JP3049474U - 火薬抜取り工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工具により、作業効率よく、安全に
作業が行える火薬抜取り工具を提供する。 【解決手段】孔壁に装填した火薬を抜き取るための工具
であって、同心円に形成した螺旋状の挟持部と、該挟持
部先端から延長して突設した挿入部と、該挟持部後端に
取付けたハンドル部とを備えたことを特徴とする、火薬
抜取り工具であり、また、螺旋状の挟持部は弾力性を有
し、挿入部は棒状加工された硬質プラスチック材である
ことを特徴とする、火薬抜取り工具である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、孔壁に既に装填した火薬を抜き取るための工具である。

【０００２】

【従来の技術】

山岳トンネル工事やダム工事等において岩盤を掘削する際、岩盤をドリルで穿 孔し、穿孔内に火薬を装填して爆発させることにより、岩盤を崩壊させた後、掘 削が行われる。 穿孔内に火薬を装填後、継続して爆発作業が行われる場合は問題ないが、突然 の天候変化や、作業の都合により爆発作業を一時中断し、火薬に点火が行われな かった場合、或いは、穿孔内の土砂崩落により火薬が抜け取れなくなった場合、 火薬を穿孔内に装填したまま放置しておくと危険な状態となる。

【０００３】 このような危険状態を回避するため、既に装填した火薬を抜き取らなければな らない事態が発生する。 従来の技術においては、抜け取れなくなった火薬の穿孔に接近させて、他の穿 孔を並行して行い、穿孔内に火薬を装填して点火、爆発させることにより、抜け 取れなくなった火薬を同時に爆発させる方法が取られていた。

【０００４】 しかしこの方法では、抜け取れなくなった火薬の穿孔に接近させて、他の穿孔 を並行して行うため、穿孔作業に危険を伴い安全作業が出来なかった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な 工具により、作業効率よく、安全に作業が行える火薬抜取り工具を提供すること にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案は、孔壁に装填した火薬を抜き取るための工具であって、同心円に形成 した螺旋状の挟持部と、該挟持部先端から延長して突設した挿入部と、該挟持部 後端に取付けたハンドル部とを備えたことを特徴とする、火薬抜取り工具であり 、また、螺旋状の挟持部は弾力性を有し、挿入部は棒状加工された硬質プラスチ ック材であることを特徴とする、火薬抜取り工具である。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下図面を参照しながら本考案の実施の形態について説明する。

【０００８】 ＜イ＞火薬抜取り工具の全体構成 図１は、本考案による火薬抜取り工具１の全体構成を示す側面図である。 火薬抜取り工具１は、同心円に形成した螺旋状の挟持部２と、該挟持部２先端 から延長して突設した挿入部３と、該挟持部２後端に取付けたハンドル部４によ り構成されている。

【０００９】 ＜ロ＞挟持部 挟持部２は、挟持部２内周面に収容する火薬（ダイナマイト）の外径よりやや 大きめの内径とし、また、挟持部２の外径は岩盤の穿孔径よりやや小さめの外径 としている。 挟持部２の形状は、火薬と同心円に形成された螺旋状としている。 挟持部２の材質は弾力性、復元性があり、たとえば硬質プラスチック材等を使 用し、金属面を表面に露出させないよう注意する必要がある。

【００１０】 ＜ハ＞挿入部 挿入部３は、前記挟持部２と同じ材質を使用し、挟持部２先端から延長して突 設させている。 挿入部３の先端部は、穿孔された孔壁５と装填された火薬６の間を、孔壁５に 沿って回転しながら挿入されるため、先端をとがらせた先付け形状としている。 （図２）

【００１１】 ＜ニ＞ハンドル部 ハンドル部４は、挟持部２の後端に一体取付けるための取付片４１と、ハンド ル部４を円回転させるための把持片４２と、円回転を保持するためのシャフト４ ３から構成されている。

【００１２】

【作用】

以下本考案による火薬抜取り工具１の使用方法について、図を参照して説明す る。

【００１３】 ＜イ＞挿入部の差し込み 図２は、岩盤Ｇをドリルで穿孔した孔壁５内に火薬６を装填した状態を示す断 面図である。 火薬６は孔壁５の内周面とわずかな隙間をあけて装填されている。 図３は、孔壁５内に装填された火薬６の端部隙間に、火薬抜取り工具１の挿入 部３先端を差し込んだ状態を示す断面図である。 この状態において、挟持部２の端面が火薬６の端面に到達するまで火薬抜取り 工具１全体を押し込み、挿入部３を隙間に差し込む。

【００１４】 ＜ロ＞挟持部の回転 挿入部３を隙間に差し込み、挟持部２の端面が火薬６の端面に到達後、ハンド ル部４を回転させることにより、挿入部３は火薬６の外周面に沿って円回転し、 火薬６は挟持部２の内周面に順次収容されていく。 挟持部２及び挿入部３は、たとえば硬質プラスチック材等を使用しているため 、円回転、押圧力に対しても変形することなく追随出来るものである。 また、挟持部２及び挿入部３には金属類を使用していないため、円回転、押圧 力を与えても、岩石との接触で火花が発生する危険もなく、安全作業とすること ができる。

【００１５】 ＜ハ＞火薬抜取り工具の引抜き 図４は、火薬抜取り工具１を引抜いている状態を示す断面図である。 前記により火薬６を挟持部２の内周面に収容後、火薬抜取り工具１を引抜いて 孔壁５内に装填された火薬６を撤去する。 火薬抜取り工具１の引抜きに際しては、ハンドル部４の把持片４２とシャフト ４３を掴み、矢印方向に引抜くことにより挟持部２内に収容された火薬６も同時 に引抜き撤去することができる。 火薬抜取り工具１の引抜き力に抵抗して、挟持部２の先端部はその弾力性によ り、火薬６の外周面に更に強力に巻き付き、火薬６を容易に引抜き撤去すること ができる。 火薬６は挟持部２全長にわたって収容する必要はなく、火薬抜取り工具１を引 抜いてみた感触で判断することにより、効率的な作業が行える。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は以上説明したようになるから、次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞簡単な工具により火薬の抜取り作業ができるので、経済的である。 ＜ロ＞工具は金属類等を使用していないので、岩石との接触で火花が発生する危 険もなく、安全作業とすることができる。 ＜ハ＞工具の材質を硬質プラスチック材等としているので、変形することなく作 業に追随できる。 ＜ニ＞火薬を収納する部分を螺旋状としているので、その弾力性により火薬を確 実に把持することができる。 ＜ホ＞工具の先端に挿入部を設けたので、孔壁と火薬のわずかな隙間でも差し込 むことができる。 ＜ヘ＞工具を回転させながら孔壁内に挿入させる構造としたので、無理な力や衝 撃力を与えず、安全作業とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案による火薬抜取り工具の全体構成を示
す側面図。

【図２】 火薬を装填した状態を示す断面図。

【図３】 火薬抜取り工具の挿入部先端を差し込んだ状
態を示す断面図。

【図４】 火薬抜取り工具を引抜いている状態を示す断
面図。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】孔壁に装填した火薬を抜き取るための工具
   であって、 同心円に形成した螺旋状の挟持部と、 該挟持部先端から延長して突設した挿入部と、 該挟持部後端に取付けたハンドル部とを備えたことを特
   徴とする、 火薬抜取り工具。
2. 【請求項２】請求項１に記載の火薬抜取り工具におい
   て、 螺旋状の挟持部は弾力性を有し、挿入部は棒状加工され
   た硬質プラスチック材であることを特徴とする、 火薬抜取り工具。