられる。
【0022】カラム通液法においては、吸着塔に吸着材
を充填して放射性廃液を通液するが、吸着材の充填層の
厚みは 200mm以上で, 特に 500〜2000mmとすることが好
ましい。充填層の厚さが 200mm未満では、リークによる
漏れが生じやすくて好ましくない。通液速度は液の性状
により異なるが、SV(空間速度)0.5hr-1以上で,特
に1〜10hr-1とすることが好ましい。
を充填して放射性廃液を通液するが、吸着材の充填層の
厚みは 200mm以上で, 特に 500〜2000mmとすることが好
ましい。充填層の厚さが 200mm未満では、リークによる
漏れが生じやすくて好ましくない。通液速度は液の性状
により異なるが、SV(空間速度)0.5hr-1以上で,特
に1〜10hr-1とすることが好ましい。
【0023】カートリッジ通液法は、円筒状あるいは円
柱状に成形したカートリッジをハウジングケースにセッ
トし、通液する方法である。カートリッジの場合、装
着、脱着の取扱いが容易となり、使用済みカートリッジ
の廃棄処理も簡単で、特に放射性物質を扱う場合には非
常に有効である。カートリッジの成形方法は、例えば、
繊維状活性炭を湿式成形する方法、抄紙法あるいは乾式
法で粒状又は粉末活性炭を有機バインダーとともにシー
トに成形したり、あるいは繊維状活性炭シートを成形
し、それを巻き固めてカートリッジにする方法等があ
る。カートリッジに成形する場合は、若干量の無機バイ
ンダーや有機バインダーを配合することもできる。
柱状に成形したカートリッジをハウジングケースにセッ
トし、通液する方法である。カートリッジの場合、装
着、脱着の取扱いが容易となり、使用済みカートリッジ
の廃棄処理も簡単で、特に放射性物質を扱う場合には非
常に有効である。カートリッジの成形方法は、例えば、
繊維状活性炭を湿式成形する方法、抄紙法あるいは乾式
法で粒状又は粉末活性炭を有機バインダーとともにシー
トに成形したり、あるいは繊維状活性炭シートを成形
し、それを巻き固めてカートリッジにする方法等があ
る。カートリッジに成形する場合は、若干量の無機バイ
ンダーや有機バインダーを配合することもできる。
【0024】
【作用】本発明においては、吸着材として、優れた選択
吸着性と耐久性を有するアミノメチルホスホン酸系官能
基を添着した活性炭を使用することにより、放射性核種
を含有する廃液、特にウラン廃液中からプルトニウムな
どのTRU核種を選択的に吸着処理することが可能とな
り、従来困難であった放射性廃液を容易に処理すること
ができる。
吸着性と耐久性を有するアミノメチルホスホン酸系官能
基を添着した活性炭を使用することにより、放射性核種
を含有する廃液、特にウラン廃液中からプルトニウムな
どのTRU核種を選択的に吸着処理することが可能とな
り、従来困難であった放射性廃液を容易に処理すること
ができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0026】実施例1 分子量約 600のポリエチレンイミン24重量部、亜燐酸16
重量部、37%ホルマリン45重量部、98%硫酸1重量部を
室温で混合し、溶解して均一な液を得た。次いで、容量
5リットルの容器に、繊維状活性炭(ユニチカ社製A−
20:比表面積2116m2/g)100gと上記の液及び繊維状活
性炭が浸漬するだけの水を加え、撹拌しながら 120℃で
3時間反応させた。その後、反応物をろ過、洗浄した
後、乾燥してアミノメチルホスホン酸系官能基添着繊維
状活性炭を得た。この吸着材は、官能基の添着量がリン
量で9.1g/kg、比表面積が1360m2/gであった。
重量部、37%ホルマリン45重量部、98%硫酸1重量部を
室温で混合し、溶解して均一な液を得た。次いで、容量
5リットルの容器に、繊維状活性炭(ユニチカ社製A−
20:比表面積2116m2/g)100gと上記の液及び繊維状活
性炭が浸漬するだけの水を加え、撹拌しながら 120℃で
3時間反応させた。その後、反応物をろ過、洗浄した
後、乾燥してアミノメチルホスホン酸系官能基添着繊維
状活性炭を得た。この吸着材は、官能基の添着量がリン
量で9.1g/kg、比表面積が1360m2/gであった。
【0027】得られた添着繊維状活性炭1gを、ウラン
(U)濃度 432mg/ml、プルトニウム(Pu)濃度1.2
×10-3mg/mlのウラン廃液20ml中に浸漬し、24時間吸着
処理を行った。その結果、Puの吸着率は60%、Uの吸
着率は20%であった。
(U)濃度 432mg/ml、プルトニウム(Pu)濃度1.2
×10-3mg/mlのウラン廃液20ml中に浸漬し、24時間吸着
処理を行った。その結果、Puの吸着率は60%、Uの吸
着率は20%であった。
【0028】実施例2 フェノール35重量部、ジエチレントリアミン15重量部、
亜燐酸26重量部、37%ホルマリン 115重量部、98%硫酸
63重量部を室温で混合し、溶解して均一な液を得た。次
いで、容量5リットルの容器に、椰子殻活性炭(粒状:
比表面積 900m2/g)150gと上記の液及び活性炭が浸漬
するだけの水を加えた後、撹拌しながら120℃で3時間
反応させた。その後、反応物をろ過、洗浄した後、乾燥
してアミノメチルホスホン酸系官能基添着活性炭を得
た。この吸着材は、官能基の添着量がリン量で10.5g/
kg、比表面積が 380m2/gであった。
亜燐酸26重量部、37%ホルマリン 115重量部、98%硫酸
63重量部を室温で混合し、溶解して均一な液を得た。次
いで、容量5リットルの容器に、椰子殻活性炭(粒状:
比表面積 900m2/g)150gと上記の液及び活性炭が浸漬
するだけの水を加えた後、撹拌しながら120℃で3時間
反応させた。その後、反応物をろ過、洗浄した後、乾燥
してアミノメチルホスホン酸系官能基添着活性炭を得
た。この吸着材は、官能基の添着量がリン量で10.5g/
kg、比表面積が 380m2/gであった。
【0029】得られた添着活性炭1gを、ウラン(U)
濃度 432mg/ml、プルトニウム(Pu)濃度1.2×10-3
mg/mlのウラン廃液20ml中に浸漬し、24時間吸着処理を
行った。その結果、Puの吸着率は36%、Uの吸着率は
15%であった。
濃度 432mg/ml、プルトニウム(Pu)濃度1.2×10-3
mg/mlのウラン廃液20ml中に浸漬し、24時間吸着処理を
行った。その結果、Puの吸着率は36%、Uの吸着率は
15%であった。
【0030】比較例1 実施例2で使用した未添着処理の椰子殻活性炭を用い、
実施例2と同様に、ウラン廃液の吸着処理を行った。そ
の結果、Puの吸着率は12%、Uの吸着率は13%といず
れも低いものであった。
実施例2と同様に、ウラン廃液の吸着処理を行った。そ
の結果、Puの吸着率は12%、Uの吸着率は13%といず
れも低いものであった。
【0031】実施例3 未添着処理の繊維状活性炭(ユニチカ社製A−20:比表
面積2116m2/g) を、内径14.8mm、高さ 500mmのガラス
製カラムに9.0g充填した。このときの充填層の高さは
400mmであった。また、実施例1で得られたアミノメチ
ルホスホン酸系官能基添着の繊維状活性炭を上記と同じ
大きさのガラス製カラムに9.0g充填した。充填層の高
さは 400mmであった。前者のカラムを第1段、後者のカ
ラムを第2段に直列に連結し、ウラン濃度0.26mg/ml、
プルトニウム濃度3.9×10-5mg/mlのウラン廃液を、流
通速度176ml/hrで 500mlの通液処理を行った。その結
果、Puの吸着量1.95×10-2mg、その吸着率 100%、U
の吸着量 105mg、その吸着率80%であった。
面積2116m2/g) を、内径14.8mm、高さ 500mmのガラス
製カラムに9.0g充填した。このときの充填層の高さは
400mmであった。また、実施例1で得られたアミノメチ
ルホスホン酸系官能基添着の繊維状活性炭を上記と同じ
大きさのガラス製カラムに9.0g充填した。充填層の高
さは 400mmであった。前者のカラムを第1段、後者のカ
ラムを第2段に直列に連結し、ウラン濃度0.26mg/ml、
プルトニウム濃度3.9×10-5mg/mlのウラン廃液を、流
通速度176ml/hrで 500mlの通液処理を行った。その結
果、Puの吸着量1.95×10-2mg、その吸着率 100%、U
の吸着量 105mg、その吸着率80%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の吸着材は、比表面積が 600m2/
g以上の活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基が添
着されているので、放射線に対して耐久性があり、しか
もTRU核種を選択的に吸着することができる。
g以上の活性炭にアミノメチルホスホン酸系官能基が添
着されているので、放射線に対して耐久性があり、しか
もTRU核種を選択的に吸着することができる。
【0033】したがって、この吸着材を使用して放射性
廃液を処理すれば、例えば多量のウラン廃液中に含まれ
る、微量のプルトニウム等のTRU核種を選択的に確実
に分離除去することが可能となる。
廃液を処理すれば、例えば多量のウラン廃液中に含まれ
る、微量のプルトニウム等のTRU核種を選択的に確実
に分離除去することが可能となる。
【0034】また、本発明の吸着材と繊維状活性炭を併
用して放射性廃液を処理すれば、その相乗効果により、
吸着率と選択吸着性の向上を図ることができる。
用して放射性廃液を処理すれば、その相乗効果により、
吸着率と選択吸着性の向上を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−168917(JP,A) 特開 平5−157896(JP,A) 特開 昭60−214299(JP,A) 特開 昭57−162642(JP,A) 特開 昭57−40693(JP,A) 特開 昭53−5399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/12 G21F 9/06
Claims (4)
- 【請求項1】 比表面積が 600m2/g以上の活性炭にア
ミノメチルホスホン酸系官能基を添着してなることを特
徴とする放射性核種の吸着材。 - 【請求項2】 活性炭が繊維状活性炭である請求項1記
載の吸着材。 - 【請求項3】 放射性廃液中に含まれる放射性核種を分
離除去するに際し、請求項1記載の吸着材で処理するこ
とを特徴とする放射性廃液の処理方法。 - 【請求項4】 放射性廃液を比表面積が 600m2/g以上
の繊維状活性炭と請求項1記載の吸着材で処理すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03353672A JP3078077B2 (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 放射性核種の吸着材及び放射性廃液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP03353672A JP3078077B2 (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 放射性核種の吸着材及び放射性廃液の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05164896A JPH05164896A (ja) | 1993-06-29 |
JP3078077B2 true JP3078077B2 (ja) | 2000-08-21 |
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ID=18432437
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JP03353672A Expired - Lifetime JP3078077B2 (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 放射性核種の吸着材及び放射性廃液の処理方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3078077B2 (ja) |
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JP6354990B2 (ja) * | 2014-12-18 | 2018-07-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 汚染水の処理方法 |
CN113952932B (zh) * | 2021-08-10 | 2023-08-11 | 西南科技大学 | 用于放射性核素吸附与固定的矿物产品及其制备与应用 |
-
1991
- 1991-12-17 JP JP03353672A patent/JP3078077B2/ja not_active Expired - Lifetime
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