JP3039803B2 - 電離放射線の照射により生じるポリウレタン/多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレン複合体の損傷をヒンダードフェノールの使用により減少させる方法 - Google Patents

電離放射線の照射により生じるポリウレタン/多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレン複合体の損傷をヒンダードフェノールの使用により減少させる方法

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JP3039803B2 JP03501057A JP50105791A JP3039803B2 JP 3039803 B2 JP3039803 B2 JP 3039803B2 JP 03501057 A JP03501057 A JP 03501057A JP 50105791 A JP50105791 A JP 50105791A JP 3039803 B2 JP3039803 B2 JP 3039803B2
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polyurethane
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exposure
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エム. トンプソン,ロバート
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WL Gore and Associates Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、コーティッドファブリックを電離放射線に
対して安定化させる方法に関する。
より詳細には、本発明は、手術用ドレープ及びガウン
に使用する多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレンと通
気性ポリウレタンからなる複合コーティングを、ヒンダ
ードフェノールを使用することにより、上記手術用ドレ
ープ及びガウンを殺菌するのに使用する電離放射線に対
して安定化する方法に関する。
背景技術 手術用ガウン及びドレープは、手術に対して用意がで
きている皮膚領域を汚染しないようにするとともに、外
科医と看護婦を、手術に対して準備ができていなかった
り汚染されている患者の皮膚で汚染することから保護す
る役割を果たす。手術用ガウンは、外科医との接触によ
る汚染から患者を保護する無菌バリヤーとしての役割を
果たし、また、患者との接触による汚染から外科医を保
護する無菌バリヤーとしての役割を果たすことが好まし
い。
体液等の液体は、通常の耐液性手術用ガウンやドレー
プを通過することができる。したがって、バクテリア、
ウイルス及び血液担持病原体がガウンやドレープの片面
に存在すると、それがガウンを通過して輸送され、患者
や手術室にいる人員に達することがある。このようなこ
とから、体液が浸透しないことが、ガウンやドレープに
とっては重要な特性であるとされている。
ガウンとドレープは、快適さの面からは、水蒸気透過
性(breathable)」であること、即ち、水蒸気が通過す
ることができなければならないことが広く認識されてい
る。空気が通過する必要がなく、発汗に由来する水蒸気
が内側から外側に透過することにより、下着が湿っぽく
ならず、そして自然の気化冷却効果が得られればよい。
本明細書では、通気性と、内部の水蒸気を外部環境に輸
送する能力とは、同意語として用いている。もし親水性
材料からなる連続フィルムが、そのフィルムの一方の面
でかなりの水蒸気を含有する空気にさらされ、そして他
の面で水蒸気含量の小さい空気にさらされると、高濃度
の水蒸気にさらされたフィルムの面は、水分子を吸収
し、それがフィルムを通って拡散し、そして低濃度水蒸
気にさらされた面で放出されるか蒸発する。即ち、水蒸
気は、分子レベルでフィルムを通過して輸送される。こ
の性質は、「通過性(breathability)」として知られ
ている。
液状水不透過性は、手術用ドレープ及びガウンに使用
されている材料では、ポリエチレンや可塑剤PVC等の種
々の不浸透性フィルムを布にラミネートして使用するこ
とにより達成されることができる。しかしながら、この
ような布は通気性ではなく、そして着ていて極めて不快
である。
通気性と液状水不透過性の両方は、延伸多孔性ポリテ
トラフルオロエチレンと親水性ポリウレタンの複合コー
ティングを用いて容易に達成できる。これらのコーティ
ングを1層以上の布に付着して、手術用ドレープや手術
用ガウンに望ましい上記した全ての性質を有するラミネ
ートを提供できる。
しかしながら、手術用ドレープ及び手術用ガウンをは
じめとする電離放射線を用いる殺菌手術室(O.R.)の備
品については、電離放射線によりこれらのポリエチレン
/延伸多孔性ポリテトラフルオロエチレン複合体が分解
することから、現時点では、これらの複合体を使用する
ことが不利な傾向にある。即ち、電離放射線により、複
合体がゴム状となったり変色したりする。
ラワンディ(Lawandy)及びヘプバーン(Hepburn)、
エラストメリクス(Elastomerics)、21〜24、1981年1
月発行及びクリマノバ(Klimanova)等、ソビエト・プ
ラスチクス(Soviet Plastics)、第3号、23〜25(19
73)から分かるように、一般的にポリウレタンは、電離
線やガンマ線に対しては耐分解性があるということが知
られているので、この分解は意外である。前者の論文で
は、ポリマーは変化の徴候を示しながらも、コバルト60
源ガンマ線を20メガラド放射した後でももとのままであ
ると報告されている。後者の論文では、200メガラド以
下の照射について記載がなされており、そして幾つかの
例において、線量200メガラドで照射後の引張強度が、
未照射サンプルよりもまだ高かったと報告している。ポ
リウレタンアクリレート(Tu、SME アソシエーション
・フォー・フィニッシュ・プロセシス(SME Assoc.for
Finish Processes)、1980年9月のカンファレン
ス、第117〜143頁)は、紫外線の電子線のエネルギーで
発色することがあり、そしてヒンダードフェノールが発
色を阻止するのに効果があることが報告されている。
電離放射線の照射に対してポリウレタンが安定である
のとは対照的に、多孔性ポリテトラフルオロエチレンは
電離放射線に対して極めて敏感であり、空気中1メガラ
ド未満の照射を受けても引張強度が失われる。したがっ
て、放射線に対して安定なポリウレタンと放射線に対し
て不安定なポリテトラフルオロエチレンとから構成され
る複合体は、ポリテトラフルオロエチレン単独よりも安
定性がよいことが予想される。しかしながら、ポリウレ
タンとポリテトラフルオロエチレンの複合体は、延伸多
孔ポリテトラフルオロエチレン単独の場合と同程度に電
離放射線に対して感受性がある。このようなコーティン
グ複合体の他の性質は、延伸多孔性ポリテトラフルオロ
エチレンよりもポリウレタンの性質に似ているので、上
記のことは意外であった。
本発明の目的は、電離放射線に対する延伸多孔性ポリ
テトラフルオロエチレン−ポリウレタン複合体の感受性
を減少させることを目的とする。
発明の開示 本発明は,ポリウレタン−延伸ポリテトラフルオロエ
チレン複合体にヒンダードフェノールを添加することに
より該複合体の電離放射線に対する感受性を減少させる
ことを含んでなる。
発明を実施するための最良の形態 特にウイルスバリヤとしてコーティッドファブリック
を開発する過程で、延伸多孔性ポリテトラフルオロエチ
レン(EPTFE)に通気性ポリウレタンを充填し、そして
織物やメリヤス生地に付着させた薄いスカホールド(sc
affold)の使用が有益であることが判明した。しかしな
がら、手術室で使用されるこれらのコーティッドファブ
リックを殺菌するのに用いる電離放射線により、これほ
どまでに複合体の通気性ポリウレタン部分が分解される
とは予想されなかった。実際に、表1から明らかなよう
に、ガンマ線を5メガラド照射したときでさえ、EPTFE
を単独で試験したときにはEPTFEが完全に破壊された
が、ポリウレタンフィルム単独では、照射前よりも強固
でさえあった。しかしながら、EPTFEとポリウレタンか
らなる複合体は、その引張強度が、2.5メガラドでの処
理後で68%、5.0メガラドでの処理後で70%失われた。
この大きな損失は、EPTFEに遊離ラジカルが形成して、
それがポリウレタンを攻撃するためと思われる。
電離放射線の低線量でポリウレタンの強度が減少する
ことは、ポリウレタン/EPTFE複合体に特有なものである
と思われる。明らかに、EPTFEが存在することで、複合
体に相乗的な分解が生じる。
イルガノクス(Irganox)(商標)1010(テトラキス
〔メチレン(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナメート)〕メタン及びイルガノクス1035(チオジエ
チレンビス(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシヒドロシ
ンナメート)(両方ともチバガイギー社から入手でき
る)等のヒンダードフェノールは、1%の低濃度でさ
え、放射線によるポリウレタン−EPTFE複合体の損傷を
効果的に減少する。これは、EPTFEが消耗され,そして
ヒンダードフェノールが、EPTFE分解の副生成物の破壊
効果からポリウレタンを保護し、その結果、複合体の引
張強度が2.5メガラド照射後でも最大80%、5メガラド
照射後で最大66%保持されるものと思われる。他のヒン
ダードフェノールも、電離高エネルギー放射線によりポ
リウレタン−EPTFE複合体が顕著に破壊されないよう該
複合体を保護する際に同様に働くものと思われる。
実施例 ポリウレタン樹脂の調整 1000mlの樹脂ケトルを乾燥窒素でパージし、そして4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート104g(0.832モ
ル当量)を添加した。温度を60℃まで上昇させてイソシ
アネートを溶融させ、そしてポリエチレングリコール14
00(予め乾燥して水分を200ppm未満としたもの)を286g
(0.415モル当量)添加した。温度を100〜101℃に増加
し、そして反応物を約1.5時間攪拌して、NCO含量を滴定
で測定して約4.4%とした。
ヒンダードフェノールを添加する場合には、反応のこ
の段階で行った。フェノール(チバガイガー社製イルガ
ノクス1010からイルガノクス1035を4.0g)1%を使用し
た。温度を106〜107℃に増加し、そして4,4′−ヒドロ
キノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル10.4g
(0.10当量)を添加した。NCO含量が3%に達するまで
全体を約1.5時間攪拌した。この液状物をパイントカン
に排出し、そして窒素下でシールした。
被覆膜 ポリテトラフルオロエチレン膜(重量2.5g/yd2)と、
上記実施例で記載した親水性ポリウレタンプレポリマー
とを用いて、以下のようにしてコーティングを作製し
た。プレポリマーをトランスファーロールで、膜の細孔
が充填されるまで膜に塗布して、14g/yd2コーティング
(親水性ポリウレタン11.5g/yd2含有)を得た。膜に塗
布したプレポリマーは、充填膜を、空気中の湿分に数日
間あてることにより湿分硬化した。
照射 被覆膜に、市販の殺菌装置で、コバルト60線束を照射
した。この際、試料に照射した線量は、2.5メガラドと
5.0メガラドであった。
特性データ 以下の表に示した引張強度と伸びは、エーエムテーエ
ム(ASTM)D882により測定した。
備考)HPUR=親水性ポリウレタン樹脂 EPTFE=延伸多孔ポリテトラフルオロエチレン 1.NM=測定に供するほど十分な強度がない 2.AO−1=1%イルガノクス1010 3.AO−2=1%イルガノクス1035 4.( )内の数字は、引張強度保持率を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18 A61B 19/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタン/延伸多孔性ポリテトラフル
    オロエチレンを含んでなる複合体であって、ヒンダード
    フェノールがポリウレタン部分に存在する、複合体。
  2. 【請求項2】ヒンダードフェノールをポリウレタン部分
    に添加する、ポリウレタン−多孔性ポリテトラフルオロ
    エチレン複合体の電離放射線に対する感受性を減少させ
    る方法。
  3. 【請求項3】ポリウレタンが、親水性且つ通気性である
    請求の範囲第2項に記載の方法。
JP03501057A 1989-11-13 1990-11-09 電離放射線の照射により生じるポリウレタン/多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレン複合体の損傷をヒンダードフェノールの使用により減少させる方法 Expired - Lifetime JP3039803B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
US435,642 1989-11-13
PCT/US1990/006576 WO1991007457A2 (en) 1989-11-13 1990-11-09 Stabilisation of polyurethane/porous expanded ptfe composites

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