JP3074851B2 - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JP3074851B2
JP3074851B2 JP03269117A JP26911791A JP3074851B2 JP 3074851 B2 JP3074851 B2 JP 3074851B2 JP 03269117 A JP03269117 A JP 03269117A JP 26911791 A JP26911791 A JP 26911791A JP 3074851 B2 JP3074851 B2 JP 3074851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、イオン注入されるべ
き基板に電子を供給してイオン注入に伴う基板の帯電
(チャージアップ)を防止する中性化手段を備えるイオ
ン注入装置に関する。
【0002】
【背景となる技術】この種のイオン注入装置であって、
ホルダに流れるホルダ電流を応答性良く制御することが
でき、しかもフィラメントの寿命の長いイオン注入装置
が同一出願人によって別途提案されている。その一例を
図3を参照して説明する。
【0003】このイオン注入装置は、基本的には、真空
容器4内において、ホルダ7に保持された基板8にイオ
ンビーム2を照射してそれにイオン注入を行うよう構成
されている。
【0004】また、ホルダ7の周囲から上流側にかけて
ファラデーケース6を設けて、これとホルダ電流計測器
の一例であるホルダ電流計測抵抗22を介したホルダ7
とを互いに電気的に並列接続してビーム電流計測器30
に接続しており、それによってイオンビーム2のビーム
電流Ib の計測を正確に行なえるようにしている。
【0005】一方、イオンビーム2の照射に伴って基板
8の表面が正に帯電して放電等の不具合が発生するのを
防止するために、次のような中性化手段を設けている。
即ち、ファラデーケース6の側部にフィラメント10を
設け、これから放出させた一次電子11をこの例ではフ
ァラデーケース6の内壁に当ててそこから二次電子12
を放出させ、この二次電子12を基板8に供給してイオ
ンビーム2による正電荷を中和させるようにしている。
フィラメント10は、この例では箱状をしていてファラ
デーケース6内側にフィラメント10に沿う開口部14
aを有するゲート14によって囲まれている。16は絶
縁物である。
【0006】フィラメント10の両端部間には、その加
熱用のフィラメント電源18が接続されている。フィラ
メント10とファラデーケース6との間には、フィラメ
ント10から一次電子11を引き出すための直流のエミ
ッション電源20がフィラメント10を負側にして接続
されている。更に、この先行例の特徴として、ゲート1
4とファラデーケース6等との間に、前者を負側にし
て、直流の電圧可変のゲート電源32が接続されてい
る。そして、フィラメント10の電位Ee 、ゲート14
の電位Eg およびファラデーケース6の電位Efの関係
が、例えば図4に示すように、 Ee <Eg <Ef になるようにしている。
【0007】またこの例では、ホルダ7等とビーム電流
計測器30との間に、ホルダ7等に正のバイアス電圧を
与えて二次電子12をホルダ7上の基板8に効率良く導
くためのホルダバイアス電圧26と、ファラデーケース
6に正のバイアス電圧を与えてそれから二次電子12を
逃がさないためのファラデーバイアス電圧28とが直列
に挿入されているが、これらの電源26、28は省略さ
れる場合もある。
【0008】基板8に対するイオン注入の際、前記ホル
ダ電流計測抵抗22には、イオンビーム2によるビーム
電流Ib と二次電子12による二次電子電流I2 を合成
したホルダ電流Ih (=Ib −I2 )が流れるが、これ
を中性化制御回路24に取り込み、この中性化制御回路
24によってゲート電源32を制御してその出力電圧V
g を変化させることによって、次のような原理でフィラ
メント10から放出する一次電子11の量ひいては二次
電子12の量を制御し、それによってホルダ電流Ih が
所望の一定値(通常は0に近い値)になるようにして基
板8の帯電防止を行うようにしている。
【0009】即ち、従来は一次電子11の量を制御する
のにフィラメント電流を制御していたのであるが、これ
には応答性が悪い、フィラメント10の寿命が短い等の
問題があり、これを解決するためにこの先行例では、ゲ
ート電源32を設けてその出力電圧Vg を制御するよう
にしている。
【0010】上記フィラメント10から放出される一次
電子11の量は、空間電荷制限領域では、ゲート電位E
g とフィラメント電位Ee との差によって決まり、一次
電子電流I1 で表すと次のようになる。Kは定数であ
る。 I1 =K・(Eg −Ee )3/2
【0011】従って、ゲート電源32の出力電圧Vg を
変化させてゲート電位Eg を制御することにより、フィ
ラメント電流を一定に保っておいても、フィラメント1
0から放出される一次電子11の量を、ひいては二次電
子12の量を制御することができる。しかもこの制御
は、電界による制御であるため、従来のフィラメント電
流による制御に比べて、応答性が非常に良い。
【0012】上記のようにして放出された一次電子11
は、ゲート14とファラデーケース6との間の電界で
(即ちファラデーケース電位Ef とゲート電位Eg との
差で)更に加速されて(即ち2段加速されて)ファラデ
ーケース6に衝突し、そこから二次電子12を放出させ
る。この二次電子12によって基板8のイオンビーム2
による帯電を防止することができ、しかもこの例の場
合、ゲート電源32の出力電圧Vg を制御することによ
り、ホルダ電流Ih を応答性良く制御して、基板8の帯
電防止を効果的に行うことができる。また、フィラメン
ト電流は一定に保っておけば良いので、従来例のように
フィラメント電流を制御する場合に比べて、フィラメン
ト10の寿命が長くなる。
【0013】その他、上記のような先行例には、一次
電子11の量を変化させても二次電子12のエネルギー
分布が変化しないので、基板8の帯電を最も効果的に防
止する条件を決めやすくなる、一次電子を加速後減速
するものに比べて、構造が単純でも十分な量の一次電子
を取り出すことができる、等の利点がある。
【0014】
【発明の目的】上記中性化制御回路24の回路構成の一
般的な例を図5に示す。即ちこの中性化制御回路24
は、前述したホルダ電流計測抵抗22に流れるホルダ電
流Ih を絶縁アンプ34を介して取り込む一方、可変抵
抗器361を有するホルダ電流設定回路36で所望のホ
ルダ電流を設定し、この両者34、36からの信号の差
を、演算増幅器383、入力抵抗381、382、時定
数決定用の抵抗384およびコンデンサ385を有する
誤差増幅回路38で求め、この差が無くなるようにゲー
ト電源32の出力電圧Vg を制御するよう構成されてお
り、これによってホルダ電流Ih を所望の一定値に制御
するようにしている。
【0015】ところが、基板8に照射されるイオンビー
ム2は電気的に走査されており、しかもある程度オーバ
ースキャン(ホルダ7より大きめに走査)されるため、
ホルダ7に流れるビーム電流Ib は例えば500Hz程
度の台形波状になっており、そのためホルダ電流Ih も
台形波状になっている。このような台形波状の信号と直
流の設定信号とを単純に比較するとハンチングが起こる
が、上記誤差増幅回路38は一応積分機能も有している
ので、ホルダ電流Ih の設定精度をあまり上げなければ
ハンチングを防ぐことができる。しかしそれでは、基板
8の帯電防止を正確に行うことができない。
【0016】上記回路でホルダ電流Ih の設定精度を上
げるには、誤差増幅回路38の入力抵抗381および3
82の値を小さくしてループゲインを高くすれば良い
が、そうすると、直流分の設定精度だけでなく交流分の
設定精度も同様に向上してしまい、誤差増幅回路38か
らの出力は交流成分を多く含んだ信号となり、ハンチン
グやノイズ発生の原因になる。また制御系のハンチング
を止めるために、誤差増幅回路38内の時定数決定用の
抵抗384を可変にしているが、実際上は、制御系のハ
ンチングなのか、ホルダ電流Ih が交流であることから
発生している出力変動なのかを区別するのは難しい。
【0017】そこでこの発明は、ハンチングやノイズ発
生を起こすことなくホルダ電流の設定精度を向上させる
ことができ、それによって基板の帯電防止を正確に行う
ことができるようにしたイオン注入装置を提供すること
を主たる目的とする。
【0018】
【目的達成のための手段】この発明のイオン注入装置
は、前記中性化制御回路が、前記ホルダ電流計測器で計
測したホルダ電流を積分する積分回路と、所望のホルダ
電流を設定するホルダ電流設定回路と、このホルダ電流
設定回路によって設定されたホルダ電流と前記積分回路
で積分されたホルダ電流との差を求める誤差増幅回路と
を備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】上記構成によれば、台形波状のホルダ電流を積
分回路によってほぼ直流信号に変換することができ、誤
差増幅回路は、この信号と設定信号との差を求めること
になる。その結果、当該誤差増幅回路のループゲインを
高めてホルダ電流の設定精度を高めても、当該誤差増幅
回路の出力はほぼ直流信号であるから、ハンチングやノ
イズ発生が起こらなくなる。
【0020】
【実施例】図1は、この発明に係るイオン注入装置の中
性化制御回路の一例を示す回路図である。それ以外の機
器構成は例えば図3のものと同様であるのをそれを参照
するものとし、ここではその図示を省略している。ま
た、図5の例と同一または相当する部分には同一符号を
付し、以下においてはそれとの相違点を主に説明する。
【0021】この実施例のイオン注入装置における中性
化制御回路24aは、前述した絶縁アンプ34、ホルダ
電流設定回路36および誤差増幅回路38の他に、絶縁
アンプ34からの信号を積分して誤差増幅回路38の一
方の入力部に与える積分回路40を備えている。この積
分回路40は、この例では演算増幅器402、抵抗40
1、403およびコンデンサ404を有している。
【0022】このような積分回路40を誤差増幅回路3
8の前段に設ければ、絶縁アンプ34からの台形波状の
ホルダ電流Ih をほぼ直流信号に変換することができ、
誤差増幅回路38はこの信号とホルダ電流設定回路36
からの設定信号との差を求めることになる。
【0023】その結果、誤差増幅回路38の入力抵抗3
81および382の値を小さくする等して当該誤差増幅
回路38のループゲインを高めてホルダ電流Ih の設定
精度を高めても、当該誤差増幅回路38の出力はほぼ直
流信号であるから、ハンチングやノイズ発生が起こらな
くなる。また、誤差増幅回路38の他に積分回路40を
設けることにより、積分回路40における積分機能と誤
差増幅回路38におけるハンチング止め機能とを回路上
で明確に分けることができるので、このような各機能を
各回路40、38が他の機能に影響されることなく追求
することができ、この意味からもホルダ電流Ih の設定
精度の向上とハンチング止めとを両立させることができ
る。その結果、基板8の帯電防止を正確に行うことがで
きるようになる。
【0024】なお、上記ゲート電源32は、通常の電源
装置で構成しても良いが、例えば図2に示すように、ト
ランジスタ321と抵抗322を直列接続しかつこの抵
抗322にコンデンサ323を並列接続して成る回路を
前述したエミッション電源20に並列接続することで構
成しても良い。コンデンサ323は当該ゲート電源32
の交流分のインピーダンスを下げるためのものである。
この場合、トランジスタ321と抵抗322の接続部3
24を前述したゲート14に接続し、かつこのトランジ
スタ321を中性化制御回路24aによって制御するよ
うにする。ゲート電源32をこのように構成すれば、構
成が極めて簡単になるので、当該ゲート電源32のコス
トダウンを図ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、ハンチ
ングやノイズ発生を起こすことなくホルダ電流の設定精
度を高めることができ、それによって基板の帯電防止を
正確に行うことができる。
【0026】この他、フィラメント電流を制御する従来
例に比べれば、前述した先行例の場合と同様、次のよう
な効果が得られる。即ち、この発明のイオン注入装置で
は、ホルダに流れるホルダ電流を応答性良く所定値に制
御することができ、それによってビーム電流が変動する
ような場合でも基板の帯電防止を効果的に行うことがで
きる。しかも、フィラメント電流は一定に保っておけば
良いので、従来例のようにフィラメント電流を制御する
場合に比べて、フィラメントの寿命が長くなる。また、
一次電子の量を制御してもそのエネルギーは一定であ
り、それによって二次電子のエネルギー分布も一定にな
るので、基板の帯電を最も効果的に防止する条件を決め
やすくなる。更に、この発明のイオン注入装置は一次電
子を2段加速する構造であるため、一次電子を加速後減
速するものに比べて、構造が単純でも十分な量の一次電
子を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るイオン注入装置の中性化制御
回路の一例を示す回路図である。
【図2】 ゲート電源の他の例を示す図である。
【図3】 この発明の背景となるイオン注入装置の一例
を示す図である。
【図4】 図3中のフィラメント、ゲートおよびファラ
デーケースの電位の関係の一例を示す図である。
【図5】 図3中の中性化制御回路の一般的な回路図で
ある。
【符号の説明】
2 イオンビーム 6 ファラデーケース 7 ホルダ 8 基板 10 フィラメント 11 一次電子 12 二次電子 14 ゲート 18 フィラメント電源 20 エミッション電源 22 ホルダ電流計測抵抗 24a 中性化制御回路 32 ゲート電源 36 ホルダ電流設定回路 38 誤差増幅回路 40 積分回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメントから放出させた一次電子を
    ファラデーケースに当ててそこから二次電子を放出さ
    せ、この二次電子をホルダ上のイオン注入されるべき基
    板に供給するようにしたイオン注入装置であって、フィ
    ラメントを加熱するフィラメント電源と、フィラメント
    とファラデーケースとの間に前者を負側にして接続され
    た直流のエミッション電源と、フィラメントを囲んでい
    てファラデーケース内側に開口部を有するゲートと、こ
    のゲートとファラデーケースとの間に前者を負側にして
    接続された直流の電圧可変のゲート電源と、ホルダに流
    れるホルダ電流を計測するホルダ電流計測器と、このホ
    ルダ電流計測器によって計測さたホルダ電流が所定の値
    になるように、ゲート電源から出力する電圧を制御する
    中性化制御回路とを備えるものにおいて、前記中性化制
    御回路が、前記ホルダ電流計測器で計測したホルダ電流
    を積分する積分回路と、所望のホルダ電流を設定するホ
    ルダ電流設定回路と、このホルダ電流設定回路によって
    設定されたホルダ電流と前記積分回路で積分されたホル
    ダ電流との差を求める誤差増幅回路とを備えることを特
    徴とするイオン注入装置。
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