JP3061581U - 身体保温冷却用サポ―タ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 身体の特定部位を加温ないし冷却するため身
体に取着してその部位を保温又は冷却するためのサポー
タを提供する。 【解決手段】 所要身体位置に捲回可能な長さを有する
軟質帯体と該帯体のほぼ中央部を裏当てしてポケット部
とを有し、該ポケット部の帯体表部にファスナにより開
閉可能に切開部をポケット体に開通するように設けら
れ、帯体の端部と該端部に係合可能に該帯体の表部とに
面ファスナを備えて、該ポケット部内に熱媒体を収納し
て、身体所望位置に取着可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、身体の特定部位を加温ないし冷却するため身体に取着してその部位 を保温又は冷却するためのサポータに関する。

【０００２】

【従来の技術と解決課題】

人の身体の各部位、例えば、頭部、首や腰、或いは、腿、膝は、痛み、運動や 労働に伴う疲労やだるさ、その他の症状に応じて、適当な各種のサポータや包帯 類が利用されてきた。またその症状によっては、患部を冷却したり加温したりす ることもなされている。また、患部を単に局部的に冷却するには、従来から、氷 嚢を利用するものがあり、近年では、水密的にポケット詰された軟質でゾル状の 熱媒体（冷媒も含む）も利用されている。ゾル状熱媒体は、予め温水で暖めたり 、冷蔵庫内で冷却して後に、身体の患部に直接当てて、保温や加熱するものとし て、利用されている。

【０００３】 本考案は、患部を保冷ないし保温しながら、日常的な活動や軽微の運動が行え るようなサポータを提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の身体保温冷却用サポータは、所要身体位置に捲回可能な長さを有する 軟質帯体と、該帯体のほぼ中央部を裏当てしてポケット部となして、該ポケット 部の帯体表部にファスナにより開閉可能にした切開部をポケット体に開通するよ うに設け、帯体の端部と該端部に係合可能に該帯体の表部とに係合手段を有して 、該ポケット部内に冷熱媒体を収納して、身体所望位置に取着可能にするように したものである。

【０００５】 このサポータは、特に、屈曲しない身体部位、例えば、腕、首、腰部、大腿部 、脛などに帯体を捲回して好ましく利用されるもので、ポケット部内には予め過 熱ないし冷却された冷熱媒体を装着して、ポケット部が対象患部の直上ないしは 近傍に配置するように、帯体を位置決めして、患部を加熱ないしは保冷するもの である。

【０００６】 さらに、本考案は、それぞれ左右に突出して切り欠き部により上下に分けられ た１組の突片を有する布体のほぼ中央部を裏地を当ててポケット部を設け、該ポ ケット部の布体表部にファスナにより開閉可能にした切開部をポケット部に開通 するように設け、左右いずれかの突片の端部と該端部に係合可能に該帯体の表部 とに係合手段を有して、該ポケット部内に熱媒体を収納して、身体所望位置に取 着可能にするようにした身体保温冷却用サポータを含む。

【０００７】 このサポータは、特に、屈曲する身体部位、例えば、肘や膝に好適に利用され るもので、布体のほぼ中央部をそのポケット部内に冷熱媒体を装入した状態で肘 や膝の患部近くにあてがって、突片同士を肘や膝の上下位置で捲回して取着する ことができ、これに部位の屈曲を阻害することなく、確実に肘や膝の加温ないし は保冷を持続させることができるのである。

【０００８】

【考案の実施の形態】

［実施例１］ 図１に、本考案の身体に捲回されるサポータの一例を示すが、長尺の帯体１０ は、この例では、中央部２と両側の側部とが、縫合されており、図１（Ａ）に示 す如く、中央部２の表部には、その長手方向のほぼ中心線上に沿って、切開部５ が形成され、切開部５は、ファスナ５０が取着されて、開閉自在とされている。

【０００９】 この中央部２の裏側には、図１（Ｂ）に示すように、中央部２の周囲に縫いこ まれた布地３０により裏当てされて、ポケット部３が形成されている。 ポケット部３内には、所要の熱媒体４が収容可能な程度の大きさが確保され、 熱媒体４は、切開部５を通じて、ポケット部３内へ出し入れ可能とされている。

【００１０】 帯体１０は、一般に、容易に捲回できる程度の軟質であれば、厚地でもよく、 そのいずれかの端部の裏部には、係合手段として、面ファスナ６１が取着され、 これに対応して、その表部は、上記の端部側の面ファスナに係合するような面フ ァスナ６２が、適当な係合位置に形成される。この表部の面ファスナ６２は、表 部の全面に形成されてもよい。表部の面ファスナ６２は、端部の面ファスナ６１ が係止できるような毛ばだった布地であってもよく、特に、好ましくは、帯体１ ０を構成する布地自体でもよい。

【００１１】 ポケット部３においては、表部の帯体１０は、厚地にして、熱媒体４の温度変 化を少なくするのがよい、裏当ての布地３０は、薄地がよく、特にメッシュ状の ものが、熱媒体４と身体患部との熱伝達が高い点でよい。

【００１２】 熱媒体４は、その一例として、外観を図１（Ｃ）に示すように、可撓性軟質樹 脂袋と、該袋に収容された水とアルコールを担持した吸水性樹脂のゾル状物質と 、から成るものが利用でき、患部の冷却用にも保温用にも使用できる。予め、例 えば冷蔵庫中で冷やしておけば、使用時には、そのまま、本考案のサポータの上 記のポケット部３に装入して、使用できる。あるいは、熱媒体４を、温水ないし は熱水中に浸漬するだけで簡単に加熱でき、加温された熱媒体４を、同様に、上 記のポケット部３に装入して、使用できる。

【００１３】 このようなサポータ１は、身体に巻きつけことができる部位であれば、どこに でも使用することができ、利用箇所には、例えば、頭部、首部、腕部、胸部ない し腰部・腹部、大腿部、脛部などが挙げられる。

【００１４】 使用時には、本発明のサポータ本体に、予め加熱又は冷却しておいた袋詰め熱 媒体を、本発明のサポータ本体のポケット部３に装入し、サポータの取着に際し て、図２（Ａ）と図２（Ｂ）に示すように、ポケット部３を身体の患部その他の 取着部位に位置付けるようにして、帯体１０を身体の所要部位の巻きつけ、次い で、帯体１０の端部１１の面ファスナを帯体表部のファスナに圧接し、これによ りサポータが身体に固定される。

【００１５】 ［実施例２］ 次の例は、特に、身体の屈曲に富む部位に装着に適したサポータ１を図３に示 す。この例のサポータの布体は、図３（Ａ）に示すように、それぞれ左右に突出 して切り欠き部により上下に区分された左右に広がる１組の突片１５ａ、１５ｂ と１６ａ、１６ｂを有している。この例では、布体１０が、中央部２と、左右両 側に突出させた突片１５ａ、１５ｂ、１６ａ、１６ｂとが、縫合されて形成され ている。

【００１６】 布体１０には、図３（Ｂ）に示すように、そのほぼ中央部２の裏側を別の布地 で裏当てしてポケット部３が設けられている。ポケット部３は、熱媒体４を収容 することのできる程度の大きさが確保されている。布体１０の表部には、ポケッ ト部３に通じる切開部５を設け、切開部５にはファスナ５０を取り付けて、ファ スナ５０の開閉により、ポケット部３内への熱媒体４の装入取り出しが可能とさ れている。

【００１７】 布体１０は、一般に、容易に捲回できる程度の軟質な繊維から選ばれ、織布で も不織布でもく、また、厚地でもよい。例えば、ナイロン繊維とウレタン繊維と の混合不織布が、弾力性と強度の点で好ましく利用される。

【００１８】 突片は、左右に伸びる１組の突片のうち、一方の突片１５ａ、１５ｂの側には 、端部の裏面に、面ファスナ６１、６１が取着され、他方の突片１６ａ、１６ｂ の表側ないし布体表のほぼ全面には、これらの面ファスナ６１が係合できる面フ ァスナ６２、６２が取着ないし形成されている。尤も、表部の面ファスナ６２、 ６２は、端部面ファスナ６１、６１が係止できるような布地であってもよく、表 部の面ファスナ６２、６２は、この例に限らず、特に、好ましくは、布体を構成 する布地自体でもよい。

【００１９】 ポケット部３においては、表部の布体１０は、厚地にされて、熱媒体の温度変 化を少なくするのがよい。裏当て部３０は、薄地が使用される。裏当て部は、こ の例では、メッシュ状のものが利用され、熱媒体と身体患部との熱伝達の点でよ い。

【００２０】 熱媒体には、実施例１と同様なものが使用され、その一例として、外観を図１ （Ｃ）に示すように、可撓性軟質樹脂袋と、該袋に収容された水とアルコールを 担持した吸水性樹脂のゾル状物質と、から成るものが利用でき、患部の冷却用に も保温用にも使用できる。 予め、例えば、冷蔵庫中で冷やしておけば、使用時には、そのまま、本考案の サポータの上記のポケット部３に装入して、使用できる。あるいは、熱媒体４を 、温水ないしは熱水中に浸漬するだけで簡単に加熱でき、加温された熱媒体４を 、同様に、上記のポケット部３に装入して、使用できる。

【００２１】 このようなサポータ１は、身体に巻きつけことができる部位であれば、どこに でも使用することができるが、特に、膝や肘、更に、肩部などの屈曲部位に好ま しく利用される。

【００２２】 このサポータを肘に適用する場合を例示すると、図４（Ａ）に示すように、サ ポータは、予め保冷又は加熱された熱媒体４をポケット部３の装入して、この例 では、肘関節の内側とその周辺部の所要部位に、上記ポケット部３を有するサポ ータの中央部２を当てる。この状態で、上下左右の突片のうち、上側２つの突片 １５ａ、１６ａを上腕部に巻きつけ、下側２つの突片１５ｂ、１６ｂを下腕側に 巻きつけ、端部の面ファスナ６１、６１を表部の布体１０に圧接する。これによ り、サポータが肘部に安定して固定される。サポータは、肘部内側には、何ら阻 害しないので、膝部の屈伸運動を邪魔することがなく、サポータにより肘部の保 温や保冷を維持することができる。

【００２３】 図４（Ｂ）は、膝関節にサポータを適用する例を示しているが、この例では、 膝関節の外側に、サポータのポケット部３を有するサポータの中央部２を当てて 、上下左右の突片のうち、上側２つの突片１５ａ、１６ａを大腿部に巻きつけ、 下側２つの突片１５ｂ、１６ｂを脛部側に巻きつけ、突片の１５ａ、１５ｂの端 部の面ファスナを表部の布体に圧接して固定されている。

【００２４】

【考案の効果】

本考案のサポータは、帯体のほぼ中央部に設けたポケット部に、加熱用又は冷 却用の熱媒体を入れて、帯体を身体の所要位置に捲回して係合手段により係止す るだけで取着でき、歩行や運動など身体を運動を阻害することなく、該所要部位 の冷却や保温を図ることができる。

【００２５】 さらに、本考案のサポータが、上下左右に突出する突片を有し、中央部に設け たポケット部に加熱用又は冷却用の熱媒体を入れることができる構造であるので 、身体の屈伸部位に対しても、屈伸部位に熱媒体を配置するように、突片を屈伸 部位の上下に分けて。装着することができ、屈伸部位の運動を阻害することなく 、該所要部位の冷却や保温を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例に係るサポータの表側（Ａ）
と裏側（Ｂ）の平面図を示し、（Ｃ）には、熱媒体の一
例の外観図を示す。

【図２】 図１の実施例のサポータの腰部への使用の態
様（Ａ）と、装着されたサポータの捲回の様子（Ｂ）の
斜視図を示す。

【図３】 本考案の別の実施例に係るサポータの表側
（Ａ）と裏側（Ｂ）の平面図を示す。

【図４】 図３の実施例のサポータの肘部（Ａ）と膝部
（Ｂ）への適用の態様の斜視図を示す。

【符号の説明】

１ サポータ １１ 帯体 １０ 布体 ２ 中央部 ３ ポケット部 ４ 熱媒体 ５ 開閉部 ６１ 面ファスナ ６２ 面ファスナ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所要身体位置に捲回可能な長さを有する
   軟質帯体と該帯体のほぼ中央部を裏当てしたポケット部
   とを有し、該ポケット部の帯体表部にファスナにより開
   閉可能にした切開部をポケット体に開通するように設
   け、帯体の端部と該端部に係合可能に該帯体の表部とに
   面ファスナを備えて、該ポケット部内に熱媒体を収納し
   て、身体所望位置に取着可能にした身体保温冷却用サポ
   ータ。
2. 【請求項２】 所要身体位置に捲回可能な長さを有する
   軟質帯体と該帯体のほぼ中央部を裏当てしたポケット部
   とを有し、該ポケット部の帯体表部にファスナにより開
   閉可能にした切開部をポケット体に開通するように設
   け、帯体の端部と該端部に係合可能に該帯体の表部とに
   面ファスナを備えて、該ポケット部内に熱媒体を収納し
   て、該熱媒体が、可撓性軟質樹脂袋と該袋に収容された
   水とアルコールとを担持した吸水性樹脂のゾル状物質と
   から成り、身体所望位置に取着可能にした身体保温冷却
   用サポータ。
3. 【請求項３】 それぞれ左右に突出して切り欠き部によ
   り上下に区分された１組の突片を有する布体と、該布体
   のほぼ中央部を裏当てしてポケット部を設け、該ポケッ
   ト部の布体表部にファスナにより開閉可能にした切開部
   をポケット部に開通するように設け、左右いずれか一方
   の突片の端部と該端部に係合可能に他方の突片若しくは
   該布体の表部とに面ファスナを設けて、該ポケット部内
   に熱媒体を収納して、身体所望位置に取着可能にした身
   体保温冷却用サポータ。
4. 【請求項４】 それぞれ左右に突出して切り欠き部によ
   り上下に区分された１組の突片を有する布体と、該布体
   のほぼ中央部を裏当てしてポケット部を設け、該ポケッ
   ト部の布体表部にファスナにより開閉可能にした切開部
   をポケット部に開通するように設け、左右いずれか一方
   の突片の端部と該端部に係合可能に他方の突片若しくは
   該布体の表部とに面ファスナを設けて、該ポケット部内
   に熱媒体を収納して、上記の熱媒体が、可撓性軟質樹脂
   袋と該樹脂袋に収容された水とアルコールとを担持した
   吸水性樹脂のゾル状物質とから成り、身体所望位置に取
   着可能にした身体保温冷却用サポータ。