JP3058640U - カーリング用疑似ストーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が平滑なフローリング上にて使用可能な
カーリング用疑似ストーンの提供。 【解決手段】 角部に丸味を施した合成樹脂製円柱状短
胴本体１の底面外周近傍に該円柱状短胴本体１の軸心を
中心とするリング溝３を形成し、該リング溝３に、少な
くとも３個の金属製又は合成樹脂製の真球状ボール５を
当該リング溝３に嵌まる上下二枚の合成樹脂製リング板
状リテーナー６により等間隔にて回転可能に保持したボ
ールユニットＢを埋め込み固定し、該各真球状ボール５
の一部を底面から突出させると共に、前記円柱状短胴本
体１の上面に取っ手１０を設けたことを特徴とするカー
リング用疑似ストーン。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、フローリングやプラスチックタイルを敷きつめた表面が平滑なフロ アー或いは表面が平滑なアスファルト道路等にて使用できるカーリング用疑似ス トーンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知の通り、競技としての正式なカーリングは、氷上にて重さ２０Ｋｇのスト ーンを約２８ｍ前方に表示した多重円からなるハウス（標的）に向かって滑らせ 、如何にハウスの中心に寄せて停止させるかを競うゲームであり、このゲームは 広いアイスリンクを必要とし、また、アイスリンク内に多重円からなるハウスを 形成する必要があるため、だれでも容易に楽しむことはできなかった。

【０００３】 そこで、アイスリンクではなく、フローリングを敷きつめた体育館やプラスチ ックタイルを敷きつめた広いフロアー等においてカーリングを楽しむ手段として 、実開平６−６４６７８号公報や特開平６−２９６７２０号公報に開示されてい るスポーツ用具の滑走体がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、特開平６−２９６７２０号公報に開示されている滑走体は、主体部上 部にハンドルを設けると共に主体部下部における前後位置に取付凹部を形成し、 一方、カセット本体内に車輪部を内装して転動体と成すと共に該転動体を取付凹 部に着脱自在に装着したものであって、この滑走体に用いられている転動体は水 平軸を支軸として一定方向に回転するものであるため、滑走体自体は物理的に一 定方向にしか滑走しないものである。

【０００５】 また、実開平６−６４６７８号公報に開示されている滑走体には、前記と同様 に水平軸を支軸として一定方向に回転する滑走体の他に、図４に示す自在ローラ ー２２を装着してもよい旨の記載がある。

【０００６】 なお、実開平６−６４６７８号公報における前記自在ローラーに関する記載は 極めて簡単なものであり、図４に示すような自在ローラーにあっては、これを主 体部の底面に簡単かつ安定的に固定することは大変難しく、図示はされているも のの実施の形態を示すまでには至っていないものであり、また、この種の形態の 自在ローラーは大変高価なものとなり、摩擦係数も高いため実用的ではない。

【０００７】 本考案は、表面が平滑なフロアー上やアスファルト上にてカーリングと同様の ゲームを楽しむことができる安価で実用的な滑走体、換言すれば、カーリング用 疑似ストーンを提供することを技術的課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ストーンに代えて合成樹脂製疑似ストーンの底面に真球状ボールの 一部を底面から突出させて回転可能に埋め込むことにより前記課題を解決したも ので、本考案に係るカーリング用疑似ストーンは正式なカーリング用のストーン と同様な動きをするものである。

【０００９】 すなわち、本考案の第１は、角部に丸味を施した合成樹脂製円柱状短胴本体１ の底面外周近傍に該円柱状短胴本体１の軸心を中心とするリング溝３を形成し、 該リング溝３に、少なくとも３個の金属製又は合成樹脂製の真球状ボール５を当 該リング溝３に嵌まる上下二枚の合成樹脂製リング板状リテーナー６により等間 隔にて回転可能に保持したボールユニットＢを埋め込み固定し、該各真球状ボー ル５の一部を底面から突出させると共に、前記円柱状短胴本体１の上面に取っ手 １０を設けたカーリング用疑似ストーンである。

【００１０】 また、本考案の第２は、角部に丸味を施した合成樹脂製円柱状短胴本体１の底 面中心部に断面逆凹状の円形空間１５を形成すると共に該円形空間１５の上壁中 心にねじ孔１９を設け、一方、前記円形空間１５の開口縁１６に、前記円柱状短 胴本体１の軸心を中心とする外周近傍の同心円上に少なくとも３個の金属製又は 合成樹脂製の真球状ボール５を上下二枚の合成樹脂製リング板状リテーナー６に より等間隔にて回転可能に保持したボールユニットＢを埋め込むと共に該リング 板状リテーナー６の中心孔６ｃに、下端に円板状のフランジ１７を備えたねじ軸 １８を通して該ねじ軸１８の上端部を前記円形空間１５の上壁中心に設けたねじ 孔１９にねじ込み固定し、前記各真球状ボール５の一部を底面から突出させると 共に、前記円柱状短胴本体１の上面に取っ手１０を設けたカーリング用疑似スト ーンである。

【００１１】 また、本考案の第３は、前記第１又は第２の考案において、円柱状短胴本体１ が、内部に金属、石又は砂による調整重り２が装填可能に形成されているカーリ ング用疑似ストーンである。

【００１２】 また、本考案の第４は、前記第１乃至第３の考案において、取っ手１０が、断 面略きのこ状で円柱状短胴本体１の上面中心に設けられているカーリング用疑似 ストーンである。

【００１３】 本考案における円柱状短胴本体１としては、各種の合成樹脂が使用可能である が、比重及び耐磨耗性が大きく、破壊強度の強いものがよい。

【００１４】 また、本考案における真球状ボール５としては、金属製又は合成樹脂製の各種 ボールが使用可能であるが、合成樹脂製のボールについては特に比重及び耐磨耗 性が大きく、破壊強度の強いものが必要である。

【００１５】 さらに、本考案における真球状ボール５の数としては、円柱状短胴本体１底面 の軸心を中心とする外周近傍の同心円上に少なくとも３個設ければよいが、円柱 状短胴本体の重さや真球状ボール５の大きさ等を考慮して８個位までならいくつ でもよい。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案に係るカーリング用疑似ストーン（以下単に「疑似ストーン」と いう）の実施の形態を図に基づいて説明する。

【００１７】 実施の形態１： 図１は、本考案に係る疑似ストーンＡの中央縦断側面図であり、角部に丸味を 施した合成樹脂製円柱状短胴本体１の底面に、該円柱状短胴本体１の軸心を中心 とする外周近傍の同心円上に所定幅のリング溝３が形成されており、該リング溝 ３底部（図面上では上部）の後記する真球状ボール（以下単に「ボール」という ）５が位置する部分にはヌスミ穴４が設けられ、当該リング溝３に、８個のステ ンレス製のボール５が合成樹脂製リテーナー６により等間隔にて回転可能に保持 された状態にて、該リテーナー６が埋め込まれボルト９により固定されている。

【００１８】 リテーナー６は、前記リング溝３に嵌まる上下二枚のリング板６ａと６ｂから 成り、上部のリング板６ａは、約５Ｋｇの疑似ストーンＡの荷重がボール５を介 して掛かるため、比重及び耐磨耗性が大きく破壊強度の強い超高分子量ポリエチ レン樹脂「ニューライト」（商品名：作新工業株式会社製）を用い、下部のリン グ板６ｂは、疑似ストーンＡを持ち上げた際にボール５の荷重が掛かるだけのた め安価な汎用の硬質ポリエチレン樹脂を用いた。

【００１９】 上下二枚のリング板６ａと６ｂから成るリテーナー６によるボール５の保持は 、同一形状、同一寸法の二枚のリング板６ａと６ｂに対し、ボール５の保持位置 の対向面に、ボール５の曲率半径よりわずかに大きい曲率半径による円弧状の皿 もみ７ａと７ｂを施し、この上下の皿もみ７ａと７ｂにより各ボール５を上下か ら挟持し、上下二枚のリング板６ａと６ｂを接着又はビスにて固定することによ り、ボール５はリテーナー６から外れることなく回転可能に保持されて一つのボ ールユニットＢを形成している。

【００２０】 ボールユニットＢのリテーナー６を、図１に示すように、各ボール５をヌスミ 穴４と合致させてリング溝３に嵌め込み、図２に示すように、各ボール５の中間 部においてボルト９によりリテーナー６をリング溝３の底部に固定することによ り、各ボール５における直径の約１／４〜１／５が円柱状短胴本体１の底面から 突出した状態となる。

【００２１】 なお、図中１０は、円柱状短胴本体１の上面中央に設けられた断面きのこ状の 取っ手であるが、この取っ手１０の形状は特に限定されるものではなく、また、 図示のように円柱状短胴本体１と一体ではなく、別体のものを取り付けてもよい 。

【００２２】 実施の形態２： 図３は、本考案に係る疑似ストーンＡの重さが調整できる疑似ストーンである 。

【００２３】 図３に示す疑似ストーンＡは、前記実施の形態１における円柱状短胴本体１の 形状を中空状とすると共に底面１１の中央上部にねじ支柱１２を設け、上面中央 の取っ手１０をねじ蓋１４としたものである。

【００２４】 従って、この形態の疑似ストーンにおいては、ねじ蓋１４となっている取っ手 １０を本体１から外し、上部の開口から金属リング状の調整重り２をねじ支柱１ ２に必要数嵌め込み、固定ナット１３にて締めつけることにより、調整重り２が がたつくことなく疑似ストーンＡの重さを調整できる。

【００２５】 なお、調整重り２としては、金属リング状のものに限定されるものではなく、 金属塊、石又は砂によることも可能であり、この場合には底面中央のねじ支柱１ ２は不要である。

【００２６】 また、調整重り２の固定手段についても、ねじ支柱１２と固定ナット１３に限 定されるものではなく、他の手段でもよい。

【００２７】 図３に示す疑似ストーンＡの底面１１へのボールユニットＢの固定手段は、前 記実施の形態１と同じ手段でよく、図３においてはヌスミ穴４が底面１１を貫通 する形態を示している。

【００２８】 なお、実施の形態２において、中央上部にねじ支柱１２を有する底面１１を別 体とし、該底面１１にボールユニットＢを固定した状態のまま、図中二点鎖線に て示すように疑似ストーンＡの底部にねじ込み固定するようにしてもよく、この 場合には底面１１の中央部に回転用のプラス溝２０を形成しておく必要がある。

【００２９】 実施の形態３： 図５、図６は、本考案に係る疑似ストーンＡの別の形態の中央縦断側面図と底 面図である。

【００３０】 図５に示す疑似ストーンＡは、角部に丸味を施した合成樹脂製による円柱状短 胴本体１の底面中心部に断面逆凹状の円形空間１５が形成され、該円形空間１５ の上壁中心にねじ孔１９を設けると共に該円形空間１５の開口縁１６に切欠段部 １６ａが設けられている。

【００３１】 一方、円柱状短胴本体１の軸心を中心とする外周近傍の同心円上に８個のステ ンレス製ボール５を上下二枚の合成樹脂製のリング板状リテーナー６により等間 隔にて回転可能に保持したボールユニットＢが別に作成され、このボールユニッ トＢを前記開口縁１６の切欠段部１６ａに埋め込むと共に該リング板状リテーナ ー６の中心孔６ｃに、下端に円板状のフランジ１７を備えたねじ軸１８を通し、 該ねじ軸１８の上端部を前記円形空間１５の上壁中心に設けたねじ孔１９にねじ 込み固定されている。

【００３２】 ボールユニットＢについては、実施の形態１と同様に、リング板状リテーナー ６は上下二枚のリング板６ａと６ｂから成り、上部のリング板６ａには超高分子 量ポリエチレン樹脂「ニューライト」を用いると共に下部のリング板６ｂには汎 用の硬質ポリエチレン樹脂を用い、ボール５の保持形態についても円弧状の皿も み７ａと７ｂにより各ボール５を上下から挟持し、上下二枚のリング板６ａと６ ｂが接着又はビスにて固定されているものである。

【００３３】 そして、リテーナー６の中心部上方に直立しているねじ軸１８には、実施の形 態２と同様に、金属リング状の調整重り２を必要数嵌め込み、固定ナット１３に て締めつけることができる。

【００３４】 なお、ねじ軸１８下端の円板状のフランジ１７は、図５に示すように、リテー ナー６における下部のリング板６ｂ下面に形成された浅い凹部６ｄに嵌め込むこ とにより、ボールユニットＢの安定的な支持固定を確保しているが、この形態は とくに限定されるものではない。

【００３５】 また、図中２０は、図６に示すように、ねじ軸１８下端の円板状のフランジ１ ７の下面に設けられた回転用のプラス溝で、このプラス溝２０を利用してねじ軸 １８を円形空間１５の上壁中心のねじ孔１９にねじ込むことにより、各ボール５ における直径の約１／４〜１／５が疑似ストーンＡの底面から突出した状態にて ボールユニットＢが確実に固定される。

【００３６】

【実施例】

図５、図６に示す実施の形態３の疑似ストーンを以下のような条件で製作した ところ、極めて滑らかな転がりを有する疑似ストーンが得られ、フローリングが 敷きつめられた体育館の床にて滑らせたところ５０ｍは軽く滑り、他の疑似スト ーンとの衝突の際にも正式な氷上におけるカーリングストーンと同様な動きをし た。

【００３７】 円柱状短胴本体の材質：硬質ポリエチレン樹脂 円柱状短胴本体の直径：２００ｍｍ 円柱状短胴本体の高さ：１２５ｍｍ 取っ手の直径：７５ｍｍ ボールの材質：ステンレス鋼 ボールの直径：２５．４ｍｍ 上部リング板の材質：「ニューライト」（商品名） 下部リング板の材質：硬質ポリエチレン樹脂 上下リング板の皿もみの曲率半径：１２．９ｍｍ 疑似ストーンの重さ：５．２ｋｇ

【００３８】

【考案の効果】

本考案に係る疑似ストーンは、フローリングやプラスチックタイルを敷きつめ た表面が平滑なフロアーや表面の平滑なアスファルト道路に、ビニールシートに 印刷した多重円からなるハウス（標的）を敷き、約２５〜３０ｍ手前からこのハ ウスを目掛けてボウリングの投球と同じ要領にて滑らせるだけでよいため、何時 でも又誰でも手軽にカーリングゲームを楽しむことができる。

【００３９】 また、本考案に係る疑似ストーンは、製作が容易で、磨耗の生じるボールとリ テーナーについては、ボールユニットとして容易に交換が可能なため経済的であ り、疑似ストーンの動きについても全方向性を備えているため、正式な氷上での カーリングストーンと同様にスムーズな動きをする。

【００４０】 従って、本考案の産業利用性は非常に高いといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る疑似ストーンの図２におけるＡ−
Ｏ−Ａ断面図。

【図２】本考案に係る疑似ストーンの底面図。

【図３】本考案に係る疑似ストーンの他の例の中央縦断
側面図。

【図４】従来の自在ローラーの断面図。

【図５】本考案に係る疑似ストーンのさらに他の例の中
央縦断側面図。

【図６】本考案に係る図５の疑似ストーンの底面図。

【符号の説明】

Ａ 疑似ストーン Ｂ ボールユニット １ 円柱状短胴本体 ２ 調整重り ３ リング溝 ４ ヌスミ穴 ５ 真球状ボール ６ リテーナー ６ａ 上部のリング板 ６ｂ 下部のリング板 ６ｃ 中心孔 ７ａ 上部の皿もみ ７ｂ 下部の皿もみ ９ ボルト １０ 取っ手 １１ 底面 １２ ねじ支柱 １３ 固定ナット １４ ねじ蓋 １５ 円形空間 １６ 開口縁 １７ フランジ １８ ねじ軸 １９ ねじ孔 ２０ プラス溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 角部に丸味を施した合成樹脂製円柱状短
   胴本体１の底面外周近傍に該円柱状短胴本体１の軸心を
   中心とするリング溝３を形成し、該リング溝３に、少な
   くとも３個の金属製又は合成樹脂製の真球状ボール５を
   当該リング溝３に嵌まる上下二枚の合成樹脂製リング板
   状リテーナー６により等間隔にて回転可能に保持したボ
   ールユニットＢを埋め込み固定し、該各真球状ボール５
   の一部を底面から突出させると共に、前記円柱状短胴本
   体１の上面に取っ手１０を設けたことを特徴とするカー
   リング用疑似ストーン。
2. 【請求項２】 角部に丸味を施した合成樹脂製円柱状短
   胴本体１の底面中心部に断面逆凹状の円形空間１５を形
   成すると共に該円形空間１５の上壁中心にねじ孔１９を
   設け、一方、前記円形空間１５の開口縁１６に、前記円
   柱状短胴本体１の軸心を中心とする外周近傍の同心円上
   に少なくとも３個の金属製又は合成樹脂製の真球状ボー
   ル５を上下二枚の合成樹脂製リング板状リテーナー６に
   より等間隔にて回転可能に保持したボールユニットＢを
   埋め込むと共に該リング板状リテーナー６の中心孔６ｃ
   に、下端に円板状のフランジ１７を備えたねじ軸１８を
   通して該ねじ軸１８の上端部を前記円形空間１５の上壁
   中心に設けたねじ孔１９にねじ込み固定し、前記各真球
   状ボール５の一部を底面から突出させると共に、前記円
   柱状短胴本体１の上面に取っ手１０を設けたことを特徴
   とするカーリング用疑似ストーン。
3. 【請求項３】 円柱状短胴本体１が、内部に金属、石又
   は砂による調整重り２が装填可能に形成されている請求
   項１又は２記載のカーリング用疑似ストーン。
4. 【請求項４】 取っ手１０が、断面略きのこ状で円柱状
   短胴本体１の上面中心に設けられている請求項１乃至３
   のいずれかに記載のカーリング用疑似ストーン。