JP3055976U - 治験データ収集用品収納箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】医薬品の臨床試験に用いる資材、資料、検査依
頼伝票、治験用診療録、報告書式等の治験データ収集用
品を収納する容器であって、治験依頼者側が規定した順
序で治験データ収集用品を取り出すことができる収納箱
を提供する。 【解決手段】計画書に従い、各患者の来院時毎に規定さ
れた診察・検査の実施に必要な治験データ収集用品をま
とめて収納することができる内箱20と、内箱を複数積層
して収納できる外箱10とを備え、外箱10のひとつの側面
の下端近傍に設けられ、外箱10に収容された内箱20をひ
とつだけ取り出すことができる寸法の取り出し窓11が形
成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は治験データ収集用品収納箱に関する。より詳細には、本考案は、臨床 試験を実施に必要な資材、書類等の治験データ収集用品を治験実施医療機関に配 付する際に、これらの用品を収納する、新規な容器の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】

医薬品の輸入・製造承認申請に不可欠な臨床試験では、適切な治験実施計画書 を策定した上で、この計画書に従って多くの医療機関に治験の実施を依頼してデ ータを収集する。このために、治験依頼者から各治験実施医療機関には、治験薬 そのものの他に、治験データの収集のために必要な資材、資料、検査依頼伝票、 報告書式等（以下、「治験データ収集用品」と記載する）が各治験単位に全てま とめて配付される。

【０００３】 一方、このような臨床試験計画の実施を実施医療機関の側からみると、ひとつ の医療機関において複数の治験が並行して行われる場合や、ひとつの医療機関で 複数の被験者に対して治験診療を行う場合が多い。このとき、各治験計画書には それぞれ個別に診察、検査方法等が規定されており、その規定を満たさずに行わ れた治験データは、ただ単に無意味であるに止まらず、場合によっては被験者に とって危険ですらある。従って、全ての治験は明瞭に区別され、且つ、それぞれ が正しい手順によって実施されなければならない。更に、各治験薬については、 それぞれの予定される適応に応じて様々な試料やデータを収集しなければならず 、そのために専用の報告書式や容器等を用いなければならない。

【０００４】 そこで、現在は、治験依頼者にて用意される計画書と共に、臨床検査センター において資材や書類を分別して袋詰めにした上で治験実施医療機関に配付してい る。即ち、臨床検査センターでは、治験実施計画書に規定された１回分の治験診 療あるいは検体の１回分の測定単位毎に、採血用資材、検査依頼伝票、資料等を １つのパックに袋詰めし、更に、このようなパックを、全患者分あるいはひとり の患者についての治験終了までに必要な分を大箱に収納した状態で各治験実施医 療機関に配付している。しかしながら、前述のように、ひとつの治験実施医療機 関において複数の臨床試験計画が実施されている場合、あるいはひとつの治験実 施医療機関に複数の被験者が同時にいる場合、これらの治験用品が混同されない ように管理することはかなり面倒な作業である。また、治験依頼者あるいは臨床 検査センターにとっても、多くの用品や書類を分別してパッケージにする作業は 大きな負担となっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、上記従来技術の問題点を解決し、治験データ収集用品のパ ッキング作業を簡略にすると共に、治験実施医療機関における用品の弁別や用法 を確実にすることができる、新規な収納容器を提供することをその目的としてい る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案に従うと、医薬品の臨床試験に用いる資材、資料、検査依頼伝票 、治験用診療録、報告書式を含む治験データ収集用品を収納する容器であって、 １回の治験診療または検体測定に必要な治験データ収集用品をまとめて収納する ことができる内箱と、該内箱を複数積層して収容できる外箱とを備え、更に、該 外箱のひとつの側面の下端近傍に設けられ、該外箱に収容された内箱をひとつだ け取り出すことができる寸法の取り出し窓が形成されていることを特徴とする治 験データ収集用品収納箱が提供される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案に係る収納箱は、大きな箱の中に複数の小さな箱が収容されており、小 さな箱にはひとつの使用単位毎に必要な治験用資材及び検査依頼伝票、治験用診 療録、報告書式等の書類等が収容されている。また、その独特の構造により、小 さな箱は、大きな箱から特定の順序でしか取り出すことができない。従って、大 きな箱の表面に臨床試験の対象を明瞭に表示して弁別が容易であると共に、予め 規定された順序でのみ小さな箱を取り出して治験を実施することができる。

【０００８】 以下、本考案に係る治験データ収集用品収納箱についてより具体的に説明する が、以下の開示は本考案の一実施例に過ぎず本考案の技術. 範囲を何ら限定する ものではない。

【０００９】

【実施例】

図１は、本考案に係る収納箱の概観を示す斜視図である。また、図２は、図１ に示した収納箱の縦断面図である。

【００１０】 図１および図２に示すように、この収納箱は、立方体の外箱10と、この外箱10 に収納された複数の内箱20（20₁ 〜20_n ）とから構成されている。

【００１１】 外箱10は、その一方の側面の下部に形成された取り出し窓11と、同じ面の縁部 に縦に一列に形成された複数の表示窓12とを備えている。また、取り出し窓11お よび表示窓12を形成された面の残りの領域並びに上面には、それぞれ表示ラベル 13、14が貼付されている。更に、図２に示すように、外箱10の底部にはスペーサ 15が配置されており、一番下に位置する内箱20₁ の底面と、取り出し窓11の下辺 とが同じ高さになるように構成されている。

【００１２】 なお、外箱10の内面および底面が平滑であれば、上記のスペーサ15は不要であ る。しかしながら、例えば段ボールような廉価な材料を用いて箱を造った場合、 実際には内部に何等かの段差等が生じる。従って、一番下の内箱を取り出した後 に上から他の内箱が円滑に落下してくるようにするためには、スペーサ15を装入 して外箱内面の平滑な部分を利用することが好ましい。

【００１３】 一方、内箱20は、図３に示すように比較的薄く上方が開く立方体の箱である。 この箱の側方には、前述した外箱10の表示窓12から見える番号21と、やはり外箱 10の取り出し窓11から見えるラベル22とが貼付されている。このような内箱20は 、図２に示すように、外箱10の内部に積層して収納されている。

【００１４】 以上のように構成された収納箱は、以下のように用いる。 即ち、治験依頼者側では、内箱20のひとつひとつに、１回の治験に必要な資材 、資料、検査依頼伝票、治験用診療録、報告書式等の治験データ収集用品を収納 する。更に、治験データ収集用品を収納した複数の内箱20₁ 〜20_n を外箱10に収 納する。このとき、先に使用すべき内箱20₁ が外箱10内では下になるように収納 する。また、外箱の表面には、この治験の対象となる患者名、治験計画名、治験 薬名等を表す表示ラベル13、14を貼付する。こうして治験データ収集用品を収容 した収納箱は外箱ごと各治験実施医療機関に提供される。

【００１５】 各治験実施医療機関では、外箱10の取り出し窓11から内箱20をひとつずつ取り 出し、取り出した内箱に収容されている治験データ収集用品を用いて治験を実施 する。このとき、外箱10の側面には大きなラベルで治験対象が表示されているの で、複数の臨床試験を並行して行っている場合や、複数の被験者を対象に臨床試 験を行っている場合でも識別が容易である。また、内箱は、取り出し窓11から、 収納された順序でひとつずつ取り出すことになるので、使用順序が狂うことがな い。更に、長期の治験で治験データ収集用品の補充が必要な場合は、表示窓12か ら使用量あるいは残量を容易に読み取ることができるので、確実に治験を継続さ せることができる。

【００１６】 こうして臨床試験に供された治験データ収集用品は、回収が必要なものについ ては再び内箱に戻してもらい、内箱ごと回収すればよい。また、臨床試験の終了 時には外箱も回収すれば、表面の表示ラベルを貼り替えるだけで再使用すること ができる。ただし、収納箱の材料としてはいわゆる段ボール等の廉価な材料を用 いることができるので、衛生管理等の観点からは、使用毎に焼却処分としてもよ い。

【００１７】 なお、内箱並びに外箱における各種の表示は、上述のような貼付式ラベルの他 に、箱自体の色等によって更に識別を容易にすることもできる。即ち、被験者毎 あるいは治験薬の種類毎に箱自体の色を変えておけば、使用時の識別が更に確実 なものとなる。また、表示窓12に表示する番号は、数字の他に、アルファベット や曜日等の文字でもよい。さらに、外箱に把手を設ける等、実用的には種々の工 夫が可能である。

【００１８】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案に係る収納箱は、治験データ収集用品の装 入が容易で、運搬時の取り扱いも容易である。また、予め設定された順序でひと つずつ内箱を取り出させることができるので、臨床試験の手順に錯誤が生じるこ とがない。また、外箱の外側から使用状況が一目で判るので、補充が必要な場合 等の管理も容易である。

【００１９】 また、外箱に大きな表示を設けることができるので、複数の臨床試験を並行し て行っているような大規模な治験実施医療機関でも、治験データ収集用品の識別 が容易且つ確実になる。更に、内箱は、外箱の側面から取り出すことができるの で、多くの外箱を積み上げておいても、任意の外箱から所望の治験データ収集用 品を取り出すことができるので、スペースファクタにも優れている。

【００２０】 更に、この収納箱は、実際には、段ボール等の廉価且つ普通の素材で製造する ことができ、また、表面のラベルを貼り替えることにより再使用も可能である。 従って、この収納箱を導入することによるコストの上昇は、利用期間が長くなる につれて僅かなものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に治験データ収集用品収納箱の外観を示
す斜視図である。

【図２】図１に示した収納箱の縦断面図である。

【図３】図１に示した収納箱の内箱の構成例を具体的に
示す図である。

【符号の説明】

10・・・外箱、 11・・・取り出し窓、 12・・・表示窓、 13、14、22・・・表示ラベル、 15・・・スペーサ、 20、20₁ 〜20_n ・・・内箱、 21・・・番号表示

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】医薬品の臨床試験に用いる資材、資料、検
   査依頼伝票、治験用診療録、報告書式を含む治験データ
   収集用品を収納する容器であって、 １回の治験診療または検体測定に必要な治験データ収集
   用品をまとめて収納することができる内箱と、該内箱を
   複数積層して収容できる外箱とを備え、 更に、該外箱のひとつの側面の下端近傍に設けられ、該
   外箱に収容された内箱をひとつだけ取り出すことができ
   る寸法の取り出し窓が形成されていることを特徴とする
   治験データ収集用品収納箱。
2. 【請求項２】請求項１に記載された治験データ収集用品
   収納箱において、前記取り出し窓が形成されている面と
   同じ外箱の側面に、前記内箱の高さと同じ間隔で縦に配
   列された複数の表示窓が形成されており、前記内箱の側
   面に表示された数字または文字を含む表示が該表示窓を
   介して該外箱の外側から見えるように構成されているこ
   とを特徴とする治験データ収集用品収納箱。
3. 【請求項３】請求項１または請求項２に記載された治験
   データ収集用品収納箱において、少なくとも、前記取り
   出し窓が形成されている面と同じ外箱の側面に、該収納
   箱の内容を識別できる表示を設けたラベルが貼り付けら
   れていることを特徴とする治験データ収集用品収納箱。
4. 【請求項４】請求項１から請求項３までのいずれか１項
   に記載された治験データ収集用品収納箱において、前記
   外箱の実質的な底を形成するスペーサが該外箱の底部に
   装入されており、該外箱の実質的な内面が平滑な立方体
   を形成していることを特徴とする治験データ収集用品収
   納箱。