JP3062230U

JP3062230U - 採光襖

Info

Publication number: JP3062230U
Application number: JP1999002653U
Authority: JP
Inventors: 洋史長田
Original assignee: 株式会社長田表具店
Priority date: 1999-03-17
Filing date: 1999-03-17
Publication date: 1999-09-28
Anticipated expiration: 2005-03-17

Abstract

(57)【要約】【課題】本考案は部屋数が少なく狭い間取りの多い日本
の住宅事情をふまえ、襖を閉じた暗い部屋に、ほのかな
採光を取り入れ、間接照明に似た照明効果を演出する襖
である。【解決手段】本考案は下張りを組子単位でその枠内を切
り抜き、白い和紙で下張り袋張りをし、上張りをして仕
上げる等の方法により採光を部屋に取り入れる。更に切
り抜きを多彩にアレンヂ出来ることから、従来の一般的
な襖のイメージを一新し全く違った採光襖を造りだし、
これらの方法を用いて従来の襖を採光襖に変える事も出
来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する記述分野】

本考案は下張りを組子単位でその枠内を切り抜き白い和紙で下張りをするという簡単な方法で採光を取り入れる襖に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般的な襖の場合は、既存の下張りが耐水高圧紙で出来ており、その上から光を遮断する紙で袋張りをし上張りをして仕上げるものと、耐水高圧紙ではない光を遮断する和紙で下張り袋張りをし、上張りをして仕上げるものとがある。採光を入れる為の襖で一般的なものには、源氏襖と言って明かりを入れる部分に枠を設け障子をはめ込んだものが有り、特殊なものとしては茶室のみに使用される透かし太鼓襖がある。透かし太鼓襖は伝統的製造方法に依り、骨は別誂えであり、下張りは手漉きの和紙を重ね合わせて貼り、引手は切り引手（引き手板を斜面状に取り付け窪みを付ける）と言う手法を用いる。更に、上張りはドーサ引きした手漉きの奉書紙等で千鳥張りし、張りくるみで仕上げる。以上のように、従来の物は作業工程が多く大変な手間と非常に高いコストがかかり、高価な物になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

一般的住宅では部屋数が少なく狭い間取りが多い、その上襖で間仕切られた部屋は暗い事が多い。そこで襖に少しでも多く採光を取り入れ明るくし、居住空間を広く演出するものである。然も製造方法も非常に簡単でコストも安価で提供できる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、既存の下張りを組子単位でその枠内を決めた数だけ切り抜き、切り抜いた部分に白い和紙で下張りをし、その上から全面に同様の和紙で袋張りをし、上張りをして仕上げる。この方法で「袋張り」を省いて仕上げる、「切り抜いた部分の下張り」を省いて仕上げる、「袋張り」と「切り抜いた部分の下張り」の両方を省いて仕上げる等の方法もある。また下張りが無く骨から仕上げる場合には、明かりを入れたい部分に白い和紙で下張りをし、その他の部分は従来通り光を遮断する下張りをする。次に白い和紙で袋張りをし、上張りをして仕上げる。この場合も「袋張り」を省いて仕上げるのと、「明かりをとりたい部分の下張り」を省くのと、その両方を省いて仕上げる方法がある。以上の方法で問題点を解決している。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案は襖の下張りを切り抜いたり、下張り紙に白い和紙を使うことにより反対面から採光を取り入れる。また好みに応じて切り抜く部分を指定し、多彩な採光のバリエーションを作り出す。

【０００６】

【実施例】

以下、添付図面に従って一実施例を説明する。１は下張りで全面耐水高圧紙が貼ってある襖本体、２は下張りの中央部二段を組子単位で中枠を切り抜いた状態、３はその下張りの上から白く薄い和紙で袋張りをし、４は３の上から上張りをして本体が仕上がる。

【０００７】５の左右縦縁を填め込み、６の下ざんを填め、７の上ざんを入れて完成する。

【考案の効果】

本考案は、下張りを切り抜いたり、白い和紙を用いて下張りや袋張りをして製造する為、切り抜いた部分から採光が洩れ易くなる。これにより、従来採光を入れたり透かして見えたりすることを一つの目的として造られた、源氏襖や透かし太鼓襖と同様の、若しくはそれ以上の効果をもたらすことが出来る襖である。然も容易に且つ安価で製造することが出来る。又組子枠内の切り抜きを多様に組み合わせることにより幾通りもの採光パターンを作り出すことが出来、貼り替えも簡単で、パターンを変えることも従来襖に戻すことも可能である。そして和紙を通して入るほのかな光りが、温かく穏やかな居住空間をもたらしてくれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の採光襖の一実施例を示した正面図であ
る。

【図２】本考案の採光襖の完成を示した正面図である。

【符号の説明】

１は下張り（耐水高圧紙）２は切り抜き（組子の枠内）３は袋張り（白い和紙）４は上張り５は縦縁６は下ざん７は上ざん８は組子

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】既存の下張りを組子単位にその枠内を切り
抜き、白い和紙で下張り袋張りをして採光を取り入れる
事と、切り抜き方の多彩なバリエーションを特徴とした
襖。