JP3051168U - おしめ及びおしめカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】内外一対の布を複数の袋状に区画して区画部を
形成すると共に、該区画部に排泄流体の層と空気の層と
に分離する複数の粒子体が封入された区画布を設けて、
この区画布をおしめ本体に設けることで、洗濯が可能で
繰返し使用することができ、しかもおしめ交換までの
間、使用者の快適性を維持しつつ、交換の必要性を促す
ことができ、さらには空気の層の形成により床ずれの低
減を図ることができるおしめの提供を目的とする。 【解決手段】内外一対の布１０，１１を複数の袋状に区
画して区画部１３を形成すると共に、上記区画部１３に
排泄流体の層と空気の層とに分離する複数の粒子体１４
が封入された区画布６を設け、上記区画布６をおしめ本
体１５に設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、乳幼児、老人、病人などの使用者の股部に当てて排泄物を受ける ようなおしめ及びおしめカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上述例のおしめとしては布製のおしめと、紙製のおしめ（いわゆる使い 捨ておしめ）とがある。

【０００３】 上述の紙製のおしめは、その構成素材の関係上、生物分解が不可能で廃棄時に 公害問題が発生するばかりでなく、当然のこととして再利用ができない問題点が あった。

【０００４】 また上述の布製のおしめは、洗濯することで繰り返し使用することができる利 点がある反面、排泄された流体（特に小便）によりおしめそれ自体が過度に濡れ る関係上、使用者の快適性が阻害される問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案の請求項１記載の考案は、内外一対の布を複数の袋状に区画して区画 部を形成すると共に、該区画部に排泄流体の層と空気の層とに分離する複数の粒 子体が封入された区画布を設けて、この区画布をおしめ本体に設けることで、洗 濯が可能で繰返し使用することができ、しかもおしめ交換までの間、使用者の快 適性を維持しつつ、交換の必要性を促すことができ、さらには空気の層の形成に より床ずれの低減を図ることができるおしめの提供を目的とする。

【０００６】 この考案の請求項２記載の考案は、上記請求項１記載の考案の目的と併せて、 上述の複数の区画部を細分化して、粒子体が存在する粒子体封入部と、粒子体が 存在しない粒子体非封入部とに区分設定することで、粒子体の使用量低減を図り つつ、快適性維持と交換必要性促進との両立を図ることができるおしめの提供を 目的とする。

【０００７】 この考案の請求項３記載の考案は、上記請求項１または２記載の考案の目的と 併せて、上述の粒子体を球状に設定することで、使用者の挙動に対応して粒子体 が区画部内で移動して、フィット性の向上を図ると共に、球状により人体に刺激 を与えることがないおしめの提供を目的とする。

【０００８】 この考案の請求項４記載の考案は、上記請求項１，２または３記載の考案の目 的と併せて、上述の区画部を升目状に形成することで、区画部を容易に形成する ことができ、その製造性の向上を図ることができるおしめの提供を目的とする。

【０００９】 この考案の請求項５記載の考案は、上記請求項１，２，３または４記載の考案 の目的と併せて、上述の区画部に大きさの異なる複数の粒子体を封入することで 、これら粒子体の流動性向上を図り、人体挙動時の対応性をさらに向上させるこ とができるおしめの提供を目的とする。

【００１０】 この考案の請求項６記載の考案は、上記請求項１，２，３，４，５のうちの何 れか一項に記載のおしめを、おしめカバー本体に一体化することで、上述の目的 を達成し得るおしめカバーの提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この考案の請求項１記載の考案は、内外一対の布を複数の袋状に区画して区画 部を形成すると共に、上記区画部に排泄流体の層と空気の層とに分離する複数の 粒子体が封入された区画布を設け、上記区画布をおしめ本体に設けたおしめであ ることを特徴とする。

【００１２】 この考案の請求項２記載の考案は、上記請求項１記載の考案の構成と併せて、 上記複数の区画部を細分化して、上記粒子体が存在する粒子体封入部と、粒子体 が存在しない粒子体非封入部とに区分設定したおしめであることを特徴とする。

【００１３】 この考案の請求項３記載の考案は、上記請求項１または２記載の考案の構成と 併せて、上記粒子体が球状に設定されたおしめであることを特徴とする。

【００１４】 この考案の請求項４記載の考案は、上記請求項１，２または３記載の考案の構 成と併せて、上記区画部が升目状に形成されたおしめであることを特徴とする。

【００１５】 この考案の請求項５記載の考案は、上記請求項１，２，３または４記載の考案 の構成と併せて、大きさの異なる複数の粒子体が封入されたおしめであることを 特徴とする。

【００１６】 この考案の請求項６記載の考案は、上記請求項１から請求項５のうちの何れか 一項に記載のおしめが、おしめカバー本体に一体化されたおしめカバーであるこ とを特徴とする。

【００１７】

【考案の作用及び効果】

この考案の請求項１記載の考案によれば、上述の区画部に封入された複数の粒 子体により該区画部はその肌に接しない側において排泄流体の層が形成され、肌 に接する側において空気の層が形成される。この結果、おしめ交換までの間、使 用者の快適性を維持することができると共に、適当な湿り気により使用者に対し て交換の必要性を促すことができ、また上述の空気の層の形成により床ずれの低 減を図ることができる効果がある。このような効果は使用者が仰臥姿勢で寝る時 にさらに顕著となる。加えて従前の紙おしめと異なり洗濯が可能で繰返し使用す ることができる効果がある。

【００１８】 この考案の請求項２記載の考案によれば、上記請求項１記載の考案の効果と併 せて、上述の複数の区画部を細分化して、粒子体が存在する粒子体封入部と、粒 子体が存在しない粒子体非封入部とに区分設定したので、粒子体の使用量低減を 図りつつ、快適性維持と交換必要性促進との両立を図ることができる効果がある 。

【００１９】 この考案の請求項３記載の考案によれば、上記請求項１または２記載の考案の 目的と併せて、上述の粒子体を球状に設定したので、使用者の挙動に対応して球 状の粒子体は区画部内で良好に移動し、粒子体が片寄ることがないので、フィッ ト性の向上を図ることができると共に、球形状により人体に刺激を与えることも ない効果がある。

【００２０】 この考案の請求項４記載の考案によれば、上記請求項１，２または３記載の考 案の目的と併せて、上述の区画部を升目状に形成したので、区画部を容易に形成 することができ、その製造性の向上を図ることができる効果がある。

【００２１】 この考案の請求項５記載の考案によれば、上記請求項１，２，３または４記載 の考案の目的と併せて、上述の区画部に大きさの異なる複数の粒子体を封入した ので、これら粒子体の流動性をさらに向上させることができて、人体挙動時の対 応性、フィット性のさらなる向上を図ることができる効果がある。

【００２２】 この考案の請求項６記載の考案によれば、上記請求項１，２，３，４，５のう ちの何れか一項に記載のおしめを、おしめカバー本体に一体化したので、上述の 効果を発揮することができるおしめカバーを得ることができる。

【００２３】

【実施例】

この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図面はおしめ及びおしめカバーを示し、図１、図２において、このおしめ１は 最外層に防水布２を配設し、この防水布２の上側にアクリル不織布などから成る 三層の吸水布３，４，５を配設し、この吸水布５の上側に区画布（層分離ユニッ ト）６を介して直接肌に接触する布体７を配設し、これら各要素２〜７を適宜縫 合して一体化すると共に、周縁部を縁取りして、縁取り部８を形成し、さらに股 部の左右と対応する部位には防水製のギャザー部９，９を一体的に形成している 。

【００２４】 ここで、上述の防水布２としてはポリウレタンフィルムを用いることができ、 布体７としては通気性および微細な起毛を有して肌ざわり性の向上を図るポリエ ステルを用いることができるが、これらの材質は一例であって、これに限定され るものではない。また図１において図示の左側から右側にかけてこのおしめ１は 使用時の腰部、臀部、股部、腹部に対応することは云うまでもない。

【００２５】 さらに上述の防水布２はその展開形状を図３に示す如く形成し、吸水布３，４ ，５および布体７はその展開形状を図４に示す如く形成している。

【００２６】 次に図５、図６を参照して上述の区画布６の構成について説明する。

【００２７】 この区画布６は通気性を有する内側の布１０（図６の上側の布）と、通気性を 有する外側の布１１（図６の下側の布）との内外一対の布１０，１１を縫糸１２ を用いて複数の袋状に区画して、升目状の複数の区画部１３…を形成している。 なお外側の布１１はプリウレタンフィルム等の防水布を用いて構成することも可 能である。

【００２８】 而して、上述の各区画部１３内には直径を異にする多数の粒子体１４…を移動 可能に封入している。この実施例では直径が約１．０ｍｍφ、約１．５ｍｍφ、 約２．０ｍｍφの３種類の発泡スチロール球状体を多数封入して、粒子体１４の 流動性向上と軽量化との両立を図っているが、直径の寸法および粒子体１４の材 質はこれに限定されるものではなく、例えばガラスビーズや樹脂製の球状体その 他材質による球状の粒子体であってもよいことは勿論である。

【００２９】 このように構成した区画布６を図２に示す如く吸水布５と布体７との間に介設 して、この区画布６を各要素２，３，４，５，７，８，９から成るおしめ本体１ ５と一体化したものである。

【００３０】 一方、図７、図８に示すようにカバー主体１６の一側左右に止着舌片１７，１ ８を有し、他側左右には複数の面ファスナ１９…が縫合等の手段にて接合された 防水性のおしめカバー本体２０を設けている。上述の止着舌片１７，１８の背面 １７ａ、１８ａ（図８参照）は面ファスナ加工されている。

【００３１】 このおしめカバー本体２０は股部の左右と対応する部位にギャザー部２１，２ １を有する一方、使用時の腰部および腹部と対応するようにカバー主体１６の一 側および他側の帯状の袋部２２，２３には伸縮可能なゴムバンド２４，２５（伸 縮帯）が内設されている。また上述の左右の止着舌片１７，１８のうちの左側の 止着舌片１７の遊端側にも面ファスナ２６が縫合等の手段にて接合されている。

【００３２】 而して、上述のおしめ１の使用時には図７に仮想線で示す如くおしめカバー本 体２０におけるカバー主体１６の内面側におしめ１を配設（必要に応じておしめ カバー本体２０とおしめ１とを両面テープ等で止めてもよい）し、この状態でお しめ１およびおしめカバー本体２０を人体の所定部に宛がって、右側の止着舌片 １８と左側の止着舌片１７とを面ファスナ２６で止着した後に、これら両止着舌 片１７，１８とカバー主体１６の他側とを面ファスナ１９…で止着すると、図８ に示すようにおしめ１およびおしめカバー本体２０を装着することができる。

【００３３】 この装着時（使用時）のおしめ１のみを抽出して図示すると図９のようになり 、使用者が排泄流体（特に小便）を排泄した場合の状態は図１０の如くなる。 すなわち、同図に示すように前述の区画部１３…にそれぞれ封入された多数の 粒子体１４…により各区画部１３…はその肌に接しない側において排泄流体の層 Ｘが形成され、肌に接する側においては空気の層Ｙが形成され、人体が直接排泄 流体に接触するのを回避することができる。

【００３４】 この結果、おしめ１の交換時までの間、使用者の快適性を維持することができ ると共に、適当な湿り気により使用者に対しておしめ交換の必要性を促すことが でき、また上述の空気の層Ｙの形成により床ずれの低減を図ることができる効果 がある。このような効果は使用者が仰臥姿勢で寝る時にさらに顕著となる。加え て従前の紙おしめと異なり洗濯が可能で繰返し使用することができる効果がある うえ、乳幼児、老人、病人など男女をとわず快適に使用することができる。

【００３５】 また、上述の粒子体１４を球状に設定したので、使用者の挙動に対応して球状 の粒子体１４は区画部１３内で良好に移動し、粒子体１４が片寄ることがないの で、フィット性の向上を図ることができると共に、球形状により人体に刺激を与 えることも全くない効果がある。

【００３６】 さらに、上述の区画部１３を升目状に形成したので、区画部を例えば直線縫い 操作にて容易に形成することができ、その製造性の向上を図ることができる効果 がある。

【００３７】 加えて、上述の区画部１３に大きさの異なる複数の粒子体１４…を封入したの で、これら粒子体１４の流動性をさらに向上させることができて、人体挙動時の 対応性、フィット性のさらなる向上を図ることができる効果がある。

【００３８】 図１１はおしめ１の他の実施例を示し、この図１１に示す実施例では上述の複 数の区画部１３を細分化して、その内部に多数の粒子体１４…が存在する粒子体 封入部１３Ａ（図示の便宜上、ハッチングを施さない状態で示す）と、粒子体１ ４が存在しない粒子体非封入部１３Ｂ（図示の便宜上、ハッチングを施して示す ）とに区分設定したものである。この粒子体非封入部１３Ｂの形成パターンは図 示パターンに限定されるものではなく、粒子体封入部１３Ａと粒子体非封入部１ ３Ｂとを交互に形成してもよく、粒子体封入部１３Ａに対して粒子体非封入部１ ３Ｂが二つ置き、三つ置き等になるように形成してもよい。

【００３９】 このように、上述の複数の区画部１３を細分化して、粒子体１４が存在する粒 子体封入部１３Ａと、粒子体１４が存在しない粒子体非封入部１３Ｂとに区分設 定すると、粒子体１４の使用量低減を図りつつ、快適性維持と交換必要性促進と の両立を図ることができる効果がある。なお、その他の点については先の実施例 と同様の作用、効果を奏するので、図１１において前図と同一の部分には同一符 号を付して、その詳しい説明を省略する。

【００４０】 以上の実施例においては図７に示すようにおしめカバー本体２０に対して着脱 可能なおしめ１の構成を示したが、図１２に示すようにおしめ１がおしめカバー 本体２０におけるカバー主体１６に縫合手段または面ファスナ接合手段等の適宜 手段にて一体化されたおしめカバー２７と成してもよい。

【００４１】 このように構成すると、前述の各種の効果を奏しつつ、おしめ１がおしめカバ ー本体２０の定位置に位置決め固定されるので、装着性の大幅な向上を図ること ができる効果がある。また、この場合には、おしめ１側のギャザー部９，９を省 略することもできる。

【００４２】 この考案の構成と、上述の実施例との対応において、 この考案の内外一対の布は、実施例の内側の布１０と外側の布１１とに対応し、 以下同様に、 粒子体は、発泡スチロール製球状の粒子体１４に対応し、 区画部は、升目状の区画部１３に対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。

【００４３】 例えば、上述の粒子体１４としては発泡スチロール製のもの以外に、ガラスビ ーズや他の合成樹脂製のものを用いてもよく、区画部１３は三角形、多角形、円 形その他の形状に区画してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案のおしめを示す展開平面図。

【図２】 図１のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図。

【図３】 防水布の形状を示す展開平面図。

【図４】 吸水布および布体の形状を示す展開平面図。

【図５】 区画布の平面図。

【図６】 図５のＢ−Ｂ線に沿う拡大断面図。

【図７】 おしめカバーを示す展開平面図。

【図８】 おしめカバー使用時の説明図。

【図９】 使用時のおしめ形状を示す説明図。

【図１０】 粒子体による層分離を示す拡大断面図。

【図１１】 区画布の他の実施例を示す平面図。

【図１２】 本考案のおしめカバーを示す展開平面図。

【符号の説明】

１…おしめ ６…区画布 １０，１１…布 １３…区画部 １３Ａ…粒子体封入部 １３Ｂ…粒子体非封入部 １４…粒子体 １５…おしめ本体 ２０…おしめカバー本体

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内外一対の布を複数の袋状に区画して区画
   部を形成すると共に、上記区画部に、排泄流体の層と空
   気の層とに分離する複数の粒子体が封入された区画布を
   設け、上記区画布をおしめ本体に設けたおしめ。
2. 【請求項２】上記複数の区画部を細分化して、上記粒子
   体が存在する粒子体封入部と、粒子体が存在しない粒子
   体非封入部とに区分設定した請求項１記載のおしめ。
3. 【請求項３】上記粒子体が球状に設定された請求項１ま
   たは２記載のおしめ。
4. 【請求項４】上記区画部が升目状に形成された請求項
   １，２または３記載のおしめ。
5. 【請求項５】大きさの異なる複数の粒子体が封入された
   請求項１，２，３または４記載のおしめ。
6. 【請求項６】上記請求項１から請求項５のうちの何れか
   一項に記載のおしめが、おしめカバー本体に一体化され
   たおしめカバー。