JP3077312U - 照明装置用プロトタイプの急速作成用コンピュータ装置 - Google Patents

照明装置用プロトタイプの急速作成用コンピュータ装置

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JP3077312U JP2000003839U JP2000003839U JP3077312U JP 3077312 U JP3077312 U JP 3077312U JP 2000003839 U JP2000003839 U JP 2000003839U JP 2000003839 U JP2000003839 U JP 2000003839U JP 3077312 U JP3077312 U JP 3077312U
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ステフェン エイ. クーピック
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アナトリー バシィリエフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、照明システム用プロトタイプの作成に
は極めて多くの時間を必要とする欠点があった。 【解決手段】 本考案の照明システム用プロトタイプの
作成システムにおいては多軸及び多面の少なくとも1つ
である照明システム用プロトタイプの選択された一面が
これを通過する複数の光線のトレース路によってモデル
化されており、このモデル化が、特定の光線が上記面と
交差する空間点を定める空間座標と上記特定の光線が上
記面と交差する角度を定める方向座標とを有する位相空
間座標内で上記複数の光線の夫々を定め表示することで
ある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は照明システム用プロトタイプの作成システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、背景照明システムとしては米国特許第5,390,276号,第5,359,691号,5, 534,386号, 第5,609,939号、米国特許出願第08/595,307号,08/601,133号,08/6 18,539号,08/782,962号がある。
【0003】 一般に,多面光学システムは多数の小さな光学素子を有している。この多面光 学システムには、合成ミラーと万華鏡とを含む。折り曲がり光路システムでは光 線が多数の方向(または折り曲がり光路)を通り、光線の基本的方向が1つのみ である単軸システムに対比される。(ここで「折り曲がり」は「多軸」と交換し て用いられる。)例えば、従来の潜望鏡は多軸であるが多面ではない。背景照明 システム例えばラップトップ コンピュータ スクリーンに用いられるものは多 面で且つ多軸である。
【0004】 光トレースは照明システムのモデル化のために知られている。多数のコンピュ ータプログラムが光トレースを行なうため作られており、コードV,OPTIC AD,ラジアンス等を含む。
【0005】 多軸または多面またはその両方の照明システムのため光トレースが実行される ときは、照明システムを正確にトレースするため多数の光線(少なくとも10,000 、時には1,000,000 以上)が望まれる。
【0006】 複雑な光トレースの課題を実行するためには光トレースプログラムによって望 まれる計数時間が本質的なものとなる。例えば、100,000 本の光線を含む光トレ ースを実行するためには、OPTICADには単一のコンピュータを用いて1〜 10時間の計数時間が必要である。
【0007】 光トレースを実行するために望まれる計数時間は、より複雑な多軸及びまたは 多面照明システムの場合より長くなる。かかるシステムは、ラップトップ コン ピュータ スクリーンのための背景照明、自動車のドームライト及びイグニショ ンキー照明システムのために用いられるトーランス照明構造を含む。このような より複雑な照明システムの総べては、正確な光トレースを実行するため1,000,00 0 のオーダーの数の光線を必要とする。かかる光トレースを実行するためには約 1日の計数時間が必要とされる。
【0008】 同様の各工業界においては、個々の顧客のための量産できない種々の特殊製品 がある。例えば、ラップトップ コンピュータ スクリーンのための背景照明シ ステムでは、ラップトップ コンピュータの各製造者は各タイプのコンピュータ のための僅かに異なる背景照明仕様書を作ることから始める。この結果、ラップ トップ コンピュータの総てのタイプを同一の背景照明システムに正確に用いる ことはできない。むしろ、背景照明システムはサイズ及びまたは実行パラメータ で僅かに異なる。従って、量産が依然としてなされているが、従来の製造におけ る“総べてに合致する1つのサイズ”という考えからは離れるようになっている 。
【0009】 製品のより特殊化によってプロトタイプ(試作)の急速作成に向かっている。 プロトタイプ(試作品)は製品を量産する前に製品デザインをテストするため開 発された製品として知られている。プロトタイプは製品が受け入れられるものと なり、顧客の要求を満足するものとするために作られる。従来、プロトタイプ作 成プロセスには、十分な時間が必要であった。製品が開発された場合にはこれを “総べてに合致する1つのサイズ”のものとして特別な要求に最適となるように 特別に開発した製品を望まない顧客に販売していた。特殊な製品に対するプロト タイプ作成プロセスに多くの時間を費やすことはもはや許されない。製品デザイ ンは急速に変化しており、所定のデザインのものの“維持期間”はより短かくな る傾向にある。顧客から見れば現在のものに比べて特別に開発された製品を買う 場合にはプロトタイプ作成のために時間遅れを伴なうため利益はない。製造者は 自己の製造スケジュールを合致せしめる必要がある。
【0010】 照明システムの例では、各製品の変化のプロトタイプを作成する必要がある。 製品は十分に複雑であり、1つのパラメータを僅かに変化しても製品全体に影響 を及ぼすことになる。
【0011】 製品の特殊化に伴ないプロトタイプ作成プロセスをできるだけ短時間のものと する必要がある。従って、急速プロトタイプ作成のため単一照明システム用プロ トタイプを1日かけて光トレースする光トレースプログラムを使用することは好 ましくない。顧客の要求に完全に合致する照明システム用プロトタイプを得るた めのプロトタイプ作成プロセスには通常約100回の反復が必要である。1つのプ ロトタイプの光トレースに1日かかり、プロトタイプ作成プロセスの反復回数が 100回であれば、プロトタイプ作成プロセスには少なくとも100日必要とする。こ れは最終デザインを1日または1週間で1月を越えないように作るプロトタイプ 急速作成とは矛盾する。
【0012】 従って、多軸及びまたは多面照明システムのプロトタイプを急速に作成するた めには、プロトタイプ作成プロセスを1回反復するために要求される時間を100 のオーダーに減少する必要がある。実際上、満足されるプロトタイプを作るため には100回以上の反復を必要とするためこれを減少することが望まれている。
【0013】 更に、プロトタイプ作成/デザインステージは1つのみとすべきである。換言 すれば、コンピュータによるプロトタイプ作成が完成したとき、作られたプロト タイプは顧客の要求を総べて満足するものとするべきである。従って、ここには 1つの製造ステージがあるのみである。物理的プロトタイプ、製造プロセスはコ ンピュータによるプロトタイプ作成に比べて多くの時間と費用を要するため、隠 れた欠陥を知るため物理的にプロトタイプを製造することは好ましくない。
【0014】 従って、一般に照明システム開発及び特別な光トレースにはプロトタイプの急 速作成は適用されていない。コードVのような現在の光トレースプログラムは極 めて正確な単一光トレース手段である。光学的ラジアンスのような他のプログラ ムを従来の満足する方法(例えばモンテカロル法)とすれば統計学的多数光トレ ースアルゴリズムが得られる。これらプログラムの総べては遅く、更に、好まし いフォーマットに作られたデータを転送するプログラムは実現されていない。例 えば、これらプログラムは光座標、方向及び密度情報を作るが、この情報はデザ イナーが最終製品の品質に関する実行パラメータを容易に算定できる測光量には 変換されない。更に、可視表面像が得られないとき、光トレース情報を三次元可 視像に変換する方法は知られていない。更に、計数時間を短縮するため光トレー スを行なうコンピュータネットワークに適用される方法も知られていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
従来の上記欠点は本考案における計数された位相空間密度によってその出力パ ワーが定められる折り曲がり路及び多面の少なくとも1つである照明システム用 プロトタイプ急速作成システムによって除くことができる。好ましくは、出力パ ワーは測光量(即ち、フラックス,輝度等)を用いて定める。放射量と異なり測 光量は人間の目で見られるものであり好ましい。輝度は基本的測光量であり位相 空間形式によって直接計数できる。位相空間形式を使用すれば,照明システム用 プロトタイプに関する有用な情報を作るために望まれる計数時間を減少でき、プ ロトタイプを急速作成できる利益がある。
【0016】 本考案のプロトタイプ急速作成システムの他の実施例においては,照明システ ムの光のトレースをベースとして定めた測光量に応じたステレオ三次元表示を照 明システム用プロトタイプの急速作成装置に用いる。
【0017】 三次元は照明システムを実際に作る前に照明システム内の隠された擬似像人工 物を見出すのでプロトタイプの作成速度を促進できる。
【0018】 本考案のプロトタイプの急速作成のためのコンピュータシステムにおいては、 主プロセッサと、この主プロセッサに接続された複数の従プロセッサとを有し、 上記主及び従プロセッサが照明システムの光トレースに協同し、上記従プロセッ サが同種の独立した課題を実行する。コンピュータは、同種の独立した課題を複 数の従プロセッサに分配し、課題を実行するために望まれる全時間を減少せしめ る。また、照明システム用プロトタイプに関する有用な情報を作るために望まれ る計数時間を減少できプロトタイプを急速作成できる。
【0019】 本考案の他の実施例においては、光パイプを複数のスペーサによって分離した 複数の分離マイクロプリズムにより形成し、このマイクロプリズムをメタライズ し、上記複数のスペーサはメタライズしない。この光パイプ内では光の伝達は全 内部反射によってなされ、光の反射はメタライズによってなされる。従って、金 属吸収によるロスは最小となり、マイクロプリズムの形状許容度は最大となり、 システムモジュールの数は最小となる。
【0020】 本考案の他の目的及び特徴は以下図面の説明と共に明らかならしめる。
【0021】
【考案の実施の形態】
以下図面によって本考案の実施例を説明する。
【0022】 位相空間形式は輝度(輝き)、強度(放射率)、及びフラックス(パワー)等 の測光量をモデル化する光トレースに適用される。測光光トレースは準均質光源 光強度と空間コヒーレンスをベースとする入射光トレースの構成を容易とする。 以下説明するように、測光トレースモデルは空間座標(x,y)と方向ユニット ベクトル座標(kx,ky,ky)によって定められる四次元(4−D)位相空間に 拡がる。ここでkx 2 +ky 2+ky 2=1である。空間座標(x,y)は空間エリ アを定める一方、方向座標(kx,ky)は通称フーリエ(方向)エリアを定める 。
【0023】 測光量と4−D位相空間間の基礎的結合は、輝度(輝き)が4−D位相空間輝度 であることをベースとする。従って、所定の面(x,y)を通過する光の任意の 拘束を位相空間内の複数の点として示すことができる(即ち、単一の光が位相空 間内の単一点によって同形状に示される)。特に、ランバーテン光源が位相空間 内の均一4−D分布によって示される。
【0024】 基本的測光物理量はcd/m2内の輝度である。本考案は均等な測光物理量、即ちW/m 2 内の輝度(輝き)に協同して用い得る。同様にして輝度は放射測定において放 射強度やフラックスなどによって置換できる。本考案は測光ユニットとして説明 する。
【0025】 輝度と位相空間密度または4−D光強度間の基本的関係は、選択された位相空間 ドメーンを通過する多くの光を数値的に計算することによって測光量を評価する ために用い得る。例えば、輝度は、ハイゼンンベルグの不安定関係によって定め られる位相空間エレメンタリセル内に位置される光の数として計算できる。他方 、放射率は、方向ベクトル空間(kx,ky)を通るエレメンタリセルを集積する ことによって計算できる。この結果、説明した形式により基本的測光(ラヂオメ トリック)量に対する多数の光のためのモンテカロル光トレースの正確な結合が 可能となる。
【0026】 (物理的または非物理的な)所定の面を通過する複数の光を考える。この光は異 なる座標で異なる方向で、面と交差して通過する。この面を通過する各光は、4 つの座標(x,y;kx,ky)によって独特に示すことができる。ここでx,y は面に交差する点、kx,kyは交差点における光の方向を示す方向的コサインで ある。これらの光の全体は座標の全セット(x,y;kx,ky)で示し得る。座 標(x,y;kx,ky)は四次元位置空間を示す。
【0027】 方向と位置は従って同一四次元空間にある。この座標システムは主要な観察から 離れたアブストラクトである。
【0028】 図1には所定の面を通る光の交差を示す。この光の交差は,空間座標xとy(こ れは光が交差する面内の点を示す)と、方向的コサインユニットベクトルkxと ky(これは光が平面に交差するときの角度を示す)によって特有な形で示され る。
【0029】 この光はx軸に対し角αであり、y軸に対し角βであり、Z軸に対し角θをなす 。上記のパラメータは数1で示される。
【0030】
【数1】
【0031】 平面を通過する光の全体は、空間座標(x,y)と方向的座標(kx,ky)の全 セットによって示される。
【0032】 座標kxとkyはユニットベクトル成分である。そこには3つの座標コサイン(k x ,ky,kz)があり、その2乗の合計は1に等しいため、そこには唯一の自由 度がある。従って、光の方向は方向的コサイン座標kxとkyによって特有な形で 示される。
【0033】 空間座標だけでは光の交差を示すのには十分でない。2つの光が同一点で平面に 交差するが、その方向は等しくない。この例では、デカルト座標は同一であるが 、方向的座標は異なる。
【0034】 図2はx,y面に交差する3つの光を示す。第1の光は座標(x1,y1;kx1, ky1)を有する。第2の光は座標(x2,y2;kx2,ky2)を有する。第3の光 は座標(x3,y3;kx3,ky3)を有する。第2と第3の光は同一の座標(即ち 、x2=x3及びy2=y3)を有するが方向的座標は異なる。従って、これらは四 次元位相空間内の異なる位置にある。
【0035】 四次元座標システムにおいては、各光は独特な位置を有する。たとえ第2と第3 の光が同一位置でx,y面と交差したとしてもそれらの方向的座標空間は異なる ため、それらは方向的座標空間内では異なる位置にある。(同一位置及び方向) が同一の2つの光のみが4−D位相空間内で同一点を有する。
【0036】 3つの光の夫々のためy=0とky=0とすることによって図2の四次元位相 空間図を二次元図に減じたものを図3に示す。四次元空間を説明するのは不可能 であるため上記二次元座標空間に減少して説明する。
【0037】 図3に示す光の二次元図を図4に示す。第2及び第3の光はx軸に沿った同一 の座標を有するがkx軸に沿っては異なる座標となる。第2の光は左に傾斜して いるため、第2の光はkxに沿って負の座標を有するが、第3の光は右に傾斜し ているため第3の光はkx軸に沿って正の座標を有する。
【0038】 勿論、実際の照明システムでは光の数は1万から1千万のオーダーである。各 光の通路を個々に計数することは極めて高価となる。然しながら、光の密度(単 位面積当りの光の数)は決定できる。照明システムの出力面の総表面積を分割し 、光の総数と総面積から単位面積当りの光の密度を得る。面を通過する光の総数 はパワー(主体または目標ユニットの何れか)に比例するため四次元空間におけ る光の密度を以下説明するように輝度と結合できる。
【0039】 最も多く存在する光のトレースプログラムが空間及び方向的情報を作るため位 相空間を用いる照明システムの解析は容易に成し得る。
【0040】 然しながら、光トレースプログラムが無い場合には、空間及び方向的情報を単 一の座標システム内に結合する。然しながら、位相空間解析は存在する光トレー スプログラムに協同して容易にできる。
【0041】 光トレース測光の目的で3つの基本的測光(フラックス(P)量、輝度強度( J),及び輝度(B))を四次元位相空間(x,y;kx,ky)に関して定める 。ここで位相空間内の光の配置を図5に示す。図5に示すように(x,y)は( 物理的または非物理的)所定面の空間座標(kx,ky)は方向的コサイン空間の 方向的座標であって、方向的ユニットベクトルは外1、方向的コサイン(kx, ky,kz)は数2で示される。
【0042】
【外1】
【0043】
【数2】
【0044】 位相空間表記を用いて基本的測光量は数3〜数11に示す幾つかの等価式によ って定め得る。
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】
【数7】
【0050】
【数8】
【0051】
【数9】
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】 ここでdωは立体角エレメント,dΩ=dAdkxdky,dΩは処理量(位相空 間)エレメント,dA=dxdyである。
【0055】 数3は輝度及び立体角の関数として定めたパワーのための一般式である。数4は 位相空間座標の関数としての輝度のパワーを定める。重要なことは、以上の式か ら輝度(即ち、B(x,y;kx,ky))が位相空間密度に等しいことが判るこ とである。この結果、四次元(dx,dy;dkx,dky)に亘り、集積した位 相空間密度がフラックス(パワー)を作る。
【0056】 理解を助けるため数4を質量のためのより普通な数12に比較する。
【0057】
【数12】
【0058】 数12において質量密度はρ(x,y,z)である。このパラメータを容量エレ メントdx,dy,dzで積分したとき質量が得られる。
【0059】 同様にして、数4をdx,dy,dkx,dkyで積分したとき、X−Y面を通過 する光の総数が得られる。数4から、光の数は輝度に比例することが判る。これ は、光を個々に計数する必要性をはぶくための極めて有効な手段である。光の数 は数24によって測光量で特定される。
【0060】 数5、cosθの項をkyで置換することを除いて数3と同一である。cosθは、Z 方向(即ち、kz=cosθ)における方向的コサインであるため上記置換をなし得 る。
【0061】 数6は、放射の関数としてパワーを定める。数6によって方向(dkx,dky) の積分は既に達成される。放射はルーメン/m2であり、X−Y面の単位面積を通 過する光の数に等しい。
【0062】 数7はdx,dyの積分と、cosθの掛け算を含む。数7は数3の右辺を数10 で置換することによって得られる。
【0063】 システムの処理量Ωは数13で示される。
【0064】
【数13】
【0065】 質量に対する上記比較を参照して処理量は体積ユニット∫∫∫dxdydzと相 似である。dx,dy,dkx,dkyはエレメンタリ位相空間体積限界である。 (ここで“体積”は数学的な意味で用いており物理的意味ではない)。
【0066】 測定面(x,y)は、物理的または非物理的に(放射)源面または受光面、また は他の面とする。ランバーテン面(x,y)の例では、空間及び方向的座標内の 面全体に亘り、輝度(B)が一定である。
【0067】 この場合、数10と数11は数14と数15に示すように(ランバート法)減少 する。
【0068】
【数14】
【0069】
【数15】
【0070】 ここでJ0=B0ΔA,及びE=BΔΩ=πBである。
【0071】 総処理量は全立体角(2π)の半分に等価でありπに等しい。従ってP=BΔΩ に等しい。
【0072】 数13からエレメンタリ処理量と立体角間の基本的な関係はdΩ=cosθdωd Aとして得られる。
【0073】 従って輝度を定めるには数16または数17がある。
【0074】
【数16】
【0075】
【数17】
【0076】 数16ではcosθが表面エレメントΔAに接しており(従って表面垂直エレメン トΔA1がつくられ)、一方数17ではcosθが立体角エレメントに接している 。代表的に数16,好ましくは数17が用いられる。この理由は、輝度が位相空 間密度として定義され、ρ:ρ(x,y;kx,ky)または数18を最も直接な 手段で測光光トレースに適用できるからである。
【0077】
【数18】
【0078】 ここでρ(x,y;kx,ky)=B(x,y;kx,ky),dΩ=dx dy d kx dkyでこれは位相空間エレメンタリ容積である。
【0079】 上記のようにランバーテン面の例では輝度Bが、空間及び方向的座標の双方にお ける全面に亘り一定である。従って光は空間及び方向的座標双方に均一に分布さ れる。
【0080】 レーザーを除く総べての光源はランバーテンである。従って、光源の出力が既知 であれば光の分布を容易に決定できる。輝度情報は容易に光の分布に変え得る。 照明システムにおける(物理的または非物理的な)他の面に対しても同様である 。)
【0081】 エレメンタリ四次元体積ユニットdΩの定義が繰り返され、空間及び方向的エリ アを区画する。ここでdΩ=dx dy dkx dky、dx dy=エレメンタリ 空間エリア、dkx dky=エレメンタリフーリエ(方向的)エリアである。
【0082】 kzが0のとき(非エレメンタリ)フーリエエリアが最大となる。この例ではフ ーリエエリア(kx y)はπに等しい。従って、任意方向の光に対しては光の 座標(kx,ky)は常にkx,ky面上の単位サークル内にある。更に、光源はラ ンバーテンであるから総べての光の方向的座標はkx,ky単位サークル内に等し く分布される。これは完全ランバーテンの例であり、図6Aに対応する。
【0083】 制限されたランバーテンの例を図6Bに示す。この例では光の分布は均一である が、曲率が1より小さいためエリアは制限される。この例では光は均一に分布さ れているが方向の範囲のみは制限されている。従って、図6Aと図6Bにおいて 光源は等方性でありランバーテンであるが、図6Bでは光源がランバーテンに制 限されているのみである。
【0084】 異方性の例を図6Cと図6Dに示す。この例では光の方向の分布は各方向で同一 ではない。
【0085】 図6A〜図6Dに示すようにフーリエエリアのパラメータは以下のようになる。
【0086】 図6Aの例:ランバーテン,F(a)=π
【0087】 図6Bの例:制限されたランバーテン,F(b)=πsin2α
【0088】 図6Cの例:矩形−異方性,F(c)=πsinαx sinαy
【0089】 図6Dの例:楕円−異方性,F(d)=πsinαx'sinαy'
【0090】 図6Aの例は数13によっても得られるが、上記の手段はより容易に得られる。
【0091】 図7は、ランバーテン光源直線セグメントにおける均一な輝度分布の2−D位相 空間を示す。このランバーテン光源は、長さLx,全方向角(kx max=±1), エレメンタリセル(Δx,Δkx)を有する。
【0092】 ランバーテン光源の例では,数14によって輝度は位相空間内で一定とされる。 これに対し図7に示すように各光線は、4−D位相空間における単一で独特な点 によって示され、位相空間密度ρはリウビイルの定理に応じて損失のない光学シ ステムのための不変量となる。これは4−D空間では説明できない。輝度点は2 −D位相空間(x、kx)のみを用いて説明できる。図8Aはランバーテン光源 直線における2−D輝度分布を説明する。然しながらランバーテン法則によれば この分布は1つのエレメンタリセル(Δx,Δkx)について均一でなければな らない。
【0093】 図7に示すように均一な位相空間分布を規則的光トレースに変換するため図8A 内のランバーテン点光源を考える。外1分布は方向的(kx)空間で均一であり 、角度空間(J=J0cosθ)では均一ではない。これと全く反対に、図8Bに示 すように均一な角度分布はランバーテン光源を示さなさい。図8Aはランバーテ ン光源に対応し、図8Bは放射強度が均一な光源に対応する。
【0094】 このことは表1からより容易に了解できる。
【0095】
【表1】
【0096】 表1から明らかなように、kx軸に沿った均一分布は均一な角度分布とならない 。例えば、kx=0.8とkx=1.0間の角度差は11.5度のみである。従って意外なこ とにランバーテン点光源は図8Aに示すように空間座標でプロットしたとき光の 均一分布は得られない。
【0097】 以上の発見はランバーテン筒状光源にも適用できる。これらの光源は蛍光源のよ うな多くの実用的用途を有する。この場合には、光源は局部的にランバーテンで あり、湾曲面にもかかわらず輝度は所定の方向で一定となる。(従って、ランバ ーテン筒状光源とランバーテン平坦光源間には差がない)。例えば、太陽と月は ランバーテン球形光源である。従って、両者はランバーテン平板として観察され る。実際上、図9に示すように、Z方向のフラックスエレメントまたは輝度エレ メントは数15に応じて表面エレメントdAとcosθに比例する。
【0098】 ここで、dJ0=BcosθdA、また図9に示すようにdx=dAcosθである。
【0099】 従って、数19がxの関数として均一になる。
【0100】
【数19】
【0101】 光の密度としての測光量を示すため数4を数20の形に量子化する。
【0102】
【数20】
【0103】 ここで、Bijklはエレメンタリ四次元セルΔΩ内の平均輝度値であり、数21と 数22の形である。
【0104】
【数21】
【0105】
【数22】
【0106】 量子化ルールを適用することによって数23が得られる。
【0107】
【数23】
【0108】 ここでNは、光線の総数、nijklはエレメンタリセルΔΩ(i,j,k,l)を通る光 線の数である。換言すれば、所定の面(x,y)を通る各光は4−D位相空間内 の単一点によって示されるためnijklはエレメンタリセルの内側の光点の数とな る。同様にして光線の数としての他の測光量は数24及び数25で示す放射とし て示すことができる。
【0109】
【数24】
【0110】
【数25】
【0111】 この関係を2−Dの例のため図10に示す。ここで光線のセットは同一セグメン トを通るがその方向は種々異なるものとする。位相空間内の点によって示される これらの光線は、次いで同一x座標を有するエレメンタリセル内に位置される。 次いで、各エレメンタリセル(ijkl)内で光点数を数え、これらの数を位相空間 垂直i番欄に沿って加算する。この欄における光の総数は数21に応じて数Nij に等しくなる。加えられる光線の数は任意であるが計数時間を長くすることを避 けるためには上記の数はあまり大きくできない。また、滑らかな集積を行なうた めには上記の数はあまり小さくできず、(好ましくはnijkl〜10)とする。
【0112】 図11に背景照明システムを示す。この背景照明システムはラップトップコンピ ュータに主として用いられるもので光エンジンLEと、光パイプLPと、スクリ ーン出力面とを有する。光エンジンLEはランバーテン筒状光源LSと、コリメ ータCとを有する。光パイプLPは、光エンジンLEからの光を出力面に指向せ しめるマイクロプリズム列をその底部に有する。出力面の頂部にユーザーに示さ れるべき情報を示す信号をベースとして出力面からの光を変調する空間光変調器 (SLM)を設ける。更に、SLMの頂面上の拡散体、光エンジンLEと光パイ プLP間のフィルム、及びSLMの下側のフィルムを必要に応じて設ける。
【0113】 プロトタイプを急速に作成するため上記変調器(モジュール)の夫々を分離して 解析する。通常は1つのモジュールを一度に変調する。その結果、デザインを変 えた場合、変調されたモジュールを再解析する必要があるのみであり、不変のモ ジュールの解析は不要である。この結果計数時間を節約できプロトタイプの作成 を速めるようになる。
【0114】 上記の位相空間形式は背景照明システムの1つのエレメント、例えば、光パイプ の出力パワーを急速に予想するため用いることができる。この手段は下記の通り である。先ず、ハイパーキューブの形状を定める。ハイパーキューブは四次元の 立方体であり四次元位相空間座標システム内のエレメンタリセルである。ハイパ ーキューブを定めるため、x、y面がx値の定められた範囲を有し、方向的コサ インkxとkyの双方が+1〜−1に変化するものとする。従って,x,y,kx ,kyの予想値の総べてが既知である。次に、ハイパーキューブを均一エレメン タリセルに分割する(数21参照)。次いで光線の総数とセルの総数を仮定する 。光線の総数とセルの総数は少なくとも幾つかの(好ましくは約6〜8の)光線 が各エレメンタリセルを通過するように選択する。光線の総数は100,000〜1,000 ,000の範囲であり、セルの総数が約10,000の範囲であることが判明した。最後に 、輝度が位相空間密度に等しいという関係を出力パワーの予想に適用した。以下 の例はその詳細を説明するものである。
【0115】 (例1)
【0116】 下記のパラメータを想定して数26を得た。ランプ輝度B0=39,000 cd/m2(ラ ンバーテン);光源直径D=2R=2mm;光源長さL=30cm。入射フラックスP 0 =(筒状面の表面積)(ランプ輝度)(全ランバーテン光源のためのフーリエ エリア)
【0117】
【数26】
【0118】 次に各光線に重み(ルーメン/光)を付した。この入力パワーが総数100,000の 光線(即ち、N0=100,000)に等しければ光密度が数27で得られる。
【0119】
【数27】
【0120】 数27に応じてパワー率を各光線に付す。光線は、従来の光トレースプログラム によって定められたように多くのインターフェースを通して進む。各インターフ ェースにおいて反射ロス等の材料ロスがある。然しながら、各光線に付されてい る重みがこれらのロスによって減少する。説明のためには統計的平均を用い得る 。
【0121】 次にシステムの光学的効率をη=P/P0=70%と仮定する。
【0122】 N=70,000の光線が端部を通れば(各光線のロスが100%または0%の何れかで あると仮定すれば)出力パワーは0.002 lm/光 で P=ηP0=162 lmとなる。
【0123】 次にL=W=30cm,エレメンタリセルの総数がM=10×10×10×10=104と仮定 する。
【0124】 図12は、10×10の空間座標システムを示し、図13は方向的座標システムを示 す。図12に示す10×10エレメンタリセルの夫々はそれ自体kxyプロット(図 13)を有する。
【0125】 この例では、エレメンタリセルの形が方向的座標と空間座標に亘り等しく配分さ れているものと仮定する。換言すれば、10×10セルは方向的座標に示し、10×10 セルを空間座標に示す。然しながら、セルを空間座標と方向的座標間に配分する 手段には融通性があり、従って異なる配分となし得る。例えば、以下の配分を用 い得る。M=20×20×5×5(即ち、方向的座標空間に示された20×20セル及び 空間座標スペースに示された5×5セル)。このことは方向的座標システム内の 精度を増大することになる。kx=0.8とkx=1.0間の範囲は37度の差を与える が、これは多くの場合で極めて大きいものである。
【0126】 M=10×10×10×10をベースとして位相空間エレメンタリセルΩ0は、Ω0=0.2 ×0.2 ster×3cm×3cmであり、このエレメンタリセルを通る光線の平均数<n >は<n>70,000 光線/10,000セル=7光線/セルとなる。
【0127】 従って、セル毎の平均フラックスPBはPB=7×0.00231 lm/光=0.02 lmとなり 、平均出力輝度<B>は数28のようになる。
【0128】
【数28】
【0129】 また、輝度効率xはX=555/39,000=1.5%となる。
【0130】 この例では、この出力は極めて暗いものとなり、視角は不必要に大きい。
【0131】 (例2)
【0132】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±11.5°と同一y角αy=±11.5°内に制限されるよう、 上記出力光をコリメートする。その結果、(SIN-1 (11.5)=0.2であり、光線 がkx=−0.2,0または+0.2でky=−0.2,0または+0.2を有するセルからの み放射されるため)占有エレメンタリセルの数は5×5=25−ファクターに減少 し、平均出力輝度は<B2>=555×25=13,875 cd/m2となる。
【0133】 この例では、出力は極めて明るく、視角は極めて小さい。
【0134】 (例3)
【0135】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±30°と同一y角αy=±30°内に制限されるよう、上記 出力光をコリメートする。その結果、平均出力輝度は<B3>=555×4=2,220 c d/m2となる。これはラップトップコンピュータスクリーンのための代表的な輝度 値に合致する。
【0136】 図14A,図14B,図15に示すように位相空間座標システムに応じて組織さ れた空間及び方向的光情報を、照明システムの実行特性を示す二次元グラフを作 るために用いる。
【0137】 図14Aは出力面x,yを有する背景照明システムの例である。背景照明のため の位相空間座標システムはM=20×20×5×5座標システムに組織されている。 従って、空間座標スペースは5×5セルを消費し(即ち、既に説明したように出 力面x,yは5×5=25エレメンタリセルの出力面に分割されている)、方向的 座標空間は20×20エレメンタリセルを消費する。10,000のエレメンタリセルの セットのための位相空間座標B(x,y;kx,ky)の完全なセットが背景照明 システムのため得られている。上述のように、この情報は、(従来の光トレース プログラムが位相空間座標システムの情報として組織されていないとしても)従 来の光トレースプログラムを用いて得られる。例えば、模範的なセルx4y3の出 力特性を知ることも望ましいと仮定すれば、セルx43を励起する光の異なる出 力方向αのため輝度の変化具合を知るのが好ましい(角αは上述のようにx軸に 関連して定められ、これは変化するパラメータkxである)。
【0138】 図14Bは模範的なセルx43のための方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky )を示す。(方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky)はセルx43のためのみ のものであるが、他の各セルxi,yiは同様の方向的座標空間B(xi,yi;k x ,ky)を有する)。(異なる出力方向αとβに対抗して)異なる出力方向αの ための輝度の変化具合を知る事のみが望ましいため、二次元グラフのみが望まれ 、方向的座標kyが一定に保持される。中間範囲値を選択する目的で値ky=0が 選択される。kx=−1.0〜+1.0のための座標B(x4,y3;kx,0)のシーケ ンスは図14B中のハイライト部分である。
【0139】 図15はB(x4,x3;kx,0)の二次元グラフを示す。このグラフにはkxの 20の値の夫々のための輝度値を示す。このデータ点は滑らかなカーブを得るた め補間されている。
【0140】 図15は、パラメータkxが−1.0から+1.0に変化したとき輝度変化のky=0の 点で得た断面を示す。kyの20の異なる値の夫々のための同様のグラフを作り 、これら20のグラフを組合せることによってセルx43のためのkxとkyの関 数として輝度変化の三次元グラフを得ることができる。滑らかな面を形成するた めデータ点を再び補間する。説明した背景照明システムの出力面を区画する24 個のセルを残すために同様の二次元及びまたは三次元輝度グラフを得ることがで きる。
【0141】 測光光トレース情報を得るため以下の好ましい手段を用い得る。第1に(例えば 、光源の形状,輝度,吸収定数,屈折率,マイクロプリズムの形状等)のカタロ グタイプデータを光源表示のために選択する。次に、位相空間方式を用いて光源 面に対し光のランバーテン分布を作る。次いで、光トレースルールをコンピュー タプログラムを用いて各信号光のために作る。次に、セル当りに幾つかの光線が あるとして光の入力数と出力エレメンタリセルの数を仮定する。次いで、光線当 りの重みまたはパワーの減少を計数する。次に、測光データ獲得システムを定め 、出力光の位相空間座標をセル配置に変換する。換言すれば、光に出力座標(x i ,yi;kxk,kyl)を与え、このシステムによって光を特別なエレメンタリセ ルに割り当てる。次いで、各セルのため光の合計重量を計数し、エレメンタリセ ル当りの出力パワーの量を求める。次に、所定のセルのため全セル出力パワーを セルの処理量によって分割する(数28参照)。この分割結果は所定のセルのた めの平均輝度となる。次いで、この操作を総べてのセルについて繰り返しセルの 範囲のためセル当りの輝度分布を得る(数23参照)。例えば、セル数が10,000 のとき夫々に輝度出力を示す10,000の値がある。結局、上述のようにデータは二 次元または三次元グラフの形で示される。
【0142】 位相空間座標システムに応じて組織された空間及び方向的光情報がコスト関数と 共に用いられる。例えば、数29で示す最小2乗平均誤差(MMSE)を用いる 。
【0143】
【数29】
【0144】 ここでBMAX(i,j)はkxとkyの総べての値のための所定のセル(x=i, y=j)のための最大輝度出力、BAVGは総べてのセルのための最大平均輝度出 力である。この関数は出力面の輝度分布を均一とするため用いられる。輝度出力 が均一であれば、総べての例でBMAX(i,j)=BAVGであり、コスト関数の出 力Cは零に等しい。輝度出力が全体的に均一でなければ、BMAXは総べて等しく なく、コスト関数の出力は零とならない。出力Cを最小とすることによって均一 な輝度出力が得られる。
【0145】 上記コスト関数を用いて最適ならしめたパラメータの例を図16に示す。図16 は、光パイプのマイクロプリズム(溝)MPMを示す。マイクロプリズムは三角 形が理想的である。然しながら、製造上の不完全さによってその隅の一つが丸く なる。この丸みの程度は距離gに対する高さhで測定する。他の2つの隅は角α 1 とα2で測定する。パラメータh,g,α1,α2を変え上記のコスト関数を加え ることによって光パイプの性能が最適となる。
【0146】 測光光トレースを幾何学的−光学的に関連する問題に適用できる。然しながら、 測光光トレースは、物理的−光学的に関連する現象がソフト手段で明らかにされ るエリアのような他の手段でも適用できる。このような例では、光学的干渉(及 び回折)能力が極めて低く、一方光学的強度が波長に関連して次第に変化するべ きである。このような弱い空間コヒーレンス源は準均質源と呼ばれる。これらは 自然界及び工業界で極めて共通であり、総べての熱源,蛍光源,LED,半導体 レーザの大部分,プラズマ源等を含む。
【0147】 図17は、ランバーテンの法則によって定められたものとは異なる角度特性を有 する非ランバーテン拡散体を示す。この非ランバーテン拡散体は光を散乱せしめ るために用いられる。従って、光線の数が2または3倍とされる他の光学装置と 異なり、非ランバーテン拡散体は光線の数を約100倍とする。
【0148】 従来の光トレース技術は散乱効果を無視して非ランバーテン拡散体に適用されて いる。然しながら、光線の数が驚くほど増加するため光トレース問題の複雑さが 驚くほど増加する。例えば、100万の光線のトレースの代わりに1億の光線のト レースが必要となる。即ち、計数時間がより長くなる。
【0149】 然しながら、(以下述べるように)例えば拡散体の入力面が光学的に空間光変調 器の出力面に結合している場合で、上記空間光変調器が光パイプの出力面に結合 している入力面を有し、上記光パイプが光エンジンの出力端に結合した入力端を 有する場合には、他のアプローチを用い得る。一般に、この異なるアプローチで は空間光変調器の出力に対して光源から光トレースを行なう。積分方程式を空間 光変調器の出力に適用できる。これら方程式は実験的に定めた情報に関連付けら れ、拡散体を通して光トレースを行なう必要が除かれるため照明装置をモデル化 する速度が大きく増加する。この速度増加によりプロトタイプ作成速度が大きく なる。
【0150】 B′(x,y;kx,ky)の形の(拡散体なしの)出力輝度分布と、B(x,y ;kx,ky)の形の(拡散体を通した後の)最終輝度分布を考える。均質直線シ ステム理論によれば、これら2つの輝度間の関係は数30のような渦巻き形とな る。
【0151】
【数30】
【0152】 ここでh(kx,ky)はシステムの点応答で均質拡散体のためには位置(x,y )に依存しない。数30は、h(kx,ky)の関数として輝度入力に対する拡散 体の輝度出力に関連する。関数h(kx,ky)は実験的に定める。従って、拡散 体に輝度入力が加えられたときの輝度出力は数30を用いて決定できる。
【0153】 関数(h)の点応答特性はデイラック デルタ関数分布を数31に示すようにB ′−輝度に置換することによって容易に変え得る。
【0154】
【数31】
【0155】 ここでδ(...)はデイラック デルタ、F(x,y)は平滑関数である。数3 1を数30に置換することによって数32が得られる。
【0156】
【数32】
【0157】 従って、h関数は実際上システム点応答となる。ロスのない拡散体(フレネルロ スを無視)のためのエネルギ保存の法則から均等放射が数33〜数35で得られ る。
【0158】
【数33】
【0159】
【数34】
【0160】
【数35】
【0161】 数30を数34に置換することによって及び数33と数35を用いて数36に示 す標準化関係が得られる。
【0162】
【数36】
【0163】 従って、h点関数が単位値に標準化される。数34の積分が均質変化に制限され るため、即ち、kx 1+ky 2 ≦1のとき均等性が維持される。従って、積分操作 が無限に広がり、論議(kx →kx−kx')のシフトを無視できる。
【0164】 角度空間(kx,ky)内の点応答として関数h(kx,ky)を、図17に示すよ うに均質拡散体を通過する入射面波を有する光の角度特性を測定することによっ て実験的に得ることができる。この特性は数36によって標準化できる。
【0165】 準均質源の為の光源輝度は数37及び数38の形となる。
【0166】
【数37】
【0167】
【数38】
【0168】 I0は光学的強度、ωは角周波数、cは真空中における光速、外2は空間コヒー レンスの複雑度の2−Dフーリエ変換、外3は数39の形である。
【0169】
【外2】
【0170】
【外3】
【0171】
【数39】
【0172】 ここでd2r=dxdyである。数37と輝度強度デフニションとの比較によっ て数40が得られる。
【0173】
【数40】
【0174】 例えば、B=一定(ランバート法)であれば数38によって Jがcosθとなり、Bが1/cosθとなる。一般にBがcosnθであれば表2に示す ようにJはcos(n+1)θ、外2はcos(n+1)θとなる。
【0175】
【表2】
【0176】 表2はコヒーレンス(μ)の複雑度のフーリエ変換と、輝度(B)と輝度強度( J)のための典型的角度特性を示す。
【0177】 代表的な光源はランバーテン光源であるが、代表的な輝度面は、その角度特性が ランバーテン光源よりより狭いため非ランバーテンである。
【0178】 この結果、これらの空間コヒーレンスラジアスは通常λより高い。共役分散係数 (ρ及びΔρ)のためのハイゼンベルグの不確定性原理はこれをρ×Δρ〜λと して示す。
【0179】 ここで、ρは空間コヒーレンスラジアスである。Δρ=1(非コヒーレンスの場 合)であれば、ρ〜λが得られる。即ち、空間コヒーレンスラジアスは波長に等 しい。一般により狭い光、即ちΔρ=1/ε;ε≧1を考える。
【0180】 数39によりρ=ελが得られる。即ち、狭い光は高い空間コヒーレンスを有し 、ρ>λである。
【0181】 プロトタイプの急速作成のためには、作られる照明システム内に現れるコンピュ ータモデル化によって望ましくないアーチファクトを消去することが重要である 。コンピュータモデル化が完了したときデザインプロセスが完成されるべきであ る。このデザインプロセスには、単一のプロトタイプを作るプロセスは時間を費 やし、高価($50,000のオーダー)となるため製造プロセスに組み込むべきでは ない。製造工程は顧客に販売すべき照明システムの製造工程のみとすべきである 。図18及び図19は望ましくないアーチファクトの例を示す。図18は、面C −D−E−F−C’−D’−E’−F’によって物理的に結合した背景照明シス テムを示す。背景システム(スクリーン)の出力面は面E−F−E’−F’によ って定める。面C−D−C−Dに配置したマイクロプリズム構造(図示せず)は 、約40,000 cd/m2の輝度を有する筒状光源より成る光エンジンLEからの光線を 反射する。この光線は、例えばラップトップコンピュータのスクリーンに協同し て用いる出力面E−F−E’−F’に向かう。マイクロプリズム構造は光源が面 A−B−A’−B’に延びるような光学的錯覚を作り、その結果面A−B−C− D−A’−B’−C’−D’によって区画された仮想空間を作る。
【0182】 出力面E−F−E’−F’を通してユーザーが見ることができる可視傾斜面B− D−B’−D’が仮想空間に形成される。この焦面は好ましくない像アーチファ クトである。このアーチファクトは、マイクロプリズムが面C−D−C’−D’ の右側上より左側上により接近するため傾斜する。図19は図18に示す照明シ ステムの任意の断面K−y−K’−y’を示す。(マイクロプリズム構造の多重 反射効果による)一連の仮想光源は点Kから点Hに延びる。この仮想光源は焦線 を作り、これは焦面、即ち、像アーチファクトを作るため他の焦線に組み合わさ れる。濃くした面B−D−B’−D’上のセグメントとなる光源LS上の黒リン グをマークすることによって実験的に像アーチファクトを示すことができる。
【0183】 図18と図19に示すようなアーチファクトを検出することは照明構造を三次元 的に見ることなしには困難である。然しながら、上述の理由でプロトタイプの急 速作成のためにはこのアプローチは受け入れられない。照明システムをコンピュ ータでモデル化することによってかかるアーチファクトを検出することは好まし い。即ち、かかるアーチファクトを示す照明構造を三次元的に示すためにコンピ ュータを用いることは好ましい。
【0184】 自動コンピュータ工具を用いて三次元表示を行うため三次元内での測光光トレー スを行なう。このプロセスの間、光トレースを用い得る焦点、焦線、及び焦面が 検出される。これらは像アーチファクトの境界となる。
【0185】 然しながら、上述の測光光トレースは所定の二次元(x,y)面を通過する光の 断面をベースとする。従って、三次元可視像を作るため複数の二次元断面を作る 必要がある。
【0186】 複数の二次元断面を作るため測光光トレースに協同して複数のZ面を選択する必 要がある。パラメータ(x,y;kx,ky)は所定のZ面を通過する光のセット を特徴づけ、従ってこれらパラメータは選択されたZ面に依存する。然しながら 、像アーチファクトは通常斜めの制限された範囲でのみ見られ、予め好ましくな い像アーチファクトを作るため選択されるZ面を知ることは不可能である。
【0187】 以下のアプローチはこの困難さを除去するためになされる。第1に、仮想空間を 立方体に分割する。次いでこの立方体を平行にスライスし、測光光トレースを各 スライスに対し行なう。これらの工程を夫々Z軸によって定められた方向で異な る総べての観察点に繰り返す。一般に、照明構造は制限された視野範囲、例えば ±30°からのみ見られる。従って、これら工程を360°全体に亘り行なう必要は 無く、制限された視野範囲、例えば60°に対しのみ行なう。次に、個々のモノス コープ的オリエンテーションを対に再編成しステレオスコープ的視野(ステレオ スコープ法により組織されたモノスコープ的オリエンテーションの対)を作る。 従って、高い輝度のこれらステレオスコープ的視野のみを光学ノイズ消去のため 選択する。これは、しきい値、レベルを用いてなされ、例えば3ニット(ニット =cd/m2)以下の輝度値を有する総べての視野を捨てる。
【0188】 (ここでは任意のアーチファクトが3ニット以上の輝度値を有するものと想定す る)。これら総べての工程はコンピュータによって自動的に行なうことができる 。
【0189】 三次元可視像を作るため測光光トレースを適用する上記直接法は断層撮影法によ って置換できる。このアプローチは焦面(または焦点面)の幾つかの存在を予め 仮定し、この予めの情報を可視光断面の幾何学的位置に結合することをベースと する。
【0190】 データが集計されたとき照明システムの個々のデザインが示される。これらのデ ータは照明システムのステレオスコープ的視野、即ち、三次元の形であるのが好 ましい。従って、このデータは人間が容易に認識できるフォーマットを与える。 光の通る全ての航路の空間及び方向的座標に関する生のデータとの個々の比較に より提案されたフォーマットは(特定の視野からのみの照明構造を取り出してい るため)一般的ではなく、多くの情報を有しない。然しながら、より容易に判断 でき、従ってより有用なフォーマットで情報を提供できる。このフォーマットは 、実際の照明構造を同一手段で見る、即ち、一度に一つの角度を見るというデー タを作る。
【0191】 三次元フォーマットでデータを示す従来のコンピュータグラフ技術には種々のも のがある。この直接のアプローチによれば各立方体は局部的面の局部的部分を定 める。マーチングキューブ法のような連結操作が採用される。この結果、連結操 作の終了後、照明システムの適するデザインによって消去されるべき望まれない 可視アーチファクトを示す焦面が得られる。他の従来の体積表現方法も使用でき る。
【0192】 図20は計数時間を更に短縮するため本考案で用いる反転光トレースを示す。考 えられる限りでは上述の光トレースのデータは光源からの光をトレースして集め 、照明システムの出力面における出力パワーを結合したものを定めて得たもので ある。然しながら、代わりに、光を人間の目の一つから照明構造にトレースし、 光源に返す(反転光トレース)ようにしても良い。
【0193】 反転光トレースはコンピュータ効率が良く、従って計数時間を短縮し、プロトタ イプ作成を速める。この反転光トレースによれば、人間は光構造を所定の斜めか ら見るものと想定される。光は人間の一つの目から照明構造にトレースされ、光 源に変える。得られたデータは、他の目のため同様のプロセスを繰り返して得た データと結合し、三次元像を得る。人間が照明構造から見るものと仮定すればト レースされる光の極めて高い割合のものが有用な情報を作るため、コンピュータ 効率をより高める。光パイプの目的は光源からの光を指向せしめることにある。 従って、光パイプで目を見たとき目から放射された光が光源に当る確率は極めて 高い。
【0194】 これに対し、トレースを光源で始めれば、光の大部分が人間の目に達しないよう になる。従って、反転光トレースを用いないときは、人間の目に達しない光のト レースのための計数時間は無駄なものとなる。
【0195】 反転光トレースを行うための第1のステップは、光源が目の焦点にあるかのよう に目から出た光のセットをトレースすることである。目の視野は光パイプにより 制限される。光は目の視野を通り、光が光パイプの面に当ったとき光パイプから 始まる光のトレースを制御する同一光トレース法則/式によって光が制御される 。光トレースを制御する式は、光トレースが前方または後方になされるか否かに かかわらず当てはまる。従って上述の位相空間技術は反転の場合にも同様にして 適用できる。
【0196】 目からの光は光パイプを介して反対にトレースされる。光が光源に当った時、こ れは有効な光と考えられる。従って、各反射において反射された光のパーセント を定め、光のパワーを定めることができる。図21は目から光源の面にトレース された光を示す。図21に示すように光は目から光源の面にトレースされる。光 は次いでルミナイアに向かう間に数回反射する。ルミナイアは光エンジンLEの モデルである。(光エンジンLEは複雑な構造であるため、インターフェースを 光パイプでモデル化する。このモデルはルミナイアであり、光エンジンLEから の光を定める空間及び方向的情報のセットによって形成される)。更に、各光が 反射する毎に失うパワー量は既知である。従って、ルミナイアは始め光にパワー を与え、次いで光構造の出力面における光のパワーを、各反射で失なう分を考慮 してルミナイアから後方のワーキングによって定めることができる。従って、目 に当る光の輝度は既知である。これは光構造の像を形成するため他の光の情報と 結合できる。
【0197】 上記のアプローチを用いて照明システムの三次元表示のシーケンスを比較的短い 計数時間で得ることができる。例えば、平面ではない表面を見るため(1mm3の オーダーの)小さい立方体サイズを選択する。仮想の像空間は例えば10cm×10cm ×10cmとし、1mm立方の立方体を用いればそこには106の立方体がある。視野範囲 が30°であればこの内に1,000のオリエンテーションを取り得る。スライス当り1 00の光を用いる。この結果、オリエンテーション毎の立方体毎に1,000ポイント あり、三次元表示のため1012のデータ点を定める必要がある。(1秒当り1010の オーダーの操作を処理できる)高速コンピュータを用いれば、計数時間は秒のオ ーダーとなる。従って、30°の範囲のステレオスコープ的視野の全範囲を本考案 によれば分単位で作り得る。
【0198】 従って好ましい三次元可視プロセスはプロトタイプを急速作成し、隠されたアー チファクトの検出と消去をコンピュータ的効率で実現できる。
【0199】 照明システムをコンピュータモデル化するために望まれる時間を以下述べるコン ピュータ構造を用いて減少できる。一般的に照明システムのモデル化プロセスは 同質の課題であるが異なるセットより成るコンピュータ負荷を含む。同質の課題 は、例えばB(x,y;kx,ky)データ点に達するため照明システムを通る個 々の光のトレースの課題である。ここには(千から1億のオーダーの)多数の課 題がある。然しながらこれらの課題は1つの光の光路は他の光の光路に影響しな いという点で互いに独立である。
【0200】 本考案は、照明構造のプロトタイプを急速に作ることに関連するコンピュータ負 荷の型を処理するために特に好適なコンピュータ構造を形成する。図22は主プ ロセッサMPと、これに複数の高速直列リンクFSLによって夫々結合された複 数の従プロセッサSPとより成るコンピュータシステムを示す。主プロセッサM Pと従プロセッサSPはスター結合される。
【0201】 この構造では、単一のプロセッサによっては多くの時間を必要とする大きな課題 を主プロセッサMPによって複数の従プロセッサSPによって達成できる多くの 同質の従課題に分解する。課題は複数の従プロセッサSPに分配されるため、単 一のプロセッサによって行なう場合に比べより速く課題を処理できる。(ここで は4個の従プロセッサを示したがより多くのものを用い得る)。複数の従プロセ ッサSPにより課題をより速く処理できるため、照明構造をモデル化するために 必要な時間を減少でき、従って、プロトタイプ形成時間を短縮できる。
【0202】 図23は図22に示すコンピュータシステムの詳細を示す。主プロセッサはホス トプロセッサMPである。このホストプロセッサMPは、複数の視野プログラム 可能なゲート列(FPGA)プロセッサである複数の従プロセッサSPに接続す る。上記接続はスター接続、より詳しくはSIMD単一指令、多数データパス) スター接続である。指令は主プロセッサからのみ与えられ、そこには多数のデー タパスがある。
【0203】 各FPGAプロセッサは複数の直列リンクFSLによってホストプロセッサに接 続された共通多チップモジュール上に配置する。各FPGAプロセッサはホスト プロセッサMPに接続されており回路網と考えられる。然しながら、FPGAプ ロセッサは同一物理的ボード上に配置されているため、この回路網は、例えば複 数の卓上コンピュータによって形成された回路網とは物理的に異なる。
【0204】 コンピュータパワーを増大するため必要に応じて従プロセッサを付加できる。例 えばホトニックインターボード接続IBCを、複数の付加FPGAボードをホス トプロセッサMPに接続するため用い得る。その結果、複数の従プロセッサSP を有する多くのボードを互いに積重できる。(互いに積重できるボードの数はコ ストの点で制限され、付加される他のFPGAボードのコストはさらに大きくな る)。
【0205】 ホストプロセッサMPは総べてのデータ(例えば、x,y;kx,kyパラメータ )を貯蔵する。毎秒約100MBの速度で操作される高速直列リンクFSLを用い てホストプロセッサMPは計算に必要なデータを個々の従プロセッサに分配する 。ホストプロセッサMPはデータの分配を制御し、その結果を集め表示する。
【0206】 FPGAプロセッサSPはホストプロセッサMPに直列リンクされるが、互いに 接続されることはない。この構成は従プロセッサが処理する課題の型に対応する 。例えば、各FPGAプロセッサは、照明構造を介して光路をトレースするため 用い得る。然しながら、光路は互いに影響されないためFPGAプロセッサSP を互いに接続する必要はない。ホストプロセッサMPはFPGAプロセッサSP によって必要とされる総べて情報を有する。従って主プロセッサはデータをFP GAプロセッサSPに分配する必要はなく、FPGAプロセッサSPが計数した 後従プロセッサからの結果を集める。
【0207】 FPGAプロセッサSPが処理する異なる課題の数には制限がある。同一の型の 課題を処理するため一度に2つのFPGAプロセッサSPを用いる必要はない。 然しながら、一般に、ホストプロセッサMPによって指令されたとき、異なる制 限された数の課題をFPGAプロセッサSPが繰り返し処理する。ホストプロセ ッサMPによって指令されたとき特別の課題を処理できるようFPGAプロセッ サSPは予め形づけられる。
【0208】 各FPGAプロセッサSPには32KBのスタテック ランダム アクセス メモ リ(SRAM)を関連せしめる。SRAMは主プロセッサからの指令を含み、キ ャッシュメモリとして機能する。また、ホストプロセッサMPから得たデータを 貯蔵する1メガバイトのダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM )を用いる。
【0209】 上記構造は予期しない結果をもたらす。第1に、課題の総べてが同一のハードで はなく、従って、出力データ流は層状ではない。例えば、第1の光が光パイプか ら出る前に反射せず、第2の光が6回反射したとすれば、第2の光の光路を計数 する課題は第1の光の通路を計数より課題よりもより難しいものとなる。然しな がら、個々の光の光路は互いに独立して計数されるため、非層状出力データ流は 上述の手段での接続を阻止することはない。
【0210】 更に、個々の従プロセッサは主プロセッサのための特別なワークを作る。即ち、 主プロセッサは、課題の分配,結果の集計,結果を全体に結する必要がある。然 しながら、従プロセッサと主プロセッサの結合により照明システムのモデル化に 必要な時間を大きく減少する。
【0211】 図24〜図26は拡大したマイクロプリズム列MPAを含む光パイプLPを有す る背景照明システムを示す。上述したようにラップトップコンピュータのような 種々のものの背景照明となる背景照明システムは既知である。
【0212】 この背景照明システムは、光源LSと、光パイプLPと出力面とより成る。光パ イプLPはマイクロプリズム列MPAを含む。マイクロプリズムは光パイプLP の出力面に光源LSからの光を反射せしめる。マイクロプリズムMPMは、幾つ かの光線が常に上方に向かい、一方、幾つかの光線が光パイプLPを介して伝達 されるように配置される。
【0213】 上方に向う光の輝度は均一であることが理想的である。マイクロプリズムMPM は光パイプPの近くの端部では粗に配置し(従って上方に再指向される多くの光 量の割合を少なくし)、光パイプの遠い端部に向かって密に配列する(従って上 方に再指向される少ない光量の割合を大きくし)。光パイプLPの遠い端部では マイクロプリズムの負荷サイクルは100%に達する。何れにしても、各反射にお いて光は光パイプLPの出力面に向かうか、または、光パイプLPの遠い端部に 進む。
【0214】 従来、光パイプとしてはメタライズされたものと、されないものの2種類があっ た。メタライズされない光パイプでは、光パイプの底面に金属がない。その結果 光は全て内部反射する利益がある。この全内部反射は、ロスがなく吸収もないた め好ましい。従ってメタライズされない光パイプを光が通ったときは、総べての 光が反射し、(反射面に対する入射角を臨界角以下と仮定する)、反射面で吸収 される光はない。
【0215】 底面がメタライズされない光パイプの欠点はそれがマイクロプリズム構造の形状 を制限することである。即ち、光を垂直上方に反射せしめるためにはβ=45°− α/2(ここでβとαは図24に示す)とし、α+β≦IT(ここでITは全内部 反射のための臨界角)とする必要がある。βがこの範囲でなければ、マイクロプ リズム構造の面に入射される光が反射ではなく伝達されるようになる。
【0216】 メタライズした光パイプの例では、マイクロプリズム列の底面がメタライズされ る。この例では、マイクロプリズム列の面における光の伝達が阻止される。この 結果βを任意と値にでき、光の伝達はない。
【0217】 然しながら、メタライズされた光パイプは、メタライズ部分が光を吸収し、従っ て全内部反射とはならない欠点を有する。金属による光の吸収は約15%である。 従って、光パイプの遠い端部方向に光が伝達されたとき光が反射する毎に或る程 度のパワー損失を生ずる。メタライズによる吸収ロスは各反射毎に15〜20%のオ ーダーである。従って、ロスが15%であり、光が、出射する迄に光が、3回反射 したとすれば、出射する光は光パイプの初めのパワーの略60%となる。光の吸収 量を減少せしめるため金属の厚さを減少するのが望ましい。然しながら、この例 では、伝達が増加し、金属の厚さ減少はこの問題の満足する解決とはならない。
【0218】 これらの問題を解決するため、本考案における光パイプは伝達される光を全反射 によって制御し、マイクロプリズムMPMによる光の反射をメタライズによって 制御せしめる。図24〜図26に示すように、光パイプLPはメタライズされた マイクロプリズムのみを有し、マイクロプリズム列間のスペーサはメタライズし ない。マイクロプリズム列間のスペーサは、光パイプLPの遠い端部方向に光を 伝達せしめる。光は光パイプLPの遠い端部に達する前に面に多数回突き当たる 。然しながら、これらの面はメタライズされていないため全内部反射がロスなし になされる。マイクロプリズムMPMはメタライズされているため、光は、出射 する前にマイクロプリズム面から反射するのみである。マイクロプリズムの面か らの反射に関連して或る量のロスはあるが、この反射の型のみが生じ、従って、 このロスは受け入れられる。従って、本考案の光パイプLPはメタライズされた 及びメタライズされない光パイプのよりよい特性と結合するのが好ましい。
【0219】 部分的にメタライズした構造を作るには少なくとも3つの手段がある。第1に、 溝間のスペーサをカバーし、メタライズするための溝を開いたまま残すためのマ スクを用いることである。これは写真石版技術を用いて行なうことができる。即 ち、ホトレジストを全底面に蒸着する。次いで、主マスクを介してスペーサのみ を露光するようホトレジストを露光する。次いで、ホトレジストを現像すれば溝 間のホトレジストが残る。ホトレジストを含む構造全体をメタライズする。この 結果、金属はホトレジストと溝をカバーするようになる。残存するホトレジスト を金属部分と共に除去すれば溝間の表面は非メタライズ状態となる。
【0220】 第2に、溝間のスペーサをカバーし、メタライズのためしばしば溝を開いたまま とするためのカバーを用いる。このための第2の手段は第1のそれと同一である 。然しながらこの例では、溝間のスペーサをカバーし、溝を開いたままとする金 属箔マスクを作る。このマスクは溝溝造に適用し、メタライズを行なう。光パイ プLPの面を加熱すれば金属が浸透しメタライズされる。
【0221】 方向的蒸着、またはより好ましくは斜め方向蒸着を用い、溝によってもたらされ るシャドー効果を利用する。このアプローチによれば金属蒸気源が一方の側から 溝に指向される。金属が角度をなして指向されるため、溝は影を作る。溝間の面 である影内の面は、金属蒸気が光パイプLPの面に衝突したときこれによってカ バーされない。
【0222】 図27〜図29は、図24〜図26に示す光パイプの出力面上xとy位置範囲に 亘る出力パワーを示すグラフである。これらのグラフは一般的方法で作ったもの である。
【0223】 図27は、x軸に沿った種々の点における出力パワーを示す。図28は、y軸に 沿った種々の点における出力パワーを示す。図29は、異なる配置のエレメンタ リセルを用いることを除いて図28と同様である。図28では、y軸のため10 個のエレメンタリセルのみを用い、一方、図29では、40個のエレメンタリセ ルを用いたものである。このため、図29はより大きい密度のデータ点を含み、 従ってよりでこぼこしている。
【0224】 本考案はその精神の範囲内で種々変更でき、上記実施例に限定されることはない 。
【提出日】平成12年9月8日(2000.9.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は照明装置用プロトタイプの作成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、背景照明装置としては米国特許第5,390,276号,第5,359,691号,5,534, 386号, 第5,609,939号、米国特許出願第08/595,307号,08/601,133号,08/618,5 39号,08/782,962号がある。
【0003】 一般に,多面光学装置は多数の小さな光学素子を有している。この多面光学 には、合成ミラーと万華鏡とを含む。折り曲がり光路装置では光線が多数の方 向(または折り曲がり光路)を通り、光線の基本的方向が1つのみである単軸 に対比される。(ここで「折り曲がり」は「多軸」と交換して用いられる。) 例えば、従来の潜望鏡は多軸であるが多面ではない。背景照明装置例えばラップ トップ コンピュータ スクリーンに用いられるものは多面で且つ多軸である。
【0004】 光トレースは照明装置のモデル化のために知られている。多数のコンピュータ プログラムが光トレースを行なうため作られており、コードV,OPTICAD ,ラジアンス等を含む。
【0005】 多軸または多面またはその両方の照明装置のため光トレースが実行されるとき は、照明装置を正確にトレースするため多数の光線(少なくとも10,000 、時に は1,000,000 以上)が望まれる。
【0006】 複雑な光トレースの課題を実行するためには光トレースプログラムによって望 まれる計数時間が本質的なものとなる。例えば、100,000 本の光線を含む光トレ ースを実行するためには、OPTICADには単一のコンピュータを用いて1〜 10時間の計数時間が必要である。
【0007】 光トレースを実行するために望まれる計数時間は、より複雑な多軸及びまたは 多面照明装置の場合より長くなる。かかる装置は、ラップトップ コンピュータ スクリーンのための背景照明、自動車のドームライト及びイグニションキー照 明装置のために用いられるトーランス照明構造を含む。このようなより複雑な照 明装置の総べては、正確な光トレースを実行するため1,000,000 のオーダーの数 の光線を必要とする。かかる光トレースを実行するためには約1日の計数時間が 必要とされる。
【0008】 同様の各工業界においては、個々の顧客のための量産できない種々の特殊製品 がある。例えば、ラップトップ コンピュータ スクリーンのための背景照明 では、ラップトップ コンピュータの各製造者は各タイプのコンピュータのた めの僅かに異なる背景照明仕様書を作ることから始める。この結果、ラップトッ プ コンピュータの総てのタイプを同一の背景照明装置に正確に用いることはで きない。むしろ、背景照明装置はサイズ及びまたは実行パラメータで僅かに異な る。従って、量産が依然としてなされているが、従来の製造における“総べてに 合致する1つのサイズ”という考えからは離れるようになっている。
【0009】 製品のより特殊化によってプロトタイプ(試作)の急速作成に向かっている。 プロトタイプ(試作品)は製品を量産する前に製品デザインをテストするため開 発された製品として知られている。プロトタイプは製品が受け入れられるものと なり、顧客の要求を満足するものとするために作られる。従来、プロトタイプ作 成プロセスには、十分な時間が必要であった。製品が開発された場合にはこれを “総べてに合致する1つのサイズ”のものとして特別な要求に最適となるように 特別に開発した製品を望まない顧客に販売していた。特殊な製品に対するプロト タイプ作成プロセスに多くの時間を費やすことはもはや許されない。製品デザイ ンは急速に変化しており、所定のデザインのものの“維持期間”はより短かくな る傾向にある。顧客から見れば現在のものに比べて特別に開発された製品を買う 場合にはプロトタイプ作成のために時間遅れを伴なうため利益はない。製造者は 自己の製造スケジュールを合致せしめる必要がある。
【0010】 照明装置の例では、各製品の変化のプロトタイプを作成する必要がある。製品 は十分に複雑であり、1つのパラメータを僅かに変化しても製品全体に影響を及 ぼすことになる。
【0011】 製品の特殊化に伴ないプロトタイプ作成プロセスをできるだけ短時間のものと する必要がある。従って、急速プロトタイプ作成のため単一照明装置用プロトタ イプを1日かけて光トレースする光トレースプログラムを使用することは好まし くない。顧客の要求に完全に合致する照明装置用プロトタイプを得るためのプロ トタイプ作成プロセスには通常約100回の反復が必要である。1つのプロトタイ プの光トレースに1日かかり、プロトタイプ作成プロセスの反復回数が100回で あれば、プロトタイプ作成プロセスには少なくとも100日必要とする。これは最 終デザインを1日または1週間で1月を越えないように作るプロトタイプ急速作 成とは矛盾する。
【0012】 従って、多軸及びまたは多面照明装置のプロトタイプを急速に作成するために は、プロトタイプ作成プロセスを1回反復するために要求される時間を100のオ ーダーに減少する必要がある。実際上、満足されるプロトタイプを作るためには 100回以上の反復を必要とするためこれを減少することが望まれている。
【0013】 更に、プロトタイプ作成/デザインステージは1つのみとすべきである。換言 すれば、コンピュータによるプロトタイプ作成が完成したとき、作られたプロト タイプは顧客の要求を総べて満足するものとするべきである。従って、ここには 1つの製造ステージがあるのみである。物理的プロトタイプ、製造プロセスはコ ンピュータによるプロトタイプ作成に比べて多くの時間と費用を要するため、隠 れた欠陥を知るため物理的にプロトタイプを製造することは好ましくない。
【0014】 従って、一般に照明装置開発及び特別な光トレースにはプロトタイプの急速作 成は適用されていない。コードVのような現在の光トレースプログラムは極めて 正確な単一光トレース手段である。光学的ラジアンスのような他のプログラムを 従来の満足する方法(例えばモンテカロル法)とすれば統計学的多数光トレース アルゴリズムが得られる。これらプログラムの総べては遅く、更に、好ましいフ ォーマットに作られたデータを転送するプログラムは実現されていない。例えば 、これらプログラムは光座標、方向及び密度情報を作るが、この情報はデザイナ ーが最終製品の品質に関する実行パラメータを容易に算定できる測光量には変換 されない。更に、可視表面像が得られないとき、光トレース情報を三次元可視像 に変換する方法は知られていない。更に、計数時間を短縮するため光トレースを 行なうコンピュータネットワークに適用される方法も知られていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
従来の上記欠点は本考案における計数された位相空間密度によってその出力パ ワーが定められる折り曲がり路及び多面の少なくとも1つである照明装置用プロ トタイプ急速作成装置によって除くことができる。好ましくは、出力パワーは測 光量(即ち、フラックス,輝度等)を用いて定める。放射量と異なり測光量は人 間の目で見られるものであり好ましい。輝度は基本的測光量であり位相空間形式 によって直接計数できる。位相空間形式を使用すれば,照明装置用プロトタイプ に関する有用な情報を作るために望まれる計数時間を減少でき、プロトタイプを 急速作成できる利益がある。
【0016】 本考案のプロトタイプ急速作成装置の他の実施例においては,照明装置の光の トレースをベースとして定めた測光量に応じたステレオ三次元表示を照明装置用 プロトタイプの急速作成装置に用いる。
【0017】 三次元は照明装置を実際に作る前に照明装置内の隠された擬似像人工物を見出 すのでプロトタイプの作成速度を促進できる。
【0018】 本考案のプロトタイプの急速作成のためのコンピュータ装置においては、主プ ロセッサと、この主プロセッサに接続された複数の従プロセッサとを有し、上記 主及び従プロセッサが照明装置の光トレースに協同し、上記従プロセッサが同種 の独立した課題を実行する。コンピュータは、同種の独立した課題を複数の従プ ロセッサに分配し、課題を実行するために望まれる全時間を減少せしめる。また 、照明装置用プロトタイプに関する有用な情報を作るために望まれる計数時間を 減少できプロトタイプを急速作成できる。
【0019】 本考案の他の実施例においては、光パイプを複数のスペーサによって分離した 複数の分離マイクロプリズムにより形成し、このマイクロプリズムをメタライズ し、上記複数のスペーサはメタライズしない。この光パイプ内では光の伝達は全 内部反射によってなされ、光の反射はメタライズによってなされる。従って、金 属吸収によるロスは最小となり、マイクロプリズムの形状許容度は最大となり、 装置 モジュールの数は最小となる。
【0020】 本考案の他の目的及び特徴は以下図面の説明と共に明らかならしめる。
【0021】
【考案の実施の形態】
以下図面によって本考案の実施例を説明する。
【0022】 位相空間形式は輝度(輝き)、強度(放射率)、及びフラックス(パワー)等 の測光量をモデル化する光トレースに適用される。測光光トレースは準均質光源 光強度と空間コヒーレンスをベースとする入射光トレースの構成を容易とする。 以下説明するように、測光トレースモデルは空間座標(x,y)と方向ユニット ベクトル座標(kx,ky,ky)によって定められる四次元(4−D)位相空間に 拡がる。ここでkx 2 +ky 2+ky 2=1である。空間座標(x,y)は空間エリ アを定める一方、方向座標(kx,ky)は通称フーリエ(方向)エリアを定める 。
【0023】 測光量と4−D位相空間間の基礎的結合は、輝度(輝き)が4−D位相空間輝度 であることをベースとする。従って、所定の面(x,y)を通過する光の任意の 拘束を位相空間内の複数の点として示すことができる(即ち、単一の光が位相空 間内の単一点によって同形状に示される)。特に、ランバーテン光源が位相空間 内の均一4−D分布によって示される。
【0024】 基本的測光物理量はcd/m2内の輝度である。本考案は均等な測光物理量、即ちW/m 2 内の輝度(輝き)に協同して用い得る。同様にして輝度は放射測定において放 射強度やフラックスなどによって置換できる。本考案は測光ユニットとして説明 する。
【0025】 輝度と位相空間密度または4−D光強度間の基本的関係は、選択された位相空間 ドメーンを通過する多くの光を数値的に計算することによって測光量を評価する ために用い得る。例えば、輝度は、ハイゼンンベルグの不安定関係によって定め られる位相空間エレメンタリセル内に位置される光の数として計算できる。他方 、放射率は、方向ベクトル空間(kx,ky)を通るエレメンタリセルを集積する ことによって計算できる。この結果、説明した形式により基本的測光(ラヂオメ トリック)量に対する多数の光のためのモンテカロル光トレースの正確な結合が 可能となる。
【0026】 (物理的または非物理的な)所定の面を通過する複数の光を考える。この光は異 なる座標で異なる方向で、面と交差して通過する。この面を通過する各光は、4 つの座標(x,y;kx,ky)によって独特に示すことができる。ここでx,y は面に交差する点、kx,kyは交差点における光の方向を示す方向的コサインで ある。これらの光の全体は座標の全セット(x,y;kx,ky)で示し得る。座 標(x,y;kx,ky)は四次元位置空間を示す。
【0027】 方向と位置は従って同一四次元空間にある。この座標装置は主要な観察から離れ たアブストラクトである。
【0028】 図1には所定の面を通る光の交差を示す。この光の交差は,空間座標xとy(こ れは光が交差する面内の点を示す)と、方向的コサインユニットベクトルkxと ky(これは光が平面に交差するときの角度を示す)によって特有な形で示され る。
【0029】 この光はx軸に対し角αであり、y軸に対し角βであり、Z軸に対し角θをなす 。上記のパラメータは数1で示される。
【0030】
【数1】
【0031】 平面を通過する光の全体は、空間座標(x,y)と方向的座標(kx,ky)の全 セットによって示される。
【0032】 座標kxとkyはユニットベクトル成分である。そこには3つの座標コサイン(k x ,ky,kz)があり、その2乗の合計は1に等しいため、そこには唯一の自由 度がある。従って、光の方向は方向的コサイン座標kxとkyによって特有な形で 示される。
【0033】 空間座標だけでは光の交差を示すのには十分でない。2つの光が同一点で平面に 交差するが、その方向は等しくない。この例では、デカルト座標は同一であるが 、方向的座標は異なる。
【0034】 図2はx,y面に交差する3つの光を示す。第1の光は座標(x1,y1;kx1, ky1)を有する。第2の光は座標(x2,y2;kx2,ky2)を有する。第3の光 は座標(x3,y3;kx3,ky3)を有する。第2と第3の光は同一の座標(即ち 、x2=x3及びy2=y3)を有するが方向的座標は異なる。従って、これらは四 次元位相空間内の異なる位置にある。
【0035】 四次元座標装置においては、各光は独特な位置を有する。たとえ第2と第3の光 が同一位置でx,y面と交差したとしてもそれらの方向的座標空間は異なるため 、それらは方向的座標空間内では異なる位置にある。(同一位置及び方向)が同 一の2つの光のみが4−D位相空間内で同一点を有する。
【0036】 3つの光の夫々のためy=0とky=0とすることによって図2の四次元位相 空間図を二次元図に減じたものを図3に示す。四次元空間を説明するのは不可能 であるため上記二次元座標空間に減少して説明する。
【0037】 図3に示す光の二次元図を図4に示す。第2及び第3の光はx軸に沿った同一 の座標を有するがkx軸に沿っては異なる座標となる。第2の光は左に傾斜して いるため、第2の光はkxに沿って負の座標を有するが、第3の光は右に傾斜し ているため第3の光はkx軸に沿って正の座標を有する。
【0038】 勿論、実際の照明装置では光の数は1万から1千万のオーダーである。各光の 通路を個々に計数することは極めて高価となる。然しながら、光の密度(単位面 積当りの光の数)は決定できる。照明装置の出力面の総表面積を分割し、光の総 数と総面積から単位面積当りの光の密度を得る。面を通過する光の総数はパワー (主体または目標ユニットの何れか)に比例するため四次元空間における光の密 度を以下説明するように輝度と結合できる。
【0039】 最も多く存在する光のトレースプログラムが空間及び方向的情報を作るため位 相空間を用いる照明装置の解析は容易に成し得る。
【0040】 然しながら、光トレースプログラムが無い場合には、空間及び方向的情報を単 一の座標装置内に結合する。然しながら、位相空間解析は存在する光トレースプ ログラムに協同して容易にできる。
【0041】 光トレース測光の目的で3つの基本的測光(フラックス(P)量、輝度強度( J),及び輝度(B))を四次元位相空間(x,y;kx,ky)に関して定める 。ここで位相空間内の光の配置を図5に示す。図5に示すように(x,y)は( 物理的または非物理的)所定面の空間座標(kx,ky)は方向的コサイン空間の 方向的座標であって、方向的ユニットベクトルは外1、方向的コサイン(kx, ky,kz)は数2で示される。
【0042】
【外1】
【0043】
【数2】
【0044】 位相空間表記を用いて基本的測光量は数3〜数11に示す幾つかの等価式によ って定め得る。
【0045】
【数3】
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】
【数6】
【0049】
【数7】
【0050】
【数8】
【0051】
【数9】
【0052】
【数10】
【0053】
【数11】
【0054】 ここでdωは立体角エレメント,dΩ=dAdkxdky,dΩは処理量(位相空 間)エレメント,dA=dxdyである。
【0055】 数3は輝度及び立体角の関数として定めたパワーのための一般式である。数4は 位相空間座標の関数としての輝度のパワーを定める。重要なことは、以上の式か ら輝度(即ち、B(x,y;kx,ky))が位相空間密度に等しいことが判るこ とである。この結果、四次元(dx,dy;dkx,dky)に亘り、集積した位 相空間密度がフラックス(パワー)を作る。
【0056】 理解を助けるため数4を質量のためのより普通な数12に比較する。
【0057】
【数12】
【0058】 数12において質量密度はρ(x,y,z)である。このパラメータを容量エレ メントdx,dy,dzで積分したとき質量が得られる。
【0059】 同様にして、数4をdx,dy,dkx,dkyで積分したとき、X−Y面を通過 する光の総数が得られる。数4から、光の数は輝度に比例することが判る。これ は、光を個々に計数する必要性をはぶくための極めて有効な手段である。光の数 は数24によって測光量で特定される。
【0060】 数5、cosθの項をkyで置換することを除いて数3と同一である。cosθは、Z 方向(即ち、kz=cosθ)における方向的コサインであるため上記置換をなし得 る。
【0061】 数6は、放射の関数としてパワーを定める。数6によって方向(dkx,dky) の積分は既に達成される。放射はルーメン/m2であり、X−Y面の単位面積を通 過する光の数に等しい。
【0062】 数7はdx,dyの積分と、cosθの掛け算を含む。数7は数3の右辺を数10 で置換することによって得られる。
【0063】装置 の処理量Ωは数13で示される。
【0064】
【数13】
【0065】 質量に対する上記比較を参照して処理量は体積ユニット∫∫∫dxdydzと相 似である。dx,dy,dkx,dkyはエレメンタリ位相空間体積限界である。 (ここで“体積”は数学的な意味で用いており物理的意味ではない)。
【0066】 測定面(x,y)は、物理的または非物理的に(放射)源面または受光面、また は他の面とする。ランバーテン面(x,y)の例では、空間及び方向的座標内の 面全体に亘り、輝度(B)が一定である。
【0067】 この場合、数10と数11は数14と数15に示すように(ランバート法)減少 する。
【0068】
【数14】
【0069】
【数15】
【0070】 ここでJ0=B0ΔA,及びE=BΔΩ=πBである。
【0071】 総処理量は全立体角(2π)の半分に等価でありπに等しい。従ってP=BΔΩ に等しい。
【0072】 数13からエレメンタリ処理量と立体角間の基本的な関係はdΩ=cosθdωd Aとして得られる。
【0073】 従って輝度を定めるには数16または数17がある。
【0074】
【数16】
【0075】
【数17】
【0076】 数16ではcosθが表面エレメントΔAに接しており(従って表面垂直エレメン トΔA1がつくられ)、一方数17ではcosθが立体角エレメントに接している 。代表的に数16,好ましくは数17が用いられる。この理由は、輝度が位相空 間密度として定義され、ρ:ρ(x,y;kx,ky)または数18を最も直接な 手段で測光光トレースに適用できるからである。
【0077】
【数18】
【0078】 ここでρ(x,y;kx,ky)=B(x,y;kx,ky),dΩ=dx dy d kx dkyでこれは位相空間エレメンタリ容積である。
【0079】 上記のようにランバーテン面の例では輝度Bが、空間及び方向的座標の双方にお ける全面に亘り一定である。従って光は空間及び方向的座標双方に均一に分布さ れる。
【0080】 レーザーを除く総べての光源はランバーテンである。従って、光源の出力が既知 であれば光の分布を容易に決定できる。輝度情報は容易に光の分布に変え得る。 照明装置における(物理的または非物理的な)他の面に対しても同様である。)
【0081】 エレメンタリ四次元体積ユニットdΩの定義が繰り返され、空間及び方向的エリ アを区画する。ここでdΩ=dx dy dkx dky、dx dy=エレメンタリ 空間エリア、dkx dky=エレメンタリフーリエ(方向的)エリアである。
【0082】 kzが0のとき(非エレメンタリ)フーリエエリアが最大となる。この例ではフ ーリエエリア(kx y)はπに等しい。従って、任意方向の光に対しては光の 座標(kx,ky)は常にkx,ky面上の単位サークル内にある。更に、光源はラ ンバーテンであるから総べての光の方向的座標はkx,ky単位サークル内に等し く分布される。これは完全ランバーテンの例であり、図6Aに対応する。
【0083】 制限されたランバーテンの例を図6Bに示す。この例では光の分布は均一である が、曲率が1より小さいためエリアは制限される。この例では光は均一に分布さ れているが方向の範囲のみは制限されている。従って、図6Aと図6Bにおいて 光源は等方性でありランバーテンであるが、図6Bでは光源がランバーテンに制 限されているのみである。
【0084】 異方性の例を図6Cと図6Dに示す。この例では光の方向の分布は各方向で同一 ではない。
【0085】 図6A〜図6Dに示すようにフーリエエリアのパラメータは以下のようになる。
【0086】 図6Aの例:ランバーテン,F(a)=π
【0087】 図6Bの例:制限されたランバーテン,F(b)=πsin2α
【0088】 図6Cの例:矩形−異方性,F(c)=πsinαx sinαy
【0089】 図6Dの例:楕円−異方性,F(d)=πsinαx'sinαy'
【0090】 図6Aの例は数13によっても得られるが、上記の手段はより容易に得られる。
【0091】 図7は、ランバーテン光源直線セグメントにおける均一な輝度分布の2−D位相 空間を示す。このランバーテン光源は、長さLx,全方向角(kx max=±1), エレメンタリセル(Δx,Δkx)を有する。
【0092】 ランバーテン光源の例では,数14によって輝度は位相空間内で一定とされる。 これに対し図7に示すように各光線は、4−D位相空間における単一で独特な点 によって示され、位相空間密度ρはリウビイルの定理に応じて損失のない光学 のための不変量となる。これは4−D空間では説明できない。輝度点は2−D 位相空間(x、kx)のみを用いて説明できる。図8Aはランバーテン光源直線 における2−D輝度分布を説明する。然しながらランバーテン法則によればこの 分布は1つのエレメンタリセル(Δx,Δkx)について均一でなければならな い。
【0093】 図7に示すように均一な位相空間分布を規則的光トレースに変換するため図8A 内のランバーテン点光源を考える。外1分布は方向的(kx)空間で均一であり 、角度空間(J=J0cosθ)では均一ではない。これと全く反対に、図8Bに示 すように均一な角度分布はランバーテン光源を示さなさい。図8Aはランバーテ ン光源に対応し、図8Bは放射強度が均一な光源に対応する。
【0094】 このことは表1からより容易に了解できる。
【0095】
【表1】
【0096】 表1から明らかなように、kx軸に沿った均一分布は均一な角度分布とならない 。例えば、kx=0.8とkx=1.0間の角度差は11.5度のみである。従って意外なこ とにランバーテン点光源は図8Aに示すように空間座標でプロットしたとき光の 均一分布は得られない。
【0097】 以上の発見はランバーテン筒状光源にも適用できる。これらの光源は蛍光源のよ うな多くの実用的用途を有する。この場合には、光源は局部的にランバーテンで あり、湾曲面にもかかわらず輝度は所定の方向で一定となる。(従って、ランバ ーテン筒状光源とランバーテン平坦光源間には差がない)。例えば、太陽と月は ランバーテン球形光源である。従って、両者はランバーテン平板として観察され る。実際上、図9に示すように、Z方向のフラックスエレメントまたは輝度エレ メントは数15に応じて表面エレメントdAとcosθに比例する。
【0098】 ここで、dJ0=BcosθdA、また図9に示すようにdx=dAcosθである。
【0099】 従って、数19がxの関数として均一になる。
【0100】
【数19】
【0101】 光の密度としての測光量を示すため数4を数20の形に量子化する。
【0102】
【数20】
【0103】 ここで、Bijklはエレメンタリ四次元セルΔΩ内の平均輝度値であり、数21と 数22の形である。
【0104】
【数21】
【0105】
【数22】
【0106】 量子化ルールを適用することによって数23が得られる。
【0107】
【数23】
【0108】 ここでNは、光線の総数、nijklはエレメンタリセルΔΩ(i,j,k,l)を通る光 線の数である。換言すれば、所定の面(x,y)を通る各光は4−D位相空間内 の単一点によって示されるためnijklはエレメンタリセルの内側の光点の数とな る。同様にして光線の数としての他の測光量は数24及び数25で示す放射とし て示すことができる。
【0109】
【数24】
【0110】
【数25】
【0111】 この関係を2−Dの例のため図10に示す。ここで光線のセットは同一セグメン トを通るがその方向は種々異なるものとする。位相空間内の点によって示される これらの光線は、次いで同一x座標を有するエレメンタリセル内に位置される。 次いで、各エレメンタリセル(ijkl)内で光点数を数え、これらの数を位相空間 垂直i番欄に沿って加算する。この欄における光の総数は数21に応じて数Nij に等しくなる。加えられる光線の数は任意であるが計数時間を長くすることを避 けるためには上記の数はあまり大きくできない。また、滑らかな集積を行なうた めには上記の数はあまり小さくできず、(好ましくはnijkl〜10)とする。
【0112】 図11に背景照明装置を示す。この背景照明装置はラップトップコンピュータに 主として用いられるもので光エンジンLEと、光パイプLPと、スクリーン出力 面とを有する。光エンジンLEはランバーテン筒状光源LSと、コリメータCと を有する。光パイプLPは、光エンジンLEからの光を出力面に指向せしめるマ イクロプリズム列をその底部に有する。出力面の頂部にユーザーに示されるべき 情報を示す信号をベースとして出力面からの光を変調する空間光変調器(SLM )を設ける。更に、SLMの頂面上の拡散体、光エンジンLEと光パイプLP間 のフィルム、及びSLMの下側のフィルムを必要に応じて設ける。
【0113】 プロトタイプを急速に作成するため上記変調器(モジュール)の夫々を分離して 解析する。通常は1つのモジュールを一度に変調する。その結果、デザインを変 えた場合、変調されたモジュールを再解析する必要があるのみであり、不変のモ ジュールの解析は不要である。この結果計数時間を節約できプロトタイプの作成 を速めるようになる。
【0114】 上記の位相空間形式は背景照明装置の1つのエレメント、例えば、光パイプの出 力パワーを急速に予想するため用いることができる。この手段は下記の通りであ る。先ず、ハイパーキューブの形状を定める。ハイパーキューブは四次元の立方 体であり四次元位相空間座標装置内のエレメンタリセルである。ハイパーキュー ブを定めるため、x、y面がx値の定められた範囲を有し、方向的コサインkx とkyの双方が+1〜−1に変化するものとする。従って,x,y,kx,kyの 予想値の総べてが既知である。次に、ハイパーキューブを均一エレメンタリセル に分割する(数21参照)。次いで光線の総数とセルの総数を仮定する。光線の 総数とセルの総数は少なくとも幾つかの(好ましくは約6〜8の)光線が各エレ メンタリセルを通過するように選択する。光線の総数は100,000〜1,000,000の範 囲であり、セルの総数が約10,000の範囲であることが判明した。最後に、輝度が 位相空間密度に等しいという関係を出力パワーの予想に適用した。以下の例はそ の詳細を説明するものである。
【0115】 (例1)
【0116】 下記のパラメータを想定して数26を得た。ランプ輝度B0=39,000 cd/m2(ラ ンバーテン);光源直径D=2R=2mm;光源長さL=30cm。入射フラックスP 0 =(筒状面の表面積)(ランプ輝度)(全ランバーテン光源のためのフーリエ エリア)
【0117】
【数26】
【0118】 次に各光線に重み(ルーメン/光)を付した。この入力パワーが総数100,000の 光線(即ち、N0=100,000)に等しければ光密度が数27で得られる。
【0119】
【数27】
【0120】 数27に応じてパワー率を各光線に付す。光線は、従来の光トレースプログラム によって定められたように多くのインターフェースを通して進む。各インターフ ェースにおいて反射ロス等の材料ロスがある。然しながら、各光線に付されてい る重みがこれらのロスによって減少する。説明のためには統計的平均を用い得る 。
【0121】 次に装置の光学的効率をη=P/P0=70%と仮定する。
【0122】 N=70,000の光線が端部を通れば(各光線のロスが100%または0%の何れかで あると仮定すれば)出力パワーは0.002 lm/光 で P=ηP0=162 lmとなる。
【0123】 次にL=W=30cm,エレメンタリセルの総数がM=10×10×10×10=104と仮定 する。
【0124】 図12は、10×10の空間座標装置を示し、図13は方向的座標装置を示す。図1 2に示す10×10エレメンタリセルの夫々はそれ自体kxyプロット(図13)を 有する。
【0125】 この例では、エレメンタリセルの形が方向的座標と空間座標に亘り等しく配分さ れているものと仮定する。換言すれば、10×10セルは方向的座標に示し、10×10 セルを空間座標に示す。然しながら、セルを空間座標と方向的座標間に配分する 手段には融通性があり、従って異なる配分となし得る。例えば、以下の配分を用 い得る。M=20×20×5×5(即ち、方向的座標空間に示された20×20セル及び 空間座標スペースに示された5×5セル)。このことは方向的座標装置内の精度 を増大することになる。kx=0.8とkx=1.0間の範囲は37度の差を与えるが、 これは多くの場合で極めて大きいものである。
【0126】 M=10×10×10×10をベースとして位相空間エレメンタリセルΩ0は、Ω0=0.2 ×0.2 ster×3cm×3cmであり、このエレメンタリセルを通る光線の平均数<n >は<n>70,000 光線/10,000セル=7光線/セルとなる。
【0127】 従って、セル毎の平均フラックスPBはPB=7×0.00231 lm/光=0.02 lmとなり 、平均出力輝度<B>は数28のようになる。
【0128】
【数28】
【0129】 また、輝度効率xはX=555/39,000=1.5%となる。
【0130】 この例では、この出力は極めて暗いものとなり、視角は不必要に大きい。
【0131】 (例2)
【0132】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±11.5°と同一y角αy=±11.5°内に制限されるよう、 上記出力光をコリメートする。その結果、(SIN-1 (11.5)=0.2であり、光線 がkx=−0.2,0または+0.2でky=−0.2,0または+0.2を有するセルからの み放射されるため)占有エレメンタリセルの数は5×5=25−ファクターに減少 し、平均出力輝度は<B2>=555×25=13,875 cd/m2となる。
【0133】 この例では、出力は極めて明るく、視角は極めて小さい。
【0134】 (例3)
【0135】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±30°と同一y角αy=±30°内に制限されるよう、上記 出力光をコリメートする。その結果、平均出力輝度は<B3>=555×4=2,220 c d/m2となる。これはラップトップコンピュータスクリーンのための代表的な輝度 値に合致する。
【0136】 図14A,図14B,図15に示すように位相空間座標装置に応じて組織された 空間及び方向的光情報を、照明装置の実行特性を示す二次元グラフを作るために 用いる。
【0137】 図14Aは出力面x,yを有する背景照明装置の例である。背景照明のための位 相空間座標装置はM=20×20×5×5座標装置に組織されている。従って、空間 座標スペースは5×5セルを消費し(即ち、既に説明したように出力面x,yは 5×5=25エレメンタリセルの出力面に分割されている)、方向的座標空間は20 ×20エレメンタリセルを消費する。10,000のエレメンタリセルのセットのため の位相空間座標B(x,y;kx,ky)の完全なセットが背景照明装置のため得 られている。上述のように、この情報は、(従来の光トレースプログラムが位相 空間座標装置の情報として組織されていないとしても)従来の光トレースプログ ラムを用いて得られる。例えば、模範的なセルx4y3の出力特性を知ることも望 ましいと仮定すれば、セルx43を励起する光の異なる出力方向αのため輝度の 変化具合を知るのが好ましい(角αは上述のようにx軸に関連して定められ、こ れは変化するパラメータkxである)。
【0138】 図14Bは模範的なセルx43のための方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky )を示す。(方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky)はセルx43のためのみ のものであるが、他の各セルxi,yiは同様の方向的座標空間B(xi,yi;k x ,ky)を有する)。(異なる出力方向αとβに対抗して)異なる出力方向αの ための輝度の変化具合を知る事のみが望ましいため、二次元グラフのみが望まれ 、方向的座標kyが一定に保持される。中間範囲値を選択する目的で値ky=0が 選択される。kx=−1.0〜+1.0のための座標B(x4,y3;kx,0)のシーケ ンスは図14B中のハイライト部分である。
【0139】 図15はB(x4,x3;kx,0)の二次元グラフを示す。このグラフにはkxの 20の値の夫々のための輝度値を示す。このデータ点は滑らかなカーブを得るた め補間されている。
【0140】 図15は、パラメータkxが−1.0から+1.0に変化したとき輝度変化のky=0の 点で得た断面を示す。kyの20の異なる値の夫々のための同様のグラフを作り 、これら20のグラフを組合せることによってセルx43のためのkxとkyの関 数として輝度変化の三次元グラフを得ることができる。滑らかな面を形成するた めデータ点を再び補間する。説明した背景照明装置の出力面を区画する24個の セルを残すために同様の二次元及びまたは三次元輝度グラフを得ることができる 。
【0141】 測光光トレース情報を得るため以下の好ましい手段を用い得る。第1に(例えば 、光源の形状,輝度,吸収定数,屈折率,マイクロプリズムの形状等)のカタロ グタイプデータを光源表示のために選択する。次に、位相空間方式を用いて光源 面に対し光のランバーテン分布を作る。次いで、光トレースルールをコンピュー タプログラムを用いて各信号光のために作る。次に、セル当りに幾つかの光線が あるとして光の入力数と出力エレメンタリセルの数を仮定する。次いで、光線当 りの重みまたはパワーの減少を計数する。次に、測光データ獲得装置を定め、出 力光の位相空間座標をセル配置に変換する。換言すれば、光に出力座標(xi, yi;kxk,kyl)を与え、この装置によって光を特別なエレメンタリセルに割 り当てる。次いで、各セルのため光の合計重量を計数し、エレメンタリセル当り の出力パワーの量を求める。次に、所定のセルのため全セル出力パワーをセルの 処理量によって分割する(数28参照)。この分割結果は所定のセルのための平 均輝度となる。次いで、この操作を総べてのセルについて繰り返しセルの範囲の ためセル当りの輝度分布を得る(数23参照)。例えば、セル数が10,000のとき 夫々に輝度出力を示す10,000の値がある。結局、上述のようにデータは二次元ま たは三次元グラフの形で示される。
【0142】 位相空間座標装置に応じて組織された空間及び方向的光情報がコスト関数と共に 用いられる。例えば、数29で示す最小2乗平均誤差(MMSE)を用いる。
【0143】
【数29】
【0144】 ここでBMAX(i,j)はkxとkyの総べての値のための所定のセル(x=i, y=j)のための最大輝度出力、BAVGは総べてのセルのための最大平均輝度出 力である。この関数は出力面の輝度分布を均一とするため用いられる。輝度出力 が均一であれば、総べての例でBMAX(i,j)=BAVGであり、コスト関数の出 力Cは零に等しい。輝度出力が全体的に均一でなければ、BMAXは総べて等しく なく、コスト関数の出力は零とならない。出力Cを最小とすることによって均一 な輝度出力が得られる。
【0145】 上記コスト関数を用いて最適ならしめたパラメータの例を図16に示す。図16 は、光パイプのマイクロプリズム(溝)MPMを示す。マイクロプリズムは三角 形が理想的である。然しながら、製造上の不完全さによってその隅の一つが丸く なる。この丸みの程度は距離gに対する高さhで測定する。他の2つの隅は角α 1 とα2で測定する。パラメータh,g,α1,α2を変え上記のコスト関数を加え ることによって光パイプの性能が最適となる。
【0146】 測光光トレースを幾何学的−光学的に関連する問題に適用できる。然しながら、 測光光トレースは、物理的−光学的に関連する現象がソフト手段で明らかにされ るエリアのような他の手段でも適用できる。このような例では、光学的干渉(及 び回折)能力が極めて低く、一方光学的強度が波長に関連して次第に変化するべ きである。このような弱い空間コヒーレンス源は準均質源と呼ばれる。これらは 自然界及び工業界で極めて共通であり、総べての熱源,蛍光源,LED,半導体 レーザの大部分,プラズマ源等を含む。
【0147】 図17は、ランバーテンの法則によって定められたものとは異なる角度特性を有 する非ランバーテン拡散体を示す。この非ランバーテン拡散体は光を散乱せしめ るために用いられる。従って、光線の数が2または3倍とされる他の光学装置と 異なり、非ランバーテン拡散体は光線の数を約100倍とする。
【0148】 従来の光トレース技術は散乱効果を無視して非ランバーテン拡散体に適用されて いる。然しながら、光線の数が驚くほど増加するため光トレース問題の複雑さが 驚くほど増加する。例えば、100万の光線のトレースの代わりに1億の光線のト レースが必要となる。即ち、計数時間がより長くなる。
【0149】 然しながら、(以下述べるように)例えば拡散体の入力面が光学的に空間光変調 器の出力面に結合している場合で、上記空間光変調器が光パイプの出力面に結合 している入力面を有し、上記光パイプが光エンジンの出力端に結合した入力端を 有する場合には、他のアプローチを用い得る。一般に、この異なるアプローチで は空間光変調器の出力に対して光源から光トレースを行なう。積分方程式を空間 光変調器の出力に適用できる。これら方程式は実験的に定めた情報に関連付けら れ、拡散体を通して光トレースを行なう必要が除かれるため照明装置をモデル化 する速度が大きく増加する。この速度増加によりプロトタイプ作成速度が大きく なる。
【0150】 B′(x,y;kx,ky)の形の(拡散体なしの)出力輝度分布と、B(x,y ;kx,ky)の形の(拡散体を通した後の)最終輝度分布を考える。均質直線 理論によれば、これら2つの輝度間の関係は数30のような渦巻き形となる。
【0151】
【数30】
【0152】 ここでh(kx,ky)は装置の点応答で均質拡散体のためには位置(x,y)に 依存しない。数30は、h(kx,ky)の関数として輝度入力に対する拡散体の 輝度出力に関連する。関数h(kx,ky)は実験的に定める。従って、拡散体に 輝度入力が加えられたときの輝度出力は数30を用いて決定できる。
【0153】 関数(h)の点応答特性はデイラック デルタ関数分布を数31に示すようにB ′−輝度に置換することによって容易に変え得る。
【0154】
【数31】
【0155】 ここでδ(...)はデイラック デルタ、F(x,y)は平滑関数である。数3 1を数30に置換することによって数32が得られる。
【0156】
【数32】
【0157】 従って、h関数は実際上装置点応答となる。ロスのない拡散体(フレネルロスを 無視)のためのエネルギ保存の法則から均等放射が数33〜数35で得られる。
【0158】
【数33】
【0159】
【数34】
【0160】
【数35】
【0161】 数30を数34に置換することによって及び数33と数35を用いて数36に示 す標準化関係が得られる。
【0162】
【数36】
【0163】 従って、h点関数が単位値に標準化される。数34の積分が均質変化に制限され るため、即ち、kx 1+ky 2 ≦1のとき均等性が維持される。従って、積分操作 が無限に広がり、論議(kx →kx−kx')のシフトを無視できる。
【0164】 角度空間(kx,ky)内の点応答として関数h(kx,ky)を、図17に示すよ うに均質拡散体を通過する入射面波を有する光の角度特性を測定することによっ て実験的に得ることができる。この特性は数36によって標準化できる。
【0165】 準均質源の為の光源輝度は数37及び数38の形となる。
【0166】
【数37】
【0167】
【数38】
【0168】 I0は光学的強度、ωは角周波数、cは真空中における光速、外2は空間コヒー レンスの複雑度の2−Dフーリエ変換、外3は数39の形である。
【0169】
【外2】
【0170】
【外3】
【0171】
【数39】
【0172】 ここでd2r=dxdyである。数37と輝度強度デフニションとの比較によっ て数40が得られる。
【0173】
【数40】
【0174】 例えば、B=一定(ランバート法)であれば数38によって Jがcosθとなり、Bが1/cosθとなる。一般にBがcosnθであれば表2に示す ようにJはcos(n+1)θ、外2はcos(n+1)θとなる。
【0175】
【表2】
【0176】 表2はコヒーレンス(μ)の複雑度のフーリエ変換と、輝度(B)と輝度強度( J)のための典型的角度特性を示す。
【0177】 代表的な光源はランバーテン光源であるが、代表的な輝度面は、その角度特性が ランバーテン光源よりより狭いため非ランバーテンである。
【0178】 この結果、これらの空間コヒーレンスラジアスは通常λより高い。共役分散係数 (ρ及びΔρ)のためのハイゼンベルグの不確定性原理はこれをρ×Δρ〜λと して示す。
【0179】 ここで、ρは空間コヒーレンスラジアスである。Δρ=1(非コヒーレンスの場 合)であれば、ρ〜λが得られる。即ち、空間コヒーレンスラジアスは波長に等 しい。一般により狭い光、即ちΔρ=1/ε;ε≧1を考える。
【0180】 数39によりρ=ελが得られる。即ち、狭い光は高い空間コヒーレンスを有し 、ρ>λである。
【0181】 プロトタイプの急速作成のためには、作られる照明装置内に現れるコンピュータ モデル化によって望ましくないアーチファクトを消去することが重要である。コ ンピュータモデル化が完了したときデザインプロセスが完成されるべきである。 このデザインプロセスには、単一のプロトタイプを作るプロセスは時間を費やし 、高価($50,000のオーダー)となるため製造プロセスに組み込むべきではない 。製造工程は顧客に販売すべき照明装置の製造工程のみとすべきである。図18 及び図19は望ましくないアーチファクトの例を示す。図18は、面C−D−E −F−C’−D’−E’−F’によって物理的に結合した背景照明装置を示す。 背景装置(スクリーン)の出力面は面E−F−E’−F’によって定める。面C −D−C’−D’に配置したマイクロプリズム構造(図示せず)は、約40,000 c d/m2の輝度を有する筒状光源より成る光エンジンLEからの光線を反射する。こ の光線は、例えばラップトップコンピュータのスクリーンに協同して用いる出力 面E−F−E’−F’に向かう。マイクロプリズム構造は光源が面A−B−A’ −B’に延びるような光学的錯覚を作り、その結果面A−B−C−D−A’−B ’−C’−D’によって区画された仮想空間を作る。
【0182】 出力面E−F−E’−F’を通してユーザーが見ることができる可視傾斜面B− D−B−Dが仮想空間に形成される。この焦面は好ましくない像アーチファクト である。このアーチファクトは、マイクロプリズムが面C−D−C’−D’の右 側上より左側上により接近するため傾斜する。図19は図18に示す照明装置の 任意の断面K−y−K’−y’を示す。(マイクロプリズム構造の多重反射効果 による)一連の仮想光源は点Kから点Hに延びる。この仮想光源は焦線を作り、 これは焦面、即ち、像アーチファクトを作るため他の焦線に組み合わされる。濃 くした面B−D−B’−D’上のセグメントとなる光源LS上の黒リングをマー クすることによって実験的に像アーチファクトを示すことができる。
【0183】 図18と図19に示すようなアーチファクトを検出することは照明構造を三次元 的に見ることなしには困難である。然しながら、上述の理由でプロトタイプの急 速作成のためにはこのアプローチは受け入れられない。照明装置をコンピュータ でモデル化することによってかかるアーチファクトを検出することは好ましい。 即ち、かかるアーチファクトを示す照明構造を三次元的に示すためにコンピュー タを用いることは好ましい。
【0184】 自動コンピュータ工具を用いて三次元表示を行うため三次元内での測光光トレー スを行なう。このプロセスの間、光トレースを用い得る焦点、焦線、及び焦面が 検出される。これらは像アーチファクトの境界となる。
【0185】 然しながら、上述の測光光トレースは所定の二次元(x,y)面を通過する光の 断面をベースとする。従って、三次元可視像を作るため複数の二次元断面を作る 必要がある。
【0186】 複数の二次元断面を作るため測光光トレースに協同して複数のZ面を選択する必 要がある。パラメータ(x,y;kx,ky)は所定のZ面を通過する光のセット を特徴づけ、従ってこれらパラメータは選択されたZ面に依存する。然しながら 、像アーチファクトは通常斜めの制限された範囲でのみ見られ、予め好ましくな い像アーチファクトを作るため選択されるZ面を知ることは不可能である。
【0187】 以下のアプローチはこの困難さを除去するためになされる。第1に、仮想空間を 立方体に分割する。次いでこの立方体を平行にスライスし、測光光トレースを各 スライスに対し行なう。これらの工程を夫々Z軸によって定められた方向で異な る総べての観察点に繰り返す。一般に、照明構造は制限された視野範囲、例えば ±30°からのみ見られる。従って、これら工程を360°全体に亘り行なう必要は 無く、制限された視野範囲、例えば60°に対しのみ行なう。次に、個々のモノス コープ的オリエンテーションを対に再編成しステレオスコープ的視野(ステレオ スコープ法により組織されたモノスコープ的オリエンテーションの対)を作る。 従って、高い輝度のこれらステレオスコープ的視野のみを光学ノイズ消去のため 選択する。これは、しきい値、レベルを用いてなされ、例えば3ニット(ニット =cd/m2)以下の輝度値を有する総べての視野を捨てる。
【0188】 (ここでは任意のアーチファクトが3ニット以上の輝度値を有するものと想定す る)。これら総べての工程はコンピュータによって自動的に行なうことができる 。
【0189】 三次元可視像を作るため測光光トレースを適用する上記直接法は断層撮影法によ って置換できる。このアプローチは焦面(または焦点面)の幾つかの存在を予め 仮定し、この予めの情報を可視光断面の幾何学的位置に結合することをベースと する。
【0190】 データが集計されたとき照明装置の個々のデザインが示される。これらのデータ は照明装置のステレオスコープ的視野、即ち、三次元の形であるのが好ましい。 従って、このデータは人間が容易に認識できるフォーマットを与える。光の通る 全ての航路の空間及び方向的座標に関する生のデータとの個々の比較により提案 されたフォーマットは(特定の視野からのみの照明構造を取り出しているため) 一般的ではなく、多くの情報を有しない。然しながら、より容易に判断でき、従 ってより有用なフォーマットで情報を提供できる。このフォーマットは、実際の 照明構造を同一手段で見る、即ち、一度に一つの角度を見るというデータを作る 。
【0191】 三次元フォーマットでデータを示す従来のコンピュータグラフ技術には種々のも のがある。この直接のアプローチによれば各立方体は局部的面の局部的部分を定 める。マーチングキューブ法のような連結操作が採用される。この結果、連結操 作の終了後、照明装置の適するデザインによって消去されるべき望まれない可視 アーチファクトを示す焦面が得られる。他の従来の体積表現方法も使用できる。
【0192】 図20は計数時間を更に短縮するため本考案で用いる反転光トレースを示す。考 えられる限りでは上述の光トレースのデータは光源からの光をトレースして集め 、照明装置の出力面における出力パワーを結合したものを定めて得たものである 。然しながら、代わりに、光を人間の目の一つから照明構造にトレースし、光源 に返す(反転光トレース)ようにしても良い。
【0193】 反転光トレースはコンピュータ効率が良く、従って計数時間を短縮し、プロトタ イプ作成を速める。この反転光トレースによれば、人間は光構造を所定の斜めか ら見るものと想定される。光は人間の一つの目から照明構造にトレースされ、光 源に変える。得られたデータは、他の目のため同様のプロセスを繰り返して得た データと結合し、三次元像を得る。人間が照明構造から見るものと仮定すればト レースされる光の極めて高い割合のものが有用な情報を作るため、コンピュータ 効率をより高める。光パイプの目的は光源からの光を指向せしめることにある。 従って、光パイプで目を見たとき目から放射された光が光源に当る確率は極めて 高い。
【0194】 これに対し、トレースを光源で始めれば、光の大部分が人間の目に達しないよう になる。従って、反転光トレースを用いないときは、人間の目に達しない光のト レースのための計数時間は無駄なものとなる。
【0195】 反転光トレースを行うための第1のステップは、光源が目の焦点にあるかのよう に目から出た光のセットをトレースすることである。目の視野は光パイプにより 制限される。光は目の視野を通り、光が光パイプの面に当ったとき光パイプから 始まる光のトレースを制御する同一光トレース法則/式によって光が制御される 。光トレースを制御する式は、光トレースが前方または後方になされるか否かに かかわらず当てはまる。従って上述の位相空間技術は反転の場合にも同様にして 適用できる。
【0196】 目からの光は光パイプを介して反対にトレースされる。光が光源に当った時、こ れは有効な光と考えられる。従って、各反射において反射された光のパーセント を定め、光のパワーを定めることができる。図21は目から光源の面にトレース された光を示す。図21に示すように光は目から光源の面にトレースされる。光 は次いでルミナイアに向かう間に数回反射する。ルミナイアは光エンジンLEの モデルである。(光エンジンLEは複雑な構造であるため、インターフェースを 光パイプでモデル化する。このモデルはルミナイアであり、光エンジンLEから の光を定める空間及び方向的情報のセットによって形成される)。更に、各光が 反射する毎に失うパワー量は既知である。従って、ルミナイアは始め光にパワー を与え、次いで光構造の出力面における光のパワーを、各反射で失なう分を考慮 してルミナイアから後方のワーキングによって定めることができる。従って、目 に当る光の輝度は既知である。これは光構造の像を形成するため他の光の情報と 結合できる。
【0197】 上記のアプローチを用いて照明装置の三次元表示のシーケンスを比較的短い計数 時間で得ることができる。例えば、平面ではない表面を見るため(1mm3のオー ダーの)小さい立方体サイズを選択する。仮想の像空間は例えば10cm×10cm×10 cmとし、1mm立方の立方体を用いればそこには106の立方体がある。視野範囲が30 °であればこの内に1,000のオリエンテーションを取り得る。スライス当り100の 光を用いる。この結果、オリエンテーション毎の立方体毎に1,000ポイントあり 、三次元表示のため1012のデータ点を定める必要がある。(1秒当り1010のオー ダーの操作を処理できる)高速コンピュータを用いれば、計数時間は秒のオーダ ーとなる。従って、30°の範囲のステレオスコープ的視野の全範囲を本考案によ れば分単位で作り得る。
【0198】 従って好ましい三次元可視プロセスはプロトタイプを急速作成し、隠されたアー チファクトの検出と消去をコンピュータ的効率で実現できる。
【0199】 照明装置をコンピュータモデル化するために望まれる時間を以下述べるコンピュ ータ構造を用いて減少できる。一般的に照明装置のモデル化プロセスは同質の課 題であるが異なるセットより成るコンピュータ負荷を含む。同質の課題は、例え ばB(x,y;kx,ky)データ点に達するため照明装置を通る個々の光のトレ ースの課題である。ここには(千から1億のオーダーの)多数の課題がある。然 しながらこれらの課題は1つの光の光路は他の光の光路に影響しないという点で 互いに独立である。
【0200】 本考案は、照明構造のプロトタイプを急速に作ることに関連するコンピュータ負 荷の型を処理するために特に好適なコンピュータ構造を形成する。図22は主プ ロセッサMPと、これに複数の高速直列リンクFSLによって夫々結合された複 数の従プロセッサSPとより成るコンピュータ装置を示す。主プロセッサMPと 従プロセッサSPはスター結合される。
【0201】 この構造では、単一のプロセッサによっては多くの時間を必要とする大きな課題 を主プロセッサMPによって複数の従プロセッサSPによって達成できる多くの 同質の従課題に分解する。課題は複数の従プロセッサSPに分配されるため、単 一のプロセッサによって行なう場合に比べより速く課題を処理できる。(ここで は4個の従プロセッサを示したがより多くのものを用い得る)。複数の従プロセ ッサSPにより課題をより速く処理できるため、照明構造をモデル化するために 必要な時間を減少でき、従って、プロトタイプ形成時間を短縮できる。
【0202】 図23は図22に示すコンピュータ装置の詳細を示す。主プロセッサはホストプ ロセッサMPである。このホストプロセッサMPは、複数の視野プログラム可能 なゲート列(FPGA)プロセッサである複数の従プロセッサSPに接続する。 上記接続はスター接続、より詳しくはSIMD単一指令、多数データパス)スタ ー接続である。指令は主プロセッサからのみ与えられ、そこには多数のデータパ スがある。
【0203】 各FPGAプロセッサは複数の直列リンクFSLによってホストプロセッサに接 続された共通多チップモジュール上に配置する。各FPGAプロセッサはホスト プロセッサMPに接続されており回路網と考えられる。然しながら、FPGAプ ロセッサは同一物理的ボード上に配置されているため、この回路網は、例えば複 数の卓上コンピュータによって形成された回路網とは物理的に異なる。
【0204】 コンピュータパワーを増大するため必要に応じて従プロセッサを付加できる。例 えばホトニックインターボード接続IBCを、複数の付加FPGAボードをホス トプロセッサMPに接続するため用い得る。その結果、複数の従プロセッサSP を有する多くのボードを互いに積重できる。(互いに積重できるボードの数はコ ストの点で制限され、付加される他のFPGAボードのコストはさらに大きくな る)。
【0205】 ホストプロセッサMPは総べてのデータ(例えば、x,y;kx,kyパラメータ )を貯蔵する。毎秒約100MBの速度で操作される高速直列リンクFSLを用い てホストプロセッサMPは計算に必要なデータを個々の従プロセッサに分配する 。ホストプロセッサMPはデータの分配を制御し、その結果を集め表示する。
【0206】 FPGAプロセッサSPはホストプロセッサMPに直列リンクされるが、互いに 接続されることはない。この構成は従プロセッサが処理する課題の型に対応する 。例えば、各FPGAプロセッサは、照明構造を介して光路をトレースするため 用い得る。然しながら、光路は互いに影響されないためFPGAプロセッサSP を互いに接続する必要はない。ホストプロセッサMPはFPGAプロセッサSP によって必要とされる総べて情報を有する。従って主プロセッサはデータをFP GAプロセッサSPに分配する必要はなく、FPGAプロセッサSPが計数した 後従プロセッサからの結果を集める。
【0207】 FPGAプロセッサSPが処理する異なる課題の数には制限がある。同一の型の 課題を処理するため一度に2つのFPGAプロセッサSPを用いる必要はない。 然しながら、一般に、ホストプロセッサMPによって指令されたとき、異なる制 限された数の課題をFPGAプロセッサSPが繰り返し処理する。ホストプロセ ッサMPによって指令されたとき特別の課題を処理できるようFPGAプロセッ サSPは予め形づけられる。
【0208】 各FPGAプロセッサSPには32KBのスタテック ランダム アクセス メモ リ(SRAM)を関連せしめる。SRAMは主プロセッサからの指令を含み、キ ャッシュメモリとして機能する。また、ホストプロセッサMPから得たデータを 貯蔵する1メガバイトのダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM )を用いる。
【0209】 上記構造は予期しない結果をもたらす。第1に、課題の総べてが同一のハードで はなく、従って、出力データ流は層状ではない。例えば、第1の光が光パイプか ら出る前に反射せず、第2の光が6回反射したとすれば、第2の光の光路を計数 する課題は第1の光の通路を計数より課題よりもより難しいものとなる。然しな がら、個々の光の光路は互いに独立して計数されるため、非層状出力データ流は 上述の手段での接続を阻止することはない。
【0210】 更に、個々の従プロセッサは主プロセッサのための特別なワークを作る。即ち、 主プロセッサは、課題の分配,結果の集計,結果を全体に結する必要がある。然 しながら、従プロセッサと主プロセッサの結合により照明装置のモデル化に必要 な時間を大きく減少する。
【0211】 図24〜図26は拡大したマイクロプリズム列MPAを含む光パイプLPを有す る背景照明装置を示す。上述したようにラップトップコンピュータのような種々 のものの背景照明となる背景照明装置は既知である。
【0212】 この背景照明装置は、光源LSと、光パイプLPと出力面とより成る。光パイプ LPはマイクロプリズム列MPAを含む。マイクロプリズムは光パイプLPの出 力面に光源LSからの光を反射せしめる。マイクロプリズムMPMは、幾つかの 光線が常に上方に向かい、一方、幾つかの光線が光パイプLPを介して伝達され るように配置される。
【0213】 上方に向う光の輝度は均一であることが理想的である。マイクロプリズムMPM は光パイプPの近くの端部では粗に配置し(従って上方に再指向される多くの光 量の割合を少なくし)、光パイプの遠い端部に向かって密に配列する(従って上 方に再指向される少ない光量の割合を大きくし)。光パイプLPの遠い端部では マイクロプリズムの負荷サイクルは100%に達する。何れにしても、各反射にお いて光は光パイプLPの出力面に向かうか、または、光パイプLPの遠い端部に 進む。
【0214】 従来、光パイプとしてはメタライズされたものと、されないものの2種類があっ た。メタライズされない光パイプでは、光パイプの底面に金属がない。その結果 光は全て内部反射する利益がある。この全内部反射は、ロスがなく吸収もないた め好ましい。従ってメタライズされない光パイプを光が通ったときは、総べての 光が反射し、(反射面に対する入射角を臨界角以下と仮定する)、反射面で吸収 される光はない。
【0215】 底面がメタライズされない光パイプの欠点はそれがマイクロプリズム構造の形状 を制限することである。即ち、光を垂直上方に反射せしめるためにはβ=45°− α/2(ここでβとαは図24に示す)とし、α+β≦IT(ここでITは全内部 反射のための臨界角)とする必要がある。βがこの範囲でなければ、マイクロプ リズム構造の面に入射される光が反射ではなく伝達されるようになる。
【0216】 メタライズした光パイプの例では、マイクロプリズム列の底面がメタライズされ る。この例では、マイクロプリズム列の面における光の伝達が阻止される。この 結果βを任意と値にでき、光の伝達はない。
【0217】 然しながら、メタライズされた光パイプは、メタライズ部分が光を吸収し、従っ て全内部反射とはならない欠点を有する。金属による光の吸収は約15%である。 従って、光パイプの遠い端部方向に光が伝達されたとき光が反射する毎に或る程 度のパワー損失を生ずる。メタライズによる吸収ロスは各反射毎に15〜20%のオ ーダーである。従って、ロスが15%であり、光が、出射する迄に光が、3回反射 したとすれば、出射する光は光パイプの初めのパワーの略60%となる。光の吸収 量を減少せしめるため金属の厚さを減少するのが望ましい。然しながら、この例 では、伝達が増加し、金属の厚さ減少はこの問題の満足する解決とはならない。
【0218】 これらの問題を解決するため、本考案における光パイプは伝達される光を全反射 によって制御し、マイクロプリズムMPMによる光の反射をメタライズによって 制御せしめる。図24〜図26に示すように、光パイプLPはメタライズされた マイクロプリズムのみを有し、マイクロプリズム列間のスペーサはメタライズし ない。マイクロプリズム列間のスペーサは、光パイプLPの遠い端部方向に光を 伝達せしめる。光は光パイプLPの遠い端部に達する前に面に多数回突き当たる 。然しながら、これらの面はメタライズされていないため全内部反射がロスなし になされる。マイクロプリズムMPMはメタライズされているため、光は、出射 する前にマイクロプリズム面から反射するのみである。マイクロプリズムの面か らの反射に関連して或る量のロスはあるが、この反射の型のみが生じ、従って、 このロスは受け入れられる。従って、本考案の光パイプLPはメタライズされた 及びメタライズされない光パイプのよりよい特性と結合するのが好ましい。
【0219】 部分的にメタライズした構造を作るには少なくとも3つの手段がある。第1に、 溝間のスペーサをカバーし、メタライズするための溝を開いたまま残すためのマ スクを用いることである。これは写真石版技術を用いて行なうことができる。即 ち、ホトレジストを全底面に蒸着する。次いで、主マスクを介してスペーサのみ を露光するようホトレジストを露光する。次いで、ホトレジストを現像すれば溝 間のホトレジストが残る。ホトレジストを含む構造全体をメタライズする。この 結果、金属はホトレジストと溝をカバーするようになる。残存するホトレジスト を金属部分と共に除去すれば溝間の表面は非メタライズ状態となる。
【0220】 第2に、溝間のスペーサをカバーし、メタライズのためしばしば溝を開いたまま とするためのカバーを用いる。このための第2の手段は第1のそれと同一である 。然しながらこの例では、溝間のスペーサをカバーし、溝を開いたままとする金 属箔マスクを作る。このマスクは溝溝造に適用し、メタライズを行なう。光パイ プLPの面を加熱すれば金属が浸透しメタライズされる。
【0221】 方向的蒸着、またはより好ましくは斜め方向蒸着を用い、溝によってもたらされ るシャドー効果を利用する。このアプローチによれば金属蒸気源が一方の側から 溝に指向される。金属が角度をなして指向されるため、溝は影を作る。溝間の面 である影内の面は、金属蒸気が光パイプLPの面に衝突したときこれによってカ バーされない。
【0222】 図27〜図29は、図24〜図26に示す光パイプの出力面上xとy位置範囲に 亘る出力パワーを示すグラフである。これらのグラフは一般的方法で作ったもの である。
【0223】 図27は、x軸に沿った種々の点における出力パワーを示す。図28は、y軸に 沿った種々の点における出力パワーを示す。図29は、異なる配置のエレメンタ リセルを用いることを除いて図28と同様である。図28では、y軸のため10 個のエレメンタリセルのみを用い、一方、図29では、40個のエレメンタリセ ルを用いたものである。このため、図29はより大きい密度のデータ点を含み、 従ってよりでこぼこしている。
【0224】 本考案はその精神の範囲内で種々変更でき、上記実施例に限定されることはない 。
【提出日】平成12年12月18日(2000.12.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は照明装置用プロトタイプの急速作成用コンピュータ装置に関するもの である。
【0002】
【従来の技術】
従来、背景照明装置としては米国特許第5,390,276号,第5,359,691号,5,534, 386号, 第5,609,939号、米国特許出願第08/595,307号,08/601,133号,08/618,5 39号,08/782,962号がある。
【0003】 一般に,多面光学装置は多数の小さな光学素子を有している。この多面光学装 置には、合成ミラーと万華鏡とを含む。折り曲がり光路装置では光線が多数の方 向(または折り曲がり光路)を通り、光線の基本的方向が1つのみである単軸装 置に対比される。(ここで「折り曲がり」は「多軸」と交換して用いられる。) 例えば、従来の潜望鏡は多軸であるが多面ではない。背景照明装置例えばラップ トップ コンピュータ スクリーンに用いられるものは多面で且つ多軸である。
【0004】 光トレースは照明装置のモデル化のために知られている。多数のコンピュータ プログラムが光トレースを行なうため作られており、コードV,OPTICAD ,ラジアンス等を含む。
【0005】 多軸または多面またはその両方の照明装置のため光トレースが実行されるとき は、照明装置を正確にトレースするため多数の光線(少なくとも10,000 、時に は1,000,000 以上)が望まれる。
【0006】 複雑な光トレースの課題を実行するためには光トレースプログラムによって望 まれる計数時間が本質的なものとなる。例えば、100,000 本の光線を含む光トレ ースを実行するためには、OPTICADには単一のコンピュータを用いて1〜 10時間の計数時間が必要である。
【0007】 光トレースを実行するために望まれる計数時間は、より複雑な多軸及びまたは 多面照明装置の場合より長くなる。かかる装置は、ラップトップ コンピュータ スクリーンのための背景照明、自動車のドームライト及びイグニションキー照 明装置のために用いられるトーランス照明構造を含む。このようなより複雑な照 明装置の総べては、正確な光トレースを実行するため1,000,000 のオーダーの数 の光線を必要とする。かかる光トレースを実行するためには約1日の計数時間が 必要とされる。
【0008】 同様の各工業界においては、個々の顧客のための量産できない種々の特殊製品 がある。例えば、ラップトップ コンピュータ スクリーンのための背景照明装 置では、ラップトップ コンピュータの各製造者は各タイプのコンピュータのた めの僅かに異なる背景照明仕様書を作ることから始める。この結果、ラップトッ プ コンピュータの総てのタイプを同一の背景照明装置に正確に用いることはで きない。むしろ、背景照明装置はサイズ及びまたは実行パラメータで僅かに異な る。従って、量産が依然としてなされているが、従来の製造における“総べてに 合致する1つのサイズ”という考えからは離れるようになっている。
【0009】 製品のより特殊化によってプロトタイプ(試作)の急速作成に向かっている。 プロトタイプ(試作品)は製品を量産する前に製品デザインをテストするため開 発された製品として知られている。プロトタイプは製品が受け入れられるものと なり、顧客の要求を満足するものとするために作られる。従来、プロトタイプ作 成プロセスには、十分な時間が必要であった。製品が開発された場合にはこれを “総べてに合致する1つのサイズ”のものとして特別な要求に最適となるように 特別に開発した製品を望まない顧客に販売していた。特殊な製品に対するプロト タイプ作成プロセスに多くの時間を費やすことはもはや許されない。製品デザイ ンは急速に変化しており、所定のデザインのものの“維持期間”はより短かくな る傾向にある。顧客から見れば現在のものに比べて特別に開発された製品を買う 場合にはプロトタイプ作成のために時間遅れを伴なうため利益はない。製造者は 自己の製造スケジュールを合致せしめる必要がある。
【0010】 照明装置の例では、各製品の変化のプロトタイプを作成する必要がある。製品 は十分に複雑であり、1つのパラメータを僅かに変化しても製品全体に影響を及 ぼすことになる。
【0011】 製品の特殊化に伴ないプロトタイプ作成プロセスをできるだけ短時間のものと する必要がある。従って、急速プロトタイプ作成のため単一照明装置用プロトタ イプを1日かけて光トレースする光トレースプログラムを使用することは好まし くない。顧客の要求に完全に合致する照明装置用プロトタイプを得るためのプロ トタイプ作成プロセスには通常約100回の反復が必要である。1つのプロトタイ プの光トレースに1日かかり、プロトタイプ作成プロセスの反復回数が100回で あれば、プロトタイプ作成プロセスには少なくとも100日必要とする。これは最 終デザインを1日または1週間で1月を越えないように作るプロトタイプ急速作 成とは矛盾する。
【0012】 従って、多軸及びまたは多面照明装置のプロトタイプを急速に作成するために は、プロトタイプ作成プロセスを1回反復するために要求される時間を100のオ ーダーに減少する必要がある。実際上、満足されるプロトタイプを作るためには 100回以上の反復を必要とするためこれを減少することが望まれている。
【0013】 更に、プロトタイプ作成/デザインステージは1つのみとすべきである。換言 すれば、コンピュータによるプロトタイプ作成が完成したとき、作られたプロト タイプは顧客の要求を総べて満足するものとするべきである。従って、ここには 1つの製造ステージがあるのみである。物理的プロトタイプ、製造プロセスはコ ンピュータによるプロトタイプ作成に比べて多くの時間と費用を要するため、隠 れた欠陥を知るため物理的にプロトタイプを製造することは好ましくない。
【0014】 従って、一般に照明装置開発及び特別な光トレースにはプロトタイプの急速作 成は適用されていない。コードVのような現在の光トレースプログラムは極めて 正確な単一光トレース手段である。光学的ラジアンスのような他のプログラムを 従来の満足する方法(例えばモンテカロル法)とすれば統計学的多数光トレース アルゴリズムが得られる。これらプログラムの総べては遅く、更に、好ましいフ ォーマットに作られたデータを転送するプログラムは実現されていない。例えば 、これらプログラムは光座標、方向及び密度情報を作るが、この情報はデザイナ ーが最終製品の品質に関する実行パラメータを容易に算定できる測光量には変換 されない。更に、可視表面像が得られないとき、光トレース情報を三次元可視像 に変換する方法は知られていない。更に、計数時間を短縮するため光トレースを 行なうコンピュータネットワークに適用される方法も知られていない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
従来の上記欠点は本考案における計数された位相空間密度によってその出力パ ワーが定められる折り曲がり路及び多面の少なくとも1つである照明装置用プロ トタイプ急速作成用コンピュータ装置によって除くことができる。好ましくは、 出力パワーは測光量(即ち、フラックス,輝度等)を用いて定める。放射量と異 なり測光量は人間の目で見られるものであり好ましい。輝度は基本的測光量であ り位相空間形式によって直接計数できる。位相空間形式を使用すれば,照明装置 用プロトタイプに関する有用な情報を作るために望まれる計数時間を減少でき、 プロトタイプを急速作成できる利益がある。
【0016】 本考案のプロトタイプの急速作成のためのコンピュータ装置においては、主プ ロセッサと、この主プロセッサに接続された複数の従プロセッサとを有し、上記 主及び従プロセッサが照明装置の光トレースに協同し、上記従プロセッサが同種 の独立した課題を実行する。コンピュータは、同種の独立した課題を複数の従プ ロセッサに分配し、課題を実行するために望まれる全時間を減少せしめる。また 、照明装置用プロトタイプに関する有用な情報を作るために望まれる計数時間を 減少できプロトタイプを急速作成できる。
【0017】 本考案の他の目的及び特徴は以下図面の説明と共に明らかならしめる。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下図面によって本考案の実施例を説明する。
【0019】 位相空間形式は輝度(輝き)、強度(放射率)、及びフラックス(パワー)等 の測光量をモデル化する光トレースに適用される。測光光トレースは準均質光源 光強度と空間コヒーレンスをベースとする入射光トレースの構成を容易とする。 以下説明するように、測光トレースモデルは空間座標(x,y)と方向ユニット ベクトル座標(kx,ky,ky)によって定められる四次元(4−D)位相空間に 拡がる。ここでkx 2 +ky 2+ky 2=1である。空間座標(x,y)は空間エリ アを定める一方、方向座標(kx,ky)は通称フーリエ(方向)エリアを定める 。
【0020】 測光量と4−D位相空間間の基礎的結合は、輝度(輝き)が4−D位相空間輝度 であることをベースとする。従って、所定の面(x,y)を通過する光の任意の 拘束を位相空間内の複数の点として示すことができる(即ち、単一の光が位相空 間内の単一点によって同形状に示される)。特に、ランバーテン光源が位相空間 内の均一4−D分布によって示される。
【0021】 基本的測光物理量はcd/m2内の輝度である。本考案は均等な測光物理量、即ちW/m 2 内の輝度(輝き)に協同して用い得る。同様にして輝度は放射測定において放 射強度やフラックスなどによって置換できる。本考案は測光ユニットとして説明 する。
【0022】 輝度と位相空間密度または4−D光強度間の基本的関係は、選択された位相空間 ドメーンを通過する多くの光を数値的に計算することによって測光量を評価する ために用い得る。例えば、輝度は、ハイゼンンベルグの不安定関係によって定め られる位相空間エレメンタリセル内に位置される光の数として計算できる。他方 、放射率は、方向ベクトル空間(kx,ky)を通るエレメンタリセルを集積する ことによって計算できる。この結果、説明した形式により基本的測光(ラヂオメ トリック)量に対する多数の光のためのモンテカロル光トレースの正確な結合が 可能となる。
【0023】 (物理的または非物理的な)所定の面を通過する複数の光を考える。この光は異 なる座標で異なる方向で、面と交差して通過する。この面を通過する各光は、4 つの座標(x,y;kx,ky)によって独特に示すことができる。ここでx,y は面に交差する点、kx,kyは交差点における光の方向を示す方向的コサインで ある。これらの光の全体は座標の全セット(x,y;kx,ky)で示し得る。座 標(x,y;kx,ky)は四次元位置空間を示す。
【0024】 方向と位置は従って同一四次元空間にある。この座標装置は主要な観察から離れ たアブストラクトである。
【0025】 図1には所定の面を通る光の交差を示す。この光の交差は,空間座標xとy(こ れは光が交差する面内の点を示す)と、方向的コサインユニットベクトルkxと ky(これは光が平面に交差するときの角度を示す)によって特有な形で示され る。
【0026】 この光はx軸に対し角αであり、y軸に対し角βであり、Z軸に対し角θをなす 。上記のパラメータは数1で示される。
【0027】
【数1】
【0028】 平面を通過する光の全体は、空間座標(x,y)と方向的座標(kx,ky)の全 セットによって示される。
【0029】 座標kxとkyはユニットベクトル成分である。そこには3つの座標コサイン(k x ,ky,kz)があり、その2乗の合計は1に等しいため、そこには唯一の自由 度がある。従って、光の方向は方向的コサイン座標kxとkyによって特有な形で 示される。
【0030】 空間座標だけでは光の交差を示すのには十分でない。2つの光が同一点で平面に 交差するが、その方向は等しくない。この例では、デカルト座標は同一であるが 、方向的座標は異なる。
【0031】 図2はx,y面に交差する3つの光を示す。第1の光は座標(x1,y1;kx1, ky1)を有する。第2の光は座標(x2,y2;kx2,ky2)を有する。第3の光 は座標(x3,y3;kx3,ky3)を有する。第2と第3の光は同一の座標(即ち 、x2=x3及びy2=y3)を有するが方向的座標は異なる。従って、これらは四 次元位相空間内の異なる位置にある。
【0032】 四次元座標装置においては、各光は独特な位置を有する。たとえ第2と第3の光 が同一位置でx,y面と交差したとしてもそれらの方向的座標空間は異なるため 、それらは方向的座標空間内では異なる位置にある。(同一位置及び方向)が同 一の2つの光のみが4−D位相空間内で同一点を有する。
【0033】 3つの光の夫々のためy=0とky=0とすることによって図2の四次元位相 空間図を二次元図に減じたものを図3に示す。四次元空間を説明するのは不可能 であるため上記二次元座標空間に減少して説明する。
【0034】 図3に示す光の二次元図を図4に示す。第2及び第3の光はx軸に沿った同一 の座標を有するがkx軸に沿っては異なる座標となる。第2の光は左に傾斜して いるため、第2の光はkxに沿って負の座標を有するが、第3の光は右に傾斜し ているため第3の光はkx軸に沿って正の座標を有する。
【0035】 勿論、実際の照明装置では光の数は1万から1千万のオーダーである。各光の 通路を個々に計数することは極めて高価となる。然しながら、光の密度(単位面 積当りの光の数)は決定できる。照明装置の出力面の総表面積を分割し、光の総 数と総面積から単位面積当りの光の密度を得る。面を通過する光の総数はパワー (主体または目標ユニットの何れか)に比例するため四次元空間における光の密 度を以下説明するように輝度と結合できる。
【0036】 最も多く存在する光のトレースプログラムが空間及び方向的情報を作るため位 相空間を用いる照明装置の解析は容易に成し得る。
【0037】 然しながら、光トレースプログラムが無い場合には、空間及び方向的情報を単 一の座標装置内に結合する。然しながら、位相空間解析は存在する光トレースプ ログラムに協同して容易にできる。
【0038】 光トレース測光の目的で3つの基本的測光(フラックス(P)量、輝度強度( J),及び輝度(B))を四次元位相空間(x,y;kx,ky)に関して定める 。ここで位相空間内の光の配置を図5に示す。図5に示すように(x,y)は( 物理的または非物理的)所定面の空間座標(kx,ky)は方向的コサイン空間の 方向的座標であって、方向的ユニットベクトルは外1、方向的コサイン(kx, ky,kz)は数2で示される。
【0039】
【外1】
【0040】
【数2】
【0041】 位相空間表記を用いて基本的測光量は数3〜数11に示す幾つかの等価式によ って定め得る。
【0042】
【数3】
【0043】
【数4】
【0044】
【数5】
【0045】
【数6】
【0046】
【数7】
【0047】
【数8】
【0048】
【数9】
【0049】
【数10】
【0050】
【数11】
【0051】 ここでdωは立体角エレメント,dΩ=dAdkxdky,dΩは処理量(位相空 間)エレメント,dA=dxdyである。
【0052】 数3は輝度及び立体角の関数として定めたパワーのための一般式である。数4は 位相空間座標の関数としての輝度のパワーを定める。重要なことは、以上の式か ら輝度(即ち、B(x,y;kx,ky))が位相空間密度に等しいことが判るこ とである。この結果、四次元(dx,dy;dkx,dky)に亘り、集積した位 相空間密度がフラックス(パワー)を作る。
【0053】 理解を助けるため数4を質量のためのより普通な数12に比較する。
【0054】
【数12】
【0055】 数12において質量密度はρ(x,y,z)である。このパラメータを容量エレ メントdx,dy,dzで積分したとき質量が得られる。
【0056】 同様にして、数4をdx,dy,dkx,dkyで積分したとき、X−Y面を通過 する光の総数が得られる。数4から、光の数は輝度に比例することが判る。これ は、光を個々に計数する必要性をはぶくための極めて有効な手段である。光の数 は数24によって測光量で特定される。
【0057】 数5、cosθの項をkyで置換することを除いて数3と同一である。cosθは、Z 方向(即ち、kz=cosθ)における方向的コサインであるため上記置換をなし得 る。
【0058】 数6は、放射の関数としてパワーを定める。数6によって方向(dkx,dky) の積分は既に達成される。放射はルーメン/m2であり、X−Y面の単位面積を通 過する光の数に等しい。
【0059】 数7はdx,dyの積分と、cosθの掛け算を含む。数7は数3の右辺を数10 で置換することによって得られる。
【0060】 装置の処理量Ωは数13で示される。
【0061】
【数13】
【0062】 質量に対する上記比較を参照して処理量は体積ユニット∫∫∫dxdydzと相 似である。dx,dy,dkx,dkyはエレメンタリ位相空間体積限界である。 (ここで“体積”は数学的な意味で用いており物理的意味ではない)。
【0063】 測定面(x,y)は、物理的または非物理的に(放射)源面または受光面、また は他の面とする。ランバーテン面(x,y)の例では、空間及び方向的座標内の 面全体に亘り、輝度(B)が一定である。
【0064】 この場合、数10と数11は数14と数15に示すように(ランバート法)減少 する。
【0065】
【数14】
【0066】
【数15】
【0067】 ここでJ0=B0ΔA,及びE=BΔΩ=πBである。
【0068】 総処理量は全立体角(2π)の半分に等価でありπに等しい。従ってP=BΔΩ に等しい。
【0069】 数13からエレメンタリ処理量と立体角間の基本的な関係はdΩ=cosθdωd Aとして得られる。
【0070】 従って輝度を定めるには数16または数17がある。
【0071】
【数16】
【0072】
【数17】
【0073】 数16ではcosθが表面エレメントΔAに接しており(従って表面垂直エレメン トΔA1がつくられ)、一方数17ではcosθが立体角エレメントに接している 。代表的に数16,好ましくは数17が用いられる。この理由は、輝度が位相空 間密度として定義され、ρ:ρ(x,y;kx,ky)または数18を最も直接な 手段で測光光トレースに適用できるからである。
【0074】
【数18】
【0075】 ここでρ(x,y;kx,ky)=B(x,y;kx,ky),dΩ=dx dy d kx dkyでこれは位相空間エレメンタリ容積である。
【0076】 上記のようにランバーテン面の例では輝度Bが、空間及び方向的座標の双方にお ける全面に亘り一定である。従って光は空間及び方向的座標双方に均一に分布さ れる。
【0077】 レーザーを除く総べての光源はランバーテンである。従って、光源の出力が既知 であれば光の分布を容易に決定できる。輝度情報は容易に光の分布に変え得る。 照明装置における(物理的または非物理的な)他の面に対しても同様である。)
【0078】 エレメンタリ四次元体積ユニットdΩの定義が繰り返され、空間及び方向的エリ アを区画する。ここでdΩ=dx dy dkx dky、dx dy=エレメンタリ 空間エリア、dkx dky=エレメンタリフーリエ(方向的)エリアである。
【0079】 kzが0のとき(非エレメンタリ)フーリエエリアが最大となる。この例ではフ ーリエエリア(kx y)はπに等しい。従って、任意方向の光に対しては光の 座標(kx,ky)は常にkx,ky面上の単位サークル内にある。更に、光源はラ ンバーテンであるから総べての光の方向的座標はkx,ky単位サークル内に等し く分布される。これは完全ランバーテンの例であり、図6Aに対応する。
【0080】 制限されたランバーテンの例を図6Bに示す。この例では光の分布は均一である が、曲率が1より小さいためエリアは制限される。この例では光は均一に分布さ れているが方向の範囲のみは制限されている。従って、図6Aと図6Bにおいて 光源は等方性でありランバーテンであるが、図6Bでは光源がランバーテンに制 限されているのみである。
【0081】 異方性の例を図6Cと図6Dに示す。この例では光の方向の分布は各方向で同一 ではない。
【0082】 図6A〜図6Dに示すようにフーリエエリアのパラメータは以下のようになる。
【0083】 図6Aの例:ランバーテン,F(a)=π
【0084】 図6Bの例:制限されたランバーテン,F(b)=πsin2α
【0085】 図6Cの例:矩形−異方性,F(c)=πsinαx sinαy
【0086】 図6Dの例:楕円−異方性,F(d)=πsinαx'sinαy'
【0087】 図6Aの例は数13によっても得られるが、上記の手段はより容易に得られる。
【0088】 図7は、ランバーテン光源直線セグメントにおける均一な輝度分布の2−D位相 空間を示す。このランバーテン光源は、長さLx,全方向角(kx max=±1), エレメンタリセル(Δx,Δkx)を有する。
【0089】 ランバーテン光源の例では,数14によって輝度は位相空間内で一定とされる。 これに対し図7に示すように各光線は、4−D位相空間における単一で独特な点 によって示され、位相空間密度ρはリウビイルの定理に応じて損失のない光学装 置のための不変量となる。これは4−D空間では説明できない。輝度点は2−D 位相空間(x、kx)のみを用いて説明できる。図8Aはランバーテン光源直線 における2−D輝度分布を説明する。然しながらランバーテン法則によればこの 分布は1つのエレメンタリセル(Δx,Δkx)について均一でなければならな い。
【0090】 図7に示すように均一な位相空間分布を規則的光トレースに変換するため図8A 内のランバーテン点光源を考える。外1分布は方向的(kx)空間で均一であり 、角度空間(J=J0cosθ)では均一ではない。これと全く反対に、図8Bに示 すように均一な角度分布はランバーテン光源を示さなさい。図8Aはランバーテ ン光源に対応し、図8Bは放射強度が均一な光源に対応する。
【0091】 このことは表1からより容易に了解できる。
【0092】
【表1】
【0093】 表1から明らかなように、kx軸に沿った均一分布は均一な角度分布とならない 。例えば、kx=0.8とkx=1.0間の角度差は11.5度のみである。従って意外なこ とにランバーテン点光源は図8Aに示すように空間座標でプロットしたとき光の 均一分布は得られない。
【0094】 以上の発見はランバーテン筒状光源にも適用できる。これらの光源は蛍光源のよ うな多くの実用的用途を有する。この場合には、光源は局部的にランバーテンで あり、湾曲面にもかかわらず輝度は所定の方向で一定となる。(従って、ランバ ーテン筒状光源とランバーテン平坦光源間には差がない)。例えば、太陽と月は ランバーテン球形光源である。従って、両者はランバーテン平板として観察され る。実際上、図9に示すように、Z方向のフラックスエレメントまたは輝度エレ メントは数15に応じて表面エレメントdAとcosθに比例する。
【0095】 ここで、dJ0=BcosθdA、また図9に示すようにdx=dAcosθである。
【0096】 従って、数19がxの関数として均一になる。
【0097】
【数19】
【0098】 光の密度としての測光量を示すため数4を数20の形に量子化する。
【0099】
【数20】
【0100】 ここで、Bijklはエレメンタリ四次元セルΔΩ内の平均輝度値であり、数21と 数22の形である。
【0101】
【数21】
【0102】
【数22】
【0103】 量子化ルールを適用することによって数23が得られる。
【0104】
【数23】
【0105】 ここでNは、光線の総数、nijklはエレメンタリセルΔΩ(i,j,k,l)を通る光 線の数である。換言すれば、所定の面(x,y)を通る各光は4−D位相空間内 の単一点によって示されるためnijklはエレメンタリセルの内側の光点の数とな る。同様にして光線の数としての他の測光量は数24及び数25で示す放射とし て示すことができる。
【0106】
【数24】
【0107】
【数25】
【0108】 この関係を2−Dの例のため図10に示す。ここで光線のセットは同一セグメン トを通るがその方向は種々異なるものとする。位相空間内の点によって示される これらの光線は、次いで同一x座標を有するエレメンタリセル内に位置される。 次いで、各エレメンタリセル(ijkl)内で光点数を数え、これらの数を位相空間 垂直i番欄に沿って加算する。この欄における光の総数は数21に応じて数Nij に等しくなる。加えられる光線の数は任意であるが計数時間を長くすることを避 けるためには上記の数はあまり大きくできない。また、滑らかな集積を行なうた めには上記の数はあまり小さくできず、(好ましくはnijkl〜10)とする。
【0109】 図11に背景照明装置を示す。この背景照明装置はラップトップコンピュータに 主として用いられるもので光エンジンLEと、光パイプLPと、スクリーン出力 面とを有する。光エンジンLEはランバーテン筒状光源LSと、コリメータCと を有する。光パイプLPは、光エンジンLEからの光を出力面に指向せしめるマ イクロプリズム列をその底部に有する。出力面の頂部にユーザーに示されるべき 情報を示す信号をベースとして出力面からの光を変調する空間光変調器(SLM )を設ける。更に、SLMの頂面上の拡散体、光エンジンLEと光パイプLP間 のフィルム、及びSLMの下側のフィルムを必要に応じて設ける。
【0110】 プロトタイプを急速に作成するため上記変調器(モジュール)の夫々を分離して 解析する。通常は1つのモジュールを一度に変調する。その結果、デザインを変 えた場合、変調されたモジュールを再解析する必要があるのみであり、不変のモ ジュールの解析は不要である。この結果計数時間を節約できプロトタイプの作成 を速めるようになる。
【0111】 上記の位相空間形式は背景照明装置の1つのエレメント、例えば、光パイプの出 力パワーを急速に予想するため用いることができる。この手段は下記の通りであ る。先ず、ハイパーキューブの形状を定める。ハイパーキューブは四次元の立方 体であり四次元位相空間座標装置内のエレメンタリセルである。ハイパーキュー ブを定めるため、x、y面がx値の定められた範囲を有し、方向的コサインkx とkyの双方が+1〜−1に変化するものとする。従って,x,y,kx,kyの 予想値の総べてが既知である。次に、ハイパーキューブを均一エレメンタリセル に分割する(数21参照)。次いで光線の総数とセルの総数を仮定する。光線の 総数とセルの総数は少なくとも幾つかの(好ましくは約6〜8の)光線が各エレ メンタリセルを通過するように選択する。光線の総数は100,000〜1,000,000の範 囲であり、セルの総数が約10,000の範囲であることが判明した。最後に、輝度が 位相空間密度に等しいという関係を出力パワーの予想に適用した。以下の例はそ の詳細を説明するものである。
【0112】 (例1)
【0113】 下記のパラメータを想定して数26を得た。ランプ輝度B0=39,000 cd/m2(ラ ンバーテン);光源直径D=2R=2mm;光源長さL=30cm。入射フラックスP 0 =(筒状面の表面積)(ランプ輝度)(全ランバーテン光源のためのフーリエ エリア)
【0114】
【数26】
【0115】 次に各光線に重み(ルーメン/光)を付した。この入力パワーが総数100,000の 光線(即ち、N0=100,000)に等しければ光密度が数27で得られる。
【0116】
【数27】
【0117】 数27に応じてパワー率を各光線に付す。光線は、従来の光トレースプログラム によって定められたように多くのインターフェースを通して進む。各インターフ ェースにおいて反射ロス等の材料ロスがある。然しながら、各光線に付されてい る重みがこれらのロスによって減少する。説明のためには統計的平均を用い得る 。
【0118】 次に装置の光学的効率をη=P/P0=70%と仮定する。
【0119】 N=70,000の光線が端部を通れば(各光線のロスが100%または0%の何れかで あると仮定すれば)出力パワーは0.002 lm/光 で P=ηP0=162 lmとなる。
【0120】 次にL=W=30cm,エレメンタリセルの総数がM=10×10×10×10=104と仮定 する。
【0121】 図12は、10×10の空間座標装置を示し、図13は方向的座標装置を示す。図1 2に示す10×10エレメンタリセルの夫々はそれ自体kxyプロット(図13)を 有する。
【0122】 この例では、エレメンタリセルの形が方向的座標と空間座標に亘り等しく配分さ れているものと仮定する。換言すれば、10×10セルは方向的座標に示し、10×10 セルを空間座標に示す。然しながら、セルを空間座標と方向的座標間に配分する 手段には融通性があり、従って異なる配分となし得る。例えば、以下の配分を用 い得る。M=20×20×5×5(即ち、方向的座標空間に示された20×20セル及び 空間座標スペースに示された5×5セル)。このことは方向的座標装置内の精度 を増大することになる。kx=0.8とkx=1.0間の範囲は37度の差を与えるが、 これは多くの場合で極めて大きいものである。
【0123】 M=10×10×10×10をベースとして位相空間エレメンタリセルΩ0は、Ω0=0.2 ×0.2 ster×3cm×3cmであり、このエレメンタリセルを通る光線の平均数<n >は<n>70,000 光線/10,000セル=7光線/セルとなる。
【0124】 従って、セル毎の平均フラックスPBはPB=7×0.00231 lm/光=0.02 lmとなり 、平均出力輝度<B>は数28のようになる。
【0125】
【数28】
【0126】 また、輝度効率xはX=555/39,000=1.5%となる。
【0127】 この例では、この出力は極めて暗いものとなり、視角は不必要に大きい。
【0128】 (例2)
【0129】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±11.5°と同一y角αy=±11.5°内に制限されるよう、 上記出力光をコリメートする。その結果、(SIN-1 (11.5)=0.2であり、光線 がkx=−0.2,0または+0.2でky=−0.2,0または+0.2を有するセルからの み放射されるため)占有エレメンタリセルの数は5×5=25−ファクターに減少 し、平均出力輝度は<B2>=555×25=13,875 cd/m2となる。
【0130】 この例では、出力は極めて明るく、視角は極めて小さい。
【0131】 (例3)
【0132】 この例では、例1と同様のパラメータを仮定する。然しながら、この場合には出 力光の平均がx角αx=±30°と同一y角αy=±30°内に制限されるよう、上記 出力光をコリメートする。その結果、平均出力輝度は<B3>=555×4=2,220 c d/m2となる。これはラップトップコンピュータスクリーンのための代表的な輝度 値に合致する。
【0133】 図14A,図14B,図15に示すように位相空間座標装置に応じて組織された 空間及び方向的光情報を、照明装置の実行特性を示す二次元グラフを作るために 用いる。
【0134】 図14Aは出力面x,yを有する背景照明装置の例である。背景照明のための位 相空間座標装置はM=20×20×5×5座標装置に組織されている。従って、空間 座標スペースは5×5セルを消費し(即ち、既に説明したように出力面x,yは 5×5=25エレメンタリセルの出力面に分割されている)、方向的座標空間は20 ×20エレメンタリセルを消費する。10,000のエレメンタリセルのセットのため の位相空間座標B(x,y;kx,ky)の完全なセットが背景照明装置のため得 られている。上述のように、この情報は、(従来の光トレースプログラムが位相 空間座標装置の情報として組織されていないとしても)従来の光トレースプログ ラムを用いて得られる。例えば、模範的なセルx43の出力特性を知ることも望 ましいと仮定すれば、セルx43を励起する光の異なる出力方向αのため輝度の 変化具合を知るのが好ましい(角αは上述のようにx軸に関連して定められ、こ れは変化するパラメータkxである)。
【0135】 図14Bは模範的なセルx43のための方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky )を示す。(方向的座標空間B(x4,y3;kx,ky)はセルx43のためのみ のものであるが、他の各セルxi,yiは同様の方向的座標空間B(xi,yi;k x ,ky)を有する)。(異なる出力方向αとβに対抗して)異なる出力方向αの ための輝度の変化具合を知る事のみが望ましいため、二次元グラフのみが望まれ 、方向的座標kyが一定に保持される。中間範囲値を選択する目的で値ky=0が 選択される。kx=−1.0〜+1.0のための座標B(x4,y3;kx,0)のシーケ ンスは図14B中のハイライト部分である。
【0136】 図15はB(x4,x3;kx,0)の二次元グラフを示す。このグラフにはkxの 20の値の夫々のための輝度値を示す。このデータ点は滑らかなカーブを得るた め補間されている。
【0137】 図15は、パラメータkxが−1.0から+1.0に変化したとき輝度変化のky=0の 点で得た断面を示す。kyの20の異なる値の夫々のための同様のグラフを作り 、これら20のグラフを組合せることによってセルx43のためのkxとkyの関 数として輝度変化の三次元グラフを得ることができる。滑らかな面を形成するた めデータ点を再び補間する。説明した背景照明装置の出力面を区画する24個の セルを残すために同様の二次元及びまたは三次元輝度グラフを得ることができる 。
【0138】 測光光トレース情報を得るため以下の好ましい手段を用い得る。第1に(例えば 、光源の形状,輝度,吸収定数,屈折率,マイクロプリズムの形状等)のカタロ グタイプデータを光源表示のために選択する。次に、位相空間方式を用いて光源 面に対し光のランバーテン分布を作る。次いで、光トレースルールをコンピュー タプログラムを用いて各信号光のために作る。次に、セル当りに幾つかの光線が あるとして光の入力数と出力エレメンタリセルの数を仮定する。次いで、光線当 りの重みまたはパワーの減少を計数する。次に、測光データ獲得装置を定め、出 力光の位相空間座標をセル配置に変換する。換言すれば、光に出力座標(xi, yi;kxk,kyl)を与え、この装置によって光を特別なエレメンタリセルに割 り当てる。次いで、各セルのため光の合計重量を計数し、エレメンタリセル当り の出力パワーの量を求める。次に、所定のセルのため全セル出力パワーをセルの 処理量によって分割する(数28参照)。この分割結果は所定のセルのための平 均輝度となる。次いで、この操作を総べてのセルについて繰り返しセルの範囲の ためセル当りの輝度分布を得る(数23参照)。例えば、セル数が10,000のとき 夫々に輝度出力を示す10,000の値がある。結局、上述のようにデータは二次元ま たは三次元グラフの形で示される。
【0139】 位相空間座標装置に応じて組織された空間及び方向的光情報がコスト関数と共に 用いられる。例えば、数29で示す最小2乗平均誤差(MMSE)を用いる。
【0140】
【数29】
【0141】 ここでBMAX(i,j)はkxとkyの総べての値のための所定のセル(x=i, y=j)のための最大輝度出力、BAVGは総べてのセルのための最大平均輝度出 力である。この関数は出力面の輝度分布を均一とするため用いられる。輝度出力 が均一であれば、総べての例でBMAX(i,j)=BAVGであり、コスト関数の出 力Cは零に等しい。輝度出力が全体的に均一でなければ、BMAXは総べて等しく なく、コスト関数の出力は零とならない。出力Cを最小とすることによって均一 な輝度出力が得られる。
【0142】 上記コスト関数を用いて最適ならしめたパラメータの例を図16に示す。図16 は、光パイプのマイクロプリズム(溝)MPMを示す。マイクロプリズムは三角 形が理想的である。然しながら、製造上の不完全さによってその隅の一つが丸く なる。この丸みの程度は距離gに対する高さhで測定する。他の2つの隅は角α 1 とα2で測定する。パラメータh,g,α1,α2を変え上記のコスト関数を加え ることによって光パイプの性能が最適となる。
【0143】 測光光トレースを幾何学的−光学的に関連する問題に適用できる。然しながら、 測光光トレースは、物理的−光学的に関連する現象がソフト手段で明らかにされ るエリアのような他の手段でも適用できる。このような例では、光学的干渉(及 び回折)能力が極めて低く、一方光学的強度が波長に関連して次第に変化するべ きである。このような弱い空間コヒーレンス源は準均質源と呼ばれる。これらは 自然界及び工業界で極めて共通であり、総べての熱源,蛍光源,LED,半導体 レーザの大部分,プラズマ源等を含む。
【0144】 図17は、ランバーテンの法則によって定められたものとは異なる角度特性を有 する非ランバーテン拡散体を示す。この非ランバーテン拡散体は光を散乱せしめ るために用いられる。従って、光線の数が2または3倍とされる他の光学装置と 異なり、非ランバーテン拡散体は光線の数を約100倍とする。
【0145】 従来の光トレース技術は散乱効果を無視して非ランバーテン拡散体に適用されて いる。然しながら、光線の数が驚くほど増加するため光トレース問題の複雑さが 驚くほど増加する。例えば、100万の光線のトレースの代わりに1億の光線のト レースが必要となる。即ち、計数時間がより長くなる。
【0146】 然しながら、(以下述べるように)例えば拡散体の入力面が光学的に空間光変調 器の出力面に結合している場合で、上記空間光変調器が光パイプの出力面に結合 している入力面を有し、上記光パイプが光エンジンの出力端に結合した入力端を 有する場合には、他のアプローチを用い得る。一般に、この異なるアプローチで は空間光変調器の出力に対して光源から光トレースを行なう。積分方程式を空間 光変調器の出力に適用できる。これら方程式は実験的に定めた情報に関連付けら れ、拡散体を通して光トレースを行なう必要が除かれるため照明装置をモデル化 する速度が大きく増加する。この速度増加によりプロトタイプ作成速度が大きく なる。
【0147】 B′(x,y;kx,ky)の形の(拡散体なしの)出力輝度分布と、B(x,y ;kx,ky)の形の(拡散体を通した後の)最終輝度分布を考える。均質直線装 置理論によれば、これら2つの輝度間の関係は数30のような渦巻き形となる。
【0148】
【数30】
【0149】 ここでh(kx,ky)は装置の点応答で均質拡散体のためには位置(x,y)に 依存しない。数30は、h(kx,ky)の関数として輝度入力に対する拡散体の 輝度出力に関連する。関数h(kx,ky)は実験的に定める。従って、拡散体に 輝度入力が加えられたときの輝度出力は数30を用いて決定できる。
【0150】 関数(h)の点応答特性はデイラック デルタ関数分布を数31に示すようにB ′−輝度に置換することによって容易に変え得る。
【0151】
【数31】
【0152】 ここでδ(...)はデイラック デルタ、F(x,y)は平滑関数である。数3 1を数30に置換することによって数32が得られる。
【0153】
【数32】
【0154】 従って、h関数は実際上装置点応答となる。ロスのない拡散体(フレネルロスを 無視)のためのエネルギ保存の法則から均等放射が数33〜数35で得られる。
【0155】
【数33】
【0156】
【数34】
【0157】
【数35】
【0158】 数30を数34に置換することによって及び数33と数35を用いて数36に示 す標準化関係が得られる。
【0159】
【数36】
【0160】 従って、h点関数が単位値に標準化される。数34の積分が均質変化に制限され るため、即ち、kx 1+ky 2 ≦1のとき均等性が維持される。従って、積分操作 が無限に広がり、論議(kx →kx−kx')のシフトを無視できる。
【0161】 角度空間(kx,ky)内の点応答として関数h(kx,ky)を、図17に示すよ うに均質拡散体を通過する入射面波を有する光の角度特性を測定することによっ て実験的に得ることができる。この特性は数36によって標準化できる。
【0162】 準均質源の為の光源輝度は数37及び数38の形となる。
【0163】
【数37】
【0164】
【数38】
【0165】 I0は光学的強度、ωは角周波数、cは真空中における光速、外2は空間コヒー レンスの複雑度の2−Dフーリエ変換、外3は数39の形である。
【0166】
【外2】
【0167】
【外3】
【0168】
【数39】
【0169】 ここでd2r=dxdyである。数37と輝度強度デフニションとの比較によっ て数40が得られる。
【0170】
【数40】
【0171】 例えば、B=一定(ランバート法)であれば数38によって Jがcosθとなり、Bが1/cosθとなる。一般にBがcosnθであれば表2に示す ようにJはcos(n+1)θ、外2はcos(n+1)θとなる。
【0172】
【表2】
【0173】 表2はコヒーレンス(μ)の複雑度のフーリエ変換と、輝度(B)と輝度強度( J)のための典型的角度特性を示す。
【0174】 代表的な光源はランバーテン光源であるが、代表的な輝度面は、その角度特性が ランバーテン光源よりより狭いため非ランバーテンである。
【0175】 この結果、これらの空間コヒーレンスラジアスは通常λより高い。共役分散係数 (ρ及びΔρ)のためのハイゼンベルグの不確定性原理はこれをρ×Δρ〜λと して示す。
【0176】 ここで、ρは空間コヒーレンスラジアスである。Δρ=1(非コヒーレンスの場 合)であれば、ρ〜λが得られる。即ち、空間コヒーレンスラジアスは波長に等 しい。一般により狭い光、即ちΔρ=1/ε;ε≧1を考える。
【0177】 数39によりρ=ελが得られる。即ち、狭い光は高い空間コヒーレンスを有し 、ρ>λである。
【0178】 プロトタイプの急速作成のためには、作られる照明装置内に現れるコンピュータ モデル化によって望ましくないアーチファクトを消去することが重要である。コ ンピュータモデル化が完了したときデザインプロセスが完成されるべきである。 このデザインプロセスには、単一のプロトタイプを作るプロセスは時間を費やし 、高価($50,000のオーダー)となるため製造プロセスに組み込むべきではない 。製造工程は顧客に販売すべき照明装置の製造工程のみとすべきである。図18 及び図19は望ましくないアーチファクトの例を示す。図18は、面C−D−E −F−C’−D’−E’−F’によって物理的に結合した背景照明装置を示す。 背景装置(スクリーン)の出力面は面E−F−E’−F’によって定める。面C −D−C’−D’に配置したマイクロプリズム構造(図示せず)は、約40,000 c d/m2の輝度を有する筒状光源より成る光エンジンLEからの光線を反射する。こ の光線は、例えばラップトップコンピュータのスクリーンに協同して用いる出力 面E−F−E’−F’に向かう。マイクロプリズム構造は光源が面A−B−A’ −B’に延びるような光学的錯覚を作り、その結果面A−B−C−D−A’−B ’−C’−D’によって区画された仮想空間を作る。
【0179】 出力面E−F−E’−F’を通してユーザーが見ることができる可視傾斜面B− D−B−Dが仮想空間に形成される。この焦面は好ましくない像アーチファクト である。このアーチファクトは、マイクロプリズムが面C−D−C’−D’の右 側上より左側上により接近するため傾斜する。図19は図18に示す照明装置の 任意の断面K−y−K’−y’を示す。(マイクロプリズム構造の多重反射効果 による)一連の仮想光源は点Kから点Hに延びる。この仮想光源は焦線を作り、 これは焦面、即ち、像アーチファクトを作るため他の焦線に組み合わされる。濃 くした面B−D−B’−D’上のセグメントとなる光源LS上の黒リングをマー クすることによって実験的に像アーチファクトを示すことができる。
【0180】 図18と図19に示すようなアーチファクトを検出することは照明構造を三次元 的に見ることなしには困難である。然しながら、上述の理由でプロトタイプの急 速作成のためにはこのアプローチは受け入れられない。照明装置をコンピュータ でモデル化することによってかかるアーチファクトを検出することは好ましい。 即ち、かかるアーチファクトを示す照明構造を三次元的に示すためにコンピュー タを用いることは好ましい。
【0181】 自動コンピュータ工具を用いて三次元表示を行うため三次元内での測光光トレー スを行なう。このプロセスの間、光トレースを用い得る焦点、焦線、及び焦面が 検出される。これらは像アーチファクトの境界となる。
【0182】 然しながら、上述の測光光トレースは所定の二次元(x,y)面を通過する光の 断面をベースとする。従って、三次元可視像を作るため複数の二次元断面を作る 必要がある。
【0183】 複数の二次元断面を作るため測光光トレースに協同して複数のZ面を選択する必 要がある。パラメータ(x,y;kx,ky)は所定のZ面を通過する光のセット を特徴づけ、従ってこれらパラメータは選択されたZ面に依存する。然しながら 、像アーチファクトは通常斜めの制限された範囲でのみ見られ、予め好ましくな い像アーチファクトを作るため選択されるZ面を知ることは不可能である。
【0184】 以下のアプローチはこの困難さを除去するためになされる。第1に、仮想空間を 立方体に分割する。次いでこの立方体を平行にスライスし、測光光トレースを各 スライスに対し行なう。これらの工程を夫々Z軸によって定められた方向で異な る総べての観察点に繰り返す。一般に、照明構造は制限された視野範囲、例えば ±30°からのみ見られる。従って、これら工程を360°全体に亘り行なう必要は 無く、制限された視野範囲、例えば60°に対しのみ行なう。次に、個々のモノス コープ的オリエンテーションを対に再編成しステレオスコープ的視野(ステレオ スコープ法により組織されたモノスコープ的オリエンテーションの対)を作る。 従って、高い輝度のこれらステレオスコープ的視野のみを光学ノイズ消去のため 選択する。これは、しきい値、レベルを用いてなされ、例えば3ニット(ニット =cd/m2)以下の輝度値を有する総べての視野を捨てる。
【0185】 (ここでは任意のアーチファクトが3ニット以上の輝度値を有するものと想定す る)。これら総べての工程はコンピュータによって自動的に行なうことができる 。
【0186】 三次元可視像を作るため測光光トレースを適用する上記直接法は断層撮影法によ って置換できる。このアプローチは焦面(または焦点面)の幾つかの存在を予め 仮定し、この予めの情報を可視光断面の幾何学的位置に結合することをベースと する。
【0187】 データが集計されたとき照明装置の個々のデザインが示される。これらのデータ は照明装置のステレオスコープ的視野、即ち、三次元の形であるのが好ましい。 従って、このデータは人間が容易に認識できるフォーマットを与える。光の通る 全ての航路の空間及び方向的座標に関する生のデータとの個々の比較により提案 されたフォーマットは(特定の視野からのみの照明構造を取り出しているため) 一般的ではなく、多くの情報を有しない。然しながら、より容易に判断でき、従 ってより有用なフォーマットで情報を提供できる。このフォーマットは、実際の 照明構造を同一手段で見る、即ち、一度に一つの角度を見るというデータを作る 。
【0188】 三次元フォーマットでデータを示す従来のコンピュータグラフ技術には種々のも のがある。この直接のアプローチによれば各立方体は局部的面の局部的部分を定 める。マーチングキューブ法のような連結操作が採用される。この結果、連結操 作の終了後、照明装置の適するデザインによって消去されるべき望まれない可視 アーチファクトを示す焦面が得られる。他の従来の体積表現方法も使用できる。
【0189】 図20は計数時間を更に短縮するため本考案で用いる反転光トレースを示す。考 えられる限りでは上述の光トレースのデータは光源からの光をトレースして集め 、照明装置の出力面における出力パワーを結合したものを定めて得たものである 。然しながら、代わりに、光を人間の目の一つから照明構造にトレースし、光源 に返す(反転光トレース)ようにしても良い。
【0190】 反転光トレースはコンピュータ効率が良く、従って計数時間を短縮し、プロトタ イプ作成を速める。この反転光トレースによれば、人間は光構造を所定の斜めか ら見るものと想定される。光は人間の一つの目から照明構造にトレースされ、光 源に変える。得られたデータは、他の目のため同様のプロセスを繰り返して得た データと結合し、三次元像を得る。人間が照明構造から見るものと仮定すればト レースされる光の極めて高い割合のものが有用な情報を作るため、コンピュータ 効率をより高める。光パイプの目的は光源からの光を指向せしめることにある。 従って、光パイプで目を見たとき目から放射された光が光源に当る確率は極めて 高い。
【0191】 これに対し、トレースを光源で始めれば、光の大部分が人間の目に達しないよう になる。従って、反転光トレースを用いないときは、人間の目に達しない光のト レースのための計数時間は無駄なものとなる。
【0192】 反転光トレースを行うための第1のステップは、光源が目の焦点にあるかのよう に目から出た光のセットをトレースすることである。目の視野は光パイプにより 制限される。光は目の視野を通り、光が光パイプの面に当ったとき光パイプから 始まる光のトレースを制御する同一光トレース法則/式によって光が制御される 。光トレースを制御する式は、光トレースが前方または後方になされるか否かに かかわらず当てはまる。従って上述の位相空間技術は反転の場合にも同様にして 適用できる。
【0193】 目からの光は光パイプを介して反対にトレースされる。光が光源に当った時、こ れは有効な光と考えられる。従って、各反射において反射された光のパーセント を定め、光のパワーを定めることができる。図21は目から光源の面にトレース された光を示す。図21に示すように光は目から光源の面にトレースされる。光 は次いでルミナイアに向かう間に数回反射する。ルミナイアは光エンジンLEの モデルである。(光エンジンLEは複雑な構造であるため、インターフェースを 光パイプでモデル化する。このモデルはルミナイアであり、光エンジンLEから の光を定める空間及び方向的情報のセットによって形成される)。更に、各光が 反射する毎に失うパワー量は既知である。従って、ルミナイアは始め光にパワー を与え、次いで光構造の出力面における光のパワーを、各反射で失なう分を考慮 してルミナイアから後方のワーキングによって定めることができる。従って、目 に当る光の輝度は既知である。これは光構造の像を形成するため他の光の情報と 結合できる。
【0194】 上記のアプローチを用いて照明装置の三次元表示のシーケンスを比較的短い計数 時間で得ることができる。例えば、平面ではない表面を見るため(1mm3のオー ダーの)小さい立方体サイズを選択する。仮想の像空間は例えば10cm×10cm×10 cmとし、1mm立方の立方体を用いればそこには106の立方体がある。視野範囲が30 °であればこの内に1,000のオリエンテーションを取り得る。スライス当り100の 光を用いる。この結果、オリエンテーション毎の立方体毎に1,000ポイントあり 、三次元表示のため1012のデータ点を定める必要がある。(1秒当り1010のオー ダーの操作を処理できる)高速コンピュータを用いれば、計数時間は秒のオーダ ーとなる。従って、30°の範囲のステレオスコープ的視野の全範囲を本考案によ れば分単位で作り得る。
【0195】 従って好ましい三次元可視プロセスはプロトタイプを急速作成し、隠されたアー チファクトの検出と消去をコンピュータ的効率で実現できる。
【0196】 照明装置をコンピュータモデル化するために望まれる時間を以下述べるコンピュ ータ構造を用いて減少できる。一般的に照明装置のモデル化プロセスは同質の課 題であるが異なるセットより成るコンピュータ負荷を含む。同質の課題は、例え ばB(x,y;kx,ky)データ点に達するため照明装置を通る個々の光のトレ ースの課題である。ここには(千から1億のオーダーの)多数の課題がある。然 しながらこれらの課題は1つの光の光路は他の光の光路に影響しないという点で 互いに独立である。
【0197】 本考案は、照明構造のプロトタイプを急速に作ることに関連するコンピュータ負 荷の型を処理するために特に好適なコンピュータ構造を形成する。図22は主プ ロセッサMPと、これに複数の高速直列リンクFSLによって夫々結合された複 数の従プロセッサSPとより成るコンピュータ装置を示す。主プロセッサMPと 従プロセッサSPはスター結合される。
【0198】 この構造では、単一のプロセッサによっては多くの時間を必要とする大きな課題 を主プロセッサMPによって複数の従プロセッサSPによって達成できる多くの 同質の従課題に分解する。課題は複数の従プロセッサSPに分配されるため、単 一のプロセッサによって行なう場合に比べより速く課題を処理できる。(ここで は4個の従プロセッサを示したがより多くのものを用い得る)。複数の従プロセ ッサSPにより課題をより速く処理できるため、照明構造をモデル化するために 必要な時間を減少でき、従って、プロトタイプ形成時間を短縮できる。
【0199】 図23は図22に示すコンピュータ装置の詳細を示す。主プロセッサはホストプ ロセッサMPである。このホストプロセッサMPは、複数の視野プログラム可能 なゲート列(FPGA)プロセッサである複数の従プロセッサSPに接続する。 上記接続はスター接続、より詳しくはSIMD単一指令、多数データパス)スタ ー接続である。指令は主プロセッサからのみ与えられ、そこには多数のデータパ スがある。
【0200】 各FPGAプロセッサは複数の直列リンクFSLによってホストプロセッサに接 続された共通多チップモジュール上に配置する。各FPGAプロセッサはホスト プロセッサMPに接続されており回路網と考えられる。然しながら、FPGAプ ロセッサは同一物理的ボード上に配置されているため、この回路網は、例えば複 数の卓上コンピュータによって形成された回路網とは物理的に異なる。
【0201】 コンピュータパワーを増大するため必要に応じて従プロセッサを付加できる。例 えばホトニックインターボード接続IBCを、複数の付加FPGAボードをホス トプロセッサMPに接続するため用い得る。その結果、複数の従プロセッサSP を有する多くのボードを互いに積重できる。(互いに積重できるボードの数はコ ストの点で制限され、付加される他のFPGAボードのコストはさらに大きくな る)。
【0202】 ホストプロセッサMPは総べてのデータ(例えば、x,y;kx,kyパラメータ )を貯蔵する。毎秒約100MBの速度で操作される高速直列リンクFSLを用い てホストプロセッサMPは計算に必要なデータを個々の従プロセッサに分配する 。ホストプロセッサMPはデータの分配を制御し、その結果を集め表示する。
【0203】 FPGAプロセッサSPはホストプロセッサMPに直列リンクされるが、互いに 接続されることはない。この構成は従プロセッサが処理する課題の型に対応する 。例えば、各FPGAプロセッサは、照明構造を介して光路をトレースするため 用い得る。然しながら、光路は互いに影響されないためFPGAプロセッサSP を互いに接続する必要はない。ホストプロセッサMPはFPGAプロセッサSP によって必要とされる総べて情報を有する。従って主プロセッサはデータをFP GAプロセッサSPに分配する必要はなく、FPGAプロセッサSPが計数した 後従プロセッサからの結果を集める。
【0204】 FPGAプロセッサSPが処理する異なる課題の数には制限がある。同一の型の 課題を処理するため一度に2つのFPGAプロセッサSPを用いる必要はない。 然しながら、一般に、ホストプロセッサMPによって指令されたとき、異なる制 限された数の課題をFPGAプロセッサSPが繰り返し処理する。ホストプロセ ッサMPによって指令されたとき特別の課題を処理できるようFPGAプロセッ サSPは予め形づけられる。
【0205】 各FPGAプロセッサSPには32KBのスタテック ランダム アクセス メモ リ(SRAM)を関連せしめる。SRAMは主プロセッサからの指令を含み、キ ャッシュメモリとして機能する。また、ホストプロセッサMPから得たデータを 貯蔵する1メガバイトのダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM )を用いる。
【0206】 上記構造は予期しない結果をもたらす。第1に、課題の総べてが同一のハードで はなく、従って、出力データ流は層状ではない。例えば、第1の光が光パイプか ら出る前に反射せず、第2の光が6回反射したとすれば、第2の光の光路を計数 する課題は第1の光の通路を計数より課題よりもより難しいものとなる。然しな がら、個々の光の光路は互いに独立して計数されるため、非層状出力データ流は 上述の手段での接続を阻止することはない。
【0207】 更に、個々の従プロセッサは主プロセッサのための特別なワークを作る。即ち、 主プロセッサは、課題の分配,結果の集計,結果を全体に結する必要がある。然 しながら、従プロセッサと主プロセッサの結合により照明装置のモデル化に必要 な時間を大きく減少する。
【0208】 本考案はその精神の範囲内で種々変更でき、上記実施例に限定されることはない 。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24A
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24B
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図26
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図29
【補正方法】削除
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元平面と光線の交点の説明図である。
【図2】二次元平面と複数の光線との交点の説明図であ
る。
【図3】線と複数の光線との交点の説明図である。
【図4】図3に示す光の二次元図形を示す。
【図5】位相空間における光線の位相説明図である。
【図6A】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6B】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6C】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6D】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図7】二次元位相空間におけるランバーテン光源直線
セグメントにおける均一輝度分布の説明図である。
【図8A】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図8B】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図9】測光光トレースを用いたランバーテン筒状光源
の説明図である。
【図10】二次元位相空間内の光と種々の方向コサイン
の光のセットの説明図である。
【図11】ランバーテン光源、非イメージオプティク
ス、マイクロプリズム列及び出力を有する背景照明シス
テムの説明図である。
【図12】空間座標システムの説明図である。
【図13】図12の空間座標システムのセルの1つに関
連する方向座標システムの説明図である。
【図14A】出力面を有する背景照明システムの説明図
である。
【図14B】図14Aに示す背景システムの所定のセル
のための方向座標空間の説明図である。
【図15】方向座標の1つが変化し、他が一定に保持さ
れる、図14Bのセルのための輝度値の説明用グラフで
ある。
【図16】コスト関数を用いて最小にできるパラメータ
を有する光パイプのマイクロプリズムの説明図である。
【図17】ランバーテン拡散体の角度特性の説明図であ
る。
【図18】望まない人工物の例の説明図である。
【図19】望まない人工物の例の説明図である。
【図20】眼から光源にトレースされる反対光トレース
の説明図である。
【図21】光パイプの反対光トレースの説明図である。
【図22】光トレースに用いるコンピュータ構造の説明
図である。
【図23】図22に示すコンピュータ構造の詳細図であ
る。
【図24A】拡大されたマイクロプリズム列を有する光
パイプを有する背景照明システムの詳細説明図である。
【図24B】拡大されたマイクロプリズム列を有する光
パイプを有する背景照明システムの詳細説明図である。
【図25】拡大されたマイクロプリズム列を有する光パ
イプを有する背景照明システムの詳細説明図である。
【図26】拡大されたマイクロプリズム列を有する光パ
イプを有する背景照明システムの詳細説明図である。
【図27】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【図28】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【図29】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【符号の説明】
LE 光エンジン LP 光パイプ Ω0 位相空間エレメンタリセル I0 光学的強度 ω 角周波数 c 光速
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月8日(2000.9.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 照明装置用プロトタイプの作成装置
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項】 多軸及び多面の少なくとも1つである照
装置用光パイプであって上記光パイプの選択された一
面がこれを通過する複数の光線のトレース路によってモ
デル化されており、このモデル化が、特定の光線が上記
面と交差する空間点を定める空間座標と上記特定の光線
が上記面と交差する角度を定める方向座標とを有する位
相空間座標内で上記複数の光線の夫々を定め表示するこ
とである作成装置により形成された照明装置用光パイ
プ。
【請求項】 光のトレースをベースとして定めた測光
量に応じたステレオ三次元表示を有する請求項記載の
光パイプ。
【請求項】 主プロセッサと、この主プロセッサに接
続された複数の従プロセッサとを有し、上記主及び従プ
ロセッサが照明装置の光トレースに協同し、上記従プロ
セッサが同種の独立した課題を実行する照明装置用プロ
トタイプの急速作成用コンピュータ装置
【請求項】 上記従プロセッサの総てが単一のマルチ
チップモジュール板上に配置されている請求項記載の
コンピュータ装置
【請求項】 上記マルチチップモジュールがインター
ボード連結リンクを有し、このリンクが複数の付加的従
プロセッサを主プロセッサに接続する請求項記載のコ
ンピュータ装置
【請求項】 上記各従プロセッサがフィールドプログ
ラム可能なゲートアレイ プロセッサを有する請求項
記載のコンピュータ装置
【請求項】 上記従プロセッサがスターネットワーク
の形で上記主プロセッサに接続される請求項記載のコ
ンピュータ装置
【請求項】 上記従プロセッサがスターネットワーク
の単一マルチデータパス型の形で上記主プロセッサに結
合される請求項記載のコンピュータ装置
【請求項】 上記従プロセッサが非層状出力データ流
を作る請求項記載のコンピュータ装置
【請求項10】 上記主プロセッサが上記従プロセッサ
に課題とデータを加え、上記課題は、上記照明装置を通
る特別な光線のトレースを含み、上記従プロセッサが個
々の光路を独立してトレースするようにし、上記データ
は、上記光トレース課題と関連し、上記主プロセッサが
上記従プロセッサから上記課題の結果を集め組み合せる
請求項記載のコンピュータ装置
【請求項11】 主プロセッサと、この主プロセッサに
接続された複数の従プロセッサとを有し、上記主及び従
プロセッサが照明装置の光トレースに協同し、上記従プ
ロセッサが同種の独立した課題を実行するコンピュータ
装置を用いて作成した光パイプ。
【請求項12】 ランバーテン筒状面からの光を受け取
る光パイプであって、 入力面と、 出力面と、 メタライズされている複数のマイクロプリズムと、 メタライズされていない複数のスペーサとより成り、上
記複数のスペーサが上記複数のマイクロプリズム間に配
置され、上記複数のスペーサと上記複数のマイクロプリ
ズムが交互に並ぶようにされ、上記光パイプを通る光の
伝達が全内部反射によって成され、上記出力面からの光
の反射が上記複数のメタライズされたマイクロプリズム
によって成される光パイプ。
【請求項13】 上記マイクロプリズムが写真石版技術
で上記複数のマイクロプリズムに付したマスクを用いて
メタライズされ、上記マスクが(1)上記複数のスペー
サと、(2)上記複数のマイクロプリズムの1つをカバ
ーし、(1)上記複数のスペーサと(2)上記複数のマ
イクロプリズムの残りをカバーしない請求項12記載の
光パイプ。
【請求項14】 上記マイクロプリズムがメタル箔マス
クを用いてメタライズされ、上記マスクが(1)上記複
数のスペーサと、(2)上記複数のマイクロプリズムの
1つをカバーし、(1)上記複数のスペーサと(2)上
記複数のマイクロプリズムの残りをカバーせず、上記メ
タル箔マスクが上記光パイプの表面に、この表面が加熱
されたとき、貫通する請求項12記載の光パイプ。
【請求項15】 上記マイクロプリズムが方向的蒸着プ
ロセスを用いてメタライズされる請求項12記載の光パ
イプ。
【請求項16】 複数のスペーサによって分離された複
数のマイクロプリズムを有し、上記マイクロプリズムが
メタライズされており、上記複数のスペーサがメタライ
ズされていない光パイプ。
【請求項17】 照明装置用プロトタイプの急速作成
であって上記プロトタイプの選択された一面がこれを
通過する複数の光線のトレース路によってモデル化され
ており、主プロセッサと、この主プロセッサに接続され
た複数の従プロセッサとを有し、上記従プロセッサが同
種の独立した課題を実行する上記モデル化のためのコン
ピュータ装置を有し、上記従プロセッサが上記主プロセ
ッサに協同して上記照明装置を上記複数の光線がトレー
スし、上記モデル化が、特定の光線が上記面と交差する
空間点を定める空間座標と上記特定の光線が上記面と交
差する角度を定める方向座標とを有する位相空間座標内
で上記複数の光線の夫々を定め表示することである照明
装置用プロトタイプの急速作成装置
【請求項18】 光学パラメータを有し、その出力面に
光のランバーテン分布を有する光エンジンと、複数のエ
レメンタリセルとを有し、上記複数のエレメンタリセル
の各セルの出力から各セル毎の輝度分布が定められてい
る請求項17記載の装置
【請求項19】 上記エレメンタリセルの数が1万のオ
ーダーであり、上記光線の数が100万のオーダーである
請求項18記載の装置
【請求項20】 入力面と出力面とを含む非ランバーテ
ン拡散体を有し、上記モデル化が上記入力面に隣接する
部分のためになされ、上記非ランバーテン拡散体の入力
輝度に対する非ランバーテン拡散体の出力輝度に関連す
る点応答と上記モデル化をベースとして上記出力輝度が
定められる請求項17記載の装置
【請求項21】 複数の二次元断面と、 第1、第2モノスコープを組合せたステレオスコープと
を有する請求項17記載の装置
【請求項22】 複数の互いに角度の異なるステレオス
コープを有する請求項21記載のプロトタイプ。
【請求項23】 光源に対する仮想の視野からの光線の
トレース路が作られる請求項21記載の装置
【請求項24】 上記従プロセッサの総べてが単一のマ
ルチチップモジュール板上に配置されており、上記マル
チチップモジュールがインター板連結リンクを有し、こ
のリンクが複数の付加的従プロセッサを主プロセッサに
接続し、上記各従プロセッサがフィールドプログラム可
能なゲートアレイプロセッサを有する請求項17記載の
プロトタイプ作成装置
【請求項25】 上記従プロセッサがスターネットワー
クの単一マルチデータパス型の形で上記主プロセッサに
結合される請求項17記載のプロトタイプ作成装置
【請求項26】 照明装置用光パイプであって上記光パ
イプの選択された一面がこれを通過する複数の光線のト
レース路によってモデル化されており、主プロセッサ
と、この主プロセッサに接続された複数の従プロセッサ
とを有し、上記従プロセッサが同種の独立した課題を実
行する上記モデル化のためのコンピュータ装置を有し、
上記従プロセッサが上記主プロセッサに協同して上記照
装置を上記複数の光線がトレースし、上記モデル化
が、特定の光線が上記面と交差する空間点を定める空間
座標と上記特定の光線が上記面と交差する角度を定める
方向座標とを有する位相空間座標内で上記複数の光線の
夫々を定め表示することである照明装置用光パイプ。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元平面と光線の交点の説明図である。
【図2】二次元平面と複数の光線との交点の説明図であ
る。
【図3】線と複数の光線との交点の説明図である。
【図4】図3に示す光の二次元図形を示す。
【図5】位相空間における光線の位相説明図である。
【図6A】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6B】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6C】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6D】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図7】二次元位相空間におけるランバーテン光源直線
セグメントにおける均一輝度分布の説明図である。
【図8A】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図8B】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図9】測光光トレースを用いたランバーテン筒状光源
の説明図である。
【図10】二次元位相空間内の光と種々の方向コサイン
の光のセットの説明図である。
【図11】ランバーテン光源、非イメージオプティク
ス、マイクロプリズム列及び出力を有する背景照明装置
の説明図である。
【図12】空間座標装置の説明図である。
【図13】図12の空間座標装置のセルの1つに関連す
る方向座標装置の説明図である。
【図14A】出力面を有する背景照明装置の説明図であ
る。
【図14B】図14Aに示す背景装置の所定のセルのた
めの方向座標空間の説明図である。
【図15】方向座標の1つが変化し、他が一定に保持さ
れる、図14Bのセルのための輝度値の説明用グラフで
ある。
【図16】コスト関数を用いて最小にできるパラメータ
を有する光パイプのマイクロプリズムの説明図である。
【図17】ランバーテン拡散体の角度特性の説明図であ
る。
【図18】望まない人工物の例の説明図である。
【図19】望まない人工物の例の説明図である。
【図20】眼から光源にトレースされる反対光トレース
の説明図である。
【図21】光パイプの反対光トレースの説明図である。
【図22】光トレースに用いるコンピュータ構造の説明
図である。
【図23】図22に示すコンピュータ構造の詳細図であ
る。
【図24A】拡大されたマイクロプリズム列を有する光
パイプを有する背景照明装置の詳細説明図である。
【図24B】拡大されたマイクロプリズム列を有する光
パイプを有する背景照明装置の詳細説明図である。
【図25】拡大されたマイクロプリズム列を有する光パ
イプを有する背景照明装置の詳細説明図である。
【図26】拡大されたマイクロプリズム列を有する光パ
イプを有する背景照明装置の詳細説明図である。
【図27】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【図28】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【図29】光パイプの出力面上の位置範囲と出力のグラ
フである。
【符号の説明】 LE 光エンジン LP 光パイプ Ω0 位相空間エレメンタリセル I0 光学的強度 ω 角周波数 c 光速 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月18日(2000.12.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 照明装置用プロトタイプの急速作成
コンピュータ装置
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項】 主プロセッサと、この主プロセッサに接
続された複数の従プロセッサとを有し、上記主及び従プ
ロセッサが照明装置の光トレースに協同し、上記従プロ
セッサが同種の独立した課題を実行する照明装置用プロ
トタイプの急速作成用コンピュータ装置。
【請求項】 上記従プロセッサの総てが単一のマルチ
チップモジュール板上に配置されている請求項記載の
コンピュータ装置。
【請求項】 上記マルチチップモジュールがインター
ボード連結リンクを有し、このリンクが複数の付加的従
プロセッサを主プロセッサに接続する請求項記載のコ
ンピュータ装置。
【請求項】 上記各従プロセッサがフィールドプログ
ラム可能なゲートアレイ プロセッサを有する請求項
1,2または3記載のコンピュータ装置。
【請求項】 上記従プロセッサがスターネットワーク
の形で上記主プロセッサに接続される請求項1,2,3
または4記載のコンピュータ装置。
【請求項】 上記従プロセッサがスターネットワーク
の単一マルチデータパス型の形で上記主プロセッサに結
合される請求項1,2,3または4記載のコンピュータ
装置。
【請求項】 上記従プロセッサが非層状出力データ流
を作る請求項1,2,3,4,5または6記載のコンピ
ュータ装置。
【請求項】 上記主プロセッサが上記従プロセッサに
課題とデータを加え、上記課題は、上記照明装置を通る
特別な光線のトレースを含み、上記従プロセッサが個々
の光路を独立してトレースするようにし、上記データ
は、上記光トレース課題と関連し、上記主プロセッサが
上記従プロセッサから上記課題の結果を集め組み合せる
請求項1,2,3,4,5,6または7記載のコンピュ
ータ装置。
【請求項】 上記プロトタイプの選択された一面がこ
れを通過する複数の光線のトレース路によってモデル化
されており、上記モデル化が、特定の光線が上記面と交
差する空間点を定める空間座標と上記特定の光線が上記
面と交差する角度を定める方向座標とを有する位相空間
座標内で上記複数の光線の夫々を定め表示することであ
請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載のコ
ンピュータ装置。
【請求項10】 その出力面に光のランバーテン分布を
有する光エンジンと、複数のエレメンタリセルとを有
し、上記複数のエレメンタリセルの各セルの出力から各
セル毎の輝度分布が定められている請求項1,2,3,
4,5,6,7,8または9記載のコンピュータ装置。
【請求項11】 上記エレメンタリセルの数が1万のオ
ーダーであり、上記光線の数が100万のオーダーである
請求項10記載のコンピュータ装置。
【請求項12】 入力面と出力面とを含む非ランバーテ
ン拡散体を有し、上記モデル化が上記入力面に隣接する
部分のためになされ、上記非ランバーテン拡散体の入力
輝度に対する非ランバーテン拡散体の出力輝度に関連す
る点応答と上記モデル化をベースとして上記出力輝度が
定められる請求項記載のコンピュータ装置。
【請求項13】 複数の二次元断面と、 第1、第2モノスコープを組合せたステレオスコープと
を有する請求項記載のコンピュータ装置。
【請求項14】 複数の互いに角度の異なるステレオス
コープを有する請求項記載のコンピュータ装置。
【請求項15】 光源に対する仮想の視野からの光線の
トレース路が作られる請求項12記載のコンピュータ
置。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元平面と光線の交点の説明図である。
【図2】二次元平面と複数の光線との交点の説明図であ
る。
【図3】線と複数の光線との交点の説明図である。
【図4】図3に示す光の二次元図形を示す。
【図5】位相空間における光線の位相説明図である。
【図6A】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6B】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6C】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図6D】種々の型の光源のための位相空間の輝度特性
説明図である。
【図7】二次元位相空間におけるランバーテン光源直線
セグメントにおける均一輝度分布の説明図である。
【図8A】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図8B】測光光トレースを用いた均一点光源とランバ
ーテン点光源の比較図である。
【図9】測光光トレースを用いたランバーテン筒状光源
の説明図である。
【図10】二次元位相空間内の光と種々の方向コサイン
の光のセットの説明図である。
【図11】ランバーテン光源、非イメージオプティク
ス、マイクロプリズム列及び出力を有する背景照明装置
の説明図である。
【図12】空間座標装置の説明図である。
【図13】図12の空間座標装置のセルの1つに関連す
る方向座標装置の説明図である。
【図14A】出力面を有する背景照明装置の説明図であ
る。
【図14B】図14Aに示す背景装置の所定のセルのた
めの方向座標空間の説明図である。
【図15】方向座標の1つが変化し、他が一定に保持さ
れる、図14Bのセルのための輝度値の説明用グラフで
ある。
【図16】コスト関数を用いて最小にできるパラメータ
を有する光パイプのマイクロプリズムの説明図である。
【図17】ランバーテン拡散体の角度特性の説明図であ
る。
【図18】望まない人工物の例の説明図である。
【図19】望まない人工物の例の説明図である。
【図20】眼から光源にトレースされる反対光トレース
の説明図である。
【図21】光パイプの反対光トレースの説明図である。
【図22】光トレースに用いるコンピュータ構造の説明
図である。
【図23】図22に示すコンピュータ構造の詳細図であ
る。
【符号の説明】 LE 光エンジン LP 光パイプ Ω0 位相空間エレメンタリセル I0 光学的強度 ω 角周波数 c 光速
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 クーピック ステフェン エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90503トーランス ガーネット 202番 3725 (72)考案者 コスターゼウスキ アンドリュー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92641ガーデン グロウブ グラウス コ ート 9816 (72)考案者 ラド マイク アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91304シャーマン オークス マグノリア ボールバード 305番 15222 (72)考案者 テンガラ インドラ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91765ダイアモンド バー イースト バ ーカー ドライブ 24207 (72)考案者 バシィリエフ アナトリー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90505トーランス オーシャン アベニュ 203番 23939 (72)考案者 キム ジェングダル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 90036ロスアンジェルス バーンサイド アベニュ 359

Claims (40)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計数された位相空間密度によってその出
    力パワーが定められる多軸及び多面の少なくとも1つで
    ある照明システム用プロトタイプの急速作成システム。
  2. 【請求項2】 多軸及び多面の少なくとも1つである照
    明システム用プロトタイプの作成システムであって上記
    プロトタイプの選択された一面がこれを通過する複数の
    光線のトレース路によってモデル化されており、このモ
    デル化が、特定の光線が上記面と交差する空間点を定め
    る空間座標と上記特定の光線が上記面と交差する角度を
    定める方向座標とを有する位相空間座標内で上記複数の
    光線の夫々を定め表示することである照明システム用プ
    ロトタイプの作成システム。
  3. 【請求項3】 上記モデル化が、上記位相空間座標内の
    複数のエレメンタリセルから選択した1つの出力パワー
    を上記方向座標の少なくとも1つの関数とすることであ
    る請求項2記載の照明システム用プロトタイプの作成シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 上記エレメンタリセルの数が1,000 以上
    であり、上記光線の数が10,000以上である請求項3記載
    のシステム。
  5. 【請求項5】 上記エレメンタリセルの数が1万のオー
    ダーであり、上記光線の数が100万のオーダーである請
    求項4記載のシステム。
  6. 【請求項6】 上記照明システムが光学パラメータと、
    その出力面に光のランバーテン分布を有する光エンジン
    と、複数のエレメンタリセルとを有し、上記複数のエレ
    メンタリセルの各セルの出力から各セル毎の輝度分布が
    定められている請求項2記載のシステム。
  7. 【請求項7】 上記モデル化をベースとする上記プロト
    タイプの特性を示すデータにコスト関数が加えられてい
    る請求項2記載のシステム。
  8. 【請求項8】 上記コスト関数がエラーコスト関数の2
    乗の最低平均であり、上記コスト関数が上記複数のエレ
    メンタリセルの総ての最大輝度平均と特定のエレメンタ
    リセルの最大輝度と比較せしめ、上記コスト関数が上記
    照明システムのマイクロプリズム パラメータを最大と
    する請求項7記載のシステム。
  9. 【請求項9】 上記照明システムが入力面と出力面とを
    含む非ランバーテン拡散体を有し、上記モデル化が上記
    入力面に隣接する部分のためになされ、上記非ランバー
    テン拡散体の入力輝度に対する非ランバーテン拡散体の
    出力輝度に関連する点応答と上記モデル化をベースとし
    て上記出力輝度が定められている請求項2記載のシステ
    ム。
  10. 【請求項10】 多軸及び多面の少なくとも1つである
    照明システム用光パイプであって上記光パイプの選択さ
    れた一面がこれを通過する複数の光線のトレース路によ
    ってモデル化されており、このモデル化が、特定の光線
    が上記面と交差する空間点を定める空間座標と上記特定
    の光線が上記面と交差する角度を定める方向座標とを有
    する位相空間座標内で上記複数の光線の夫々を定め表示
    することである作成システムにより形成された照明シス
    テム用光パイプ。
  11. 【請求項11】 光のトレースをベースとして定めた測
    光量に応じたステレオ三次元表示を有する照明システム
    用プロトタイプの急速作成システム。
  12. 【請求項12】 人工像表示を有する請求項11記載の
    システム。
  13. 【請求項13】 複数の二次元断面と、第1、第2モノ
    スコープを組合せたステレオスコープとを有する請求項
    11記載のシステム。
  14. 【請求項14】 複数の互いに角度の異なるステレオス
    コープを有する請求項13記載のシステム。
  15. 【請求項15】 光源に対する仮想の視野からの光線の
    トレース路が作られる請求項11記載のシステム。
  16. 【請求項16】 光のトレースをベースとして定めた測
    光量に応じたステレオ三次元表示を有する請求項10記
    載の光パイプ。
  17. 【請求項17】 主プロセッサと、この主プロセッサに
    接続された複数の従プロセッサとを有し、上記主及び従
    プロセッサが照明システムの光トレースに協同し、上記
    従プロセッサが同種の独立した課題を実行する照明シス
    テム用プロトタイプの急速作成用コンピュータシステ
    ム。
  18. 【請求項18】 上記従プロセッサの総てが単一のマル
    チチップモジュール板上に配置されている請求項17記
    載のコンピュータシステム。
  19. 【請求項19】 上記マルチチップモジュールがインタ
    ーボード連結リンクを有し、このリンクが複数の付加的
    従プロセッサを主プロセッサに接続する請求項18記載
    のコンピュータシステム。
  20. 【請求項20】 上記各従プロセッサがフィールドプロ
    グラム可能なゲートアレイ プロセッサを有する請求項
    19記載のコンピュータシステム。
  21. 【請求項21】 上記従プロセッサがスターネットワー
    クの形で上記主プロセッサに接続される請求項17記載
    のコンピュータシステム。
  22. 【請求項22】 上記従プロセッサがスターネットワー
    クの単一マルチデータパス型の形で上記主プロセッサに
    結合される請求項17記載のコンピュータシステム。
  23. 【請求項23】 上記従プロセッサが非層状出力データ
    流を作る請求項17記載のコンピュータシステム。
  24. 【請求項24】 上記主プロセッサが上記従プロセッサ
    に課題とデータを加え、上記課題は、上記照明システム
    を通る特別な光線のトレースを含み、上記従プロセッサ
    が個々の光路を独立してトレースするようにし、上記デ
    ータは、上記光トレース課題と関連し、上記主プロセッ
    サが上記従プロセッサから上記課題の結果を集め組み合
    せる請求項17記載のコンピュータシステム。
  25. 【請求項25】 主プロセッサと、この主プロセッサに
    接続された複数の従プロセッサとを有し、上記主及び従
    プロセッサが照明システムの光トレースに協同し、上記
    従プロセッサが同種の独立した課題を実行するコンピュ
    ータシステムを用いて作成した光パイプ。
  26. 【請求項26】 ランバーテン筒状面からの光を受け取
    る光パイプであって、 入力面と、 出力面と、 メタライズされている複数のマイクロプリズムと、 メタライズされていない複数のスペーサとより成り、上
    記複数のスペーサが上記複数のマイクロプリズム間に配
    置され、上記複数のスペーサと上記複数のマイクロプリ
    ズムが交互に並ぶようにされ、上記光パイプを通る光の
    伝達が全内部反射によって成され、上記出力面からの光
    の反射が上記複数のメタライズされたマイクロプリズム
    によって成される光パイプ。
  27. 【請求項27】 上記マイクロプリズムが写真石版技術
    で上記複数のマイクロプリズムに付したマスクを用いて
    メタライズされ、上記マスクが(1)上記複数のスペー
    サと、(2)上記複数のマイクロプリズムの1つをカバ
    ーし、(1)上記複数のスペーサと(2)上記複数のマ
    イクロプリズムの残りをカバーしない請求項26記載の
    光パイプ。
  28. 【請求項28】 上記マイクロプリズムがメタル箔マス
    クを用いてメタライズされ、上記マスクが(1)上記複
    数のスペーサと、(2)上記複数のマイクロプリズムの
    1つをカバーし、(1)上記複数のスペーサと(2)上
    記複数のマイクロプリズムの残りをカバーせず、上記メ
    タル箔マスクが上記光パイプの表面に、この表面が加熱
    されたとき、貫通する請求項26記載の光パイプ。
  29. 【請求項29】 上記マイクロプリズムが方向的蒸着プ
    ロセスを用いてメタライズされる請求項26記載の光パ
    イプ。
  30. 【請求項30】 複数のスペーサによって分離された複
    数のマイクロプリズムを有し、上記マイクロプリズムが
    メタライズされており、上記複数のスペーサがメタライ
    ズされていない光パイプ。
  31. 【請求項31】 照明システム用プロトタイプの急速作
    成システムであって上記プロトタイプの選択された一面
    がこれを通過する複数の光線のトレース路によってモデ
    ル化されており、主プロセッサと、この主プロセッサに
    接続された複数の従プロセッサとを有し、上記従プロセ
    ッサが同種の独立した課題を実行する上記モデル化のた
    めのコンピュータシステムを有し、上記従プロセッサが
    上記主プロセッサに協同して上記照明システムを上記複
    数の光線がトレースし、上記モデル化が、特定の光線が
    上記面と交差する空間点を定める空間座標と上記特定の
    光線が上記面と交差する角度を定める方向座標とを有す
    る位相空間座標内で上記複数の光線の夫々を定め表示す
    ることである照明システム用プロトタイプの急速作成シ
    ステム。
  32. 【請求項32】 光学パラメータを有し、その出力面に
    光のランバーテン分布を有する光エンジンと、複数のエ
    レメンタリセルとを有し、上記複数のエレメンタリセル
    の各セルの出力から各セル毎の輝度分布が定められてい
    る請求項31記載のシステム。
  33. 【請求項33】 上記エレメンタリセルの数が1万のオ
    ーダーであり、上記光線の数が100万のオーダーである
    請求項32記載のシステム。
  34. 【請求項34】 入力面と出力面とを含む非ランバーテ
    ン拡散体を有し、上記モデル化が上記入力面に隣接する
    部分のためになされ、上記非ランバーテン拡散体の入力
    輝度に対する非ランバーテン拡散体の出力輝度に関連す
    る点応答と上記モデル化をベースとして上記出力輝度が
    定められる請求項31記載のシステム。
  35. 【請求項35】 複数の二次元断面と、第1、第2モノ
    スコープを組合せたステレオスコープとを有する請求項
    31記載のシステム。
  36. 【請求項36】 複数の互いに角度の異なるステレオス
    コープを有する請求項35記載のプロトタイプ。
  37. 【請求項37】 光源に対する仮想の視野からの光線の
    トレース路が作られる請求項35記載のシステム。
  38. 【請求項38】 上記従プロセッサの総べてが単一のマ
    ルチチップモジュール板上に配置されており、上記マル
    チチップモジュールがインター板連結リンクを有し、こ
    のリンクが複数の付加的従プロセッサを主プロセッサに
    接続し、上記各従プロセッサがフィールドプログラム可
    能なゲートアレイプロセッサを有する請求項31記載の
    プロトタイプ作成システム。
  39. 【請求項39】 上記従プロセッサがスターネットワー
    クの単一マルチデータパス型の形で上記主プロセッサに
    結合される請求項31記載のプロトタイプ作成システ
    ム。
  40. 【請求項40】 照明システム用光パイプであって上記
    光パイプの選択された一面がこれを通過する複数の光線
    のトレース路によってモデル化されており、主プロセッ
    サと、この主プロセッサに接続された複数の従プロセッ
    サとを有し、上記従プロセッサが同種の独立した課題を
    実行する上記モデル化のためのコンピュータシステムを
    有し、上記従プロセッサが上記主プロセッサに協同して
    上記照明システムを上記複数の光線がトレースし、上記
    モデル化が、特定の光線が上記面と交差する空間点を定
    める空間座標と上記特定の光線が上記面と交差する角度
    を定める方向座標とを有する位相空間座標内で上記複数
    の光線の夫々を定め表示することである照明システム用
    光パイプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112074773A (zh) * 2018-01-14 2020-12-11 光场实验室公司 四维能量场封装组合件
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