JP3065841B2 - 鉄鋼材の熱間圧延設備 - Google Patents

鉄鋼材の熱間圧延設備

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JP3065841B2
JP3065841B2 JP5047936A JP4793693A JP3065841B2 JP 3065841 B2 JP3065841 B2 JP 3065841B2 JP 5047936 A JP5047936 A JP 5047936A JP 4793693 A JP4793693 A JP 4793693A JP 3065841 B2 JP3065841 B2 JP 3065841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼材を圧延する熱間
圧延設備に係わり、特に水溶性油を水で希釈したエマル
ジョン液をロールのクーラントとして用いる鉄鋼材の熱
間圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材の板圧延には熱間圧延と冷間圧延
がある。冷間圧延では潤滑と冷却が圧延上必須であり一
般に両者を兼ね備えるものとして水と油の混合液(エマ
ルジョン液)が使用される。上記油(原油)は2種類に
大別される。一つは安定してエマルジョンとなるもので
水溶性油(以下、ステーブル油ということがある)と呼
ばれ、主として鉱油をベースとし乳化剤の助けによって
水溶性となり、水と油は長時間放置しても分離しない。
他の一つはエマルジョンが不安定でアンステーブル油と
呼ばれ、牛脂などをベースとしたもので撹拌など機械的
混合作用を与えないと分離するが、潤滑能力は前者より
遥かに大きい。
【0003】熱間圧延ではロールの冷却は必須条件であ
るが潤滑条件は必須条件ではない。従って、ロール冷却
は水によって行われるのが一般である。然し熱間圧延で
も、圧延動力や圧延荷重の減少とロール磨耗の減少を狙
った熱間圧延油が使用されている。この熱間圧延油は前
述のステーブル油のエマルジョンでは潤滑の効果がな
く、効果があるのは潤滑能力の大きなアンステーブル油
系のエマルジョンである。しかし、この油は通板時、圧
延材の噛込能力を阻害するため冷却水とは別系統とし、
圧延の尻抜き直前に油の供給を止め、作業ロール表面の
油分を焼却し、次の噛込に備えるという方法をとらざる
を得ない。
【0004】ところで、冷間圧延を行う際のロール及び
圧延材を冷却する方法及びエマルジョン循環装置に関す
る従来技術としては、特開平2−151309号公報に
記載のものがある。ここでは、ロールや圧延材を冷却及
び潤滑した後のエマルジョン(クーラント)を回収し、
解乳化処理して水と油に分離し、分離された油と水を別
個に処理して再び原料エマルジョンとして使用する、い
わゆるクローズドループを構成する方法が取られてお
り、エマルジョンの特性はロールと圧延材との噛み込み
条件や潤滑条件を考慮して決定される。
【0005】また、工業用水は上記のようなロールや圧
延材の冷却水として使用される以外にも様々な用途に使
用されるが、この工業用水中の不純物等を除去し純水を
製造する装置としては、一般にイオン交換純水装置等が
知られている。また、上記のようにロールや圧延材を冷
却したクーラントのうち劣化が進んだものはダンプアウ
ト(廃棄)されるが、このような油分を含有した汚水を
処理する水処理装置としては、一般に、エバポレーター
または透過膜式ウルトラフィルターを通して油分と水分
とを分離する水処理設備や、油分の凝集分離処理または
活性汚泥処理または活性炭吸着処理を行う水処理設備等
が知られている。但し、従来、上記純水装置や水処理設
備は熱間圧延設備専用に備えられるものではなく、冷間
圧延設備や酸洗設備やクリーニングライン等と兼用の設
備であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱間圧延設備で
は、熱間圧延油はロールと板との間の潤滑を目的とする
ため、噴射する範囲がロール胴長の範囲内に限られ、し
かも圧延油の量が多いと板の噛込み不良をとなるため必
要最小限に押さえていることから、この圧延油の大半は
ロールと板の間で消耗する。このため、圧延油はロール
以外のミルの機械部分にかからず、油分による機械の防
錆や摩擦低減の効果は期待できなかった。
【0007】また、鉄鋼材の熱間圧延においては、作業
ロールは1250−800℃と高温の材料に接するた
め、大量の水をロールにかけて、この過熱を防止してい
るが、この冷却水が圧延機の機械品にも掛かるため、機
械品を腐食させ、しゅう動面を摩耗させることになる。
【0008】即ち、熱間圧延設備では、設備の腐食・磨
耗による設備機能の低下は激しく、その保全が重大な問
題となっていた。例えばロール軸受箱(メタルチョッ
ク)とロールハウジング間の間隙が磨耗や腐食により大
きくなると、ロール同士がスキュウして過大なスラスト
(推力)が発生し、軸受を損傷する事故の原因となるほ
か、圧延材が蛇行して絞り込みなど圧延事故を頻発する
恐れがあった。それを防止するためには間隙を常に許容
値内に保修しておかねばならず、これは作業員の不足の
上、人の嫌がる仕事であり、現在最大の問題となってい
た。その他、機器や配管等が水によって腐食され寿命を
短くするか、又はステンレス等高価な材料を使わざるを
得ず、設備費が高くなるという問題があった。
【0009】上記問題を解決し、設備の保守性を大幅に
改善し、性能を向上するために、本出願人は特願平4−
137166号において、ステーブル油を水で希釈した
ステーブルエマルジョンをクーラントとして用いる熱間
圧延方法及び設備を提案した。
【0010】図7に上記先願を熱間仕上圧延設備に適用
した一例を示す。図7において、7台の4段ロール20
2がタンデム圧延可能に配置され、熱間仕上圧延ミルを
構成している。各4段ロール202の出側には冷却用ヘ
ッダー203が設置され、。このヘッダー203から各
4段ロール202にステーブル油を水で希釈したステー
ブルエマルジョンがクーラントとして供給される。各4
段ロール202を冷却後昇温したクーラントはストリッ
プのスケールと一緒にロール下側のパン204に回収さ
れ、スケールピット205に送られる。ここでクーラン
トに含まれるスケールや鉄粉の大半は沈殿分離される
が、これらはシャベル付きクレーン221により搬出さ
れ、同時にスケールや鉄粉の廻りに集まり付着した油分
も取り出される。このスケールを粗く分離されたクーラ
ントは送水ポンプ222にて沈殿池206に送られる。
ここでクーラントを一定時間滞留させ、含有残スケール
や鉄粉等を沈降させてスラッジとして分離し、また油分
等を劣化分離させ浮上させる。沈澱池206の底に溜ま
ったスケールを含んだスラッジは水中ポンプ223によ
り吸い上げられスラッジ処理装置224に送られ、一方
浮上した油分はスキミング装置225により回収され廃
油設備に送られる。また、ここではストリップとの接触
で焼き切られた油、あるいは蒸発し不足した新水が補充
され、クーラントの油濃度が一定になるようコントロー
ルされる。処理されたクーラントは、送水ポンプ226
で吸い上げられ、フィルター207でろ過され、さらに
冷却塔208で水分の蒸発により潜熱を奪われることで
冷却される。その後、冷却されたクーラントは、循環ポ
ンプ209によって流路227を介してヘッダー203
に送られ、再びヘッダー203より4段ロール202に
供給される。尚、フィルター207によるろ過が必要な
い場合には、バルブ228を閉にしバルブ229を開に
することにより、クーラントはフィルター207を通ら
ずに直接冷却塔208に送られる。
【0011】このようにステーブルエマルジョンをクー
ラントとして用い、熱延仕上圧延機において循環させて
使用することによって、仕上圧延機のロール及びそれ以
外の構成機器に常にステーブル油を含んだクーラントが
供給され、これらが冷却されると共に潤滑性が付与され
る。長期間使用され劣化したクーラントは冷間圧延設備
のクーラントと同様に定期的にポンプ214より排水さ
れ、新しいクーラントに入れ替えられる。また、このよ
うな冷却剤循環システムは上記のような熱間仕上圧延に
限らず、粗圧延設備、または粗、仕上圧延機を含んだ熱
間圧延設備全体に適用されることもある。
【0012】しかしながらこの方法及び設備には2つの
問題を有している。その第1の問題は、沈澱池での滞留
時や冷却塔での冷却時等に、クーラント中の水分のみが
大量に蒸発し、水に含有していた塩素は蒸発せずに次第
に濃縮されることである。塩素はロールに属する機械品
を腐食させ、これが濃縮されると一層腐食が促進される
ため、クーラント中の塩素濃度は一定濃度以下に保たれ
なけらばならない。蒸発により減少した分の補給水を補
給することによりある程度クーラント中の塩素濃度を低
下できるとも考えられるが、一般に補給水(工業用水)
にも塩素が含まれているため、逆に塩素濃度が高くな
る。従って、塩素濃度を一定濃度以下とするためにはさ
らにクーラント自体を連続的または間欠的に大量にブロ
ーアウトし、蒸発分の補給水に加えこのブローアウトし
た分量の補給水をさらに補給する必要がある。例えば、
水の蒸発量を100m3/hr、補給水の塩素濃度を3
0ppmとした時、クーラントの塩素濃度を90ppm
以下とするためにはブローアウトするクーラントの量を
50m3/hrと大量にする必要がある。但し、補給水
の量は蒸発量とブローアウト量の和である150m3
hrである。ブローアウトするクーラントには油(ステ
ーブル油)が含まれているため、大量にクーラントをブ
ローアウトすることは大量の油を廃棄することになり非
常に不経済である。
【0013】第2の問題は、上記のようにブローアウト
されるクーラントまたは劣化したクーラントを排水する
際には常に水処理が必要となることである。即ち、水溶
性のステーブル油を用いたステーブルエマルジョンから
なるクーラントは熱間圧延油に使用されるアンステーブ
ル油を用いたエマルジョンのように水との分離性が良好
でなく、使用後水と自然に分離しないため、油分と水と
を強制的に分離することが必要である。しかしここで用
いられるクーラントの油分濃度は1000ppmから1
00000ppmと高く、またブローアウトされるクー
ラントは量も多いため、他設備と兼用の単純な水処理設
備では海または河川に放出できる環境基準を満たすよう
に処理することができない。
【0014】前述の特開平2−151309号公報に記
載の従来技術においては、クーラントのクローズドルー
プに設けられた水処理装置によってクーラントを水と油
に分離しているが、これは冷間圧延を対象としたもので
あり、ステーブルエマルジョンをクーラントとして用い
た熱間圧延の場合に生じる上記のような問題を解決する
ものではない。即ち、冷間圧延においてはスケールの発
生量が熱間圧延に比べて極めて少なく、スケールの処理
が不要であるため沈澱等にクーラントを滞留させる必要
がなく、またクーラント冷却はおもに熱交換機で行われ
熱間圧延のように冷却塔を使用することがないので水分
の蒸発がほとんどない。従って、クーラント中の塩素が
濃縮されないので上記のような機械品の腐食の問題はな
く、塩素濃度を低下させる配慮もなされていない。特
に、クーラントのクローズドループの途中で新水が補給
されるが、この新水の塩素濃度を専用の装置で低下させ
る配慮がなされていない。
【0015】本発明の第1の目的は、水溶性油をクーラ
ントとして用いて設備の保守性の改善と性能の向上を図
った鉄鋼材の熱間圧延設備において、大量のクーラント
をブローアウトしなくともクーラントの塩素濃度を一定
濃度以下とすることができる鉄鋼材の熱間圧延設備を提
供することである。
【0016】本発明の第2の目的は、水溶性油をクーラ
ントとして用いて設備の保守性の改善と性能の向上を図
った鉄鋼材の熱間圧延設備において、大量のクーラント
をブローアウトしなくともクーラントの塩素濃度を一定
濃度以下とすることができ、かつブローアウトされるク
ーラントの油分を海または河川に放出できる環境基準に
まで低下することができる鉄鋼材の熱間圧延設備を提供
することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明によれば、被圧延材を熱間圧延するロー
ルと、前記ロールにクーラントを供給して前記ロールを
冷却するクーラント供給手段、ロール冷却後の前記クー
ラントを回収するスケールピット、回収した前記クーラ
ント中のスケールを沈殿分離させクーラント中の劣化油
分を浮上分離させる沈殿池、細かい不純物を濾過するフ
ィルター、ロール冷却後に昇温した前記クーラントを冷
却する冷却塔、及び前記クーラントを循環させるポンプ
を有するクーラント循環システムと、水溶性油を供給す
る油供給装置と、前記水溶性油と水とを混合してエマル
ジョンとし前記クーラント循環システムに供給する混合
手段とを備える鉄鋼材の熱間圧延設備において、純水を
製造する純水装置と、前記純水を前記混合手段に供給す
る水供給手段と、前記クーラント循環システムより前記
クーラントの一部をブローアウトするブローアウト手段
とを備えることを特徴とする鉄鋼材の熱間圧延設備が提
供される。
【0018】また、上記第2の目的を達成るため、上記
鉄鋼材の熱間圧延設備において、さらに、前記ブローア
ウト手段よりブローアウトしたクーラントを浄化処理し
海または河川に排出する水処理設備を備える。
【0019】前記水処理設備は、好ましくは、5000
ppm以上の濃度の油分を100ppmから2000p
pmの範囲の濃度に低下させる第1の水処理設備と、2
000ppm以下の濃度の油分を10ppm以下の濃度
に低下させる第2の水処理設備とから構成される。さら
に、前記第1の水処理設備は、好ましくは、エバポレー
ターまたは透過膜式ウルトラフィルターを有し、前記第
2の水処理設備は、好ましくは、油分の凝集分離処理手
段、活性汚泥処理手段、及び活性炭吸着処理手段のうち
少なくとも1つを有する。
【0020】また、好ましくは、前記水供給手段は、前
記純水装置を通らない水をも前記混合手段に供給する。
【0021】また、好ましくは、さらに、前記ロールを
バイパスして前記クーラント供給手段の上流側より直接
前記スケールピットへ連通する第1のバイパス通路と、
この第1のバイパス通路及び前記クーラント供給手段の
うちいずれか一方に前記クーラントが流れるように切り
換える第1のバルブ手段とを有する。
【0022】また、好ましくは、さらに、前記ロール及
び前記スケールピットをバイパスして前記冷却塔の下流
側より直接前記沈殿池へ連通する第2のバイパス通路
と、この第2のバイパス通路及び前記クーラント供給手
段のうちいずれか一方に前記クーラントが流れるように
切り換える第2のバルブ手段とを有する。
【0023】また、好ましくは、前記スケールピットま
たは前記沈澱池は、各コーナー部分がアールを有する形
状である。
【0024】また、好ましくは、前記沈澱池は少なくと
も2つあり、前記2つの前記沈澱池は交互に切り替えて
使用され、そのうちの一方は、クーラントの性能が劣化
した時に全部のクーラントをダンプアウトするためのプ
ールとして使用される。
【0025】また、好ましくは、前記ロールは、上下一
対の作業ロールを上下補強ロールに対してクロスさせか
つ作業ロール同士で相互にクロスさせる4段ロールであ
って、前記クーラント供給手段は前記作業ロール及び前
記作業ロールと前記補強ロールの間にクーラントを供給
する。
【0026】また、上記第1の目的を達成するため、本
発明によれば、タンデム圧延可能に配置され被圧延材を
熱間圧延する複数のロールと、前記複数のロールのうち
2番目以降のロールにクーラントを供給して前記2番目
以降のロールを冷却するクーラント供給手段、前記2番
目以降のロール冷却後の前記クーラントを回収するスケ
ールピット、前記回収したクーラント中のスケールを沈
殿分離させクーラント中の劣化油分を浮上分離させる沈
殿池、細かい不純物を濾過するフィルター、前記2番目
以降のロール冷却後に昇温した前記クーラントを冷却す
る冷却塔、及び前記クーラントを循環させるポンプを有
するクーラント循環システムと、水溶性油を供給する油
供給装置と、前記水溶性油と水とを混合してエマルジョ
ンとし前記クーラント循環システムに供給する混合手段
とを備える鉄鋼材の熱間圧延設備において、前記複数の
ロールのうち1番目のロールの出側で圧延材に粗圧延機
用の高圧水を噴射してスケールを除去するデスケーリン
グ手段と、純水を製造する純水装置と、前記純水を前記
混合手段に供給する水供給手段と、前記クーラント循環
システムより前記クーラントの一部をブローアウトする
ブローアウト手段とを備えることを特徴とする鉄鋼材の
熱間圧延設備が提供される。
【0027】また、上記第2の目的を達成るため、上記
鉄鋼材の熱間圧延設備において、さらに、前記ブローア
ウト手段よりブローアウトしたクーラントを浄化処理し
海または河川に排出する水処理設備を備える。
【0028】前記クーラントは、好ましくは、水溶性油
を水で希釈したエマルジョン液であり、前記水溶性油
は、鉱油または鉱油にエステルを混合したものをベース
とし界面活性剤や脂肪酸を添加し乳化安定性をよくした
油である。
【0029】
【作用】上記のように構成した本発明において、純水装
置で製造された塩素濃度の低い純水は水供給手段によっ
て混合手段に供給され、油供給装置から供給された水溶
性油と混合されてエマルジョンとなり、クーラント循環
システムに供給される。また、クーラント全体の塩素濃
度を一定に保つため、ブローアウト手段によりクーラン
トの一部がブローアウトされる。上記クーラント循環シ
ステムに供給されるエマルジョン中の補給水の量は、ク
ーラント循環システムにおいて蒸発した水量とブローア
ウトされるクーラント中の水量の和である。純水装置で
製造される純水は塩素濃度が低く、これを補給水とする
ためクーラントに新たに混入される塩素正味の量は少な
く、クーラント全体の塩素濃度を一定に保つために除去
すべき塩素量、従ってこの塩素量を含むブローアウトす
べきクーラントの量は少量で済む。さらにブローアウト
すべきクーラントの量が少量でよいことにより、このク
ーラントとともに廃棄される水溶性油の量も少量とな
る。廃棄された分量の水溶性油は上記のように油供給装
置から補給される。
【0030】また、水処理設備を備えることにより、ブ
ローアウト手段により連続的または間欠的にブローアウ
トされる油分濃度の高いクーラントは環境基準を満たす
ように処理され、海または河川に放出される。
【0031】上記水処理設備において、第1の水処理設
備により、5000ppm以上の濃度の油分を100p
pmから2000ppmの範囲の濃度に低下させ、第2
の水処理設備により、2000ppm以下の濃度の油分
を10ppm以下の濃度に低下させる。上記第1の水処
理設備では、エバポレーターまたは透過膜式ウルトラフ
ィルターによって油分と水分とが分離され、上記第2の
水処理設備では、油分の凝集分離処理や活性汚泥処理や
活性炭吸着処理が行われる。このような2段階の処理を
行うことにより、5000ppm以上の高濃度の油分が
10ppm以下の低濃度に低下し、環境基準を満たすこ
とが可能となる。
【0032】また、水供給手段において、純水装置で製
造された純水及び純水装置を通らない水の両方を混合手
段に供給する構成とすることにより、元の工業用水の塩
素濃度が比較的低い場合には両者が一定割合で混合され
補給水となる。これにより純水装置の純水の製造量を低
下することが可能となり、その寿命を延ばすことが可能
となる。
【0033】また、ロールの定期修理などの時にはクー
ラントが第1のバイパス通路を流れるように第1のバル
ブ手段が切り換えられ、クーラントはロールをバイパス
して直接スケールピットへ流れ込み循環する。従って、
クーラントの流れは停滞せずバクテリアの異常発生が防
止される。また、ロールだけでなく冷却塔より下流の配
管部やスケールピットにもクーラントを流さない場合に
は、クーラントが第2のバイパス通路を流れるように第
2のバルブ手段が切り換えられ、クーラントはロール及
びスケールピットをバイパスして直接沈澱池へ流れ込み
循環する。従って、この場合もやはりクーラントの流れ
は停滞せずバクテリアの異常発生が防止される。
【0034】また、スケールピットまたは沈澱池の各コ
ーナー部分にアールを設けることにより、クーラントの
淀みがなくなり、クーラントはスムーズに循環し、これ
によってバクテリアの異常発生が防止される。
【0035】また、沈澱池を少なくとも2つ設け、2つ
の沈澱池を交互に切り替えて使用し、そのうちの一方
は、クーラントが劣化した時、またはクーラントの性能
が何らかの原因で急速に劣化した時に全部のクーラント
をダンプアウトするためのプールとして使用される。
【0036】また、上下一対の作業ロールを上下補強ロ
ールに対してクロスさせかつ作業ロール同士で相互にク
ロスさせる4段ロールを備えた熱間圧延設備において、
上記のような構成のクーラント循環システムや純水装置
や水処理設備を設置することにより、設備の保守性の改
善と性能の向上が図られるとともに、ロール間潤滑用の
特別な潤滑剤スプレーシステムを設置しなくても、また
冷却水による潤滑剤付着妨害等を心配することなく、安
定した潤滑が行われ、ロールの軸方向推力が小さく押さ
えられる。これにより板クラウンの制御能力も飛躍的に
向上する。
【0037】また、タンデム圧延可能に複数のロールを
配置した熱間圧延設備において、1番目のロールの出側
で圧延材に高圧水を噴射しスケールを除去する場合、1
00kg/cm2程度の高圧水を噴出する必要がある。
本発明では、この高圧水として粗圧延機用の高圧水を使
用しデスケーリング手段よりこれを噴射してスケールを
除去することにより、ブースターポンプ等の加圧装置を
新たに設ける必要がなくなり、コストダウンを図ること
が可能となる。また、複数のロールのうち2番目以降の
ロールに対しては、上記と同様な構成のクーラント循環
システムや純水装置や水処理設備が設置される。
【0038】
【実施例】本実施例による鉄鋼材の熱間圧延設備の第1
の実施例について図1及び図2により説明する。図1に
示すように、本実施例の熱間圧延設備は鉄鋼材の熱間仕
上圧延設備であって、圧延材1を熱間圧延する4段のロ
ール2をタンデム圧延可能に7台配置した仕上ミル2
A、各ロール2にロールを冷却するためのクーラントを
供給するヘッダー3、仕上ミル2Aの下側に設けられク
ーラントを回収するパン4、回収されたクーラントを一
時貯めてスケールを粗く分離するスケールピット5、ス
ケールピット5から送られたクーラントを貯めてスケー
ルや油分等を分離する沈澱池6、沈澱池6からのクーラ
ント中の細かい不純物を濾過する例えば電磁フィルター
等のフィルター7、ロールを冷却した後に昇温したクー
ラントを冷却する冷却塔8、クーラントを再びヘッダー
3に送り循環させるクーラント循環ポンプ9、ステーブ
ル油を供給する油供給装置10、純水を製造するイオン
交換純水装置11、イオン交換純水装置11からの純水
及びイオン交換純水装置11を通らない水を混合するイ
ンジェクター12、インジェクター12からの水と油供
給装置10からの油を混合してエマルジョンとし循環ポ
ンプ9の上流側に補給する混合手段としてのクーラント
インジェクター13、沈澱池6よりクーラントの一部を
ブローアウトするブローアウト手段としてのブローアウ
トポンプ14、ブローアウトポンプ14でブローアウト
したクーラント浄化処理し海または河川に排出する水処
理設備である1次水処理設備15及び2次水処理設備1
6を備える。上記ヘッダー3、パン4、スケールピット
5、沈澱池6、フィルター7、冷却塔8、クーラント循
環ポンプ9によりクーラント循環システム100が構成
される。
【0039】粗ミル91で粗圧延され、粗ミル用デスケ
ーリング装置92でスケールを落された圧延材1は仕上
ミル2Aで仕上圧延される。この時ロール2を冷却する
ためにクーラント循環ポンプ9によって送られた水溶性
の油を数パーセント含んだエマルジョンであるクーラン
トがヘッダー3よりロール2に供給される。ロール2を
冷却したクーラントは、仕上ミル2A下のパン4で回収
されスケールピット5に送られる。ここでクーラントに
含まれるスケールや鉄粉の大半は沈殿分離されるが、こ
れらはシャベル付きクレーン21により搬出され、同時
にスケールや鉄粉の廻りに集まり付着した油分も取り出
される。このスケールを粗く分離されたクーラントは送
水ポンプ22にて沈殿池6に送られる。
【0040】図2(a)及び(b)に沈澱池の構造を模
式的に示す。但し、図2(a)は沈澱池6を上からみた
図、図2(b)は断面図である。沈澱池6には流路6A
よりスケールピット5からのクーラントが送られ、処理
を終えたクーラントは流路6Bよりポンプ26で汲み上
げられフィルター7へ送られる。その他の構成は簡単の
ため省略されている。沈澱池6の各コーナー部6C及び
6Dにはアールが設けられており、これによりクーラン
トの淀みがなくなり、クーラントはスムーズに循環す
る。従ってクーラント中のバクテリアの異常発生を防止
することができる。尚、沈澱池6以外に限らず、例えば
スケールピット5の各コーナー部にアールを設けても同
様の効果が得られる。
【0041】沈澱池6では、クーラントを一定時間滞留
させ、含有残スケールや鉄粉等を沈降させてスラッジと
して分離し、また劣化油分等を分離させ浮上させる。沈
澱池6の底に溜まったスケールを含んだスラッジは水中
ポンプ23により吸い上げられスラッジ処理装置24に
送られ、一方浮上した油分はスキミング装置25により
回収されブローアウトされるクーラント(後述する)と
共に1次水処理設備15に送られる。
【0042】沈澱池6にて劣化分離した油分とスケール
を除去されたクーラントは、送水ポンプ26で吸い上げ
られ、フィルター7で濾過され、冷却塔8に送られる。
冷却塔8では、ロールの冷却により5〜8℃程度昇温し
たクーラントがその水分の蒸発により潜熱を奪われるこ
とで冷却される。冷却されたクーラントは、循環ポンプ
9によって流路27を介してヘッダー3に送られ、再び
ヘッダー3よりロール2に供給される。尚、フィルター
7によるろ過が必要ない場合には、バルブ28を閉にし
バルブ29を開にすることにより、クーラントはフィル
ター7を通らずに直接冷却塔8に送られる。また、仕上
ミル2A近傍の油分を含んだヒュームはドラフター30
よりエリミネーター31を介して集塵機32によって吸
気されるが、エリミネーター31でヒュウームの中に含
まれる油分分離が分離されて1次水処理設備15に送ら
れる。上記クーラント循環システムはクーラントが水の
みの場合の従来のクーラント循環システムと同様の構成
である。
【0043】このクーラント中の水分は、ロール2が冷
却される際にヒュームとなって集塵機32に持ち去られ
たり、スケールピット5や沈澱池6や冷却塔においてて
蒸発し、次第に減少していく。減少した水分は油分や塩
素をほとんど含まない水であり、特に元から含有してい
た塩素は蒸発せずに次第に濃縮される。塩素はロールに
属する機械品を腐食させ、これが濃縮されると一層腐食
が促進されるため、クーラント中の塩素濃度は一定濃度
以下に保たれなけらばならない。蒸発により減少した分
の水分は補給水により補給され、これによりある程度ク
ーラント中の塩素濃度も低下できるとも考えられるが、
一般に補給水として用いられる工業用水中の塩素濃度は
20〜30ppm、場合によっては50ppm程度含ま
れており、これをそのまま蒸発分の補給水としてクーラ
ントに混入するとクーラント中の塩素濃度は次第に高く
なってゆく。従って補給水としては、純水または純水に
近いものでなければならない。このため本実施例ではイ
オン交換純水装置11が設けられ、補給水としてはこの
イオン交換純水装置11で製造された純水が用いられ
る。
【0044】この場合、イオン交換純水装置は塩素を完
全には除去することは不可能であり、ごく微量ながら塩
素が残留するため、クーラントの塩素濃度を一定濃度以
下とするためにはクーラント自体を連続的または間欠的
にブローアウトし、上記蒸発分の補給水に加えこのブロ
ーアウトした分量の補給水をさらに補給する必要があ
る。但し、補給水の塩素濃度は極低くなっているため、
ブローアウトするクーラントの量は、イオン交換純水装
置を通さない水を補給水とする場合に比べて少量で済
む。
【0045】このことを具体的に数式を用いて説明す
る。クーラントからの水の蒸発量をQv、補給水である
工業用水の塩素濃度をClw、補給水の水量をQw、ブロ
ーアウトされるクーラントの量をQb、クーラント中の
塩素濃度をClとすると、これらの間の関係は以下の式
で表される。
【0046】 Cl=(Qw/Qb)Clw ・・・(1) Qw =Qv+Qb ・・・(2) (1)式及び(2)式よりClを求めると、 Cl=(1+Qv/Qb)Clw ・・・(3) または、 Qb =Qv/(Cl/Clw−1) ・・・(4) となる。従って、クーラント中の塩素濃度Clを低くす
るためには(3)式より補給水の塩素濃度Clwを低く
する必要があり、ブローアウトされるクーラントの水量
Qbをできるだけ少量にするためには(4)式よりやは
り補給水の塩素濃度Clwを低くする必要がある。
【0047】例えば、クーラントからの水の蒸発量が1
00m3/hrである時、イオン交換純水装置を通さな
い場合の補給水の塩素濃度を30ppmとすると、クー
ラントの塩素濃度を90ppm以下に保つためにはブロ
ーアウトするクーラントの量を50m3/hrと大量に
する必要があるが、補給水の塩素濃度をイオン交換純水
装置により0.5ppmにまで低下したすると、クーラ
ントの塩素濃度を35ppm以下に保つ場合でも、ブロ
ーアウトするクーラントの量を1.5m3/hr程度と少
量にすればよい。補給水の量はこのブローアウトするク
ーラントの量と蒸発量との和になる。
【0048】元の工業用水に含まれる塩素濃度が比較的
低い場合には、工業用水の全量をイオン交換純水装置1
1で処理する必要はなく、イオン交換純水装置11で製
造された純水とイオン交換純水装置11を通らない水と
を一定割合で混合すればよい。このためにイオン交換純
水装置11下流側にインジェクター12が設けられ、イ
ンジェクター12にはイオン交換純水装置11をバイパ
スする流路33、及び流路33を開閉するバルブ34が
設けられている。このインジェクター12、流路33及
びバルブ34によって水供給手段が構成される。通常
は、バルブ34が閉じられてイオン交換純水装置11で
製造された純水がそのままクーラントインジェクター1
3に送られ、また元の工業用水に含まれる塩素濃度が比
較的低い場合には、バルブ34が開かれてイオン交換純
水装置11からの純水及びイオン交換純水装置11を通
らない水がインジェクター12で混合されてクーラント
インジェクター13に送られる。これによりイオン交換
純水装置11の純水の製造量を低下することができ、樹
脂再生のための期間、従ってイオン交換純水装置11の
寿命を延長することができ、ランニングコストを低く抑
えることができる。
【0049】一方、ブローアウトされるクーラント中に
はステーブル油が含まれており、さらにステーブル油の
一部はヒュームとして蒸発しエリミネーター31で回収
されたり、スケールと一緒に除かれるためこれを補給す
る必要がある。このために油供給装置10及びクーラン
トインジェクター13が設けられている。油供給装置1
0の油タンク10A貯えられたステーブル油は供給ポン
プ10Bによってクーラントインジェクター13に送ら
れ、インジェクター12からの補給水と混合されてエマ
ルジョンとなり、クーラント循環システム100の循環
ポンプ9の上流側にクーラントとして補給される。この
ようにして、クーラント循環システム100の塩素濃度
が一定濃度以下に保たれ、かつクーラント中に含まれる
油分濃度も低下しない。
【0050】また、ブローアウトされるクーラントまた
は劣化したクーラントを河川や海に排水できるように処
理することが必要となるが、水との分離性が良好でな
く、しかも1000ppmから100000ppmと高
い濃度のステーブル油含んだクーラントの油分と水とを
強制的に分離し、環境基準を満たすようにするには、他
設備と兼用の単純な水処理設備では処理できない。この
ために1次水処理設備15及び2次水処理設備16が設
けられている。この1次水処理設備15及び2次水処理
設備16では、クーラントの処理の他に沈澱池6のスキ
ミング装置25からの劣化油分やエリミネーター31か
らの油分の処理も併せて行なうことができる。
【0051】1次水処理設備15は透過膜式ウルトラフ
ィルター15Aを備え、通過するクーラントの油分と水
分を分離させ、2次水処理設備に送る。また、透過膜式
ウルトラフィルター15Aの代わりに、クーラント中の
水分を蒸発させ油分を分離するエバポレーターを用いて
もよい。この1次水処理設備15により、油分と水分と
が分離され、5000ppm以上の油分濃度を100p
pmから2000ppmの範囲の濃度に低下させること
ができ、これに伴って10000ppm程度のCOD
(化学的酸素要求量)を1000ppm以下に低下させ
ることができる。
【0052】2次水処理設備16は、油分の処理を行う
汚泥処理装置16A及び焼却装置16B、水分の処理を
行う凝集分離処理装置16C、活性汚泥処理装置16
D、及び活性炭処理装置16Eを備える。1次水処理設
備15から送られた油分は汚泥処理装置16Aで処理さ
れ焼却装置16Bで焼却処分される。また、1次水処理
設備15から送られた水分はなおも油分を含んでいるた
め、以下のようにして処理される。即ち、凝集分離処理
装置16Cで硫酸や苛性ソーダやPAC等を用いて化学
的に油分を凝集させ、活性汚泥処理装置16Dでバクテ
リアを用いてなおも残留した油分を処理してBOD(生
物学的酸素要求量)を低下させ、活性炭処理装置16E
で活性炭に細かい油分を吸着させてCODを低下させ
る。この2次水処理設備16により、油分は焼却処分さ
れ、100ppmから2000ppmの油分濃度を10
ppm以下の濃度に低下させることができ、これに伴っ
て1000ppm程度のCOD(化学的酸素要求量)を
10ppm以下に低下させることができる。これによ
り、海または河川に排出可能な環境基準を満たすように
クーラントを処理することができる。
【0053】以上のように本実施例によれば、イオン交
換純水装置11を備えるので、補給水中の塩素濃度が低
下し、クーラント全体の塩素濃度を一定に保つためにブ
ローアウトするクーラントの量を少量にすることができ
る。さらにブローアウトするクーラントの量を少量にす
ることができるので、このクーラントとともに廃棄され
るステーブル油の量も少量にすることができる。
【0054】また、第1の水処理設備15及び第2の水
処理設備16を備えるので、ブローアウトされる油分濃
度の高いクーラントを環境基準を満たすように処理する
ことができ、海または河川に放出することができる。
【0055】また、補給水の塩素濃度が比較的低い場合
には、イオン交換純水装置11を通らない水とイオン交
換純水装置11で製造された純水とを混合して補給水と
するので、イオン純水装置11の製造量を低下すること
ができ、その寿命を延ばすことができる。
【0056】また、沈澱池6やスケールピット5の各コ
ーナー部分にアールを設けるので、クーラントの淀みを
防止してクーラントをスムーズに循環させ、バクテリア
の異常発生を防止することができる。
【0057】次に、本実施例による鉄鋼材の熱間圧延設
備の第2の実施例について図3により説明する。本実施
例の熱間圧延設備においては、図3に示すように、ヘッ
ダー3の上流側よりヘッダー3、仕上ミル2A及びパン
4をバイパスして直接スケールピット5へ連通する第1
のバイパス通路41、第1のバイパス通路41を開閉す
るバルブ41A、流路27の第1のバイパス通路41分
岐部の下流側に設けられ流路27を開閉するバルブ27
A、冷却塔8の下流側よりヘッダー3、仕上ミル2A、
パン4、及びスケールピット5をバイパスして直接沈澱
池6へ連通する第2のバイパス通路42、第2のバイパ
ス通路42を開閉するバルブ42A、流路27の第2の
バイパス通路42分岐部の下流側に設けられ流路27を
開閉するバルブ27Bをさらに設ける。これ以外の構成
は第1の実施例と同様である。
【0058】上記のような構成において、仕上ミル2A
の定期修理などの時にはここにクーラントを流さないよ
うにするため、バルブ27Aが閉じられバルブ41Aが
開かれて、クーラントはヘッダー3、仕上ミル2A及び
パン4をバイパスして第1のバイパス通路41を流れ、
スケールピット5に直接流れ込む。その後クーラントは
第1の実施例と同様に循環する。従って、仕上ミル2A
の定期修理時等においても、クーラントの流れを停滞さ
せることなく循環させることができ、これによってクー
ラント中のバクテリアの異常発生を防止することができ
る。
【0059】また、仕上ミル2Aだけでなく冷却塔8よ
り下流の配管部やスケールピット5の定期修理などの時
には、これらにもクーラントを流さないようにするた
め、バルブ27Bが閉じられバルブ42Aが開かれて、
クーラントはヘッダー3、仕上ミル2A、パン4、及び
スケールピット5をバイパスして第2のバイパス通路4
2を流れ、沈澱池6へ直接流れ込む。その後クーラント
は第1の実施例と同様に循環する。従って、この場合
も、クーラントの流れを停滞させることなく循環させる
ことができ、これによってクーラント中のバクテリアの
異常発生を防止することができる。バルブ27Aとバル
ブ41A、バルブ27Bとバルブ42Aはそれぞれ第1
のバルブ手段及び第2のバルブ手段を構成し、各2つの
バルブは一方が開の時は他方が閉となるように、即ちク
ーラントの通路が択一的に選択されるようになってい
る。尚、第1のバルブ手段及び第2のバルブ手段をそれ
ぞれ2つのバルブで構成せずに3方バルブで構成しても
よい。
【0060】以上のように本実施例によれば、仕上ミル
2Aの定期修理などの時に第1のバイパス通路41によ
り仕上ミル2Aをバイパスさせてクーラントを循環さ
せ、冷却塔8より下流の配管部やスケールピット5の定
期修理などの時に。第2のバイパス通路42により仕上
ミル2A及びスケールピット5をバイパスさせてクーラ
ントを循環させるので、クーラントの流れを停滞させる
ことなく、クーラント中のバクテリアの異常発生を防止
することができる。
【0061】次に、本実施例による鉄鋼材の熱間圧延設
備の第3の実施例について図4により説明する。本実施
例の熱間圧延設備においては、図4に示すように、沈澱
池6に加え、もう一つの沈澱池6aが設けられており、
沈澱池6aには水中ポンプ23a、スラッジ処理装置2
4a、スキミング装置25a、送水ポンプ26a、ブロ
ーアウトポンプ14が沈澱池6の場合と同様に備えられ
ている。またスケールピット5からのクーラントを沈澱
池6に送るか沈澱池6aに送るかを選択するバルブ51
A及び51B、フィルター7へのクーラントを沈澱池6
から送るか沈澱池6aから送るかを選択するバルブ52
A及び52B、クーラントを沈澱池6からブローアウト
するか沈澱池6aからブローアウトするかを選択するバ
ルブ53A及び53Bがそれぞれの沈澱池の出入口に備
えられている。これ以外の構成は第1の実施例と同様で
ある。
【0062】クーラントは蒸発やブローアウト等により
減少するため、前述のように常時新しいクーラントが補
給されるが、長期間使用することによりクーラントが劣
化したり、クーラントの性能が何らかの原因で急速に劣
化する場合がある。このような場合には、クーラント循
環システム中の全部のクーラントを入れ換える必要があ
る。本実施例ではバルブ51A,51B,52A,52
B,53A,53Bの操作によって上記2つの沈澱池6
及び6aが交互に切り換えて使用され、そのうちの一方
が、劣化したクーラントを全てダンプアウトするための
プールとして使用され、同時に他方がクーラント循環シ
ステム中で本来の目的で使用される。
【0063】以上のように本発明によれば、2つの沈澱
池を交互に切り替えて使用するので、クーラント循環シ
ステムを停止することなく、従って熱間圧延設備の作業
を停止することなく、劣化したクーラントをダンプアウ
トすることができる。
【0064】次に、本実施例による鉄鋼材の熱間圧延設
備の第4の実施例について図5により説明する。図5に
おいては、簡単のため仕上ミル近傍の構成のみが示され
ている。図5に示すように、仕上ミル60にタンデム圧
延可能に配置された7台のロール62は、それぞれ上下
一対の作業ロール62aを上下補強ロール62bに対し
てクロスさせかつ作業ロール62a同士で相互にクロス
させた4段ロールである。この4段ロールにおいて、ヘ
ッダー63aは作業ロール62aにクーラントを供給
し、ヘッダー63bは作業ロール62aと補強ロール6
2bの間にクーラントを供給するように設けられてお
り、またヘッダー63aと63bの間は仕切り板64で
仕切られている。これ以外の構成は前述の第1から第3
の実施例のいずれかと同様である。このような構成によ
り、ロールの冷却だけでなく、クーラント中に含まれる
ステーブル油によりロール間、即ち作業ロール62aと
補強ロール62bの間の潤滑をも行うことができ、別系
統にてロール間の潤滑油スプレー装置を設ける必要がな
く、ロールにかかる軸方向推力を低減することができ
る。尚、ロール間の潤滑性能を考慮して、ヘッダー63
aに供給されるクーラントと63bに供給されるクーラ
ント(潤滑剤)の油分濃度が異なるようにクーラント循
環システムを構成してもよい。
【0065】以上のように本実施例によれば、第1から
第3の実施例と同様の効果がら得られるだけでなく、ロ
ールクロスによって発生する軸方向推力低減のためにク
ーラントとは別系統にてロール間の潤滑油スプレー装置
を設ける必要なく、またロール冷却水による潤滑油の洗
い落し防止等も必要なく、シンプルな構造を維持しなが
ら板クラウンを大きく制御でき、品質のよい板を得るこ
とができる。これにより板クラウンの制御能力も飛躍的
に向上できる。
【0066】次に、本実施例による鉄鋼材の熱間圧延設
備の第5の実施例について図6により説明する。図6に
おいては、簡単のため仕上ミル近傍の構成のみが示され
ている。図6に示すように、仕上ミル70において7台
のロール71〜77がタンデム圧延可能に配置されてお
り、1番目のロール71に対してはクーラント供給用の
ヘッダーが取り付けておらず、その代りにロール71出
側にデスケーリング手段としての仕上ミルデスケーリン
グヘッダー79が設けられている。一方、2番目のロー
ル72から7番目のロール77に対してはクーラント供
給用のヘッダー78が取り付けられている。つまり、ロ
ール71は前述のクーラント循環システムからは除外さ
れ、ロール72からロール77までが前述のクーラント
循環システムに属する。これ以外の構成は第1から第3
の実施例と同様である。
【0067】仕上ミル70前段の粗ミル91出側にはス
ケールを除去する粗ミル用デスケーリング装置92が設
けられており、粗ミル用デスケーリング装置92からは
100kg/cm2程度の高圧水が圧延材に噴出され、
粗圧延時のスケールが除去される。これで粗圧延時のス
ケールが除去されるが、一般には、仕上ミル70の1番
目のロール71でさらにスケール除去する場合が多く、
本実施例はこれに対応するためのものである。即ち、仕
上ミルデスケーリングヘッダー79に粗ミル用デスケー
リング装置92へ供給される高圧水が導かれ、ロール7
1出側において圧延材にこの高圧水が噴射されここでス
ケールが除去される。以下ロール72から77において
は通常の仕上圧延が実施されるが、ロール72から77
に供給されるクーラントは前述と同様の構成によって与
えられる。上記構成により、1番目のロール71に対し
ては本発明の効果はなくなるが、粗ミル用デスケーリン
グ装置92の高圧水を使用して仕上ミル70でのスケー
ルを除去するので、1番目のロール71に専用のブース
ターポンプ等の加圧装置を設置することが不要となり、
コストダウンを図ることができる。
【0068】以上のように本実施例によれば、粗ミル用
デスケーリング装置92の高圧水を使用し仕上ミルデス
ケーリングヘッダー79よりこれを噴射してスケールを
除去するので、ブースターポンプ等の加圧装置を新たに
設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性油をクーラント
として用いるので、機械品の潤滑効果を発揮させ摩耗及
び錆の発生を抑制して設備の保守性の改善と性能の向上
が図れ、かつ、純水装置を備えるので、機械品の腐食の
原因となる補給水中の塩素濃度を低下させることがで
き、ブローアウトするクーラントの量を少量にすること
ができる。さらにクーラントとともに廃棄される水溶性
油の量も少量にすることができる。
【0070】また、上記効果に加え、水処理設備を備え
るので、ブローアウトされるクーラントを環境基準を満
たすように処理することができ、海または河川に放出す
ることができる。
【0071】また、補給水の塩素濃度が比較的低い場合
には、純水装置を通らない水と純水装置で製造された純
水とを混合して補給水とするので、純水装置の寿命を延
ばすことができる。
【0072】また、ロールや冷却等より下流の配管部や
スケールピットの定期修理などの時にこれらの部分をバ
イパスさせてクーラントを循環させるので、クーラント
の流れを停滞させることなく、クーラント中のバクテリ
アの異常発生を防止することができる。
【0073】また、沈澱池またはスケールピットの各コ
ーナー部分にアールを設けるので、クーラントの淀みを
防止してクーラントをスムーズに循環させ、バクテリア
の異常発生を防止することができる。
【0074】また、2つの沈澱池を交互に切り替えて使
用するので、クーラント循環システムを停止することな
く、従って熱間圧延設備の作業を停止することなく、劣
化したクーラントをダンプアウトすることができる。
【0075】また、上下一対の作業ロールを上下補強ロ
ールに対してクロスさせかつ作業ロール同士で相互にク
ロスさせる4段ロールを備えた熱間圧延設備において、
別系統のロール間の潤滑装置を設ける必要なく、ロール
クロスによって発生する軸方向推力を低減することがで
き、またロール冷却水による潤滑油の洗い落し防止等も
必要なく、シンプルな構造を維持しながら板クラウンを
大きく制御でき、品質のよい板を得ることができる。こ
れにより板クラウンの制御能力も飛躍的に向上できる。
【0076】また、タンデム圧延可能にロールが配置さ
れた仕上ミルの1番目のロールにおいて、粗圧延機用の
高圧水によりスケールを除去するので、ブースターポン
プ等の加圧装置を新たに設ける必要がなくなり、コスト
ダウンを図ることができる。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄鋼材の熱間圧延設備の第1の実
施例の構成を示す図である。
【図2】図1の実施例における沈澱池の構造を模式的に
示す図であって、(a)は上からみた図、(b)は断面
図である。
【図3】本発明による鉄鋼材の熱間圧延設備の第2の実
施例の構成を示す図である。
【図4】本発明による鉄鋼材の熱間圧延設備の第3の実
施例の構成を示す図である。
【図5】本発明による鉄鋼材の熱間圧延設備の第4の実
施例の構成を示す図である。
【図6】本発明による鉄鋼材の熱間圧延設備の第5の実
施例の構成を示す図である。
【図7】特願平4−137166号に記載の技術を熱間
仕上圧延設備に適用した例を示す図である。
【符号の説明】
2 ロール 3 ヘッダー 5 スケールピット 6,6a 沈澱池 6C,6D コーナー部 7 フィルター 8 冷却塔 9 循環ポンプ 10 油供給装置 11 イオン交換純水装置 12 インジェクター 13 クーラントインジェクター 14,14A ブローアウトポンプ 15 1次水処理装置 15A ウルトラフィルター 16 2次水処理装置 16C 凝集分離処理装置 16D 活性汚泥処理装置 16E 活性炭処理装置 27 流路 27A バルブ 27B バルブ 33 流路 34 バルブ 41 第1のバイパス通路 41A バルブ 42 第2のバイパス通路 42A バルブ 60 仕上ミル 62a 作業ロール 62b 補強ロール 63a,63b ヘッダー 70 仕上ミル 71 第1ロール 72 第2ロール 78 ヘッダー 79 仕上ミルデスケーリングヘッダー 91 粗ミル 92 粗ミル用デスケーリング装置 100 クーラント循環システム
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502Z (72)発明者 平井 茂男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 安成 晋一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 大石 正彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 武智 敏貞 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 吉村 宏之 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平6−170409(JP,A) 特開 平6−190409(JP,A) 特開 平6−15339(JP,A) 特開 平6−297011(JP,A) 特開 平6−15314(JP,A) 特開 平5−57314(JP,A) 特開 平2−151309(JP,A) 特開 昭62−201617(JP,A) 特開 昭53−79753(JP,A) 特開 昭55−144311(JP,A) 特開 平4−361821(JP,A) 特開 昭61−150707(JP,A) 実開 昭59−110117(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 27/10 B01D 17/04 B01F 3/08 B21B 45/02 310 C02F 9/00 502

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被圧延材を熱間圧延するロールと、前記
    ロールにクーラントを供給して前記ロールを冷却するク
    ーラント供給手段、ロール冷却後の前記クーラントを回
    収するスケールピット、回収したクーラント中のスケー
    ルを沈殿分離させクーラント中の劣化油分を浮上分離さ
    せる沈殿池、細かい不純物を濾過するフィルター、ロー
    ル冷却後に昇温した前記クーラントを冷却する冷却塔、
    及び前記クーラントを循環させるポンプを有するクーラ
    ント循環システムと、水溶性油を供給する油供給装置
    と、前記水溶性油と水とを混合してエマルジョンとし前
    記クーラント循環システムに供給する混合手段とを備え
    る鉄鋼材の熱間圧延設備において、純水を製造する純水
    装置と、前記純水を前記混合手段に供給する水供給手段
    と、前記クーラント循環システムより前記クーラントの
    一部をブローアウトするブローアウト手段とを備えるこ
    とを特徴とする鉄鋼材の熱間圧延設備。
  2. 【請求項2】 さらに、前記ブローアウト手段よりブロ
    ーアウトしたクーラントを浄化処理し海または河川に排
    出する水処理設備を備えることを特徴とする請求項1記
    載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  3. 【請求項3】 前記水処理設備は、5000ppm以上
    の濃度の油分を100ppmから2000ppmの範囲
    の濃度に低下させる第1の水処理設備と、2000pp
    m以下の濃度の油分を10ppm以下の濃度に低下させ
    る第2の水処理設備とから構成されることを特徴とする
    請求項2記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  4. 【請求項4】 前記第1の水処理設備は、エバポレータ
    ーまたは透過膜式ウルトラフィルターを有することを特
    徴とする請求項3記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  5. 【請求項5】 前記第2の水処理設備は、油分の凝集分
    離処理手段、活性汚泥処理手段、及び活性炭吸着処理手
    段のうち少なくとも1つを有することを特徴とする請求
    項4記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  6. 【請求項6】 前記水供給手段は、前記純水装置を通ら
    ない水をも前記混合手段に供給することを特徴とする請
    求項1または2記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  7. 【請求項7】 さらに、前記ロールをバイパスして前記
    クーラント供給手段の上流側より直接前記スケールピッ
    トへ連通する第1のバイパス通路と、この第1のバイパ
    ス通路及び前記クーラント供給手段のうちいずれか一方
    に前記クーラントが流れるように切り換える第1のバル
    ブ手段とを有することを特徴とする請求項1または2記
    載の鉄材の熱間圧延設備。
  8. 【請求項8】 さらに、前記ロール及び前記スケールピ
    ットをバイパスして前記冷却塔の下流側より直接前記沈
    殿池へ連通する第2のバイパス通路と、この第2のバイ
    パス通路及び前記クーラント供給手段のうちいずれか一
    方に前記クーラントが流れるように切り換える第2のバ
    ルブ手段とを有することを特徴とする請求項1または2
    記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  9. 【請求項9】 前記スケールピットは、各コーナー部分
    がアールを有する形状であることを特徴とする請求項1
    または2記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  10. 【請求項10】 前記沈澱池は、各コーナー部分がアー
    ルを有する形状であることを特徴とする請求項1または
    2記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  11. 【請求項11】 前記沈澱池は少なくとも2つあり、前
    記2つの前記沈澱池は交互に切り替えて使用されること
    を特徴とする請求項1または2記載の鉄鋼材の熱間圧延
    設備。
  12. 【請求項12】 前記2つの前記沈澱池のうちの一方
    は、クーラントの性能が劣化した時に全部のクーラント
    をダンプアウトするためのプールとして使用されること
    を特徴とする請求項11記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  13. 【請求項13】 前記ロールは、上下一対の作業ロール
    を上下補強ロールに対してクロスさせかつ作業ロール同
    士で相互にクロスさせる4段ロールであって、前記クー
    ラント供給手段は前記作業ロール及び前記作業ロールと
    前記補強ロールの間にクーラントを供給することを特徴
    とする請求項1または2記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  14. 【請求項14】 タンデム圧延可能に配置され被圧延材
    を熱間圧延する複数のロールと、前記複数のロールのう
    ち2番目以降のロールにクーラントを供給して前記2番
    目以降のロールを冷却するクーラント供給手段、前記2
    番目以降のロール冷却後の前記クーラントを回収するス
    ケールピット、前記回収したクーラント中のスケールを
    沈殿分離させクーラント中の劣化油分を浮上分離させる
    沈殿池、細かい不純物を濾過するフィルター、前記2番
    目以降のロール冷却後に昇温した前記クーラントを冷却
    する冷却塔、及び前記クーラントを循環させるポンプを
    有するクーラント循環システムと、水溶性油を供給する
    油供給装置と、前記水溶性油と水とを混合してエマルジ
    ョンとし前記クーラント循環システムに供給する混合手
    段とを備える鉄鋼材の熱間圧延設備において、前記複数
    のロールのうち1番目のロールの出側で圧延材に粗圧延
    機用の高圧水を噴射してスケールを除去するデスケーリ
    ング手段と、純水を製造する純水装置と、前記純水を前
    記混合手段に供給する水供給手段と、前記クーラント循
    環システムより前記クーラントの一部をブローアウトす
    るブローアウト手段とを備えることを特徴とする鉄鋼材
    の熱間圧延設備。
  15. 【請求項15】 さらに、前記ブローアウト手段よりブ
    ローアウトしたクーラントを浄化処理し海または河川に
    排出する水処理設備を備えることを特徴とする請求項1
    4記載の鉄鋼材の熱間圧延設備。
  16. 【請求項16】 前記クーラントは、水溶性油を水で希
    釈したエマルジョン液であることを特徴とする請求項1
    から15のうちいずれか1項記載の圧延機。
  17. 【請求項17】 前記水溶性油は、鉱油または鉱油にエ
    ステルを混合したものをベースとし界面活性剤や脂肪酸
    を添加し乳化安定性をよくした油であることを特徴とす
    る請求項16記載の圧延機。
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