JP3069910B2 - 宇宙環境試験装置 - Google Patents

宇宙環境試験装置

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泉二郎 飯出
尚男 北山
稔 堅田
洋 松田
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日本酸素株式会社
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64GCOSMONAUTICS; VEHICLES OR EQUIPMENT THEREFOR
    • B64G7/00Simulating cosmonautic conditions, e.g. for conditioning crews
    • B64G2007/005Space simulation vacuum chambers

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  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、宇宙環境と略同等の高真空,極低温の環境
を形成し、人工衛星等の宇宙空間で使用される各種機器
の試験、特に長時間の試験を行うのに適した宇宙環境試
験装置に関する。
〔従来の技術〕
宇宙環境試験装置(スペースチェンバー)は、真空容
器の内部にシュラウド又はシールドと呼ばれる熱吸収壁
を設置して宇宙の冷暗黒を模擬するとともに、真空容器
の内部を真空ポンプで真空排気して宇宙の高真空を模擬
するものである。
宇宙の冷暗黒は、無限の熱吸収体の性質を持ち、その
温度は3Kといわれている。地上で人工衛星等の発熱体の
試験を行う際には、該人工衛星等を前記シュラウド内に
収容して行っているが、試験を行う雰囲気を3Kにまで冷
却することは不可能に近い。このため、熱誤差の評価か
ら、シュラウドを100K以下に冷却して、宇宙の冷暗黒を
模擬するのが一般的であり、その寒冷源としては、主に
液体窒素が用いられてきている。
さらに、前記真空容器内に放出ガスの多い試験体を収
容して高真空に排気するためには、非常に大きなポンプ
を用いて排気する必要があるが、このような場合には、
真空容器の内部、シュラウド内に極低温排気面、即ちク
ライオパネルを組み込んで、該クライオパネルを20K以
下に冷却し、窒素等のガスを凝結排気するクライオポン
プとして機能させる必要があった。このクライオパネル
の冷却源には、従来からヘリウム冷凍機から供給される
ヘリウムが用いられている。
また、試験完了後に真空容器内を常温まで加温する際
には、一般に、窒素ガスをシュラウドに導入することに
より行われていた。
第2図は一般的な宇宙環境試験装置の構成を示すもの
で、特にシュラウドとクライオパネルの冷却システムの
系統を表したものである。図中、1は真空容器であっ
て、該真空容器1内にシュラウド2とクライオパネル3
とが設置され、それぞれ液体窒素供給系4とヘリウム冷
凍機5とに接続されている。また、真空容器1には、補
助排気系6として、真空容器1内を大気圧からシュラウ
ド2とクライオパネル3とによる冷却が可能な真空度ま
で排気する粗引排気系と、クライオパネル3が冷却さ
れ、クライオポンプとして機能するまで高真空を維持す
る高真空排気系とが設けられている。一般に、前記粗引
排気系には油回転ポンプやメカニカルブースタポンプ等
の低真空用のポンプが使用され、高真空排気系にはター
ボ分子ポンプなどの高真空用ポンプが使用されている。
前記液体窒素供給系4は、液体窒素ポンプ7,気液分離
器8,液体窒素貯槽9等により構成され、タンクローリー
10により供給される液体窒素を前記シュラウド2に循環
させ、該シュラウド2を冷却するように形成されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記構成の宇宙環境試験装置は、シュラウド2とクラ
イオパネル3の冷却用として液体窒素供給系4とヘリウ
ム冷凍機5との2系統を有しているため、構成が複雑に
なるだけでなく、液体窒素を使用する点から、各部に高
圧ガスに対する配慮を施さなければならず、その設計,
製作に多大な時間とコストを要していた。
また、上記宇宙環境試験装置を使用して試験を行うに
は、まず前記補助排気系6を作動させた後にシュラウド
2の冷却を開始し、さらにシュラウド2が所定温度以下
になってからクライオパネル3の冷却を開始する必要が
あり、液体窒素供給系4とヘリウム冷凍機5とを個別に
運転管理する必要があり、運転管理の面からも改善が望
まれている。
さらに、運転開始以前に、あらかじめ液体窒素供給系
4に用いる液体窒素の購入計画を立案して、その受入れ
管理を行う必要があり、スケジュールの調整等の運用面
でも面倒なものであった。
特に、人工衛星の姿勢制御に用いられるイオンエンジ
ンの試験等は、他の試験に比べて極めて長時間を要する
ため、上記液体窒素も大量に必要であり、該液体窒素の
管理が面倒であった。また、上記のような複雑な構成の
ものでは、長期に亙って確実な作動を継続させるための
整備も容易なものではなかった。
そこで本発明は、簡単な構成で真空容器内の真空排気
と冷却、及び加温とを効率よく行うことができるととも
に全自動運転も可能で、特に長時間の試験を行うのに好
適な宇宙環境試験装置を提供することを目的としてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的を達成するために、本発明の宇宙環境試
験装置は、シュラウドやシールドなどの熱吸収壁及び極
低温排気面、即ちクライオパネルを装備し、該熱吸収壁
及び極低温排気面により冷却を行う宇宙環境試験装置に
おいて、前記熱吸収壁と極低温排気面の冷却及び該熱吸
収壁と極低温排気面の加温を行う熱媒体を供給する1台
のヘリウム冷凍機を、熱媒体供給回路を介して前記熱吸
収壁及び極低温排気面に接続したことを特徴としてい
る。
〔実施例〕
以下、本発明を第1図に示す一実施例に基づいてさら
に詳細に説明する。
本発明の宇宙環境試験装置11は、真空容器12内に熱吸
収壁であるシュラウド13と極低温排気面であるクライオ
パネル14とを設置するとともに、両者を1台のヘリウム
冷凍機15に接続し、シュラウド13とクライオパネル14と
を1台のヘリウム冷凍機15で冷却及び加温するように形
成したもので、ヘリウム冷凍機15には、シュラウド13を
100K以下に冷却する熱媒体供給回路15aと,クライオパ
ネル14を20K以下に冷却するための熱媒体供給回路15bと
が設けられている。
また、真空容器12には、従来の宇宙環境試験装置と同
様に、真空容器12内を大気圧からシュラウド13とクライ
オパネル14とによる冷却が可能な真空度まで排気する油
回転ポンプやメカニカルブースタポンプ等の低真空用の
ポンプを用いた粗引排気系と、クライオパネル14が冷却
されてクライオポンプとして機能するまで高真空を維持
するターボ分子ポンプ等の高真空用ポンプを用いた高真
空排気系とから構成された補助排気系16が設けられてい
る。
このように、真空容器12内に設置するシュラウド13と
クライオパネル14とを、該シュラウド13とクライオパネ
ル14の冷却、及び該シュラウド13とクライオパネル14の
加温を行うそれぞれの熱媒体供給回路15a,15bを介して
1台のヘリウム冷凍機15に接続することにより、宇宙環
境試験装置11の構成を簡略化できるとともに、液体窒素
を用いるための配慮、即ち高圧ガス取扱いにおける配慮
や、液体窒素の購入管理等の配慮を行う必要が無くな
り、製造面だけでなく運転管理面においても大幅な改善
を図ることができる。特に試験期間の長いイオンエンジ
ンの試験等に際しては、液体窒素の管理が不要になるこ
とや、装置の簡略化による整備の容易性の向上により、
長期間の試験を効率よく確実に行うことが可能となる。
さらに試験完了後の加温も、従来はシュラウドにのみ
窒素ガスを導入して行っていたが、本発明では、前記シ
ュラウド13とクライオパネル14の両方に熱媒体供給回路
15a,15bを介して加温用のヘリウムを導入できるので、
加温時間の短縮も図ることができる。
また、シュラウド13及びクライオパネル14の冷却及び
加温は、前記ヘリウム冷凍機15のみを制御することで行
うことができるので、該ヘリウム冷凍機15に冷凍機搭載
型制御用計算機を装備することにより、シュラウド13及
びクライオパネル14の冷却及び加温を全自動で行うこと
が可能となり、運転操作性の改善も図れる。
さらに、前記クライオパネル14に吸着材を接着してお
くことにより、ヘリウム等のガスを排気可能とするクラ
イオソープションポンプとしての機能を持たせることが
でき、より高真空状態を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、1台のヘリウ
ム冷凍機を使用して熱吸収壁及び極低温排気面の冷却及
び加温を同時に行えるため、液体窒素の使用のための高
圧ガス対策を施した供給設備が不要となり、また、液体
窒素の使用計画の立案と受入れ管理を行う必要も無くな
るとともに、熱吸収壁及び極低温排気面の冷却及び加温
を単一の操作で行えること、コンピュータによって運転
が行えることから、宇宙環境試験装置の装置構成の簡略
化とともに、運転容易性と操作性を大幅に改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の宇宙環境試験装置の一実施例を示す系
統図、第2図は従来の宇宙環境試験装置の一例を示す系
統図である。 11……宇宙環境試験装置、12……真空容器、13……シュ
ラウド、14……クライオパネル、15……ヘリウム冷凍
機、15a,15b……熱媒体供給回路、16……補助排気系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堅田 稔 神奈川県川崎市川崎区小島町6―2 日 本酸素株式会社内 (72)発明者 松田 洋 神奈川県川崎市川崎区小島町6―2 日 本酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−247772(JP,A) 特開 昭61−261200(JP,A) 実開 平3−23000(JP,U) 実開 昭63−57587(JP,U) 実開 昭63−57586(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64G 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱吸収壁及び極低温排気面を装備し、該熱
    吸収壁及び極低温排気面により冷却を行う宇宙環境試験
    装置において、前記熱吸収壁と極低温排気面の冷却及び
    該熱吸収壁と極低温排気面の加温を行う熱媒体を供給す
    る1台のヘリウム冷凍機を、熱媒体供給回路を介して前
    記熱吸収壁及び極低温排気面に接続したことを特徴とす
    る宇宙環境試験装置。
  2. 【請求項2】前記熱吸収壁及び極低温排気面の冷却・加
    温を全自動で行う冷凍機搭載型制御用計算機を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の宇宙環境試験装置。
  3. 【請求項3】前記極低温排気面に吸着材を接着してクラ
    イオソープションポンプとして使用することを特徴とす
    る請求項1記載の宇宙環境試験装置。
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