JP3057166B2 - 起流機 - Google Patents

起流機

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JP3057166B2
JP3057166B2 JP3177835A JP17783591A JP3057166B2 JP 3057166 B2 JP3057166 B2 JP 3057166B2 JP 3177835 A JP3177835 A JP 3177835A JP 17783591 A JP17783591 A JP 17783591A JP 3057166 B2 JP3057166 B2 JP 3057166B2
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政恭 根岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送風機、ポンプ等の流
体を送る起流機に関する。
【0002】
【従来の技術】回転軸線に直交する方向に複数枚の環状
起流プレートを配列し、これら起流プレートを回転軸線
まわりで回転させ、起流プレートの表面と流体(空気)
との摩擦によって流体を送る円板型起流機は、特公昭5
8−17359号公報等によって公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この形式の起流機は、
構造が簡単であるために安価に得られる利点があるが、
流量等に関して十分な性能が得られない、という問題が
ある。一方、起流機の駆動の為には誘導モーターを使用
することが多いが、誘導モーターの最大回転数は電源周
波数により定まるので起流機回転数の上限が決ってしま
う。この制限は軸受等の耐久性によっても起る。このよ
うに最大回転数が制限されると、より大きな流量が必要
な場合、回転数の増大に代えて起流機のスペース効率の
向上(同じ寸法で流量を増大させる)をはかる必要があ
る。
【0004】また、この形式の起流機は、従来の起流機
に比し発生騒音が低いが、それでも起流プレートの起流
力を大きくするために起流プレートに起流促進用突部を
設けると風切り音が発生し易い。本発明の目的は、この
形式の起流機の性能を極限にまで高め、しかも風切り等
による騒音を極限にまで低減することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の起流は、回転軸
線にほぼ直交する方向に間隙をおいて配列した複数枚の
起流プレートと、これらの起流プレートを回転軸線まわ
りで回転駆動する手段とを備え、起流プレートは、それ
に接する流体との付着現象のみによって流体を移動させ
る表面を有し、この表面は、それに沿って付着現象によ
り移動させられる流体が起流プレートを最後に離れる起
流プレート外縁まで径方向に形成され、起流プレートの
表面には起流促進用突部が設けられ、隣接する起流プレ
ートの間隙は、起流プレートへの付着力が強くて起流プ
レートと殆ど一緒に回転移動する至近流体境界層部分に
接する起流プレート表面と、起流プレートへの付着力が
弱く起流プレートの回転による遠心力の影響が殆どない
流体境界層部分との距離の中間の値の2倍に設定され、
流体に遠心力が最も効果的に作用し易い間隙とされてお
り、起流プレートの半径方向に関しての一部には、前記
起流促進用突部を除いて環状平板からなる整流部が設け
られている。
【0006】
【作 用】本発明の起流機においては、起流プレートが
回転駆動されると、起流プレートの表面に接している至
近流体境界層部分は、その起流プレートへの付着力によ
り起流プレートと共に回転し、それに伴い発生する遠心
力と付着力との合力により半径方向外方へ送られる。ま
た、至近層部分に隣接する流体もズレ応力で至近流体境
界層部分の移動に引きずられるようにしてそれより少し
遅れて半径方向外方へ送られる。至近流体境界層部分か
ら離れるにつれ、流体の流れは至近流体境界層部分から
の遅れが大きくなる。このような遅れが大きくなる流体
層部分が存在しないように、起流プレートの間隙を定め
ることによって、起流機の流量等の性能は極限まで向上
する。起流プレートの流体に対する付着力の影響が及ぶ
流体境界層では、起流プレートへの付着現象により、起
流プレートの回転に伴って遠心力が作用する。この遠心
力は起流プレートの面よりの距離が大きい程小さく、起
流プレートの面近傍で最大となる。起流作用は遠心力と
付着力の合力により生じる。起流プレートの面近傍では
遠心力が大きいが付着力も大きい。
【0007】起流プレートに接している個所では付着力
は無限大とみてよい。従って、起流プレートの面上およ
び至近部では遠心力が付着力により減殺される。起流プ
レート面上では実際上流体は付着したままである。一
方、起流プレート面から離れると、付着力が弱い為に遠
心力が弱くなり起流が起こりにくい。従って、中間部
に、付着力が程々にあって遠心力も作用し、この遠心力
が付着力に打勝って最も効率よく起流を生じる箇所が存
在するはずである。本発明は、この箇所を利用して起流
機の流量等の性能を高めるものである。
【0008】また、起流プレートに設けられた環状平板
の整流部は、起流促進用突部により乱された流体の流れ
を整流し、騒音の発生を迎える。
【0009】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の基
本原理を説明する。図1および図2に於て,O−Oは起
流機の回転軸線であって、この回転軸線に直交するよう
に複数枚の環状板状起流プレートPが一体的に配設され
ている。起流プレートPは互いに平行に間隙CLをおい
て配列されており、中央部に円形開口2を備えている。
起流プレートPに間隙CLを保つ為にスペーサ3が設け
られており、また起流プレートPを回転可能にするため
に、図2に示すように両端の起流プレートPに回転軸4
a、4bが固定され、一方の回転4bにモータMが連結
されている。回転軸4a、4bは図示しない軸受により
支持される。図3に示すように、起流プレートPは吐出
口6をもつケーシング5内に収容することができる。な
お、一方の回転軸4aとその軸受はなくてもよい。
【0010】いま、これらの起流プレートPを回転軸線
O−Oのまわりで一緒に回転させると、起流プレートの
表面7(図2)が空気のような流体に接しているとすれ
ば、間隙CL中の流体は矢印で示すように起流プレート
の半径方向外方へ向かう成分をもって送られ、これに伴
い、間口2を経て回転軸線O−Oの方向に流体が吸引さ
れる。このような原理で作動する起流機の一例は、特公
昭58−17359号公報に記載されている。
【0011】このようにして空気が起流プレートPの表
面7に引きずられて送られるのは、固体表面に接触して
いる流体は固体に付着しており、付着に基づいて固体の
回転で発生した遠心力と付着力との合力で流体の移動が
発生するからである。付着現象を図4について説明す
る。同図で、固体P’の表面に隣接している流体が、図
中左方へ流れていると仮定する。この場合、流体の分子
は固体P’の表面に近付く程固体の付着力の影響を強く
受けて流速は遅くなる。この現象はズレ応力で説明され
る。矢印の長さは流速を示す。固体に直接接触している
流体分子は固体に付着して移動することがなく、固体の
至近領域のきわめて薄い境界層部分Aでは流体の粘性に
よる上記ズレ応力の作用で流体は固体の影響を大きく受
ける。境界層部分Aの外側の領域Bでも連続的にいくら
かズレ応力が作用しているが、流体は固体P’の影響を
殆ど受けない。この現象は、固体の表面の材質が何であ
っても生じる。以上の相対速度の関係は、流体が停止
し、固体が移動する場合にも存在する。空気中で回転す
る平円板の場合には、回転により発生する遠心力の影響
を大きく受ける境界層部分の厚さは、後述のように1m
mよりかなり小さい。
【0012】いま、起流プレートPは、図5に示すよう
に矢印D方向に回転させたとすると、起流プレートPの
片側の表面のみで生起される空気流は、矢印で示すよう
に起流プレートPの外周縁に接線方向に放出され、その
流量Qは、Q=k・R・Nで表わされる。ここでRは起
流プレート外周縁の半径、Nは回転数、kは定数であ
る。即ち、流量は半径と回転数(即ち、起流プレートの
周速)に比例して定まる。
【0013】このように、起流プレートの片側表面のみ
について考えると、流量を決める要素としての半径と回
転数が定められれば、流量は定数kを大きくする以外に
増加の途がない。いま、定数kの増加については後述す
るとして、起流機の規定半径および規定長さ(軸方向)
の範囲内で起流機の能力の向上をはかるとすれば、それ
は規定長さの範囲内でのスペース効率の向上以外にな
い。本発明の主目的はこのスペース効率の向上にある。
【0014】一定の軸方向長さの範囲内に収める起流プ
レートの厚みは薄い程よい。なんとなれば、流体の送り
に関与するのは起流プレートの表面のみで、板厚は起流
に何ら寄与していないからである。従って、起流プレー
トは必要な機械的強度の要求に耐えればよい。この場合
機械的強度は、この形式の起流機では主として起流プレ
ートの面内の固定部を中心に発生する板の平面張力と遠
心力に対するものだけでよく、ねじれ、曲げ等の他の力
の作用はない。従って、起流プレートはポリエチレンテ
レフタレート(PET)等のプラスチック製でも充分耐
えられる。
【0015】このように、起流プレートを極限まで薄く
できるとなると、回転軸方向、即ち起流板厚み方向に関
しての、流量に対するスペース効率は、起流プレート間
の隙間寸法のみにより定まることになる。
【0016】そこで、最適の隙間寸法を定める為に、次
のような実験を行った。図6および図7に示すような2
枚の平らな中空環状板 P”を両者の間隙CLを調節可
能に回転軸9に固定し、円周縁近傍に小さな孔8を形成
し、この孔8から空気に比し充分に軽く、環状板 P”
に対し腐食性を有する気体を矢印で示すように放出しつ
つ空気中で環状板をその中心を通る軸線まわりで回転さ
せた。腐食性気体は環状板P”の遠心力付与作用を受け
る空気の流れに乗って流動したので、その腐食軌跡を観
察した。なお、気体は図7に示すように回転軸9を経由
して孔8に送った。
【0017】この軌跡の観察結果によれば、環状板
P”の間隙が大きい程、環状板P”の回転方向Eとは逆
の円周方向へ気体が矢印fで示すように回り込んだ。こ
の「回り込み」の程度は図6の角度θで表すことができ
る。気体の軌跡は図8に示すように濃淡になって現れ、
軌跡の濃い部分が流量が多く、薄い部分が流量が少ない
ことになる。回り込みの角度θが大きい流れが多く見ら
れるということは、環状板 P”の付着力の影響の少な
い部分が多いことを意味し、環状板 P”の転のエネル
ギーが充分に利用されていないことになる。一方、回り
込みの角度θが小さい流れが多いことは、環状板 P”
の付着力が強く、発生した遠心力が付着力により減殺さ
れて流れが少なくなっていることを意味している。
【0018】このような「回り込み」の観察から次のよ
うな分析結果が得られた。環状板の間隙0.13〜0.
25mm間の空気層、即ち各環状板の表面からそれぞれ
0.13/2〜0.25/2mmの厚さの空気層が環状
板の表面に殆ど付着していると考えられる空気層であ
り、この空気層は図4に於いて、aで示される部分の層
である。
【0019】また、間隙1.0mmを超える部分の空
気,即ち、各環状板の表面からそれぞれ1.0/2mm
を超える距離を離れている空気は、環状板の付着力と遠
心力の影響が少ない空気であり、この空気は図4でcで
示す領域外の空気である。また、上記aの部分の空気層
の厚さに相当する間隙では付着力が強すぎて、遠心力に
よっても起流しにくい状態にある。この空気層、即ち至
近流体境界層部分aは前述のようにきわめて薄いから厚
さとしては、殆ど無視することができる。また、上記c
を超える部分の空気は環状板の作用を受けにくいので、
上記aとcの間に、遠心力の影響を受け易くスペース効
率が最大になるbの領域(図4)があるはずである。そ
の領域は0.38/2〜0.5/2mm辺りであろう。
【0020】一方、内径50mm、外径74mmの起流
プレートを軸方向長さ21mmに重ね合わせて構成した
送風機について、その間隙を変えて流量および静圧を測
定したところ、図9に示す結果が得られた。この結果
と、前記分析結果は大体符合する。よって、流体が空気
である場合には、起流機の起流プレートの間隙は約0.
5mm、即ち、対向する起流プレートの表面からそれら
の中間点までの距離が約0.5/2mmである場合に、
最大のスペース効率が得られることが判明した。
【0021】他の流体の場合にも、それぞれ最適の起流
プレート間隙があることは前述したところから明かであ
り、最適間隙は前述したと同じ手順によって定めること
ができる。よって、起流機の最終的なスペース効率は、
定められた軸方向長さ内に、起流板の一表面当りの最大
スペース効率をもつ面を何面持ち得るかにより定まるこ
とになる。
【0022】既に述べたように、起流プレートにより生
起される流量Qは、Q=k・R・Nで表される(Rは起
流プレート外径、Nは回転数)。従って、Qを増加させ
るには定数kを増加させるのが得策である。以下定数k
を増加させる実施例を説明する。
【0023】定数kに含まれる因子の一つとしては、起
流プレートの表面積がある。この表面積を増加させるこ
とによって定数kを大きくし流量Qを増加させることが
できると考えられる。起流プレートの内周縁半径および
外周縁半径が規制されるとすれば、その表面積の増大は
凹凸の形成により達成することができる。起流プレート
の表面積を増大させるといっても、単に表面積を増大さ
せればよいのではない。既に述べたように、起流プレー
トの表面から約0.5/2mmの距離までにある流体
(空気の場合)が最も起流プレートの影響を受けて移動
し易いわけであるから、起流プレートの表面から約0.
5/2mmの位置における表面積の増加が最も効率がよ
いと考えられる。
【0024】これを実現するには、起流プレートの表面
にほぼ半径方向に波頭が向く波形を形成するのがよいと
考えられる。その一例を図10に示す。同図に示す環状
起流プレートPは矢印で示す回転方向と逆の方向に半
径線に対して傾いている波形10を有している。この波
形の断面は例えば頂角が60°の三角形断面をなしてい
る。このように頂角が60°の正三角形断面の波形を形
成すると、起流プレートの表面積は平板の起流プレート
の場合の2倍になる。しかし、図11に示すように、正
三角形波形が小さいと、その波形の表面から0.5/2
mm(0.25mm)の距離にある点の軌跡11は、同
図に示すように極めて低い孤状波形になり0.25mm
位置までの起流プレートの影響を最も受ける至近境界層
部分の形態は平板の起流プレートの場合と余り変わら
ず、定数kの増大の効果は少ない。
【0025】これに対し、図12に示すように正三角形
波形が大きいと、その波形の表面から0.25mm位置
までの起流プレートの影響を最も受ける至近境界層部分
の形態は、同図の12で示すようにかなり大きく変化
し、0.25mmと対比して大きな波状を呈することに
なる。これは、後述の乱流境界層の形成を促しこれによ
り、起流プレートの影響を受ける流体層の厚さの増大を
もたらして流量の増大を可能にするのであろうとの結論
を得ている。なお、凹凸が0.25mmに比較してかな
り小さい場合、例えば細かい梨地面やフエルト状の面は
起流プレートの表面積の増加には役立たない。
【0026】このようにかなり大きな波形表面を形成す
ることにより、流量の増大をはかることができるが、こ
れは、1枚の起流プレートの一表面についての話であ
る。
【0027】ところで、理論的に計算してみるに、頂角
が60°の三角形をなす波形表面をもつ起流プレートを
三角断面の斜面同志が、斜面に直交する方向に0.5m
mの間隙をおいて対向するように配置すると、両起流プ
レートは回転軸線方向に0.5mm/sin30°、即
ち1mmの間隔を於て対向することになり、起流プレー
トの軸線方向間隔が0.5mmの2倍になり、一定の軸
線方向寸法内に設置できる起流プレートの枚数が平板起
流プレートの場合の半分になる。従って、理論的には、
起流プレートの各表面の面積が2倍になって流量が増え
ても、それは枚数の半減によって打消されてしまうこと
になる。この事実は三角形波形の頂角が60°以外の場
合でも同様である。
【0028】しかしながら、この理論計算による結果は
実験結果とは符合しない。実験結果によれば、波形が大
きいと、流量増大の効果がある。以下、実験結果を次の
表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果は、理論計算の結果と異なって
いる。特に、起流プレート間隙(波形の斜面に直交する
方向に測定した値)は実験III、IV(中波)の場合
には最適値0.5mmとかなり異なり、それぞれ1.2
3mm、1.0mmとなっている。IIIの場合は波形
の頂部が丸くなっているので、さきの理論値は関係ない
とみても、波形の頂部が正三角形の頂点をなしているI
Vの場合は、理論値がmmでなければならないスペーサ
厚さが実験では2.0mmになっている。
【0031】この理由は、乱流境界層によるものと考え
ることができる。板の表面に沿って流体が流れている場
合、板表面に高さhの粗さを一様に分布させたとし、板
の流れ方向長さがdであったとした場合、h/dの値が
ある値を越えると、層流境界層が乱流境界層に変化する
ことが流体力学上知られている。そして、乱流境界層の
厚さは、流速がある値を越えた領域では急速に増大す
る。表1の実験の条件では、波形の形成により起流プレ
ートの表面を流れる流体が上記条件を満たして、起流プ
レートの表面に、程々の付着力をもち効果的な遠心力を
受ける乱流境界層が生じ、その厚さが、平板起流プレー
トの場合に生じる層流境界層の厚さを越えたものと考え
られる。
【0032】いずれにしても、波形の形成により起流プ
レート間を流れる流体の流量が増大したことが認められ
る。また、小波より中波の方が流量の増大がみられるこ
とが認められ、さらに頂部が丸く不完全な小波より頂部
が三角形状をなす中波の方が、流量および静圧が増大す
ることも認められる。流量増加の状態は、図13にも示
されている。このように、波形を起流プレートに形成す
ることにより総流量等が増大するうえに最適間隙も増加
するので、起流プレートの必要枚数も少なくてすむよう
になり、その組付けが容易になり、起流機が軽量ですむ
ようになる。
【0033】起流プレートPに前述のように半径方向
成分をもつ方向に波形を形成すると、図14に示すよう
に(この例では波形10は完全に半径方向を向いてい
る)各波形10の内周縁部の山形が外周縁部の山形より
小さくなる。従って、隣接する2枚の起流プレートP
の回転軸線方向の間隙が、内周縁側で外周縁側より大き
くなり、それだけ流体吸入口が大きくなる。これは、そ
れだけ起流の可能性量の制限が少なくなることを意味す
る。
【0034】尚、図10の例では波形は回転方向と逆の
方向へ回り込んでおり、また、図14の例では波形は半
径方向を向いているが、波形の向きは回転方向へ湾曲さ
せることもある。いずれの場合でも、起流プレートの回
転時には、内周縁から外周縁へ向かって流れる流体は波
形の溝に沿ってすべてが流れるのでなく、波形を越えて
流れる流体もある。
【0035】起流に最も寄与するのは、起流プレートP
の外周縁付近である。それは、外周縁では周速度が最も
大きいからである。このように起流に最も寄与する外周
縁付近で最適実効間隙が形成されるように起流プレート
組立体を設計するのが望ましい。
【0036】以上に述べたように、起流プレートに半径
方向成分をもつ波形を形成することは、流量の増大には
非常に望ましいことである。尚、以上に流量の増大につ
いて主に言及してきたが、この起流プレート型起流機は
元来、高回転大静圧型であって、流量の増大に工夫を施
すことがより重要であるからである。
【0037】一方、起流機は誘導モータで駆動する場合
が多いことを考えると、なるべく低い回転で大きい流量
を出せることが、この形式の起流機に最も望まれるとこ
ろである。
【0038】以上に説明してきた起流機は従来の起流機
に比し発生騒音が低いが、それでも、起流プレートの外
周縁の波形部が吐出流体(空気)を切ることにより風切
り音が発生する。本発明は、この風切り音の発生を抑え
る手段をもつ起流機を提供するものであり、その例を図
15ないし図18に示す。
【0039】図15および図16に示す本発明の実施例
では、各起流プレートP1aは図10に示す起流プレー
ト1の外周縁に沿って平坦な環状の平板状整流13を一
体的に備えている。整流板13は半径方向外方へ突出し
ており、半径方向内側の波形部10で生成された流体の
乱流は、平板状整流部13に沿って流れる間に整流され
る。このようにして整流された流体流は起流プレートの
外部にある静止流体を余り乱すことなく外部へ放出され
る。整流部13の幅は、流体の粘性、起流プレートの波
形部の状態、起流プレートの間隙等に応じて、乱流の圧
力等の変動を減衰させるに必要な幅に決められる。
【0040】環状板状整流部13と同様な整流部は、必
要により起流プレートの内周縁に形成することもでき
る。図17に示す実施例では、起流板P1bは波形部の
半径方向途中部分にも環状の平板状整流部13aを有し
ており、さらに外周縁部にも図16に示す整流部と同様
な整流部13を備えている。中間の整流部13aは波形
部に沿って流れる流体を途中部分で整流する。中間整流
部13aの間には環状の整流補助板14を設けて、整流
状態をさらに改善することもできる。また、図18に示
すように、外周縁の整流部13の間に環状整流補助板1
4を設けてもよい。内周縁の整流部の間に整流補助板を
設けることもできる。
【0041】以上に述べた実施例では、起流機は通常の
遠心式であったが、本発明の起流機の原理は、クロスフ
ローファンにも利用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、起流プレートが流体に
対して最も効果的に作用して起流を行うように起流プレ
ートの間隙を定め、しかも起流プレートに起流促進用突
部を設けることによって起流を最も生起し易くすること
により、最も効率よく流体の流れを起すことができ、ま
た環状平板整流部により流れを整えて騒音の発生を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の起流機の原理的構成を示す斜視図。
【図2】同じく回転軸線方向断面図。
【図3】同じく回転軸線に直交する方向の断面図。
【図4】境界層の説明図。
【図5】起流プレートの回転時の現象の説明図。
【図6】本発明の基礎となった実験に用いた起流プレー
トの平面図。
【図7】図6の断面図。
【図8】実験結果を示す斜視図。
【図9】実験結果を示す線図。
【図10】波形起流プレートの一例の平面図。
【図11】波形起流プレートの表面積増大の対比説明
図。
【図12】波形起流プレートの表面積増大の他の対比説
明図。
【図13】流量についての実験結果を示すグラフ。
【図14】起流プレートの波形の説明図。
【図15】本発明で用いる起流プレートの実施例を示す
平面図。
【図16】図15の起流プレートの側面図。
【図17】本発明で用いる起流プレートの他の実施例と
整流補助板を示す側面図。
【図18】本発明で用いる起流プレートの更に他の実施
例と整流補助を示す側面図。
【符号の説明】
P 起流プレート P1 起流プレート P1a 起流プレート P1b 起流プレート CL 間隙 M モータ 4a 回転軸 4b 回転軸 0 回転軸線 10 波形(起流促進用突部) 13 環状の平板整流部 13a 環状の平板整流部 14 環状整流補助板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 1/00 F04D 17/16 F04D 29/30 F04D 29/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸線にほぼ直交する方向に間隙
    をおいて配列した複数枚の起流プレートと、これらの起
    流プレートを回転軸線まわりで回転駆動する手段とを備
    え、起流プレートは、それに接する流体との付着現象の
    みによって流体を移動させる表面を有し、この表面は、
    それに沿って付着現象により移動させられる流体が起流
    プレートを最後に離れる起流プレート外縁まで径方向に
    形成され、起流プレートの表面には起流促進用突部が設
    けられ、隣接する起流プレートの間隙は、起流プレート
    への付着力が強くて起流プレートと殆ど一緒に回転移動
    する至近流体境界層部分に接する起流プレート表面と、
    起流プレートへの付着力が弱く起流プレートの回転によ
    る遠心力の影響が殆どない流体境界層部分との距離の中
    間の値の2倍に設定され、流体に遠心力が最も効果的に
    作用し易い間隙とされており、起流プレートの半径方向
    に関しての一部には、前記起流促進用突部を除いて環状
    平板からなる整流部が設けられている起流機。
  2. 【請求項2】 隣接する起流プレートの整流部の間
    に整流補助板が整流部に平行に設けられている請求項1
    記載の起流機。
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