JP3051888U - タイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩道や公園等に敷設するためのタイルであっ
て、強度及び耐久性が高く、透水性があって雨水を地面
に通して樹木や草花の生育に障害とならないタイルの提
供。 【解決手段】 １０５メッシュ以上の粗い粒子であるト
リジマイト粘土を約８０％、０〜４６メッシュの微細な
粒子である一般粘土を約２０％の割合で混合した粘土を
使用し、所定形状に成形して焼き上げ、内部層には微細
な穴を無数に有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は歩道や公園、又は河川敷等に使用するタイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

タイルにも色々な形態があり、屋根瓦として又建物の外壁材として使用され、 優美な意匠空間を造り出している。特に日本六古窯の一つでもある越前焼きであ るタイルは素朴な土味が独特な色調を醸し出すことが出来、飽きのこないタイル となっている。そして外観のみならず、１２００℃を超える高温で焼き締める還 元炎焼成を採用している為に抜群の堅牢性と耐久性がある。

【０００３】 このように堅牢性と耐久性があるタイルは建物の屋根や外壁として使用する場 合に限らず歩道や公園に敷設する場合も多い。図２はタイル１、１…を敷設した 歩道の断面を表している具体例であり、路盤層２上にはコンクリート層３が、そ の上層にはモルタル層４が形成され、タイル１、１…はこのモルタル層４上に配 列している。そして、各タイル１、１…の下面は凹凸化し、間の隙間には目地５ が嵌められて位置ズレを防止している。

【０００４】 ところで、タイル１、１…を敷設した歩道は外観的には良く、表面を粗く仕上 げることで滑ることなく歩き易い歩道となるが、降った雨水はタイルを通過する ことが出来なくて全てが側溝へ流れる。すなわち地面に浸透することが出来ない 為に歩道に沿って植えられる樹木や草花は育ちにくく、しばらく雨が降らずして 良い天気が続く場合には水を与えなくては枯れてしまう。このようなことは公園 や遊園地にタイルを敷く場合も同じ問題が残されてしまう。

【０００５】

【本考案が解決しようとする課題】

このように、従来のタイルには透水性がなく、屋根瓦や側壁材として使用する には適しているが、歩道や公園に敷設する場合には雨水が地面に浸透することが 出来ず、環境的には問題がある。本考案が解決しようとする課題はこの問題点で あり、強度や耐久性が高いことは勿論のこと、透水性があって雨水を地面に通し て樹木や草花の生育に障害とならないタイルを提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案のタイルは歩道や公園等、地面に敷設する為のものであり、透水機能を 備えている。透水性だけをとらえるならば従来にも存在しているが、強度がなく て歩道用タイルとして使用することは出来ない。例えばコンクリートタイルであ れば透水機能は備わっているが、強度的には非常に弱いタイルであり、割れたり 欠けたりする為に、用途は限られている。

【０００７】 本考案のタイルはあくまでも焼き物として造られるタイルで、強度及び耐久性 に優れ、しかも透水機能を備えている訳であり、基本的には粒子の粗い粘土を多 く用いている。従来のタイルでは微粒子といわれる０〜４６メッシュの粘土を約 ８０％近く混入しているが、本考案ではこの微粒子粘土は約２０％としている。 以下、本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００８】

【実施例】

図１（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は本考案のタイルを表している外観図である。勿 論、タイル形状は特に限定しない為に、その他色々な形状とすることは自由であ り、地面に規則正しく配列して敷かれ、優美な外観を呈す歩道や公園の広場とな る。敷設された状態の断面は前記図２に示しているように、モルタル層４の上に 敷かれる。勿論、タイル下層の構造は限定せず、ガタ付かずに安定して敷くこと が出来る支持層であればよい。

【０００９】 ところで、このタイルを構成する粘土は透水性を備える為に、粗い粒子の粘土 （トリジマイト粘土）が大部分を占め、微粒子粘土は僅かの含有量となっている 。すなわち、粘土の粒子の大きさを表す、１０５メッシュ〜４２０メッシュに相 当する粒子からなる粘土が約８０％を占めている。しかしこの粗い粒子の粘土だ けでは強度が低い為に０〜４６メッシュの粒子からなる粘土を約２０％混合して いる。粗い粒子の中には８４０メッシュ以上のものを含めることもある。

【００１０】 このような比率で混合した粘土は所定の形状に成形されて１２００℃以上の高 温で焼かれる。その結果、抜群の堅牢性と耐久性を有すタイルと成るが、粒度の 粗い粘土が多量に含まれている為に、焼成したタイル層内には微細な穴が無数に 形成されることになり、表面から裏面にかけて水を浸透することが出来る。すな わち透水性を備えるタイルと成る。

【００１１】 このようなタイルは前記図２に示しているように平坦な表面に形成したモルタ ル層４上に敷設され、間には目地５を設けて所定の歩道面を造り上げる。このタ イル１、１…の場合も下面には凹凸を有してモルタル層４に食い込んで位置ズレ しないように成っている。そして、タイル表面に降った雨水は該タイルを通過し てモルタル層４、コンクリート層３を通過して地下に浸透する。

【００１２】 以上述べたように、本考案のタイルは１０５メッシュ以上の粗い粒子であるト リジマイトを約８０％含んでいる粘土を使用して焼き上げたタイルであり、次の ような効果を得ることが出来る。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のタイルは粒子の粗い粘土を多く含んでいる為に、焼き上がったタイル 層内には微細な穴が無数に形成され、この穴を通過して水を浸透することが出来 る。すなわち透水性のあるタイルとなり、このタイルを歩道や公園等の広場に敷 設するならば、タイル面に降った雨水はタイルを通過して地面に浸透することが 出来る。従って歩道に沿って植えられた樹木や草花は雨水を吸収することが出来 、特別に水を与えなくても生育することが出来る。一方、無数の微細な穴を有し ていても、微細粒子の粘土を含んでいて、しかも１２００℃以上で焼成される為 に強度、耐久性は高いタイルとなる。そして、無数の穴を有すタイルはろ過機能 があり、大気中の不純物を取り除いて地下水となり、環境保全に大きな効果があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のタイル形状。

【図２】タイルを敷設する場合の断面図。

【符号の説明】

１ タイル ２ 路盤層 ３ コンクリート層 ４ モルタル層 ５ 目地

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 歩道や公園の広場等に敷設されるタイル
   であって、その材料は１０５メッシュ以上の粗い粒子で
   あるトリジマイト粘土を約８０％、０〜４６メッシュの
   微細な粒子である普通の粘土を約２０％で構成し、該粘
   土を使用して所定の形状に成形して焼き上げ、内部層に
   は微細な穴を無数に有して透水性を備えたことを特徴と
   するタイル。