JP3063942U - 水槽内への水中ポンプの設置装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 複数の水室を有する複槽式受水槽に使用し
て、水中ポンプの使用台数を半減して水室の１つ宛の清
掃、水中ポンプのメンテナンスを容易にする。 【解決手段】 水槽の側壁のポンプ出入口に、ポンプ収
容筒１１に棒形水中ポンプＰを同心状に収容して、同収
容筒の前端の鍔１２を、ポンプ出入口回りの水槽側壁の
内面に固定し、ポンプ前端から突出した吐出筒１３の外
周に水密に蓋１４を同心状に、かつ、水槽側壁の外面に
取外し可能に取り付けたポンプの設置装置において、ポ
ンプ収容筒の後壁１１′に弁筒２１の前端を固定すると
共に、弁筒で囲まれた部分に吸込口２２を設け、弁筒の
後端には同心状の弁座２３と、その後に延長筒２５を設
け、弁筒内には弁座を開閉する弁板２４を前後動可能に
収容し、ポンプ収容筒内には弁操作ロッド２６を通し、
その前端部を前記蓋を貫通して外に突出させて前端にハ
ンドル２７を取外し可能に固定し、後端部には上記弁板
を固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、水槽内の底部に、水中ポンプを、該ポンプを収容したポンプ収容 筒によって横置し、槽内の水を高置水槽に揚水したり、自動給水制御方式で蛇口 、シャワー等に直接、給水するための給水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は実公平８−５５０号（実開平１−１１４９９７号）公報、及び実用 新案登録第２５６１５５５号（実開平７−４４７９３号）公報によって、水槽の 側壁の下部に棒形水中ポンプよりも直径が大きいポンプ出入口を開設し、前記棒 形水中ポンプを同心状に収容して水槽の底の上に横置、固定されるポンプ収容筒 の前端の鍔を上記ポンプ出入口の回りで水槽の側壁の内面に固定し、前記棒形水 中ポンプの前端から突出した吐出筒の外周に前記ポンプ出入口を塞ぐことができ る蓋を同心状に設け、上記蓋をポンプ出入口の回りで水槽の側壁の外面に取外し 可能に取付け、上記吐出筒の前端にエルボを介して送水管を連結した水槽内への 水中ポンプの設置装置を提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来装置は、水室が１つの水槽内に設置して槽内の水を槽外の必要個所に 送水できるほか、ポンプのメンテナンスの際は、ポンプ収容筒内に槽内の水が入 らないように、該収容筒内の水を水槽の側壁の下部のポンプ出入口を側壁の外か ら塞ぐ蓋にあるドレンを開いて排水し、収容筒内に水が無くなったら蓋を側壁か ら外し、蓋と一緒に水中ポンプを側壁のポンプ出入口から外に引き出して保守、 点検、修理を行い、それが終わったら上記操作を逆に行って再び槽外に送水した り、ポンプ収容筒内に洗浄水が入らないようにして槽内を洗浄したりすることは できる。しかし、二槽式や三槽式の水槽など複数の水室を有する複槽式水槽の１ つの水室に設置し、その水室の洗浄中に送水が必要なとき、他の水室の水を使っ て送水することはできない。

【０００４】 一般に水槽には１台のポンプを設置して送水すると、そのポンプが故障したと きは送水できなくなるため、故障したポンプを水槽の外に引き出して修理してい る間、他のポンプで送水を行うために、２台のポンプを設置し、自動単独交互方 式、又は自動並列交互方式で制御して運転するのであるが、上記複槽式水槽の場 合は複数の水室の１つ宛に夫々２台のポンプを設置しなければならず、二槽式水 槽では４台、三槽式水槽では６台のポンプを設置する必要があり、設置するポン プの台数が多くなる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記従来の設置装置と同様に使用できるほかに、二槽式などの複数の 水室を有する水槽に使用し、１つの水室の洗浄中に送水が必要と必要とされると きは他の室の水を送水できるようにするため、前述した従来の水中ポンプの設置 におけるポンプ収容筒の後壁に水中ポンプの中心からそれた偏心位置に円筒形の 弁筒の前端を固定すると共に、上記弁筒で囲まれた部分に弁筒の中心から偏心し て吸込口を設け、弁筒の後端には該筒よりも直径が小さい同心状の弁座と、その 後に延長筒を設け、弁筒内には進退することにより上記弁座を開閉する弁板を前 後動可能に収容し、ポンプ収容筒内には該筒の内周と水中ポンプの外周との間隙 に弁操作ロッドを通し、該ロッドの前端部を前記蓋を貫通して外に突出させて前 端にハンドルを取外し可能に固定し、後端部は前記後壁をねじ係合して弁筒の中 心に突入させ、前記弁板を操作ロッドの後端に固定したことを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図示の実施形態において、Ｐはポンプ部が前、モータ部が後、その中間に吸水 口を有する周知の棒形水中ポンプで、上記水中ポンプを円周方向に離して設けた 複数のスペーサで同心状に収容する収容筒１１は水槽１０の側壁１０ａの下部に 設けられたポンプ出入口の回りの側壁の内面に前端の鍔１２を固定され、後端部 を槽底の受台で支持されて水槽の底部に水平に横置、固定される。水中ポンプは 前端から突出する吐出筒１３に上記側壁のポンプ出入口を外から塞ぐ蓋１４を鍔 状に有し、この蓋を前記ポンプ出入口の回りの側壁の外面に取外し可能に取付け 、ポンプのメンテナンスの際は、この蓋を外し、吐出筒の前端に上向きのエルボ １５で連結した送水管１６を外し、水中ポンプを蓋１４ごと収容筒１１の内部か ら側壁のポンプ出入口を通じ外に引き出すことができる。上記した構成、作用は 本実用新案登録出願人の特開平４−２６７７８７号公報に詳述されているので、 それを参照されたい。

【０００７】 収容筒１１の前端の鍔１２とは反対の後端を塞ぐ後壁１１′には弁２０を設け る。この後壁は収容筒の直径とほゞ同じ幅で水槽の底に固定されて起立し、その 上部は収容筒の上半部に一致した半円形になっていて収容筒の後端を塞ぐと同時 に、収容筒の後端を水槽の底から上に離して収容筒を水槽の底の上に横置、固定 する受台を兼ねている。この後壁１１′は、収容筒１１の内部に同心状に収容し たポンプの中心からそれた偏心位置に前記弁２０の円筒形をした弁筒２１の前端 を固定すると共に、後壁の上記弁筒で囲まれた部分には弁筒の中心から偏心して 吸込口２２を開設してある。弁筒２１は後端に該筒よりも直径が少し小さい弁座 ２３を同心状に備え、弁筒２１内で進退する弁板２４の後退により弁座２３は閉 じられる。弁筒２１は弁座２３の後方に延長筒部２５を有する。

【０００８】 弁板２４を弁筒２１内で進退させて弁座２３を開閉するため、収容筒内には操 作ロッド２６が収容筒の内周とポンプの外周との間の隙間を通り、後部は収容筒 の後壁１１′の、弁筒２１の中心に対応した位置を貫通して弁筒内に突入して弁 板２４を後端に固定し、前部はポンプの吐出筒に鍔状に設けられた蓋１４をシー ルして貫通し、蓋１４から外に突出した前端部の角軸部にはハンドル２７を取外 し可能に取付けている。尚、操作ロッドの吐出筒の後壁を貫通する後部には雄ね じ２８が形成され、後壁１１′に設けた雌ねじ孔にねじ係合している。

【０００９】 従って、操作ロッドの雄ねじ２８と、後壁の雌ねじ孔によるねじ係合作用で、 ハンドル２７の一方向の回転で操作ロッドは弁板２４を伴って後退して弁座２３ を閉じ（図１（ａ）参照）、ハンドルを逆方向に回転すると操作ロッドは弁板２ ４を伴って前進し、弁板は弁座から前に離れて弁座２３を開く（図１（ｂ）参照 ）。又、メンテナンスのためにポンプを収容筒の前端から外に引き出すために蓋 １４を水槽本体の開口の回りから外す際はハンドル２７が邪魔になるので操作ロ ッド２６の前端部からハンドルを取外し、メンテナンスが終わってポンプを収容 筒中に挿入し、操作ロッドの前端部を蓋１４のシール孔に通して蓋を開口の回り に固定したら、操作ロッドの前端部の角軸部に再びハンドルを取付ける。

【００１０】 従って、図２（ａ）に示すように水室が１つの水槽に設置して送水する場合は 、弁筒２１内で弁板２４を後退させて弁座２３を閉じ、水室のドレンを開いて槽 内の水を排水し、収容筒内に洗浄水が入るのを防止して水槽の内部を洗浄したり 、蓋１４にあるドレンを開いて収容筒内の水を排水したのち前述したように蓋を 水槽の側壁から外し、又、吐出筒の前端に取付けたエルボ１５を送水管１６から 外し、蓋ごとポンプを収容筒１１、側壁のポンプ出入口から外に引き出してメン テナンスを行うことができる。そして、メンテナンスが終わったら逆に操作して 元通りにする。そして、弁板２４を操作ロッド２６で前進させて弁座２３を開き 、ポンプの運転で室内の水を収容筒内に吸込み、送水管１６を経て送水すること ができる。

【００１１】 又、図２（ｂ）に示すように例えば、水槽がＡ室、Ｂ室、Ｃ室の三室を有する 場合は、任意の室に２台のポンプを平行に設置し、水槽内を三室に区劃する全部 の仕切壁１０′の下部をシールして貫通する吸水主管３１を布設し、吸水主管を 全部水室Ａ，Ｂ，Ｃ内に位置させる。尚、吸水主管の両端は閉じてある。

【００１２】 各水室の下部には水槽の外からの操作でその水室の内部と連通、遮断できる開 閉弁Ｖを１つ宛設け（Ｖ−Ａ，Ｖ−Ｂ，Ｖ−Ｃ）、各開閉弁を枝管３２により上 記吸水主管３１の各室内に位置する部分に接続する。この開閉弁は通常の開閉バ ルブでもよいが、その一例の構成、及び作用、効果は前述の特開公報や実行平５ −２９４２０号公報に図解されているので、それを参照されたい。

【００１３】 そして、２台のポンプを水槽の外に引き出し可能に個々に収容している例えば Ａ室に設置した収容筒１１，１１の各延長筒２５，２５と上記吸水主管３１のＡ 室内に位置する部分とを吸水管３３，３３で接続する。

【００１４】 水室Ａ，Ｂ，Ｃの１つ、例えばＢ室を清掃するときは、Ｂ室に設けられた開閉 弁Ｖ−Ｂを閉じる。これによって他のＡ室、Ｃ室の水はＢ室に流入しないのでＢ 室を清掃できる。こうして、１つの開閉弁Ｖ−Ａ，Ｖ−Ｂ，Ｖ−Ｃを閉じるだけ で、開閉弁を閉じた水室を清掃できる。

【００１５】 又、ポンプのメンテナンスのため収容筒の蓋１４を外して収容筒の前端からポ ンプを外に引き出す際は、その収容筒の操作ロッド２６を操作してその収容筒の 弁座２３を弁板２４で閉じると、他の水室の水はその収容筒内に流入しないので ポンプのメンテナンスが行える。

【００１６】

【考案の効果】

以上で明らかなように、本考案によれば、水室が１つの水槽に設置して従来の 設置装置と同じに使用できるが、弁板で開閉される弁座を有する収容筒の後端に 設けられた弁筒が吸水管を接続できる延長筒２５を備えているため、水槽本体が 複数の水室を有し、複数のポンプによって送水するようになっていても、水室を １つ宛清掃したり、ポンプを１台宛メンテナンスすることが容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は弁座を開いている状態の断面図、
（ｂ）は弁座を閉じた状態の断面図。

【図２】（ａ）は単槽式水槽での使用状態の説明図、
（ｂ）は複槽式水槽での使用状態の説明図。

【符号の説明】

１０ 水槽 １０′ 水槽本体の仕切り壁 Ａ，Ｂ，Ｃ 水室 Ｖ 開閉弁 Ｐ ポンプ １１ ポンプの収容筒 １２ 収容筒の鍔 １３ ポンプの吐出筒 １４ 蓋 １５ エルボ １６ 送水管 ２１ 弁筒 ２２ 吸込口 ２３ 弁座 ２４ 弁板 ２５ 延長筒 ２６ 操作ロッド ２７ ハンドル ２８ 雄ねじ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水槽の側壁の下部に棒形水中ポンプより
   も直径が大きいポンプ出入口を開設し、前記棒形水中ポ
   ンプを同心状に収容して水槽の底の上に横置、固定され
   るポンプ収容筒の前端の鍔を上記ポンプ出入口の回りで
   水槽の側壁の内面に固定し、前記棒形水中ポンプの前端
   から突出した吐出筒の外周に前記ポンプ出入口を塞ぐこ
   とができる蓋を同心状に設け、上記蓋をポンプ出入口の
   回りで水槽の側壁の外面に取外し可能に取付け、上記吐
   出筒の前端にエルボを介して送水管を連結した水槽内へ
   の水中ポンプの設置装置において、前記ポンプ収容筒の
   後壁に水中ポンプの中心からそれた偏心位置に円筒形の
   弁筒の前端を固定すると共に、上記弁筒で囲まれた部分
   に弁筒の中心から偏心して吸込口を設け、弁筒の後端に
   は該筒よりも直径が小さい同心状の弁座と、その後に延
   長筒を設け、弁筒内には進退することにより上記弁座を
   開閉する弁板を前後動可能に収容し、ポンプ収容筒内に
   は該筒の内周と水中ポンプの外周との間隙に弁操作ロッ
   ドを通し、該ロッドの前端部を前記蓋を貫通して外に突
   出させて前端にハンドルを取外し可能に固定し、後端部
   は前記後壁をねじ係合して弁筒の中心に突入させ、前記
   弁板を操作ロッドの後端に固定したことを特徴とする水
   槽内への水中ポンプの設置装置。