JP3064093B2 - ステンレス鋼製配管フランジの防食方法 - Google Patents
ステンレス鋼製配管フランジの防食方法Info
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- JP3064093B2 JP3064093B2 JP4083668A JP8366892A JP3064093B2 JP 3064093 B2 JP3064093 B2 JP 3064093B2 JP 4083668 A JP4083668 A JP 4083668A JP 8366892 A JP8366892 A JP 8366892A JP 3064093 B2 JP3064093 B2 JP 3064093B2
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- pipe
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16L23/00—Flanged joints
- F16L23/02—Flanged joints the flanges being connected by members tensioned axially
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Flanged Joints, Insulating Joints, And Other Joints (AREA)
- Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排煙脱硫装置、海水淡水
化装置など各種プラントに適用されるステンレス鋼製配
管フランジや、発電プラント、各種熱交換器などの海水
を利用する配管フランジなどの防食方法に関する。
化装置など各種プラントに適用されるステンレス鋼製配
管フランジや、発電プラント、各種熱交換器などの海水
を利用する配管フランジなどの防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ素イオン、塩素イオン、臭素
イオンなどの厳しい腐食性物質を含む水溶液を流す配管
には、前記物質の濃度、温度、pHなどによっても異な
るが、孔食、隙間腐食などの耐食性の面から、高級ステ
ンレス鋼管、Ni合金管、ゴムライニング管、ポリエチ
レンライニング管、塩化ビニル樹脂ライニング管あるい
はFRP管などが用いられている。このうちステンレス
鋼管のフランジには隙間腐食の面から、ステンレス鋼管
と同材質が用いられ、フランジの接合面は何等処理され
ず、パッキンを入れてボルト締めにより接合されてい
る。
イオンなどの厳しい腐食性物質を含む水溶液を流す配管
には、前記物質の濃度、温度、pHなどによっても異な
るが、孔食、隙間腐食などの耐食性の面から、高級ステ
ンレス鋼管、Ni合金管、ゴムライニング管、ポリエチ
レンライニング管、塩化ビニル樹脂ライニング管あるい
はFRP管などが用いられている。このうちステンレス
鋼管のフランジには隙間腐食の面から、ステンレス鋼管
と同材質が用いられ、フランジの接合面は何等処理され
ず、パッキンを入れてボルト締めにより接合されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の如き厳
しい腐食環境において、装置建設費を安価にしたいとの
観点から、SUS304,SUS316,SCS13,
SCS14などの一般的なステンレス鋼を適用した場
合、一定流速以上の水溶液と接触する配管は実用上問題
のない程度の腐食状態であるが、フランジ部ではパッキ
ンとフランジ金属の間に生じる隙間、すなわち前記腐食
性水溶液が停滞するような箇所が短期間に厳しく腐食さ
れる。この箇所の腐食を防止するため、パッキンの締め
付けを均一にし、隙間を形成しないような努力を行って
いるが、完全に腐食がなくなった事例はほとんどない。
そのため、配管、フランジ共に耐食面で問題のない高級
ステンレス鋼を用いたり、前記ライニング管が用いられ
ているのが実状である。
しい腐食環境において、装置建設費を安価にしたいとの
観点から、SUS304,SUS316,SCS13,
SCS14などの一般的なステンレス鋼を適用した場
合、一定流速以上の水溶液と接触する配管は実用上問題
のない程度の腐食状態であるが、フランジ部ではパッキ
ンとフランジ金属の間に生じる隙間、すなわち前記腐食
性水溶液が停滞するような箇所が短期間に厳しく腐食さ
れる。この箇所の腐食を防止するため、パッキンの締め
付けを均一にし、隙間を形成しないような努力を行って
いるが、完全に腐食がなくなった事例はほとんどない。
そのため、配管、フランジ共に耐食面で問題のない高級
ステンレス鋼を用いたり、前記ライニング管が用いられ
ているのが実状である。
【0004】上述したように、一般にステンレス鋼の耐
孔食性は腐食性溶液の流動液体と接触する所と静止液体
と接触する所では大巾に異なり、例えば一般的なステン
レス鋼でも海水に対して流速1m/sec.以上の所で
はほとんど腐食されないことはよく知られていることで
ある。
孔食性は腐食性溶液の流動液体と接触する所と静止液体
と接触する所では大巾に異なり、例えば一般的なステン
レス鋼でも海水に対して流速1m/sec.以上の所で
はほとんど腐食されないことはよく知られていることで
ある。
【0005】本発明は上記技術水準に鑑み、安価な一般
的ステンレス鋼を使用しても、配管で最も問題となる配
管フランジ面の隙間腐食を防止できるステンレス鋼製配
管フランジの防食方法を提供しようとするものである。
的ステンレス鋼を使用しても、配管で最も問題となる配
管フランジ面の隙間腐食を防止できるステンレス鋼製配
管フランジの防食方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はステンレス鋼製
配管フランジの接合面に、該配管内を流れる腐食物質を
含む水溶液の温度に対して該水溶液温度から20℃低い
範囲の軟化温度を有するコーティング材を被覆したの
ち、パッキンを入れてボルト締めにより該配管を接合す
ることを特徴とするステンレス鋼製配管フランジの防食
方法である。
配管フランジの接合面に、該配管内を流れる腐食物質を
含む水溶液の温度に対して該水溶液温度から20℃低い
範囲の軟化温度を有するコーティング材を被覆したの
ち、パッキンを入れてボルト締めにより該配管を接合す
ることを特徴とするステンレス鋼製配管フランジの防食
方法である。
【0007】
【作用】前記フランジの接合面にコーティング材を被覆
することにより、腐食性流体がパッキンとフランジとの
隙間に侵入しても、直接フランジのステンレス鋼と接触
しないので、腐食が防止できる。しかし、コーティング
被覆が硬い場合、パッキンの当て方または締め付け方が
悪くなり、隙間を生じやすく、流体中に含まれる固形分
によって摩耗されたり、軟らか過ぎる場合には流体が流
出したりして、短時間のうちにパッキンの下のフランジ
面のステンレス鋼が露出し、ついには隙間腐食を生じる
ようになる。
することにより、腐食性流体がパッキンとフランジとの
隙間に侵入しても、直接フランジのステンレス鋼と接触
しないので、腐食が防止できる。しかし、コーティング
被覆が硬い場合、パッキンの当て方または締め付け方が
悪くなり、隙間を生じやすく、流体中に含まれる固形分
によって摩耗されたり、軟らか過ぎる場合には流体が流
出したりして、短時間のうちにパッキンの下のフランジ
面のステンレス鋼が露出し、ついには隙間腐食を生じる
ようになる。
【0008】本発明者らは鋭意実験検討を行ない、常温
に近い温度領域では硬く、配管内に流体が流れた場合に
は若干軟化するコーティング材すなわち、前記流体温度
から20℃低い範囲の軟化温度を有するコーティング材
を用いることにより、パッキンを入れてフランジをボル
トで締め付けた時に生じる隙間に前記コーティング材が
移動、充満し、フランジ面コーティング被膜、パッキン
が完全に一体化され、隙間の全くない接合となるため、
隙間腐食の問題が解消されることを確認して、本発明を
完成するに到ったものである。
に近い温度領域では硬く、配管内に流体が流れた場合に
は若干軟化するコーティング材すなわち、前記流体温度
から20℃低い範囲の軟化温度を有するコーティング材
を用いることにより、パッキンを入れてフランジをボル
トで締め付けた時に生じる隙間に前記コーティング材が
移動、充満し、フランジ面コーティング被膜、パッキン
が完全に一体化され、隙間の全くない接合となるため、
隙間腐食の問題が解消されることを確認して、本発明を
完成するに到ったものである。
【0009】本発明のコーティング材としては、エポキ
シ樹脂、タールエポキシ樹脂、シリコンエラストマ、ポ
リウレタン系エラストマあるいは合成ゴムに可塑剤、フ
イラを配合し、軟化温度を前記流体温度から20℃低い
範囲に入るように調合されたものが用いられる。コーテ
ィング材の被覆厚さは管径、パッキンの形状によって異
なるが200μmが望ましい。コーティング材は、予
め、配管製作時に被覆してもよいし、配管の接合時に被
覆してもよい。
シ樹脂、タールエポキシ樹脂、シリコンエラストマ、ポ
リウレタン系エラストマあるいは合成ゴムに可塑剤、フ
イラを配合し、軟化温度を前記流体温度から20℃低い
範囲に入るように調合されたものが用いられる。コーテ
ィング材の被覆厚さは管径、パッキンの形状によって異
なるが200μmが望ましい。コーティング材は、予
め、配管製作時に被覆してもよいし、配管の接合時に被
覆してもよい。
【0010】
【実施例】管径50mmのSUS304のパイプにJI
S 10kg/cm2 のSUS304製フランジを溶接
したものに、表1に示す各種コーティング材をそれぞれ
200μmの厚さで被覆、乾燥したのち、板厚2mmの
ゴムパッキンを入れてボルトで接合したものと、従来の
コーティングをしなかったものをCaCl2 :5wt
%、CaSO4 :20wt%、pH5,55℃の液体を
ポンプで循環できる腐食試験装置に取付け、流速2m/
sec.で3ケ月間連続運転したのち、フランジ部の腐
食状態を調査した。
S 10kg/cm2 のSUS304製フランジを溶接
したものに、表1に示す各種コーティング材をそれぞれ
200μmの厚さで被覆、乾燥したのち、板厚2mmの
ゴムパッキンを入れてボルトで接合したものと、従来の
コーティングをしなかったものをCaCl2 :5wt
%、CaSO4 :20wt%、pH5,55℃の液体を
ポンプで循環できる腐食試験装置に取付け、流速2m/
sec.で3ケ月間連続運転したのち、フランジ部の腐
食状態を調査した。
【0011】その結果を表1に示すが、本発明の方法で
接合したものは全く腐食されていなかったが、従来のコ
ーティングをしていなかったものは1〜2mm、深さの
隙間腐食を生じ、また、本発明の範囲を外れる軟化温度
のコーティング材を用いたものはパッキンの下の一部が
剥離、消失し、0.5〜1.0mm深さの隙間腐食を生
じていた。なお、液体が流れる管内面は全く腐食されて
いなかった。
接合したものは全く腐食されていなかったが、従来のコ
ーティングをしていなかったものは1〜2mm、深さの
隙間腐食を生じ、また、本発明の範囲を外れる軟化温度
のコーティング材を用いたものはパッキンの下の一部が
剥離、消失し、0.5〜1.0mm深さの隙間腐食を生
じていた。なお、液体が流れる管内面は全く腐食されて
いなかった。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明は従来、一般的なステンレス鋼が
使用できなかった要因となっていたフランジ部の隙間腐
食を防止し、安価に装置配管が建設できるようにしたも
のであり、その工業的、経済的価値は大きい。
使用できなかった要因となっていたフランジ部の隙間腐
食を防止し、安価に装置配管が建設できるようにしたも
のであり、その工業的、経済的価値は大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−52479(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 11/00,15/00 F16L 23/02,58/18
Claims (1)
- 【請求項1】 ステンレス鋼製配管フランジの接合面
に、該配管内を流れる腐食物質を含む水溶液の温度に対
して該水溶液温度から20℃低い範囲の軟化温度を有す
るコーティング材を被覆したのち、パッキンを入れてボ
ルト締めにより該配管を接合することを特徴とするステ
ンレス鋼製配管フランジの防食方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4083668A JP3064093B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | ステンレス鋼製配管フランジの防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4083668A JP3064093B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | ステンレス鋼製配管フランジの防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287560A JPH05287560A (ja) | 1993-11-02 |
JP3064093B2 true JP3064093B2 (ja) | 2000-07-12 |
Family
ID=13808855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4083668A Expired - Fee Related JP3064093B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | ステンレス鋼製配管フランジの防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3064093B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070241558A1 (en) * | 2006-04-17 | 2007-10-18 | 3M Innovative Properties Company | Protective cover system and method for girth-welds |
-
1992
- 1992-04-06 JP JP4083668A patent/JP3064093B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287560A (ja) | 1993-11-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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