JP3071316B2 - スクロール式圧縮機 - Google Patents

スクロール式圧縮機

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JP3071316B2
JP3071316B2 JP4242178A JP24217892A JP3071316B2 JP 3071316 B2 JP3071316 B2 JP 3071316B2 JP 4242178 A JP4242178 A JP 4242178A JP 24217892 A JP24217892 A JP 24217892A JP 3071316 B2 JP3071316 B2 JP 3071316B2
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覚 及川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば空気調和機の
冷凍サイクルを構成する圧縮機として用いられるスクロ
ール式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機の冷凍サイクルを構成する圧
縮機においては、通常のロータリ式圧縮機と比較して、
運動騒音が極めて低く、かつ吸込弁や吐出弁など不要で
部品点数が少なくてすみ、しかも圧縮性能のよいスクロ
ール式圧縮機が多用される傾向にある。
【0003】この種のスクロール式圧縮機は、固定スク
ロール翼の渦巻状の翼部と、旋回スクロール翼の渦巻状
の翼部とを噛合させ、これら翼部と各スクロール翼の鏡
板部とで圧縮空間を形成し、旋回スクロール翼を旋回運
動させて、圧縮空間に被圧縮ガスを吸込み、圧縮して吐
出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このスクロ
ール式圧縮機の圧縮空間は、常に正常な圧力状態になっ
ているとは限らない。たとえば、液冷媒を吸い込んで圧
縮する、液バック運転の場合は、圧縮空間が異常昇圧状
態に陥る。この状態が長時間継続すると、各スクロール
翼の翼部に大きなストレスがかかって、ついには破断す
る虞れがある。
【0005】そこで近時、固定スクロール翼を軸方向に
移動可能に支持し、圧縮空間が異常昇圧状態になった
ら、旋回スクロール翼との間隙を拡大させてガスを逃が
すようにした、いわゆるコンプライアンス機能が採用さ
れるようになった。
【0006】ただし、通常の運転状態では、固定スクロ
ール翼は旋回スクロール翼と通常のクリアランスの保持
をしなければならないので、固定スクロール翼を軸方向
に移動自在に支持し、かつ固定スクロール翼の背面側に
ガス圧を生じさせる構成が一般的である。
【0007】たとえば、特開昭63−80088号公報
や、特開平3−237283号公報には、コンプライア
ンス機能をなす、固定スクロール翼に対する支持機構の
詳細が開示されている。
【0008】これは、固定スクロール翼のフランジ部
が、数枚の板ばねを介して支持フレームにボルト固定さ
れている。上記板ばねは、固定スクロール翼を軸方向に
弾性的に支持することとなり、固定スクロール翼は、圧
縮空間に発生するガス圧の影響を受けて、軸方向への移
動が自由である。
【0009】しかしながら、上記のものは、組立工程
上、はじめに固定スクロール翼を支持フレームに対して
位置決めし、つぎに、この状態を保持しつつ、板ばねを
支持フレームにボルト締め固定していた。
【0010】このような一連の組立作業が面倒であると
ともに、固定ボルトが複数個必要であって、さらにボル
ト用のねじ孔を加工することなど、コストに悪影響を与
えている。
【0011】また、圧縮空間に異常な圧力上昇が生じた
ときなど、固定スクロール翼の移動量(バック量)が極
端に大きくなって、板ばねに過大な応力が作用し、破断
する虞れがある。すなわち、上述したコンプライアンス
機能を充分に生かすための、固定スクロール翼に対する
有効な支持が困難であった。
【0012】さらに、このような異常圧力上昇時は勿
論、正常な運転中においても、圧縮空間には径方向の荷
重が発生して、各スクロール翼は、この方向の荷重を受
ける。特に上記固定スクロール翼は、常時、板ばねの弾
性力を受けるよう支持されているため、径方向への傾き
および位置ずれが比較的自由であって、その結果、旋回
スクロール翼との局所的な摺接およびこじれが生じ、こ
の円滑な旋回運動が阻害されるなどの不具合が生じる。
【0013】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、圧縮空間に異常な圧
力上昇が生じたときに、固定スクロール翼を円滑に軸方
向に移動可能に支持する、いわゆるコンプライアンス機
能を確保し、さらに、固定スクロール翼が径方向の荷重
を受けても、同方向への傾きおよび位置ずれを規制し
て、旋回スクロール翼の円滑な旋回運動を常に保証で
き、簡素な構成で、高い圧縮効率と信頼性の向上を得ら
れるスクロール式圧縮機を提供しようとするものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
第1の発明は、
【0015】固定スクロール翼の渦巻状の翼部と、旋回
スクロール翼の渦巻状の翼部とを噛合させ、これら翼部
と各スクロール翼の鏡板部とで圧縮空間を形成し、旋回
スクロール翼を旋回運動させて、圧縮空間に被圧縮ガス
を吸込み、圧縮して吐出するスクロール式圧縮機におい
て、上記固定スクロール翼の背面側にガス圧を作用さ
せ、通常運転状態で固定スクロール翼の軸方向の移動を
規制する背圧案内手段と、
【0016】上記固定スクロール翼を軸方向に移動可能
に支持し、圧縮空間が背圧案内手段によるガス圧を上廻
る異常昇圧状態になったときに、固定スクロール翼の軸
方向への移動を許容して旋回スクロール翼とのクリアラ
ンスを広げさせ、圧縮空間のガスを逃がす支持手段とを
具備し、上記支持手段は、上記固定スクロール翼鏡板部
の外周部分を支持する支持フレームと、この支持フレー
ムの固定スクロール翼鏡板部の支持部分に軸方向に沿っ
て設けられる複数の掛止部と、
【0017】それぞれの掛止部に微小のクリアランスを
もって挿入され、固定スクロール翼の軸方向への移動を
許容し、かつ固定スクロール翼の径方向への傾きおよび
位置ずれを規制する、固定スクロール翼に圧入固定され
る複数のピン体とからなることを特徴とするスクロール
式圧縮機である。第2の発明は、請求項1記載のスクロ
ール式圧縮機において、上記ピン体は、その一部が固定
スクロール翼に圧入固定され、他の大部分が固定スクロ
ール翼から突出する複数の支持ピン、上記固定スクロー
ル翼に止めボルトにより取付け固定される複数のカラ
ー、固定スクロール翼に一体に突設される複数のピン部
の、いずか一の形態とする。
【0018】
【作用】本発明によれば、支持手段を構成する掛止部と
ピン体とで、固定スクロール翼の軸方向への移動を確実
になし、径方向への傾きおよび位置ずれを規制して、旋
回スクロール翼との局所的な摺接がない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面にもとづい
て説明する。図1に、たとえば冷凍装置に用いられるス
クロール式圧縮機を示す。図中1は密閉ケースであり、
この密閉ケース1内上部に支持フレーム2が設けられ、
回転軸3を回転自在に枢支している。上記回転軸3に
は、後述する圧縮機構部4が連結され、下部にはステー
タ5とロータ6とからなる電動機部7が設けられる。
【0020】上記回転軸3の下端部は電動機部7から下
方に突出していて、上記密閉ケース1に取付けられる副
軸受に回転自在に枢支される。、密閉ケース1の内底部
には潤滑油を集溜する油溜り部が形成され、ここに上記
回転軸3の下端部が浸漬される。すなわち、回転軸3の
回転にともなって、油溜り部の潤滑油が回転軸3に設け
られる給油機構(以上、図示しない)に沿って吸い上げ
られ、回転軸の上端部に一部のみ示す給油孔や給油溝か
らなる給油通路8を介して上記圧縮機構部4の各摺動部
分へ給油がなされるようになっている。
【0021】上記圧縮機構部4は、図1および図2に示
すように、上記支持フレーム2にオルダムリング10を
介して旋回自在に支持される旋回スクロール翼11と、
この旋回スクロール翼11と噛合する固定スクロール翼
12と、この固定スクロール翼12を軸方向に移動可能
に支持する支持手段13とから構成される。上記オルダ
ムリング10は、旋回スクロール翼11の自転を規制
し、旋回運動のみ行わせるものである。
【0022】上記旋回スクロール翼11は、上記回転軸
3の上端偏心部3aに掛合するボス部11cを備えた鏡
板部11aと、この鏡板部11aの上面側に一体に突設
される渦巻状の翼部11bとからなる。
【0023】上記固定スクロール翼12は、鏡板部12
aと、この鏡板部12aの下面側に一体に突設され旋回
スクロール翼11の翼部11bと噛合する渦巻状の翼部
12bとからなる。
【0024】これら旋回,固定スクロール翼11,12
の鏡板部11a,12aと翼部11b,12bとで、一
対の圧縮空間aが形成され、周端部側から被圧縮ガスで
ある冷媒ガスを取り込んで、中心部側に移動するととも
にその容積を縮小させ、圧縮作用を行えるようになって
いる。
【0025】上記固定スクロ−ル鏡板部12aの上面部
は凹陥状に形成され、この中央部には、上記圧縮空間a
の渦巻き中心部と連通するよう貫通する吐出ポート15
が設けられる。
【0026】さらに、固定スクロール鏡板部12a上面
側には、吐出ポート15を中心として、異なる半径の、
2つの突条16a,16bが一体に設けられ、かつこれ
ら互いの突条16a,16b間の鏡板部12a部位に
は、中間圧導入孔17が貫通して設けられる。
【0027】再び図1に示すように、固定スクロール翼
12の上面側には、固定スクロール翼12の背面側にガ
ス圧を作用させる背圧案内手段14が設けられる。すな
わち、密閉ケース1内部を上端部空間と下部空間とに仕
切る背圧板18が、突条16a,16b上端と狭小の間
隙を存して密閉ケース1に取付固定される。
【0028】この背圧板18は、中央部に逆止弁19を
備えた弁座部20が設けられ、上記吐出ポート15と連
通する。換言すれば、上記吐出ポート15は逆止弁19
を備えた弁座部20を介して、背圧板18の上部側空間
と連通する。
【0029】上記弁座部20の周囲で、かつ背圧板18
の下面側には、上記固定スクロール翼12に設けられる
突条16a,16bの半径よりも僅かに大きな半径をも
って、突条21aおよび段部21bが設けられる。
【0030】隣接する突条16aと21a,16bと2
1b間に、それぞれシールリング22a,22bが介在
される。このことから、固定スクロール翼12が背圧板
18との狭小の間隙の範囲内で軸方向に移動しても、隣
接する突条16aと21a,16bと21b相互間にお
けるシールは完全なものとなっている。
【0031】固定スクロール翼12の吐出ポート15周
囲に設けられる凹陥部と背圧板弁座部20とで、圧縮空
間aから吐出される高圧ガスが導かれる高圧吐出室22
が形成される。
【0032】また、半径が異り、互いに隣接する突条1
6aと21a,16bと21b相互間に形成される空間
部は、上記中間圧導入孔17と連通する中間圧室23と
なり、これらで上記背圧案内手段14が構成される。
【0033】つぎに、固定スクロール翼12に対する上
記支持手段13について説明する。図1および図2に示
すように、固定スクロール翼鏡板部12a外周部には、
90°間隔を存して複数のフランジ部25…が設けら
れ、それぞれのフランジ部25…には、上下面に貫通し
てピン用孔26が設けられる。すなわち、各ピン用孔2
6は固定スクロール翼12の軸方向に沿って設けられる
ことになる。
【0034】それぞれのピン用孔26には、ピン体であ
るところの、支持ピン27の上端部が圧入固定され、そ
のほとんどは、固定スクロール翼鏡板部12a下面か
ら、固定スクロール翼12の軸方向に沿って下方に突出
している。
【0035】一方、上記支持フレーム2は、その外周部
に、90°間隔を存して複数のフランジ部2a…が設け
られる。それぞれのフランジ部2a…には、上下面に貫
通して掛止部であるところの、掛止孔28が設けられ
る。すなわち、掛止孔28は固定スクロール翼12の軸
方向に沿って設けられることになる。
【0036】上記固定スクロール翼12のフランジ部2
5…は、支持フレーム2のフランジ部2a上に載置さ
れ、かつ固定スクロール翼12に突設される支持ピン2
7が支持フレーム2に設けられる掛止孔28に挿入され
る。
【0037】上記掛止孔28と支持ピン27とがなすク
リアランスは極く小さくなるよう寸法設定され、したが
って支持ピン27およびこれと一体の固定スクロール翼
12は、掛止孔28に対して軸方向に移動(滑動)自在
となっている。これら支持フレーム2と、掛止孔28お
よび支持ピン27とで、上記固定スクロール翼12に対
する支持手段13が構成される。
【0038】なお、図1のみに、二点鎖線で示すよう
に、支持フレーム2の上面に、ボルトからなるストッパ
ピン30の端部が螺着される。このストッパピン30の
頭部は、上記固定スクロール翼12のフランジ部25上
面と狭小の間隙を存するように設けられる。すなわち、
固定スクロール翼12が所定量以上、軸方向に移動す
る、浮き上がりがあると、フランジ部25がストッパピ
ン30の頭部に当接衝止され、それ以上の移動が規制さ
れることになる。
【0039】一方、密閉ケース1の上部側面には吐出管
31が接続されていて、これは背圧板18によって仕切
られる密閉ケース1内の上部空間と、冷凍装置の図示し
ない凝縮器とを連通する。
【0040】上記密閉ケース1の下部側面には吸込管3
2が接続されていて、これは背圧板18によって仕切ら
れる密閉ケース1内の下部空間と、冷凍装置の図示しな
い蒸発器とを連通する。
【0041】しかして、このようにして構成されるスク
ロール式圧縮機において、電動機部7に通電して圧縮機
構部4を駆動すると、吸込管32から低圧の冷媒ガスが
密閉ケース1内に導入され、背圧板18より下部空間に
充満する。
【0042】この冷媒ガスは、旋回スクロール翼11と
固定スクロール翼12とで形成される圧縮空間aの外周
側に吸込まれる。そして、旋回スクロール翼11の旋回
運動にともなって徐々に中心部に移送され、かつ空間容
量が減少することにより圧縮される。
【0043】所定圧まで上昇したところで、吐出ポート
15から高圧吐出室22を介して背圧板18の上部空間
へ吐出され、さらに吐出管31を介して外部の凝縮器に
導かれる。
【0044】なお、圧縮空間aでの圧縮作用にともなっ
て、吐出ポート15から吐出される高圧の冷媒ガスが一
旦高圧吐出室22に充満して、固定スクロール翼12の
中央部に高圧の背圧をかける。
【0045】さらに、圧縮空間aから中間圧のガスが中
間圧導入孔17を介して中間圧室23へ導かれ、ここに
充満して固定スクロール翼12の周端部に中間圧の背圧
をかける。
【0046】このようにして、通常の運転状態では、背
圧案内手段14が固定スクロール翼12に効果的な背圧
をかける。固定スクロール翼12は、支持手段13によ
って軸方向へ移動可能に支持されているが、上記背圧案
内手段14の作用によって軸方向への移動を規制され、
旋回スクロール翼11との圧縮空間aを形成するクリア
ランスを最適な状態に保持する。
【0047】運転条件によっては、圧縮空間aに液冷媒
を吸い込むことがあり、このときに異常高圧に昇圧す
る。背圧案内手段14の背圧よりも圧縮空間aの圧力が
上回り、固定スクロール翼12は軸方向に移動する。
【0048】さらに述べれば、固定スクロール翼12と
一体の支持ピン27は支持フレーム2に設けられる掛止
孔28に案内されて浮き上がることとなり、その結果、
旋回スクロール翼11とで形成される圧縮空間aのクリ
アランスが拡大する。
【0049】圧縮空間aの異常高圧ガスは密閉ケース1
内へ逃げて、いわゆるコンプライアンス機能が発揮さ
れ、各スクロール11,12の、特に翼部11b,12
bが受けるストレスが解消される。
【0050】図3に示すように、圧縮運転中の固定スク
ロール翼12は、圧縮空間a内で軸方向に発生するスラ
スト力Fthに対して、固定スクロール翼12が軸方向に
移動しない(浮き上がらない)程度の押し付け力F'th
を固定スクロール翼12背面に作用させるだけでよい。
すなわち、スラスト力Fth<押し付け力F'th の関係に
ある。
【0051】そして、圧縮空間aが異常高圧になった場
合は、コンプライアンス機能が発揮することは上述した
通りであるが、このとき、支持フレーム2に設けられる
掛止孔28と、ここに挿入される支持ピン27との直径
の差であるクリアランスCLの設定と、支持ピン27と
掛合する掛止孔28の掛合長さlの設定により、固定ス
クロール翼12の径方向への倒れが、旋回スクロール翼
11の旋回運動を阻害しない角度θの範囲内に規制され
る。したがって、固定スクロール翼12の径方向の倒れ
と位置ずれの発生がなく、旋回スクロール翼11は円滑
な旋回運動を継続できる。
【0052】なお、上記ピン体を、固定スクロール翼1
2のピン用孔26にその上端部のみが圧入され、突出部
分が掛止孔28に挿入される支持ピン27とし、これを
掛止孔28に所定のクリアランスをもって挿入したか
ら、支持手段13に対する組立作業性の低減化が得られ
る。なお、ピン体は、これに限定されるものではない。
【0053】たとえば図4(A)に示すように、固定ス
クロール翼12のフランジ部25にねじ孔40を設け、
ここにカラー41を嵌挿した止めボルト42の端部を螺
着する。カラー41は止めボルト42によって、固定ス
クロール翼12の軸方向に沿って取付け固定される。
【0054】すなわち、止めボルト42に取付けられる
カラー41が、上記実施例における支持ピン27の作用
をなすとともに、このカラー41の位置の微調整が可能
となる利点を有する。
【0055】また、同図(B)に示すように、固定スク
ロール翼12のフランジ部25に、上記支持ピン27と
同一の直径および全長を有するピン部43を一体に設け
てもよい。この場合は、上記支持ピン27や、カラー4
1および止めボルト42などの、支持手段構成部品を特
に用意する必要がないとともに、取付け、組立手間が不
要となる利点がある。
【0056】さらに、掛止孔28からなる掛止部でなく
てもよい。たとえば図4(C)に示すように、支持フレ
ーム2のフランジ部2aに、この周面が開放し、かつ径
方向の端部が平面視で半円状に形成されるキー溝掛止部
44とする。
【0057】ここに掛止される支持ピン27、カラー4
1もしくはピン部43は断面円形状であって、固定スク
ロール翼12の軸方向への移動を許容するとともに、径
方向への倒れと位置ずれは、180°の位置で対向する
支持ピン27、カラー41もしくはピン部43のうちの
一方のものが、キー溝掛止部44の半円状端部に掛合し
て、いずれも規制されることとなる。
【0058】上記スクロール式圧縮機は、必ずしも冷凍
サイクルを構成する機器に備えられるものに限定され
ず、他の種類の被圧縮ガスもしくは空気を圧縮する場合
にも用いることができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
縮空間の異常昇圧時に、固定スクロール翼の軸方向への
移動を許容して旋回スクロール翼とのクリアランスを広
げさせ圧縮空間のガスを逃して、異常応力の発生を阻止
する、いわゆるコンプライアンス機能を確実に発揮する
とともに、このときの固定スクロール翼の径方向の傾き
と位置ずれを確実に規制して、信頼性の向上を図れる効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、スクロール式圧縮機
の一部を省略した縦断面図。
【図2】同実施例の、圧縮機構部を分解した斜視図。
【図3】同実施例の、支持手段の作用を説明する図。
【図4】(A)は、他の実施例である、支持ピンの変形
例。(B)は、さらに他の実施例である、支持ピンの変
形例。(C)は、さらに他の実施例である、掛止部の変
形例。
【符号の説明】
11…旋回スクロール翼、12…固定スクロール翼、a
…圧縮空間、14…背圧案内手段、13…支持手段、2
…支持フレーム、28…掛止孔、27…支持ピン、42
…止めボルト、41…カラー、43…ピン部、44…キ
ー溝掛止部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田井 裕一 静岡県富士市蓼原336番地 株式会社東 芝富士工場内 (56)参考文献 特開 平3−237283(JP,A) 特開 平4−255586(JP,A) 特開 平4−234502(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール翼の渦巻状の翼部と、旋回
    スクロール翼の渦巻状の翼部とを噛合させ、これら翼部
    と各スクロール翼の鏡板部とで圧縮空間を形成し、旋回
    スクロール翼を旋回運動させて、圧縮空間に被圧縮ガス
    を吸込み、圧縮して吐出するスクロール式圧縮機におい
    て、上記固定スクロール翼の背面側にガス圧を作用さ
    せ、通常運転状態で固定スクロール翼の軸方向の移動を
    規制する背圧案内手段と、上記固定スクロール翼を軸方
    向に移動可能に支持し、圧縮空間が背圧案内手段による
    ガス圧を上廻る異常昇圧状態になったときに、固定スク
    ロール翼の軸方向への移動を許容して旋回スクロール翼
    とのクリアランスを広げさせ、圧縮空間のガスを逃がす
    支持手段とを具備し、上記支持手段は、上記固定スクロ
    ール翼鏡板部の外周部分を支持する支持フレームと、こ
    の支持フレームの固定スクロール翼鏡板部の支持部分に
    軸方向に沿って設けられる複数の掛止部と、それぞれの
    掛止部に微小のクリアランスをもって挿入され、固定ス
    クロール翼の軸方向への移動を許容し、かつ固定スクロ
    ール翼の径方向への傾きおよび位置ずれを規制する、固
    定スクロール翼に一体的に突設される複数のピン体とか
    らなることを特徴とするスクロール式圧縮機。
  2. 【請求項2】上記ピン体は、その一部が固定スクロール
    翼に圧入固定され、他の大部分が固定スクロール翼から
    突出する複数の支持ピン、上記固定スクロール翼に止め
    ボルトにより取付け固定される複数のカラー、固定スク
    ロール翼に一体に突設される複数のピン部の、いずか一
    の形態であることを特徴とする請求項1記載のスクロー
    ル式圧縮機。
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